JP5586675B2 - 開口部の閉止装置及びその維持方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラント、建屋、建物など、各種施設における開口部を閉止するための閉止装置、その検査方法及び維持方法に関する。
各種プラント等においては、下階ないし上階に通じる階段口や、機器を搬入・搬出するためのハッチなど、閉止されていない一定の範囲の開放部(開口部)が存する。これら開口部は開放が常態として予定されており、一般に閉止は予定されていないため、設備として扉などの閉止手段が設けられないのが通常である。しかしながら、例えば開口部の下部で有毒物質、ガス等が発生した場合、その拡散を防ぐため、開口部を閉止すべき事態が生じ得る。
一例として、原子力発電所建屋内において上下階に連通する機器搬入用開口ハッチ(開口部)の閉止が挙げられる。例えば大地震、津波などが発生すると、原子力発電所の建屋の地下階に、高濃度の放射能汚染水が溜まる事態が生じることがある。そのような事態が生じた場合、汚染水は移送されるので、汚染水の水位が下がる。その結果、汚染水が接していた壁面が乾き、壁面から放射性ダストが発生する。この放射性ダストは、例えば前記連通する機器搬入用開口ハッチ(開口部)を通じて上階等に飛散するおそれがある。そのため、この開口部を早急に閉止し、放射性ダストが開口部から飛散、拡散することを防ぐ必要がある。
建屋等における開口部を閉止する手段としては、一般に、開口部に鉄板を設置することが挙げられる。その場合、鉄板を固定し重量を支えるための額縁も設けられる。
鉄板と額縁を用いて開口部を閉止する場合、作業前に、鉄板の大きさを決定するために開口部の寸法を厳密に測定したり、鉄板の搬入・据付を行うために開口部付近の調査を行ったりする必要がある。また、額縁を固定するには、アンカーを打ち込む作業を開口部にて行う必要がある。しかしながら、設備や開口部の構造から開口部における上記作業を行うことが困難な場合があるのみならず、前記原子力発電所の建屋の例のように、地下階に高濃度の放射能汚染水が滞留しているような状態では、そもそも作業者が開口部に近づくことができない事態も存する。
また、鉄板や額縁は重量があるため、その搬入・据付を行うには重機を用いなければならないのが通常であるが、設備の構造や開口部の位置などから重機を設置すること自体が容易でない場合もあり、更に重機を用いず全ての作業を人力で行わざるを得ない場合もある。
鉄板の設置を人力で行う場合、鉄板を分割して設置することも考えられる。しかし、この場合には、鉄板を支えるための骨組みを設置することが必要となる。額縁については、分割することはできない。そのため、鉄板や額縁の搬入・据付を人力で行うほかないことがあり得るが、前記のように、開口部で作業を行うことが、設備等の構造上のみならず、前記高濃度放射能汚染水の滞留のように、状況的に困難である場合が存する。
更に、各種施設・建屋等において、開口部の上部や下部には足場その他の干渉物が張り出しているのが通常であり、開口部の閉止はこれを避けながら行うことを要する。また開口部付近には配管などの設備品が多数付設されており、これらを破損させないようにしながら開口部を閉止しなければならない。
開口部閉止後については、必要に応じ閉止状態を長期間維持できなければならない。一方、閉止後に開口部から機材の搬入・搬出を行う等の必要が生じることがあり、その場合、一旦開口部を開放し、必要な作業を行った後、再度開口部を閉止することを要するが、かかる開閉は容易に行える必要がある。また、この開閉作業においても、前記同様、作業者が開口部に近づけない場合があることを想定しなければならない。
従来技術には、巨大な遮蔽扉、特に原子炉用の遮蔽扉に関する特許文献1や、放射線を遮蔽し、屈曲性を有する放射線遮蔽マットに関する特許文献2などがみられるが、上記諸問題に対応できるものではない。
特許出願公告昭49−38800 特開2011−247666
本発明は上記の問題点を解決することを課題とする。より具体的には、本発明は、プラントなど各種施設における開口部を、従来の鉄板や額縁に依らず、かつ閉止装置の設置に重機を用いなくても確実に閉止することができる開口部の閉止装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、干渉物や設備品など開口部の閉止に障害となり得る物の存否に関わらず、開口部を容易に開閉することができる閉止装置を提供することを課題とする。
更に、本発明は、開口部の閉止状態を長期間維持できるとともに、一度閉止した後も必要があれば容易に開閉することができる開口部の閉止装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、プラントなど各種施設における開口部を、作業者が開口部に接近せずに開閉することができる閉止装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記いずれかの閉止装置の検査方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記いずれかの閉止装置の維持方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1の側面として、本発明は、気体を充填する気室を有する袋体と、前記気室に気体を流入させるための気体流入手段と、上方から吊り下げられる前記袋体を開口部に位置させる袋体維持手段と、を有する閉止部材からなり、前記気体流入手段を通じ前記袋体の前記気室に気体が充填され、かかる袋体が前記袋体維持手段によって前記開口部に位置することにより該開口部を閉止することを特徴とする施設内の開口部の閉止装置を提供する。
第2の側面として、本発明は、前記袋体が、前記気室を複数有する複数気室構造からなる前記閉止装置を提供する。
第3の側面として、本発明は、前記袋体の前記複数気室構造が、前記袋体の内寄りに位置する内側気室と、該内側気室の外側に位置する外側気室とからなる構造である前記閉止装置を提供する。
第4の側面として、本発明は、前記閉止部材を複数有し、前記気体流入手段を通じこれら複数の閉止部材の袋体の各気室に気体が充填され、かかる複数の袋体が前記袋体維持手段によって前記開口部に位置することにより該開口部を閉止する閉止装置を提供する。
第5の側面として、本発明は、前記複数の閉止部材の各袋体の気室数が2種以上である前記閉止装置を提供する。
第6の側面として、本発明は、前記複数の閉止部材のうちいくつかの閉止部材の袋体が前記気室を複数有する複数気室構造からなり、他の閉止部材の袋体が前記気室を一つのみ有する単一気室構造からなる前記閉止装置を提供する。
第7の側面として、本発明は、前記袋体の上面に袋体たわみ防止部材を設け、前記袋体維持手段を前記袋体たわみ防止部材に接続するものとした前記いずれかの閉止装置を提供する。
第8の側面として、本発明は、前記気体流入手段から前記気室に継続して気体が供給され加圧されることにより、開口部の閉止状態を維持するようにした前記いずれかの閉止装置を提供する。
第9の側面として、本発明は、前記袋体内に加圧し、その後、前記袋体を放置して該袋体の内圧の変動を監視し、内圧が落ち着いたことを確認し、その後、第1測定として、前記袋体の周囲の気圧、前記袋体の周囲の温度、及び前記袋体の内圧を測定し、前記第1測定の後、該袋体を短時間放置し、その後、第2測定として、前記袋体の周囲の気圧、前記袋体の周囲の温度、及び前記袋体の内圧を測定し、前記第1測定及び前記第2測定で得られた気圧及び温度の計測値がそれぞれほぼ同じ場合において、前記第1測定で加圧した内圧の値と前記第2測定で得られた内圧の計測値とがほぼ同じであれば、前記袋体から気体の漏れが生じていないものとする、前記いずれかの閉止装置の検査方法を提供する。
第10の側面として、本発明は、前記袋体内に加圧し、その後、前記袋体を放置して該袋体の内圧の変動を監視し、内圧が落ち着いたことを確認し、その後、第1測定として、予め定められた気圧及び気温のもとで前記袋体の内圧を測定し、前記第1測定の後、該袋体を短時間放置し、その後、第2測定として、前記第1測定時の袋体の周囲の気圧及び周囲の温度とほぼ同じ条件下で、前記袋体の内圧を測定し、前記第1測定及び前記第2測定で得られた内圧の計測値がほぼ同じであれば、前記袋体から気体の漏れが生じていないものとする、前記いずれかの閉止装置の検査方法を提供する。
第11の側面として、本発明は、前記いずれかの閉止装置を用い、前記気体流入手段から前記気室に継続して気体を供給し加圧することにより、開口部の閉止状態を維持することを特徴とする施設内の開口部の閉止方法を提供する。
本発明によれば、閉止装置を鉄板や額縁のような重量を有しないものとすることができるため、閉止装置の設置に重機を用いなくてもプラントなど各種施設における開口部を閉止することが可能となる。
施設内部の開口部の一例を示す図である。 本発明の一実施例を示す図である。 本発明の閉止装置を開口部に配置した状態の一例を示す図である。 開口部の他の例を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。 本発明の閉止装置を開口部に配置した状態の一例を示す図である。 開口部の他の例を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。 本発明の閉止装置を開口部に配置する途中の状態の一例を示す図である。 本発明の閉止装置を開口部に配置した状態の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施例では、原子力発電所の建屋内において、上下階(垂直方向)に連通する機器搬入用開口ハッチなどの開口部を、本発明による閉止装置を用いて閉止する場合を例にして説明するが、同様の開口部は、原子力発電所に限らず各種施設等に存し、本発明はそれらにも用いることができる。
(実施例1)
例えば原子力発電所施設においては、前記のとおり地震や津波等の自然災害や事故などに起因して建屋内の地下階に高濃度の放射能汚染水が滞留する事態が発生した場合、汚染水自体が危険であるのみならず、汚染水が移送された後も、壁面や床面などに付着していた汚染水が乾くとそこから放射性ダストが発生し、前記開口部を通じて上階や外部などに飛散、拡散するおそれがあるため、この開口部を早急に閉止する必要がある。しかし、通常、機器搬入用開口ハッチなどの開口部には、閉止するための扉等は設けられていない。また、地下階に高濃度の放射能汚染水が滞留しているような状態、殊に開口部が滞留する放射能汚染水の近くに位置する場合などは、作業者が開口部に近づくことができない。
図1は、かかる開口部の一例を示しており、真上(垂直方向上方)からみて横約1,000mm、縦約2,000mmの大きさの開口部1を示す図である。開口部1の下には放射能汚染水12が滞留している。
本発明の閉止装置の一実施例を図2に示す。この閉止装置2は、袋体4、気体流入手段5及び袋体維持手段6を有する閉止部材3からなる。
袋体4は、内部に、気体を充填する気室7を有する。袋体4の形状及び大きさは、開口部1の形状及び大きさに併せて適宜変更することができる。本実施例の袋体4は、図2に示すとおり、開口部1の形状及び大きさに合わせ、気体充填時に横約1,000mmを僅かに上回る程度、縦約2,000mmを僅かに上回る程度とし、高さ約300mmの直方体形状となるものとしている。なお、例えば開口部の形状が円形であれば、袋体の形状は円柱状などにしてもよい。袋体は、鉄板などと異なり、開口部の形状に適合させやすい。
袋体4の素材につき、この実施例では、対放射線劣化の少ないウレタン素材とした。袋体の素材は、耐久性、重量、開口部閉止の目的などを勘案し、適宜選択することができる。
前記気室7に気体を流入させるための気体流入手段5として、この実施例では、袋体上部に、気室7に連通するノズル5aと、このノズルに接続される管5bを設けている。別途用意した加圧装置8(図6、図10、図11参照。図2、図3、図5、図8、図9では図示を省略)を管5bの一端に接続し、そこから気体を送り込む。本実施例においては、加圧装置から気体として空気を発生させ、これを、管5bを通じノズル5aを経て気室7に送り込むようにしている。図2は、本発明に係る閉止装置3につき、気室7に空気が充填された状態を示すものである。
袋体4の気室7に気体が充填されると、その性質上、袋体4が膨張して上下に広がり、意図した形状を形成しない場合がある。これを防ぐため、図9で示すように、袋体内に上下を固定するような止め紐9を設けてもよい。
本実施例において、本発明の閉止装置2は、上下階に連通する機器搬入用開口ハッチなどの開口部1を閉止する。前記のとおり、かかる開口部1に作業者が近づくことは困難であり、作業者が開口部1からある程度離れた位置で閉止作業を行えるようにする必要がある。
上記に鑑み、前記袋体4を開口部1に位置させる袋体維持手段6として、この実施例では、閉止装置の上部にワイヤーを用いている。ワイヤー6は袋体4を安定して維持できる箇所に取付けるのが好適であり、その箇所は、袋体の形状等により異なり得る。本実施例においては、図2及び図3に示すように、4本のワイヤーを略直方体形状の袋体4の上部4隅に取り付け、上部中央付近で1本のワイヤーに結合し、この1本のワイヤーを、図3に示すように開口部1の上方に設置した吊り下げ装置10から吊るしている。
ワイヤーを用いる場合、図2に示すように、ワイヤー6を袋体4に接続するための吊りタブ11を袋体上部に設け、ワイヤー6をこの吊りタブ11に接続するように構成してもよい。
吊り下げ装置10から、ワイヤー6によって吊り下げられた袋体4を開口部1に向かって降下させ、袋体4を開口部1付近に位置させ停止させる。加圧装置から管5b、ノズル5aを通して袋体4の気室7に空気が送り込まれ、袋体4の気室7に空気が充填されると、図3に示すように袋体4が開口部1を閉止する。
袋体4が開口部1に位置した状態がワイヤー6により保たれる。また、加圧装置から随時空気を気室7に送り込み、袋体の内圧を安定させ、袋体を開口部に応じた適切な形状に保ち、開口部を閉止する。
このようにして、袋体4、気体流入手段5及び袋体維持手段6からなる閉止部材3が、開口部1を閉止し、その閉止状態を長期間保つことができる。
なお、後述の閉止装置(2気室構造などの複数気室構造の袋体からなるもの、フレーム等の袋体たわみ防止部材を用いるものなど)を本実施例程度の大きさの開口部を閉止するのに用いることも可能である。
(実施例2)
本実施例では、大きさが真上(垂直方向上方)からみて横約9,000mm、縦約3,000mmである開口部101を閉止する場合について説明する。図4はかかる開口部の一例を示す。
本実施例は、地下階に高濃度の放射能汚染水12が滞留している場合に、その近くに位置する開口面積が大きい開口部101を、本発明の閉止装置を用いて閉止する例である。
このような開口部を閉止する場合に、袋体を本実施例の開口部101と同程度の大きさとしたものを用いることは、開口部への閉止装置の設置・維持、気体の充填・維持その他諸点からみて困難である。
そこで本発明においては、閉止部材を複数有する閉止装置により、当該開口部を閉止する。この場合、例えば図2に示される閉止部材3を複数用いることも可能であるが、本実施例では、それとは別の閉止部材31を複数用いるものとした。図5は、かかる閉止部材を示している。
図5に示す閉止部材31も、袋体41、気体流入手段51及び袋体維持手段61を有する。
袋体41は、気体を充填する気室71を有する。本実施例の一つの閉止部材における袋体41は、気体充填時に横約1,000mmを僅かに上回る程度、縦約3,000mmを僅かに上回る程度、高さ約400mmの直方体形状となるものとし、この袋体41を有する閉止部材31を図6に示すように開口部101に9台並列させてこれを閉止するものとした。袋体41の素材は、ウレタンとした。
各閉止部材31の袋体41の上部に、各袋体の気室71に気体を流入させるための気体流入手段51として、各気室71に連通するノズル51aと、このノズル51aに接続される管51bを設ける。図5、図6では2つのノズル51aと管51bが示されているが、この個数は適宜決することができる。別途用意した加圧装置8を各管51bの一端に接続し、そこから気体が送り込まれる。なお、図6において各管及び各管と加圧装置の接続の図示は省略している。本実施例においては、加圧装置8から気体として空気を発生させ、これを、管51bを通じノズル51aを経て気室に送り込むようにした。図5は、本発明に係る閉止部材31につき、袋体41の内部の気室71に空気が充填されている途中の状態が示されている。
本実施例においても、実施例1と同様、袋体41を開口部101に位置させる袋体維持手段として、ワイヤーを用いる。ワイヤーは、実施例1と同様、袋体41の上部の適宜の位置に設けてもよく、また袋体41の上部に吊りタブを設け、これに接続するように構成してもよい。
更に、本発明の閉止部材には、袋体たわみ防止部材13を設けると好適である。すなわち、本実施例のワイヤーのように、袋体維持手段61が上方から吊り下げられる方式の吊り下ろし具である場合、各袋体41を小さく萎ませた状態で吊り下ろしたり、各袋体41の内部に気体を完全に充填しない状態で吊り下ろしたりして、当該閉止装置の設置場所である開口部101付近にて各袋体41を膨らませると、当該装置の設置を行い易い。これは、開口上部に機材や足場などが張り出している場合などにこれらを回避できるため、特に便宜である。しかしながら、各袋体41を吊り下ろす時にワイヤーにて四隅などを直接吊り下げると、自重により中央部がたわみ、気室71に気体を注入しても、袋体41が意図する形状とならない場合がある。特に、本実施例の袋体のように、ある程度大きさを有する場合や、縦長で厚み(高さ)があまりないような場合は、ワイヤーにて袋体を直接吊り下げると、気室に気体を注入しても、袋体が意図する形状となりにくい。そこで、かかる点を解消するため、本発明の閉止装置に袋体たわみ防止部材13を設ける。
本実施例においては、袋体たわみ防止部材13として、図5に示すように吊り下げ用フレームを用いた。この吊り下げ用フレームの形状は、袋体の形状に合わせて適宜選択することができる。吊り下げ用フレームの大きさは、袋体吊り下げ時に開口上部に干渉物がある場合はこれに接触せず、また袋体の中央付近に取付けて袋体の端部を垂らしてこれを膨らませる場合に端部が持ち上がり水平になるサイズとするのが好ましい。
本実施例においては、図5に示すように、袋体41の上部に、長方形状の吊り下げ用フレームを取り付けるためのタブ14を適宜配置して設け、これに長方形状の吊り下げ用フレーム13を取り付けた。吊り下げ用フレーム13の大きさは、袋体の上記大きさ(横約1,000mm×縦約3,000mm)に対し、横約600mm×縦約1,000mmとした。
袋体維持手段としてのワイヤー61を、この吊り下げ用フレーム13に取付ける。本実施例においては、ワイヤー61をフレームの4隅に取り付け、上部中央付近で1本のワイヤーに結合し、この1本のワイヤーを、開口部上方に設置した吊り下げ装置100から吊るすようにした。
袋体たわみ防止部材としては、上記フレームの他にも、板状などとすることもできる。
かかる袋体たわみ防止部材を用いれば、袋体を小さく萎ませた状態や、気室に気体を完全に充填しない状態で袋体を吊り下ろし、開口部付近にて気室に気体を充填して袋体を膨らませるようにしても、袋体の自重により中央部がたわむといったことがなく、袋体を意図した形状(実施例2では直方体状)に膨らますことができる。
この実施例では、ワイヤー61で吊り下げられた各袋体41は、吊り下げ装置100に設置された滑車を用い、順次、開口部101に向かって降下させるようにし、各袋体41を開口部101付近に位置させ停止させるものとした。加圧装置8から管51b、ノズル51aを通して袋体41の気室71に空気を送り込まれ、袋体の気室に空気が充填されると、図6に示すように袋体が開口部101を閉止する。
各袋体41が開口部101に位置した状態がワイヤー61により保たれる。また、加圧装置8から随時空気を気室71に送り込み、袋体の内圧を安定させ、各袋体を適切な形状に保ち、開口部101を閉止する。
このようにして、袋体、気体流入手段及び袋体維持手段からなる閉止部材が複数密着することにより、面積の広い開口部を閉止し、その閉止状態を長期間保つことができる。
(実施例3)
前記実施例2の場合において、袋体41を膨らませる過程で、各袋体が壁面に接触したり、隣り合う袋体どうしが接触したりすると、袋体が干渉され、その時点で固定されてしまい、意図する形状に膨らませることができないことがある。また、袋体に気体を充填した後も、袋体と袋体の間や、袋体と壁の間に隙間が生じてしまうこともある。壁面との接触による干渉は、実施例1のような場合でも生じ得る。
このような干渉による問題を解決するため、袋体の構造を、袋体に気室を複数設ける構造(複数気室構造)とする。本実施例においては、図8に示すように、袋体42の気室を2つ設ける2気室構造とし、袋体42の内寄りに位置する気室72a(内側気室。図8において、点線で示される内側の部分)と、この内側気室の外側に位置する気室72b(外側気室。図8において、点線で示される外側の部分)を配置するものとした。各気室72a、72bには、気体を流入させるための気体流入手段52として各気室に連通するノズル52aとこのノズルに接続される管52bをそれぞれ設ける。
この2気室構造においては、まず内側気室72aに管52b及びノズル52aを通じて空気を送り込んで充填し、最初に内側気室72aを膨らませ、袋体42につき意図する基本的な形状を形成する。その後、外側気室72bに管52b及びノズル52aを通じて空気を送り込んで充填し、隣り合う袋体42どうしの隙間や袋体42と壁の間の隙間を塞ぐ。
なお、本実施例において、袋体に複数の気室が設けられる点以外については、基本的に実施例2において述べた点と同様である。
袋体は、内側気室を膨らませる時点で干渉物に接触しないサイズとし、外側気室にて隙間を塞ぐことができるようにし、内側気室と外側気室のサイズ、及び袋体の個数を考慮して開口部を閉止するサイズとなるように構成するのが好適である。
複数気室構造は、2気室構造に限るものではなく、袋体の形状、開口部の形状、その他必要に応じ、気室数を増やすことができる。
また、上記実施例では内側気室72aの周囲を取り囲むように外側気室72bを配置したが、複数の気室の位置関係は、このような配置に限られない。例えば、外側気室(なお、1気室に限らず、外側気室を複数とすることもできる)を袋体の両端のみに配置したり、(内側・外側というよりは)単に複数の気室を並列させたり、袋体の角の部分のみを別の気室としたりすることなども可能である。また、気室を袋体の高さ方向に層状に複数設けることもできる。
以上の複数気室構造によれば、袋体を膨らませる過程で袋体どうしや袋体と壁面とが接触した時点で固定されて袋体が意図する形状に膨らまないということを防げ、また、袋体に気体を充填した後、袋体と袋体の間や、袋体と壁の間の隙間を塞げるため、開口部をより一層閉止することができる。
(実施例4)
本実施例では、大きさが真上(垂直方向上方)からみて横約9,000mm、縦約3,000mmであり、かつ付近に配管が存する開口部102を閉止する場合について説明する。図7はかかる開口部の一例を示す。
配管や足場などの干渉物15が張り出している場合、開口部に、複雑な凹凸形状の隙間が生じる。このような隙間もできるだけ塞ぎ、開口部全体を可及的に閉止しなければならない。また、この場合の開口部の閉止は、配管などを破損させないようにして行う必要がある。
以上の問題を解決するため、配管等が作出する複雑な形状の隙間部分には、これを塞ぐのに適した袋体を用いる。かかる袋体の一例として、図9に示すような丸型円柱状で袋体内に気室を一つ(気室73)有する1気室構造の袋体43などが挙げられる。かかる袋体43は上部に吊タブ11が設けられ、ワイヤー62で吊り下げられる。また、ノズル53a、管53bが設けられる。
そして、配管等が存しない開口部中央には図8の角型の袋体を用いるなど、いくつかの閉止部材、特に袋体の大きさ、形状等を異ならせるようにし、開口部を閉止することができる。
更に、異なる数の気室を有する袋体からなる閉止部材を複数組み合わせることにより、より一層適切に開口部を閉止するのが好適である。本実施例においては、一例として、図8に示す2気室構造の袋体42(角型)からなる閉止部材32と、図9に示す1気室構造の袋体43(丸型)からなる閉止部材33とを組み合わせた閉止装置22により開口部102を閉止するものとした。
また、本実施例においては、開口部そのものの形状や、配管が作出する隙間の形状に応じ、開口部の両端に丸型1気室構造の袋体43(気体充填時に底面の直径が約1,000mmを僅かに上回る程度、高さ約800mmの円柱形状)からなる閉止部材33を計5台配置し、その内側に角型2気室構造の袋体42(気体充填時に横約1,000mmを僅かに上回る程度、縦約3,000mmを僅かに上回る程度、高さ約400mmの直方体形状)からなる閉止部材32を7台配置するようにした。図10は、かかる閉止装置22が開口部を閉止する途中の状態を示し、図11は、開口部を閉止した状態を示す。なお、場合により、例えば図11の袋体43(円柱状、丸型)を四角柱状などにすることもできる。
本実施例の丸型の袋体のように、比較的小さいものを並列させて用いる場合、吊り下ろす際に例えば3台の丸型袋体を確実に所定の位置に設置できるよう、丸型袋体のすぐ上に3台を同時に設置するための吊り下げ用パイプ16aを設け、その吊り下げ用パイプが袋体の重さで傾いたり動いたりしないように、吊り下げ用パイプ内にワイヤー16bを通して天秤状に吊り、シャックル16cでまとめることもできる。図10、図11ではその例が示されている。
なお、図9に示される止め紐9は、必ずしも常に必要ではないが、前記のとおり袋体が上下に広がるのを防ぐのに好適である。この止め紐は、丸型の袋体のみならず、図2、図5、図8に示す袋体や、他の形状の袋体にも設けることができる。また、止め紐は、例えば図8の角型の袋体のように縦長であれば、長手方向に複数設けるようにすることもできる。
開口部の大きさ、形状などに応じ、本発明の閉止装置の袋体の数を増減することもできる。また、気室構造は上記のような1気室構造と2気室構造の組み合わせに限られるものではなく、様々なバリエーションを適宜選択することが可能である。
(実施例5)
本発明の閉止装置は、気体を袋体の気室に充填して開口部を閉止するものであるので、袋体から気体の漏れが生じないことを要する。また、後述の実施例6のように本発明の装置を用いて開口部を長期間閉止する場合は、袋体は長期間使用しても気体の漏れが生じないものでなければならない。そのため、袋体から気体の漏れが生じていないかどうかを確認する検査方法が必要となる。この検査は、袋体を開口部に設置する前、設置した後のいずれにおいても行う余地があるが、以下では、設置前に検査する場合を例にして当該検査方法について説明する。
袋体等から気体の漏れがないかを検査する一般的な方法は、袋体が使用状態の形状となるまで袋体の気室に気体を充填し、長時間放置した後、目視及び触診により袋体に張りがあるかどうかを確認する、というものである。
しかしながら、そのような方法は、感覚に頼らざるを得ず必ずしも正確でないばかりか、作業者によって検査結果が異なるものともなり得る。また、この方法によると、袋体を長時間放置しなければならないため、検査時間がかかるという問題もある。
以上の問題に対処する方法として、袋体の内圧の変化の有無を利用することが考えられる。すなわち、袋体から気体の漏れが生じる場合は、気体を充填し終えた直後と、その後気体を流入せず若干時間を置いた後とで、袋体の内圧に変化が生じることから、かかる変化があれば、袋体から気体の漏れが生じていると判断するものである。
ところが、袋体の内圧は、気圧の変化、気温の変化によっても影響を受ける。実験によると、例えば、気室に気体を充填し、使用の際の形状を形成した状態の内圧を1kPa(大きさ1.2m)程度とした場合、袋体の周囲温度が1度上昇すると、内圧が0.35kPa程度上昇することが判明した。これは、気体の漏れ量4641cmと等しい。
また、気圧が1hPa変化した場合、約0.1kPa変化した。なおこれは、1hPaをkPaに換算すると0.1kPaであるため、大気圧が1hPa(0.1kPa)変化すると圧力計(ゲージ圧:絶対圧力と大気圧の差)は0.1kPa変化するとの理論上の値に沿うものである。
すなわち、気圧の変化、気温の変化により、袋体の内圧が影響を受ける。したがって、単に袋体の内圧のみに着目してこれを複数回計測し、その結果を比較し、そこに変化を見出したとしても、それが気体の漏れによるものか、あるいは気温の上昇などの環境の変化によるものなのか、正確に判断することができない。
そこで、本発明においては、気温の変化及び気圧の変化を考慮しつつ、袋体の内圧の変化を測定し、袋体から気体の漏れが生じていないかを検査するものとする。
本発明の検査方法は以下の工程で行う。なお、数値は条件によるが、本実施例では、実施例4及び図8の角型2気室構造の袋体42を用いた場合で説明する。
まず、袋体の内圧を1〜2kPaまで加圧する。
その後、前記袋体を放置して該袋体の内圧の変動を監視し、袋体の最終形状として内圧が落ち着いたことを確認する。袋体を加圧した直後は内圧が安定しておらず、内圧につき正確な検査結果を得るのが困難であるため、加圧した袋体の内圧を落ち着かせる必要があるからである。内圧が落ち着くまでの時間は袋体の大きさ、流入する気体の種類その他諸条件によるが、本実施例では15分程度である。
その後、第1測定として、袋体の周囲の気圧、袋体の周囲の温度、及び袋体の内圧を測定する。気圧、気温、内圧の測定の順序は問わないが、これらの測定は短い時間内で行う。
前記第1測定の後、該袋体を短時間放置してから、第2測定として、再度、前記袋体の周囲の気圧、前記袋体の周囲の温度、及び前記袋体の内圧を測定する。気圧、気温、内圧の測定の順序は問わないが、これらの測定は短い時間内で行う。
第1測定の後、袋体を短時間放置するのは以下の理由による。第1測定の時点で袋体の内圧は落ち着いており、正確な測定は期待できるものの、第1測定の直後に続けて第2測定を行ったのでは、気体の漏れによる内圧の変化を捉えることができない。一方、第1測定後、第2測定まで袋体を長時間放置してしまうと、両測定時の環境・条件(周囲気圧、周囲気温)が変動するおそれが高くなる。そのため、第1測定と第2測定の間に短時間置くのが適切であるからである。この短時間の放置の時間は袋体の大きさにより若干異なり得るが、本実施例の袋体では約15分程度が好適である。
第1測定で得られた袋体の周囲気圧及び周囲温度の計測値と、第2測定で得られた袋体の周囲気圧及び周囲温度の計測値をそれぞれ比較する。その結果、それら両項目の計測値がほぼ同じ(同一及び後述のような誤差の範囲内を含む)であることが確認できた場合に、更に第1測定の内圧と第2測定の内圧がほぼ同じ(同一及び後述のような誤差の範囲内を含む)であれば、袋体から気体の漏れは生じていないと判定する。
一方、上記の場合において、第1測定の内圧と第2測定の内圧の値の間に、後述のような誤差の範囲を超えた変化が生じている場合は、気体の漏れその他、袋体等に何らかの異常が発生していると判断し、原因究明等必要な対応を行う。
他方、第1測定で得られた袋体の周囲気圧及び周囲温度の計測値と、第2測定で得られた袋体の周囲気圧及び周囲温度の計測値をそれぞれ比較した結果、そのいずれかに、後述のような誤差の範囲を超えた変化が生じている場合は、検査の前提となる条件が整っていないこととなるため、再度検査をやり直す。この場合、再度、内圧が落ち着いていることを確認の上、第1測定を行い、以後上記と同様となる。
上記各項目の計測値の比較においては、各計測値に完全に変化がない場合のみならず、測定上許容される誤差の範囲を含めることができる。例えば、上記実施例で用いた角型2気室構造の袋体で気体が漏えいしたものを用いて内圧を測定したところ、約15分で0.03〜0.04kPaの圧力降下がみられたことから、内圧の変化の範囲を0.1kPa以内と仮定し、内圧が0.1kPa変化する場合、気圧が1.0hPa程度、気温が0.3度程度変化するとことから、周囲気圧の変化が±1.0hPa以下、周囲温度の変化が±セ氏0.3度以下の範囲内である場合において、内圧の変化が0.1kPa以下の範囲内にあれば、当該袋体から気体の漏れが生じていないとすることが挙げられる。かかる誤差は、袋体の構造、閉止装置を使用する環境、流入する気体の種類などにより定まる。なお、このような一定の範囲を適宜考慮することは当業者にとって自明である。
以上のような本発明に係る検査方法によれば、正確に、かつ短時間で袋体から気体の漏れが生じていないかを検査することができる。特に、長時間検査して発見するような微細な漏れも、短時間で正確に発見することを可能とする。
なお、上記検査方法において、まず袋体の加圧を行い、加圧した袋体の内圧を放置してこの袋体の内圧の変動を監視し、内圧が落ち着いたことを確認し、その後、第1測定として、予め定めた気圧及び気温のもとで前記袋体の内圧を測定し、更に前記第1測定の後、該袋体を短時間放置し、その後、第2測定として、前記第1測定時の袋体の周囲の気圧及び周囲の温度とほぼ同じ条件下で、前記袋体の内圧を測定し、第1測定の内圧の計測値と第2測定の内圧の計測値がほぼ同じ(同一又は誤差の範囲内)であれば、当該袋体から気体の漏れが生じていないと判断し、該範囲内に無ければ、気体の漏れその他、袋体等に何らかの異常が発生していると判断するものとしてもよい。
以上は、袋体を開口部に設置する前に袋体から気体の漏れが生じていないかを検査する場合について説明したが、袋体を開口部に設置した後についても、同様の検査方法を用いることができる。
また、上記方法は、本発明の閉止装置のみでなく、気体を充填する袋体を用いるもので気体の漏れの有無を確認したい場合に応用することが可能である。
(実施例6)
本発明によれば、開口部を一時的に閉止するだけでなく、継続的に閉止することも可能である。例えば上記各実施例において閉止装置を設置し開口部を閉止した状態で、加圧装置から管及びノズルを通じて袋体の気室に気体を供給(加圧)し続けることにより、袋体の最終形状(開口部を閉止する際に形成される最終的な形状)を維持し、開口部を閉止する状態を保たせる。
かかる本発明の閉止状態の維持方法によれば、例えば地下階に高濃度の放射能汚染水が滞留しているような場合や有毒ガスが発生し続けているような場合など、開口部を長期間閉止する必要がある場合に対応することができる。
ところで、袋体の内圧は、前記のとおり必ずしも常に一定というわけではなく、気圧変化や温度変化により変動し得る。そして、袋体の内圧が変わると、気体供給の圧力次第では、袋体の形状が変化するおそれがあり、その結果、設置状態が乱れ、袋体と開口部の間に隙間ができるなど、充分な閉止状態が保たれなくなるおそれが生じる。これは、袋体の内圧が例えば1kPa程度などの微圧の場合に生じる可能性が高まる。
そこで、以上の問題を解決するものとして、気体を袋体の気室に継続して供給ないし加圧する場合、その圧力を、袋体が開口部を閉止できる形状に維持できる程度の圧力に保つようにするため、閉止装置(特に袋体)の周囲気圧や周囲温度の変化による影響を受けても、袋体の最終形状の変化を最小限にとどめ、開口部の閉止状態を維持できるように設定するものとする。
継続して加圧する圧力は、袋体を最終形状に加圧した時点の袋体の内圧、閉止装置を使用する環境、流入する気体の種類などにより、適宜選択する。一例として、本実施例では、実施例1〜3の場合(袋体は漏れのない正常ものを用いる)において、それぞれ、袋体に気体を充填して本発明の閉止装置により開口部を閉止した状態で袋体の内圧(袋体を最終形状に加圧した時点の袋体の内圧)が約1kPa程度であるとき、継続して加圧する際の圧力を0.1kPaと設定し、加圧を行った。7日後、30日後、90日後にそれぞれ測定したところ、袋体の形状は最終形状のまま保たれており、開口部は十分な閉止状態が保たれていることが確認された。
かかる本発明の閉止状態の維持方法によれば、種々の温度や気圧による環境下でも、開口部の閉止状態を長期間保つことができる。
なお、例えば袋体の4隅にロープを取り付け、近くの設備(手摺など)に固定することで、仮に圧力が低下したとしても袋体が開口部を閉止できるようにすることもできる。
本発明によれば、閉止装置を鉄板や額縁のような重量を有しないものとすることができるため、閉止装置の設置に重機を用いなくてもプラントなど各種施設における開口部を閉止することが可能となる。更に、干渉物や設備品など開口部の閉止に障害となり得る物の存否に関わらず開口部を容易に閉止することや、必要に応じ開口部を簡便に開閉すること、作業者が開口部に接近せずに開口部を開閉することなどが可能となる。これは、例えば、原子力発電所の建屋の地下階に高濃度の放射能汚染水が溜まる事態が生じた際に、そこから発生し得る放射性ダストが飛散・拡散するのを防止すべく機器搬入用開口ハッチなどの開口部を閉止する必要があるといったような場合、極めて有利で実用的となる。このように、本発明は、設備や開口部の構造上閉止が難しい場合のみならず、状況的に人力で閉止することが困難であるような場合にも利用可能である。更に、本発明によれば、装置の検査を適切に行うことができると共に、設置された装置を長期間維持することも可能である。よって、本発明の産業上の利用可能性は極めて大きい。
1、101、102 開口部
2、21、22 閉止装置
3、31、32、33 閉止部材
4、41、42、43 袋体
5、51、52 気体流入手段
5a、51a、52a、53a ノズル
5b、51b、52b、53b 管
6、61、62 袋体維持手段、ワイヤー
7、71、73 気室
72a 内側気室
72b 外側気室
8 加圧装置
9 止め紐
10、100 吊り下げ装置
11 吊りタブ
12 放射能汚染水
13 袋体たわみ防止部材、吊り下げ用フレーム
14 タブ
15 干渉物
16a 吊り下げ用パイプ
16b ワイヤー
16c シャックル

Claims (8)

  1. 気体を充填する気室を有する袋体であって、前記気室を複数有する複数気室構造であり、該複数気室構造が、前記袋体の内寄りに位置する内側気室と、該内側気室の外側に位置する外側気室とからなる構造である袋体と、
    前記気室に気体を流入させるための気体流入手段と、
    上方から吊り下げられる前記袋体を開口部に位置させる袋体維持手段と、
    を有する閉止部材からなり、
    前記気体流入手段を通じ前記袋体の前記気室に気体が充填され、かかる袋体が前記袋体維持手段によって前記開口部に位置することにより該開口部を閉止することを特徴とする施設内の開口部の閉止装置。
  2. 請求項1に記載の閉止部材を複数有し、
    前記気体流入手段を通じこれら複数の閉止部材の袋体の各気室に気体が充填され、かかる複数の袋体が前記袋体維持手段によって前記開口部に位置することにより該開口部を閉止する閉止装置。
  3. 請求項1に記載の閉止部材を少なくとも1以上有し、更に、該閉止部材の袋体と異なる構造の袋体を有する閉止部材を少なくとも1以上有し、
    前記気体流入手段を通じこれら複数の閉止部材の袋体の各気室に気体が充填され、かかる複数の袋体が前記袋体維持手段によって前記開口部に位置することにより該開口部を閉止する閉止装置。
  4. 前記異なる構造の袋体が前記気室を一つのみ有する単一気室構造である請求項に記載の閉止装置。
  5. 前記袋体の上面に袋体たわみ防止部材を設け、前記袋体維持手段を前記袋体たわみ防止部材に接続するものとした請求項1〜4のいずれか一項に記載の閉止装置。
  6. 前記気体流入手段から前記気室に継続して気体が供給され加圧されることにより、開口部の閉止状態を維持するようにした請求項1〜5のいずれか一項に記載の閉止装置。
  7. 前記施設が原子力発電所である請求項1〜6のいずれか一項に記載の閉止装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の閉止装置を用い、前記気体流入手段から前記気室に継続して気体を供給し加圧することにより、開口部の閉止状態を維持することを特徴とする施設内の開口部の閉止方法。
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