以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第一実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、第一実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。積層コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体2と、第一及び第二の端子電極3,4と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備えている。また、積層コンデンサ1は、図2及び図3に示されるように、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部10,20と、静電容量部30とを備えている。このような積層コンデンサ1は、例えば対象サイズが1608(長さ1.6mm、高さ0.6mm、幅0.8mm)といった小型のコンデンサである。
素体2は、複数の誘電体層が積層された略直方体形状の積層体である。素体2に含まれる各誘電体層は、例えば、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサ1では、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。また、素体2は、その外表面として、互いに対向する第一及び第二の主面2a,2bと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの長辺方向に沿って伸びる第一及び第二の側面2c,2dと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの短辺方向に沿って伸びる第一及び第二の端面2e,2fとを有している。第一及び第二の側面2c,2dと第一及び第二の端面2e,2fとは、第一及び第二の主面2a,2b間を連結するように伸びている。
第一及び第二の端子電極3,4は、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり(図4参照)、素体2の外表面に配置される。第一及び第二の端子電極3,4は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体2の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層を形成してもよい。後述する他の端子電極や外部接続導体も同様に形成される。
第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5、6,7,8は、第一及び第二のESR制御部10,20や静電容量部30に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、素体2の外表面に配置される。第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8は、回路基板に形成されたプラス電極S1及びマイナス電極S2のいずれにも接続されないようになっている。なお、各端子電極3,4や各外部接続導体5,6,7,8は、素体2の外表面において互いに電気的に絶縁されている。
このような第一の端子電極3、第一の外部接続導体5及び第三の外部接続導体7は、図1に示されるように、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって(図示左奥側から右手前側へ)、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6及び第四の外部接続導体8は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。各端子電極3,4や各外部接続導体5,6,7,8それぞれは、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dに形成されている。なお、第一及び第二の端子電極3,4は素体2を挟んで互いに対向し、第一及び第二の外部接続導体5,6も素体2を挟んで互いに対向し、第三及び第四の外部接続導体7,8も素体2を挟んで互いに対向するように形成されている。
第一のESR制御部10は、積層コンデンサ1の等価直列抵抗(以下「ESR」とも記す。)の増加等の制御を行う部分であり、図3(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極11,16から構成される。内部電極11,16は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。内部電極11,16は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。後述する他の内部電極も同様に形成される。
内部電極11(第一の内部接続導体)は、第一の端子電極3と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極11は、主電極部12と引出電極部13,14とを含む。主電極部12は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向(以下「X方向」と記す。)に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部13は、X方向における第一の端面2e側において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部13は、第一の端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部14は、X方向における略中央において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部14は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11には、図示矢印A1で示される電流が流れる。そして、プラス電極S1から第一の端子電極3へと流れ込んだ電流が内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと伝えられるようになる。
内部電極16(第二の内部接続導体)は、第二の端子電極4と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極16は、主電極部17と引出電極部18,19とを含む。主電極部17は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部18は、X方向における第一の端面2e側において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部18は、第二の端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部19は、X方向における略中央において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部19は、第二の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極16には、図示矢印A2で示される電流が流れる。そして、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極16を介して第二の端子電極4やマイナス電極S2へと伝えられるようになる。なお、本実施形態では、内部電極11,16が、接続導体として必要な面積よりも広くなるように形成されているため、積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11,16それぞれに、図示矢印A3,A4で示される電流も流れるようになっている。内部電極11,16が積層方向に対向するように配置されていることから、上述した接続部としての機能に加え、内部電極11,16は、これらの電流により静電容量部としても機能する。後述する第二のESR制御部20においても同様である(図3(b)において、電流の経路を示す矢印A13、A14を参照)。
第二のESR制御部20は、第一のESR制御部10と同様、積層コンデンサ1のESRの増加等の制御を行う部分であり、図3(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極21,26から構成される。内部電極21,26は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極21(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極21は、主電極部22と引出電極部23,24とを含む。主電極部22は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部23は、X方向における略中央において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部23は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部24は、X方向における第二の端面2f側において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部24は、第三の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極21には、図示矢印A11で示される電流が流れる。そして、内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が、内部電極11とは別の内部電極21を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられるようになる。
内部電極26(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極26は、主電極部27と引出電極部28,29とを含む。主電極部27は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部28は、X方向における略中央において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部28は、第二の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部29は、X方向における第二の端面2f側において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部29は、第四の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極26には、図示矢印A12で示される電流が流れる。そして、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が、内部電極26を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられるようになる。
静電容量部30は、積層コンデンサ1において、静電容量を発生させる部分であり、図3(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極31,36から構成される。内部電極31,36は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極31(第一の内部電極)は、主電極部32と引出電極部33とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部32は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部33は、X方向における第二の端面2f側において主電極部32と連接し、内部電極31を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部33は、第三の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。内部電極36(第二の内部電極)は、主電極部37と引出電極部38とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部37は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部38は、X方向における第二の端面2f側において主電極部37と連接し、内部電極36を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部38は、第四の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、静電容量部30では、互いに対向する内部電極31,36に図示矢印A23,A24で示される電流が流れ、その結果、両電極31,36の間に所定の静電容量が発生するようになる。
ここで、上述した第一及び第二のESR制御部10,20や静電容量部30の積層方向における配置構造について、図2を参照しながら、詳細に説明する。
まず、第一及び第二のESR制御部10,20の積層数や静電容量部30の積層数について説明する。ここで用いる「積層数」は、上述した一対の内部電極層を一層(一組)とするものである。積層コンデンサ1では、素体2が全体として10層構造となっており、第一及び第二のESR制御部10,20がそれぞれ一層からなり、静電容量部30が残りの8層からなっている。このように第一及び第二のESR制御部10,20が、静電容量部30の積層数よりも少ない積層数から構成されているため、各ESR制御部10,20の積層数を極力少なくすることになり(すなわち最小)、電流経路の並列接続の増加によって抵抗が低下することを抑制でき、等価直列抵抗の増加を図ることができる。なお、本実施形態では、第一及び第二のESR制御部10,20が最小積層数である各1層からなっているが、これに限定されるわけではなく、第一及び第二のESR制御部10,20の積層数が、静電容量部30の積層数よりも少なければ、それぞれ2層や3層から構成されていてもよい。
続いて、第一及び第二のESR制御部10,20と静電容量部30との積層方向における配置関係について説明する。図2から明らかなように、積層コンデンサ1では、一方の主面2a側である最上層に第二のESR制御部20が配置され、他方の主面2b側である最下層に第一のESR制御部10が配置されている。つまり、第一及び第二のESR制御部10,20は、素体2に含まれる誘電体層2gの積層方向において、8層構造の静電容量部30をその間に挟むように互いに離れて配置されている。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ1では、第一のESR制御部10に加えて第二のESR制御部20を備えている。このため、各端子電極3,4と静電容量部30との間に、第一のESR制御部10の内部電極11,16に加えて第二のESR制御部20の内部電極21,26も介在させることになり、端子電極3,4から静電容量部30への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態に係る積層コンデンサ1では、第一及び第二のESR制御部10,20が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部30を間に挟むように互いに離れて配置されている。このため、第一及び第二のESR制御部10,20を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ1の厚み分を利用して端子電極3,4から静電容量部30への電流経路を更に長くし、等価直列抵抗を更に増加させることが可能となっている。
より具体的には、図4及び図5に示されるように、実装基板のプラス電極S1から第一の端子電極3に流れ込んだ電流Iは、第一の端子電極3から第一のESR制御部10の内部電極11(主電極部12と引出電極部13,14)を介し、第一の外部接続導体5へと流れ込む。第一の外部接続導体5に流れ込んだ電流Iは、第一の外部接続導体5の一端(図5における下端側)から他端(図5における上端側)へと流れる。このように積層コンデンサ1の厚み分、引き回された電流Iは、更に、第一の外部接続導体5から第二のESR制御部20の内部電極21(主電極部22と引出電極部23,24)を介して、第三の外部接続導体7へと流れ込む。その後、電流Iは、第三の外部接続導体7を介して、静電容量部30の一方の内部電極31(主電極部32と引出電極部33)へと供給される。
一方、図4及び図6に示されるように、静電容量部30の一方から他方の内部電極36(主電極部37と引出電極部38)へと伝えられた電流Iは、第四の外部接続導体8を介して、第二のESR制御部20の内部電極26の引出電極部29に流れる。引出電極部29へと流れ込んだ電流Iは、第二のESR制御部20の内部電極26(主電極部27と引出電極部28,29)を介して、第二の外部接続導体6へと流れ、第二の外部接続導体6の一端(図6における上端)から他端(図6における下端側)へと流れる。このように積層コンデンサ1の厚み分、再度、引き回された電流Iは、更に、第二の外部接続導体6から第一のESR制御部10の内部電極16(主電極部17と引出電極部18,19)を介して、第二の端子電極4へと流れ込む。その後、電流Iは、第二の端子電極4からマイナス電極S2へと伝えられる。
このように、積層コンデンサ1では、第一及び第二のESR制御部10,20の内部電極や各外部接続導体5,6,7,8の長さ分、端子電極3,4から静電容量部30への電流経路が長くなるような構成となっており、等価直列抵抗を増加させることが可能となっている。
また、積層コンデンサ1では、上述したように等価直列抵抗を増加させるための第一及び第二のESR制御部10,20が、静電容量部30の積層数(8層)よりも少ない積層数(各1層)で構成されている。このため、各ESR制御部10,20の積層数を極力少なくすることになり、電流経路の並列接続の増加によって抵抗が低下することを抑制でき、等価直列抵抗の増加を図ることができる。
また、積層コンデンサ1では、第一のESR制御部10の積層数と第二のESR制御部20の積層数とがそれぞれ一組となっている。このため、両ESR制御部10,20の積層数を極力少なくすることになり(すなわち最小)、等価直列抵抗を一層、増加させることができるようになっている。なお、少なくとも、第一のESR制御部10の積層数が第二のESR制御部20の積層数以下であれば、端子電極3,4に接続されるESR制御部10,20の積層数を少なくすることになり、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、上述した説明では、第二の主面2b側を実装面として回路基板に実装した場合について説明したが、図7の模式断面図に示されるように、第一の主面2a側を実装面として積層コンデンサ1を回路基板に実装するようにしてもよい。この場合でも、第一及び第二のESR制御部10,20を結ぶ外部接続導体5,6の長さや電極S1,S2と第一のESR制御部10を結ぶ端子電極3,4の長さといった積層コンデンサ1の厚み分を利用して端子電極3,4から静電容量部30への電流経路を長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。なお、積層コンデンサ1では、積層方向における各最外層にESR制御部10,20のいずれかを配置する構成となっているため、第一及び第二の主面2a,2bのいずれの面を実装面とした場合であっても、上述したように、等価直列抵抗をそれぞれ増加させることができるようになっている。このため、積層コンデンサ1であれば、等価直列抵抗を増加させるために実装面をそれほど気にする必要がなく、その実装作業を容易に行うことができる。
また、積層コンデンサ1では、上述した配置構成に代えて、図8に示されるような配置構成を採用してもよい。すなわち、第一のESR制御部10を上下に2層備えた積層コンデンサ1において、各第一のESR制御部10をそれぞれ最外層に配置すると共に、第二のESR制御部20を積層方向の中央に配置する。そして、静電容量部30を各第一のESR制御部10と第二のESR制御部20の間にそれぞれ配置する。この場合であっても、積層コンデンサ1では、第一及び第二のESR制御部10,20が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部30を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部10,20を結ぶ外部接続導体5,6の長さ等といった積層コンデンサ1の厚み分を利用して端子電極3,4から静電容量部30への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることが可能である。
(第二実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の構成について説明する。積層コンデンサ51は、第一実施形態の積層コンデンサ1と同様、略直方体形状の素体2と、第一及び第二の端子電極3,4と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部60,70と、静電容量部80とを備えている。
第一及び第二のESR制御部60,70の機能は、第一実施形態における第一及び第二のESR制御部10,20と同様であり、静電容量部80の機能は、第一実施形態における静電容量部30と同様である。また、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80の積層方向における配置構成は、第一実施形態で説明した何れかの配置構成を適宜、採用することができる。これらの点は後述する他の実施形態でも同様である。本実施形態では、図9に示されるように、積層コンデンサ51が、更に第三及び第四の端子電極53,54を備えている点及び端子電極が増えたことにより内部電極パターンが異なる点で第一実施形態と異なっている。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
第三及び第四の端子電極53,54は、第一及び第二の端子電極3,4と共に、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり、素体2の外表面に配置される。第三の端子電極53は、第一の端子電極3と同極性であり、第一の端子電極3が接続されるプラス電極S1に接続される。第四の端子電極54は、第二の端子電極4と同極性であり、第二の端子電極4が接続されるマイナス電極S2に接続される。
ここで、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図9に示されるように、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって(図示左奥側から右手前側へ)、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。第三及び第四の端子電極53,54は、素体2を挟んで互いに対向し、且つ、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dにそれぞれ形成される。なお、各端子電極3,4,53,54や各外部接続導体5,6,7,8は、互いに電気的に絶縁されている。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部60は、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極61,66から構成される。内部電極61,66は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極61(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極61は、主電極部62と引出電極部63a,63b,64とを含む。主電極部62は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部63aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63aは、第一の端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。
引出電極部63bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の側面2cの第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63bは、第三の端子電極53に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部64は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部64は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。なお、プラス電極S1から第一及び第三の端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第一実施形態と同様に、内部電極61を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
内部電極66(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極66は、主電極部67と引出電極部68a,68b,69とを含む。主電極部67は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部68aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部67と連接し、内部電極66を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68aは、第二の端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。
引出電極部68bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部67と連接し、内部電極66を第二の側面2dの第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68bは、第二の端子電極54に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部69は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部67と連接し、内部電極66を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部69は、第二の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。なお、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流は、内部電極66を介して、第二及び第四の端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
第二のESR制御部70は、第一のESR制御部60と同様、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極71,76から構成される。内部電極71,76は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極71(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極71は、主電極部72と引出電極部73,74とを含む。主電極部72は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部73は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部73は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部74は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部74は、第三の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。なお、内部電極61を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流は、内部電極71を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極76(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極76は、主電極部77と引出電極部78,79とを含む。主電極部77は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部78は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部78は、第二の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部79は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部79は、第四の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流は、内部電極76を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
静電容量部80は、積層コンデンサ51において、静電容量を発生させる部分であり、図10(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極81,86から構成される。内部電極81,86は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極81(第一の内部電極)は、主電極部82と引出電極部83とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部82は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部83は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部82と連接し、内部電極81を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部83は、第三の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
内部電極86(第二の内部電極)は、主電極部87と引出電極部88とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部87は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部88は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部87と連接し、内部電極86を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部88は、第四の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。積層コンデンサ51が回路基板に実装等されると、静電容量部80では、互いに対向する内部電極81,86に電流が流れ、その結果、両電極81,86の間に所定の静電容量が発生するようになる。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ51でも、第一実施形態と同様、第一のESR制御部60に加えて第二のESR制御部70を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部80への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ51でも、第一及び第二のESR制御部60,70が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部80を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部60,70を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ51の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部80への電流経路を更に長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ51は、第一の端子電極3と同極性に接続されるための第三の端子電極53と、第二の端子電極4と同極性に接続されるための第四の端子電極54とを更に備えている。そして、第一及び第三の端子電極3,53が素体2の同一側面2cに形成され、且つ、第二及び第四の端子電極4,54が素体2の同一側面2dに形成されている。このように同一側面に同極性の端子電極が形成されるため、積層コンデンサ51を実装する回路基板の配線パターンを簡略化させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ51では、第一及び第三の端子電極3,53と第一及び第三の外部接続導体5,7とが素体2の同一側面2cに形成され、第二及び第四の端子電極4,54と第二及び第四の外部接続導体6,8とが素体2の同一側面2dに形成されている。このように、同一側面に同極性の端子電極と外部接続導体とが形成されるため、積層コンデンサ51を基板に実装する際、端子電極と外部接続導体との間でショートが発生してしまってもショート不良とならず、ショート不良を防止できる。このようなショート不良の防止は、積層コンデンサが小型(例えば対象サイズが1608(長さ1.6mm、高さ0.6mm、幅0.8mm))である場合に特に有益である。
ここで、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の変形例について図11を参照して説明する。この変形例にかかる積層コンデンサ51は、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80に代えて、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部60a,70aと静電容量部80aとを備えている。また、変形例にかかる積層コンデンサ51の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第三の外部接続導体5,7の位置がそれぞれ交換されており、また、第二及び第四の外部接続導体6,8の位置がそれぞれ交換されている。
変形例にかかる積層コンデンサ51では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60aにおいて、引出電極部64がX方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部62と連接するようになっており、引出電極部69がX方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部67と連接するようになっている。第二のESR制御部70aでは、引出電極部73,74の位置がそれぞれ交換されており、引出電極部78,79の位置がそれぞれ交換されている。静電容量部80aでは、引出電極部83がX方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部82と連接するようになっており、引出電極部88がX方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部87と連接するようになっている。
この変形例にかかる積層コンデンサ51においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部80aへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。また、同一側面に同極性の端子電極と外部接続導体とが形成されるため、積層コンデンサ51を基板に実装する際、ショート不良を防止できる。
(第三実施形態)
次に、図12及び図13を参照して、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の構成について説明する。積層コンデンサ101は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部110,120と、静電容量部130とを備えている。本実施形態では、図12に示されるように、外部接続導体5〜8の配置箇所が第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図12に示されるように、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。つまり、第三実施形態では、各外部接続導体が、異極の端子電極が配置されている側面と同じ側面に配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部110は、積層コンデンサ101のESRの増加等の制御を行う部分であり、図13(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極111,116から構成される。内部電極111,116は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極111(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極111は、主電極部112と引出電極部113a,113b,114とを含む。主電極部112は、矩形形状の電極部である。引出電極部113aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部112と連接し、内部電極111を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部113bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部112と連接し、内部電極111を第一の側面2cの第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部114は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部112と連接し、内部電極111を第一の側面2cと対向する第二の側面2dの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。なお、プラス電極S1から第一及び第三の端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第二実施形態と同様、内部電極111を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
内部電極116(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極116は、主電極部117と引出電極部118a,118b,119とを含む。主電極部117は、矩形形状の電極部である。引出電極部118aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部117と連接し、内部電極116を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部118bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部117と連接し、内部電極116を第二の側面2dの第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部119は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部117と連接し、内部電極116を第二の側面2dと対向する第一の側面2cの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極116を介して第二及び第四の端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
第二のESR制御部120は、積層コンデンサ101のESRの増加等の制御を行う部分であり、図13(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極121,126から構成される。内部電極121,126は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極121(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極121は、主電極部122と引出電極部123,124とを含む。主電極部122は、矩形形状の電極部である。引出電極部123は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第二の側面2dの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部124は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、内部電極111を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極121を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極126(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極126は、主電極部127と引出電極部128,129とを含む。主電極部127は、矩形形状の電極部である。引出電極部128は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第一の側面2cの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部129は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第一の側面2cの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流は、内部電極126を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
静電容量部130は、積層コンデンサ101において、静電容量を発生させる部分であり、図13(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極131,136から構成される。内部電極131,136は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極131(第一の内部電極)は、主電極部132と引出電極部133とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部132は、矩形形状の電極部である。引出電極部133は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部132と連接し、内部電極131を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極136(第二の内部電極)は、主電極部137と引出電極部138とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部137は、矩形形状の電極部である。引出電極部138は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部137と連接し、内部電極136を第一の側面2cの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ101でも、第一及び第二実施形態と同様、第一のESR制御部110に加えて第二のESR制御部120を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部130への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ101でも、第一及び第二のESR制御部110,120が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部130を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部110,120を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ101の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部130への電流経路を更に長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ101は、第一及び第三の端子電極3,53が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第四の端子電極4,54が素体2の同一側面に形成されている。このため、第二実施形態と同様、積層コンデンサ101を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ101は、第一及び第三の端子電極3,53と当該端子電極とは異極性の第二及び第四の外部接続導体6,8とが素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第四の端子電極4,54と当該端子電極とは異極性の第一及び第三の外部接続導体5,7とが素体2の同一側面に形成されている。このため、端子電極や外部接続導体に流れる電流が逆向きになる箇所が生じるため、等価直列インダクタンスを減少させることができる。
ここで、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の変形例について図14を参照して説明する。この変形例にかかる積層コンデンサ101は、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部110,120や静電容量部130に代えて、第一及び第二のESR制御部110a,120aと静電容量部130aとを備えている。変形例にかかる積層コンデンサ101の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第二及び第四の外部接続導体6,8の位置がそれぞれ交換されており、また、第一及び第三の外部接続導体5,7の位置がそれぞれ交換されている。
変形例にかかる積層コンデンサ101では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部110aにおいて、引出電極部114がX方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部112と連接するようになっており、引出電極部119がX方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部117と連接するようになっている。第二のESR制御部120aでは、引出電極部123,124の位置がそれぞれ交換されており、引出電極部128,129の位置もそれぞれ交換されている。静電容量部130aでは、引出電極部133がX方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部132と連接するようになっており、引出電極部138がX方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部137と連接するようになっている。
この変形例にかかる積層コンデンサ101においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部130aへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。また、同一側面に同極性の端子電極が形成されるため、積層コンデンサ101を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
(第四実施形態)
次に、図15及び図16を参照して、第四実施形態にかかる積層コンデンサ151の構成について説明する。積層コンデンサ151は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一のESR制御部60と第二のESR制御部170と静電容量部130とを備えている。本実施形態では、図15に示されるように、外部接続導体7,8の配置箇所が第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。なお、図16(a)に示される第一のESR制御部60は、第二実施形態における第一のESR制御部60と同様であり(図10(a)参照)、また、図16(c)に示される静電容量部130は、第三実施形態における静電容量部130と同様であり(図13(c)参照)、その説明は省略する。
第二のESR制御部170は、第一のESR制御部60と共に、積層コンデンサ151のESRの増加等の制御を行う部分であり、図16(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極171,176から構成される。内部電極171,176は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極171(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極171は、主電極部172と引出電極部173,174とを含む。主電極部172は、矩形形状の電極部である。引出電極部173は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部172と連接し、内部電極171を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部174は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部172と連接し、内部電極171を第一の側面2cに対向する第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、内部電極61を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極171を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極176(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極176は、主電極部177と引出電極部178,179とを含む。主電極部177は、矩形形状の電極部である。引出電極部178は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部177と連接し、内部電極176を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部179は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部177と連接し、内部電極176を第一の側面2cの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が内部電極176を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ151でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部60に加えて第二のESR制御部170を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部130への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ151でも、第一及び第二のESR制御部60,170が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部130を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部60,170を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ151の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部130への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ151は、第一及び第三の端子電極3,53が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第四の端子電極4,54が素体2の同一側面に形成されている。このため、第二及び第三の実施形態と同様、積層コンデンサ151を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ151は、第一及び第四の外部接続導体5、8が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第三の外部接続導体6,7が素体2の同一側面に形成されている。このため、電流が逆向きになる箇所が多くなり、ESLを減少させることができる。
ここで、第四実施形態にかかる積層コンデンサ151の変形例について図17〜図19を参照して説明する。まず、第一変形例にかかる積層コンデンサ151について説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ151は、第一及び第二のESR制御部60,170や静電容量部130に代えて、素体2の内部に、図17に示されるように、第一及び第二のESR制御部60a,170aと静電容量部130aとを備えている。第一変形例にかかる積層コンデンサ151の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第一変形例では、第一及び第四の外部接続導体5,8の位置がそれぞれ交換されており、また、第二及び第三の外部接続導体6,7の位置がそれぞれ交換されている。
第一変形例にかかる積層コンデンサ151では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60aにおいて、引出電極部64が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部69も第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部170aでは、引出電極部173が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部174が第一の端面2e側に移動している。また、引出電極部178が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部179が第一の端面2e側に移動している。静電容量部130aでは、引出電極部133,138が第一の端面2e側に移動している。なお、第一変形例にかかる第一のESR制御部60aは、第二実施形態の変形例にかかる第一のESR制御部60a(図11(a)を参照)と同様であり、また、第一変形例にかかる静電容量部130aは、第三実施形態にかかる静電容量部130aと(図14(c)を参照)と同様である。
次に、第二変形例にかかる積層コンデンサ151について説明する。第二変形例にかかる積層コンデンサ151は、第一及び第二のESR制御部60,170や静電容量部130に代えて、素体2の内部に、図18に示されるように、第一及び第二のESR制御部60b,170bと静電容量部130bとを備えている。第二変形例にかかる積層コンデンサ151では、第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6の位置がそれぞれ交換されており、また、第三及び第四の外部接続導体7,8の位置がそれぞれ交換されている。
第二変形例にかかる積層コンデンサ151では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60bにおいて、引出電極部64が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部69が第一の側面2c側に移動している。第二のESR制御部170bでは、引出電極部173が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部174が第一の側面2c側に移動している。また、引出電極部178が第一の側面2c側に移動しており、引出電極部179が第二の側面2d側に移動している。静電容量部130bでは、引出電極部133が第一の側面2c側に移動しており、引出電極部138が第二の側面2d側に移動している。
次に、第三変形例にかかる積層コンデンサ151について説明する。第三変形例にかかる積層コンデンサ151は、第一及び第二のESR制御部60,170や静電容量部130に代えて、素体2の内部に、図19に示されるように、第一及び第二のESR制御部60c,170cと静電容量部130cとを備えている。第三変形例にかかる積層コンデンサ151では、第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第三の外部接続導体5,7の位置がそれぞれ交換されており、また、第二及び第四の外部接続導体6,8の位置がそれぞれ交換されている。言い換えると、各外部接続導体が誘電体層2gの中心を基準として点対称になるように交換されている。
第三変形例にかかる積層コンデンサ151では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60cにおいて、引出電極部64が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側にも移動しており、引出電極部69が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側にも移動している。第二のESR制御部170cでは、引出電極部173が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側にも移動しており、引出電極部174が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側にも移動している。また、引出電極部178が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側にも移動しており、引出電極部179が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側にも移動している。静電容量部130cでは、引出電極部133が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側にも移動しており、引出電極部138は、第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側にも移動している。
このように、第一、第二及び第三変形例にかかる積層コンデンサ151においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部130a,130b,130cへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。また、同一側面に同極性の端子電極が形成されるため、積層コンデンサ151を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
(第五実施形態)
次に、図20及び図21を参照して、第五実施形態にかかる積層コンデンサ201の構成について説明する。積層コンデンサ201は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部210,220と静電容量部230とを備えている。本実施形態では、図20に示されるように、外部接続導体6,7の配置箇所が第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図20に示されるように、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。つまり、第五実施形態では、異極性同士の外部接続導体が互いに隣接して同じ側面に配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部210は、積層コンデンサ201のESRの増加等の制御を行う部分であり、図21(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極211,216から構成される。内部電極211,216は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極211(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極211は、主電極部212と引出電極部213a,213b,214とを含む。主電極部212は、矩形形状の電極部である。引出電極部213aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部212と連接し、内部電極211を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部213bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部212と連接し、内部電極211を第一の側面2cの第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部214は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部212と連接し、内部電極211を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。なお、プラス電極S1から第一及び第三の端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第二実施形態と同様、内部電極211を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
内部電極216(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極216は、主電極部217と引出電極部218a,218b,219とを含む。主電極部217は、矩形形状の電極部である。引出電極部218aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部217と連接し、内部電極216を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部218bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部217と連接し、内部電極216を第二の側面2dの第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部219は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部217と連接し、内部電極216を第一の側面2cの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極216を介して第二及び第四の端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
第二のESR制御部220は、積層コンデンサ201のESRの増加等の制御を行う部分であり、図21(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極221,226から構成される。内部電極221,226は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極221(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極221は、主電極部222と引出電極部223,224とを含む。主電極部222は、矩形形状の電極部である。引出電極部223は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部222と連接し、内部電極221を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部224は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部222と連接し、内部電極221を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、内部電極211を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極221を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極226(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極226は、主電極部227と引出電極部228,229とを含む。主電極部227は、矩形形状の電極部である。引出電極部228は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部227と連接し、内部電極226を第一の側面2cの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部229は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部227と連接し、内部電極226を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流は、内部電極226を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
静電容量部230は、積層コンデンサ201において、静電容量を発生させる部分であり、図21(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極231,236から構成される。内部電極231,236は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極231(第一の内部電極)は、主電極部232と引出電極部233とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部232は、矩形形状の電極部である。引出電極部233は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部232と連接し、内部電極231を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極236(第二の内部電極)は、主電極部237と引出電極部238とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部237は、矩形形状の電極部である。引出電極部238は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部237と連接し、内部電極236を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ201でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部210に加えて第二のESR制御部220を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部230への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ201でも、第一及び第二のESR制御部210,220が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部230を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部210,220を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ201の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部230への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ201では、第一及び第三の端子電極3,53が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第四の端子電極4,54が素体2の同一側面に形成されている。このため、第二実施形態と同様、積層コンデンサ201を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ201では、第一及び第二の外部接続導体5,6が素体2の同一側面2cに形成され、第三及び第四の外部接続導体7,8が素体2の同一側面2dに形成されている。このため、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230において、異極性の内部電極の間で電流が逆向きに流れる箇所が生じるため、ESLを減少させることができる。
ここで、第五実施形態にかかる積層コンデンサ201の変形例について図22〜図28を参照して説明する。まず、第一変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図22に示されるように、第一及び第二のESR制御部210a,220aと静電容量部230aとを備えている。第一変形例にかかる積層コンデンサ201の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第一変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6の位置がそれぞれ交換されており、また、第三及び第四の外部接続導体7,8の位置がそれぞれ交換されている。
第一変形例にかかる積層コンデンサ201では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210aにおいて、引出電極部214が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部219は第一の端面2e側に移動している。第二のESR制御部220aでは、引出電極部223,224が第二の端面2f側に移動している。また、引出電極部228,229が第一の端面2e側に移動している。静電容量部230aでは、引出電極部233が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部238が第一の端面2e側に移動している。
次に、第二変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第二変形例にかかる積層コンデンサ201は、第二のESR制御部220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図23に示されるように、第二のESR制御部220bと静電容量部230bとを備えている。なお、第二変形例にかかる第一のESR制御部210は、第五実施形態と同様である。第二変形例にかかる積層コンデンサ201では、第一の側面2cには、第五実施形態と同様に、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第三及び第四の外部接続導体7,8の位置が交換されている。
第二変形例にかかる積層コンデンサ201では、外部接続導体の位置が交換されているため、第二のESR制御部220bでは、引出電極部224が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部229が第一の端面2e側に移動している。静電容量部230bでは、引出電極部233が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部238が第一の端面2e側に移動している。
次に、第三変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第三変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220に代えて、素体2の内部に、図24に示されるように、第一及び第二のESR制御部210c,220cを備えている。なお、第三変形例にかかる静電容量部230は、第五実施形態と同様である。第三変形例にかかる積層コンデンサ201では、第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第五実施形態と同様に、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6の位置が交換されている。
第三変形例にかかる積層コンデンサ201では、外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210cでは、引出電極部214が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部219が第一の端面2e側に移動している。第二のESR制御部220cでは、引出電極部223が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部228が第一の端面2e側に移動している。
次に、第四変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第四変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図25に示されるように、第一及び第二のESR制御部210d,220dと静電容量部230dとを備えている。第四変形例にかかる積層コンデンサ201の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第四変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6と第三及び第四の外部接続導体7,8との位置がそれぞれ交換されている。
第四変形例にかかる積層コンデンサ201では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210dにおいて、引出電極部214が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部219は第二の側面2d側に移動している。第二のESR制御部220dでは、引出電極部223,224の位置が交換されており、引出電極部228,229の位置が交換されている。静電容量部230dでは、引出電極部233,238が第一の側面2c側に移動している。
次に、第五変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第五変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図26に示されるように、第一及び第二のESR制御部210e,220eと静電容量部230eとを備えている。第五変形例にかかる積層コンデンサ201の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第五変形例では、第一及び第四の外部接続導体5,8の位置が交換され、第二及び第三の外部接続導体6,7の位置が交換されている。
第五変形例にかかる積層コンデンサ201では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210eにおいて、引出電極部214が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、引出電極部219が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。第二のESR制御部220eでは、引出電極部223,224の位置が交換されると共に両引出電極部223,224が第二の端面2f側に移動しており、また、引出電極部228,229の位置が交換されると共に両引出電極部228,229が第一の端面2e側に移動している。静電容量部230eでは、引出電極部233が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、また、引出電極部238が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。
次に、第六変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第六変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図27に示されるように、第一及び第二のESR制御部210f,220fと静電容量部230fとを備えている。第六変形例にかかる積層コンデンサ201の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第六変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6と第三及び第四の外部接続導体7,8との位置が交換され、更に、第三及び第四の外部接続導体7,8の位置が相互に交換されている。
第六変形例にかかる積層コンデンサ201では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210fにおいて、引出電極部214が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部219が第二の側面2d側に移動している。第二のESR制御部220fでは、引出電極部223が第二の側面2d側に移動し、引出電極部224が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動している。また、引出電極部228が第二の側面2d側に移動し、引出電極部229が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。静電容量部230fでは、引出電極部233が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、また、引出電極部238が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。
次に、第七変形例にかかる積層コンデンサ201について説明する。第七変形例にかかる積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230に代えて、素体2の内部に、図28に示されるように、第一及び第二のESR制御部210g,220gと静電容量部230gとを備えている。第七変形例にかかる積層コンデンサ201の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、第七変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,6と第三及び第四の外部接続導体7,8との位置が交換され、更に、第一及び第二の外部接続導体5,6の位置が相互に交換されている。
第七変形例にかかる積層コンデンサ201では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部210gにおいて、引出電極部214が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、引出電極部219が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。第二のESR制御部220gでは、引出電極部223が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側に移動し、引出電極部224が第一の側面2c側に移動している。また、引出電極部228が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動し、引出電極部229が第一の側面2c側に移動している。静電容量部230gでは、引出電極部233,238が第一の側面2c側に移動している。
このように、上述した各変形例にかかる積層コンデンサ201においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部230a〜230gへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。また、同一側面に同極性の端子電極が形成されるため、積層コンデンサ201を実装する基板の配線パターンを簡略化させることができる。
(第六実施形態)
次に、図29及び図30を参照して、第六実施形態にかかる積層コンデンサ251の構成について説明する。積層コンデンサ251は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部260,270と静電容量部280とを備えている。本実施形態では、図29に示されるように、第三及び第四の端子電極53,54の配置箇所が第二実施形態と異なっており、各側面に配置される端子電極が互いに異極性の端子電極となるようになっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図29に示されるように、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。つまり、第五実施形態では、異極性同士の端子電極が同じ側面に配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部260は、積層コンデンサ251のESRの増加等の制御を行う部分であり、図30(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極261,266から構成される。内部電極261,266は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極261(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極261は、主電極部262と引出電極部263a,263b,264とを含む。主電極部262は、矩形形状の電極部である。引出電極部263aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部262と連接し、内部電極261を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部263bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部262と連接し、内部電極261を第二の側面2dの第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部264は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部262と連接し、内部電極261を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。なお、プラス電極S1から第一及び第三の端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第二実施形態と同様、内部電極261を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
内部電極266(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極266は、主電極部267と引出電極部268a,268b,269とを含む。主電極部267は、矩形形状の電極部である。引出電極部268aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部267と連接し、内部電極266を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部268bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部267と連接し、内部電極266を第一の側面2cの第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部269は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部267と連接し、内部電極266を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極266を介して第二及び第四の端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
第二のESR制御部270は、積層コンデンサ251のESRの増加等の制御を行う部分であり、図30(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極271,276から構成される。内部電極271,276は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極271(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極271は、主電極部272と引出電極部273,274とを含む。主電極部272は、矩形形状の電極部である。引出電極部273は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部272と連接し、内部電極271を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部274は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部272と連接し、内部電極271を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、内部電極261を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極271を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極276(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極276は、主電極部277と引出電極部278,279とを含む。主電極部277は、矩形形状の電極部である。引出電極部278は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部277と連接し、内部電極276を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部279は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部277と連接し、内部電極276を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流は、内部電極276を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
静電容量部280は、積層コンデンサ251において、静電容量を発生させる部分であり、図30(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極281,286から構成される。内部電極281,286は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極281(第一の内部電極)は、主電極部282と引出電極部283とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部282は、矩形形状の電極部である。引出電極部283は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部282と連接し、内部電極281を第一の側面2cの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極286(第二の内部電極)は、主電極部287と引出電極部288とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部287は、矩形形状の電極部である。引出電極部288は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部287と連接し、内部電極286を第二の側面2dの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ251でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部260に加えて第二のESR制御部270を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部280への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ251でも、第一及び第二のESR制御部260,270が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部280を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部260,270を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ251の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部280への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ251では、第一の端子電極3と同極性に接続されるための第三の端子電極53と、第二の端子電極4と同極性に接続されるための第四の端子電極54とを更に備え、第一及び第四の端子電極3,54が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第三の端子電極4,53が素体2の同一側面に形成されている。そして、第一及び第三の外部接続導体5,7が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第四の外部接続導体6,8が素体2の同一側面に形成されている。このため、電流が逆向きに流れる箇所が生じるため、ESLを減少させることができる。
ここで、第六実施形態にかかる積層コンデンサ251の変形例について図31〜図33を参照して説明する。まず、第一変形例にかかる積層コンデンサ251について説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ251は、第一及び第二のESR制御部260,270や静電容量部280に代えて、素体2の内部に、図31に示されるように、第一及び第二のESR制御部260a,270aと静電容量部280aとを備えている。第一変形例にかかる積層コンデンサ251の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。つまり、第一変形例では、第一及び第三の外部接続導体5,7の位置がそれぞれ交換されており、また、第二及び第四の外部接続導体6,8の位置がそれぞれ交換されている。
第一変形例にかかる積層コンデンサ251では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部260aにおいて、引出電極部264,269が第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部270aでは、引出電極部273,274の位置が交換されており、また、引出電極部278,279の位置が交換されている。静電容量部280aでは、引出電極部283,288が第一の端面2e側に移動している。
次に、第二変形例にかかる積層コンデンサ251について説明する。第二変形例にかかる積層コンデンサ251は、第一及び第二のESR制御部260,270や静電容量部280に代えて、素体2の内部に、図32に示されるように、第一及び第二のESR制御部260b,270bと静電容量部280bとを備えている。第二変形例にかかる積層コンデンサ251では、第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第三の外部接続導体5,7と第二及び第四の外部接続導体6,8との位置が交換されている。
第二変形例にかかる積層コンデンサ251では、外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部260bでは、引出電極部264が第二の側面2d側に移動しており、また、引出電極部269が第一の側面2c側に移動している。第二のESR制御部270bでは、引出電極部273,274が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部278,279が第一の側面2c側に移動している。静電容量部280bでは、引出電極部283が第二の側面2d側に移動しており、引出電極部288が第一の側面2c側に移動している。
次に、第三変形例にかかる積層コンデンサ251について説明する。第三変形例にかかる積層コンデンサ251は、第一及び第二のESR制御部260,270及び静電容量部280に代えて、素体2の内部に、図33に示されるように、第一及び第二のESR制御部260c,270c及び静電容量部280cを備えている。第三変形例にかかる積層コンデンサ251では、第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第四の外部接続導体5,8の位置が交換されており、また、第二及び第三の外部接続導体6,7の位置が交換されている。
第三変形例にかかる積層コンデンサ251では、外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部260cでは、引出電極部264が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、引出電極部269が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部270cでは、引出電極部273,274が第二の側面2d側に移動すると共に互いの位置を交換しており、引出電極部278,279が第一の側面2c側に移動すると共に互いの位置を交換している。静電容量部280cでは、引出電極部283が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動しており、引出電極部288が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。
このように、上述した各変形例にかかる積層コンデンサ251においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部280a〜280cへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。
(第七実施形態)
次に、図34及び図35を参照して、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の構成について説明する。積層コンデンサ301は、第六実施形態の積層コンデンサ251と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部310,320と静電容量部330とを備えている。本実施形態では、図34に示されるように、第三及び第四の外部接続導体7,8の配置箇所が第六実施形態と異なっている。以下、第六実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図34に示されるように、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。なお、第七実施形態では、第六実施形態と同様、異極性同士の端子電極が同じ側面に配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部310は、積層コンデンサ301のESRの増加等の制御を行う部分であり、図35(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極311,316から構成される。内部電極311,316は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極311(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極311は、主電極部312と引出電極部313a,313b,314とを含む。主電極部312は、矩形形状の電極部である。引出電極部313aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部312と連接し、内部電極311を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部313bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部312と連接し、内部電極311を第二の側面2dの第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部314は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部312と連接し、内部電極311を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。なお、プラス電極S1から第一及び第三の端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、内部電極311を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
内部電極316(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極316は、主電極部317と引出電極部318a,318b,319とを含む。主電極部317は、矩形形状の電極部である。引出電極部318aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部317と連接し、内部電極316を第二の側面2dの第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部318bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部317と連接し、内部電極316を第一の側面2cの第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部319は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部317と連接し、内部電極316を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極316を介して第二及び第四の端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
第二のESR制御部320は、積層コンデンサ301のESRの増加等の制御を行う部分であり、図35(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極321,326から構成される。内部電極321,326は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極321(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極321は、主電極部322と引出電極部323,324とを含む。主電極部322は、矩形形状の電極部である。引出電極部323は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部322と連接し、内部電極321を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部324は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部322と連接し、内部電極321を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、内部電極311を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極321を介して、第三の外部接続導体7へと伝えられる。
内部電極326(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極326は、主電極部327と引出電極部328,329とを含む。主電極部327は、矩形形状の電極部である。引出電極部328は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部327と連接し、内部電極326を第二の側面2dの第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部329は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部327と連接し、内部電極326を第一の側面2cの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第四の外部接続導体8へと流れ込んだ電流は、内部電極326を介して、第二の外部接続導体6へと伝えられる。
静電容量部330は、積層コンデンサ301において、静電容量を発生させる部分であり、図35(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極331,336から構成される。内部電極331,336は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極331(第一の内部電極)は、主電極部332と引出電極部333とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部332は、矩形形状の電極部である。引出電極部333は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部332と連接し、内部電極331を第二の側面2dの第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極336(第二の内部電極)は、主電極部337と引出電極部338とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部337は、矩形形状の電極部である。引出電極部338は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部337と連接し、内部電極336を第一の側面2cの第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ301でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部310に加えて第二のESR制御部320を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部330への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ301でも、第一及び第二のESR制御部310,320が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部330を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部310,320を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ301の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部330への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ301では、第一の端子電極3と同極性に接続されるための第三の端子電極53と、第二の端子電極4と同極性に接続されるための第四の端子電極54とを更に備え、第一及び第四の端子電極3,54が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第三の端子電極4,53が素体2の同一側面に形成されている。そして、第一及び第四の外部接続導体5,8が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第三の外部接続導体6,7が素体2の同一側面に形成されている。このため、電流が逆向きになる箇所が多くなり、ESLを減少させることができる。
ここで、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の変形例について図36を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ301は、第一及び第二のESR制御部310,320や静電容量部330に代えて、素体2の内部に、図36に示されるように、第一及び第二のESR制御部310a,320aと静電容量部330aとを備えている。変形例にかかる積層コンデンサ301の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。つまり、変形例では、第一及び第三の外部接続導体5,7の位置がそれぞれ交換されており、また、第二及び第四の外部接続導体6,8の位置がそれぞれ交換されている。
この変形例にかかる積層コンデンサ301では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部310aにおいて、引出電極部314が第二の側面2d側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、引出電極部319が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部320aでは、引出電極部323,324の位置が交換されており、また、引出電極部328,329の位置が交換されている。静電容量部330aでは、引出電極部333が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動しており、引出電極部338が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。この変形例にかかる積層コンデンサ301においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部330aへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。なお、第七実施形態では、変形例も含め、第一の端子電極3が、第一及び第三の外部接続導体5,7のいずれか一方と隣接し、且つ、第三の端子電極53が、第一及び第三の外部接続導体5,7のいずれか他方と隣接し、第二の端子電極4が、第二及び第四の外部接続導体6,8のいずれか一方と隣接し、且つ、第四の端子電極54が、第二及び第四の外部接続導体6,8のいずれか他方と隣接している。
(第八実施形態)
次に、図37及び図38を参照して、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の構成について説明する。積層コンデンサ351は、第七実施形態の積層コンデンサ301と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部360,370と静電容量部380とを備えている。本実施形態では、図37に示されるように、第二及び第三の外部接続導体6,7の配置箇所が第七実施形態と異なっている。以下、第七実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図37に示されるように、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。このような配置により、第一及び第三の外部接続導体5,7は、素体2の外表面のうち互いに対向する第一及び第二の側面2c,2dにそれぞれが対向するように形成され、第二及び第四の外部接続導体6,8は、第一及び第二の側面2c,2dにそれぞれが対向するように形成される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部360は、積層コンデンサ351のESRの増加等の制御を行う部分であり、図38(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極361,366から構成される。内部電極361,366は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極361(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極361は、主電極部362と引出電極部363a,363b,364とを含む。主電極部362は、矩形形状の電極部である。引出電極部363aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部362と連接し、内部電極361を第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部363bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部362と連接し、内部電極361を第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部364は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部362と連接し、内部電極361を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極366(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極366は、主電極部367と引出電極部368a,368b,369とを含む。主電極部367は、矩形形状の電極部である。引出電極部368aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部367と連接し、内部電極366を第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部368bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部367と連接し、内部電極366を第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部369は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部367と連接し、内部電極366を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。
第二のESR制御部370は、積層コンデンサ351のESRの増加等の制御を行う部分であり、図38(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極371,376から構成される。内部電極371,376は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極371(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極371は、主電極部372と引出電極部373,374とを含む。主電極部372は、矩形形状の電極部である。引出電極部373は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部372と連接し、内部電極371を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部374は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部372と連接し、内部電極371を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極376(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極376は、主電極部377と引出電極部378,379とを含む。主電極部377は、矩形形状の電極部である。引出電極部378は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部377と連接し、内部電極376を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部379は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部377と連接し、内部電極376を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
静電容量部380は、積層コンデンサ351において、静電容量を発生させる部分であり、図38(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極381,386から構成される。内部電極381,386は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極381(第一の内部電極)は、主電極部382と引出電極部383とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部382は、矩形形状の電極部である。引出電極部383は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部382と連接し、内部電極381を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極386(第二の内部電極)は、主電極部387と引出電極部388とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部387は、矩形形状の電極部である。引出電極部388は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部387と連接し、内部電極386を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ351でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部360に加えて第二のESR制御部370を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部380への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ351でも、第一及び第二のESR制御部360,370が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部380を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部360,370を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ351の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部380への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ351では、第一及び第四の外部接続導体5,8が素体2の同一側面に形成され、且つ、第二及び第三の外部接続導体6,7が素体2の同一側面に形成されている。このため、電流が逆向きになる箇所が多くなり、ESLを減少させることができる。
ここで、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の変形例について図39〜41を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ351は、図39に示されるように、第一及び第二のESR制御部360a,370aと静電容量部380aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図39に示されるように変更されている。
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ351は、図40に示されるように、第一及び第二のESR制御部360b,370bと静電容量部380bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図40に示されるように変更されている。
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ351は、図41に示されるように、第一及び第二のESR制御部360c,370cと静電容量部380cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図41に示されるように変更されている。なお、これら変形例でも同様の作用効果を奏することができる。
(第九実施形態)
次に、図42及び図43を参照して、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の構成について説明する。積層コンデンサ401は、第八実施形態の積層コンデンサ351と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部410,420と静電容量部430とを備えている。本実施形態では、図42に示されるように、第一及び第四の外部接続導体5,8の配置箇所が第八実施形態と異なっている。以下、第八実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図42に示されるように、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部410は、積層コンデンサ401のESRの増加等の制御を行う部分であり、図43(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極411,416から構成される。内部電極411,416は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極411(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極411は、主電極部412と引出電極部413a,413b,414とを含む。主電極部412は、矩形形状の電極部である。引出電極部413aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部412と連接し、内部電極411を第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部413bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部412と連接し、内部電極411を第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部414は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部412と連接し、内部電極411を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極416(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極416は、主電極部417と引出電極部418a,418b,419とを含む。主電極部417は、矩形形状の電極部である。引出電極部418aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部417と連接し、内部電極416を第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部418bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部417と連接し、内部電極416を第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部419は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部417と連接し、内部電極416を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。
第二のESR制御部420は、積層コンデンサ401のESRの増加等の制御を行う部分であり、図43(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極421,426から構成される。内部電極421,426は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極421(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極421は、主電極部422と引出電極部423,424とを含む。主電極部422は、矩形形状の電極部である。引出電極部423は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部422と連接し、内部電極421を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部424は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部422と連接し、内部電極421を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極426(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極426は、主電極部427と引出電極部428,429とを含む。主電極部427は、矩形形状の電極部である。引出電極部428は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部427と連接し、内部電極426を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部429は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部427と連接し、内部電極426を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
静電容量部430は、積層コンデンサ401において、静電容量を発生させる部分であり、図43(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極431,436から構成される。内部電極431,436は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極431(第一の内部電極)は、主電極部432と引出電極部433とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部432は、矩形形状の電極部である。引出電極部433は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部432と連接し、内部電極431を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極436(第二の内部電極)は、主電極部437と引出電極部438とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部437は、矩形形状の電極部である。引出電極部438は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部437と連接し、内部電極436を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ401でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部410に加えて第二のESR制御部420を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部430への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ401でも、第一及び第二のESR制御部410,420が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部430を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部410,420を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ401の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部430への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
ここで、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の変形例について図44を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ401は、第一及び第二のESR制御部410,420や静電容量部430に代えて、素体2の内部に、図44に示されるように、第一及び第二のESR制御部410a,420aと静電容量部430aとを備えている。変形例にかかる積層コンデンサ401の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53の順で各電極や導体が配置される。
この変形例にかかる積層コンデンサ401では、第一のESR制御部410aにおいて、引出電極部414が第二の側面2d側に移動すると共に第一の端面2e側に移動しており、引出電極部419が第一の側面2c側に移動すると共に第一の端面2e側に移動している。第二のESR制御部420aでは、引出電極部423,424の位置が交換されており、また、引出電極部428,429の位置が交換されている。静電容量部430aでは、引出電極部433が第一の側面2c側に移動すると共に第二の端面2f側に移動しており、引出電極部438が第二の側面2d側に移動している。この変形例にかかる積層コンデンサ401においても、端子電極3,4,53,54から静電容量部430aへの電流経路が長くなっており、等価直列抵抗を増加できる。なお、第九実施形態では、変形例も含め、第一の端子電極3が第二及び第四の外部接続導体6,8のいずれか一方と隣接し、第三の端子電極53が第二及び第四の外部接続導体6,8のいずれか他方と隣接し、また、第二の端子電極4が第一及び第三の外部接続導体5,7のいずれか一方と隣接し、第四の端子電極54が第一及び第三の外部接続導体5,7のいずれか他方と隣接している。
(第十実施形態)
次に、図45及び図46を参照して、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の構成について説明する。積層コンデンサ451は、第九実施形態の積層コンデンサ401と同様、略直方体形状の素体2と、第一、第二、第三及び第四の端子電極3,4,53,54と、第一、第二、第三及び第四の外部接続導体5,6,7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部460,470と静電容量部480とを備えている。本実施形態では、図45に示されるように、各外部接続導体5〜7の配置箇所が第九実施形態と異なっている。以下、第九実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図45に示されるように、第一の端子電極3、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第四の端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、第二の端子電極4、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第三の端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部460は、積層コンデンサ451のESRの増加等の制御を行う部分であり、図46(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極461,466から構成される。内部電極461,466は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極461(第一の内部接続導体)は、第一及び第三の端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極461は、主電極部462と引出電極部463a,463b,464とを含む。主電極部462は、矩形形状の電極部である。引出電極部463aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部462と連接し、内部電極461を第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部463bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部462と連接し、内部電極461を第三の端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部464は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部462と連接し、内部電極461を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極466(第二の内部接続導体)は、第二及び第四の端子電極4,54と第二の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極466は、主電極部467と引出電極部468a,468b,469とを含む。主電極部467は、矩形形状の電極部である。引出電極部468aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部467と連接し、内部電極466を第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。
引出電極部468bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部467と連接し、内部電極466を第四の端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部469は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部467と連接し、内部電極466を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。
第二のESR制御部470は、積層コンデンサ451のESRの増加等の制御を行う部分であり、図46(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極471,476から構成される。内部電極471,476は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極471(第三の内部接続導体)は、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極471は、主電極部472と引出電極部473,474とを含む。主電極部472は、矩形形状の電極部である。引出電極部473は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部472と連接し、内部電極471を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部474は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部472と連接し、内部電極471を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。
内部電極476(第四の内部接続導体)は、第二の外部接続導体6と第四の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極476は、主電極部477と引出電極部478,479とを含む。主電極部477は、矩形形状の電極部である。引出電極部478は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部477と連接し、内部電極476を第二の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部479は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部477と連接し、内部電極476を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
静電容量部480は、積層コンデンサ451において、静電容量を発生させる部分であり、図46(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極481,486から構成される。内部電極481,486は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
内部電極481(第一の内部電極)は、主電極部482と引出電極部483とを含み、第三の外部接続導体7に接続される。主電極部482は、矩形形状の電極部である。引出電極部483は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部482と連接し、内部電極481を第三の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極486(第二の内部電極)は、主電極部487と引出電極部488とを含み、第四の外部接続導体8に接続される。主電極部487は、矩形形状の電極部である。引出電極部488は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部487と連接し、内部電極486を第四の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ451でも、上述した各実施形態と同様、第一のESR制御部460に加えて第二のESR制御部470を備えているため、端子電極3,4,53,54から静電容量部480への電流経路を十分に長くして、等価直列抵抗を増加させることができる。また、本実施形態に係る積層コンデンサ451でも、第一及び第二のESR制御部460,470が、複数の誘電体層2gの積層方向において、静電容量部480を間に挟むように互いに離れて配置されるため、第一及び第二のESR制御部460,470を結ぶ外部接続導体5,6の長さといった積層コンデンサ451の厚み分を利用して端子電極3,4,53,54から静電容量部480への電流経路を長くし、等価直列抵抗を増加させることができる。
また、本実施形態にかかる積層コンデンサ451では、第一及び第二の外部接続導体5,6が素体2の同一側面に形成され、且つ、第三及び第四の外部接続導体7,8が素体2の同一側面に形成されている。このため、第一及び第二のESR制御部460,470や静電容量部480において、異極性の内部電極の間で電流が逆向きに流れる箇所が生じるため、ESLを減少させることができる。
ここで、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の変形例について図47〜49を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ451は、図47に示されるように、第一及び第二のESR制御部460a,470aと静電容量部480aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図47に示されるように変更されている。
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ451は、図48に示されるように、第一及び第二のESR制御部460b,470bと静電容量部480bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第二の外部接続導体6、第一の外部接続導体5及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第四の外部接続導体8、第三の外部接続導体7及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図48に示されるように変更されている。
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ451は、図49に示されるように、第一及び第二のESR制御部460c,470cと静電容量部480cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、第一の端子電極3、第三の外部接続導体7、第四の外部接続導体8及び第四の端子電極54の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、第二の端子電極4、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体6及び第三の端子電極53の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図49に示されるように変更されている。なお、これら変形例でも同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、内部電極のパターンを多数示したが、内部電極のパターンはこれらに限定されるものではなく、他のパターンであってもよい。また、第一及び第二のESR制御部や静電容量部の配置構成についても複数示したが、これらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の配置を採用するようにしてももちろんよい。また、第一、第二のESR制御部や静電容量部の積層数は上述した積層数(素体2全体として10層)に限定されるわけではなく、例えば100層又はそれ以上の積層数からなっていてもよい。