JP5588323B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血液凝固分析装置や免疫分析装置等の試薬容器に収容された試薬を用いて検体を分析する分析装置に関する。
一般に分析装置は、電流の供給を受けて所定の機能を実現する種々のユニットを備えている。このようなユニットとして、下記特許文献1に記載の分析装置は、試薬を冷却する試薬庫を備え、また、下記特許文献2に記載の分析装置は、検体と試薬との混合液を所定温度に加温する恒温槽を備えている。
特開2009−8611号公報 特開2010−2236号公報
分析装置は複数のユニットを動作させるため、大きな電力を必要とする。例えば、上述の試薬庫や恒温槽のような温度調節機能を有するユニットを備えた分析装置の場合、特に起動時に当該ユニットの実際の温度と目的温度との差が大きくなるので、この差を小さくするために大きな電力を必要とするものがある。このような分析装置を、小さな電力しか供給できない施設(例えば、100V、1500Wの電源設備を有する施設)に設置しようとするためには、大きな電力を供給可能とする工事を行う必要があり、そのような工事として、例えば、電源設備の電圧を高くする工事(例えば、交流200Vの電源設備にする工事)を行うことが必要となってしまう。
この発明は、高い電圧の電源設備がない施設においても高電圧に対応した設備を導入するための工事をせず使用することが可能な分析装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の第1の局面における分析装置は、
電流の供給を受けて所定の機能を実現する複数のユニットと、
前記複数のユニットに電流を供給する電源部と、
前記電源部が所定期間に第1の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第1電流供給制御を実行する第1モードと、前記電源部が前記所定期間に前記第1の合計量より小さい第2の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第2電流供給制御を実行する第2モードとのいずれかのモードを、設置施設に設けられた電源設備の電圧の高さに応じて設定するための設定手段と、
前記設定手段により設定されたモードで電流供給制御を実行する電流供給制御手段と、を備え
前記第2電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間は、前記第1電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間よりも短いことを特徴とする。
本発明の第1の局面における分析装置によれば、複数のユニットに対する電流供給制御のモードを第2モードに設定することで、第1モードに設定する場合と比べて、電源部が所定期間に複数のユニットに供給する電流の合計量を小さくすることができる。そのため、分析装置を設置する施設に高い電圧の電源設備がない場合には、複数のユニットに対する電流供給制御のモードを第2モードに設定することにより、複数のユニットを作動するために要求される電流が、当該電源設備の電流容量を超えてしまうことや、当該電流に対する電源設備の電流容量のマージン(余裕度)が小さくなってしまうことを防止することができ、当該施設においても分析装置を適切に使用することが可能となる。また、高い電圧の電源設備がない施設に分析装置を設置しても適切に使用可能であるため、電源電圧を高める工事等を行う必要もなくなり、その工事に使用する資材等を節約できる。
なお、複数のユニットに対する電流供給制御のモードを設定する設定手段は、設置施設の電源設備の電圧(例えば、交流100V又は交流200V)に合わせ、例えばサービスマンによる操作等の人為的操作を介してモードを設定するものであってもよいし、分析装置が電源設備に接続されたとき等に、自動的に電圧を検知して設定するものであってもよい。
(2)前記複数のユニットは、検体および試薬の少なくとも一方を冷却又は加温する温度調節ユニットを含むことが好ましい。
通常、温度調節ユニットは大きな電力を必要とする。そのため、高い電圧の電源設備がない施設に分析装置を設置すると、温度調節ユニットを作動するために必要となる電流が非常に大きくなる。本発明では、温度調節ユニットを含む複数のユニットに対する電流供給制御のモードとして所定期間の電流の合計量がより小さい第2モードを設定することによって、高い電圧の電源設備がない施設であっても複数のユニットに流れる電流を抑制することができ、当該分析装置を適切に使用することができる。
(3)前記第1電流供給制御及び前記第2電流供給制御は、少なくとも前記温度調節ユニットが目的温度に到達するまでに実行されることが好ましい。
温度調節ユニットが停止している状態から起動したとき、当該温度調節ユニットの実際の温度と目的温度との差が大きくなるため、実際の温度を目的温度に近づけるためにより大きな電力が必要となる。したがって、高い電圧の電源設備がない施設に分析装置を設置する場合には、少なくとも温度調節ユニットが目的温度に到達するまでに第2電流供給制御を実行することによって、温度調節ユニットに流れる電流を適切に抑えることができる。逆に、高い電圧の電源設備がある施設に分析装置が設置されている場合には、第1電流供給制御を実行することによって温度調節ユニットをより短い時間で目的温度に到達させることができる。
(4)本発明の第1の局面における分析装置は、前記温度調節ユニットへの電流供給を継続しつつ、他のユニットへの電流供給を終了する部分的電源オフ手段をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、分析装置がシャットダウンしている状態(温度調節ユニット以外の他のユニットへの電流供給を終了している状態)でも、温度調節ユニットへの電流供給を継続して行うことが可能となるため、温度調節ユニットの実際の温度と目的温度との差が大きくなるのを防止することができ、次に分析装置を起動したときに温度調節ユニットに供給される電流を小さくし、温度調節ユニットの温度が目的温度に達するまでの分析装置の起動時間を短くすることができる。
(5)前記第2電流供給制御において前記複数のユニットのうち所定のユニットに対して前記所定期間に供給される電流量は、前記第1電流供給制御において当該所定のユニットに前記所定期間に供給される電流量より小さいことが好ましい。
(6)より具体的に、前記電流供給制御手段は、前記所定期間内に占める電流の供給期間の長さの割合によって前記所定のユニットに供給する電流量を制御し、前記第2電流供給制御における前記割合の大きさが、前記第1電流供給制御における前記割合の大きさよりも小さいことが好ましい。
このように、第1電流供給制御と第2電流供給制御との間で所定期間内に占める電流の供給期間の長さの割合を変化させることによって、所定のユニットへ供給する電流を適切に制御することができる。
(7)上記(1)の分析装置では、前記第2電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間は、前記第1電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間よりも短くされている。これによって、第2電流供給制御による複数のユニットへの電流の合計量を、第2電流供給制御による複数のユニットへの電流の合計量よりも容易に小さくすることができる。
(8)また、前記電流供給制御手段は、前記第2電流供給制御において、前記電源部が複数のユニットに電流を供給する期間が一部重複する制御と、重複しない制御とを実行することが好ましい。
この構成によれば、電流供給制御手段は、第2電流供給制御において電源部が複数のユニットに電流を供給する期間が一部重複する制御を実行することによって、電源設備が許容する電流容量内でできるだけ大きな電流を複数のユニットに供給することができ、また、当該期間が重複しない制御を実行することによって、より小さい電流を複数のユニットに供給することができる。
(9)前記複数のユニットは、同一種類のユニットであり、前記第2電流供給制御は、前記電源部が前記複数のユニットに対して交互に電流を供給する制御であることが好ましい。
(10)前記複数のユニットは、互いに種類の異なるユニットであってもよい。
(11)前記第1モードは、交流200Vの電源設備を必要とするモードであり、前記第2モードは、交流100Vの電源設備を必要とするが、交流200Vの電源設備を必要としないモードであることが好ましい。
(12)前記複数のユニットのうちの所定のユニットは、電流の供給開始と電流の供給停止とが繰り返されることで前記所定の機能を実現し、前記所定期間は、前記第2電流供給制御において前記所定のユニットに前記所定の機能を実現させるための、電流の供給開始と電流の供給停止との繰り返しの中の、前記所定のユニットへの電流の供給開始から次回の電流の供給開始までの期間であることが好ましい。
(13)本発明の第2の局面における分析装置は
流の供給を受けて所定の機能を実現する複数のユニットと、
前記複数のユニットに電流を供給する電源部と、
前記電源部が所定期間に第1の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第1電流供給制御を実行する第1モードと、前記電源部が前記所定期間に前記第1の合計量より小さい第2の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第2電流供給制御を実行する第2モードとのいずれかのモードを、設置施設に設けられた電源設備の電圧の高さに応じて設定するための設定手段と、
前記設定手段により設定されたモードで電流供給制御を実行する電流供給制御手段と、を備え、
前記電流供給制御手段は、前記第2電流供給制御において、前記電源部が複数のユニットに電流を供給する期間が一部重複する制御と、当該期間が重複しない制御とを実行することを特徴とする。
本発明によれば、高い電圧の電源設備がない施設においても分析装置を使用することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示される検体分析装置の測定装置の概略構成を示す平面図である。 図1に示される検体分析装置の測定装置の構成を示すブロック図である。 図1に示される試薬庫を模式的に示す断面図である。 冷却器に対する電流供給系を示すブロック図である。 検体分析装置の動作を示すフローチャートである。 電流供給タイミングを示す波形図である。 目的温度と現在温度との温度差と、デューティー比との関係を示すテーブルである。 100Vモード設定画面を示す図である。 第2の実施の形態における電流供給タイミングを示す波形図である。 第3の実施の形態に係る検体分析装置の電流供給系を示すブロック図である。 検体分析装置の動作を示すフローチャートである。 電流供給タイミングを示す波形図である。 シャットダウン画面を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る検体分析装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る検体分析装置1の全体構成を示す斜視図であり、図2はその測定装置の概略構成を示す平面図である。
本実施の形態の検体分析装置1は、血液の凝固・線溶機能に関連する特定の物質の量や活性の度合いを光学的に測定して分析するための装置であり、検体としては血漿を用いる。また、本実施の形態の検体分析装置1では、凝固時間法、合成基質法および免疫比濁法を用いて検体の光学的な測定を行う。本実施の形態で用いる凝固時間法は、検体が凝固する過程を透過光の変化として検出する測定方法である。そして、測定項目としては、PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)やFbg(フィブリノーゲン量)等がある。また、合成基質法の測定項目としてはATIII等、免疫比濁法の測定項目としてはDダイマー、FDP等がある。
検体分析装置1は、図1及び図2に示されるように、測定装置2と、この測定装置2に電気的に接続された制御装置4とにより構成されている。また、測定装置2は、測定機構部5と、測定機構部5の前面側に配置された搬送機構部6とにより構成されている。搬送機構部6は、図2に示されるように、測定機構部5に検体を供給するために、検体を収容した複数本の検体容器(試験管)13が保持された検体ラック14を、図中右側のラックセット領域6bと同左側のラック収容領域6cとの間の搬送路6aを左右方向に搬送し、その搬送途中で検体容器13を所定の検体吸引位置15a,15bに位置づける機能を有している。また、搬送機構部6は、検体容器13に貼付されたバーコードを読み取るための検体バーコードリーダ16を備えている。
測定機構部5は、搬送機構部6から供給された検体に対して光学的な測定を行うことにより、当該検体に関する光学的な情報を取得することが可能なように構成されている。本実施の形態では、搬送機構部6の検体ラック14に保持された検体容器13から測定機構部5のキュベット内に分注された検体に対して光学的な測定が行われる。
測定機構部5は、第1,第2試薬テーブル21,22、キュベットテーブル23、加温テーブル24、第1,第2検体分注ユニット25,26、第1〜第3試薬分注ユニット27〜29、第1〜第3キャッチャユニット30〜32、キュベット搬送器34、希釈液搬送器35、ピペット洗浄器36a〜36e、及び検出ユニット37等を備えている。
第1,第2試薬テーブル21,22、キュベットテーブル23、及び加温テーブル24は円形状のテーブルであり、それぞれステッピングモータ等の駆動部によって時計回り及び反時計回りの両方に独立して回転駆動される。また、第1,第2試薬テーブル21,22は、試薬庫(試薬保冷部)40内に配置され、この第1,第2試薬テーブル21,22上に試薬が収容された試薬容器を保持する第1試薬容器ラック310及び第2試薬容器ラック320がセットされる。この試薬庫40は、収容した試薬を冷却する冷却器80(図3参照)を備えている。加温テーブル24は、キュベットを保持する保持孔24aと、保持孔24aに保持しているキュベットを加温する加温ヒータ73(図3参照)を備えている。
第1検体分注ユニット25は、ステッピングモータ等の駆動部によって水平回動及び上下昇降駆動されるアーム25bと、このアーム25bの先端部に設けられた分注部25cとを備えている。分注部25cにはピペットが取り付けられており、このピペットを用いて検体等が吸引・吐出される。そして、第1検体分注ユニット25は、搬送機構部6によって検体吸引位置15aに位置づけられた検体容器13から検体を吸引し、キュベットテーブル23前部の検体吐出位置19aに位置づけられたキュベット保持孔55にセットされたキュベットに検体を吐出する。
第2検体分注ユニット26、及び第1〜第3試薬分注ユニット27〜29についても、第1検体分注ユニット25と同様の構成を備えている。すなわち、これらユニット26,27〜29は、それぞれステッピングモータ等の駆動部によってアーム部が水平回動及び上下昇降駆動され、分注部に取り付けられたピペットによって検体や試薬が吸引・吐出される。
第2検体分注ユニット26は、キュベットテーブル23前部の検体吸引位置19bに位置づけられたキュベット保持孔55にセットされたキュベットに収容されている検体、または、搬送機構部6によって所定の検体吸引位置15bに位置づけられた検体容器13の検体を吸引し、キュベット搬送器34にセットされたキュベットに検体を吐出する。なお、第2検体分注ユニット26は、希釈液搬送器35にセットされた希釈液を吸入することも可能である。第1,第2検体分注ユニット25,26のピペットは、分注作業が終わると、ピペット洗浄器36a,36bの孔に挿入され、洗浄液によって洗浄される。
第1〜第3キャッチャユニット30〜32は、ステッピングモータ等の駆動部によって駆動され、キュベットを把持した状態で移動させる機能を有している。また、キュベット搬送器34と希釈液搬送器35とは、ステッピングモータ等の駆動部によってレール34a,35a上を左右方向に移動する。キュベット搬送器34と希釈液搬送器35には、それぞれ、キュベット及び希釈液容器を保持するための保持孔が形成されている。
キュベット搬送器34は、保持しているキュベットに対して第2検体分注ユニット26から検体が吐出されると、所定のタイミングにてレール34a上を右方向に駆動される。続いて、第1キャッチャユニット30がキュベット搬送器34にセットされた検体を収容しているキュベットを把持し、加温テーブル24のキュベット保持孔24aにセットする。
第2キャッチャユニット31は、加温テーブル24の保持孔24aにセットされた検体を収容しているキュベットを把持し、ピペット洗浄器36cの真上まで移動させる。このキュベットには、第1試薬分注ユニット27が第1試薬テーブル21又は第2試薬テーブル22に配置されている所定の試薬容器から吸引した試薬が吐出される。そして、第2キャッチャユニット31は、試薬が吐出されたキュベットを攪拌し、加温テーブル24のキュベット保持孔24aに再びセットする。
第3キャッチャユニット32は、加温テーブル24のキュベット保持孔24aに保持されているキュベットを把持し、ピペット洗浄器36d又は36eの真上領域に位置づける。このキュベットには、第2試薬分注ユニット28又は第3試薬分注ユニット29が第1,第2試薬テーブル21,22に配置されている試薬容器から吸引した試薬が吐出される。そして、第3キャッチャユニット32は、試薬が吐出されたキュベットを検出ユニット37にセットする。
検出ユニット37は、上面にキュベットを収容する複数個(図示例では20個)の保持孔37aが形成され、下面裏側に検出部(図示略)が配置されている。第3キャッチャユニット32によって検出ユニット37の保持孔37aにキュベットがセットされると、検出部によってキュベット中の測定試料に含まれる成分を反映した光学的情報が検出される。
図3は、検体分析装置1の測定装置2の構成を示すブロック図である。上述の第1,第2試薬テーブル21,22、キュベットテーブル23、加温テーブル24、第1,第2検体分注ユニット25,26、第1〜第3試薬分注ユニット27〜29、第1〜第3キャッチャユニット30〜32、キュベット搬送器34、希釈液搬送器35、及び検出ユニット37をそれぞれ駆動するための各駆動部97,98,141〜145や、試薬庫40の内の冷却器80、加温テーブル24の加温ヒータ73等は、測定装置2の制御部501に電気的に接続されており、この制御部501によって動作制御される。検出ユニット37は、取得した光学的情報を制御部501に対して送信することが可能なように構成されている。また、制御部501は、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース等から構成され、ROMに記憶されているコンピュータプログラム等をRAMに読み出してCPUにより実行することで所定の機能を発揮する。制御部501の通信インタフェースは、制御装置4(図1参照)に接続されており、検体の光学的情報を制御装置4に送信するとともに、制御装置4の制御部4aからの信号を受信するための機能を有している。
図1に示されるように、制御装置4は、パーソナルコンピュータ401(PC)等からなり、制御部4aと、表示部4bと、情報を入力するためのキーボード4cとを含んでいる。制御部4aは、測定機構部5の制御部501(図3参照)に通信可能に接続されており、当該測定機構部5の動作開始信号を送信するとともに、測定機構部5で得られた検体の光学的な情報を分析するための機能を有している。制御部4aは、記憶部4dを備えており、後述する図9の設定ウィンドウ210で設定される測定装置2の動作モード(100Vモードと200Vモード)についての情報を記憶する。また、表示部4bは、制御部4aで得られた分析結果等を表示するために設けられている。
図4は、図1に示される試薬庫40を模式的示す断面図である。試薬庫40は、キュベット内の検体に添加される試薬を収容した試薬容器300を、低温(例えば、約10℃)で冷蔵保存するとともに、回転方向に搬送するために設けられている。試薬は、低温で保存されることによって変質が抑制される。また、試薬庫40内には、円形状の第1試薬テーブル21と、この第1試薬テーブル21の径方向外側に同心円状に配置された円環形状の第2試薬テーブル22とが設けられている。第1試薬テーブル21および第2試薬テーブル22には、それぞれ、試薬容器300を保持する試薬容器ラック310,320が着脱可能に載置される。第1試薬テーブル21及び第2試薬テーブル22は、回転支持部38等によって試薬庫40の底面に対して上方に間隔をあけた位置に回転可能に支持され、ステッピングモータ等からなる第1駆動部97及び第2駆動部98からベルト伝動機構99を介して伝達される動力によって回転駆動される。
試薬庫40は、底壁63とこの底壁63の外周から立ち上がる周壁64と備えた有底円筒形状の本体部65と、この本体部65の上部開口を塞ぎ、当該試薬庫40の上壁として機能する蓋部66とを備えており、本体部65と蓋部66によって囲まれた密閉空間が冷却室とされ、この冷却室内に試薬容器300が配置される。
また、試薬庫40の蓋部66には、複数の試薬吸引孔(図示略)が形成されており、この試薬吸引孔に、図2に示される第1,第2検体分注ユニット25,26や第1〜第3試薬分注ユニット27〜29(試薬吸引部)のピペットが挿入されるとともに、試薬庫40に収納された試薬容器300内の試薬が、試薬容器300の上部開口から吸引されるように構成されている。
図4に示されるように、試薬庫40の本体部65の周壁64は、内外2層構造に形成されており、その内側層75は、合成樹脂等の熱伝導性の低い合成樹脂等の材料によって形成されている。また、外側層76は、更に熱伝導性の低い断熱層とされている。本体部65の底壁63も、内外2層構造に形成されており、内側層の外周部77は、周壁64の内側層75から連なるように合成樹脂等の材料によって形成されており、底壁63の内側層の中央部は、アルミ等の熱伝導性の高い材質によって形成された伝熱層78とされている。底壁63の外側層79は、断熱層とされている。また、蓋部66は、熱伝導性の低い合成樹脂等の材料によって形成されている。
図4に示されるように、本体部65の底壁63に設けられた伝熱層78は、その下面の一部が下方に露出しており、その露出面には冷却器80が設けられている。本実施の形態では、2個の冷却器80が、試薬庫40の中心軸線O(第1,第2試薬テーブル21,22の回転中心)を中心に対称位置に配置されている。本実施の形態の冷却器80は、ペルチェ素子81を用いたものであり、このペルチェ素子81の下面(排熱側)にはヒートシンク82が設けられ、このヒートシンク82の下面には放熱ファン83が設けられている。冷却器80は、熱伝導性の高い本体部65の伝熱層78を直接的に冷却することによって、この伝熱層78自体を冷却媒体として用い、試薬庫40内の空気を冷却するように構成されている。なお、冷却器80としては、ペルチェ素子81を用いたものに限らず、例えば伝熱層78を空冷または水冷によって冷却する構成であってもよい。
試薬庫40の下方には、検体分析装置1外の空気を取り入れることが可能な吸気ダクト85が形成されており、この吸気ダクト85内にヒートシンク82が配置されている。また、吸気ダクト85の下側には、検体分析装置1外へ空気を排出することが可能な排気ダクト86が形成されており、この排気ダクト86に放熱ファン83が接続されている。そして、放熱ファン83の駆動によって吸気ダクト85からヒートシンク82へ外気を取り入れ、このヒートシンク82で熱交換を行った後、排気ダクト86へ温風が排出されるようになっている。吸気ダクト85の吸気口や排気ダクト86の排気口は、検体分析装置1の背面や側面において開口しており、これによって、特に、排気ダクト86から排出された温風が、検体分析装置1を使用するユーザに直接当たらないように配慮されている。
試薬庫40において、第1試薬テーブル21及び第2試薬テーブル22と、試薬庫40の底壁63(内底面)との間には、モータ等で駆動する流動ファン88が設けられている。本実施の形態では、2つの流動ファン88が、それぞれ冷却器80の上方に対応する位置に配置されている。したがって、この2つの流動ファン88についても、試薬庫40の中心軸線Oを中心に対称配置されている。
流動ファン88によって生成された空気流は、図4に矢印で示されるように試薬庫40内で循環し、試薬容器300を所望の温度、例えば10℃に冷却する。特に、流動ファン88は、上方から吸い込んだ空気を下方へ吹き出すように構成されており、流動ファン88によって生成された空気流は、伝熱層78における冷却器80によって直接的に冷やされた部分に対して直接的に吹き付けられる。これによって空気流を効率よく冷却することができる。
なお、冷却器80及び流動ファン88は2個に限らず3個以上設けてもよい。この場合、複数の冷却器80及び流動ファン88を中心軸線Oの周りに等間隔に配置することにより、試薬庫40内で冷却された空気を満遍なく均等に循環させることができる。
また、試薬庫40の底壁63のみに伝熱層78が設けられ、周壁64は熱伝導性の低い材質により形成されているので、試薬庫40内の冷えすぎを防止することができるとともに、周壁64における結露の発生を防止することができる。
〔検体分析装置の電流供給制御〕
本実施の形態の検体分析装置1は、交流200Vの商用電源を備えた設備(以下、「200V電源設備」ともいう)において使用される200Vモード(第1のモード)と、交流100Vの商用電源を備えた設備(以下、「100V電源設備」ともいう)において使用される100Vモード(第2のモード)との2つの動作モードで動作可能に構成されている。そして、本実施の形態では、特に起動の際の消費電力が大きい冷却器80(ペルチェ素子81)に対する電流の供給制御を、200Vモードと100Vモードとで異ならせている。以下、この点について詳細に説明する。
一般に、200V電源設備と100V電源設備との双方で同じ電力を消費する場合、100V電源設備では、理論上200V電源設備の倍の電流が要求される。一方、200V電源設備では、例えば定格電圧250Vで、定格電流15Aのブレーカーが設けられ、100V電源設備では、例えば定格電圧125Vで、定格電流20Aのブレーカーが設けられており、100V電源設備の電流容量は、200V電源設備の電流容量の倍とはならない。そのため、100V電源設備において、200V電源設備と同じ様に検体分析装置1に電流を供給すると、冷却器80等に供給される電流の合計量に対する電源設備の電流容量(ブレーカーの定格電流)のマージン(余裕度)が少なくなり、ブレーカーが落ちる可能性が高まってしまうことになる。
そのため、本実施の形態では、100V電源設備で検体分析装置1を使用する場合には、特に、複数のペルチェ素子81に供給される電流の合計量を小さくすることによって、当該合計量に対する電源設備の電流容量のマージンを十分に確保することが可能なように構成されている。
図5は、冷却器に対する電流供給系を示すブロック図である。試薬庫40のペルチェ素子81には、1次側の交流電源201の電力が2次側の電源ユニット202及びドライブ基板203を介して供給される。電源ユニット202は、交流電源201からの交流電圧を整流及び平滑化して直流電圧に変換し、さらにこの直流電圧をスイッチングにより高周波の交流電圧に変換し、この交流電圧を高周波トランスで変圧した後、再び整流及び平滑化して所望の直流電圧を出力する機能を有している。電源ユニット202は、200V及び100Vの交流電圧を、例えば5V、12V、24V等の直流電圧に変換するものとなっている。
ドライブ基板203は、スイッチング素子204と、制御回路205とを備えている。スイッチング素子204は、2個のペルチェ素子(第1,第2ペルチェ素子)81に対応して2個設けられている。制御回路205は、スイッチング素子204を所定の作動周期(例えば、210ms)でオンオフ制御(パルス制御)する。
制御回路205には、試薬庫40内の温度を検出するサーミスタ(温度検出器)206の検出値が入力される。制御回路205は、サーミスタ206によって検出された実際の温度と、試薬庫40の目的温度(例えば、10℃)とを比較し、両者の差が次第に小さくなるようにペルチェ素子81を比例制御する。
具体的には、試薬庫40内の実際の温度と目的温度との差が大きいときは、制御回路205は、ペルチェ素子81に対して所定期間内に供給する電流の量を大きくするようにスイッチング素子204を制御し、実際の温度と目的温度との差が小さいときはペルチェ素子81に対して所定期間内に供給する電流の量を小さくするようにスイッチング素子204を制御する。本実施の形態では、スイッチング素子204の作動周期に占めるオン時間の割合、すなわちデューティー比を変化させることによってペルチェ素子81に供給する電流の量を制御している。
図7は、ペルチェ素子81に対する電流供給タイミングを示す波形図であり、(a)は200Vモードの場合、(b)は100Vモードの場合を示す。この図から、検体分析装置1の起動後、試薬庫40の温度が目的温度に達するまでの間のデューティー比の変化が理解される。
図7(a)に示されるように、200Vモードでは、2個のペルチェ素子81には、同一周期、同一デューティー比で電流が供給される(第1電流供給制御)。起動直後は、試薬庫40内の実際の温度と目的温度との差が大きいため、デューティー比100%で電流が供給されるが、時間の経過に伴って当該差が小さくなるため、徐々にデューティー比も小さくなっている。そして、試薬庫40内の実際の温度が概ね目的温度に達すると(例えば±2℃以内)、その状態を維持するべく最も小さいデューティー比(10%)でペルチェ素子81に電流が供給される。したがって、2個のペルチェ素子81に供給される電流のピーク値(合計量)は、各ペルチェ素子81に供給される電流値を足し合わせたもの(2倍したもの)となる。
なお、図7(a)の例示では、100%、80%、60%、30%、20%の各デューティー比による電流の供給が1周期分だけ実行されているが、これはデューティー比の変化を分かりやすく示すためであり、実際には後述する温度条件(図8参照)に基づいて1又は複数の周期で各デューティー比による電流の供給が実行される。
図7(b)に示されるように、100Vモードでは、2個のペルチェ素子81には、互いに作動周期の半分だけ時間をずらした状態で電流が供給される。また、デューティー比は、最大で50%となっている(第2電流供給制御)。したがって、2個のペルチェ素子81には交互に電流が供給され、同時には電流が供給されない。そのため、2個のペルチェ素子81に供給される電流のピーク値(合計量)は、各ペルチェ素子81に供給される電流の量となる。したがって、100Vモードで運転する場合には、1次側の交流電源201に対して要求される電流が過大となることなく、電流の合計量に対する電源設備の電流容量のマージンを確保することが可能となっている。ただし、100Vモードではデューティー比が最大でも50%となるため、試薬庫40内が目的温度に達するまでの所要時間T2は、200Vモードの場合の所要時間T1よりも長くなる。
図8は、試薬庫の実際の温度と目的温度との差と、デューティー比との関係を示すテーブルである。図8に示される例では、200Vモードの場合、実際の温度と目的温度との差Δtが10℃以上のときにデューティー比100%とされ、差Δtが10℃から2℃低下する毎にデューティー比が20%ずつ低下している。これに対して、100Vモードの場合、差Δtが10℃以上のときに最大でデューティー比50%となるが、差Δtが10℃〜6℃の間もデューティー比が50%に維持される。そして、差Δtが6℃以下となったときに、200Vモードと同じデューティー比に設定される。
200Vモードと100Vモードとのいずれの動作モードを使用するかは、制御装置4を起動して表示部4bに表示される設定画面から設定することが可能である。例えば、図9に示されるように、表示部4bに100Vモードの設定ウィンドウ210を表示させ、この設定ウィンドウにおいて100Vモードを選択(チェックボックス211にチェック)し、ボタン209をクリックすることによって、制御装置4の記憶部4dに100Vモードに設定されたという情報が記憶される。一方、100Vモードを選択しないで、ボタン209をクリックすることによって、制御装置4の記憶部4dに200Vモードに設定されたという情報が記憶される。制御装置4の記憶部4dに記憶された動作モードについての情報は、測定装置2の制御部501(図5参照)に送信され、この制御部501がドライバ基板203の制御回路205に対して動作モードの指令を送ることによって、制御回路205によって各動作モードが実行される。なお、動作モードの設定は、例えば、測定装置2の制御部501を構成する制御基板やドライバ基板203に動作モード選択用のディップスイッチを設け、検体分析装置1のシャットダウン中、又は起動中にディップスイッチを操作することによって行ってもよい。本実施の形態では、検体分析装置1が施設に設置される際に、サービスマンが、制御装置4のみを起動し、表示部4bに設定ウィンドウ210を表示させ、この設定ウィンドウにおいて、検体分析装置1の動作モードを100Vモードか200Vモードかに予め設定している。なお、制御装置4のみの起動は200V電源設備を備えた施設であっても100V電源設備を備えた施設であっても可能である。
図6は、検体分析装置1(特に測定装置2)の動作を示すフローチャートである。以下、図6を参照して検体分析装置1の動作を説明する。
まず、測定装置2の制御部501が起動(電源オン)されると、制御部501は動作モードが100Vモードと200Vモードのいずれであるかを制御装置4の制御部4aに問い合わせる。その後、制御部4aは、記憶部4dに記憶されている動作モードを制御部501に送信する。そして、測定装置2の制御部501は、制御部4aから送信された動作モードを受信し、ステップS1において、100Vモードと200Vモードのいずれの動作モードが設定されたかを判断する。制御部501は、200Vモードが設定されたと判断した場合には処理をステップS2に進め、100Vモードが設定されたと判断した場合には処理をステップS4に進める。
ステップS2において、制御部501は、ドライブ基板203の制御回路205に200Vモードによる動作指令を送る。これによって、制御回路205は、図7(a)に示す第1電流供給制御でスイッチング素子204を制御し、ペルチェ素子81に電流を供給する。
そして、ステップS3において、制御部501は、試薬庫40内の温度が目的温度に達し、かつ測定装置2の初期化、例えば、各種駆動部の原点復帰動作等の全ての初期動作が終了することによって測定装置2の起動動作が完了したか否かを判断する。制御部501は、起動動作が完了したと判断した場合には、処理をステップS6に進め、測定装置2をスタンバイ状態に設定する。
一方、ステップS4において、制御部501は、ドライブ基板203の制御回路205に100Vモードによる動作指令を送る。これによって、制御回路205は、図7(b)に示す第2電流供給制御でスイッチング素子204を制御し、ペルチェ素子81に電流を供給する。
そして、ステップS5において、制御部501は、試薬庫40内の温度が目的温度に達し、かつ測定装置2の初期化が終了することによって、測定装置2の起動動作が完了したか否かを判断する。制御部501は、起動動作が完了したと判断した場合には処理をステップS6に進め、測定装置2をスタンバイ状態に設定する。
ステップS7において、制御部501は、制御装置4から測定開始指示を受信したか否かを判断し、測定開始指示を受信した場合には、ステップS8において検体の測定を開始する。
検体の測定が終了すると、ステップS9において、制御部501は、制御装置4からシャットダウン指示を受信したか否かを判断し、シャットダウン指示を受信した場合には、表示部4bに図14に示すシャットダウン画面610を表示させ、ステップS10に処理を進める。
ステップS10では、制御部501は、冷蔵庫モードでのシャットダウン指示があったか否かの判断を行う。ここでは、シャットダウン画面610において冷蔵庫モードが選択された状態(チェックボックス611にチェックが入っている状態)で、シャットダウンボタン612がクリックされると、冷蔵庫モードでのシャットダウン指示があったと判断し、シャットダウン画面610において冷蔵庫モードが選択されていない状態(チェックボックス611にチェックが入っていない状態)で、シャットダウンボタン612がクリックされると、冷蔵庫モードでのシャットダウン指示がなかったと判断する。この冷蔵庫モードとは、測定装置2をシャットダウンした後も、試薬庫40の冷却(試薬の保冷)のみを継続して行うモードである。このような冷蔵庫モードを実行することによって、検体分析装置1がシャットダウンした後も試薬庫40内の温度が低温に維持されるので、試薬の劣化等が防止され、当該劣化を防止するために試薬を他の保冷庫等に移動させる手間が不要となる。また、検体分析装置1を再び起動したときに、試薬庫40内の温度は既に目的温度に到達していることになるので、検体分析装置1の起動動作を迅速に行うことができる利点がある。
ステップS10において、制御部501は、冷蔵庫モードでのシャットダウン指示があったと判断した場合には、ステップS11において、試薬庫40内の冷却器80や流動ファン88を動作させて試薬の保冷機能を維持させたまま、その他の機能(装置)に対する電源をオフにし、処理を終了する。また、制御部501は、冷蔵庫モードでのシャットダウン指示がなかったと判断した場合には、ステップS12において、検体分析装置1の全て機能(装置)に対する電源をオフにし、処理を終了する。ここに、制御部501は、冷却器80への電流供給を継続しつつ、他のユニットへの電流供給を終了する部分的電源オフ手段を構成するものとなる。
以上のように、本実施の形態の検体分析装置1は、複数のペルチェ素子81に対する電流供給制御のモードとして、所定期間における電流の合計量が大きい第1のモードと、当該合計量が小さい第2のモードとを備えている。そして、100V電源設備を備えた施設に検体分析装置1を設置する場合には、電流供給制御のモードを第2モードに設定することによって、複数のペルチェ素子81に対して所定期間(作動周期)に供給される電流の合計量を抑制することができるので、当該合計量が100V電源設備の電流容量を超えてしまったり、当該合計量に対する電流容量のマージンが少なくなってしまったりするのを防止することができる。そのため、100V電源設備を備えた施設においても適切に検体分析装置1を使用することができる。
また、100V電源設備を備えた施設であっても検体分析装置1を設置することができるため、当該施設の電源を200Vに変更する工事を行う必要もなくなる。検体分析装置1を設置するため、200V電源設備を施設に設けたとすると、この検体分析装置1を含めて同一電源で作動する電気機器に対する供給電流が全般的に小さくなり、ブレーカーが落ちる心配がなくなるため、多数の電気機器を使用して消費電力が増加してしまう可能性が高まるが、本実施の形態では、このような不都合も生じることもない。
図10は、本発明の第2の実施の形態における電流供給タイミングを示す波形図であり、図10(a)は、第1の実施の形態と同様の200Vモードを示し、図10(b)は、100Vモードを示す。
第1の実施の形態で説明した100Vモードは、図7(b)に示されるように、2個のペルチェ素子(第1,第2ペルチェ素子)81に対して同時に電流が供給されないように、各ペルチェ素子81には作動周期の半分だけ時間をずらした状態で最大50%のデューティー比で電流が供給されていた。これに対して、第2の実施の形態の100Vモードは、図10(b)に示されるように、2個のペルチェ素子81には作動周期の半分だけタイミングがずらされるが、最大で60%のデューティー比で電流が供給されている。そのため、2個のペルチェ素子81に電流が供給される時間が一部重複し、この重複している時間の電流のピーク値が各ペルチェ素子81に供給される電流を足し合わせた値、すなわち図10(a)に示す200Vモードと同等となる。しかし、この重複時間は、デューティー比で10%程度のごく短い時間であり、1次側の電源設備において要求される電流の量は平均的に電源設備の電流容量(ブレーカーの定格電流)を超えなければよいため、当該電流容量についてのマージンも十分に確保されることになるのである。本実施の形態の100Vモードの場合、試薬庫40内の温度が目的温度まで達する時間T3が第1の実施の形態の100Vモードよりも若干短くなる。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る検体分析装置の電流供給系を示すブロック図である。
本実施の形態では、冷却器80に加えて加温装置、例えば、加温テーブル24のヒータ73をも電流供給制御の対象としたものである。本実施の形態では、1次側の交流電源201の電力が、第2電源ユニット212及び第2ドライブ基板213を介して加温テーブル24に供給される。第2電源ユニット212は、第1電源ユニット202(第1の実施の形態における電源ユニット202と同じ)と同様に、交流電源201からの交流電圧を整流及び平滑化して直流電圧に変換し、さらにこの直流電圧をスイッチングにより高周波の交流電圧に変換し、この交流電圧を高周波トランスで変圧した後、再び整流及び平滑化して所望の直流電圧を出力する機能を有している。
第2ドライブ基板213は、スイッチング素子214と、制御回路215とを備え、スイッチング素子204は、加温テーブル24のヒータ73に対応して1個設けられている。制御回路215は、スイッチング204を所定の作動周期でオンオフ制御する。また、加温テーブル24には、サーミスタ24が設けられており、加温テーブル24の温度を検出して、その検出値が制御回路215に入力されるようになっている。制御回路215は、サーミスタ24の検出温度に基づき、加温テーブル24が所定の目的温度に到達するように制御する。
図12は、電流供給タイミングを示す波形図であり、特に、100Vモードのみを示している。ペルチェ素子81に対する電流の供給制御は、第1の実施形態と同じとしている。一方、ヒータ73に対しては、2個のペルチェ素子81のいずれにも電流が供給されていない時間に電流が供給されるように制御回路215によってスイッチング素子214が制御されている。すなわち、制御回路215は、ペルチェ素子81用の第1ドライブ基板203の制御回路205からスイッチング素子204の動作タイミングに関する情報を取得し、ペルチェ素子81が動作していない時間を利用してヒータ73に電流を供給するようにスイッチング素子214を制御しているのである。
このような制御により、各ペルチェ素子81及びヒータ73に対して供給される電流のピーク値は、各ペルチェ素子81及びヒータ73に対する最大の電流値となる。したがって、100Vモードで運転する場合には、1次側の交流電源201に対して要求される電流が過大となることなく、当該電流に対する電源設備の電流容量のマージンを十分に確保することが可能となっている。
なお、起動動作の初期段階では、2個のペルチェ素子81に対して絶え間なく電流が供給されているので、ヒータ73には電流が供給されず、ペルチェ素子81に対する電流供給時間がデューティー比30%以下になったときに、ヒータ73に対しても電流が供給されるようになっている。このようにペルチェ素子81に対する電流供給を優先し、ヒータ73に対して遅れて電流を供給した場合であっても、ペルチェ素子81による試薬庫40の冷却よりもヒータ73による加温のほうが短時間で終えることができるため、測定装置2の起動動作に対する悪影響はほとんど無い。
第3の実施の形態では、ペルチェ素子81とヒータ73とに対する電流供給制御を行っているが、これらに限らず、試薬テーブルや分注部等のモータに対しても、上記のような電流供給制御を行ってもよい。ただし、モータの動作は検体分析装置における分析動作にあたえる影響が大きいため、少なくとも分析動作を行っている間は、ペルチェ素子81やヒータ73よりもモータの動作を優先して行うことが望ましい。
図13は、ペルチェ素子81及びヒータ73(及びモータ)に対する電流供給制御を含む検体分析装置の動作を示すフローチャートである。この図13において、ステップS102,S104以外の処理は、第1の実施の形態の図6におけるステップS2,S4以外の処理と同じである。
また、図13のステップS102では、200Vモードで電流供給制御を行うため、ペルチェ素子81及びヒータ73(及びモータ)に対して同時に電流を供給して起動動作を行う。また、ステップS104では、100Vモードで電流供給制御を行うため、ペルチェ素子81とヒータ73(又はモータ)との動作タイミングをずらして装置の起動動作を行っている。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更できるものである。
例えば、上記実施の形態では、ペルチェ素子81やヒータ73等の複数のユニットに対する電流供給制御のモードを、設置施設の電源設備の電圧に合わせてサービスマン等の人為的操作を介して設定していたが、検体分析装置1が電源設備に接続されたとき等に、測定装置2の制御部501が自動的に電圧を検知することによって設定してもよい。
また、第1,第2モードによる電流供給制御は、ペルチェ素子81等のユニットにおける消費電力が大きくなるとき、すなわち分析装置の起動動作が完了するまでの間に実行されればよい。
1 検体分析装置
2 測定装置
4 制御装置
4a 制御部
24 加温テーブル
40 試薬庫
73 ヒータ
80 冷却器
81 ペルチェ素子
201 交流電源
202 電源ユニット(電源部)
205 制御回路(電流供給制御手段)
212 電源ユニット(電源部)
215 制御回路(電流供給制御手段)
501 制御部

Claims (12)

  1. 電流の供給を受けて所定の機能を実現する複数のユニットと、
    前記複数のユニットに電流を供給する電源部と、
    前記電源部が所定期間に第1の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第1電流供給制御を実行する第1モードと、前記電源部が前記所定期間に前記第1の合計量より小さい第2の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第2電流供給制御を実行する第2モードとのいずれかのモードを、設置施設に設けられた電源設備の電圧の高さに応じて設定するための設定手段と、
    前記設定手段により設定されたモードで電流供給制御を実行する電流供給制御手段と、を備え、
    前記第2電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間は、前記第1電流供給制御において前記電源部が前記複数のユニットに同時に電流を供給する期間よりも短いことを特徴とする分析装置。
  2. 前記複数のユニットは、検体および試薬の少なくとも一方を冷却又は加温する温度調節ユニットを含む請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記第1電流供給制御及び前記第2電流供給制御は、少なくとも前記温度調節ユニットが目的温度に到達するまでに実行される請求項2に記載の分析装置。
  4. 前記温度調節ユニットへの電流供給を継続しつつ、他のユニットへの電流供給を終了する部分的電源オフ手段をさらに備えている請求項2又は3に記載の分析装置。
  5. 前記第2電流供給制御において前記複数のユニットのうち所定のユニットに対して前記所定期間に供給される電流量は、前記第1電流供給制御において当該所定のユニットに前記所定期間に供給される電流量よりも小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
  6. 前記電流供給制御手段は、前記所定期間内に占める電流の供給期間の長さの割合によって前記所定のユニットに供給する電流量を制御し、前記第2電流供給制御における前記割合の大きさが、前記第1電流供給制御における前記割合の大きさよりも小さい請求項5に記載の分析装置。
  7. 前記電流供給制御手段は、前記第2電流供給制御において、前記電源部が複数のユニットに電流を供給する期間が一部重複する制御と、当該期間が重複しない制御とを実行する請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
  8. 前記複数のユニットは、同一種類のユニットであり、前記第2電流供給制御は、前記電源部が前記複数のユニットに対して交互に電流を供給する制御である請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析装置。
  9. 前記複数のユニットが、互いに種類の異なるユニットである請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析装置。
  10. 前記第1モードは、交流200Vの電源設備を必要とするモードであり、前記第2モードは、交流100Vの電源設備を必要とするが、交流200Vの電源設備を必要としないモードである請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析装置。
  11. 前記複数のユニットのうちの所定のユニットは、電流の供給開始と電流の供給停止とが繰り返されることで前記所定の機能を実現し、
    前記所定期間は、前記第2電流供給制御において前記所定のユニットに前記所定の機能を実現させるための、電流の供給開始と電流の供給停止との繰り返しの中の、前記所定のユニットへの電流の供給開始から次回の電流の供給開始までの期間である請求項1〜10のいずれか1項に記載の分析装置。
  12. 電流の供給を受けて所定の機能を実現する複数のユニットと、
    前記複数のユニットに電流を供給する電源部と、
    前記電源部が所定期間に第1の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第1電流供給制御を実行する第1モードと、前記電源部が前記所定期間に前記第1の合計量より小さい第2の合計量の電流を前記複数のユニットに供給する第2電流供給制御を実行する第2モードとのいずれかのモードを、設置施設に設けられた電源設備の電圧の高さに応じて設定するための設定手段と、
    前記設定手段により設定されたモードで電流供給制御を実行する電流供給制御手段と、を備え、
    前記電流供給制御手段は、前記第2電流供給制御において、前記電源部が複数のユニットに電流を供給する期間が一部重複する制御と、当該期間が重複しない制御とを実行することを特徴とする分析装置。
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