JP5583118B2 - イソチアゾール誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、使用に難点のある(例えば、毒性の強い)原料を実質的に使用せず、廃棄物の副生を抑えることが可能な3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、タール分の生成を抑制し、より高純度の生成物を高収率且つ効率的に(例えば、工業的規模で簡便に)与えることが可能な3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法を提供することにある。
これら原料のフマロニトリル、又はマレオニトリル、又はこれらの塩素置換体には、スクシノニトリルの塩素化で製造されたものであるフマロニトリル又はマレオニトリル、又はこれらの塩素置換体、又はこれら等の混合物を用いることもでき、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールを簡便な操作で製造できる。
更に、本発明方法では毒性の強い原料を使用せず、廃棄物の副生を抑えると共にタール分を含まないより純度の高い3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールを高収率且つ効率的に工業的規模で簡便に実施可能である。したがって、本発明の方法は、環境にも優しく、且つ工業的な利用価値が高い。
〔1〕一般式(1)
本発明方法は、一般式(1)で表されるニトリル化合物と、一般式(2)で表される塩化硫黄とを用いて、非プロトン性極性溶媒中で反応させる事を特徴とする、一般式(3)で表される3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法である。
まず、本発明方法の原料として用いる、上記した一般式(1)等で表される原料化合物について説明する。
一般式(1)中のnは0〜2の整数を示す。
当スクシノニトリルの塩素化反応においては、例えば塩素化剤として、式(5)
(塩素化剤)
塩素化剤としては上述の塩素に限らず、他の公知の塩素化剤を用いて塩素化することもできる。このような「他の公知の塩素化剤」としては、例えばN−クロロスクシンイミド、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、塩化スルフリル、塩化チオニル、塩化水素等を例示することができる。
当反応は無溶媒で実施することが好ましいが、本反応及び次工程の反応を阻害しない適切な溶媒の存在下での実施を排除するものではない。本反応に使用しうる溶媒としては、反応温度において液状で溶媒として機能するものであって、本反応及び次工程の反応を阻害しないものであれば良く、例えば炭素数6乃至40の炭化水素溶媒、具体的にはヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ペンタコサン、トリコンタン、テトラコンタン、及び流動パラフィンに代表されるこれらの混合物を例示できる。溶媒の使用量は、式(4)で表される原料化合物1モルに対して、通常10.0L(リットル)以下、更には0.01〜2.0Lの範囲であることが好ましい。
当反応の反応温度としては、通常、60℃〜200℃の範囲を例示できるが、好ましくは90℃〜160℃の範囲が良い。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、通常、0.5時間〜48時間、好ましくは8時間〜36時間がよい。
本発明方法では、一般式(1)のnが0乃至2で表されるニトリル化合物の何れかの単品を単独で原料とすることもできるし、上述の工程を無溶媒で実施した場合には、得られた反応溶液そのままの粗生成物(通常、一般式(1)のnが0乃至2で表される複数のニトリル化合物の混合物となっている。)を特に精製することなく、一般式(2)で表される塩化硫黄と非プロトン性極性溶媒中で反応させることにより、目的とする3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールを製造することができる。
続いて、一般式(2)で表される塩化硫黄について説明する。
当反応における、一般式(2)で表される塩化硫黄の使用モル比は、一般式(1)で表される原料化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(1)で表されるニトリル化合物(原料化合物)1モルに対して、一般式(2)で表される塩化硫黄が、通常1.0〜10.0モル、好ましくは1.0〜4.0モルの範囲を例示できる。
当反応に用いうる溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、エチレンカーボネート、又はプロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒を用いて行うことが出来る。反応性、後処理の簡便さの点からは、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンを用いることが好ましい。溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
(非プロトン性溶媒)
非プロトン性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ピリジン、ベンゾニトリル、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、クロロホルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(アクセプター数)
ここでいう非プロトン性溶媒とは、アクセプター数が24.0以下の溶媒とする。
当反応に用いる溶媒はアクセプター数(AN)が24.0以下の非プロトン性溶媒が好ましく、アクセプター数が20.0以下の非プロトン性溶媒がより好ましく、アクセプター数が17.0以下の非プロトン性溶媒が更に好ましい。
このアクセプター数(AN)については、V.グートマン(大瀧、岡田訳)「ドナーとアクセプター」、学会出版センター(株)、1983年、又はChristian Reichardt[Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry、第2版、VCH(RFA)、1990年、23−24頁]等に記載されている。
アクセプター数(AN)とは、例えば、Mayer−Gutmannが提案したアクセプター性の尺度である。n−ヘキサン中に溶かした(C2F5)3POの31P−NMR化学シフト値を0とし、1,2−ジクロロエタン中の(C2F5)3PO・SbCl5錯体の31P−NMR化学シフト値を100としたとき、ある純溶媒中に溶かした(C2F5)3POの31P−NMR化学シフト値をANとする。AN=100δ(溶媒)/[δ(1,2−ジクロロエタン中の(C2F5)3PO・SbCl5)−δ(n−ヘキサン中に溶かした(C2F5)3PO)]である。
(比誘電率)
ここでいう極性溶媒とは、比誘電率が5以上である溶媒とする。ここに、比誘電率は、日本化学会編「化学便覧」(基礎編)、改訂5版、I−770〜777頁、丸善、2004年に記載の値とする。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であることが好ましい。例えば、一般式(1)で表される原料化合物1モルに対して0.01〜10L、好ましくは0.1〜1.0L、より好ましくは0.1〜0.5Lの範囲を例示できる。
当反応の反応温度は、70℃〜溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、90℃〜120℃の範囲が好ましい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、1時間〜20時間が好ましい。
(収率)
本発明において、目的とする生成物の収率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75〜95%であり、更に好ましくは80〜95%(特に好ましくは、83〜95%)である。
この収率は、原料である一般式(1)で表されるニトリル化合物のモル数に対する、得られる目的物の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールのモル数から計算することができる。すなわち、本発明における収率は、以下の式で表される。
収率(%)=100×{(得られた目的物のモル数)/(原料の一般式(1)のモル教)}
後述する実施例1〜8においては、原料の一般式(1)のニトリル化合物1モルから、目的の3,4−ジクロロー5−シアノイソチアゾール1モルが理論的に製造できる。よって、この理論値から、実際の収率を計算することができる。
他方、後述する比較例1においては、原料の二硫化炭素2モルから目的の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール1モルが理論的に製造できる。したがって、比較例1等における収率は、このような(二硫化炭素2モルに対する)「理論収量」のパーセンテージで表現している。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた300mlの四口フラスコに、フマロニトリル7.80g(0.100mol)、N−メチルピロリドン50ml(0.520mol)を加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄32ml(0.400mol)を滴下した。その後100℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。
その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は92%であった。尚、トルエン溶液で得られた3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールは、スペクトル測定により構造確認した。
13C−NMR 75MHz(CHCl3−d1,δ):108.2,130.9,131.0,149.8. GC−MS(m/z):178[M−1]+,180[M+1]+.
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた300mlの四口フラスコに、フマロニトリル8.98g(0.115mol)、N、N−ジメチルホルムアミド76.5ml(0.990mol)を加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄36.8ml(0.460mol)を滴下した。その後100℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は71%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
25mlのナスフラスコに、ジクロロフマロニトリル1.47g(10mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド2.5mlを加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄2.0g(15mmol)を滴下した。その後100℃に昇温し、6時間攪拌した。GC分析による反応率は100%であった。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は79%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
25mlのナスフラスコに、モノクロロフマロニトリル1.12g(10mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド2.5mlを加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄2.0g(15mmol)を滴下した。その後100℃に昇温し、3時間攪拌した。GC分析による反応率は97.5%であった。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は76%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
25mlのナスフラスコに、モノクロロマレオニトリル1.12g(10mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド2.5mlを加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄2.0g(15mmol)を滴下した。その後100℃に昇温し、3時間攪拌した。GC分析による反応率は95.5%であった。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は80%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
25mlのナスフラスコに、ジクロロマレオニトリル57mg(0.39mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド120mgを加え、攪拌しながら20〜25℃で一塩化硫黄159mg(1.18mmol)を滴下した。その後100℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない淡褐色のトルエン溶液として得た。
GC分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率はGC面積百分率で92%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた100mlの四口フラスコに、スクシノニトリル60.2g(0.75mol)を加え、120℃まで昇温し攪拌しながら塩素149.2g(2.10mol)を16時間かけて吹き込んだ。室温まで冷却し、反応液をGC分析した結果、一般式(1)(式中、nは0〜2の整数を示す。)で表されるニトリル化合物は、ジクロロフマロニトリル/モノクロロフマロニトリル/モノクロロマレオニトリル/ジクロロマレオニトリル/マレオニトリル/フマロニトリルの混合物であり、その組成比は9.0対5.9対5.3対5.1対1.5対1.0であった。
これを攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1Lの四口フラスコに移し、N、N−ジメチルホルムアミド180mlを加え、一塩化硫黄90ml(1.5mol)を攪拌しながら20〜25℃で加えた。その後100℃に昇温し、9時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却し、水を温度に注意しながら滴下し、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない褐色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は、スクシノニトリルから得られる理論量の84%であった。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造)
攪拌子、還流冷却器、温度計を備えた50mlの四ツ口フラスコに、スクシノニトリル22.0g(0.27mol)を加え、120℃まで昇温しながらマグネチックスターラーで攪拌した。塩素65.0g(0.92mol)を十分に注意しながら11時間かけて吹き込んだ。室温まで冷却し、得られた一般式(1)(式中、nは0〜2の整数を示す。)で表されるニトリル化合物であるジクロロフマロニトリル/モノクロロフマロニトリル/モノクロロマレオニトリル/ジクロロマレオニトリル/マレオニトリル/フマロニトリルの混合物を、攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1Lの四ツ口フラスコに移した。N−メチルピロリドン140ml(1.42mol)、一塩化硫黄87.8ml(1.1mol)を攪拌しながら20〜25℃で加えた。
その後100℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液を25℃まで放冷したのち、氷水にあけ、析出した硫黄をろ過で除いた。その後、トルエンにて反応生成物を抽出しタール分が少ない褐色のトルエン溶液として得た。このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの収率は、スクシノニトリルから得られる理論量の84%であった。
副生した硫黄は、目的物の0.27倍の重量として得られた。
(3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの合成:特許文献1記載の方法)
攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備え窒素置換した500mlの四口フラスコにシアン化ナトリウム56.6g(1.15mol)、N、N−ジメチルホルムアミド680ml(8.77mol)を加え、攪拌しながら20〜30℃で二硫化炭素83.8g(1.10mol)を滴下した。その後60℃に昇温し、3時間攪拌した。 反応液を25℃に冷却し塩素72.2g(1.02mol)を吹き込んだ後、60℃に昇温し、1時間攪拌した。反応液を5℃に冷却しトルエン400mL、水1000gを加え10wt%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した。析出した硫黄をろ過で除き分液にてタール分が多い暗黒色のトルエン溶液として得た。
このトルエン溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール含有濃度は11.4wt%であり、収率は、理論収量の53%であった。副生した硫黄は、目的物の2.4倍の重量として得られた。
(非プロトン性極性溶媒を用いない方法)
攪拌子、還流冷却器、温度計を備えた50mlの四ツ口フラスコに、スクシノニトリル22.0g(0.27mol)を加え、120℃まで昇温しながらマグネチックスターラーで攪拌した。塩素65.0g(0.92mol)を十分に注意しながら11時間かけて吹き込んだ。室温まで冷却し、得られた反応液を、攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1Lの四口フラスコに移した。一塩化硫黄87.8ml(1.1mol)を攪拌しながら20〜25℃で加えた。
その後100℃に昇温し、6時間攪拌したが3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールは得られなかった。
(GC分析方法)
上記したGC分析方法の詳細に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な固定相液体に関しては、第66頁を参照できる。)
(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、中空キャピラリー分離カラムの具体的な使用方法に関しては、第124〜125頁を参照できる。)
(HPLC分析方法)
上記したHPLC分析方法の詳細に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(c):(社)日本化学会編「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照できる。)
(d)(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法・条件に関しては、第135〜137頁を参照できる。)
Claims (11)
- ニトリル化合物が、一般式(1)のnが0で表されるニトリル化合物である、請求項1記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- ニトリル化合物が、一般式(1)のnが1で表されるニトリル化合物である、請求項1記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- ニトリル化合物が、一般式(1)のnが2で表されるニトリル化合物である、請求項1記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- ニトリル化合物が、一般式(1)のnが0乃至2で表されるニトリル化合物の混合物である、請求項1記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- 非プロトン性極性溶媒が、アミド系非プロトン性極性溶媒又は炭酸エステル系非プロトン性極性溶媒である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、エチレンカーボネート、又はプロピレンカーボネートあるいはこれらの混合溶媒である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素あるいはこれらの混合溶媒である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- 一般式(2)のmが1又は2で表される塩化硫黄又はその混合物が、反応系内で調整されたものである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
- 一般式(2)で表される塩化硫黄が、mが2で表される一塩化硫黄である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾールの製造方法。
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