JP5579032B2 - バイオマスガス化システム及びバイオマスガス化ガスの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスガス化システム及びバイオマスガス化ガスの精製方法に関する。
一般にバイオマスとは、農業生産物又は副産物、木材、植物等の生物体をいう。これらは、太陽光、空気、水、土壌等の作用により生育されるため、無限に生産が可能である。また、前記バイオマスは生育過程において、光合成により大気中から二酸化炭素を吸収するため、該バイオマスを生産することは大気中の二酸化炭素量の低減にもつながる。これらの理由から、前記バイオマスをガス化して燃料用のガスを生成するバイオマスガス化技術は、地球環境に好ましい技術として知られている。
ところで、前記バイオマスを原料として生成したガスには、ガス化チャー、タール成分、硫化水素等が含まれるため、そのままでは合成触媒を利用した液体燃料や、燃料電池へのエネルギー源を合成する為のガスとしての利用、及び該ガスを高度に精製する触媒への導入には適さない。そのため、従来においては、除塵装置やガス精製装置によって、前記ガス化チャー、タール成分、硫化水素等を除去すべく工夫している。
例えば、特許文献1及び特許文献2においては、バイオマスを炉本体内に供給するバイオマス供給手段と、酸素又は酸素と水蒸気の混合物からなる燃焼用の酸化剤を前記炉本体内に供給する酸化剤供給手段とを備えてなるバイオマスガス化炉と、該バイオマスガス化炉でガス化した生成ガスの粉塵を除去する除塵装置と、除塵されたガスを冷却する冷却器と、該冷却したガスを精製するガス精製部を備えたバイオマスガス化システムが開示されている。
前記バイオマスガス化ガスのガス精製手段は、バイオマスを一時的に保持しており、該ガス精製部内に、冷却器を通過した冷却生成ガスを通過させ、ここで冷却生成ガスに含まれるタール成分を吸着させ、精製ガスとし、タール成分を吸着したタール吸着バイオマスを搬送手段により、バイオマス供給手段に搬送するようにしている。
特開2004−346285号公報(段落0047,0048,図1等) 特開2008−24752号公報(段落0017,図1等) 特開2006−335822号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された発明では、前記精製ガス中に含まれるタール成分濃度が高く、合成触媒を利用した液体燃料や、燃料電池へのエネルギー源を合成する為のガスとして利用し、また該ガスを高度に精製する触媒に導入するには、その精製が不十分であるという問題があった。また、バイオマス粒子には硫化水素を吸着する能力がないことから、前記精製ガス中に含まれるH2S濃度も、ガスタービン及び燃料電池等に利用し、また該ガスを高度に精製する触媒に導入する際の問題となっていた。
また、バイオマス燃料製造コスト低減のために、吸着剤の使用量の低減や、装置の小型化等の課題がある。
さらに、例えば活性炭やバイオマスやバイオマスチャー等の吸着剤を用いて、タール成分や硫化水素(H2S)を吸着した後の使用済の吸着剤を、ガス化炉に再投入することで吸着剤を再生、再利用することが考えられるが、タール成分の場合に関しては有効であるが、硫化水素に対しては以下の課題がある。
1) 吸着剤に吸着された硫黄分はガス化炉で再びガス化される。これによりガス化炉内で硫黄分が濃縮され、ガス化ガス中の硫化水素濃度が増加する、という問題がある。
2) 硫黄分は湿式ガス洗浄(スクラバ)においても除去されないため、結局はバイオマスチャーと、ガス化ガスとして系外へ排出される、という問題がある。
そこで、バイオマスガス化ガスからタール成分及び硫黄化合物除去した際、吸着後の吸着剤の処理に際して、硫黄分についての効率的な処理手段の出現が切望されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイオマスをガス化して生成したガス化ガス中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去すると共に、吸着後の吸着剤の処理に際して、硫黄分についての効率的な処理をすることのできるバイオマスガス化システム及びバイオマスガス化精製方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、イオマス乾燥機で乾燥したバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、前記バイオマスガス化炉で生成されたガス化ガスである生成ガス中に含まれるバイオマスチャーを除去する除塵手段と、前記生成ガスを冷却する生成ガス冷却器と、除塵及び冷却された前記生成ガス中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去するバイオマスチャーを付着したチャー付着バイオマス粒子を充填した吸着塔と、前記吸着塔で使用済のチャー付着バイオマス粒子を用いて熱風を発生させ、発生させた熱風を前記バイオマス乾燥機に供給するバイオマス焚熱風炉と、前記バイオマス焚熱風炉で発生した熱風中の粉塵及び酸性ガスを除去する除塵・酸性ガス除去装置と、を具備することを特徴とするバイオマスガス化システムにある。
の発明は、第1の発明において、バイオマスを粉砕した粉砕物と前記生成ガス中から捕集したバイオマスチャーとを混合してチャー付着バイオマス粒子とするバイオマス・チャー混合器を有し、前記バイオマス・チャー混合器で混合したチャー付着バイオマス粒子が前記吸着塔に充填されることを特徴とするバイオマスガス化システムにある。
の発明は、第1又は2の発明において、前記吸着塔の後流側に設けられ、生成ガスに残存する軽質ハイドロカーボンを吸着及び除去するタール除去塔を具備することを特徴とするバイオマスガス化システムにある。
の発明は、バイオマスがバイオマスガス化炉でガス化されたガス化ガスである生成ガス中のバイオマスチャーを除塵し、塵された前記バイオマスチャーバイオマス粉砕物と混合してチャー付着バイオマス粒子とし、前記チャー付着バイオマス粒子を用いて、前記生成ガス中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去すると共に、吸着及び除去した使用済チャー付着バイオマス粒子をバイオマスの乾燥用の熱源としてバイオマス焚熱風炉で燃焼させた際の排ガス中に含有する酸性ガスを除去することを特徴とするバイオマスガス化ガスの精製方法にある。
本発明によれば、チャーを付着したバイオマス粒子を用い、吸着塔内に充填することで、圧力損失を低減したバイオマスチャーの充填層を形成できる。この充填層によりタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去することが可能となる。
図1は、実施例1に係るバイオマスガス化システムの概略図である。 図2は、実施例2に係るバイオマスガス化システムの概略図である。 図3は、実施例3に係るバイオマスガス化システムの概略図である。 図4は、圧力損失の低減効果を示す図である。 図5は、ガス中のベンゼン濃度とタール除去塔を通過する経過時間との関係図である。 図6は、ガス中のナフタレン濃度とタール除去塔を通過する経過時間との関係図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係るバイオマスガス化システムについて、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係るバイオマスガス化システムの概略図である。
図1に示すように、バイオマスガス化システム10Aは、バイオマス乾燥機24で乾燥した後、バイオマス供給装置12により供給されたバイオマス11をガス化するバイオマスガス化炉13と、該バイオマスガス化炉13で生成されたガス化ガスである生成ガス14中に含まれるバイオマスチャー(以下、「チャー」という)30を除去する第1の除塵手段15と、該チャー30が除去された生成ガス14を冷却する生成ガス冷却器16と、冷却後の生成ガス14中の粉塵を除塵する第2の除塵手段17と、第2の除塵手段17で除塵された生成ガス14中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去するチャー30を付着したチャー付着バイオマス粒子31を充填した吸着塔18と、該吸着塔18で使用済のチャー付着バイオマス粒子を用いて熱風43を発生させ、前記バイオマス乾燥機24に供給するバイオマス焚熱風炉41と、該バイオマス焚熱風炉41で発生した熱風43中の粉塵及び酸性ガスを除去する除塵・酸性ガス除去装置42と、を具備する。なお、本実施例では、冷却器16の前後に第1の除塵手段15及び第2の除塵手段17を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、チャー及び粉塵量や、除塵装置の集塵性能によっては、いずれかの除塵手段を設ける必要はない。
バイオマス供給装置12の前流側には、バイオマス原料21を受け入れるバイオマスホッパ22と、受け入れたバイオマス原料21を所定粒径(例えば1〜5mm)に粉砕するバイオマス粉砕機23と、粉砕されたバイオマス粉砕物21Aを乾燥してバイオマス乾燥物21Bとするバイオマス乾燥機24とが設置されている。なお、バイオマス乾燥物21Bがバイオマスガス化炉13に供給されるバイオマス11となる。
バイオマス原料21は、生産又は廃棄されたバイオマスを粉砕・乾燥したものを用いる。バイオマスとは、農業生産物又は副産物、木材、植物等の生物体をいい、例えば、スイートソルガム、ネピアグラス、スピルリナ等が用いられている。
このバイオマス原料21を熱分解して生成ガスを得る際に、その熱分解によって生じる生成ガス中に含まれる有機物をタール成分といい、主成分は芳香族成分である。
また、バイオマスガス化炉13には、酸素又は酸素と水蒸気との混合物からなる燃焼用の酸化剤25を炉本体内に供給する酸化剤供給手段26を有している。
本実施例の吸着塔18に充填されるチャー30を付着したチャー付着バイオマス粒子31は、バイオマス粉砕機23で粉砕された一部の粉砕物21Aと、チャーホッパ32で捕集したチャー30とを混合するバイオマス・チャー混合器33が設置され、両者を混合している。なお、余剰のチャー30はバイオマスガス化炉13に供給されて再利用されている。
バイオマスチャー30はバイオマスガス化炉13でバイオマスを熱分解し、ガス化ガスを生成した残渣をいい、微粉であるので、バイオマス・チャー混合器33により混合し、バイオマス粒子の表面にチャーを付着させている。
なお、チャーを付着させるにはバイオマス・チャー混合器33に限定されるものではなく、チャーを搬送する途中でバイオマス粒子を添加して、チャー付着バイオマス粒子31を得るようにしてもよい。
いずれにしても、バイオマス粒子である粉砕物21Aがチャー30の担体として機能して、チャー同士が圧密されることを防止している。
混合されたチャー付着バイオマス粒子31は、吸着塔18に充填され、充填層を形成する。
このように、チャー30を付着したチャー付着バイオマス粒子31を用い、吸着塔18内に充填することで、圧力損失を低減したバイオマスチャーの充填層を形成できる。この充填層により生成ガス14中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去することが可能となる。
図4は、圧力損失の低減効果を示す図である。
図4に示すように、バイオマスチャーのみでは、圧力損失が高い(バイオマス原料の180倍)ものであったが、チャー付着バイオマス粒子とすることで、圧力損失は小さい(バイオマス原料のみの3.5倍)ものとすることができる。
また、チャー単独で充填する場合には、通ガスした際に充填層をガスが均一に通過しないいわゆるチャネリング現象が発生するが、本発明によれば、バイオマス粒子の存在でチャンネリング現象が発生せず、バイオマスチャーとガスを十分に接触させることができる。
[試験例]
チャー30を付着したバイオマス粒子31を充填した充填塔(試験例)と単なるバイオマス粒子のみを充填した充填塔(比較例)とを用いて、吸着塔18の入口と出口とのガス中のH2S成分とタール成分の濃度を計測した。
その計測の結果を表1に示す。ここで、流速は300L/h、ガス温度は43℃で試験した。
Figure 0005579032
表1に示すように、試験例の吸着塔は、H2S成分の場合では、その濃度が30ppmであったものが、10ppmに減少した。また、タール成分の場合では、その濃度が297mg/Nm3であったものが、5.7mg/Nm3に減少した。
これに対し、比較例の吸着塔は、H2S成分の場合では、その濃度が30ppmであったものが、30ppmと全く減少できなかった。また、タール成分の場合では、その濃度が300mg/Nm3であったものが、180mg/Nm3までしか減少できなかった。
バイオマスチャー(チャー)30は、バイオマスガス化システムにおいて、水蒸気存在雰囲気下によってガス化した際に副生するチャーであって、第1の除塵手段(サイクロン、フィルター等)15や生成ガス冷却器16で捕集されたバイオマスチャーを利用している。
バイオマス粉砕物21Aは、ガス化炉13の投入用に数ミリに粉砕されたものの一部を用いている。
ここで、バイオマス粉砕物21Aとチャー30との混合物において、チャー30の混合割合は、5〜50重量%とするのが好ましい。
また、吸着塔18の入り口温度は、通常は第2の除塵手段17で100℃以下に冷却されているが、本発明はこれに限定されず、例えば200℃以下とすることができる。これは、200℃を超える温度域では、バイオマスが分解して再利用することができなくなるからである。
ガス化の原料として容易に入手可能なバイオマス粒子を用い、捕集されたチャー30を付着させて充填した吸着塔18とすることで、圧力損失を低減したバイオマスチャーの充填層を形成できる。この充填層によりタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去可能となる。
また、従来のように、バイオマスチャーを単独に充填した吸着塔のように、通ガスした際に充填層をガスが均一に通過しないチャネリング現象も発生することができず、バイオマス粒子に付着しているバイオマスチャー30と生成ガス14との接触が均一となる。
この吸着塔18で、生成ガス14中のタール成分及び硫黄化合物の多成分の除去に寄与した使用済のチャー付着バイオマス粒子31Aは、バイオマス焚熱風炉41に送られ、ここで、バイオマス粉砕物21Aと共に燃焼して熱風43を発生させている。この熱風43には吸着塔18で吸着した硫化水素のS分を含む酸性ガスや粉塵が含まれているので、該粉塵及び酸性ガスを除去する除塵・酸性ガス除去装置42により灰・S分44を固定するようにしている。
除塵・酸性ガス除去装置42は例えばサイクロンやバグフィルタ等を用い、例えば亜鉛華(ZnO)、消石灰、酸化鉄等の酸性ガス除去助剤を添加して乾式で除去するようにしている。
本実施例によれば、タール成分、硫化水素吸着後の使用済チャー付着バイオマス粒子31Aを、バイオマスガス化システムの前処理工程である乾燥設備の熱源として利用することで再利用を図ることができる。
バイオマス乾燥用の熱風炉として、バイオマス粉砕物21Aを燃料としたバイオマス焚熱風炉41を用い、この熱風炉41の燃料として、吸着後の使用済チャー付着バイオマス粒子31Aを燃焼させるようにしている。
燃焼廃ガスの熱風43中には、硫黄分を吸着したことに由来するSOxが含まれるが、消石灰、亜鉛華(ZnO)、酸化鉄などの吸着剤を吹き込んだバグフィルタなどにより脱硫処理し、S分を固定することができる。
このように、バイオマス11中の熱量の一部であるタール分を吸着した使用済チャー付着バイオマス粒子31Aをバイオマスの乾燥熱源とすることで熱の有効利用を図ることができる。
この際、吸着した硫黄分は除塵・酸性ガス除去装置42より除去できるため、タール、硫黄分を吸着した吸着剤の処理、有効利用を図る上で、バイオマスガス化システムへの再循環、蓄積の回避が可能となると共に、システムにおける熱源利用の両立が図られる。
精製ガス20は、例えばZnO等の脱硫剤やタール成分をさらに除去するプレリフォーミング触媒(例えばNi系触媒、Ru系触媒等)の精製塔を用いて所望の規定量となるように精製精度の向上を図るようにしてもよい。
本発明による実施例に係るバイオマスガス化システムについて、図面を参照して説明する。図2は、実施例2に係るバイオマスガス化システムの概略図である。
図2に示すように、バイオマスガス化システム10Bは、図1に示すバイオマスガス化システム10Aにおいて、吸着塔18の後流側に、生成ガス14に残存する軽質ハイドロカーボンを吸着・除去するタール除去塔19を設けている。
本実施例では、タール成分を吸着するタール除去手段を吸着塔18とタール除去塔19との2段構成とし、前段の吸着塔18において、重質ハイドロカーボンを吸着し、後段のタール除去塔19で軽質ハイドロカーボンを吸着させるようにしている。
ここで、タール除去塔19でタール成分を吸着・除去する充填剤としては、例えば活性炭、活性炭素繊維、バイオマスチャー30又はチャー付着バイオマス粒子31等を用いるようにしている。
本発明で重質ハイドロカーボンとは、タール成分の内、例えばナフタレン、アントラセン等の炭素原子数が10以上の高分子炭化水素化合物をいう。また、軽質ハイドロカーボンとは、タール成分の内、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素原子数が10未満の低分子炭化水素化合物をいう。
後段のタール除去塔19のタール吸着剤層は、軽質ハイドロカーボンを吸着し、吸着性能が低下した後に、例えば水蒸気による加熱等により再生させ、再利用を図ることができる。
なお、再生により脱離した軽質ハイドロカーボンガスは、バイオマスガス化炉13又はバイオマス乾燥用の熱風炉(図示せず)に再投入して、熱源として再利用することができる。
バイオマス11をガス化した生成ガス14中に含まれる重質ハイドロカーボンは、軽質ハイドロカーボンに比べその濃度が低いので、前段の吸着塔18の充填層では、軽質ハイドロカーボンを吸着可能の容量だけ吸着して破過したとしても、重質ハイドロカーボンを吸着する容量がある限り、重質ハイドロカーボンを吸着除去可能である。
後段のタール除去塔19のタール吸着剤層では、前段の吸着塔18を通過してきた残留タール分である軽質ハイドロカーボンを吸着するようにしている。
なお、生成ガス14中の軽質ハイドロカーボンはその濃度が高く、タール除去塔19のタール吸着剤層は比較的早く破過するが、 軽質ハイドロカーボンは脱着が容易なため、脱着・再生して繰り返し利用することができる。
図5は、ガス中のベンゼン濃度とタール除去塔を通過する経過時間との関係図である。図6は、ガス中のナフタレン濃度とタール除去塔を通過する経過時間との関係図である。
図5は、ガス中にベンゼン(1,000ppm)のみの場合と、ベンゼン(1,000ppm)にH2Sを添加(30ppm)した場合と、ベンゼン(1,000ppm)にH2Sを添加(30ppm)すると共に、ナフタレンを添加(80ppm)した場合の破過状態を示している。吸着剤は活性炭を用いた。
図6は、ガス中にナフタレン(80ppm)のみの場合と、ナフタレン(80ppm)にH2Sを添加(30ppm)した場合と、ナフタレン(80ppm)にH2Sを添加(30ppm)すると共に、ベンゼン(1,000ppm)を添加した場合の破過状態を示している。吸着剤は活性炭を用いた。
図5に示すように、ベンゼンの破過曲線では、約30分で破過が発生し、50分を経過すると飽和状態となった。
これに対し、図6に示すように、ナフタレンの場合では、ベンゼンが共存していても、ナフタレンの破過は200分を経過した後に発生し、飽和になるまでは480分も要した。
この結果、前段の吸着塔18でタール成分を除去する場合でも、ナフタレン等の重質タール成分を吸着・除去する場合においては、その破過時間が長いので、連続しての重質のタール成分を除去することができる。
これに対し、前段の吸着塔18での軽質のタール成分の破過時間は短いものの、後流側にタール除去塔19を設置しているので、残存する軽質のタール成分の吸着除去が可能となる。
この際、タール除去塔19を2台並列に設置し、その前後に設けた弁を交互に開閉し、一方のタール除去塔19でタール成分を吸着除去している間に、他方の除去塔19で蒸気を導入して再生するようにしてもよい。
本発明による実施例に係るバイオマスガス化システムについて、図面を参照して説明する。図3は、実施例3に係るバイオマスガス化システムの概略図である。
図3に示すように、バイオマスガス化システム10Cは、吸着塔18で使用する吸着剤を活性炭、活性炭素繊維、バイオマスチャーを用いた場合であり、使用済吸着剤50をバイオマス焚熱風炉41に送り、ここで、バイオマス粉砕物21Aと共に燃焼して熱風43を発生させている。そして、実施例1と同様に、粉塵及び酸性ガスを除去する除塵・酸性ガス除去装置42により灰・S分44を固定するようにしている。
以上述べたように、本発明に係るバイオマスガス化システム及びバイオマスガス化ガスの精製方法によれば、バイオマスガス化炉13でガス化された生成ガス14中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去することができると共に、使用済のチャー付着バイオマス粒子31Aをバイオマスの乾燥熱源とすることで熱の有効利用を図ることができる。この際、吸着した硫黄分は除塵・酸性ガス除去装置42より除去できるため、タール、硫黄分を吸着した吸着剤の処理、有効利用を図る上で、バイオマスガス化システムへの再循環、蓄積の回避と、システムにおける熱源利用の両立が図られる。また得られた精製ガス20は、ガスタービン並びに燃料電池等への利用が可能となると共に、ガス化ガスを原料とする各種化学製品の製造の際における触媒被毒を解消することができる。
よって、得られた精製ガス20は、ガス中のH2 とCOガスの組成を調整することで、アンモニア、メタノール(又はジメチルエーテル)等の化成品の製造用のガスとして利用することができる。
以上のように、本発明に係るバイオマスガス化システム及びバイオマスガス化ガスの精製方法は、バイオマスガス化により生成されるガスの純度を向上させるのに有用であり、特に、ガスタービン及び燃料電池等に利用し、又は精製ガスを用いて液体燃料等の化成品を製造するのに適している。
10A〜10C バイオマスガス化システム
11 バイオマス
12 バイオマス供給装置
13 バイオマスガス化炉
14 生成ガス
15 第1の除塵手段
16 生成ガス冷却器
17 第2の除塵手段
18 吸着塔
19 ガス精製塔
20 精製ガス
30 バイオマスチャー(チャー)
31 チャー付着バイオマス粒子
41 バイオマス焚熱風炉
42 除塵・酸性ガス除去装置
43 熱風

Claims (4)

  1. イオマス乾燥機で乾燥したバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、
    前記バイオマスガス化炉で生成されたガス化ガスである生成ガス中に含まれるバイオマスチャーを除去する除塵手段と、
    前記生成ガスを冷却する生成ガス冷却器と、
    除塵及び冷却された前記生成ガス中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去するバイオマスチャーを付着したチャー付着バイオマス粒子を充填した吸着塔と、
    前記吸着塔で使用済のチャー付着バイオマス粒子を用いて熱風を発生させ、発生させた熱風を前記バイオマス乾燥機に供給するバイオマス焚熱風炉と、
    前記バイオマス焚熱風炉で発生した熱風中の粉塵及び酸性ガスを除去する除塵・酸性ガス除去装置と、を具備することを特徴とするバイオマスガス化システム。
  2. 請求項1において、
    バイオマスを粉砕した粉砕物と前記生成ガス中から捕集したバイオマスチャーとを混合してチャー付着バイオマス粒子とするバイオマス・チャー混合器を有し、
    前記バイオマス・チャー混合器で混合したチャー付着バイオマス粒子が前記吸着塔に充填されることを特徴とするバイオマスガス化システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記吸着塔の後流側に設けられ、前記生成ガスに残存する軽質ハイドロカーボンを吸着及び除去するタール除去塔を具備することを特徴とするバイオマスガス化システム。
  4. バイオマスがバイオマスガス化炉でガス化されたガス化ガスである生成ガス中のバイオマスチャーを除塵し、
    塵された前記バイオマスチャーバイオマス粉砕物と混合してチャー付着バイオマス粒子とし、
    前記チャー付着バイオマス粒子を用いて、前記生成ガス中のタール成分及び硫黄化合物の多成分を同時に除去すると共に、吸着及び除去した使用済チャー付着バイオマス粒子をバイオマスの乾燥用の熱源としてバイオマス焚熱風炉で燃焼させた際の排ガス中に含有する酸性ガスを除去することを特徴とするバイオマスガス化ガスの精製方法。
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