JP5590826B2 - タップセット、ネジ穴加工装置およびネジ穴加工方法 - Google Patents

タップセット、ネジ穴加工装置およびネジ穴加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、下穴が形成された対象物に対してネジ穴加工を行うタップセット、ネジ穴加工装置およびネジ穴加工方法に関する。
従来から、様々な分野で、機械部品間の締結部材としてネジ部品が用いられている。そして、機械部品への雌ネジ形成は、一般的に、雌ネジを切削するためのネジ山を有するタップを用いて行われる。
例えば、蒸気タービンを作製する場合、上下ケーシングの締結にはボルトが使用されるため、ケーシングに下穴を開けた後、当該下穴に対してタップを回転させながらねじ込むことにより、ケーシングにネジ穴を形成する必要がある。
タップは種々の構成のものが提案されており、例えば、特許文献1には、下穴の軸心に沿ってタップ本体を案内するガイドを先端に設けたタップが開示されている。
また、特許文献2には、ネジ穴加工を容易に行う観点から、回転軸に伝達されるトルクを増幅するトルク増幅器(減速機構)を、モーターの出力軸側に取り付けたネジ穴加工装置が開示されている。
実公昭63−86928号公報 特開2001−328026号公報
しかしながら、形成するネジ穴のサイズが大きくなるにしたがって、ネジ穴加工に必要なトルクが大きくなるとともに、ネジ穴加工時にタップの受ける反力が大きくなり、ネジ穴の加工精度(タップの直進性)が低下する。
このため、特許文献1に記載されたガイド付きのタップを用いても、タップに十分なトルクを伝えることができない場合や、タップの受ける反力をガイドで支えることができない場合があり、大径のネジ穴を十分な加工精度で形成することは難しい。
また特許文献2に記載された減速機構付きのネジ穴加工装置を用いても、ネジ穴加工時の反力によりタップの直進性が損なわれるため、大径のネジ穴を十分な加工精度で形成することは難しい。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、大径のネジ穴を高精度かつ容易に形成しうるタップセット、ネジ穴加工装置およびネジ穴加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係るネジ穴加工方法は、下穴が形成された対象物に対してネジ穴加工を行うタップセットであって、前記下穴よりも小径のガイドが先端側に設けられるとともに、前記下穴の開口端を含む壁面の一部にタップ経路を形成する第1ネジ山が基端側に設けられた第1タップと、前記タップ経路に沿って前記下穴の壁面に一次雌ネジを形成する第2ネジ山が設けられた第2タップと、前記一次雌ネジに対して仕上げ加工を行う第3ネジ山が設けられた第3タップとを含み、前記第1ネジ山、前記第2ネジ山及び前記第3ネジ山は、ピッチと谷の径が略同一であり、前記第2ネジ山は、前記第3ネジ山を形成する三角ネジ山よりもネジ山角度が大きく、前記第3ネジ山の前記三角ネジ山よりもネジ山高さが小さい三角ネジ山によって形成されることを特徴とする。
このネジ穴加工方法によれば、タップ経路の形成、一次雌ネジの形成および仕上げ加工を段階的に行って、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することができる。
また、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することで、タップの受ける反力を小さくして、当該反力に起因するタップの軸ブレを抑制し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
さらに、第1タップの先端側にはガイドが設けられているため、タップ経路を高精度に形成することができ、後続の第2タップによる一次雌ネジの形成および第3タップによる仕上げ加工を精度よく行うことができる。
したがって、上記ネジ穴加工方法によれば、大径のネジ穴を高精度かつ容易に形成することができる。
本発明に係るタップセットは、下穴が形成された対象物に対してネジ穴加工を行うタップセットであって、前記下穴よりも小径のガイドが先端側に設けられるとともに、前記下穴の開口端を含む壁面の一部にタップ経路を形成する第1ネジ山が基端側に設けられた第1タップと、前記タップ経路に沿って前記下穴の壁面に一次雌ネジを形成する第2ネジ山が設けられた第2タップと、前記一次雌ネジに対して仕上げ加工を行う第3ネジ山が設けられた第3タップとを含み、前記第1ネジ山、前記第2ネジ山及び前記第3ネジ山は、ピッチと谷の径が略同一であり、前記第2ネジ山は、前記第3ネジ山を形成する三角ネジ山よりもネジ山角度が大きく、前記第3ネジ山の前記三角ネジ山よりもネジ山高さが小さい三角ネジ山によって形成されることを特徴とする。
上記タップセットを用いて雌ネジを形成するには、第1タップを用いて下穴の壁面の一部にタップ経路を形成し、第2タップによりタップ経路に沿って下穴の壁面に一次雌ネジを形成した後、当該一次雌ネジの仕上げ加工を第3タップにより行えばよい。
このように、上記タップセットを用いて、タップ経路の形成、一次雌ネジの形成および仕上げ加工を段階的に行うことで、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することができる。
また、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することで、タップの受ける反力を小さくして、当該反力に起因するタップの軸ブレを抑制し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
さらに、第1タップの先端側にはガイドが設けられているため、タップ経路を高精度に形成することができ、後続の第2タップによる一次雌ネジの形成および第3タップによる仕上げ加工を精度よく行うことができる。
したがって、上記タップセットを用いれば、大径のネジ穴を高精度かつ容易に形成することができる。
上記タップセットにおいて、前記第1タップの前記ガイドの直径Dおよび長さLは、0.25≦L/D≦1.5の関係を満たすことが好ましい。
ガイドの長さLを直径Dの0.25倍以上(L/D≧0.25)にすることで、第1タップの下穴へのねじ込み時における第1タップの軸ブレを確実に抑制して、大径のネジ穴をより高精度に形成することができる。また、ガイドの長さLを直径Dの1.5倍以下(L/D≦1.5)にすることで、第1タップの軽量化を図ることができる。
上記タップセットにおいて、前記第1タップの前記第1ネジ山のピッチ数は、4以上9以下であることが好ましい。
第1ネジ山のピッチ数を4以上にすることで、第2タップを十分な精度で案内するタップ経路を下穴壁面に形成することができる。また第1ネジ山のピッチ数を9以下にすることで、第1タップのねじ込みに必要なトルクを小さくすることができる。
本発明に係るネジ穴加工装置は、上記タップセットのうち一のタップが交換可能に固定されたタップ固定部と、前記タップ固定部を介して前記一のタップと一体的に回転する回転軸とを備えることを特徴とする。
このネジ穴加工装置によれば、第1タップ、第2タップ、第3タップの順にタップ固定部に固定してネジ穴加工を行うことで、タップ経路の形成、一次雌ネジの形成および仕上げ加工を段階的に行って、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することができる。
また、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することで、タップの受ける反力を小さくして、当該反力に起因するタップの軸ブレを抑制し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
さらに、第1タップの先端側にはガイドが設けられているため、タップ経路を高精度に形成することができ、後続の第2タップによる一次雌ネジの形成および第3タップによる仕上げ加工を精度よく行うことができる。
したがって、上記ネジ穴加工装置によれば、大径のネジ穴を高精度かつ容易に形成することができる。
上記ネジ穴加工装置は、前記回転軸に伝達されるトルクを増幅するトルク増幅器をさらに備えることが好ましい。
これにより、大径のネジ穴を形成することがより一層容易になる。例えば、トルク増幅比が12倍以上のトルク増幅器を用いれば、M100以上のネジ穴を手動で形成することもできる。
上記ネジ穴加工装置は、前記回転軸を回転自在に支持するすべり軸受をさらに備えることが好ましい。
これにより、ネジ穴加工時における回転軸の軸ブレを防止して、ネジ穴を高精度に形成することができる。
上記ネジ穴加工装置において、前記すべり軸受の長さLと、前記回転軸の直径Dとは、1≦L/D≦2の関係を満たすことが好ましい。
これにより、ネジ穴加工時における回転軸の軸ブレを確実に防止して、ネジ穴をより高精度に形成することができる。
本発明によれば、第1タップ、第2タップ及び第3タップにより、タップ経路の形成、一次雌ネジの形成および仕上げ加工を段階的に行うことで、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することができる。
また、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することで、タップの受ける反力を小さくして、当該反力に起因するタップの軸ブレを抑制し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
さらに、第1タップの先端側にはガイドが設けられているため、タップ経路を高精度に形成することができ、後続の第2タップによる一次雌ネジの形成および第3タップによる仕上げ加工を精度よく行うことができる。
したがって、本発明により、大径のネジ穴を高精度かつ容易に形成することができる。
ネジ穴加工装置の構成例を示す斜視図である。 ネジ穴加工装置のタップの構成例を示す断面図である。 ネジ穴加工装置のタップ周辺の構成を示す断面図である。 トルク増幅器の構成例を示す分解斜視図である。 タップセットの一例を示す断面図であり、(a)〜(c)は、それぞれ、第1タップ、第2タップ、第3タップの構成例を示す図である。 下穴と第1タップとの関係を示す断面図である。 タップセットを用いてネジ穴加工を行う様子を示す図である。 第1タップの他の例を示す断面図である。 図8の第1タップを含むタップセットを用いてネジ穴加工を行う様子を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るネジ穴加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、ネジ穴加工装置のタップの構成例を示す断面図である。図3は、ネジ穴加工装置のタップ周辺の構成を示す断面図である。図4は、ネジ穴加工装置に用いるトルク増幅器の構成例を示す分解斜視図である。
図1に示すネジ穴加工装置1は、主に、タップTが交換可能に固定されたタップ固定部10と、タップ固定部10を介してタップTと一体的に回転する回転軸12と、回転軸12を支持する支持部20と、回転軸12に回転を入力する入力部14と、入力部14のトルクを増幅するトルク増幅器30と、トルク増幅器30のとも回りを防止する反力受け部40とにより構成される。
タップTは、本発明に係るタップセットのうち一のタップであり、図2に示すように、加工対象物に形成された下穴に雌ネジを切削するためのネジ山2と、切削時に発生する切りくずを排出するための溝3とを有する。また図3に示すように、タップTは、加工対象物Aとは反対側にタップシャンクSが設けられ、このタップシャンクSがタップ固定部10に把持される。なお、タップTの構成(すなわち、タップセットの構成)については、後で詳細に説明する。
タップ固定部10は、タップTのタップシャンクSが挿入されるタップチャック部10Aを有する。タップチャック部10Aは、タップシャンクSと同一の形状に構成されており、タップシャンクSが嵌入されるようになっている。タップシャンクSを確実に固定する観点から、タップチャック部10Aは四角穴であることが好ましい。タップ固定部10へのタップTの固定は、例えば、タップチャック部10AにタップシャンクSを嵌入した状態で、ボルトで締付けることにより行うことができる。
またタップ固定部10には、タップチャック部10Aと反対側に、回転軸12の軸シャンク13を固定するための軸チャック部10Bが設けられている。軸チャック部10Bも、タップチャック部10Aと同様に、軸シャンク13を確実に固定する観点から、四角穴であることが好ましい。タップ固定部10への回転軸12の固定は、例えば、軸チャック部10Bに軸シャンク13を嵌入した状態で、ボルトで締付けることにより行うことができる。
回転軸12は、ネジ穴加工時における反力を受けて、軸ブレを起こす場合がある。回転軸12の軸ブレは、ネジ穴加工時におけるタップTの直進性を阻害して、ネジ穴の加工精度低下の原因となるため、軸ブレが起こらないように回転軸12を支持する支持部20を設けることが好ましい。
支持部20は、図1に示すように、加工対象物Aに固定される台座22と、台座22に立設された複数の支柱24と、支柱24に支持されるフランジ26と、フランジ26に固定され、回転軸12を回転可能に支持する軸受28とにより構成することができる。支持部20を設けることにより、回転軸12の軸ブレを軸受28で抑制して、ネジ穴加工時におけるタップTの直進性を確保し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
軸受28はすべり軸受であっても、ころがり軸受であってもよいが、回転軸12を大面積で支持することが可能なすべり軸受は、回転軸12の磨耗を防止しうる点で好ましい。とりわけ、軸受28として、潤滑油の補充が不要な含油軸受を用いることが好ましい。
なお、軸受28の長さLと回転軸12の直径Dとは、1≦L/D≦2の関係を満たすことが好ましい。これにより、ネジ穴加工時における回転軸12の軸ブレを確実に防止して、ネジ穴をより高精度に形成することができる。
回転軸12は、タップ固定部10に固定される端部(図3に示す軸シャンク13)とは反対側の端部が入力部14に接続されており、入力部14の回転に伴って回転するようになっている。
入力部14は、回転軸12を回転させることができる構成であれば特に限定されず、例えば、タップハンドルや電動機を用いることができる。しかしながら、入力部14として電動機を用いる場合、M100程度までの大径ネジに対応可能であるものの、ネジ穴加工を行う現地において電源用トランスが必要になることがある。そこで、電源用トランスが不要な簡素な構成として、入力部14にタップハンドルを用いることが好ましい。図1には、入力部14としてタップハンドルを用いた例を示している。
ただし、入力部14としてタップハンドルを用いて手動でネジ穴加工を行う場合、十分なトルクをタップTに伝えることができず、ネジの材質によっては、M30を超える雌ネジの形成やサイズアップが難しいことがある。特に、M100を超える雌ネジの形成には、ポータブルボール盤では対応することができず、従来から大型の工作機械を用いるのが通常であったが、現場の作業スペース等の制約により、大型の工作機械を現場に持ち運ぶことができない場合もあった。そこで、タップハンドルのトルク不足を解消するために、図1に示すように、トルク増幅器30を用いることが好ましい。
トルク増幅器30は、図4に示すように、入力部側と接続される入力軸32と、入力軸32のトルクを増幅させる第1ギヤセット34及び第2ギヤセット36と、増幅されたトルクを回転軸側に伝える出力軸38とにより構成される。
第1ギヤセット34及び第2ギヤセット36は、周知の減速機構を用いることができる。例えば、第1ギヤセット34を、図4に示すように、太陽歯車34Aと、太陽歯車34Aの周囲に配置される遊星歯車34Bと、遊星歯車34Bと噛み合う内歯を有するリング歯車34Cとにより構成してもよい。同様に、第2ギヤセット36を、太陽歯車36Aと、太陽歯車36Aの周囲に配置される遊星歯車36Bと、遊星歯車36Bと噛み合う内歯を有するリング歯車36Cとにより構成してもよい。
トルク増幅器30のトルク増幅比(=出力トルク/入力トルク)は、ネジ穴の径や、加工対象物の材質に応じて、ネジ穴加工に必要なトルクが得られるように適宜調節されることが好ましい。これにより、例えば、トルク増幅比が12倍以上のトルク増幅器30を用いることで、M100を超える大径のネジ穴を手動(タップハンドル)で形成することが可能となる。
なお図4には、第1ギヤセット34及び第2ギヤセット36を用いて、二段階のトルク増幅(減速)を行って、回転軸側に出力する態様を示したが、トルク増幅は何段階行ってもよい。
また、上述のようにトルク増幅器30を用いる場合、トルク増幅器30のとも回りを防止する反力受け部40を設ける必要がある。反力受け部40は、トルク増幅器30のとも回りを防止しうる構成であれば特に限定されないが、例えば、図1に示すように、トルク増幅器30から延出する反力受け板42と、加工対象物Aに立設された支持棒44と、反力受け板42と支持棒44とを連結固定する固定部材46とにより構成することができる。
次に、上述のネジ穴加工装置1に用いるタップTについて説明する。図5は、本実施形態で用いるタップセットの構造例を示す断面図であり、図5(a)〜(c)は、それぞれ、第1タップ、第2タップ、第3タップの構成例を示す断面図である。図6は、図5に示すタップセットの第1タップと、加工対象物の下穴との関係を示す断面図である。
本実施形態では、ネジ穴加工を行うために、図5(a)〜(c)に示す3種類のタップからなるタップセットを使用する。
図5(a)に示す第1タップ50は、先端側に設けられ、第1タップ50の本体Bを下穴に案内するガイドGと、基端側に設けられた三角ネジ山52と、タップ固定部10に把持されるタップシャンクSとを備える。また第1タップ50は、第1タップの三角ネジ山52が設けられた領域からガイドGが設けられた領域にかけて、徐々に径が小さくなるように構成されている。
図5(b)に示す第2タップ60は、先端側を含むほぼ全領域に設けられた台形ネジ山62と、タップ固定部10に把持されるタップシャンクSとを備える。
図5(c)に示す第3タップ70は、先端側を含むほぼ全領域に設けられた三角ネジ山72と、タップ固定部10に把持されるタップシャンクSとを備える。
第1タップ50、第2タップ60及び第3タップ70のネジ山(52、62、72)は、ピッチおよびネジ山角度が互いに略同一であり、それぞれの谷の径が下穴の直径と略同一である。
図6に示すように、第1タップ50のガイドGの直径Dは、加工対象物Aの下穴Hの直径Dよりもわずかに小さく形成されている。ガイドGの直径Dと下穴Hの直径Dとの寸法許容差は、適度な隙間を確保する観点から、日本工業規格(JIS B0401−2)の規定に沿って決定されることが好ましい。例えば、第1タップ50のガイドGの寸法許容差をg6に設定するとともに、下穴Hの寸法許容差をH7に設定すれば、適度な隙間を確保することができる。
第1タップ50のガイドGの直径Dおよび長さLは、0.25≦L/D≦1.5の関係を満たすことが好ましい。ガイドGの長さLを直径Dの0.25倍以上(L/D≧0.25)にすることで、ネジ穴加工時における第1タップ50の軸ブレを確実に抑制して、第1タップ50の直進性を確実に維持することができる。また、ガイドGの長さLを直径Dの1.5倍以下(L/D≦1.5)にすることで、第1タップ50の軽量化を図ることができる。
また第1タップ50の三角ネジ山52のピッチ数(山数)は、4以上9以下であることが好ましい。三角ネジ山52のピッチ数を4以上にすることで、第2タップ60を十分な精度で案内するタップ経路を下穴壁面に形成することができる。また三角ネジ山52のピッチ数を9以下にすることで、第1タップ50のねじ込みに必要なトルクを小さくすることができる。なお、本明細書において、三角ネジ山52の「ピッチ数(山数)」とは、完全な三角形状のネジ山だけでなく、三角ネジ山の頂点近傍が切り落とされた台形状のネジ山(すなわち、第1タップ50の径が徐々に小さくなる領域に設けられるネジ山)をも含めたピッチ数(山数)である。
次に、上述のタップセットを用いてネジ穴加工を行う方法について説明する。図7は、上述のタップセットを用いてネジ穴加工を行う様子を示す図である。
図7(a)に示すように、加工対象物Aに予め形成された下穴Hに対して、第1タップ50を回転させながらねじ込む。これにより、下穴Hの開口端Eを含む壁面の一部にタップ経路54(図7(b)参照)が形成される。
次に、図7(b)に示すように、第1タップ50により形成されたタップ経路54に沿って、第2タップ60を回転させながら下穴Hにねじ込む。これにより、下穴Hの壁面全体に一次雌ネジ64(図7(c)参照)が形成される。
この後、図7(c)に示すように、第2タップ60により形成された一次雌ネジ64に沿って、第3タップ70を回転させながら下穴Hにねじ込む。これにより、下穴Hの壁面全体に形成された一次雌ネジ64の仕上げ加工を行って、下穴Hの壁面全体にわたって雌ネジ74を形成することができる。
このように、第1タップ50、第2タップ60及び第3タップ70を用いて、タップ経路54の形成、一次雌ネジ64の形成および仕上げ加工(雌ネジ74の形成)を段階的に行うことで、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクを低減することができる。
また、ネジ穴加工の各段階で必要なトルクが低減することで、タップの受ける反力を小さくして、当該反力に起因するタップ(50、60、70)の軸ブレを抑制し、ネジ穴加工精度を向上させることができる。
さらに、第1タップ50の先端側にはガイドGが設けられているため、タップ経路54を高精度に形成することができ、後続の一次雌ネジ64の形成及び仕上げ加工(雌ネジ74の形成)を精度よく行うことができる。
したがって、上述のネジ穴加工方法によれば、大径のネジ穴であっても、高精度かつ容易に形成することができる。
以上、本発明の一例について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、第1タップ50、第2タップ60及び第3タップ70の三種類のタップからなるタップセットを用いて、タップ経路54の形成、一次雌ネジ64の形成および仕上げ加工(雌ネジ74の形成)の三段階に分けて、ネジ穴加工を行う例について説明した。しかし、本発明に係るタップセットは、少なくとも第1タップ50、第2タップ60及び第3タップ70を含んでいればよく、四種類以上のタップにより構成されてもよい。
特に、第2タップ60より大きな外径の台形ネジ山が設けられた第4タップを追加したタップセットを用いれば、第2タップ60による一次雌ネジ64を形成した後に、第4タップにより二次雌ネジを形成することで、後続の第3タップ70による仕上げ加工に必要なトルクをより一層小さくすることができる。
また上述の実施形態では、三角ネジ山52が設けられた第1タップ50を含むタップセットを用いる例について説明したが、第1タップ50のネジ山は、台形ネジ山であってもよい。
図8は、台形ネジ山が設けられた第1タップを示す断面図である。図9は、図8に示す第1タップを含むタップセットを用いてネジ穴加工を行う様子を示す図である。
図8に示すように、第1タップ80は、先端側に設けられ、第1タップ80の本体Bを下穴に案内するガイドGと、基端側に設けられた台形ネジ山82と、タップ固定部10に把持されるタップシャンクSとを備える。第1タップ80を用いれば、第2タップ60を案内するタップ経路を小さなトルクで形成することができる。なお第1タップ80は、三角ネジ山52を台形ネジ山82に変更した点を除けば第1タップ50と共通の構成であり、ここでは、第1タップ50と共通する構成の説明を省略する。
第1タップ80と、第2タップ60及び第3タップ70とからなるタップセットを用いてネジ穴加工を行う場合、まず、図9(a)に示すように、加工対象物Aに予め形成された下穴Hに対して、第1タップ80を回転させながらねじ込む。これにより、下穴Hの開口端Eを含む壁面の一部にタップ経路84(図9(b)参照)が形成される。ここで、タップ経路84は、台形状の雌ネジである点で、三角形状の雌ネジであるタップ経路54(図7(b)参照)と異なる。この後の手順は、図9(b)〜(d)に示すとおり、図7(b)〜(d)に示す手順と共通であるため、ここではその説明を省略する。
さらに、上述の実施形態では、台形ネジ山62が設けられた第2タップ60と、三角ネジ山72が設けられた第3タップ70とを含むタップセットを用いる例について説明したが、第2タップ60及び第3タップ70のネジ山の形状はこの例に限定されない。すなわち、第2タップ60及び第3タップ70のネジ山は、ピッチが互いに略同一、かつ、それぞれの谷の径が下穴の直径と略同一であり、第2タップ60のネジ山の方が第3タップ70のネジ山よりも突起長さ(ネジ山の高さ)が小さければよく、様々な形状を採りうる。例えば、第2タップ及び第3タップのネジ山をいずれも三角ネジ山で構成するとともに、第2タップ60のネジ山の突起長さ(ネジ山の高さ)を第3タップ70のネジ山よりも小さくしてもよい(すなわち、第2タップ60のネジ山角度を第3タップ70のネジ山よりも大きくしてもよい)。
1…ネジ穴加工装置
10…タップ固定部
10A…タップチャック部
10B…軸チャック部
12…回転軸
13…軸シャンク
14…入力部
20…支持部
22…台座
24…支柱
26…フランジ
28…軸受
30…トルク増幅器
32…入力軸
34…第1ギヤセット
36…第2ギヤセット
34A、36A…太陽歯車、
34B、36B…遊星歯車
34C、36C…リング歯車
38…出力軸
40…反力受け部
42…反力受け板
44…支持棒
46…固定部材
50…第1タップ
52…三角ネジ山
54…タップ経路
60…第2タップ
62…台形ネジ山
64…一次雌ネジ
70…第3タップ
72…三角ネジ山
74…雌ネジ
80…第1タップ
82…台形ネジ山
84…タップ経路
A…加工対象物
B…タップ本体
G…ガイド
H…下穴
S…タップシャンク

Claims (9)

  1. 下穴が形成された対象物に対してネジ穴加工を行うネジ穴加工方法であって、
    前記下穴よりも小径のガイドが先端側に設けられるとともに、第1ネジ山が基端側に設けられた第1タップにより、前記下穴の開口端を含む壁面の一部にタップ経路を形成する工程と、
    第2ネジ山が設けられた第2タップにより、前記タップ経路に沿って、前記下穴の前記壁面に一次雌ネジを形成する工程と、
    第3ネジ山が設けられた第3タップにより、前記一次雌ネジの仕上げ加工を行う工程とを備え、
    前記第1ネジ山、前記第2ネジ山及び前記第3ネジ山は、ピッチと谷の径が略同一であり、
    前記第2ネジ山は、前記第3ネジ山を形成する三角ネジ山よりもネジ山角度が大きく、前記第3ネジ山の前記三角ネジ山よりもネジ山高さが小さい三角ネジ山によって形成されることを特徴とするネジ穴加工方法。
  2. 下穴が形成された対象物に対してネジ穴加工を行うタップセットであって、
    前記下穴よりも小径のガイドが先端側に設けられるとともに、前記下穴の開口端を含む壁面の一部にタップ経路を形成する第1ネジ山が基端側に設けられた第1タップと、
    前記タップ経路に沿って前記下穴の壁面に一次雌ネジを形成する第2ネジ山が設けられた第2タップと、
    前記一次雌ネジに対して仕上げ加工を行う第3ネジ山が設けられた第3タップとを含み、
    前記第1ネジ山、前記第2ネジ山及び前記第3ネジ山は、ピッチと谷の径が略同一であり、
    前記第2ネジ山は、前記第3ネジ山を形成する三角ネジ山よりもネジ山角度が大きく、前記第3ネジ山の前記三角ネジ山よりもネジ山高さが小さい三角ネジ山によって形成されることを特徴とするタップセット。
  3. 前記第1タップの前記ガイドの直径Dおよび長さLは、0.25≦L/D≦1.5の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のタップセット。
  4. 前記第1タップの前記第1ネジ山のピッチ数は、4以上9以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のタップセット。
  5. 前記第2ネジ山は、前記第3ネジ山を形成する三角ネジ山とネジ山角度が互いに略同一であって、前記三角ネジ山よりもネジ山高さが小さい当該三角ネジ山の頂点近傍が切り落とされた台形ネジ山によって形成されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のタップセット。
  6. 請求項2乃至の何れか一項に記載された前記タップセットのうち一のタップが交換可能に固定されたタップ固定部と、
    前記タップ固定部を介して前記一のタップと一体的に回転する回転軸とを備えることを特徴とするネジ穴加工装置。
  7. 前記回転軸に伝達されるトルクを増幅するトルク増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のネジ穴加工装置。
  8. 前記回転軸を回転自在に支持するすべり軸受をさらに備えることを特徴とする請求項又はに記載のネジ穴加工装置。
  9. 前記すべり軸受の長さLと、前記回転軸の直径Dとが、1≦L/D≦2の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載のネジ穴加工装置。
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