JP5589073B2 - 撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法 - Google Patents

撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法に関する。
これまで、ダイナミックレンジ(Dレンジ)を拡大するために、感度の異なる信号が得られる2つの光電変換素子を対にして持つ固体撮像素子を搭載した撮像装置が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の撮像装置は、それぞれ選択波長性の異なる赤色のカラーフィルタを上方に持つ2つの光電変換素子の画素部対と、それぞれ選択波長性の異なる緑色のカラーフィルタを上方に持つ2つの光電変換素子の画素部対と、それぞれ選択波長性の異なる青色のカラーフィルタを上方に持つ2つの光電変換素子の画素部対とを含む固体撮像素子を有する。そして、各画素部対の2つの光電変換素子からそれぞれ得られる信号を合成することで、色再現性の向上を実現している。さらに、各画素部対の2つの光電変換素子間に感度差を設ける(2つの光電変換素子の構造を変える又は2つの光電変換素子の露光時間を変える)ことで、ダイナミックレンジの拡大を実現している。
特許文献1に記載された構成の固体撮像素子の場合、画素部対の2つの光電変換素子の分光特性が異なるため、ホワイトバランス調整の方法を工夫する必要がある。しかし、特許文献1には、ホワイトバランス調整の方法については記載されていない。
特許文献2〜4は、ホワイトバランス調整についての技術を開示している。しかし、特許文献2〜4は、いずれも、特許文献1に記載された構成の固体撮像素子とは異なる構成の固体撮像素子を前提とした技術を開示するものであり、色再現性の向上とホワイトバランス調整の精度向上とを両立できるものではない。
日本国特開2009−268078号公報 日本国特開2009−17457号公報 日本国特開2003−102022号公報 日本国特開2006−222672号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色再現性を向上しながら、ホワイトバランスを適切に調整することのできる撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置であって、各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの前記第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、所定の色空間における色温度による物体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部と、前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成部と、前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得部と、前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定部と、前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出部とを備えるものである。
本発明のホワイトバランスゲイン算出方法は、それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置におけるホワイトバランスゲイン算出方法であって、各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの前記第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、前記撮像装置が、前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、前記撮像装置が、所定の色空間における色温度による物体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部を有し、前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成ステップと、前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得ステップと、前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定ステップと、前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出ステップとを備えるものである。
本発明によれば、色再現性を向上しながら、ホワイトバランスを適切に調整することのできる撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を説明するための撮像装置(デジタルカメラ)の概略構成を示す図 図1に示したデジタルカメラにおける固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図 図2に示した固体撮像素子における光電変換素子51Wと光電変換素子51Nの分光感度特性を示した図 図1に示したデジタルカメラの黒体軌跡データ記憶部に記憶される黒体軌跡データの一例を示す図 図1に示したデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図1に示したデジタルカメラの第一の変形例のデジタルカメラの特徴を説明するための図 図1に示したデジタルカメラの第一の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図1に示したデジタルカメラの第二の変形例のデジタルカメラの特徴を説明するための図 図1に示したデジタルカメラの第二の変形例のデジタルカメラの特徴を説明するための図 図1に示したデジタルカメラの第二の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図1に示したデジタルカメラの第三の変形例のデジタルカメラの特徴を説明するための図 図1に示したデジタルカメラの第三の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図1に示したデジタルカメラの第四の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図1に示したデジタルカメラの第五の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャート 図2に示した固体撮像素子の変形例を示す図 図2に示した固体撮像素子の変形例を示す図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の概略構成を示す図である。撮像装置としては、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ等の撮像装置、電子内視鏡及びカメラ付携帯電話機等に搭載される撮像モジュール、等があり、ここではデジタルカメラを例にして説明する。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ1と、CCD型の固体撮像素子5と、この両者の間に設けられた絞り2と、赤外線カットフィルタ3と、光学ローパスフィルタ4とを備える。
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、フラッシュ発光部12を制御する。また、システム制御部11は、レンズ駆動部8を制御して撮影レンズ1の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりする。また、システム制御部11は、絞り駆動部9を介し絞り2の開口量を制御して露光量調整を行う。
また、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して固体撮像素子5を駆動し、撮影レンズ1を通して撮像した被写体像を撮像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
デジタルカメラの電気制御系は、更に、固体撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、このアナログ信号処理部6から出力されたRGBの色信号(点順次の撮像信号)をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備える。アナログ信号処理部6とA/D変換回路7は、システム制御部11によって制御される。
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、デジタル信号処理部17と、デジタル信号処理部17で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部18と、積算平均算出部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、モード判定部22と、黒体軌跡データ記憶部23と、WB(ホワイトバランス)ゲイン算出部24とを備える。
メモリ制御部15、デジタル信号処理部17、圧縮伸張処理部18、積算平均算出部19、外部メモリ制御部20、モード判定部22、黒体軌跡データ記憶部23、及びWBゲイン算出部24は、制御バス25及びデータバス26によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
デジタル信号処理部17は、固体撮像素子5から出力されてメインメモリ16に記憶された点順次の撮像信号に、システム制御部11の指令にしたがってデジタル信号処理を施す。より具体的には、デジタル信号処理部17は、同時化処理(1サンプリングポイントにR(赤),G(緑),B(青)の色情報を補間によって生成する処理)、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理、輝度色差信号生成処理等を実施して記録媒体21に記録する形式の画像データを生成する。
積算平均算出部19は、ホワイトバランス調整処理で使用するWBゲインを算出するために必要なデータを算出する。具体的には、積算平均算出部19は、固体撮像素子5から出力されてメインメモリ16に記憶された撮像信号をn個のブロック(nは2以上の自然数)に分割する。そして、積算平均算出部19は、分割ブロック毎に色別の積算平均値(R信号の積算平均値、G信号の積算平均値、B信号の積算平均値)を算出する。
黒体軌跡データ記憶部23は、所定の色空間における色温度による黒体の色変化の軌跡である黒体軌跡データを記憶する。ここに記憶される黒体軌跡データの詳細については後述する。
モード判定部22は、デジタルカメラの動作モードを判定する。詳細は後述するが、このデジタルカメラは、HR(解像度優先)モード、DR(ダイナミックレンジ優先)モード、及びSN(高感度、低ノイズ優先)モードの3つのモードを設定可能となっている。モード判定部22は、この3つのモードのうちのどれで撮像がなされたかを判定する。
WBゲイン算出部24は、積算平均算出部19で算出された積算平均値と、黒体軌跡データ記憶部23に記憶されている黒体軌跡データと、モード判定部22の判定結果とに基づいてWBゲインを算出する。ここで算出されたWBゲインにしたがって、デジタル信号処理部17がWB調整処理を実施する。
図2は、図1に示したデジタルカメラにおける固体撮像素子5の概略構成を示す平面模式図である。
図2に示したように、固体撮像素子5は、複数の光電変換素子51Wからなる第一グループと、複数の光電変換素子51Nからなる第二グループと、複数の垂直電荷転送部54と、水平電荷転送部52と、出力部53とを備える。
固体撮像素子5に含まれる全ての光電変換素子は、半導体基板表面の列方向Yとこれに交差する(図2の例では直交する)行方向Xとに二次元状に配置されている。この全ての光電変換素子は、列方向Yに並ぶ複数の光電変換素子51Wからなる第一の光電変換素子列と、列方向Yに並ぶ複数の光電変換素子51Nからなる第二の光電変換素子列とを有する。そして、第一の光電変換素子列と第二の光電変換素子列が行方向Xに交互に一定ピッチで並べられている。さらに、第一の光電変換素子列は、第二の光電変換素子列に対して、各光電変換素子列の光電変換素子の列方向Yにおける配列ピッチの1/2だけ列方向Yにずらして配置されている。このような配列は、正方格子状に配置した各光電変換素子51Wに対して斜め45°方向にずれた位置に光電変換素子51Nを配置することで得ることができる。
このように、各光電変換素子51Wには、各光電変換素子51Wに対して同一の位置関係(同一方向)で光電変換素子51Nが隣接して配置されている。そして、各光電変換素子51Wと、各光電変換素子51Wに対して同一の位置関係で隣接する(同一の方向に隣接する)光電変換素子51Nとで、ペアを構成している。
固体撮像素子5に含まれる全ての光電変換素子は、略同一構成(設計上の値が同一)となっている。略同一構成とは、半導体基板内に形成される光電変換領域(フォトダイオード)のサイズが略同じであり、その光電変換領域の上方に形成される遮光膜の開口サイズも略同じであることを意味する。
光電変換素子51Wからなる第一グループと光電変換素子51Nからなる第二グループは、露光時間を独立に制御可能となっている。このデジタルカメラでは、撮像素子駆動部10が、第一グループの露光時間と第二グループの露光時間を異ならせる制御を行うことで、第一グループの光電変換素子51Wと第二グループ光電変換素子51Nから感度の異なる信号を得ている。
この固体撮像素子5では、ペアを構成する(同一の位置関係で隣接する)光電変換素子51Wと光電変換素子51Nが、次の条件を満たしている。
(1)光電変換素子51Wと光電変換素子51Nの各々の分光感度特性が異なる。
(2)光電変換素子51Wが主として分光感度を有する波長範囲(例えば光電変換素子51Wの分光感度特性における半値幅)と、光電変換素子51Nが主として分光感度を有する波長範囲(例えば光電変換素子51Nの分光感度特性における半値幅)とが、可視光のうちの特定の色の光の波長範囲に入っている。
(3)光電変換素子51Nの分光感度特性における半値幅が、光電変換素子51Wの分光感度特性における半値幅よりも狭い。
(4)光電変換素子51Wが主として分光感度を有する波長範囲の各波長における分光感度の値が、光電変換素子51Nの当該各波長における分光感度の値よりも大きくなっている。
(5)光電変換素子51Wの分光感度特性における半値幅に対する、光電変換素子51Wの分光感度のピーク値の比(半値幅/ピーク値)が、光電変換素子51Nの分光感度特性における半値幅に対する、光電変換素子51Nの分光感度のピーク値の比(半値幅/ピーク値)より大きい。
なお、光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とは、その光電変換素子から出力される信号のうちの大部分が、その波長範囲の光に応じた信号であることを意味し、その波長範囲以外の光に応じた信号が、その光電変換素子から出力される信号に対してほとんど影響を与えないような範囲のことを示す。以下では、各光電変換素子の分光感度特性における半値幅を、その各光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲として説明する。
ペアを構成する光電変換素子51Wと光電変換素子51Nとで分光感度特性を異ならせる方法としてはいくつか挙げられるが、この固体撮像素子5では、これらの上方に設けるカラーフィルタの分光感度特性を異ならせる方法を採用している。
各光電変換素子51Wの上方には、全体としてベイヤ状に配置された赤色光を透過するカラーフィルタR1と、緑色光を透過するカラーフィルタG1と、青色光を透過するカラーフィルタB1とが設けられている。
図2においては、カラーフィルタR1が上方に設けられた光電変換素子51Wに“R1”の文字を付してある。また、カラーフィルタG1が上方に設けられた光電変換素子51Wに“G1”の文字を付してある。また、カラーフィルタB1が上方に設けられた光電変換素子51Wに“B1”の文字を付してある。
各光電変換素子51Nの上方には、全体としてベイヤ状に配置された赤色光を透過するカラーフィルタR2と、緑色光を透過するカラーフィルタG2と、青色光を透過するカラーフィルタB2とが設けられている。
図2においては、カラーフィルタR2が上方に設けられた光電変換素子51Nに“R2”の文字を付してある。また、カラーフィルタG2が上方に設けられた光電変換素子51Nに“G2”の文字を付してある。また、カラーフィルタB2が上方に設けられた光電変換素子51Nに“B2”の文字を付してある。
以下の説明では、カラーフィルタR1とカラーフィルタR2を総称して赤色フィルタともいい、カラーフィルタG1とカラーフィルタG2を総称して緑色フィルタともいい、カラーフィルタB1とカラーフィルタB2を総称して青色フィルタともいう。
このように、ペアを構成する光電変換素子51W及び光電変換素子51Nの各々の上方には同一色のフィルタ(赤色フィルタ、緑色フィルタ、又は青色フィルタ)が配置されている。したがって、この固体撮像素子5には、上方に設けられるフィルタの色が異なる3種類のペア(赤色フィルタを上方に持つRペア、緑色フィルタを上方に持つGペア、青色フィルタを上方に持つBペア)が含まれるものということができる。
なお、Rペアの各光電変換素子に対する上記条件(2)における特定の色は赤色になる。Gペアの各光電変換素子に対する上記条件(2)における特定の色は緑色になる。Bペアの各光電変換素子に対する上記条件(2)における特定の色は青色になる。
Rペアの各光電変換素子では、カラーフィルタR1とカラーフィルタR2の分光感度特性を異ならせることで、光電変換素子51Wと光電変換素子51Nとに分光感度特性の差を設けている。
Gペアの各光電変換素子では、カラーフィルタG1とカラーフィルタG2の分光感度特性を異ならせることで、光電変換素子51Wと光電変換素子51Nとに分光感度特性の差を設けている。
Bペアの各光電変換素子では、カラーフィルタB1とカラーフィルタB2の分光感度特性を異ならせることで、光電変換素子51Wと光電変換素子51Nとに分光感度特性の差を設けている。
以下では、Rペアの各光電変換素子、Gペアの各光電変換素子、Bペアの各光電変換素子の分光感度特性の具体例を説明する。
図3は、図2に示した固体撮像素子5における光電変換素子51Wと光電変換素子51Nの分光感度特性を示した図である。図3において、符号R1(λ),G1(λ),B1(λ)で示した特性が、それぞれカラーフィルタR1,G1,B1が設けられた光電変換素子51Wの分光感度特性を示す。また、符号R2(λ),G2(λ),B2(λ)で示した特性が、それぞれカラーフィルタR2,G2,B2が設けられた光電変換素子51Nの分光感度特性を示す。
図3に示した例では、Rペアの光電変換素子51Wが主として分光感度を有する波長範囲(半値幅)の各波長における分光感度の値は、Rペアの光電変換素子51Nの当該各波長における分光感度の値よりも大きくなっている。また、分光感度特性R2(λ)における半値幅は、分光感度特性R1(λ)における半値幅よりも狭く、かつ、それよりも内側となっている。さらに、分光感度特性R1(λ)における半値幅が、赤色の波長範囲に入っている。また、分光感度特性R1(λ)の半値幅に対するピーク値の比が、分光感度特性R2(λ)の半値幅に対するピーク値の比よりも大きくなっている。なお、分光感度特性R1(λ),R2(λ)における各半値幅は、可視光の波長範囲における値とした。
図3に示した例では、Gペアの光電変換素子51Wが主として分光感度を有する波長範囲(半値幅)の各波長における分光感度の値は、Gペアの光電変換素子51Nの当該各波長における分光感度の値よりも大きくなっている。また、分光感度特性G2(λ)における半値幅は、分光感度特性G1(λ)における半値幅よりも狭く、かつ、それよりも内側となっている。さらに、分光感度特性G1(λ)における半値幅が、緑色の波長範囲に入っている。さらに、分光感度特性G1(λ)の半値幅に対するピーク値の比が、分光感度特性G2(λ)の半値幅に対するピーク値の比よりも大きくなっている。
図3に示した例では、Bペアの光電変換素子51Wが主として分光感度を有する波長範囲(半値幅)の各波長における分光感度の値は、Bペアの光電変換素子51Nの当該各波長における分光感度の値よりも大きくなっている。また、分光感度特性B2(λ)における半値幅は、分光感度特性B1(λ)における半値幅よりも狭く、かつ、それよりも内側となっている。さらに、分光感度特性B1(λ)における半値幅が、青色の波長範囲に入っている。さらに、分光感度特性B1(λ)の半値幅に対するピーク値の比が、分光感度特性B2(λ)の半値幅に対するピーク値の比よりも大きくなっている。なお、分光感度特性B1(λ),B2(λ)における各半値幅は、可視光の波長範囲における値とした。
このように、図3に示した分光感度特性にすることで、上記(1)〜(5)の条件を満たすことができる。
複数の垂直電荷転送部54は、各光電変換素子列に対応して1つずつ設けられており、対応する光電変換素子列の各光電変換素子から読み出した電荷を、列方向Yに転送する。
垂直電荷転送部54は、半導体基板内に形成された電荷転送チャネル54aと、この上方に列方向Yに並べて設けられた転送電極V1〜V8とで構成されている。転送電極V1〜V8には、撮像素子駆動部10から駆動パルスが供給されるようになっており、この駆動パルスによって、垂直電荷転送部54が駆動される。
電荷転送チャネル54aと、これに対応する光電変換素子列の各光電変換素子との間には、電荷読み出し領域56(図2では模式的に矢印で示した)が形成されている。
転送電極V3は、第一グループの光電変換素子51Wのうち、固体撮像素子5の水平電荷転送部52が設けられた側とは反対側の端部(上端部)から数えて奇数行目の光電変換素子51Wの電荷読み出し領域56も覆っており、この光電変換素子51Wから電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねている。
転送電極V7は、第一グループの光電変換素子51Wのうち、固体撮像素子5の上端部から数えて偶数行目の光電変換素子51Wの電荷読み出し領域56も覆っており、この光電変換素子51Wから電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねている。
転送電極V5は、第二グループの光電変換素子52Nのうち、固体撮像素子5の上端部から数えて奇数行目の光電変換素子52Nの電荷読み出し領域56も覆っており、この光電変換素子52Nから電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねている。
転送電極V1は、第二グループの光電変換素子52Nのうち、固体撮像素子5の上端部から数えて偶数行目の光電変換素子52Nの電荷読み出し領域56も覆っており、この光電変換素子52Nから電荷を読み出すための読み出し電極も兼ねている。
水平電荷転送部52は、複数の垂直電荷転送部54を転送されてきた電荷を、行方向Xに転送する。
出力部53は、水平電荷転送部52を転送されてきた電荷を、その電荷量に応じた信号に変換して出力する。
以上のように構成されたデジタルカメラは、上述したように、DRモードとHRモードとSNモードの3つのモードを、シーンに応じて又は手動操作に応じて切り替える。
DRモードでは、撮像素子駆動部10がDR駆動を実施する。DR駆動とは、第一グループと第二グループの露光時間を異なるものとし、固体撮像素子5の全ての光電変換素子から信号を読み出す駆動である。このモードでは、デジタル信号処理部17が、第一グループの各光電変換素子から読み出した信号群(以下、A面という)と、第二グループの各光電変換素子から読み出した信号群(以下、B面という)とに独立にデジタル信号処理を施して2つの画像データ(A面処理後の画像データとB面処理後の画像データと)を生成する。そして、デジタル信号処理部17は、これら2つの画像データを合成することで、ダイナミックレンジを拡大し、かつ、色再現性を向上させたDR画像データ(全ての光電変換素子のうちの半分の光電変換素子の各々に対応する画素データで構成される画像データ)を生成する。
HRモードでは、撮像素子駆動部10がHR駆動を実施する。HR駆動とは、第一グループと第二グループの露光時間を同一とし、固体撮像素子5に含まれる全ての光電変換素子から信号を読み出す駆動である。このモードでは、デジタル信号処理部17が、全ての光電変換素子から読み出した信号群(A面とB面で構成される信号)にデジタル信号処理を施して、高解像度の1つのHR画像データ(全ての光電変換素子の各々に対応する画素データで構成される画像データ)を生成する。なお、このモードでは、A面とB面で色味が異なるため、デジタル信号処理部17にてこの色味を合わせる補正を行ってもよい。
SNモードでは、撮像素子駆動部10がSN駆動を実施する。SN駆動とは、第一グループと第二グループの露光時間を同一とし、ペアを構成する光電変換素子51W,51Nから読み出した電荷を固体撮像素子5内(例えば水平電荷転送部52内)で混合して、全てのペアに対応する信号群(以下、AB面という)を固体撮像素子5から読み出す駆動である。このモードでは、デジタル信号処理部17が、AB面にデジタル信号処理を施して、1つのSN画像データ(全てのペアに対応する画素データで構成される画像データ)を生成する。このモードでは、ペアの電荷を固体撮像素子5内で混合してから信号に変換するため、低ノイズでありながら感度を向上させることができ、高感度かつ低ノイズのSN画像データを生成することができる。
DRモードでは、デジタル信号処理部17が、A面とB面で独立にホワイトバランス調整処理を行う。A面とB面は色味が異なるデータであるため、A面とB面それぞれに最適なWBゲインを算出するためには、A面用の黒体軌跡データと、B面用の黒体軌跡データとを持っておく必要がある。
HRモードでは、デジタル信号処理部17が、A面とB面で構成される信号群に対してホワイトバランス調整処理を行う。この場合も、A面とB面は色味が異なるデータであるため、最適なホワイトバランスにするには、A面とB面で独立にWB調整を行う必要がある。つまり、このモードでも、A面用の黒体軌跡データと、B面用の黒体軌跡データとを持っておく必要がある。
SNモードでは、デジタル信号処理部17が、AB面に対してホワイトバランス調整処理を行うため、A面用の黒体軌跡データ及びB面用の黒体軌跡データとは別のAB面用の黒体軌跡データを持っておく必要がある。
そこで、このデジタルカメラでは、黒体軌跡データ記憶部23が、黒体軌跡データを、A面用とB面用とAB面用の3種類記憶している。
A面用の黒体軌跡データは、光源の色温度を変化させながらDRモード又はHRモードで撮像したときのA面における黒体の色変化の軌跡を示すデータである。図4には、A面用の黒体軌跡データ(符号ADを付した)の一例が示されている。色空間としては、ここでは縦軸をB/Gとし、横軸をR/Gとしたもの(B/G,R/G色空間と称する)とするが、これに限らない。
B面用の黒体軌跡データは、光源の色温度を変化させながらDRモード又はHRモードで撮像したときのB面における黒体の色変化の軌跡を示すデータである。図4には、B面用の黒体軌跡データ(符号BDを付した)の一例が示されている。
AB面用の黒体軌跡データは、光源の色温度を変化させながらSNモードで撮像したときのAB面における黒体の色変化の軌跡を示すデータである。図4には、AB面用の黒体軌跡データ(符号ABDを付した)の一例が示されている。
図4に示した例では、(B/G)と(R/G)の比が1:1になる基準点Oにおいて、A面用の黒体軌跡データAD、B面用の黒体軌跡データBD、及びAB面用の黒体軌跡データABDがそれぞれ交わるように、正規化を行ってある。
なお、図4に示した黒体軌跡データAD,BDは、それぞれ、光電変換素子51W,51Nの分光感度特性と1000K〜10000Kの照明光の波長スペクトルに基づいてシミュレーションした結果を示している。このシミュレーション結果によれば、(B/G)と(R/G)の比が1:1となる基準点Oよりも(R/G)の値が小さくなる領域では、黒体軌跡データADの曲線が黒体軌跡データBDの曲線よりも軸B/Gから離れた位置にあり、基準点Oよりも(R/G)の値が大きくなる領域では、黒体軌跡データADの曲線が黒体軌跡データBDの曲線よりも軸R/Gに近づく位置にある黒体軌跡データAD,BDが得られる。
次に、WBゲイン算出部24によるWBゲインの算出方法の詳細について説明する。
図5は、図1に示すデジタルカメラにおけるWBゲインの算出方法を説明するためのフローチャートである。
固体撮像素子5により撮像が実施されると、その撮像によって得られる撮像信号がメインメモリ16に記憶される。次に、モード判定部22が、その撮像時のデジタルカメラのモードを判定する(ステップS1)。このモードは、システム制御部11が被写体又は操作部14の操作に応じて決定したものである。このため、モード判定部22は、システム制御部11からどのモードで撮像したかの情報を取得して、モードを判定する。
判定の結果、モードがSNモードであった場合(ステップS1:YES)は、メインメモリ16にAB面が記憶されているため、積算平均算出部19が、AB面をn個のブロックに分割し、各ブロックにあるR信号、G信号、B信号の各々の積算平均を算出する。
続いて、WBゲイン算出部24が、分割ブロック毎に積算平均の比((B信号の積算平均/G信号の積算平均)と(R信号の積算平均/G信号の積算平均))を算出し、当該算出した2つの比を座標とする点をB/G,R/G色空間に色情報としてプロットする(ステップS2)。この処理により、B/G,R/G色空間には、n個の分割ブロックに対応したn個の色情報がプロットされ、n個の色情報が生成される。
次に、WBゲイン算出部24が、黒体軌跡データABDを黒体軌跡データ記憶部23から取得し、黒体軌跡データABDとステップS2で生成したn個の色情報の分布とに基づいて、当該n個の色情報の中から、撮像時の周囲の光源の色情報(以下、光源情報という)を決定する(ステップS3)。これら光源情報の決定方法としては、周知の方法を用いる。
次に、WBゲイン算出部24は、決定した光源情報と黒体軌跡データABDとに基づいてAB面用のWBゲインを算出する(ステップS4)。具体的には、WBゲイン算出部24は、決定した光源情報を黒体軌跡データABDの基準点Oに移動させるために必要なゲインを、AB面用のWBゲインとして算出する。
ステップS1の判定の結果、モードがHRモード又はDRモードであった場合(ステップS1:NO)は、メインメモリ16にA面とB面が記憶されているため、積算平均算出部19が、A面とB面をそれぞれn個のブロックに分割し、各ブロックにあるR信号、G信号、B信号の各々の積算平均を算出する。
続いて、WBゲイン算出部24が、A面の分割ブロック毎に積算平均の比を算出し、当該算出した2つの比を座標とする点をB/G,R/G色空間に色情報としてプロットする(ステップS5)。
次に、WBゲイン算出部24が、B面の分割ブロック毎に積算平均の比を算出し、当該算出した2つの比を座標とする点をB/G,R/G色空間に色情報としてプロットする(ステップS6)。
ステップS5,S6の処理により、B/G,R/G色空間には、A面のn個の分割ブロックに対応したn個の色情報と、B面のn個の分割ブロックに対応したn個の色情報とがプロットされ、計(2×n)個の色情報が生成される。
次に、WBゲイン算出部24が、黒体軌跡データ記憶部23から黒体軌跡データAD及び黒体軌跡データBDを取得し、黒体軌跡データADと、黒体軌跡データBDと、ステップS5,S6で取得した(2×n)個の色情報とに基づいて、A面とB面で別々に光源情報を決定する(ステップS7)。
具体的には、WBゲイン算出部24は、黒体軌跡データADとA面に対応するn個の色情報の分布とに基づいて、このn個の色情報の中から、A面に対する撮像時の周囲の光源の色情報(以下、光源情報APという)を決定する。
また、WBゲイン算出部24は、黒体軌跡データBDとB面に対応するn個の色情報の分布とに基づいて、このn個の色情報の中から、B面に対する撮像時の周囲の光源の色情報(以下、光源情報BPという)を決定する。
これら光源情報AP,BPの決定方法としては、周知の方法を用いる。
次に、WBゲイン算出部24が、ステップS7で決定した光源情報APと黒体軌跡データADとに基づいてA面用のWBゲインを算出し、光源情報BPと黒体軌跡データBDとに基づいてB面用のWBゲインを算出する(ステップS8)。
具体的には、WBゲイン算出部24が、光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出し、光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する。
以上のように、このデジタルカメラによれば、A面、B面、AB面で独立に、最適なWBゲインを算出することができる。このため、DRモードとHRモードとSNモードのいずれでも、適切なホワイトバランスを実現することができ、広Dレンジ撮像、高解像度撮像、高感度かつ低ノイズ撮像を、色再現性を向上させながら実現することができる。
また、このデジタルカメラによれば、ペアの光電変換素子51Nの主として分光感度を有する波長範囲が、当該ペアの光電変換素子51Wの主として分光感度を有する波長範囲に完全に含まれている。このため、ペアから得られる信号同士の相関性を高めることができ、DRモードにおいては品質の高い広Dレンジ画像データを生成することができ、SNモードにおいては品質の高い高感度かつ低ノイズ画像データを生成することができる。
なお、このデジタルカメラでは、SNモード以外のモードとしては、DRモードとHRモードの両方がなくてもよく、これらのいずれかだけが設定可能となっていてもよい。
また、SNモードにおいては、各ペアの光電変換素子から読み出した電荷を水平電荷転送部52内で電荷を混合せずに、当該電荷に応じた信号をアナログ信号処理部6でアナログ信号の状態で加算してから、加算後の信号をAB面とし、このAB面にデジタル信号処理してSN画像データを生成してもよい。各ペアの光電変換素子から読み出した電荷を水平電荷転送部52内で混合して得られる当該ペアに対応する信号と、各ペアの光電変換素子から読み出した信号をアナログ信号処理部6でアナログ信号の状態で加算して得られる当該ペアに対応する信号とは、そのノイズ量が異なるだけであり、ほぼ同じ信号と言うことができる。このため、各ペアの光電変換素子から読み出した電荷を固体撮像素子5内で混合する処理は、当該ペアの光電変換素子から読み出した信号を固体撮像素子5内で加算する処理と言い換えることができる。
また、以上の説明では、黒体軌跡データ記憶部23に、黒体軌跡データABDを記憶しているが、これは必須ではない。黒体軌跡データABDを記憶しておかない場合には、WBゲイン算出部24が、黒体軌跡データADと黒体軌跡データBDから黒体軌跡データABDを演算により生成して、黒体軌跡データABDを取得すればよい。
次に、図1に示したデジタルカメラの変形例について説明する。
(第一の変形例)
図6は、図5のステップS7で決定された光源情報AP,BPのB/G,R/G色空間における位置の一例を示した図である。図6に示すように、光源情報APと光源情報BPのB/G,R/G色空間における距離L1が大きい場合、この場合には、どちらかの光源情報が誤って決定されている可能性が高い。
そこで、第一の変形例のデジタルカメラでは、DRモード及びHRモードのときに、WBゲイン算出部24が、距離L1が閾値を越える場合には、光源情報APと黒体軌跡データADとの距離L2と、光源情報BPと黒体軌跡データBDとの距離L3とを比較し、その比較結果に応じて、光源情報APと光源情報BPのいずれかを変更する。
具体的には、WBゲイン算出部24は、図6に示すようにL3>L2のときには、光源情報BPを光源情報APに基づいて変更し、L2>L3のときには、光源情報APを光源情報BPに基づいて変更する。
以下、第一の変形例のデジタルカメラのWBゲイン算出動作について説明する。この動作は、図5に示したフローチャートにおけるステップS8のみを変更してものであるため、以下ではこの変更部分についてのみ説明する。
図7は、図1に示したデジタルカメラの第一の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートであり、図5に示したフローチャートにおけるステップS8の変形例を示したものである。
WBゲイン算出部24は、図5のステップS7で光源情報APと光源情報BPを決定すると、次に、光源情報APと光源情報BPとの間のB/G,R/G色空間における距離L1を算出する(ステップS71)。
次に、WBゲイン算出部24は、算出した距離L1が閾値Th1を越えるか否かを判定する(ステップS72)。閾値Th1は、これ以上になると、光源情報の決定精度が維持できなくなる値である。
ステップS72の判定がNOであった場合、WBゲイン算出部24は、ステップS7で決定した光源情報APと黒体軌跡データADとに基づいてA面用のWBゲインを算出し、ステップS7で決定した光源情報BPと黒体軌跡データBDとに基づいてB面用のWBゲインを算出する(ステップS79)。
具体的には、WBゲイン算出部24が、光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出し、光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する。
ステップS72の判定がYESであった場合、WBゲイン算出部24は、光源情報APと黒体軌跡データADの距離L2と、光源情報BPと黒体軌跡データBDの距離L3とを算出する(ステップS73)。
なお、距離L2は、光源情報APと黒体軌跡データADとを最短距離で結ぶ直線の長さであり、距離L3は、光源情報BPと黒体軌跡データBDとを最短距離で結ぶ直線の長さである。
次に、WBゲイン算出部24は、算出した距離L2と距離L3を比較する(ステップS74)。比較の結果、L2<L3であった場合(ステップS74:YES)、WBゲイン算出部24は、ステップS7で決定した光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出する(ステップS75)。
続いて、WBゲイン算出部24は、光源情報APが得られたA面のブロックと同一座標のB面のブロックから得た色情報を光源情報BPとし、この光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する(ステップS76)。
ステップS74の比較の結果、L2>L3であった場合(ステップS74:NO)、WBゲイン算出部24は、ステップS7で決定した光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する(ステップS77)。
続いて、WBゲイン算出部24は、光源情報BPが得られたB面のブロックと同一座標のA面のブロックから得た色情報を光源情報APとし、この光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出する(ステップS78)。
このように、第一の変形例のデジタルカメラは、光源情報の誤決定の可能性がある場合には、黒体軌跡データにより近い方の光源情報はそのままとし、黒体軌跡データから遠い方の光源情報を、当該近い方の光源情報とほぼ一致する光源情報に変更する。黒体軌跡データに近い光源情報は信頼性が高いと考えられるため、このようにすることで、光源情報の決定精度を向上させることができ、WBゲインを適切に算出することが可能となる。
(第二の変形例)
図8は、撮像時の光源が輝線を持たない通常光源であるときの、図5のステップS7で決定された光源情報AP,BPのB/G,R/G色空間における位置の一例を示した図である。図9は、図8に対し光源を蛍光灯等の輝線を持つ輝線光源にしたときの光源情報AP,BPの位置の一例を示した図である。図8,9において示した領域R1,R2は、それぞれ、青空及び昼白色蛍光灯の色情報がプロットされる領域、緑及び白色蛍光灯の色情報がプロットされる領域を示す。
領域R2内に光源情報AP,BPがある場合、光源が通常光源のときは、光源情報APと黒体軌跡データADの距離L2と、光源情報BPと黒体軌跡データBDの距離L3との差は小さい。これに対し、光源が輝線光源の場合には、図9に示すように、光源情報BPが輝線の影響を受けて黒体軌跡データBDから離れ、距離L2と距離L3との差が大きくなる。このような現象は、領域R1に光源情報AP,BPがある場合でも同様に発生する。このような現象は、ペアの光電変換素子51Nと光電変換素子51Wが、上述した(1)〜(4)の条件を満たしているために発生する。
光源が青空又は昼白色蛍光灯の場合、光源情報AP,BPは領域R1内に入り、光源が緑又は白色蛍光灯の場合、光源情報AP,BPは領域R2内に入る。つまり、青空と昼白色蛍光灯、緑と白色蛍光灯は、それぞれ誤判別されやすい。
図1に示したデジタルカメラでは、光電変換素子51Wと光電変換素子51Nで分光特性を変えている。このため、図8,9に示したように、輝線を持つ光源(昼白色蛍光灯、白色蛍光灯)と、輝線を持たない光源(青空、緑)とを、距離L2,L3の大きさを見ることで区別することが可能である。
そこで、第二の変形例のデジタルカメラでは、DRモード及びHRモード時において、WBゲイン算出部24が、光源情報AP及び光源情報BPが領域R1及び領域R2のいずれかにある場合に、その光源情報APと黒体軌跡データADの距離L2と、その光源情報BPと黒体軌跡データBDの距離L3とを比較し、その比較結果に応じて、A面及びB面のホワイトバランスゲインの算出方法を変更する。
具体的には、WBゲイン算出部24は、距離L3から距離L2を減算した値が閾値Th2以下のときには、当該値が閾値Th2を越えるときに比べて、A面用のWBゲインとB面用のWBゲインを小さめに算出する。
以下、第二の変形例のデジタルカメラのWBゲイン算出動作について説明する。この動作は、図5に示したフローチャートにおけるステップS8のみを変更したものであるため、以下ではこの変更部分についてのみ説明する。
図10は、図1に示したデジタルカメラの第二の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートであり、図5に示したフローチャートにおけるステップS8の変形例を示したものである。
WBゲイン算出部24は、図5のステップS7で光源情報APと光源情報BPを決定した後、光源情報APと光源情報BPが領域R1,R2に入っているか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS101の判定がNOであった場合、WBゲイン算出部24は、図7に示したステップS71以降の処理を実施する。
ステップS101の判定がYESであった場合、WBゲイン算出部24は、光源情報APと黒体軌跡データADの距離L2と、光源情報BPと黒体軌跡データBDの距離L3とを算出する(ステップS102)。
次に、WBゲイン算出部24は、L3からL2を減算した値が閾値Th2を越えるか否かを判定する(ステップS103)。閾値Th2は、これ以上であれば輝線の影響を受けていると判断できる程度の値である。
ステップS103の判定がYESであった場合、この場合は、図9に示した状態、つまり、光源が蛍光灯であると判断することができる。この場合には、WBゲイン算出部24は、光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出し、光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する(ステップS104)。
ステップS103の判定がNOであった場合、この場合は、図8に示した状態、つまり、光源が緑、青空等の物体色であると判断することができる。この場合には、WBゲイン算出部24は、物体色が残るように、ステップS104で算出するWBゲインよりもゲインを小さくしたWBゲインを算出する(ステップS105)。どれくらいゲインを下げるかは、経験的に決めておけばよい。
以上のように、第二の変形例のデジタルカメラによれば、光源が蛍光灯と物体色とのどちらとも判断できるような場合でも、距離L3と距離L2の比較によって、蛍光灯と物体色を明確に区別することができる。このため、ホワイトバランス調整の精度を向上させることができる。
(第三の変形例)
図11は、図5のステップS7で決定された光源情報AP,BPのB/G,R/G色空間における位置の一例を示した図である。図11に示すように、光源情報APがほぼ黒体軌跡データAD上もしくは黒体軌跡データADから一定の誤差距離内にあり、光源情報BPがほぼ黒体軌跡データBD上もしくは黒体軌跡データBDから一定の誤差距離内にあり、かつ、これら光源情報APと光源情報BPが同一のブロックから得られたものであった場合、この場合には、これら光源情報APと光源情報BPが正確な光源である確率が高い。
そこで、第三の変形例のデジタルカメラでは、WBゲイン算出部24が、光源情報AP,BPを決定する際に、黒体軌跡データADに乗るA面の色情報があり、黒体軌跡データBDに乗るB面の色情報があり、これらの色情報が同一のブロックの色情報であるときには、これら2つの色情報を撮像時の光源情報として決定する。
以下、第三の変形例のデジタルカメラのWBゲイン算出動作について説明する。この動作は、図5に示したフローチャートにおけるステップS7のみを変更したものであるため、以下ではこの変更部分についてのみ説明する。
図12は、図1に示したデジタルカメラの第三の変形例のデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートであり、図5に示したフローチャートにおけるステップS7の変形例を示したものである。
図5に示したステップS5,6で色情報を生成した後、WBゲイン算出部24は、黒体軌跡データAD,BDにA面とB面の色情報がそれぞれ乗る同一ブロックがあるかどうかを判定する(ステップS121)。
ステップS121の判定がNOであった場合、この場合には、WBゲイン算出部24が、黒体軌跡データ記憶部23から黒体軌跡データAD及び黒体軌跡データBDを取得し、黒体軌跡データADと、黒体軌跡データBDと、A面の色情報の分布と、B面の色情報の分布とに基づいて、A面とB面で別々に光源情報を決定する(ステップS123)。ここでの光源情報の決定は周知の方法で行う。
ステップS121の判定がYESであった場合、この場合には、WBゲイン算出部24が、上記同一ブロックの色情報を光源情報AP,BPとして決定する(ステップS122)。
ステップS122,S123の後、WBゲイン算出部24は、決定した光源情報AP、BPと黒体軌跡データADと黒体軌跡データBDに基づいて、A面用のWBゲインとB面用のWBゲインを算出する(ステップS8)。
具体的には、WBゲイン算出部24が、光源情報APを黒体軌跡データADの基準点Oに移動させるために必要なゲインをA面用のWBゲインとして算出し、光源情報BPを黒体軌跡データBDの基準点Oに移動させるために必要なゲインをB面用のWBゲインとして算出する。
以上のように、第三の変形例のデジタルカメラによれば、黒体軌跡データに色情報が乗る同一ブロックがあった場合には、そのブロックの色情報を光源情報として決定するため、光源情報決定までの処理量を減らすことが可能となる。また、このような色情報がある場合には、その色情報が光源の色情報である確率が高いため、光源情報を正確に決定することができる。
(第四の変形例)
図13は、図1に示すデジタルカメラの第四の変形例のデジタルカメラのWBゲイン算出動作を説明するためのフローチャートである。図13に示すフローチャートは、ステップS1:NO以降の処理が異なる点を除いては、図5に示したフローチャートと同じである。
ステップS1の判定がNOであった場合、WBゲイン算出部24は、図12に示したステップS121〜S123の方法で、光源情報AP,BPを決定する(ステップS131)。
次に、WBゲイン算出部24は、図7に示したステップS71〜S79の方法でWBゲインを算出する(ステップS132)。
このように、図1に示したデジタルカメラにおいて、第一の変形例と第三の変形例の処理内容を組み合わせることで、処理速度の向上、光源決定精度の向上、ホワイトバランス調整精度の向上を実現することができる。
(第五の変形例)
図14は、図1に示すデジタルカメラの第五の変形例のデジタルカメラのWB算出動作を説明するためのフローチャートである。図14に示すフローチャートは、ステップS1:NO以降の処理が異なる点を除いては、図5に示したフローチャートと同じである。
ステップS1の判定がNOであった場合、WBゲイン算出部24は、図12に示したステップS121〜S123の方法で、光源情報AP,BPを決定する(ステップS141)。
次に、WBゲイン算出部24は、図10に示したステップS101〜S105、図7に示したS71〜S79の方法でWBゲインを算出する(ステップS142)。
このように、図1に示したデジタルカメラにおいて、第二の変形例と第三の変形例の処理内容を組み合わせることで、処理速度の向上、光源決定精度の向上、ホワイトバランス調整精度の向上を実現することができる。
なお、以上の説明では、ペアを構成する光電変換素子51Wと光電変換素子51Nが、上記(1)〜(5)の条件を満たすものとしたが、1つの固体撮像素子5で色味の異なる2つの画質を得るという目的から言えば、上記(1)〜(5)のうち少なくとも(1),(2)の条件を満たしていればよい。
条件(1)を満たしていないと色再現性の向上効果は得られず、条件(2)を満たしていないとペアから得られる信号の相関性が低くなってしまうためである。
また、ペアを構成する光電変換素子51Wと光電変換素子51Nとで分光感度特性を異ならせる方法としては、次のような方法を採用してもよい。
すなわち、カラーフィルタR1とカラーフィルタR2の各々の分光感度特性は同じとし、カラーフィルタG1とカラーフィルタG2の各々の分光感度特性は同じとし、カラーフィルタB1とカラーフィルタB2の各々の分光感度特性は同じとする。そして、ペアの光電変換素子51Wと光電変換素子51Nの構造を異ならせることで、光電変換素子51Wと光電変換素子51Nの分光感度特性に差をつける。例えば、ペアを構成する光電変換素子51W,51Nのうち、光電変換素子51Wを構成するフォトダイオードのpn接合面の深さと、光電変換素子51Nを構成するフォトダイオードのpn接合面の深さとを変える方法等がある。
また、固体撮像素子5の各光電変換素子51W,51Nの配列は、図15及び図16に示したようなものであってもよい。
図15は、図2に示した固体撮像素子の変形例を示す図である。この変形例の固体撮像素子は、複数の光電変換素子を正方格子状に配列し、そのうちの奇数行を光電変換素子51Wとし、偶数行を光電変換素子51Nとしたものである。
図16は、図2に示した固体撮像素子の変形例を示す図である。この変形例の固体撮像素子は、複数の光電変換素子を正方格子状に配列し、そのうちの一方の市松位置に光電変換素子51Wを配置し、他方の市松位置に光電変換素子51Nを配置した構成である。
図15に示したような配列であっても、各光電変換素子51Wと、各光電変換素子Wに対して同一の位置関係で隣接する(同一方向に隣接する)光電変換素子51Nとをペアとして扱うことで、色再現性の向上を図ることができる。また、図16に示したような配列であっても、奇数列においては、各光電変換素子51Wと、各光電変換素子Wに対して同一の位置関係で隣接する(右方向に隣接する)光電変換素子51Nをペアとして扱い、偶数列においては、各光電変換素子51Wと、各光電変換素子Wに対して同一の位置関係で隣接する(左方向に隣接する)光電変換素子51Nをペアとして扱うことで、色再現性の向上を図ることができる。
なお、これまでの説明では、固体撮像素子5が3種類のペアを有し、この3種類のペアでR,G,Bの三原色を検出するものとしたが、これに限らない。例えば、3種類のペアでそれぞれシアン、マゼンタ、イエローの補色を検出する構成としてもよい。また、ペアの種類は3種類に限らず、少なくとも2種類あれば、カラー撮像を実施することができる。
また、固体撮像素子5はCCD型に限らず、MOS型であってもよい。この場合は、特開2007−124137号公報に記載のように、第一グループと第二グループとで別々に走査回路とCDS回路を設けておけばよい。また、この場合には、SNモードにおいて、アナログ信号処理部6でペアからの信号同士を加算する方法を採用することで、各ペアに対応する信号(AB面)を得ることができる。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
開示された撮像装置は、それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置であって、各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの前記第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、所定の色空間における色温度による物体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部と、前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成部と、前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得部と、前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定部と、前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出部とを備えるものである。
開示された撮像装置は、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報との間の前記色空間における距離を算出し、当該距離が第一の閾値を越えるときには、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第一の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第二の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報のいずれかを変更する光源情報変更部を更に備えるものである。
開示された撮像装置は、前記光源情報変更部が、前記第二の距離が前記第一の距離よりも大きいときには、前記第二の光源情報を前記第一の光源情報に基づいて変更し、前記第一の距離が前記第二の距離よりも大きいときには、前記第一の光源情報を前記第二の光源情報に基づいて変更するものである。
開示された撮像装置は、前記第一の処理において、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第一の色情報があり、前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第二の色情報があり、当該第一の色情報と当該第二の色情報とが同一の前記ブロックから生成された色情報であるときには、前記光源情報決定部が、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第一の色情報及び前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第二の色情報を前記撮像時の光源情報として決定するものである。
開示された撮像装置は、各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度特性における半値幅が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の分光感度特性における半値幅よりも広くなっており、各ペアの前記第一の光電変換素子の主として分光感度を有する波長範囲の各波長における各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の前記各波長における分光感度よりも高くなっているものである。
開示された撮像装置は、前記ホワイトバランスゲイン算出部は、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報とが特定領域内にある場合に、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第三の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第四の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインの算出方法を変更するものである。
開示された撮像装置は、前記ホワイトバランスゲイン算出部は、前記第四の距離から前記第三の距離を減算した値が第二の閾値以下のときには、当該値が前記第二の閾値を越えるときに比べて、算出する前記ホワイトバランスゲインを小さくするものである。
開示された撮像装置は、前記複数種類のペアが、前記特定の色が第一の色であるペアと、前記特定の色が第二の色であるペアと、前記特定の色が第三の色であるペアの3種類あり、縦軸を(前記第三の色)/(前記第二の色)とし、横軸を(前記第一の色)/(前記第二の色)とした色空間において、前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の信号用の黒体軌跡データが交差する基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が小さくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記縦軸から離れた位置にあり、前記基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が大きくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記横軸に近づく位置にあるものである。
開示された撮像装置は、前記記憶部が、前記加算信号用の黒体軌跡データを記憶し、前記黒体軌跡データ取得部は、前記記憶部から前記加算信号用の黒体軌跡データを取得するものである。
開示された撮像装置は、前記黒体軌跡データ取得部は、前記第一の信号用の前記黒体軌跡データと前記第二の信号用の前記黒体軌跡データとから、前記加算信号用の黒体軌跡データを生成することで、当該黒体軌跡データを取得するものである。
開示された撮像装置は、前記固体撮像素子が、前記各第一の光電変換素子の上方と前記各第二の光電変換素子の上方に設けられたカラーフィルタを備え、各ペアの前記第一の光電変換素子と前記第二の光電変換素子のそれぞれの分光感度特性の違いが、それぞれの上方の前記カラーフィルタの分光感度特性の違いによって得られているものである。
開示された撮像装置は、前記各第一の光電変換素子及び前記各第二の光電変換素子の配置が、前記第一の光電変換素子を列方向に複数並べた第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子を列方向に複数並べた第二の光電変換素子列とを前記列方向に交差する行方向に交互に並べた配置となっており、前記第一の光電変換素子列に対して、前記第二の光電変換素子列が、前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子の各々の前記列方向における配列ピッチの1/2だけ前記列方向にずれて配置され、前記各第一の光電変換素子とそれに対して同一の位置関係で隣接する前記第二の光電変換素子とが前記各ペアを構成するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置におけるホワイトバランスゲイン算出方法であって、各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの前記第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、前記撮像装置が、前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、前記撮像装置が、所定の色空間における色温度による物体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部を有し、前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成ステップと、前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得ステップと、前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定ステップと、前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出ステップとを備えるものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報との間の前記色空間における距離を算出し、当該距離が第一の閾値を越えるときには、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第一の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第二の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報のいずれかを変更する光源情報変更ステップを更に備えるものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記光源情報変更ステップでは、前記第二の距離が前記第一の距離よりも大きいときには、前記第二の光源情報を前記第一の光源情報に基づいて変更し、前記第一の距離が前記第二の距離よりも大きいときには、前記第一の光源情報を前記第二の光源情報に基づいて変更するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記光源情報決定ステップでは、前記第一の処理において、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第一の色情報があり、前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第二の色情報があり、当該第一の色情報と当該第二の色情報とが同一の前記ブロックから生成される色情報であるときには、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第一の色情報及び前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第二の色情報を前記撮像時の光源情報として決定するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度特性における半値幅が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の分光感度特性における半値幅よりも広くなっており、各ペアの前記第一の光電変換素子の主として分光感度を有する波長範囲の各波長における各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の前記各波長における分光感度よりも高くなっているものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記ホワイトバランスゲイン算出ステップでは、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報とが特定領域内にある場合に、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第三の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第四の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインの算出方法を変更するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記ホワイトバランスゲイン算出ステップでは、前記第四の距離から前記第三の距離を減算した値が第二の閾値以下のときには、当該値が前記第二の閾値を越えるときに比べて、算出する前記ホワイトバランスゲインを小さくするものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記複数種類のペアが、前記特定の色が第一の色であるペアと、前記特定の色が第二の色であるペアと、前記特定の色が第三の色であるペアの3種類あり、縦軸を(前記第三の色)/(前記第二の色)とし、横軸を(前記第一の色)/(前記第二の色)とした色空間において、前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の信号用の黒体軌跡データが交差する基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が小さくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記縦軸から離れた位置にあり、前記基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が大きくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記横軸に近づく位置にあるものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記記憶部が、前記加算信号用の黒体軌跡データを記憶し、前記黒体軌跡データ取得ステップでは、前記記憶部から前記加算信号用の黒体軌跡データを取得するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記黒体軌跡データ取得ステップでは、前記第一の信号用の前記黒体軌跡データと前記第二の信号用の前記黒体軌跡データとから、前記加算信号用の黒体軌跡データを生成することで、当該黒体軌跡データを取得するものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記固体撮像素子が、前記各第一の光電変換素子の上方と前記各第二の光電変換素子の上方に設けられたカラーフィルタを備え、各ペアの前記第一の光電変換素子と前記第二の光電変換素子のそれぞれの分光感度特性の違いが、それぞれの上方の前記カラーフィルタの分光感度特性の違いによって得られているものである。
開示されたホワイトバランスゲイン算出方法は、前記各第一の光電変換素子及び前記各第二の光電変換素子の配置が、前記第一の光電変換素子を列方向に複数並べた第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子を列方向に複数並べた第二の光電変換素子列とを前記列方向に交差する行方向に交互に並べた配置となっており、前記第一の光電変換素子列に対して、前記第二の光電変換素子列が、前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子の各々の前記列方向における配列ピッチの1/2だけ前記列方向にずれて配置され、前記各第一の光電変換素子とそれに対して同一の位置関係で隣接する前記第二の光電変換素子とが前記各ペアを構成するものである。
本発明によれば、色再現性を向上しながら、ホワイトバランスを適切に調整することのできる撮像装置及びホワイトバランスゲイン算出方法を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2010年5月28日出願の日本出願(特願2010−123585)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
5 固体撮像素子
10 撮像素子駆動部
51W,51N 光電変換素子

Claims (24)

  1. それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置であって、
    各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、
    前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、
    前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、
    所定の色空間における色温度による黒体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成部と、
    前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得部と、
    前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定部と、
    前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出部とを備える撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置であって、
    前記第一の光源情報と前記第二の光源情報との間の前記色空間における距離を算出し、当該距離が第一の閾値を越えるときには、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第一の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第二の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報のいずれかを変更する光源情報変更部を更に備える撮像装置。
  3. 請求項2記載の撮像装置であって、
    前記光源情報変更部が、前記第二の距離が前記第一の距離よりも大きいときには、前記第二の光源情報を前記第一の光源情報に基づいて変更し、前記第一の距離が前記第二の距離よりも大きいときには、前記第一の光源情報を前記第二の光源情報に基づいて変更する撮像装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記第一の処理において、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第一の色情報があり、前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第二の色情報があり、当該第一の色情報と当該第二の色情報とが同一の前記ブロックから生成された色情報であるときには、前記光源情報決定部が、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第一の色情報及び前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第二の色情報を前記撮像時の光源情報として決定する撮像装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度特性における半値幅が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の分光感度特性における半値幅よりも広くなっており、
    各ペアの前記第一の光電変換素子の主として分光感度を有する波長範囲の各波長における各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の前記各波長における分光感度よりも高くなっている撮像装置。
  6. 請求項5記載の撮像装置であって、
    前記ホワイトバランスゲイン算出部は、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報とが特定領域内にある場合に、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第三の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第四の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインの算出方法を変更する撮像装置。
  7. 請求項6記載の撮像装置であって、
    前記ホワイトバランスゲイン算出部は、前記第四の距離から前記第三の距離を減算した値が第二の閾値以下のときには、当該値が前記第二の閾値を越えるときに比べて、算出する前記ホワイトバランスゲインを小さくする撮像装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記複数種類のペアが、前記特定の色が第一の色であるペアと、前記特定の色が第二の色であるペアと、前記特定の色が第三の色であるペアの3種類あり、
    縦軸を(前記第三の色)/(前記第二の色)とし、横軸を(前記第一の色)/(前記第二の色)とした色空間において、前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の信号用の黒体軌跡データが交差する基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が小さくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記縦軸から離れた位置にあり、前記基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が大きくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記横軸に近づく位置にある撮像装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記記憶部が、前記加算信号用の黒体軌跡データを記憶し、
    前記黒体軌跡データ取得部は、前記記憶部から前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する撮像装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記黒体軌跡データ取得部は、前記第一の信号用の前記黒体軌跡データと前記第二の信号用の前記黒体軌跡データとから、前記加算信号用の黒体軌跡データを生成することで、当該黒体軌跡データを取得する撮像装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記固体撮像素子が、前記各第一の光電変換素子の上方と前記各第二の光電変換素子の上方に設けられたカラーフィルタを備え、
    各ペアの前記第一の光電変換素子と前記第二の光電変換素子のそれぞれの分光感度特性の違いが、それぞれの上方の前記カラーフィルタの分光感度特性の違いによって得られている撮像装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項記載の撮像装置であって、
    前記各第一の光電変換素子及び前記各第二の光電変換素子の配置が、前記第一の光電変換素子を列方向に複数並べた第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子を列方向に複数並べた第二の光電変換素子列とを前記列方向に交差する行方向に交互に並べた配置となっており、
    前記第一の光電変換素子列に対して、前記第二の光電変換素子列が、前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子の各々の前記列方向における配列ピッチの1/2だけ前記列方向にずれて配置され、
    前記各第一の光電変換素子とそれに対して同一の位置関係で隣接する前記第二の光電変換素子とが前記各ペアを構成する撮像装置。
  13. それぞれ分光感度特性が異なる第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子のペアを複数有する固体撮像素子を有する撮像装置におけるホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    各ペアの前記第一の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲と前記各ペアの前記第二の光電変換素子が主として分光感度を有する波長範囲とが、それぞれ可視光の特定の色の波長範囲に入っており、
    前記複数のペアは、前記特定の色がそれぞれ異なる複数種類のペアを含み、
    前記撮像装置が、前記ペアの前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子から得られる信号同士を加算して得られる前記ペアに対応する加算信号を処理して1つの画像データを生成する第一のモードと、前記複数の第一の光電変換素子及び前記複数の第二の光電変換素子から得られる信号を処理して1つの画像データを生成する第二のモードとを有し、
    前記撮像装置が、所定の色空間における色温度による黒体の色変化の軌跡を表す黒体軌跡データを、前記複数の第一の光電変換素子からなる第一グループから得られる第一の信号用と、前記複数の第二の光電変換素子からなる第二グループから得られる第二の信号用とでそれぞれ記憶する記憶部を有し、
    前記第一の信号を複数のブロックに分割して各ブロックの第一の信号から当該ブロックの第一の色情報を生成し、前記第二の信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの第二の信号から当該ブロックの第二の色情報を生成し、前記加算信号を前記複数のブロックに分割して各ブロックの信号から当該ブロックの第三の色情報を生成する色情報生成ステップと、
    前記加算信号用の黒体軌跡データを取得する黒体軌跡データ取得ステップと、
    前記第一の色情報の分布と前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の色情報の分布と前記第二の信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記第一の信号に対する撮像時の第一の光源情報と前記第二の信号に対する撮像時の第二の光源情報とを独立に決定する第一の処理を前記第二のモード時に実施し、前記第三の色情報の分布と前記加算信号用の黒体軌跡データとに基づいて、前記加算信号に対する撮像時の第三の光源情報を決定する第二の処理を前記第一のモード時に実施する光源情報決定ステップと、
    前記第一の光源情報及び前記第二の光源情報に基づいて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインを算出し、前記第三の光源情報に基づいて前記加算信号のホワイトバランスゲインを算出するホワイトバランスゲイン算出ステップとを備えるホワイトバランスゲイン算出方法。
  14. 請求項13記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記第一の光源情報と前記第第二の光源情報との間の前記色空間における距離を算出し、当該距離が第一の閾値を越えるときには、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第一の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第二の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報のいずれかを変更する光源情報変更ステップを備えるホワイトバランスゲイン算出方法。
  15. 請求項14記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記光源情報変更ステップでは、前記第二の距離が前記第一の距離よりも大きいときには、前記第二の光源情報を前記第一の光源情報に基づいて変更し、前記第一の距離が前記第二の距離よりも大きいときには、前記第一の光源情報を前記第二の光源情報に基づいて変更するホワイトバランスゲイン算出方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記光源情報決定ステップでは、前記第一の処理において、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第一の色情報があり、前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る前記第二の色情報があり、当該第一の色情報と当該第二の色情報とが同一の前記ブロックから生成された色情報であるときには、前記第一の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第一の色情報及び前記第二の信号用の黒体軌跡データに乗る当該第二の色情報を前記撮像時の光源情報として決定するホワイトバランスゲイン算出方法。
  17. 請求項13〜16のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度特性における半値幅が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の分光感度特性における半値幅よりも広くなっており、
    各ペアの前記第一の光電変換素子の主として分光感度を有する波長範囲の各波長における各ペアの前記第一の光電変換素子の分光感度が、前記各ペアの前記第二の光電変換素子の前記各波長における分光感度よりも高くなっているホワイトバランスゲイン算出方法。
  18. 請求項17記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記ホワイトバランスゲイン算出ステップでは、前記第一の光源情報と前記第二の光源情報とが特定領域内にある場合に、前記第一の光源情報と前記第一の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第三の距離と、前記第二の光源情報と前記第二の信号用の黒体軌跡データとの間の前記色空間における第四の距離とを比較し、その比較結果に応じて、前記第一の信号及び前記第二の信号のホワイトバランスゲインの算出方法を変更するホワイトバランスゲイン算出方法。
  19. 請求項18記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記ホワイトバランスゲイン算出ステップでは、前記第四の距離から前記第三の距離を減算した値が第二の閾値以下のときには、当該値が前記第二の閾値を越えるときに比べて、算出する前記ホワイトバランスゲインを小さくするホワイトバランスゲイン算出方法。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記複数種類のペアが、前記特定の色が第一の色であるペアと、前記特定の色が第二の色であるペアと、前記特定の色が第三の色であるペアの3種類あり、
    縦軸を(前記第三の色)/(前記第二の色)とし、横軸を(前記第一の色)/(前記第二の色)とした色空間において、前記第一の信号用の黒体軌跡データと前記第二の信号用の黒体軌跡データが交差する基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が小さくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記縦軸から離れた位置にあり、前記基準点よりも(前記第一の色)/(前記第二の色)の値が大きくなる領域では、前記第一の信号用の黒体軌跡データの曲線が前記第二の信号用の黒体軌跡データの曲線よりも前記横軸に近づく位置にあるホワイトバランスゲイン算出方法。
  21. 請求項13〜20のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記記憶部が、前記加算信号用の黒体軌跡データを記憶し、
    前記黒体軌跡データ取得ステップでは、前記記憶部から前記加算信号用の黒体軌跡データを取得するホワイトバランスゲイン算出方法。
  22. 請求項13〜20のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記黒体軌跡データ取得ステップでは、前記第一の信号用の前記黒体軌跡データと前記第二の信号用の前記黒体軌跡データとから、前記加算信号用の黒体軌跡データを生成することで、当該黒体軌跡データを取得するホワイトバランスゲイン算出方法。
  23. 請求項13〜22のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記固体撮像素子が、前記各第一の光電変換素子の上方と前記各第二の光電変換素子の上方に設けられたカラーフィルタを備え、
    各ペアの前記第一の光電変換素子と前記第二の光電変換素子のそれぞれの分光感度特性の違いが、それぞれの上方の前記カラーフィルタの分光感度特性の違いによって得られているホワイトバランスゲイン算出方法。
  24. 請求項13〜23のいずれか1項記載のホワイトバランスゲイン算出方法であって、
    前記各第一の光電変換素子及び前記各第二の光電変換素子の配置が、前記第一の光電変換素子を列方向に複数並べた第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子を列方向に複数並べた第二の光電変換素子列とを前記列方向に交差する行方向に交互に並べた配置となっており、
    前記第一の光電変換素子列に対して、前記第二の光電変換素子列が、前記第一の光電変換素子及び前記第二の光電変換素子の各々の前記列方向における配列ピッチの1/2だけ前記列方向にずれて配置され、
    前記各第一の光電変換素子とそれに同一の位置関係で隣接する前記第二の光電変換素子とが前記各ペアを構成するホワイトバランスゲイン算出方法。
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