JP5582985B2 - バイオマスガス化システム及びバイオマスガス化ガスの精製方法 - Google Patents
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Description
特に、吸着剤(バイオマスチャー、活性炭等)は、吸着容量だけ吸着した後は、吸着能力が低下するので、交換(廃棄)あるいは再生する必要がある。
生成ガスからの液体燃料合成においては、一般的にタール成分と呼ばれる沸点200℃以上の炭化水素(重質ハイドロカーボン)に加え、軽質(沸点200℃以下)であっても例えばベンゼン等の不飽和炭化水素も除去する提案がある(特許文献3)が、以下の課題がある。
2) この際、軽質ハイドロカーボンは脱着が比較的容易であるが、重質ハイドロカーボンは脱着しにくいため、重質及び軽質ハイドロカーボンを含むガス化ガスを吸着させた場合、吸着剤の再生が困難である、という問題がある。
3) 生成ガス中の軽質ハイドロカーボンは相当量の熱量を有しており、除去することによりバイオマスエネルギーをガスに変換した際のエネルギーの損失となり、エネルギー転換率の低下となる、という問題がある。
図1に示すように、バイオマスガス化システム10Aは、バイオマス供給装置12により供給されたバイオマス11をガス化するバイオマスガス化炉13と、該バイオマスガス化炉13で生成されたガス化ガスである生成ガス14中に含まれるバイオマスガス化チャー(以下、「チャー」という)30を除去する第1の除塵手段15と、該チャー30が除去された生成ガス14を冷却する生成ガス冷却器16と、冷却後の生成ガス14中の粉塵を除塵する第2の除塵手段17と、第2の除塵手段17で除塵された生成ガス14中のタール成分を吸着・除去する第1のタール除去塔19と、第1のタール除去塔19の後流側に設けられ、生成ガス14中に残存する軽質ハイドロカーボンを吸着・除去する第2のタール除去塔41とを具備する。なお、本実施例では、冷却器16の前後に第1の除塵手段15及び第2の除塵手段17を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、チャー及び粉塵量や、除塵装置の集塵性能によっては、いずれかの除塵手段を設ける必要はない。
このバイオマス原料21を熱分解して生成ガスを得る際に、その熱分解によって生じる生成ガス中に含まれる有機物をタール成分といい、その主成分は芳香族成分である。
ここで、第1のタール除去塔19及び第2のタール除去塔41でタール成分を吸着・除去する充填剤としては、例えば活性炭、活性炭素繊維又はバイオマスチャー等を用いるようにしている。
なお、再生により脱離した軽質ハイドロカーボンガスは、ガス化炉13又はバイオマス乾燥用の熱風炉(図示せず)に再投入して、熱源として再利用することができる。
なお、生成ガス14中の軽質ハイドロカーボンはその濃度が高く、第2のタール除去塔41のタール吸着剤層は比較的早く破過するが、 軽質ハイドロカーボンは脱着が容易なため、脱着・再生して繰り返し利用することができる。
図4は、ガス中にベンゼン(1,000ppm)のみの場合と、ベンゼン(1,000ppm)にH2Sを添加(30ppm)した場合と、ベンゼン(1,000ppm)にH2Sを添加(30ppm)すると共に、ナフタレンを添加(80ppm)した場合の破過状態を示している。吸着剤は活性炭を用いた。
図5は、ガス中にナフタレン(80ppm)のみの場合と、ナフタレン(80ppm)にH2Sを添加(30ppm)した場合と、ナフタレン(80ppm)にH2Sを添加(30ppm)すると共に、ベンゼン(1,000ppm)を添加した場合の破過状態を示している。吸着剤は活性炭を用いた。
図4に示すように、ベンゼンの破過曲線では、約30分で破過が発生し、50分を経過すると飽和状態となった。
これに対し、図5に示すように、ナフタレンの場合では、ベンゼンが共存していても、ナフタレンの破過は200分を経過した後に発生し、飽和になるまでは480分も要した。
これに対し、前段の第1のタール除去塔19での軽質のタール成分の破過時間は短いものの、後流側に第2のタール除去塔41を設置しているので、残存する軽質のタール成分の吸着除去が可能となる。
図3に示すように、バイオマスガス化システム10Cは、図2に示すバイオマスガス化システム10Bにおいて、バイオマス・チャー混合器33を設けている。
なお、チャー30を付着させるにはバイオマス・チャー混合器33に限定されるものではなく、チャー30を搬送する途中でバイオマス粒子を添加して、チャー付着バイオマス粒子31を得るようにしてもよい。
いずれにしても、バイオマス粒子である粉砕物21Aがチャー30の担体として機能して、チャー30同士が圧密されることを防止している。
このように、チャー30を付着したチャー付着バイオマス粒子31を用い、第1のタール除去塔19及び第2のタール除去塔41A、41B内に充填することで、圧力損失を低減したチャー付着バイオマス粒子31の充填層を形成できる。この充填層により生成ガス14中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去することが可能となる。
バイオマス粉砕物21Aは、バイオマスガス化炉13の投入用に数ミリに粉砕されたものの一部を用いている。
よって、得られた精製ガス20は、ガス中のH2 とCOガスの組成を調整することで、アンモニア、メタノール(又はジメチルエーテル)等の化成品の製造用のガスとして利用することができる。
11 バイオマス
12 バイオマス供給装置
13 バイオマスガス化炉
14 生成ガス
15 第1の除塵手段
16 生成ガス冷却器
17 第2の除塵手段
19 第1のタール除去塔
20 精製ガス
30 バイオマスチャー(チャー)
31 チャー付着バイオマス粒子
41、41A、41B 第2のタール除去塔
Claims (6)
- バイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、
該バイオマスガス化炉でガス化されたガス化ガスである生成ガス中に含まれるバイオマスチャーを除去する除塵手段と、
前記生成ガスを冷却する生成ガス冷却器と、
除塵及び冷却された前記生成ガス中のタール成分を吸着及び除去するバイオマスチャーを付着したチャー付着バイオマス粒子を充填してなる第1のタール除去塔と、
第1のタール除去塔の後流側に設けられ、前記生成ガスに残存する軽質ハイドロカーボンを吸着及び除去するバイオマスチャーを付着したチャー付着バイオマス粒子を充填してなる第2のタール除去塔とを具備することを特徴とするバイオマスガス化システム。 - 請求項1において、
第2のタール除去塔を複数並列に設け、流路を交互に切替えることを特徴とするバイオマスガス化システム。 - 請求項1又は2において、
第2のタール除去塔に充填されたチャー付着バイオマス粒子の充填層を再生する再生手段を有し、流路を交互に切替えつつ、一方を再生することを特徴とするバイオマスガス化システム。 - 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
バイオマス原料粉砕物と前記バイオマスチャーとを混合し、前記チャー付着バイオマス粒子を得るバイオマス・チャー混合器を有することを特徴とするバイオマスガス化システム。 - バイオマスがバイオマスガス化炉でガス化されたガス化ガスである生成ガス中のバイオマスチャーを除塵し、該除塵されたバイオマスチャーを用いて、バイオマス粉砕物と混合してチャー付着バイオマス粒子とし、
該チャー付着バイオマス粒子を用いて、前記生成ガス中のタール成分を第1のタール除去塔で吸着及び除去した後、
第1のタール除去塔の後流側に設けた第2のタール除去塔で前記生成ガスに残存する軽質ハイドロカーボンを、前記チャー付着バイオマス粒子を用いて吸着及び除去することを特徴とするバイオマスガス化ガスの精製方法。 - 請求項5において、
第2のタール除去塔を複数並列に設け、流路を交互に切替えつつ軽質ハイドロカーボンを吸着及び除去することを特徴とするバイオマスガス化ガスの精製方法。
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