JP5586706B2 - ファスナーストリンガー及びスライドファスナー、並びにファスナーストリンガーの製造方法 - Google Patents

ファスナーストリンガー及びスライドファスナー、並びにファスナーストリンガーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続状のファスナーエレメントが取着されたファスナーストリンガーに関し、特に、ファスナーエレメントの表面における光沢や艶が抑えられ、従来とは異なる風合いを有するファスナーストリンガーに関する。
一般に、スライドファスナーは、例えばコイル状又はジグザグ状に連続したファスナーエレメントをファスナーテープに取着することにより構成されている。この場合、コイル状又はジグザグ状に連続したファスナーエレメントは、熱可塑性の合成樹脂材料を押し出して線状のモノフィラメントを成形し、その後、得られたモノフィラメントの一部を一定間隔で押圧して噛合頭部を成形するとともに、同モノフィラメントをコイル状又はジグザグ状に成形することによって作製されている。
また、このような連続状のファスナーエレメントを有するスライドファスナーにおいては、エレメント列に沿ってスライダーを円滑に摺動させたり、左右のエレメント列を円滑に噛合させたりするために、ファスナーエレメントの外周面に潤滑性物質を付与することが知られている。
例えば特公平1−19888号公報(特許文献1)には、図13に示したように、ファスナーエレメント61に潤滑性物質を付与するために、ファスナーエレメント61の外周面に微細な溝又は凹部62を設けることが開示されている。また、この特許文献1では、ファスナーエレメント61の外周面に微細な溝又は凹部62を形成する方法として、モノフィラメントを押し出す押出ノズルの吐出孔部の周囲に微細な凹凸を形成し、同ノズルからモノフィラメントを押し出すこと、微細粒子で構成された粗面によりモノフィラメントの外周面を擦ること、又は、微細な粒子を空気と共に吹き付ける処理(例えば、サンドブラスト処理)を行うことが例示されている。
このように連続状のファスナーエレメント61の外周面に微細な溝又は凹部62を設けることにより、ファスナーエレメント61に付与された潤滑性物質を溝又は凹部62に埋め込んで、同潤滑性物質をファスナーエレメント61にしっかりと付着させることができる。このため、同ファスナーエレメント61を有するスライドファスナーに例えばクリーニングなどを行った際に、ファスナーエレメント61に付与した潤滑性物質がそのクリーニングなどによって外力を受けても、その潤滑性物質がファスナーエレメント61から剥離することを防止できる。従って、スライドファスナーにクリーニングを繰り返し施しても、潤滑性物質の効果を持続させることができ、スライダーの摺動やエレメント列の噛合を長期に渡って円滑に行うことができる。
特公平1−19888号公報
合成樹脂製のモノフィラメントからコイル状又はジグザグ状の連続したファスナーエレメントを成形した場合、得られたファスナーエレメントは、一般に光がモノフィラメントで正反射することによりモノフィラメント特有の艶を呈する。しかしながら、このような艶があるファスナーエレメントを有するスライドファスナーが、鞄、靴、衣類などのファスナー被着製品に取着される場合、そのファスナー被着製品のデザインによっては、ファスナーエレメントの艶が目立ち過ぎてしまい、そのファスナー被着製品のデザインにそぐわない場合があった。
このようなファスナーエレメントの艶についての問題を解決するために、例えば前記特許文献1に記載されているような方法を用いて、ファスナーエレメント61の外周面全体に多数の微細な凹部62を形成することにより、特許文献1の目的とは異なるものの、ファスナーエレメント61の艶を低減できる場合がある。
しかしながら、このようにファスナーエレメント61の外周面に微細な凹部62を形成する場合、同じ大きさを有する複数の凹部62をファスナーエレメント61の外周面全体に均一に形成することが難しく、ファスナーエレメント61に凹部62の密度が低い部分や高い部分が局部的に形成される場合があった。
凹部62の密度が低い部分がファスナーエレメント61に形成された場合、ファスナーエレメント61の材質や色彩によっては、ファスナーエレメント61の艶を十分に低減又は消失させることができず、ファスナー被着製品のデザインにスライドファスナーが釣り合わないことがあった。一方、凹部62の密度が高い部分がファスナーエレメント61に形成された場合、ファスナーエレメント61の艶を消失させることはできるものの、ファスナーエレメント61を構成するモノフィラメントの線径によっては、凹部62が密集することによってモノフィラメントの強度を低下させてしまい、ファスナーエレメント61の破損を生じさせる虞があった。
更に、ファスナーエレメント61に凹部62の密度が低い部分や高い部分が形成される場合、例えばスライダーを摺動させてスライドファスナーを開閉するときに、スライダーとファスナーエレメント61との間の抵抗がスライダーの摺動中に変化し、スライダーの操作に違和感を与えて、スライドファスナーの操作性に悪影響を及ぼすことがあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、モノフィラメントの強度を保持しながら、モノフィラメント特有の艶を安定して低減又は消失させることができ、更に、スライドファスナーを構成したときにスライダーの操作に違和感を与えることのないファスナーストリンガー、及び、同ファスナーストリンガーを有するスライドファスナーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるスライドファスナー用ファスナーストリンガーは、熱可塑性樹脂製のモノフィラメントから成形された連続状のファスナーエレメントが、ファスナーテープのテープ側縁部に取着され、前記ファスナーエレメントは、噛合頭部と、前記噛合頭部からテープ幅方向に延出する上下脚部と、前記上下脚部の一方を前記ファスナーテープの長さ方向に隣接する前記ファスナーエレメントの前記上下脚部の一方に連結する連結部とを有するスライドファスナー用ファスナーストリンガーであって、前記モノフィラメントの周面には、前記モノフィラメントの長さ方向に沿って連続して突設された複数の凸条部と、各凸条部間に凹設された連続する複数の凹溝部とを有し、前記凸条部の断面形態は凸状に湾曲し、前記凹溝部の断面形態は凹状に湾曲してなり、前記凸条部及び前記凹溝部の湾曲面が連続して交互に形成されてなり、前記モノフィラメントの断面において、前記凸条部の凸状湾曲面における曲率が、前記凹溝部の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定されてなり、少なくとも前記上下脚部に配された前記凸条部は、同上下脚部の延出方向に対してねじれてなり、前記上脚部又は前記下脚部にねじれて配された複数の前記凸条部は、同じ方向を向いてなること、を最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るファスナーストリンガーにおいて、前記凸条部の突出高さが、2.5μm以上200μm以下に設定されていることが好ましい。
また、前記ファスナーエレメントは、各凸条部間に凹溝部を有し、前記モノフィラメントの断面において、前記凹溝部の底部を結んで形成される第1仮想円の直径は、前記凸条部の頂部を結んで形成される第2仮想円の直径に対して、80%以上の寸法を有していることが好ましい。
本発明に係るファスナーストリンガーでは、前記モノフィラメントの断面において、各凸条部の所定位置間の円周方向における間隔は、24μm以上200μm以下に設定されていることが好ましい。
また、前記凸条部は、前記モノフィラメントの周面に12以上72以下の個数で配されていることが好ましい。
そして、本発明のファスナーストリンガーでは、上述のとおり、前記モノフィラメントの断面において、前記凸条部の凸状湾曲面における曲率は、前記凹溝部の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定されていることが重要である。
更にまた、前記モノフィラメントの断面において、前記凸条部の少なくとも1つは、頂部から一方側の前記凹溝部までに配される一曲面部と、同頂部から他方側の前記凹溝部までに配される他曲面部とが非対称的に構成されていることが好ましい。
また、本発明によれば、上述の構成を備えたファスナーストリンガーを左右一対で有するスライドファスナーが提供される。
このような本発明のスライドファスナーにおいて、前記上下脚部の延出方向に対する前記凸条部のねじれ方向は、左右の前記ファスナーストリンガーで相違していることが好ましい。
次に、本発明により提供されるファスナーストリンガーの製造方法は、押出成形用ノズルによりモノフィラメントを押出成形し、前記モノフィラメントから連続状のファスナーエレメントを成形し、前記ファスナーエレメントをファスナーテープのテープ側縁部に縫製することによりファスナーストリンガーを製造するファスナーストリンガーの製造方法であって、前記モノフィラメントの押出成形時に、前記押出成形用ノズルにより、前記モノフィラメントの長さ方向に沿って連続し、互いに平行に配される複数の凸条部と、各凸条部間に配される複数の連続する部とを前記モノフィラメントの周面に形成すること、押出成形された前記モノフィラメントに対し、前記モノフィラメントの線径を小さくするとともに、前記凸条部の突出高さが前記押出成形直後よりも小さくなるように延伸加工を行うこと、前記凸条部の断面形態は凸状に湾曲し、前記凹溝部の断面形態は凹状に湾曲してなり、前記凸条部及び前記凹溝部の湾曲面を連続して交互に形成すること、前記モノフィラメントの断面において、前記凸条部の凸状湾曲面における曲率を、前記凹溝部の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定すること、及び、延伸された前記モノフィラメントから連続状の前記ファスナーエレメントを成形すること、を最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るファスナーストリンガーは、モノフィラメントから成形された連続状のファスナーエレメントが、モノフィラメントの長さ方向に沿って連続し、モノフィラメントの周面に配された複数の微細な凸条部を有している。また、少なくとも上下脚部に配された凸条部は、同上下脚部の延出方向に対してねじれて(傾斜して)形成されており、その上脚部又は下脚部にねじれて形成された複数の凸条部は、互いに同じ方向を向いて配されている。この場合、上脚部又は下脚部に形成される複数の凸条部は、同じ方向を向くように互いに平行に配されていることが好ましい。なお、本発明において、ファスナーエレメントは連続状に成形されているため、ファスナーエレメントの曲線部分等では、凸条部を厳密に平行に配することはできない。従って、本発明において、凸条部が平行に配されているとは、主に上下脚部等の直線部分において、凸条部が略平行に配されていることを言う。
このように連続状のファスナーエレメントにおいて、モノフィラメントの長さ方向に沿って連続して形成される複数の微細な凸条部が、モノフィラメントの周面に同じ方向に配されていることにより、モノフィラメントの周面全体に凸条部を均等に設けることができ、その凸条部で光を拡散反射(乱反射)させることにより、モノフィラメントの艶を周面全体で均一に低減又は消失させることができる。
また、各凸条部が互いに同じ方向に(好ましくは平行に)配されていることにより、モノフィラメントの強度が、モノフィラメントの長さ方向において局部的に低下することも防止できる。更に、各凸条部がモノフィラメントの長さ方向に沿って連続して配されていることにより、例えばスライドファスナーを構成してスライダーを摺動操作したときに、スライダーとファスナーエレメントとの間の抵抗がスライダーの摺動中に変化することを防止できるため、スライドファスナーの操作性に影響を及ぼすこともない。
特に、本発明のファスナーストリンガーでは、ファスナーエレメントの上下脚部に配された凸条部が、同上下脚部の延出方向に対してねじれている(傾斜している)。このように凸条部の配設方向が上下脚部の延出方向に対して傾斜するようにねじれていることにより、より多くの数の凸条部をファスナーエレメントの露出面に出現させることができる。
このため、例えばモノフィラメントの延伸加工や、モノフィラメントをコイル形状又はジグザグ形状に成形する成形加工においてモノフィラメントの周面に配した凸条部が変形し、各凸条部の大きさや形状にバラツキが生じた場合でも、より多くの数の凸条部を露出面に出現させることにより、それぞれの上脚部や下脚部において艶消しの効果を均一化させて、ファスナーエレメントの全体に亘ってモノフィラメントの艶を安定して低減又は消失させることができる。
このような本発明のファスナーストリンガーにおいて、前記凸条部の突出高さは、2.5μm以上200μm以下に設定されている。各凸条部の突出高さが2.5μm以上に設定されることにより、それぞれの凸条部で光を安定して拡散反射させることができ、艶消しの効果を安定して得ることができる。また、各凸条部の突出高さが200μm以下に設定されていることにより、スライドファスナーの使用に耐えられるようなファスナーエレメント(モノフィラメント)の強度を安定して確保することができ、また、ファスナーエレメントを見たときに、エレメントの表面がギザギザしている感じを与えることを抑えられる。
この場合、ファスナーエレメントは、各凸条部間に凹溝部を有しており、モノフィラメントの断面において、凹溝部の底部を結んで形成される第1仮想円の直径は、凸条部の頂部を結んで形成される第2仮想円の直径に対して、80%以上の寸法、好ましくは90%以上の寸法を有している。
これにより、スライドファスナーの使用に耐えられるようなファスナーエレメント(モノフィラメント)の強度を安定して確保することができる。なお、第2仮想円の直径に対する第1仮想円の直径の割合の上限は特に限定されないが、凸条部にて光を拡散反射させるために、第1仮想円の直径は、第2仮想円の直径に対して99%以下の寸法を有していることが好ましい。
ここで、前記第1及び第2仮想円は、上述のように凹溝部の底部及び凸条部の頂部をそれぞれ結んで形成される仮想上の円であり、第1及び第2仮想円は、全ての凹溝部の底部及び全ての凸条部の頂部を結んで形成されることが好ましいが、全ての凹溝部の底部又は全ての凸条部の頂部を結ぶような仮想上の円を形成できない場合には、全ての凹溝部の底部又は全ての凸条部の頂部との間隔が最小になるような近似的な仮想上の円を第1仮想円又は第2仮想円とすることができる。
本発明に係るファスナーストリンガーでは、モノフィラメントの断面において、各凸条部の所定位置間の円周方向における間隔は、24μm以上200μm以下に設定されている。ここで、各凸条部の所定位置間の円周方向における間隔とは、例えば、各凸条部の頂部間の円周方向における間隔や、各凸条部の一方側の端部(裾部)間の円周方向における間隔を言い、所謂凸条部のピッチのことを指す。各凸条部間の間隔が24μm以上200μm以下に設定されていることにより、各凸条部にて光を効果的に拡散反射でき、モノフィラメントの艶をより確実に低減又は消失させることができる。
また、凸条部は、モノフィラメントの周面に12以上72以下の個数で、好ましくは12以上48以下の個数で配されている。これにより、どの方向から光が照射されても、モノフィラメントの周面に配した凸条部にて光を拡散反射でき、モノフィラメントの艶をより安定して低減又は消失させることができる。
更に、本発明のファスナーストリンガーでは、モノフィラメントの断面において、凸条部の凸状湾曲面における曲率は、凹溝部の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定されている。これにより、凸条部にて光をより安定して拡散反射できるとともに、凹溝部の深さを浅くできるため、モノフィラメントの強度を安定して確保することができる。
更にまた、モノフィラメントの断面において、凸条部の少なくとも1つは、頂部から一方側の前記凹溝部までに配される一曲面部と、同頂部から他方側の前記凹溝部までに配される他曲面部とが非対称的に構成されている。これにより、凸条部の一曲面部と他曲面部とで光の反射が一律にならないようにでき、1つの凸条部にて光をより効果的に拡散反射させることができる。
そして、上述の構成を備えたファスナーストリンガーを左右一対で有する本発明のスライドファスナーは、モノフィラメントの長さ方向に沿って連続する複数の凸条部が、モノフィラメントの周面に互いに平行に配されており、且つ、ファスナーエレメントの上下脚部に配された凸条部が、同上下脚部の延出方向に対してねじれている。
このため、ファスナーエレメントに形成された各凸条部で光を拡散反射させることにより、モノフィラメントの艶を周面全体で均一に且つ安定して低減又は消失させることができる。従って、本発明のスライドファスナーは、例えばモノフィラメント特有の艶がデザインにそぐわないファスナー被着製品などに対して、好適に使用される。
また、同スライドファスナーは、ファスナーエレメントに形成される複数の凸条部が互いに平行に、且つ、モノフィラメントの長さ方向に沿って連続して配されているため、モノフィラメントの強度がモノフィラメントの長さ方向において局部的に低下することを防止できるとともに、スライダーの摺動操作中にスライダーとファスナーエレメントとの間の抵抗が急に変化することも防止できる。このため、同スライドファスナーは、長期に渡って安定して使用できるとともに、操作性に優れている。
更に、本発明のスライドファスナーでは、上下脚部の延出方向に対する凸条部のねじれ方向は、左右のファスナーストリンガーで相違している。これにより、左右のファスナーエレメントが噛合している状態で同ファスナーエレメントに光が照射されても、左右のファスナーエレメントに配された各凸条部にて異なる方向に拡散反射させることができるため、モノフィラメントの艶をより効果的に低減又は消失させることができる。
次に、本発明に係るファスナーストリンガーの製造方法は、先ず、押出成形用ノズルによりモノフィラメントを押出成形する。このとき、押出成形用ノズルの吐出孔部の形状が例えば歯車状に形成されており、この押出成形用ノズルから熱可塑性樹脂を押出成形することにより、長さ方向に沿って連続し、互いに平行に配される複数の凸条部と、各凸条部間に配される複数の凹溝部とが周面に配されたモノフィラメントが得られる。
続いて、押出成形されたモノフィラメントに対して延伸加工を行う。このとき、本発明の製造方法では、モノフィラメントの線径を小さくするとともに、凸条部の突出高さが押出成形直後よりも小さくなるようにモノフィラメントの延伸加工を行う。このような延伸加工が行われることにより、モノフィラメントの線径を所定の大きさに制御するとともに、モノフィラメントの強度を高めることができる。
その後、延伸されたモノフィラメントから連続状のファスナーエレメントを成形する。このとき、連続状のファスナーエレメントは、例えばモノフィラメントを所定の間隔で押圧することにより膨大状の噛合頭部を形成し、その後、コイル状に捲き回すことによって成形されている。このようにして連続状のファスナーエレメントを成形することにより、上下脚部の凸条部を、同上下脚部の延出方向に対してねじれるように形成することができる。
そして、このように成形された連続状のファスナーエレメントをファスナーテープのテープ側縁部に縫製することによって、上述した構成を有する本発明のファスナーストリンガーを安定して製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るスライドファスナーを示す正面図である。 図2は、同スライドファスナーの要部を拡大して示す要部拡大図である。 図3は、同スライドファスナーに配されたファスナーエレメントの上脚部における断面図である。 図4は、同上脚部における断面を模式的に示した模式図である。 図5は、同ファスナーエレメントの上脚部における断面を拡大した拡大断面図である。 図6は、同上脚部の要部における断面を模式的に示した模式図である。 図7は、モノフィラメントを押出成形する押出成形用ノズルの吐出孔部の形状を模式的に説明する図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係るスライドファスナーを示す断面図である。 図9は、モノフィラメントの周面に12個の凸条部が配されたファスナーエレメントの上脚部における断面図である。 図10は、同ファスナーエレメントの上脚部における断面を拡大した拡大断面図である。 図11は、モノフィラメントの周面に36個の凸条部が配されたファスナーエレメントの上脚部における断面図である。 図12は、同ファスナーエレメントの上脚部における断面を拡大した拡大断面図である。 図13は、従来のモノフィラメントの一部を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の実施形態において説明する連続状のファスナーエレメントは、モノフィラメントをコイル状に成形することによって形成されているが、本発明はこれに限定されず、連続状のファスナーエレメントが、モノフィラメントをジグザグ状に成形することによって形成されていても良い。
ここで、図1は、本実施形態に係るスライドファスナーを示す正面図であり、図2は、同スライドファスナーの要部を拡大して示す要部拡大図である。また、図3は、同スライドファスナーに配されたファスナーエレメントの上脚部における断面図であり、図4は、同上脚部における断面を模式的に示した模式図である。更に、図5は、同ファスナーエレメントの上脚部における断面を拡大した拡大断面図であり、図6は、同上脚部の要部における断面を模式的に示した模式図である。なお、図4及び図6においては、本発明の特徴を判り易くするために、断面をハッチングではなく、白地で表示している。
また、以下の説明において、前後方向とは、ファスナーテープの長さ方向を指し、スライダーが摺動する摺動方向と同じ方向である。また、左右方向とは、ファスナーテープのテープ幅方向を指すものとし、ファスナーテープのテープ面に平行で、且つ、テープ長さ方向に直交する方向を指すものとする。更に、上下方向とは、ファスナーテープのテープ面に直交するテープ表裏方向を指し、特に、ファスナーテープに対してファスナーエレメントが取着されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方と規定する。
本実施形態に係るスライドファスナー1は、左右一対のファスナーストリンガー10と、同ファスナーストリンガー10のエレメント列21の一端側に固着された上止具6と、同ファスナーストリンガー10のエレメント列21の他端側に固着された下止具7と、エレメント列21に沿って摺動可能に取り付けられたスライダー8とを有しており、所謂スタンダードタイプのスライドファスナーとして構成されている。
同スライドファスナー1は、スライダー8を上止具6側に向けて摺動させることにより、左右のエレメント列21を噛合させてスライドファスナー1を閉鎖し、また、スライダー8を下止具7側に向けて摺動させることにより、左右のエレメント列21を分離させてスライドファスナー1を開くように構成されている。なお、このスライドファスナー1における上止具6、下止具7、及びスライダー8は、従来から一般的に用いられているものと同様に構成されている。
このようなスライドファスナー1を構成する左右のファスナーストリンガー10は、細幅状に織成されたファスナーテープ11と、ファスナーテープ11のテープ側縁部11bに沿って配されたエレメント列21とを有しており、同エレメント列21は、コイル状に連続したファスナーエレメント20が、後述するように上下脚部23,24内に芯紐27を挿通させた状態で、縫製糸28の二重環縫いによりファスナーテープ11に縫着されることによって構成されている。なお、本発明では、芯紐27を設けずにファスナーエレメント20をファスナーテープ11に縫着することによってエレメント列21を構成することも可能である。
本実施形態のファスナーテープ11は、衣服や鞄などのファスナー被着製品に縫い付けられる部分となるテープ主体部11aと、テープ主体部11aの一側縁側に配され、ファスナーエレメント20が取着されるテープ側縁部11b(エレメント取付部と呼ぶこともある)とを有している。
なお、本実施形態におけるファスナーテープ11は織組織により構成されているが、本発明においてファスナーテープ11の構成は特に限定されるものではなく、例えばファスナーテープ11を形成する経糸及び緯糸の材質や太さは任意に設定することができ、また、ファスナーテープ11を編組織により構成することも可能である。
本実施形態のファスナーエレメント20は、連続したコイル形状を有しており、以下で詳述するように、ポリアミドやポリエステル等の熱可塑性樹脂からなるモノフィラメント30を成形することによって構成されている。この場合、スライドファスナー1の用途に応じて、ファスナーエレメント20に染料又は顔料を用いて所望の色彩を付することや、ファスナーエレメント20に金属メッキを施すことが可能であり、また、ファスナーエレメント20を透明に構成することもできる。
このファスナーエレメント20は、前後方向(ファスナーテープ11の長さ方向)に張り出すように形成された噛合頭部22と、同噛合頭部22からテープ内方に向けてテープ幅方向に延出した一対の上下脚部23,24と、上脚部23又は下脚部24の延端部と前後方向に隣接するファスナーエレメント20の下脚部24又は上脚部23とを連結する連結部25とを有している。
なお、例えばファスナーエレメントがジグザグ状に成形されている場合、そのジグザグ状のファスナーエレメントは、噛合頭部と、同噛合頭部からテープ内方に向けてテープ幅方向に延出した一対の上下脚部と、前後方向に隣接するファスナーエレメント間を連結する連結部とを有しており、各ファスナーエレメントの上脚部は前方又は後方に隣接するファスナーエレメントの上脚部と連結部を介して連結され、また、各ファスナーエレメントの下脚部は後方又は前方に隣接するファスナーエレメントの下脚部と連結部を介して連結されている。この場合、ファスナーエレメントの上脚部と下脚部の間には、ファスナーテープが位置する。
また、同ファスナーエレメント20の周面には、ファスナーエレメント20を構成するモノフィラメント30の長さ方向に沿って連続するように突設された複数の凸条部31と、各凸条部31間に凹設された複数の凹溝部32とが設けられており、これらの複数の凸条部31及び凹溝部32は互いに平行に配されている。
なお、本発明において、凸条部31及び凹溝部32の形状は特に限定されるものではないが、例えばモノフィラメント30の断面を見たときに凸条部31及び凹溝部32の外周面が角張った形状を有している場合、凸条部31がスライダー8との摩擦により削れ易くなることや、スライダー8がファスナーエレメント20に引っ掛かり易くなってスライダー8の摺動性を低下させる虞があるため、凸条部31及び凹溝部32の外周面は湾曲面状に形成されていることが好ましい。
ここで、モノフィラメント30の断面を見たときに、各凸条部31において、モノフィラメント30の中心位置から半径方向に最も離れている地点又は部分をその凸条部31の頂部と規定する。即ち、凸条部31の頂部は、凸条部31の先端で、モノフィラメント30の断面図において仮想的に描くことができる後述の第1仮想円33又は第2仮想円34の中心部からの寸法が最も大きい位置とすることができる。
一方、各凹溝部32において、モノフィラメント30の中心位置から半径方向に最も近い地点又は部分をその凹溝部32の底部と規定する。この場合、隣り合う2つの凸条部31の頂部を結ぶ線の中点と、モノフィラメント30の断面図における第1仮想円33又は第2仮想円34の中心部とを通る半径方向の直線が、凹溝部32と交わる位置を、凹溝部32の底部と近似しても良い。
本実施形態において、ファスナーエレメント20を構成するモノフィラメント30の最大直径は0.74mmに設定されている。ここで、モノフィラメント30の最大直径とは、後述するように、各凸条部31の頂部を結んで形成される第2仮想円34の直径を言う。
また、例えば図3〜図6に上脚部23におけるモノフィラメント30の断面を示したように、同モノフィラメント30の周面には、18個の凸条部31が略等間隔で配されている。更に、各凸条部31の頂部間の円周方向における間隔(以下、この間隔を、凸条部31のピッチと記す)は、24μm以上200μm以下に設定されており、同モノフィラメント30における凸条部31のピッチの平均を求めたところ、そのピッチの平均は129μmであった。
なお、凸条部31は、後述するようにファスナーエレメント20に成形する際にその形状が潰されて変形することがあるため、凸条部31の形状によっては頂部の地点が明確に判断することができない場合もある。この場合、モノフィラメント30の最大直径から円周を求めて、その円周を凸条部31の個数で除することによって凸条部31のピッチの平均を求めても良く、その凸条部31のピッチの平均は24μm以上200μm以下であることが好ましい。
この場合、各凸条部31にの突出高さは、2.5μm以上200μm以下の範囲に設定されており、また、全ての凸条部31における突出高さの平均は、5μm以上100μm以下に設定されている。実際に、本実施形態のようにモノフィラメント30の最大直径が0.74mmに設定されている場合は、各凸条部31にの突出高さは5μm以上150μm以下の範囲(特に、5μm以上50μm以下)に設定され、全ての凸条部31における突出高さの平均は10μmであった。
このように各凸条部31の突出高さが2.5μm以上であることにより、それぞれの凸条部31及び凹溝部32にて光を安定して拡散反射させることができる。一方、各凸条部31の突出高さが200μm以下であることにより、モノフィラメント30の強度を保障する領域の面積(即ち、モノフィラメント30において、凸条部31及び凹溝部32が設けられている円周領域よりも内側の領域の面積)を適切に確保して、ファスナーエレメント20がスライドファスナー1の使用に耐え得る強度を安定して得ることができる。
また、各凸条部31の突出高さが200μm以下であれば、ファスナーエレメント20を見たときに、エレメントの表面がギザギザ又はザラザラしている感じを与えることを抑えられる。更に、凸条部31の突出高さを低くすることにより、スライドファスナー1において左右のファスナーエレメント20を噛合させる際に、左右の噛合頭部22を交互に円滑に噛み合わせられるとともに、所定のチェーン横引き強度を安定して得ることができる。
なお本発明において、凸条部31の突出高さを測定するためには、モノフィラメント30の断面において、先ず、隣り合う2つの凸条部31の頂部を結ぶ第1仮想線を描き、両凸条部31間に配される凹溝部32において前記仮想線から最も離れている地点を基準点として決定する。次に、モノフィラメント30の断面における中心位置を中心とする円であって当該基準点を通る円に対して、同基準点から接線を描くとともに、その接線に平行で、且つ、凸条部31の頂部を通る第2仮想線を描く。そして、接線と第2仮想線との間の寸法を測定することにより、凸条部31の突出高さが求められる。
また、上脚部23及び下脚部24におけるモノフィラメント30の断面において、各凹溝部32の底部を結んで形成される第1仮想円33の直径は、各凸条部31の頂部を結んで形成される第2仮想円34の直径に対して、80%以上の寸法、好ましくは90%以上の寸法を有している。
特に本実施形態の場合、各凹溝部32の底部を結んで形成される第1仮想円33の直径は0.72mmであり、各凸条部31の頂部を結んで形成される第2仮想円34の直径(モノフィラメント30の最大直径)は、0.74mmであるため、第2仮想円34の直径に対する第1仮想円33の直径の割合は、97%に設定されている。
更に、図5及び図6に示したように、互いに隣接する凸条部31の頂部を仮想的に結ぶことにより区画される各凹溝部32の空間領域の面積35は、互いに隣接する凹溝部32の底部間を仮想的に結ぶことにより区画される各凸条部31の面積36(図6にてハッチングを施した部分の面積)よりも大きく設定されている。この場合、各凹溝部32の空間領域の面積35が各凸条部31の面積36よりも大きいことが好ましいが、所定数の凹溝部32の空間領域の面積35が所定数の凸条部31の面積36よりも大きくても良く、また、各凹溝部32の空間領域の面積35の平均が各凸条部31の面積36の平均よりも大きくても良い。
上述のように本実施形態のファスナーエレメント20では、各凸条部31の突出高さが所定の範囲の大きさに制御されており、また、第2仮想円34の直径に対する第1仮想円33の直径の割合も97%と大きいため、モノフィラメント30の周面に複数の凹溝部32が形成されていても、スライドファスナー1としての使用に耐えられるようなモノフィラメント30の強度を適切に確保することができる。また、同ファスナーエレメント20では、各凸条部31及び各凹溝部32が互いに平行に配されているため、モノフィラメント30の強度が、モノフィラメント30の長さ方向において局部的に低下することも防止できる。
本実施形態のファスナーエレメント20では、モノフィラメント30の断面において凸条部31及び凹溝部32の形態を見たときに、全ての凸条部31のうちの少なくとも1つの凸条部31の凸状湾曲面における曲率が、同凸条部31に隣接する凹溝部32の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定されており、凹溝部32の湾曲面の曲がり具合が、凸条部31の湾曲面よりも緩やかになっている。このように湾曲面の曲率が凹溝部32よりも増大した凸条部31が、モノフィラメント30の周面に配されていることにより、各凸条部31で光を効果的に拡散反射させて、モノフィラメント30の艶を低減又は消失させることができる。
なお、例えば後述するように凸条部31が潰されて凸条部31の形態が崩れている場合などでは、モノフィラメント30の断面写真において、凸条部31及び凹溝部32の外周面について近似する円弧状の湾曲線を仮想的に描いて、その仮想の湾曲線に基づいて凸条部31の凸状湾曲面における曲率や、凹溝部32の凹状湾曲面における曲率を求めても良い。
特にこの場合、モノフィラメント30の周面に配される少なくとも1つの凸条部31は、モノフィラメント30の断面において、頂部から円周方向の一方側の凹溝部32までに配される一方の曲面部と、同頂部から円周方向の他方側の凹溝部32までに配される他方の曲面部とが非対称的に構成されている。このようにモノフィラメント30の断面を見たときに、凸条部31が頂部を挟んで左右で非対称となるように形成されていることにより、当該凸条部31で光を反射するときに、一方の曲面部と他方の曲面部とで反射の仕方を異ならせることができるため、光をより効果的に拡散反射させることができる。
更にまた、本実施形態のファスナーエレメント20では、図2に示したように、上下脚部23,24に配された凸条部31及び凹溝部32の配設方向が、上下脚部23,24の延出方向であるテープ幅方向に対してねじれた(傾斜した)状態となっている。
特に本実施形態の場合、スライドファスナー1を正面側から見たときに(図1を参照)、上脚部23上の凸条部31及び凹溝部32は、噛合頭部22側から連結部25に向けて、前方側(上止具6側)へ傾斜するようにねじれて配されている。この場合、上脚部23上の凸条部31及び凹溝部32は、互いに平行で同じ方向に傾斜するようにねじれている。
下脚部24は、スライドファスナー1を正面側から見たときに、上脚部23の下側に位置するため見えないが、コイル状のファスナーエレメント20を正面と反対側の背面側から見たときに、下脚部24上の凸条部31及び凹溝部32は、噛合頭部22側から連結部25に向けて、前方側(上止具6側)へ傾斜するようにねじれて配されている。
なお本発明において、凸条部31及び凹溝部32のねじれる方向は、本実施例1の場合とは反対の向きであっても良い。つまり、ファスナーエレメント20の上脚部23を正面側から見たときに、噛合頭部22側から連結部25に向けて、後方側(下止具7側)へ傾斜するようにねじれて配されていても良い。
本実施形態の場合、下脚部24上の凸条部31及び凹溝部32は、互いに平行で同じ方向に傾斜するようにねじれている。なお、上下脚部の凸条部31及び凹溝部32のねじれる方向は、ジグザグ状のファスナーエレメントでも同様である。
このため、左右のファスナーエレメント20を噛合させてスライドファスナー1を閉じた場合、右側のファスナーエレメント20の上下脚部23,24に配される凸条部31及び凹溝部32と、左側のファスナーエレメント20の上下脚部23,24に配される凸条部31及び凹溝部32とは、互いに異なる方向にねじれた状態となる。
即ち、左右の各ファスナーエレメント20をそれぞれファスナーテープ11に縫い付けて左右のファスナーストリンガー10を構成したときに、左側のファスナーストリンガー10においてファスナーエレメント20の凸条部31及び凹溝部32のねじれる方向と、右側のファスナーストリンガー10においてファスナーエレメント20の凸条部31及び凹溝部32のねじれる方向とは相違する。ここで、ねじれる方向の相違とは、左右一方のファスナーエレメント20の上下脚部23,24上の凸条部31又は凹溝部32のねじれによる傾斜の延長線と、他方のファスナーエレメント20の上下脚部23,24上の凸条部31又は凹溝部32のねじれによる傾斜の延長線とが、互いに角度をもって交差することである。なお、例えば凸条部31又は凹溝部32のねじれによる傾斜が円弧状である場合には、傾斜の延長線はその円弧の接線とすることができる。
このように上下脚部23,24の凸条部31及び凹溝部32が上下脚部23,24の延出方向に対してねじれて配されていることによって、例えば凸条部31及び凹溝部32が上下脚部23,24の延出方向に対して平行に配されている場合に比べて、より多くの数(種類)の凸条部31をファスナーエレメント20の露出面となる上面側に出現させることができる。
従って、モノフィラメント30の周面に配した各凸条部31の大きさや形状にバラツキが生じている場合でも、各ファスナーエレメント20において、より多くの数(種類)の凸条部31にて光を拡散反射させることにより艶消しの効果を均一化させることができるため、ファスナーエレメント20の全体に亘ってモノフィラメント30の艶を安定して低減又は消失させることができる。
次に、本実施形態に係るファスナーストリンガー10を製造する方法について説明する。
先ず、ファスナーテープ11とファスナーエレメント20とを準備する。ファスナーテープ11は、例えば織機を用いて経糸の開口内にキャリアーバーを往復運動させて緯糸を挿入することにより、所望の織組織で織成される。
また、ファスナーテープ11とは別にファスナーエレメント20を得るために、先ず、図7に示したような押出成形用ノズル40を用いて、ポリアミドやポリエステル等の熱可塑性樹脂からなるモノフィラメント30を押出成形する。このとき、押出成形用ノズル40の吐出孔部41の形状が、吐出孔部41の周縁部に18個の凸部42を有する歯車状に形成されている。また、吐出孔部41の凸部42と各凸部42間に形成される凹部43とは対称的な形状を有し、凸部42の凸状湾曲面における曲率と凹部43の凹状湾曲面における曲率とは略同じ大きさに設定されている。
このため、当該押出成形用ノズル40から熱可塑性樹脂を押出成形することにより、長さ方向に沿って連続し、互いに平行に配される複数の凸条部31と、各凸条部31間に配される複数の凹溝部32とが周面全体に配されたモノフィラメント30が得られる。なお、この押出成形によって得られるモノフィラメント30の最大直径は、2.2mm程度である。
続いて、上述のように押出成形されたモノフィラメント30に対して延伸加工を行う。この延伸加工を行うことにより、モノフィラメント30の線径を小さくするとともに、高分子の配向結晶化によりモノフィラメント30の強度を増大させることができる。また、上述の押出成形直後のモノフィラメント30、及び延伸加工中のモノフィラメント30は、同モノフィラメント30の中心線に近くなるほど内圧を大きく受けて外側に向けて膨らみ易くなる。その結果、延伸加工後のモノフィラメント30は、凹溝部32の凹状湾曲面の曲率が小さく(曲率半径が大きく)なって、凹状湾曲面の曲がり具合が凸条部31の凸状湾曲面よりも緩やかになるとともに、凸条部31の突出高さを押出成形用ノズル40の吐出孔部41の形状に基づく寸法よりも小さくすることができる。
具体的には、本実施形態において延伸加工を行うことにより、モノフィラメント30の最大直径を、延伸加工前の寸法(2.2mm)の1/3の大きさとなる0.74mmの大きさまで小さくできる。また、凸条部31の突出高さが5μm以上100μm以下の範囲になり、且つ、全ての凸条部31の突出高さの平均が10μmとなるように凸条部31の大きさを制御することができ、それによって、上述したように、モノフィラメント30の断面において、各凹溝部32の底部を結んで形成される第1仮想円33の直径を、各凸条部31の頂部を結んで形成される第2仮想円34の直径の80%以上の大きさに制御して、スライドファスナー1としての使用に耐え得るようなモノフィラメント30の強度を安定して得ることができる。
その後、延伸されたモノフィラメント30から連続状のファスナーエレメント20を成形する。このとき、連続状のファスナーエレメント20は、例えばモノフィラメント30を所定の間隔で押圧することにより膨大状の噛合頭部22を形成し、その後、同モノフィラメント30をコイル状に捲き回すことによって成形されている。
このようにして連続状のファスナーエレメント20を成形することにより、上下脚部23,24の凸条部31の方向を、同上下脚部23,24の延出方向に対してねじることができる。なお、モノフィラメント30から連続状のファスナーエレメント20を成形する際に、モノフィラメント30自体が様々な応力を受けるため、モノフィラメント30の周面に配された凸条部31及び凹溝部32の中には、凸条部31が潰されることによって塑性変形するものがある。
また、ファスナーエレメント20の噛合頭部22や連結部25は、同ファスナーエレメント20の上下脚部23,24に比べて、ファスナーエレメント成形時における塑性変形量が大きいため、噛合頭部22や連結部25に配される凸条部31の突出高さ(凹溝部32の深さ)は、上下脚部23,24よりも低くなる。これにより、ファスナーストリンガー1を構成したときに、スライダー8の摺動性を向上させることができる。
そして、このように成形された連続状のファスナーエレメント20を、その後ファスナーテープ11のテープ側縁部11bに縫製することによって、上述した構成を有する本実施形態のファスナーストリンガー10を安定して製造することができる。なお、本実施形態では、モノフィラメント30から連続状のファスナーエレメント20を成形しながら、その成形したファスナーエレメント20を連続してファスナーテープ11のテープ側縁部11bに縫製することもでき、これによって、ファスナーストリンガー10の製造を効率的に行うことができる。
このようにして製造された本実施形態に係るファスナーストリンガー10では、モノフィラメント30の長さ方向に沿って連続して形成される18個の凸条部31と、各凸条部31間に形成される18個の凹溝部32とが、モノフィラメント30の周面に所定の大きさで平行に配されている。これにより、凸条部31及び凹溝部32によって、ファスナーエレメント20に照射された光の正反射を減らすと同時に、拡散反射を増加させることができるため、モノフィラメント30の艶を安定して低減又は消失させることができる。
しかも、本実施形態のファスナーストリンガー10では、ファスナーエレメント20の上下脚部23,24に配された凸条部31が、同上下脚部23,24の延出方向に対してねじれているため、上下脚部の延出方向に対して平行に配される場合より多くの数の凸条部31及び凹溝部32がファスナーエレメント20の上面側に露出している。これにより、凸条部31及び凹溝部32による艶消しの効果を均一化させることができ、モノフィラメント30の艶をファスナーエレメント20の全体に亘って均一に低減又は消失させることができる。
特に、本実施形態では、例えば前記特許文献1に例示されているようなサンドブラスト処理を行わなくても、ファスナーエレメント20の艶消しの効果が得られるため、ファスナーストリンガー10の製造工程を簡略化でき、ファスナーストリンガー10を安価に提供することが可能となる。
また、ファスナーエレメント20の周面には、所定の大きさを有する凸条部31及び凹溝部32が全体的に配されているため、ファスナーエレメント20の表面がギザギザ又はザラザラしている感じを与えることを抑えつつ、従来にはなかったファスナーエレメント20の外観(見栄え)を得ることも可能となる。
更に、凸条部31及び凹溝部32がモノフィラメント30の長さ方向に沿って連続し、且つ、互いに平行に配されていることにより、モノフィラメント30の強度が、モノフィラメント30の長さ方向において局部的に低下することを防止し、スライドファスナー1の使用に耐え得る強度を安定して確保できる。
更にまた、凸条部31及び凹溝部32の外周面が略湾曲面状に形成されているため、スライドファスナー1を構成してスライダー8を摺動操作したときに、スライダー8が凸条部31及び凹溝部32に引っ掛かってガタつくことを防止でき、スライダー8を円滑に摺動させることができる。更に、凸条部31及び凹溝部32がモノフィラメント30の長さ方向に沿って連続して配されているため、スライダー8の摺動操作中にスライダー8とファスナーエレメント20との間の抵抗が変化することも防止でき、スライドファスナー1の良好な操作性を安定して確保することができる。
そして、上述のような構成を備えたファスナーストリンガー10を左右一対で有するスライドファスナー1は、ファスナーエレメント20の全体に亘ってモノフィラメント30の艶が低減又は消失している。特に、同スライドファスナー1では、上述したように、右側のファスナーエレメント20の上下脚部23,24に配された凸条部31及び凹溝部32と、左側のファスナーエレメント20の上下脚部23,24に配された凸条部31及び凹溝部32とが互いに異なる方向にねじれている。
これにより、左右のファスナーエレメント20に配された凸条部31及び凹溝部32にて、それぞれ異なる方向に拡散反射させることができるため、モノフィラメント30の艶をより効果的に低減又は消失させることができる。従って、同スライドファスナー1は、モノフィラメント30特有の艶がデザイン的にそぐわないようなファスナー被着製品などに対して、好適に使用することができる。
なお、上述の実施形態においては、スタンダードタイプのスライドファスナー1、及び同スライドファスナー1に用いられるファスナーストリンガー10について主に説明しているが、本発明において、スライドファスナー1の種類は特に限定されるものではなく、例えば隠しタイプのスライドファスナーに対しても本発明を好適に適用することができる。
ここで、図8を参照しながら、上述の実施形態とは異なる隠しタイプのスライドファスナー1aについて簡単に説明する。この隠しタイプのスライドファスナー1aは、左右一対のファスナーストリンガー50と、従来から一般的に用いられている図示しない上止具、下止具、及びスライダーとを有している。
前記ファスナーストリンガー50は、略U字状に折り曲げられたファスナーテープ51と、ファスナーテープ51のテープ側縁部51bに沿って配されたエレメント列21aとを有しており、同エレメント列21aは、コイル状に連続したファスナーエレメント20が縫製糸28によってファスナーテープ51に縫着されることによって構成されている。この場合、ファスナーテープ51は、左右のエレメント列21aを噛合させたときに、左右のファスナーテープ51のテープ折曲部51c同士が接触するように構成されている。
また、隠しタイプのスライドファスナー1aにおいて、ファスナーエレメント20は、前述の実施形態と同様に構成されており、噛合頭部22、上下脚部23,24、及び連結部25を有しているものの、ファスナーテープ51に対して縫着されるファスナーエレメント20の向きが前述の実施例1とは異なる。
即ち、ファスナーエレメント20の縫製を行う場合、ファスナーテープ51が上述のように折り曲げられる前に、ファスナーエレメント20の上下脚部23,24間に芯紐27を挿通させるとともに、噛合頭部22をファスナーテープ51のテープ内方側に向けた状態で、上下脚部23,24をファスナーテープ51のテープ側縁部51bに縫い付ける。その後、ファスナーテープ51をU字状に折り曲げて、更に、その折り曲げられた形態のファスナーテープ51に熱セットが施されることによって、ファスナーエレメント20の噛合頭部22がファスナーテープ51のテープ折曲部51cから外方に突出した状態のファスナーストリンガー50が得られる。
このようにして得られたファスナーストリンガー50を2つ一組で組み合わせることにより、左右のファスナーエレメント20の噛合頭部22同士を適切に噛み合わせることが可能な隠しタイプのスライドファスナー1aを構成することができる。なお、この隠しタイプのスライドファスナー1aは、例えばファスナーエレメント20をスライドファスナー1aの外面側(外部に露出する側)に配されるように、衣服や鞄などのファスナー被着製品に取り付けて使用することも可能である。
このような隠しタイプのスライドファスナー1aであっても、ファスナーエレメント20の周面全体に、前述の実施形態に係るスタンダードタイプのスライドファスナー1と同様の凸条部31及び凹溝部32が配されているため、スタンダードタイプのスライドファスナー1にて説明した効果と同様の効果を得ることができる。
また、前述の実施形態に係るスタンダードタイプのスライドファスナー1や、変形例に係る隠しタイプのスライドファスナー1aにおいては、ファスナーエレメント20を構成するモノフィラメント30の線径(最大直径)が0.74mmであり、同モノフィラメント30の周面に18個の凸条部31が配されている場合について説明している。しかし、本発明において、モノフィラメント30の線径(最大直径)の大きさや、モノフィラメント30の周面に配される凸条部31及び凹溝部32の個数は特に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
なお、モノフィラメント30の周面に配される凸条部31及び凹溝部32の個数を設定する場合、モノフィラメント30の線径(最大直径)の大きさによっても異なるが、例えばモノフィラメント30の線径が0.35mm以上2.30mm以下の範囲内にある場合では、凸条部31及び凹溝部32によって光を効果的に拡散反射させてモノフィラメント30の艶を確実に低減又は消失させるために、モノフィラメント30の周面に配される凸条部31及び凹溝部32の数を12個以上72個以下に、特に12個以上48個以下に設定することが好ましい。
例えばモノフィラメント30の線径(最大直径)が前述の実施形態と同様に0.74mmに設定した場合、当該モノフィラメント30の周面に配される凸条部31及び凹溝部32の数を、図9及び図10に示したように12個に設定することによっても、また、図11及び図12に示したように36個に設定することによっても、モノフィラメント30の強度を確保しながら、モノフィラメント30の艶を効果的に低減又は消失させることができる。
1,1a スライドファスナー
6 上止具
7 下止具
8 スライダー
10 ファスナーストリンガー
11 ファスナーテープ
11a テープ主体部
11b テープ側縁部
20 ファスナーエレメント
21,21a エレメント列
22 噛合頭部
23 上脚部
24 下脚部
25 連結部
27 芯紐
28 縫製糸
30 モノフィラメント
31 凸条部
32 凹溝部
33 第1仮想円
34 第2仮想円
35 空間領域の面積
36 凸条部の面積
40 押出成形用ノズル
41 吐出孔部
42 凸部
43 凹部
50 ファスナーストリンガー
51 ファスナーテープ
51b テープ側縁部
51c テープ折曲部

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂製のモノフィラメント(30)から成形された連続状のファスナーエレメント(20)が、ファスナーテープ(11,51) のテープ側縁部(11b,51b) に取着され、前記ファスナーエレメント(20)は、噛合頭部(22)と、前記噛合頭部(22)からテープ幅方向に延出する上下脚部(23,24) と、前記上下脚部(23,24) の一方を前記ファスナーテープ(11,51) の長さ方向に隣接する前記ファスナーエレメント(20)の前記上下脚部(23,24) の一方に連結する連結部(25)とを有するスライドファスナー用ファスナーストリンガー(10,50) であって、 前記モノフィラメント(30)の周面には、前記モノフィラメント(30)の長さ方向に沿って連続して突設された複数の凸条部(31)と、各凸条部(31)間に凹設された連続する複数の凹溝部(32)とを有し、
    前記凸条部(31)の断面形態は凸状に湾曲し、前記凹溝部(32)の断面形態は凹状に湾曲してなり、前記凸条部(31)及び前記凹溝部(32)の湾曲面が連続して交互に形成されてなり、 前記モノフィラメント(30)の断面において、前記凸条部(31)の凸状湾曲面における曲率が、前記凹溝部(32)の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定されてなり、
    少なくとも前記上下脚部(23,24) に配された前記凸条部(31)は、同上下脚部(23,24) の延出方向に対してねじれてなり、
    前記上脚部(23)又は前記下脚部(24)にねじれて配された複数の前記凸条部(31)は、同じ方向を向いてなる、
    ことを特徴とするファスナーストリンガー。
  2. 前記凸条部(31)の突出高さが、2.5μm以上200μm以下に設定されてなる請求項1記載のファスナーストリンガー。
  3. 前記ファスナーエレメント(20)は、各凸条部(31)間に凹溝部(32)を有し、
    前記モノフィラメント(30)の断面において、前記凹溝部(32)の底部を結んで形成される第1仮想円(33)の直径は、前記凸条部(31)の頂部を結んで形成される第2仮想円(34)の直径に対して、80%以上の寸法を有してなる、請求項1記載のファスナーストリンガー。
  4. 前記モノフィラメント(30)の断面において、各凸条部(31)の所定位置間の円周方向における間隔は、24μm以上200μm以下に設定されてなる請求項1記載のファスナーストリンガー。
  5. 前記凸条部(31)は、前記モノフィラメント(30)の周面に12以上72以下の個数で配されてなる請求項1記載のファスナーストリンガー。
  6. 前記モノフィラメント(30)の断面において、前記凸条部(31)の少なくとも1つは、頂部から一方側の前記凹溝部(32)までに配される一曲面部と、同頂部から他方側の前記凹溝部(32)までに配される他曲面部とが非対称的に構成されてなる請求項3記載のファスナーストリンガー。
  7. 請求項1〜請求項の何れかに記載のファスナーストリンガー(10,50) を左右一対で有することを特徴とするスライドファスナー。
  8. 前記上下脚部(23,24) の延出方向に対する前記凸条部(31)のねじれ方向が、左右の前記ファスナーストリンガー(10,50) で相違してなる、請求項7記載のスライドファスナー。
  9. 押出成形用ノズル(40)によりモノフィラメント(30)を押出成形し、前記モノフィラメント(30)から連続状のファスナーエレメント(20)を成形し、前記ファスナーエレメント(20)をファスナーテープ(11,51) のテープ側縁部(11b,51b) に縫製することによりファスナーストリンガー(10,50) を製造するファスナーストリンガーの製造方法であって、
    前記モノフィラメント(30)の押出成形時に、前記押出成形用ノズル(40)により、前記モノフィラメント(30)の長さ方向に沿って連続し、互いに平行に配される複数の凸条部(31)と、各凸条部(31)間に配される複数の連続する凹溝部(32)とを前記モノフィラメント(30)の周面に形成すること、
    押出成形された前記モノフィラメント(30)に対し、前記モノフィラメント(30)の線径を小さくするとともに、前記凸条部(31)の突出高さが前記押出成形直後よりも小さくなるように延伸加工を行うこと、
    前記凸条部(31)の断面形態は凸状に湾曲し、前記凹溝部(32)の断面形態は凹状に湾曲してなり、前記凸条部(31)及び前記凹溝部(32)の湾曲面を連続して交互に形成すること、
    前記モノフィラメント(30)の断面において、前記凸条部(31)の凸状湾曲面における曲率を、前記凹溝部(32)の凹状湾曲面における曲率よりも大きく設定すること、及び、
    延伸された前記モノフィラメント(30)から連続状の前記ファスナーエレメント(20)を成形すること、
    を含んでなることを特徴とするファスナーストリンガーの製造方法。
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