JP5587758B2 - スチールコードの製造方法および製造装置 - Google Patents

スチールコードの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明はスチールコードの製造方法および製造装置(以下、単に「製造方法」および「製造装置」とも称する)に関し、詳しくは、タイヤ等のゴム物品補強用のスチールコード、特には層撚り構造のスチールコードを製造する際の撚線工程の改良に係るスチールコードの製造方法および製造装置に関する。
一般に、複数本のフィラメントを撚り合わせてなるストランドを複数本にて撚り合わせて、その外側にスパイラルフィラメントを巻き付けてなる層撚り構造のスチールコードなどにおいては、コードの撚り方向とスパイラルフィラメントの撚り方向とが逆になるケースが多い。そのため、このようなスチールコードにおいては、最外層のストランドの撚線時にコードがほぐれる方向に大きなトーションを持たせた状態で、逆方向にスパイラルフィラメントを巻きつけることで、トーションを相殺して、狙いのコードトーションを得ていた。また、チューブラー型の撚線機では、最外層のフィラメントの癖付けを制御することでトーションを得ているが、得られるコードトーションには限界があった。
なお、撚線工程ではスチールコードの矯正加工装置が用いられるが、この矯正加工装置は、従来、主としてスチールコードの撚り性状やコード真直性、表面残留応力の適正化、および、偏平コード断面の保持に用いられており、トーション制御の用途には用いられていなかった(例えば、特許文献1〜3参照)。
一方で、バンチャー型の撚線機におけるトーション制御に関しては、撚線工程において2回の撚り戻しタービン機構を用いることが提案されているが、高速回転のタービンを設置する場合、設備的に大掛かりなものとなるという難点があった(特許文献4参照)。また、撚りコードの周囲にスパイラルフィラメントが巻き付けられたいわゆるスパイラル付きスチールコードに関しては、撚りコードの周囲にスパイラルフィラメントを巻付けるスパイラル工程において、スパイラルフィラメントによるコード拘束のために、千鳥足状にロールを配置した繰り返し曲げ矯正加工装置を用いて、狙いの曲げ剛性を作り込むことが可能であるが、この技術は、トーション制御を考慮したものではなかった(特許文献5参照)。
特開2009−249799号公報(特許請求の範囲等) 特開2009−114583号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−129211号公報(特許請求の範囲等) 特開平6−200491号公報(特許請求の範囲等) 特開平6−184964号公報(特許請求の範囲等)
スチールコードに残留トーションが存在すると、ゴムと複合してトリートとした際にトリートの角部にカールが生じて、タイヤ等のゴム物品を製造する際に、装置に引っ掛かりを生じて製造歩留を低下させるなどの問題を生ずる。そのため、撚線工程において、スチールコードのトーションを制御することは重要となる。特に、層撚りのような複雑な撚り構造を有するスチールコードにおいては、撚り方向の組み合わせにより、適切にトーションを制御する必要があった。
上述のように、従来は、スパイラルフィラメントを逆方向に巻き付けることでトーションを相殺したり、最外層のフィラメントの癖付けを調整するなどにより、スチールコードのトーション制御を行っていたが、得られるトーションには限界があり、設計や製造上、自由度が損なわれてしまうという難点があった。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、スチールコードのトーションを、より安価かつ簡便に制御することのできる、トーションの制御性に優れたスチールコードの製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、撚り合わされたスチールコードに対し、複数の溝付きプーリからなる簡易な構成の装置を適用することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のスチールコードの製造方法は、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてスチールコードとした後、該スチールコードを複数個の溝付きプーリに通過させるスチールコードの製造方法であって、
該溝付きプーリを、通線方向に沿って隣り合う該溝付きプーリ間において溝の高さが異なる配置にして、前記スチールコードの通線時に、通線方向に沿って隣り合う前記溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、溝付プーリの溝に平行な面に対して角度をなす状態にすることを特徴とするものである。
本発明においては、線方向に沿って隣り合う前記溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、該溝付きプーリの溝に平行な面に対してなす角度θが、0.9°≦θ≦6.0°を満足することが好ましい。
なお、上記「線方向に沿って隣り合う前記溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、該溝付きプーリの溝に平行な面に対してなす角度θ」は、以下では「溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとのなす角度θ」ともいう。
また、本発明のスチールコードの製造装置は、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなるスチールコードの製造装置であって、
撚り合わされたスチールコードを通過させる複数個の溝付きプーリを含み、該溝付きプーリの溝の高さが、通線方向に沿って隣り合う該溝付きプーリ間において異なることを特徴とするものである。
本発明の製造装置においては、前記溝付きプーリが同種の溝付きプーリであって、前記隣り合う溝付きプーリのうち溝の高さの高い側の溝付きプーリを支持する軸に、スペーサが配置されていることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、スチールコードのトーションを、より安価かつ簡便に制御することのできる、トーションの制御性に優れたスチールコードの製造方法および製造装置を実現することが可能となった。
本発明のスチールコードの製造方法および製造装置の一例に係る溝付きプーリの配置状態を示す平面図(a)およびコードの通線方向から見た正面図(b)である。 (a),(b)は、本発明のスチールコードの製造方法および製造装置の一例に係るトーションの発現機構を示す説明図である。 (a),(b)は、本発明のスチールコードの製造方法および製造装置の他の例に係るトーションの発現機構を示す説明図である。 (a)奇数番目の溝付きプーリを高くした場合、および、(b)偶数番目の溝付きプーリを高くした場合のそれぞれの溝付きプーリの配置状態を示す側面図である。 チューブラー型撚線機の後に加工装置を配置した実施形態を示す概略説明図である。 スパイラルフィラメントの巻き付け部の後に加工装置を配置した実施形態を示す概略説明図である。 実施例で用いたスチールコードのコード構造を示す断面図である。 トーションの測定方法に係る説明図である。 コードの真直性の評価方法に係る説明図である。 実施例で用いたスパイラル付きスチールコードのコード構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなるスチールコードの製造に用いられる製造方法および製造装置の改良に係るものである。図1に、本発明のスチールコードの製造方法および製造装置の一例に係る溝付きプーリの配置状態を示す平面図(a)およびコードの通線方向から見た正面図(b)を示す。
図示するように、本発明においては、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてスチールコードとした後、得られたスチールコード1を複数個、図示する例では13個の溝付きプーリ11に通過させて、トーションの制御を行う。図中の符号10は、複数個の溝付きプーリ11が配置された加工装置を示す。
図1(b)に示すように、本発明においては、スチールコード1の通線時において、溝付きプーリ11A,11Bの溝に平行な面Lとスチールコード1とが、角度をなす点が重要である。すなわち、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリ11A,11B間におけるスチールコードの通過方向Xが、溝付きプーリの溝に平行な面Lに対して角度をなすように、溝付きプーリが配置されている。具体的には、図示するように、溝付きプーリ11A,11Bの溝12A,12Bの高さを、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリ間において異なるものとする。このように、スチールコード1が複数個の溝付きプーリ11を通過する際に、高さの異なるプーリ間を、水平面に対し一定の角度をもって経由するものとすることで、この部分で、スチールコード1に対する入力が非対称となって、スチールコード1に回転が生じ、スチールコード1においてトーションが発現する。よって、スチールコード1の仕様に応じ、通過させる溝付きプーリ11および高さを変えた溝付きプーリ11の個数や、溝付きプーリ間11でスチールコードが経由する角度を適宜選定することで、スチールコード1において効果的かつ容易にトーションを発現させることができ、結果として、スチールコード1のトーションを所望に制御することが可能となる。
ここで、例えば、図2(a),(b)に示すように、複数個の溝付きプーリ11をスチールコード1の通過順に順次プーリ11−1〜11−13として、奇数番目のプーリの溝高さを偶数番目のプーリの溝高さよりも高くした場合を考える。この場合、スチールコードが入線するプーリ11−1とプーリ11−2との間では、図2(b)に示すように、プーリ11−2との接触状態により、反時計回りの入力でスチールコードが回転する。一方、スチールコード1がさらに進んで、プーリ11−2とプーリ11−3の間を通過する際においても、プーリ11−3との接触状態により、反時計回りの入力でスチールコードが回転する。すなわち、この場合、対をなす奇数番目と偶数番目とのプーリ群からの入力が繰り返されることで、スチールコード1は塑性変形して、反時計周りのコードトーションが発現される。これに対し、対となるプーリ群の溝の高さが逆で、奇数番目のプーリの溝高さを偶数番目のプーリの溝高さよりも低くした場合には、時計回りのコードトーションが発現される。
なお、本発明に係る上記加工装置10に類似の構造として、従来より撚線工程で用いられている矯正加工装置があるが、従来の矯正加工装置は、上述したようにコードの真直性や表面残留応力等の適正化などの用途のみで用いられていたものであり、したがって溝付きプーリの高さがいずれも一定である点で、上記加工装置10とは異なるものである。本発明に係る加工装置10は、従来の矯正加工装置と同様の効果に加え、コードのトーション制御を行うことができるものである。なお、矯正加工効果を得る観点からは、スチールコードを、4個以上の溝付きプーリに通過させることが必要となる。
本発明においては、スチールコードの通線時に、溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとが角度をなすものとする点のみが重要であり、これにより、本発明の所期の効果を得ることができるものである。本発明が適用されるスチールコードのコード構造や撚線設備については、限定されるものではないが、特には、本発明は、撚線工程でのトーションの制御が困難な、7〜27本程度のスチールフィラメントをチューブラー型撚線機を用いて撚り合わせてなる、2層ないし3層の層撚り構造を有するスチールコードにおいて、有用である。また、層撚り構造の外周に、さらにスパイラルフィラメントを巻き付けてなる、いわゆるスパイラル付きスチールコードの場合も、本発明を適用することで、トーションをより簡便に制御することができ、好ましい。本発明が適用されるスパイラル付きスチールコードとしては、特に制限されないが、例えば、外周に1本のスパイラルフィラメントが巻きつけられた、フィラメント本数が7〜27本程度の2層ないし3層の層撚り構造を有するコードが挙げられる。
図3(a),(b)に、本発明のスチールコードの製造方法および製造装置の他の例に係る説明図を示す。上記スパイラル付きスチールコードのトーションの制御には、例えば、図示するような加工装置40を用いることができる。この場合、図示するように、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせ、その外周にスパイラルフィラメントを巻き付けてスパイラル付きスチールコードとした後、得られたスパイラル付きスチールコード2を複数個、図示する例では7個の溝付きプーリ11に通過させて、トーションの制御を行う。
この加工装置40の場合も、スチールコード1の通線時において、溝付きプーリ11の溝に平行な面Lとスチールコード1とが角度をなすものとする点は、上述の例と同様である(図1(b)参照)。また、図示するように、複数個の溝付きプーリ11をスパイラル付きスチールコード2の通過順に順次プーリ11−1〜11−7として、奇数番目のプーリの溝高さを偶数番目のプーリの溝高さよりも高く、または、低くした場合のトーションの発現機構についても、上述した図2の場合と同様である。
図4に、(a)奇数番目の溝付きプーリを高くした場合、および、(b)偶数番目の溝付きプーリを高くした場合のそれぞれの溝付きプーリの配置状態の側面図を示す。本発明において、溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとのなす角度θは、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、溝付きプーリの溝に平行な面Lに対してなす角度と同義であり、0.9°≦θ≦6.0°を満足するよう設定することが好ましい。角度θが少なくとも0°を超えるものであれば、スチールコードにおいてトーションを発現させることができるが、効果的なトーション変化量を得るためには、0.9°≦θとすることが好ましい。一方、θが6.0°を超えると、コードの真直性の悪化を招くおそれがある。
また、特に、スパイラル付きスチールコードのトーション制御を行う場合には、上記角度θが、0.9°≦θ≦5.0°を満足することが、より好ましい。スパイラル付きスチールコードの場合には、θが5.0°を超えると、スパイラルフィラメントの緩みが生ずるおそれがある。
本発明において、スチールコードの通線時に、溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとが角度をなすものとするための手法としては、特に制限されるものではない。具体的には例えば、図4に示すように、同種の溝付きプーリを用いて、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリのうち溝の高さを高くする側の溝付きプーリを支持する軸に、スペーサ13を配置することにより溝の高さを変えることが、簡便であって好ましい。また、図1,2に示すように、溝の位置が高さ方向で偏っている2種の溝付きプーリを使用することもでき、軸の長さが異なっている2種の溝付きプーリを使用することもでき、溝付きプーリの形状等についても、特に制限はない。
本発明を、複数本のスチールフィラメントをチューブラー型撚線機を用いて撚り合わせてなる、2層ないし3層の層撚り構造を有するスチールコードに適用する場合には、例えば、図5に示すように、チューブラー型撚線機20の癖付け治具21の後に、従来の矯正加工装置に代えて加工装置10を配置することで、本発明を容易に実施することができる。また、本発明を、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせた後にその外周にスパイラルフィラメントを巻き付けてなる、2層ないし3層の層撚り構造を有するスパイラル付きスチールコードに適用する場合には、例えば、図6に示すように、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなる撚りコードの外周にスパイラルフィラメントを巻き付けるスパイラル工程において、スパイラルフィラメントの巻き付け部26の後に加工装置40を配置することで、本発明を容易に実施することができる。なお、図中、符号22はコアフィラメントの巻出ロール、符号23はシースフィラメントの巻出ロール、符号24は撚りコードの巻出ロール、符号25はスパイラルフィラメントの巻出ロール、符号30は巻取ロールを示す。
以下、本発明を、実施例を用いて、より具体的に説明する。
チューブラー型撚線機を用いて撚り合わされた3+9×0.175mm(S撚り)のスチールコードを準備した(図7参照)。このスチールコードを、図2(a)に示すような加工装置10の13個の溝付きプーリ11−1〜11−13に通過させて、そのトーションの制御を行った。下記表1〜4中に示す条件にて、溝付きプーリを支持する軸に適宜高さのスペーサを配置して、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、その溝に平行な面に対してなす角度θを変えて、得られたスチールコードのトーションの測定およびコードの真直性の評価を行った。
<トーションの測定方法>
得られたスチールコード5mを引き出し、コードが締まる方向をプラス、解ける方向をマイナスとして、コードの捻じれ回数を測定し、N=10の平均値を算出した(図8参照)。溝付きプーリの軸にスペーサーを配置せず、隣り合うプーリ間で高低差を設けない基準条件(角度θ=0°)におけるトーション測定値との差に基づき、トーション変化量を求めた。
<コードの真直性>
コードの真直性は、得られたスチールコードを40cmにカットして、平坦な台に置いた際のコードの高さHで評価し、N=10の平均値を算出した(図9参照)。
マイナストーション制御のために、奇数番目の溝付きプーリにスペーサーを配置した場合(表1,2)と、プラストーション制御のために、偶数番目の溝付きプーリにスペーサーを配置した場合(表3,4)につき、それぞれ以下に結果を示す。
Figure 0005587758
Figure 0005587758
Figure 0005587758
Figure 0005587758
上記表中に示すように、スチールコードを複数個の溝付きプーリに通過させるにあたり、スチールコードの通線時に、溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとが角度をなすものとしたことで、スチールコードにトーションを発現させ、トーション値を変化させて、制御することが可能となることが確かめられた。また、角度θが0.9°未満であると、トーション変化量は軽微であると言え、角度θが6.0°を超えると、トーション変化量は大きい反面、スチールコードの真直性が悪化する傾向にあることがわかる。さらに、スペーサーを2個以上の溝付きプーリに配置することで、スチールコードを回転させる入力が連続的に付与されて、トーション変化量が大きくなることがわかる。
3+9×0.175mm+0.15mm(シース:S撚り,スパイラル:Z撚り)(図10参照)のトーション制御を行うために、チューブラー型撚線機を用いて撚り合わされた3+9×0.175mm(S撚り)の撚りコードを準備した。この撚りコードを、図3(a)に示すような加工装置40の7個の溝付きプーリ11−1〜11−7に通過させて、そのトーションの制御を行った。下記表中に示す条件にて、溝付きプーリを支持する軸に適宜高さのスペーサを配置して、通線方向に沿って隣り合う溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、その溝に平行な面に対してなす角度θを変えて、得られたスチールコードのトーションの測定およびスパイラルフィラメントの緩みの評価を行った。
<トーションの測定方法>
得られたスチールコード5mを引き出し、シースフィラメントが締まる方向をプラス、解ける方向をマイナスとして、コードの捻じれ回数を測定し、N=10の平均値を算出した(図8参照,シースフィラメントの撚り方向を基準とする)。溝付きプーリの軸にスペーサーを配置せず、隣り合うプーリ間で高低差を設けない基準条件(角度θ=0°)におけるトーション測定値との差に基づき、トーション変化量を求めた。
<スパイラルフィラメントの緩みの評価>
スパイラルフィラメントの緩みの有無は、得られたスチールコードのコード端末から30cmの部分を指でつまみ、前後にしごいて、スパイラルフィラメントの緩みが生ずるか否かにより判定した。
マイナストーション制御のために、奇数番目の溝付きプーリにスペーサーを配置した場合(表5,6)と、プラストーション制御のために、偶数番目の溝付きプーリにスペーサーを配置した場合(表7,8)につき、それぞれ以下に結果を示す。
Figure 0005587758
Figure 0005587758
Figure 0005587758
Figure 0005587758
上記表中に示すように、スパイラル付きスチールコードの場合も、コードを複数個の溝付きプーリに通過させるにあたり、スチールコードの通線時に、溝付きプーリの溝に平行な面とスチールコードとが角度をなすものとしたことで、コードにトーションを発現させ、トーション値を変化させて、制御することが可能となることが確かめられた。また、この場合、角度θが0.9°未満であると、トーション変化量は軽微であると言え、角度θが5.0°を超えると、トーション変化量は大きい反面、スチールコードの緩みが発生する傾向となることがわかる。さらに、スペーサーを2個以上の溝付きプーリに配置することで、スチールコードを回転させる入力が連続的に付与されて、トーション変化量が大きくなることがわかる。
1 スチールコード
2 スパイラル付きスチールコード
10,40 加工装置
11,11A,11B,11−1〜11−13 溝付きプーリ
12A,12B 溝
13 スペーサ
20 チューブラー型撚線機
21 癖付け治具
22 コアフィラメントの巻出ロール
23 シースフィラメントの巻出ロール
24 撚りコードの巻出ロール
25 スパイラルフィラメントの巻出ロール
26 スパイラルフィラメントの巻き付け部
30 巻取ロール

Claims (4)

  1. 複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてスチールコードとした後、該スチールコードを複数個の溝付きプーリに通過させるスチールコードの製造方法であって、
    該溝付きプーリを、通線方向に沿って隣り合う該溝付きプーリ間において溝の高さが異なる配置にして、前記スチールコードの通線時に、通線方向に沿って隣り合う前記溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、溝付プーリの溝に平行な面に対して角度をなす状態にすることを特徴とするスチールコードの製造方法。
  2. 通線方向に沿って隣り合う前記溝付きプーリのそれぞれの溝中心を結んだ直線が、該溝付きプーリの溝に平行な面に対してなす角度θが、0.9°≦θ≦6.0°を満足する請求項1記載のスチールコードの製造方法。
  3. 複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなるスチールコードの製造装置であって、
    撚り合わされたスチールコードを通過させる複数個の溝付きプーリを含み、該溝付きプーリの溝の高さが、通線方向に沿って隣り合う該溝付きプーリ間において異なることを特徴とするスチールコードの製造装置。
  4. 前記溝付きプーリが同種の溝付きプーリであって、前記隣り合う溝付きプーリのうち溝の高さの高い側の溝付きプーリを支持する軸に、スペーサが配置されている請求項3記載のスチールコードの製造装置。
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