JP5588850B2 - 多入力差動増幅器 - Google Patents
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Description
例えば、n型MOSFETの差動対の入力電圧がVthよりも小さくなった場合、そのMOSFETには電流が流れないため、出力が不定となり正常な差動増幅が阻害されうる。
[第1の実施形態]
本実施形態の多入力差動増幅器を図12に示す。本実施形態の多入力差動増幅器は、差動部をn型MOSFETで構成する一方で、動作モード2の動作をする構成としたものである。本実施形態の多入力差動増幅器は、図12に示すように、1個の入力端INaと、2個の入力端INx、INyと、出力端OUTと、差動部1と、バイアス部2と、出力部3とを備えて構成される。
ここで図12に示す本実施形態の多入力差動増幅器において、入力端INa、INx、INyの電圧をそれぞれVINa、VINx、VINyとしたときの、M11、M22、M24のゲートーソース間電圧(VGSともいう)VGSa、VGSx、VGSyの変化に対する出力OUTの状態について図13を用いて説明する。
M21のVGSy’=VINy−VDSx−VSource
M22のVGSx =VINx−VSource
M23のVGSx’=VINx−VDSy−VSource
M24のVGSy =VINy−VSource
ここでM21〜M24それぞれのMOSFETがオンするためには、VGSにVth(オンするのに必要な電圧閾値)以上の電圧がかかること、VDS>0であること、この二つの条件が必要となる。
VGSx’=VINx−VDSy−VSource>Vth(VDSy>0)かつVGSy=VINy−VSource>Vthとなる必要がある。
この期間はVGSの大きい順にVGSy、VGSa、VGSxとなっている。この期間ではVINy>VINxとなっており、電流Ixもしくは電流Iyの少なくとも一方の電流が流れるためには、
VSource<VINx−Vth(電流Ixが流れるためのVSource電圧条件)
VSource<VINx−VDSy−Vth(電流Iyが流れるためのVSource電圧条件)
の条件を満たす必要があり、実効的な入力はVINxとなる。
この期間では、VINaとVINxとではVINaのほうが大きいのでIaが流れ、出力部のカレントミラー回路にも電流が流れ、出力端OUTはVDD側に接続されHIGHが出力される。
これらの期間はVGSaが最も大きいので、VGSx、VGSyの大小に関わらずIaが流れ、出力端OUTにはHIGHが出力される。
この期間はVGSの大きい順にVGSx、VGSa、VGSyとなっている。この期間ではVINx>VINyとなっており、電流Ixもしくは電流Iyの少なくとも一方の電流が流れるためには、
VSource<VINy−VDSx−Vth(電流Ixが流れるためのVSource電圧条件)
VSource<VINy−Vth(電流Iyが流れるためのVSource電圧条件)
の条件を満たす必要があり、実効的な入力はVINyとなる。
コンパレータの動作としては、VINaとVINyの電圧が比較されることとなる。すなわち、電流Iaが流れるには、M11がオンする条件であるVGSa=VINa−VSource>Vthを満たす必要があるため、コンパレータとしてはVINaとVINyの差によって出力が変化することとなる。
これらの期間はVGSaが最も小さいので、VGSx、VGSyの大小に関わらずIxまたはIyが流れ、出力端OUTは接地側に接続されLOWが出力される。
本実施形態の多入力差動増幅器を図14に示す。本実施形態の多入力差動増幅器は、差動部をp型MOSFETで構成する一方で、動作モード1の動作をする構成としたものである。本実施形態の多入力差動増幅器は、図14に示すように、1個の入力端INaと、2個の入力端INx、INyと、出力端OUTと、差動部1と、バイアス部2と、出力部3とを備えて構成される。
図15は図14において、入力端INa、INx、INyの電圧をそれぞれVINa、VINx、VINyとしたときの、M11、M22、M24のゲート−ソース間電圧VGSa、VGSx、VGSyの変化に対する出力の状態を示したものである。
M25のVGSx =VSource−(VINx)
M26のVGSy’=VSource−(VINy+VDSx)
M27のVGSy =VSource−(VINy)
M28のVGSx’=VSource−(VINx+VDSy)
M25〜M28それぞれのMOSFETがオンするためには、VGSにVth(オンするのに必要な電圧閾値)以上の電圧がかかること、VDS>0であること、この二つの条件が必要となる。
同様に、電流Iyが流れる条件は、M27とM28がオンする条件を満たすこと、すなわち、
VGSx’=VSource−(VINx+VDSy)>Vth(VDSy>0)かつVGSy=VSource−(VINy)>Vthとなる必要がある。
よって、VSourceの電圧値で考えると、VSource>(VINx+VDSy)+Vth、VSource>VINy+Vthを満たす必要がある。
この期間はVGSの大きい順にVGSy、VGSa、VGSxとなっている。この期間ではVINx>VINyとなっており、電流Ixもしくは電流Iyの少なくとも一方の電流が流れるためには、
VSource>VINx+Vth(電流Ixが流れるためのVSource電圧条件)
VSource>(VINx+VDSy)+Vth(電流Iyが流れるためのVSource電圧条件)
の条件を満たす必要があり、実効的な入力はVINxとなる。
(B)(C)の期間はVGSaが最も大きいので、VGSx、VGSyの大小に関わらずIaが流れ、出力端OUTにはLOWが出力される。
この期間はVGSの大きい順にVGSx、VGSa、VGSyとなっている。この期間ではVINy>VINxとなっており、電流Ixもしくは電流Iyの少なくとも一方の電流が流れるためには、
VSource>(VINy+VDSy)+Vth(電流Ixが流れるためのVSource電圧条件)
VSource>VINy+Vth(電流Iyが流れるためのVSource電圧条件)
の条件を満たす必要があり、実効的な入力はVINyとなる。
(E)(F)の期間はVGSaが最も小さいので、VGSx、VGSyの大小に関わらずIxまたはIyが流れ、出力端OUTはVDD側に接続されHIGHが出力される。
以上の動作をまとめると下記表5の通りとなる。
本実施形態の多入力差動増幅器を図16aに示す。本実施形態の多入力差動増幅器は、図16aに示すように、図12の多入力差動増幅器の出力部に、さらに、2つのp型MOSFET(Q1)、(Q2)で構成されるカレントミラーのp型MOSFET(Q2)のドレインにゲートが接続されるp型MOSFET(Q8)と、該p型MOSFETのドレイン−ゲート間に位相補償用のキャパシタ(C1)とバイアス電流源23とを追加した構成とされる。
図17は図12の多入力差動増幅器の出力部に、さらに、出力端であったノードにゲートが接続されるp型MOSFET(Q9)と、該p型MOSFETのドレイン側に接続される電流バイアス部23とを有する多入力差動増幅器であり、コンパレータとしての動作が可能となる。
また、図18aのように出力部を能動負荷回路で構成すると、図17のQ9のようなソース接地増幅段がなくなりゲインが低くなると共にHIGHからLOWおよびLOWからHIGHの応答速度がほぼ等しくなるため発振しにくく、オペアンプとして使用する場合でも位相補償が容易になる。
第1〜第5の形態の多入力差動増幅器は複数入力側を2入力とした3入力差動増幅器の例で説明をしたが、図19(a)(b)に示すように複数入力側を3入力とした4入力差動増幅器としても同様の動作が可能である。
本実施形態のレールトゥーレール型多入力差動増幅器を説明するに先立ち、従来のレールトゥーレール型差動増幅器について説明する。
2 バイアス部
3 出力部
4 レベルシフト回路
5 能動負荷回路
6 第1の多入力差動増幅回路
7 第2の多入力差動増幅回路
10 第一入力部
20 第二入力部
M11、M21〜M24 n型MOSFET
M12、M25〜M28 p型MOSFET
Claims (6)
- バイアス部と、
前記バイアス部に一端が接続され、互いに並列に接続された第1の入力部および第2の入力部を有する差動部と、
前記差動部の他端にそれぞれ接続され、前記差動部の第1の入力部からの出力と第2の入力部からの出力とを比較した結果を出力端に出力する出力部とを備える差動増幅器であって、
前記第1の入力部は前記バイアス部と前記出力部とに直列接続された1つのMOSFETと、該1つのMOSFETのゲートに入力する1つの入力端とを有し、前記第2の入力部は、前記バイアス部と前記出力部とに直列接続されたn行のMOSFETがそれぞれn列並列接続されてなるn行×n列構成のn×n個のMOSFETと、前記n×n個のMOSFETのゲートに接続されたn個の入力端とを有し、該n個の入力端はそれぞれ、各列のn個のMOSFETのうちの、他の入力端が接続されていない1つのMOSFETのゲートをn列全てに亘って接続し、前記出力部はカレントミラーで構成されていることで、前記各列のn個のMOSFETのうちのソースが当該列の他のMOSFETのドレインに接続されていないn個のMOSFETのゲートに接続されたn個の入力端からの入力電圧と前記第1の入力部の入力端からの入力電圧とを比較した結果が前記出力部から出力されることを特徴とする多入力差動増幅器。 - 前記出力部が、第一伝導型である前記入力部のMOSFETとは異なる第二伝導型のMOSFETで構成されるカレントミラーを含むことを特徴とする請求項1に記載の多入力差動増幅器。
- 前記出力部が、
前記カレントミラーのダイオード接続されていない側にゲートが接続される第二伝導型MOSFETと、
該第二伝導型の出力用MOSFETのドレイン−ゲート間に接続される位相補償用のキャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の多入力差動増幅器。 - 前記出力部が、
前記カレントミラーのダイオード接続されていない側にゲートが接続される第二伝導型MOSFETと、
第二伝導型MOSFETのドレイン側に接続される電流バイアス部と、
をさらに有することを特徴とする請求項2または3に記載の多入力差動増幅器。 - 前記出力部が能動負荷回路で構成されることを特徴とする請求項4に記載の多入力差動増幅器。
- 第一の多入力差動増幅器として請求項1〜5のいずれか一項に記載の多入力差動増幅器を備え、
第二の多入力差動増幅器として、直列接続された1個以上の第二伝導型MOSFETと並列接続されたn個の第二伝導型MOSFETとからなる差動部を有する多入力差動増幅器を備えることを特徴とするレールトゥーレール型多入力差動増幅器。
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