JP5584082B2 - プロテアソーム活性化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、プロテアソーム活性化技術に関する。
近年、活性酸素による生体内の細胞や組織で見られる様々な酸化傷害が問題になっている。活性酸素は非常に反応性が高く、生体の様々な成分を破壊し、脳卒中、心筋梗塞、白内障、リウマチ、癌、胃潰瘍、皮膚におけるしわやしみなどの様々な疾患に関与することが明らかになっている(非特許文献1)。活性酸素を増加させる要因として、加齢、過度の運動、紫外線暴露、精神的ストレスなどが知られている。活性酸素が増加すると、生体内に酸化タンパク質、いわゆる異常タンパク質が蓄積し、前述したような様々な疾患を引き起こす(非特許文献2)。皮膚においては、特に紫外線暴露による酸化障害の影響が大きく、紫外線暴露により、表皮角化細胞や皮膚線維芽細胞のDNA損傷、皮膚の弾性成分であるエラスチンやコラーゲンの分解などが起こり、しわやしみの形成を促進することが知られている(非特許文献3)。
これまで、活性酸素による酸化障害を防ぐために、抗酸化物質の摂取、適用により生体内の活性酸素を消去し、タンパク質の酸化を抑制するという試みがなされてきた。代表的な抗酸化物質として、トコフェロール類、カロテノイド類及びフラボノイド類などが知られており、これらのいくつかは食品や化粧品に配合されて利用されている。
しかしながら、抗酸化物質の摂取、適用は、生体内で発生する活性酸素の消去には関与するが、既に蓄積している異常タンパク質の除去には全く関与しない。したがって、生体内に蓄積した異常タンパク質が関与する種々の疾病の改善をするには蓄積している異常タンパク質の除去が必須となる。
生体内の異常タンパク質を除去する酵素として、プロテアソームが知られている。プロテアソームは複雑な分子構成をした巨大な多成分複合体であり、近年その生体内における生理機能の研究が注目されている。プロテアソームは、タンパク質が立体構造を形成する過程で正常な折り畳みや分子集合に支障をきたした異常タンパク質の除去を行い、タンパク質の品質管理の役割を担うとともに、紫外線や酸化ストレスなどにより、変性や傷害を受けたタンパク質を除去することにより、ストレス応答にも密接に関係している(非特許文献4)。このように、プロテアソームは異常タンパク質を除去することにより、細胞の恒常性を維持、監視する中心的役割を担う物質である。
以上のようなことから、生体内のプロテアソーム活性を促進し、種々の疾病を予防及び改善する組成物が開発されている。例えば、マンネンタケの抽出物を含むプロテアソーム活性促進剤(特許文献1)、特定のペプチド化合物を含むプロテアソーム作用増強剤(特許文献2)、プロテアソーム活性促進作用をもつ大豆由来サポニンを含む異常タンパク質除去用組成物(特許文献3)、及びケール及び/又はその抽出物を含むプロテアソーム活性促進用組成物(特許文献4)が開発されている。
さらに、本発明者は、大豆由来サポニンやケール及び/又はその抽出物のプロテアソーム活性促進成分が、生体内の異常タンパク質を除去するのみではなく、紫外線傷害を予防又は改善する作用をもつことを見出し、大豆由来のサポニンを含むことを特徴とする紫外線傷害予防又は改善用組成物(特許文献5)の開発を行っている。
皮膚老化と関連する因子としてプロテアソーム活性の低下に伴う老化タンパクの蓄積を挙げることが出来る。皮膚由来線維芽細胞に紫外線A波を照射する事でプロテアソーム活性が低下する事、シリビンを紫外線A波照射前後に添加する事でプロテアソーム活性化(トリプシン様活性)が起こり、老化タンパクの指標である酸化カルボニルタンパクが低下した事が知られている(特許文献6:特許第3914244号公報 異常タンパク質除去用組成物)。
特開2002−29996号公報 国際公開00/04042号パンフレット 特開2002−179592号公報 特開2004−91398号公報 特開2004−131431号公報 特許第3914244号公報
老化のメカニズムと制御、藤本大三郎編著、株式会社アイピーシー、平成5年6月30日 BIO Clinica、11巻、第5号、1996年 化粧品の有用性・評価技術の進歩と将来展望、日本化粧品技術者会編、薬事日報社、2001年3月31日 蛋白質 核酸 酵素、第44巻、第6号、766〜775頁、1999年、共立出版社
本発明は、異常タンパクを除去するプロテアソームを活性化するプロテアソーム活性化剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、シリビンマルトシド及びシリマリンの組み合わせで良好なプロテアソーム活性を示すことを知見したことに基づき、本発明を提案する。
すなわち、本発明は、
(1)シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とするプロテアソーム活性化剤。
(2)シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線B波被曝によるトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
(3)シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線A波被曝によるトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
(4)シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線A波被曝によるキモトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
本発明は、シリビンマルトシドとシリマリンを組み合わせて用いることにより、それぞれを単独で用いる場合と比較して、プロテアソーム活性を格段に増強することができる。そして、本発明のシリビンマルトシドとシリマリンとを組み合わせた剤は、紫外線に暴露されるとプロテアソームを活性化し、また、紫外線暴露により生じた異常タンパク質が蓄積することにより生じる白内障、皮膚がん、皮膚におけるしわやしみなどの予防又は改善することができる。特に、紫外線B波被曝によるトリプシン様活性低下を回復させる効果、紫外線A波被曝によるトリプシン様活性低下を回復させる効果、紫外線A波被曝によるキモトリプシン様活性低下による回復効果が得られる。
PDL38の若い線維芽細胞を用い、紫外線B波照射時の、シリビンマルトシド、シリマリンのトリプシン様プロテアソーム活性を示すグラフ。 PDL58の老化した線維芽細胞を用い、紫外線A波照射時の、シリビンマルトシド、シリマリンのトリプシン様プロテアソーム活性を示すグラフ。 PDL58の老化した線維芽細胞を用い、紫外線A波照射時の、シリビンマルトシド、シリマリンのキモトリプシン様プロテアソーム活性を示すグラフ。 PDL38の若い線維芽細胞を用い、紫外線B波照射時の、シリビンマルトシド、シリマリンのキモトリプシン様プロテアソーム活性を示すグラフ。
本発明のプロテアソーム活性化剤は、紫外線暴露により発生した活性酸素により産生された細胞内の変性タンパク質(異常タンパク質)を分解するプロテアーゼを活性化し、紫外線暴露による細胞傷害を抑制することにより、白内障、皮膚癌、皮膚におけるしわやしみなどの様々な疾患を予防及び改善することができる。以下に、本発明のプロテアソーム活性化剤について、詳細に説明する。
本発明で用いられるシリビンマルトシドは下記式(1)に示されるものであり、文献(Kren V. et al., J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1,2467−2474(1997))に従って、シリビンに、ルイス酸を触媒として、パーアセチルマルトースを反応させてグリコシド結合を生成し、脱アセチル化することにより得られるが、市販のものを用いることも可能である。
また、本発明で用いられるシリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)は、キク科マリアアザミ(別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CAS No.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの総称であり、確認されている主要成分はシリビン(Silybin;CAS No.22888−70−6)、シリジアニン(Silydianin;CAS No.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CAS No.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CAS No.72581−71−6)などがある(天然薬物事典、奥田拓男編)。シリマリンは古くからヨーロッパで肝臓疾患の予防及び治療を目的として使用されている。また、酸化防止剤として広く知られている。皮膚に対して有用な組成物として、乾癬及びアトピー性皮膚炎治療製剤(特許文献;特開平5−286864号公報)、フラボノリグナンとリン脂質との錯体を活性成分として含み、紅斑、火傷、皮膚又は粘膜のジストロフィー状態、皮膚炎等の治療、皮膚の老化防止及び放射線、風、太陽などの外部環境からの刺激保護に有用な組成物(特許文献;特許第2948818号)、表皮透過バリア強化剤(特許文献;特開2000−169328)皮脂分泌抑制剤(特許文献;特開2000−169332)などが知られている。シリマリンは通常マリアアザミの種実からエタノール抽出し、スプレードライにより乾燥粉末として得られるエキス原料として市販されている。本発明に使用するシリマリンは市販されているシリマリンをそのまま用いることができる。また、マリアアザミからシリビン、シリジアニン、シリクリスチン、イソシリビンなどのシリマリンの構成成分を単離、精製した化合物を用いることができる。
[評価検体]
(a)シリビンマルトシド
(b)シリマリンET/G(Indena S.P.A)
[シリビン配糖体(シリビンマルトシド)の合成]
βマルトースもしくはβラクトースの配糖体化をHelferichの方法に従ってシリビン配糖体を合成した。
シリビン(3.0 g、 6.2 mol、東京化成工業社製)とオクタ-O-アセチル-D-マルトース(6.3 g、 9.2mol、和光純薬社製)とを180 mlのジクロロメタン−アセトニトリル(1:1、v/v、関東化学社製)の溶媒中で、三ふっ化ほう素ジメチルエーテル錯体(1.14ml、 12.4 mmol、Merck Chemicals社製)を窒素存在下、室温で 19時間攪拌反応させた。反応終了後、氷冷しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(関東化学社製)を加え、150mlジクロロメタン(関東化学社製)で2回抽出処理し、無水硫酸ナトリウム(関東化学社製)処理後に抽出溶媒をエバポレーターにて除去した。
トリエチルアミン−メタノール−水(1:8:1、関東化学社製)を35℃30時間反応させたのち、エバポレーターにより溶媒を除去した。BONDESIL-C18(Varian)を用いて精製を行い、シリビンマルトシド(1.0 g, 収率20%)を得た。
[皮膚由来線維芽細胞におけるプロテアソーム活性測定]
(1)細胞培養および紫外線照射
新生児由来ヒト皮膚線維芽細胞(NHFB、三光純薬)を5%FBS含有DMEM培地でPDL(集団倍加数)をチェックしながら継代培養した。下記に定めた線維芽細胞のPDL数に達したところでプロテアソーム活性の試験に供した。
(a)紫外線B波照射にはPDL20〜40の若い細胞を用い、紫外線A波照射にはPDL45〜60の老化した細胞を用いた。
(b)トリプシン処理で剥がした線維芽細胞の細胞数をコールターカウンターで計測し、200000cells/mlの細胞密度によるように調整した。
(c)6ウェル平板プレートに細胞を100000cells/wellの密度で播種し、5%FBS含有DMEMで24h培養した。
(d)紫外線照射前に、各サンプルを10μg/ml(5%FBS含有DMEM;DMSO1%含有)の濃度で添加し、24h培養した。2者併用群に関しては5μg/mlずつ添加した。
(e)培養液をHank’s(-)液に置換し、紫外線照射を行った。
(f)照射終了後、直ちにHank’s(-)液を紫外線照射前と同一濃度条件の評価検体含有5%FBS含有DMEM(DMSO1%含有)に置換し、24h培養した。
(2)細胞懸濁液回収、プロテアソーム活性溶液調整、タンパク濃度の測定
培養液を除去しPBS(−)で各ウェルを洗浄後、各ウェルにトリプシン−EDTA(Sigma)を800μL添加し、37℃で5分間処理して線維芽細胞をディッシュ底面から剥離させ、10%FBS含有DMEM1.5mlでトリプシン反応を終止した。溶液と一部底着したままの細胞についてはスクレーパー処理で細胞を15ml容遠沈管に回収した。1,500rpm 5minの条件で遠沈して培養液を除去、PBS(−)で洗浄し再び1,500rpm 5minの条件で遠沈してDMEM中の色素(フェノールレッド)を完全に除去した。
この細胞塊をホモジナイズBuffer(50mMトリス塩酸、1mM DTT、5mM MgCl、5%(v/v)グリセリン、pH=7.5)300μLに懸濁させた。その後、氷冷中でホモジナイズ処理(UD−201超音波破砕装置、TOMY製を使用、条件は「OUT PUT 1、DUTY40、15secを2set」)した。ホモジナイズ溶液を1.5ml容エッペンチューブに全量移し、15,000rpm 10min遠心分離して上清をプロテアソーム活性溶液として回収した。
このプロテアソーム活性溶液について、Bradford法に準拠してBSA(ウシ血清アルブミン SIGMA社製)換算で全タンパク量を求めた。
発色試薬はBio−Rad protein assay(脱イオン水で5倍希釈)を用いた。
平板96ウェルプレートに
プロテアソーム活性溶液/BSA 溶媒:ホモジナイズBuffer 10μl
Bio−Rad protein assay(脱イオン水で5倍希釈)200μl
を加えて10min室温にてプレートごと撹拌反応した。吸光度590nmをプレートリーダーで計測し、BSA溶液で作成した検量線について全タンパク濃度を求めた。
(3)プロテアソーム活性の測定
トリプシン様プロテアソーム活性測定用基質Boc−Leu−Arg−Arg−MCA(ペプチド研究所)、
キモトリプシン様プロテアソーム活性測定用基質Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−MCA(ペプチド研究所)、
をそれぞれ10mM(溶媒;DMSO)で調整し、30μLずつを分注して−20℃冷凍保存した。使用時に解凍し600μLの反応液で希釈して使用した。
蛍光分析用平板96ウェルプレートに以下の溶液をそれぞれ加えた。
1.基質ペプチド(トリプシン様/キモトリプシン様) 10.5μL (蛍光分析 時の基質ペプチド濃度23.8μM)
2.反応液(100mMトリス塩酸、1mM DTT、5mM MgCl、pH= 8.0) 25μL
3.10mM ATP含有ホモジナイズBuffer 19.5μL(蛍光分析時 のATP濃度は0.975mM)
4.プロテアソーム活性サンプル(cell lysate) 20μL
上記溶液を37℃1h撹拌反応し、反応終了後に、
5.10%(w/v) SDS(反応停止液) 25μL
6.100mMトリス塩酸(pH=9.0) 100μL (全量200μL/ well)
として、プロテアソームによって基質ペプチドから遊離した7−アミノ−4−メチルクマリン(MCA)由来の蛍光強度(励起波長 Ex380nm、蛍光波長 Em440nm)を測定した。
(4)データ処理
(蛍光強度/タンパク濃度)で算出されるプロテアソーム活性について、UV(−)のコントロール群を基準(1.00)とし、平均値で他の各群と比較した。
有意差検定は紫外線照射のコントロール処理群に対する多重比較をDunett test(**:p<0.01, * p<0.05)で行った。
[紫外線B照射時のプロテアソーム活性]
[実施例1]
PDL38の若い線維芽細胞、以下の評価サンプルを用いて、プロテアソーム活性化評価を行った。
(a)紫外線B波 非照射 コントロール
(b)紫外線B波 照射 コントロール
(c)紫外線B波 照射 シリマリンET/G(10μg/ml)
(d)紫外線B波 照射 シリビンマルトシド(10μg/ml)
(e)紫外線B波 照射 シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルト シド(5μg/ml)
図1に紫外線B波照射時のトリプシン様プロテアソーム活性の結果を示す。紫外線B波非照射のコントロール(a)と比較して、紫外線B波照射によりトリプシン様プロテアソーム活性(b)は29%に低下したのに対し、紫外線B波照射シリマリンET/G(10μg/ml)添加群(c)では72%、紫外線B波照射シリビンマルトシド(10μg/ml)添加群では52%(d)のトリプシン様プロテアソーム活性を示したが、有意な差ではなかった。一方、紫外線B波照射シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルトシド(5μg/ml)併用群(e)ではトリプシン様プロテアソーム活性は98%を示し、紫外線B波照射コントロール群に対して有意にトリプシン様プロテアソーム活性を示した。併用群のトリプシン様プロテアソーム活性は、シリマリンET/G、あるいは、シリビンマルトシドを単独で添加した群と比較して、明らかに相乗効果が認められた。
[参考例1]
実施例1と同様の線維芽細胞、評価サンプルを用いてキモトリプシン様プロテアソーム活性化評価を行った。結果を図4に示す。紫外線B波非照射のコントロール(a)と比較して、紫外線B波照射によってキモトリプシン様プロテアソーム活性は37%に低下したのに対し、紫外線B波照射シリマリンET/G(10μg/ml)添加群(c)では109%、紫外線B波照射シリビンマルトシド(10μg/ml)添加群(d)では85%のキモトリプシン様プロテアソーム活性を示し、それぞれ有意にプロテアソーム活性化した。一方、紫外線B波照射シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルトシド(5μg/ml)併用群(e)ではキモトリプシン様プロテアソーム活性は91%を示し、紫外線B波照射コントロール群に対して有意にプロテアソーム活性化した。いずれの群においても有意なキモトリプシン様プロテアソーム活性を発揮したが、シリマリンET/Gとシリビンマルトシドとの併用効果を実証する事が出来なかった。
[紫外線A照射時のプロテアソーム活性]
[実施例2]
PDL58の老化した線維芽細胞、以下の評価サンプルを用いて、プロテアソーム活性化評価を行った。
(a)紫外線B波 非照射 コントロール
(b)紫外線B波 照射 コントロール
(c)紫外線B波 照射 シリマリンET/G(10μg/ml)
(d)紫外線B波 照射 シリビンマルトシド(10μg/ml)
(e)紫外線B波 照射 シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルト シド(5μg/ml)
図2に、紫外線A波照射時のトリプシン様プロテアソーム活性の結果を示す。紫外線A波非照射のコントロール(a)と比較して、トリプシン様プロテアソーム活性は紫外線A波照射によって29%に低下したのに対し、紫外線A波照射シリマリンET/G(10μg/ml)添加群(c)では96%、紫外線A波照射シリビンマルトシド(10μg/ml)添加群(d)では81%のトリプシン様プロテアソーム活性を示したが、有意な差ではなかった。一方、紫外線A波照射シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルトシド(5μg/ml)併用群(e)ではトリプシン様プロテアソーム活性は158%を示し、紫外線A波照射コントロール群(a)に対して有意にトリプシン様プロテアソームを活性化した。更に、併用群のトリプシン様プロテアソーム活性は、シリマリンET/G、あるいはシリビンマルトシドを単独で添加した群(c)(d)と比較して、明らかに相乗効果が認められた。
[実施例3]
実施例2と同様の線維芽細胞、評価サンプルを用いたキモトリプシン様プロテアソーム活性化評価の結果を図3に示す。キモトリプシン様プロテアソーム活性は紫外線A波照射によって50%に低下したのに対し、紫外線A波照射シリマリンET/G(10μg/ml)添加群(c)では128%、紫外線A波照射シリビンマルトシド(10μg/ml)添加群(d)では128%のキモトリプシン様プロテアソーム活性を示したが、有意な差ではなかった。一方、紫外線A波照射シリマリンET/G(5μg/ml)+シリビンマルトシド(5μg/ml)併用群(e)ではキモトリプシン様プロテアソーム活性は219%を示し、紫外線A波照射コントロール群(b)に対して有意にキモトリプシン様プロテアソームを活性化した。更に、併用群(e)のトリプシン様プロテアソーム活性は、シリマリンET/G、あるいはシリビンマルトシドを単独で添加した群(c)(d)と比較して、明らかに相乗効果が認められた。
[考察]
シリマリンET/G、シリビンマルトシド単独添加の同一濃度(10μg/ml)条件でのプロテアソームの活性化を試験条件[紫外線A波/B波×トリプシン様活性/キモトリプシン様活性]で総括すると、総じてシリマリンET/Gがシリビンマルトシドよりも優れたプロテアソーム活性を示した。これは、シリビンマルトシドが糖修飾されて分子量が大きく嵩高くなることで細胞膜に対する透過性がシリビンマルトシドでは低下した事に起因すると考えられる。
しかしながら、半分の濃度(5μg/ml)同士で2者を併用した時のプロテアソーム活性は、いずれの試験条件においても両成分の単独添加より優れたプロテアソーム活性を示したことから、2者併用による相乗効果があると考えられる。
シリマリンET/Gとシリビンマルトシドの相乗的なプロテアソーム活性化は、真皮線維芽細胞への添加により時間差をもって細胞膜を通過する事に起因すると推測される。このシリマリンET/Gとシリビンマルトシドの相乗的なプロテアソーム活性化作用は、生体、とりわけ皮膚の異常タンパク質や酸化タンパク質の除去や排泄に効果的に作用する。

Claims (4)

  1. シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とするプロテアソーム活性化剤。
  2. シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線B被曝によるトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
  3. シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線A被曝によるトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
  4. シリビンマルトシド及びシリマリンを有効成分とする紫外線A被曝によるキモトリプシン様プロテアソーム活性低下に対する回復剤。
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