JP5589371B2 - 半導体センサの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車や家庭電化製品、工業計測機器などに使用される半導体センサの低コスト化および高性能化のための技術に関する。
静電容量型の半導体センサの一例として、SOI基板のシリコン活性層を絶縁体層に到達するまで加工することによって、可動電極となる可動部および電極パターンを分離したアイランド構造とするものがある。このような可動部を有するセンサは、可動部の保護およびエアダンピングの利用や防止のために、密閉構造とされることが多い。このような密閉構造のセンサでは、密閉構造の内部から電極を外部に取り出す必要がある。
図5は、従来技術によるこのような半導体センサの一例の構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図であり、図6は、その主要部の構造を示し、(a)はスルーホール近傍の断面図、(b)は外周部の断面図である。この従来例は、SOI基板1とガラス基板2およびガラス基板3が金属接合で一体化されたものである。図4は、その製造工程を示したブロック図である。
この半導体センサは、シリコン活性層である半導体層13に可動部131や電極パターン132を形成されたSOI基板1と、その両側に配置されて一体化されている2つのガラス基板2およびガラス基板3とで構成されている。なお、少なくともガラス基板2には可動部131に対向する不図示の電極が形成されている。
SOI基板1とガラス基板2は、それらの基板に形成された金属層14および金属層23を金属接合することによって形成された金属接合部4で一体化されている。この金属接合によって、一体化と同時に振動体である可動部131が電気的に外部に接続される。SOI基板1の半導体層13の中央部に形成されている可動部131は、半導体層13の電極パターン132およびその表面の一部に形成されている金属層14、ガラス基板2の表面に形成されている金属層23、ガラス基板2のスルーホール21の内面に形成されているスルーホール部金属層22、を通して電気的に外部に接続されている。また、金属層14および金属層23の金属接合によってスルーホール21が気密化される。
なお、図示されていないガラス基板側の電極も同様にスルーホールを通して外部に接続され、内部を気密にするためには、このスルーホール部でも上記同様の金属接合が採用される。
SOI基板1とガラス基板3の一体化も全く同様である。
金属接合は、接合する部材を位置決めして重ね合わせ、所定の温度に加熱しながら加圧処理することによって実行される。加熱温度は、金属層の材質によって異なるが、金と金の組み合わせでは250℃前後である。
SOI基板1とガラス基板2およびガラス基板3の一体化には、上記の金属接合の他に、陽極接合を採用することもできる。この場合には、SOI基板1の半導体層13とガラス基板2およびSOI基板1の半導体基板11とガラス基板3を直接接合することができる。
図7から図9は、陽極接合による一体化の場合を示しており、図7は半導体センサの構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図であり、図8は陽極接合直後のスルーホール21近傍の構造を示す断面図、図9はスルーホール21内面にスルーホール部金属層22aを形成した状態を示す断面図である。
陽極接合の原理は、特許文献1など多くの文献に報告されている。その概略を説明すると、ガラスとシリコンを接触させて、加熱しながらガラス側を負電位にシリコン側を正電位にして直流電圧を印加すると、ガラス中に含まれている陽イオンが負電極側にドリフトされ、シリコンとの界面側には陽イオンの欠乏層が生じる。この陽イオン欠乏層の負電荷と、シリコンの界面側に送り込まれた正電荷との間に、静電引力が発生し、この静電引力によって、ガラスとシリコンとが互いに押し付けられ接合される。このような陽極接合の場合には、接合する部材を400℃程度まで加熱することが必要である。
なお、通常、陽極接合された状態では、図8に示すように、内部の電極パターン132などは外部に接続されていないので、内部の電極パターン132などを電気的に外部に引き出すために、陽極接合後にガラス基板2のスルーホール21内にスルーホール部金属層22aが形成される。
この陽極接合の接合温度を低温化する接合方法として、特許文献2に開示されているものがある。この方法は、シリコン側に多層金属膜を形成し、この金属膜とガラスを陽極接合で接合している。多層金属膜には、少なくとも軟質金属層および低温でガラスと強固に接合させるための活性金属層を有し、両層の層間には必要に応じて両者の拡散や反応を防止するための中間金属層を介在させている。
特開平10−259039号公報 特開2004−262698号公報
背景技術の項で説明した金属接合による一体化の場合には、接合される部材の接合面を位置合せして加圧することが必要であり、加圧機構と位置合せ機構とを備えた設備が必要となる。そのため、加熱に伴い位置合せ精度が得難いこと、基板の反りや厚さムラなどの影響で面内を均一に加圧し難く、面内での接合が不均一になり易く、接合良品率が低くなり易いこと、加圧機構には高精度な制御(荷重、位置合せ、加圧方向など)が必要であるため高価な設備となること、等によって低コスト化が困難である。
また、陽極接合によって半導体とガラスを直接接合する場合には、前述したように、接合時の部材温度を400℃程度まで上げることが必要であり、部材間の線膨張係数の差によって、接合後の常温状態において両部材間に応力が発生し、その差が僅かであっても構造およびデバイス特性に影響する。陽極接合の接合時の部材温度を下げるものとしては、特許文献2に開示されているような、400℃より低い温度でガラスと強固に接合させるための活性金属膜と密着性を良くするための軟質金属膜と両膜間の反応を防止するための中間金属膜を半導体側に形成するものがある。この場合には、機能の異なる3種の金属膜を形成するための設備が必要となる。
この発明の課題は、特許文献2に開示されているのとは異なる構造で、上記の低コスト化が困難であるという問題と接合時温度が高くなるという問題の両方を解決し、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサの製造方法を提供することである。
この発明の特徴は、ガラス基板と半導体層または半導体基板とを接合するのに、金属接合の接合材料と陽極接合の押圧力発生機構を組み合わせたことである。
少なくとも一方の面に半導体層を有し且つその半導体層に可動部を形成されている基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、前記両基板が前記半導体層および前記ガラス基板のそれぞれに形成された金属層によって接合され、且つ、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置する。
半導体層およびガラス基板のそれぞれに形成される金属層の材料を選定することによって、接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合金属層の厚さに相当する距離で半導体層に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体層および半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体層または半導体層上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
可動部を形成されている半導体基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、前記両基板がそれぞれに形成された金属層によって接合され、且つ、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置する。
半導体基板およびガラス基板のそれぞれに形成される金属層の材料を選定することによって、接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合金属層の厚さに相当する距離で半導体基板に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体基板または半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体基板および半導体基板上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
求項1の発明は、少なくとも一方の面に半導体層を有し且つその半導体層に可動部を形成されている基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、前記半導体層の接合部に相当する領域に、接合のための金属層を形成する半導体層上金属層形成工程と、接合後に接合金属層の厚さに相当する距離で前記半導体層と対向する前記ガラス基板の領域に、その領域に半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置された接合のための金属層を形成するガラス基板上金属層形成工程と、両基板を位置合せして前記半導体層上の金属層と前記ガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、半導体層とガラス基板との間に、半導体層が正電位になるように直流電圧を印加し、半導体層とガラス基板との間に静電引力を発生させて、半導体層上の金属層とガラス基板上の金属層を接合させる接合工程と、を有する。
半導体層およびガラス基板のそれぞれに形成する金属層の材料を選定することによって接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成する接合のための金属層を、半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合のために半導体層上の金属層とガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、両金属層の厚さの和に相当する距離で半導体層に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体層または半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体層および半導体層上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
請求項2の発明は、可動部が形成されている半導体基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、前記半導体基板の接合部に相当する領域に、接合のための金属層を形成する半導体基板上金属層形成工程と、接合後に接合金属層の厚さに相当する距離で前記半導体基板と対向する前記ガラス基板の領域に、その領域に半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置された接合のための金属層を形成するガラス基板上金属層形成工程と、両基板を位置合せして前記半導体基板上の金属層と前記ガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、半導体基板とガラス基板との間に、半導体基板が正電位になるように直流電圧を印加し、半導体基板とガラス基板との間に静電引力を発生させて、半導体基板上の金属層とガラス基板上の金属層を接合させる接合工程と、を有する。
半導体基板およびガラス基板のそれぞれに形成する金属層の材料を選定することによって接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成する接合のための金属層を、半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合のために半導体基板上の金属層とガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、両金属層の厚さの和に相当する距離で半導体基板に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体基板または半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体基板および半導体基板上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明または請求項2の発明において、前記ガラス基板上の金属層の形状が、格子状や蜂の巣状、リング状、縞状、水玉状、島状、のいずれかまたはそれらの組み合わせである。
前記ガラス基板上の金属層の形状を、格子状や蜂の巣状、リング状、縞状、水玉状、島状、のいずれかまたはそれらの組み合わせとすることによって、ガラス基板と半導体層または半導体基板との間に発生する静電引力を接合面に均等に印加させることができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明または請求項2の発明において、接合されているガラス基板と半導体層またはガラス基板と半導体基板のそれぞれに形成されている前記金属層の材料が、一方の金属層は金であり、他方の金属層は金、錫、インジウムのいずれかである。
このような組み合わせは、200℃前後の金属接合を可能とするものである。
半導体層およびガラス基板のそれぞれに形成される金属層の材料を選定することによって、接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合金属層の厚さに相当する距離で半導体層に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体層および半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体層または半導体層上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
したがって、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサの製造方法を提供することができる。
半導体基板およびガラス基板のそれぞれに形成される金属層の材料を選定することによって、接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成されている接合のための金属層を、半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合金属層の厚さに相当する距離で半導体基板に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体基板または半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体基板および半導体基板上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
したがって、この発明によっても、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサを提供することができる
請求項1の発明においては、半導体層およびガラス基板のそれぞれに形成する金属層の材料を選定することによって接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成する接合のための金属層を、半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合のために半導体層上の金属層とガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、両金属層の厚さの和に相当する距離で半導体層に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体層または半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体層および半導体層上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
したがって、この発明によれば、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサの製造方法を提供することができる。
請求項2の発明においては、半導体基板およびガラス基板のそれぞれに形成する金属層の材料を選定することによって接合のための温度を200℃前後まで下げることができる。また、ガラス基板に形成する接合のための金属層を、半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置することによって、接合のために半導体基板上の金属層とガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、両金属層の厚さの和に相当する距離で半導体基板に対向しているガラス基板の領域の中に、金属層が形成されていない領域を存在させることができる。この(金属層が形成されていないガラス基板の)領域は、半導体基板または半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分であるので、半導体基板および半導体基板上の金属層とガラス基板との間に静電引力を発生させる主たる領域となり、その結果として、通常の陽極接合に使用される程度の印加電圧で、接触している金属層を接合させることが可能となる。
したがって、この発明によれば、請求項1の発明と同様に、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサの製造方法を提供することができる。
請求項3の発明においては、前記ガラス基板上の金属層の形状を、格子状や蜂の巣状、リング状、縞状、水玉状、島状、のいずれかまたはそれらの組み合わせとするので、ガラス基板と半導体層または半導体基板との間に発生する静電引力を接合面に均等に印加させることができる。
したがって、この発明によれば、接合に必要な静電引力を低減できるので、接合に必要な印加電圧を低減でき、接合工程の作業性が向上する。
請求項4の発明においては、接合されているガラス基板と半導体層またはガラス基板と半導体基板のそれぞれに形成されている前記金属層の材料を、一方の金属層は金とし、他方の金属層は金、錫、インジウムのいずれかとするので、実施例で説明するように、200℃前後の金属接合が可能となり、この発明によれば、コストが安く、基板の接合温度が低くて安定した特性が得られる半導体センサを確実に提供することができる。
この発明による半導体センサの実施例の構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図 実施例の要部の構造を示し、(a)はスルーホール近傍の断面図、(b)は外周部の断面図 この発明による半導体センサの製造工程を示すブロック図 従来の金属接合による半導体センサの製造工程を示すブロック図 従来技術による半導体センサの一例の構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図 図5に示した従来例の主要部の構造を示し、(a)はスルーホール近傍の断面図、(b)は外周部の断面図 従来技術による半導体センサの他例の構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図 図7に示した従来例の陽極接合直後のスルーホール近傍の構造を示す断面図 図7に示した従来例のスルーホール内にスルーホール金属層を形成した状態の構造を示す断面図
この発明の特徴は、「課題を解決するための手段」の項で説明したように、ガラス基板と半導体層または半導体基板とを接合するのに、金属接合の接合材料と陽極接合の押圧力発生機構とを組み合わせたことであり、通常の陽極接合に使用される印加電圧で接合に必要な押圧力を発生させるために、ガラス基板に形成する接合のための金属層を、半導体層上の金属層または半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置し、半導体層または半導体基板に対向しているガラス基板の領域の面積より小さくし、接合される金属層の周辺に必要な静電引力を発生する領域を存在させていることである。
以下において、実施例を用いて、この発明をより詳しく説明する。
図1は、この発明による半導体センサの実施例の構造を示し且つその製造方法を示す概念断面図であり、図2は、実施例の要部の構造を示し、(a)はスルーホール近傍の断面図、(b)は外周部の断面図であり、図3は、この発明による半導体センサの製造工程を示すブロック図である。
この実施例は、構造的には、図5および図6に示した従来例と同じである。異なる点は、ガラス基板2上に形成されている金属層23の形状が、ベタパターンから幅の狭い帯線を組み合わせた格子状のパターンに置き換えられていることと、接合面へ印加されていた加圧手段による圧力が、半導体層13とガラス基板2および半導体基板11とガラス基板3にそれぞれに印加された直流電圧による基板間の静電引力に置き換えられていることである。
この実施例は、シリコン活性層である半導体層13に可動部131や電極パターン132を形成されたSOI基板1と、その両側に配置されて一体化されている2つのガラス基板2およびガラス基板3とで構成されている。なお、少なくともガラス基板2には可動部131に対向する不図示の電極が形成されている。
SOI基板1の半導体層13の中央部に、可動部131が形成されており、その外側に電極パターン132が形成されている。可動部131は、電極パターン132と電極パターン132の表面の一部に形成されている金属層14、ガラス基板2の表面に形成されている金属層23a、ガラス基板2のスルーホール21の内面に形成されているスルーホール部金属層22、を通して電気的に外部に接続されている。
なお、金属層14と金属層23aが接合されて接合部4aを形成することによって、前記の電気的接続が確実なものとなり、同時にスルーホール21が気密化されている。そのために、金属層23aのパターンは、スルーホール21を囲む形状に形成されており、この実施例では上述したように格子状であり、スルーホール部金属層22ともつながっている。
また、図示されていないガラス基板側の電極も同様にスルーホールを通して外部に接続され、内部を気密にするためには、このスルーホール部でも上記同様の接合が採用される。
また、センサ全体の気密を確保するために、センサの外周部には、半導体層13上に形成されたリング状の金属層15とガラス基板上に形成された4重のリング状の金属層24aとが接合されて接合部4aを形成している〔図2(b)参照〕。
半導体層13上の金属層14などとガラス基板2上の金属層23aなどとの接合工程は、図3に示すように、それぞれの基板の所定位置にそれぞれの金属層を形成する半導体層上金属層形成工程およびガラス基板上金属層形成工程と、金属層を形成された両基板を位置合せして重ね合わせた後、所定の温度に加熱しながら半導体層とガラス基板の間にガラス基板が負電位になるように直流電圧を印加し、接触している両金属層を静電引力による押圧力で接合させる、静電引力による金属層の接合工程とで構成されている。
この実施例においては、金属層14および金属層15の材料として金を使い、その厚さを0.5μmとし、金属層23aおよび金属層24aの材料としても金を使い、その厚さを0.3μmとし、接合時の加熱温度を250℃とし、接合のための印加電圧を300Vとして、金属層14と金属層23aおよび金属層15と金属層24aを良好な接合状態で接合することができた。
なお、この実施例では、ガラス基板上の金属層形成面積を、接合可能な全面積の3割程度とした。ここで、「接合可能な全面積」とは、陽極接合の場合に接合される部分の面積であって、接合金属層の厚さに相当する距離で半導体基板に対向しているガラス基板の面積のことである。
この実施例においては、両方の金属層の材料に金を用いたが、いずれかの材料を金とし、他方を錫とすれば、錫の融点が232℃であるので、加熱温度を更に20℃程度下げることができ、錫をインジウムに変えれば、インジウムの融点が156℃であるので、更に低温まで下げることができる。
また、接合に必要な印加電圧の値は、ガラス基板2に形成される金属層23aおよび24aの厚さおよび半導体層13に形成される金属層14および15の厚さと、ガラス基板2の金属層23aのパターンおよび上記の接合可能な全面積に対する金属層23aの面積および金属層14の面積の割合で決まる。金属層の厚さは、静電引力を発生させる部分のギャップに相当し、金属層のパターンは静電引力を発生させる部分の面積に関係する。したがって、金属層の厚さ、特に金属層23aおよび24の厚さを実用上問題のない範囲で薄くし、センサとしての必要な剛性を確保できる範囲で金属層23aおよび24aの割合を小さくし、金属層14および15の割合を大きくすることによって、印加電圧を低くすることができる。
さらに、この実施例では、金属層23aを格子状パターンとし、金属層24aをリング状パターンとしたが、センサの気密性の要否などを勘案して、細かいパターンを分散させた島状や水玉状パターン、ほそいパターンの組み合わせとなる縞状パターン、格子状と同様に使える蜂の巣状パターンなど採用することも有効であり、これらのパターンを組み合わせて用いることも有効である。
この実施例はSOI基板を用いた半導体センサであるが、SOI基板を半導体基板に置き換えたセンサでも、この実施例と全く同様の接合を実施することができる。
1 SOI基板
11 半導体基板 12 絶縁体層
13 半導体層
131 可動部 132 電極パターン
14,15 (半導体層上)金属層
2,3 ガラス基板
21 スルーホール 22,22a スルーホール部金属層
23,23a (ガラス基板上)引出し用金属層
24,24a (ガラス基板上)密閉用金属層
4,4a 金属接合部
5 ヒータ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方の面に半導体層を有し且つその半導体層に可動部を形成されている基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、
    前記半導体層の接合部に相当する領域に、接合のための金属層を形成する半導体層上金属層形成工程と、
    接合後に接合金属層の厚さに相当する距離で前記半導体層と対向する前記ガラス基板の領域に、その領域に半導体層上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置された接合のための金属層を形成するガラス基板上金属層形成工程と、
    両基板を位置合せして前記半導体層上の金属層と前記ガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、半導体層とガラス基板との間に、半導体層が正電位になるように直流電圧を印加し、半導体層とガラス基板との間に静電引力を発生させて、半導体層上の金属層とガラス基板上の金属層を接合させる接合工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする半導体センサの製造方法。
  2. 可動部を形成されている半導体基板とガラス基板とが接合されて構成されている半導体センサの製造方法であって、
    前記半導体基板の接合部に相当する領域に、接合のための金属層を形成する半導体基板上金属層形成工程と、
    接合後に接合金属層の厚さに相当する距離で前記半導体基板と対向する前記ガラス基板の領域に、その領域に半導体基板上の金属層とガラス基板が直接に最も接近して対向する部分があるようにして間隔を置いて配置された接合のための金属層を形成するガラス基板上金属層形成工程と、
    両基板を位置合せして前記半導体基板上の金属層と前記ガラス基板上の金属層とを接触させた状態で、半導体基板とガラス基板との間に、半導体基板が正電位になるように直流電圧を印加し、半導体基板とガラス基板との間に静電引力を発生させて、半導体基板上の金属層とガラス基板上の金属層を接合させる接合工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする半導体センサの製造方法。
  3. 前記ガラス基板の金属層の形状が、格子状や蜂の巣状、リング状、縞状、水玉状、島状の何れかまたはこれらの組み合わせである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体センサの製造方法。
  4. 接合されているガラス基板と半導体層またはガラス基板と半導体基板のそれぞれに形成されている前記金属層の材料が、一方の金属層は金であり、他方の金属層は金、錫、インジウムのいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体センサの製造方法。
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