JP5581356B2 - 多点計測システムおよび時刻同期方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の計測点の物理量を同時計測する多点計測システムに関し、特に、そのようなシステムにおける時刻同期に関する。
多点計測システムは、複数の計測点に設置されたローカル局装置でその地点の物理量を計測し、各ローカル局装置の計測データを収集して複数点の物理量を同時に計測するシステムである。このため、多点計測システムでは各ローカル局装置が同じ時刻を計時していることが重要である。
正確な時刻を取得する手段としてGPS(Global Positioning System)や電波時計などがあるが、ローカル局装置はそれらの電波が届かない箇所に設置されることがあり、また、長時間の電池駆動を可能にするために省電力化が求められるため、GPSや電波時計の利用ができないことがある。そこで、基準となる時刻を計時する基準局装置を設けて、各ローカル局装置が基準局装置と時刻同期する方法が有効となる。
しかし、ローカル局装置は省電力化やローコスト化により計時精度は低いことが多く、一度基準局装置と時刻同期してもローカル局装置が計時する時刻は基準時刻から徐々にずれる。そこで、ローカル局装置と基準局装置との間で定期的にあるいは不定期に時刻同期処理を行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
基準局装置およびローカル局装置は有線通信や無線通信によって時刻データをやり取りし合って時刻同期をする。しかし、CSMA/CDなどによる通信ネットワークのトラフィック監視による送受信待ちやTCP/IPなどにおけるデータ再送処理などにより、装置間の送受信遅延時間が大きくばらつく。図13は、装置間の通信と送受信遅延時間の例を模式的に示す。基準局装置とローカル局装置との間の時刻同期処理は、通常、ローカル局装置が基準局装置に時刻を問い合わせ、基準局装置が現在時刻をローカル局装置へ送信することで行われる。ΔTslave=T1−T0は、ローカル局装置から基準局装置へ時刻データを送信し、基準局装置が時刻データを受信して内部で処理するまでの時間であり、ローカル局装置における送信時間、アクセス時間、伝搬遅延時間、基準局装置における受信時間を含む。ΔTmaster=T2−T1は、基準局装置からローカル局装置へ時刻データを送信し、ローカル局装置が時刻データを受信して内部で処理するまでの時間であり、基準局装置における送信時間、アクセス時間、伝搬遅延時間、ローカル局装置における受信時間を含む。
送信時間とは、各装置が時刻データを作成して所定の処理をしてから通信デバイスに時刻データを渡すまでの時間をいう。アクセス時間とは、通信デバイスに渡された時刻データが実際にネットワーク上に送信されるまでの時間をいう。伝搬遅延時間とは、ネットワーク上に送信されたデータが各装置の通信デバイスに届くまでの時間をいう。受信時間とは、通信デバイスが受信した時刻データが各装置のアプリケーションに渡されるまでの時間をいう。
図13の例の場合、ローカル局装置は時刻T1を知ることができないため、ΔTmasterとΔTslaveとが等しいという仮定の下、T0とT2の中間の時刻をT1として、基準局装置から受信した時刻データを補正してローカル時刻を更新する。
また、UDP(User Datagram Protocol)通信や特定小電力無線で用いられる1対多の同時通信などにより、基準局装置から複数のローカル局装置に時刻データをブロードキャスト送信するようなシステムもある。図14は、基準局装置から複数のローカル局装置にデータをブロードキャスト送信したときの基準局装置およびローカル局装置における時刻の例を模式的に示す。基準局装置は時刻t0に時刻データをブロードキャスト送信する。あるローカル局装置(図中の「ローカル局B」)が時刻データを受信して内部での処理が完了する時刻をt1、別のローカル局装置(図中の「ローカル局A」)が時刻データを受信して内部で処理が完了する時刻をt2とすると、基準局装置の内部処理の状態および各ローカル局装置の内部処理の状態などによりt0およびt1とt2にずれが生じる。
また、専用の通信回線を設けて時刻同期を行うシステムもある。さらに、専用回線にサンプリングクロックを分配するシステムもある。
特開2007−174676号公報
基準局装置とローカル局装置との時刻同期処理においてNTP(Network Time Protocol)では数十バイトのデータ長となり、またその他の時刻情報のやり取りにおいても年月日日時を含み時間分解能をミリ秒単位以下等の分解能に上げれば時刻設定であることを判定すために付加される命令等も含めて十数バイト以上のデータ長の時刻データの送受信が発生することがある。データ長が長いことにより、通信デバイスの処理によるデータの分割送信が発生し遅延時間がばらついたり、データの誤り率が高くなり再送要求が発生したり、基準局装置とローカル局装置の内部処理時間が大きくなったりばらついたりする。また、データ通信の信頼性が低かったり、時刻同期のための通信データ量が多い場合、基準局装置からローカル局装置へ時刻データを送信してからローカル局装置が受信した時刻データを内部で処理するまでに要する時間が計測のサンプリング周期に比べて大きいと、データ取得時刻に誤差が発生してしまう。例えば、振動検知システムではサンプリング周期が1ms〜10ms程度であるため、基準局装置とローカル局装置との時刻同期処理はそれよりも短い時間で行う必要があるか、または送受信遅延時間をあらかじめ求め、基準局装置とローカル局装置に設定して補正を行う必要がある。
上記問題に鑑み、本発明は、多点計測システムにおけるローカル局装置に低消費電力のMPU(Micro Processor Unit)や通信デバイスを用いて装置全体の省電力化を図りつつ基準局装置とローカル局装置との間で高精度な時刻同期を実現することを課題とする。
本発明の一局面に従った多点計測システムは、基準時刻値を持つ基準局装置と、センシング装置を有し、ローカル時刻値を持つ複数のローカル局装置とを備えており、前記基準局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶するための命令を前記ローカル局装置に送信し、その後、前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定して前記タイミングに対応する前記基準時刻値を表す修正値を前記ローカル局装置に送信するように構成されており、前記ローカル局装置が、前記命令を受信して前記ローカル時刻値をゼロに初期化または前記命令を受信したときの前記ローカル時刻値を記憶し、その後、前記修正値を受信して前記ローカル時刻値が前記タイミングに対応する値になったときに前記ローカル時刻値を前記修正値に更新するように時刻同期を行う。
これによると、命令を短いデータ長(例えば、1〜数バイト程度)のデータとすることで、基準局装置とローカル局装置との間の送受信遅延時間を小さくすることができるため、基準局装置のデータ送信からごくわずかな時間差でローカル局装置のローカル時刻値を初期化または記憶することができる。その後、ローカル局装置が基準局装置から修正値を受信してローカル時刻値を修正することで、ローカル時刻値を基準時刻値に高精度に同期させることができる。
前記ローカル局装置が、前記命令を受信すると直ちに応答となる命令を前記基準局装置に返送するように構成されており、前記基準局装置が、前記ローカル局装置との間で前記命令の送受信を連続して繰り返し行って、前記ローカル局装置に前記命令を送信してから前記ローカル局装置から前記命令を受信するまでの送受信遅延時間を連続して繰り返し計測し、その後、前記送受信遅延時間が前記計測した最小値以下または前記連続して繰り返し計測した前記送受信遅延時間を昇順に順次所定回数比較した値以下になるまで前記ローカル局装置との間で前記命令の送受信を再び連続して繰り返し行い、最後に前記命令を送信または受信したタイミングに対応する前記基準時刻値および最後に計測した前記送受信遅延時間に基づいて前記修正値を算出するように構成されていてもよい。
また、前記基準局装置および前記ローカル局装置が、前記命令を送受信している期間中は前記時刻同期処理以外の処理を停止するように構成されていてもよい。
また、前記基準局装置および前記ローカル局装置は、前記送受信遅延時間を計測中はコネクションレス型プロトコルで通信し、それ以外はコネクション型プロトコルで通信してもよい。
また、前記時刻同期処理中は、前記ローカル局装置が、前記基準局装置から送信される前記命令を前記センシング装置のサンプリング周期よりも短い時間間隔で待ち受けるように構成されていてもよい。
また、前記ローカル局装置のいずれか一つが、トリガー開始命令を前記基準局装置に送信するように構成されており、前記基準局装置が、前記トリガー開始命令を受信して前記命令を前記ローカル局装置に送信するように構成されていてもよい。
また、前記基準局装置が、コネクションレス型プロトコル通信により前記命令を前記ローカル局装置に送信するように構成されていてもよい。
また、前記基準局装置が、基準RTC(Real Time Clock)時刻値を保持するRTCおよび前記基準時刻値を保持するタイマーを有しており、かつ、前記タイミングに対応する前記基準RTC時刻値を表すRTC修正値を前記ローカル局装置に送信するように構成されており、前記ローカル局装置が、ローカルRTC時刻値を保持するRTCおよび前記ローカル時刻値または相対時間を保持するタイマーを有しており、かつ、前記RTC修正値を受信して前記ローカル時刻値または前記相対時間が前記タイミングに対応する値になったときに前記ローカルRTC時刻値を前記RTC修正値に更新するように構成されていてもよい。
また、前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングが、前記基準RTC時刻値が変化するタイミングと一致するタイミングであってもよい。
また、前記基準局装置が、所定時間間隔で、前記ローカル局装置との間の時刻同期を自動で行うように構成されていてもよい。
本発明の別の局面に従った時刻同期方法は、基準時刻値を持つ基準局装置とローカル時刻値を持つ複数のローカル局装置とを備えた多点計測システムにおいて前記ローカル時刻値を前記基準時刻値に同期させる方法であって、前記基準局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶するための命令を前記ローカル局装置に送信するステップと、前記ローカル局装置が、前記命令を受信して前記ローカル時刻値をゼロに初期化または前記命令を受信したときの前記ローカル時刻値を記憶するステップと、前記基準局装置が、前記命令を送信した後、前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定して前記タイミングに対応する前記基準時刻値を表す修正値を前記ローカル局装置に送信するステップと、前記ローカル局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶した後、前記修正値を受信して前記ローカル時刻値が前記タイミングに対応する時刻値になったときに前記ローカル時刻値を前記修正値に更新するステップとを備えている。
前記修正値を送信するステップでは、前記基準局装置が、前記タイミングに対応する前記ローカル時刻値を表すタイミング値を前記ローカル局装置に送信し、前記ローカル時刻値を更新するステップでは、前記ローカル局装置が、前記タイミング値を受信し、前記ローカル時刻値が前記タイミング値になったときに前記ローカル時刻値を更新してもよい。
上記の多点計測システムまたは時刻同期方法において、前記命令は、時刻データよりも短いデータ長のデータ、前記センシング装置のサンプリング周期よりも短い時間で送受信可能なデータ長のデータ、および相手方装置を特定するIDを含むデータのいずれかであってもよい。
本発明によると、ローカル局装置に低消費電力のMPUや通信デバイスを採用して装置全体の省電力化を図りつつ基準局装置とローカル局装置との間で高精度な時刻同期を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る多点計測システムの構成図 一例に係る基準局装置またはローカル局装置の構成図 PCを基準局装置として用いたときの多点計測システムの構成図 マルチホップ通信に対応した多点計測システムの構成図 基準局装置およびローカル局装置における時刻とサンプリングタイミングの例を示す模式図 基準局装置およびローカル局装置における時刻とこれら装置間の通信の例を示す模式図 図5Aの続きの図 基準局装置の動作例を示すフローチャート 図6Aの続きの図 図6Bの続きの図 ローカル局装置の動作例を示すフローチャート 時刻同期後の基準局装置およびローカル局装置における時刻とカウントアップタイミングの例を示す模式図 ローカル局装置が電源オンまたはウェイクアップするときの基準局装置およびローカル局装置における時刻とカウントアップタイミングの例を示す模式図 相異なる箇所に設置されたローカル局装置でそれぞれ計測された加速度波形の例を示す図 基準局装置がトリガー開始命令を中継するときの基準局装置およびローカル局装置における時刻とこれら装置間の通信の例を示す模式図 データ取得後に時刻同期処理を行う場合の各装置の動作例を示すフローチャート 装置間の通信と送受信遅延時間の例を示す模式図 基準局装置から複数のローカル局装置にデータをブロードキャスト送信したときの基準局装置およびローカル局装置における時刻の例を示す模式図
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
≪多点計測システム≫
図1は、本発明の一実施形態に係る多点計測システムの構成を示す。本実施形態に係る多点計測システムは、基準局装置10と複数のローカル局装置20とを含んでいる。ローカル局装置20は、センシング装置30を備え、設置地点の任意の物理量を計測可能になっている。基準局装置10が同様のセンシング装置30を備えていてもよい。
基準局装置10およびローカル局装置20は相互に通信することができる。通信手段は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、特定小電力無線、PLC(電力線搬送通信)などである。多点計測システム内でこれらの通信手段が混在していてもよい。
基準局装置10およびローカル局装置20は自装置内で時刻を計時している。すなわち、基準局装置10は基準時刻値を持ち、ローカル局装置20はローカル時刻値を持つ。
図2は、基準局装置10またはローカル局装置20の構成の一例を示す。通信デバイス101は上述の通信手段を提供する既存のデバイスである。通信デバイス101は、MPU102が有する汎用的な通信インタフェースに対応する任意のデバイスと交換可能である。MPU102が有する汎用的な通信インタフェースは、例えば、LAN、UART(Universal Asynchronous Receiver Tansmitter)、USB(Universal Serial Bus)、IC(Inter-Integreted Circuit、登録商標)、SPI(Serial Peripheral Interface)などである。
センシング装置30は、センサー31、センサー信号を増幅およびフィルタリング処理するアンプ&フィルター32、フィルタリング処理されたアナログ信号をデジタル値に変換するAD変換器33を含む。センサー31は、例えば加速度センサー、温度センサー、電圧計などである。
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)103は、センシング装置30の補正値などを保持する。例えば、センサー31が加速度センサーの場合、EEPROM103は、センシング装置30の出力を重力加速度を基準にした単位へ変換するための補正値を保持する。
RAM(Random Access Memory)104は、センシング装置30の出力を常時ループして記憶するための揮発性メモリである。RAM104に記憶されたデータの中から、後述するトリガー条件により必要なセンサーデータが抽出される。記録部105は、センサーデータを保存するための不揮発性メモリである。記録部105として、EEPROMやSDカード(登録商標)などを用いることができる。
タイマー106およびRTC107は、自装置内の時刻を計時する計時手段である。タイマー106は装置が動作しているときに動作するのに対して、RTC107は装置がスリープ状態や電源オフ状態にあっても時刻を計時し続けることができる。基準局装置10のタイマー106およびRTC107は、それぞれ、基準カウント値および基準RTC時刻値を計時する。ローカル局装置20のタイマー106およびRTC107は、それぞれ、ローカルカウント値およびローカルRTC時刻値を計時する。ローカル局装置20のタイマー106は、年月日まで保持しなくてもよく、時刻同期調整時だけの経過時間、つまり相対時間を保持してもよい。発振器108は、MPU102、AD変換器33、タイマー106、RTC107などに動作クロック信号を供給する。
AD変換器33がタイマーの役割をすることもある。例えば、AD変換器33がデータ読み出し可能時にデータ出力イネーブル信号を発する場合、MPU102はAD変換器33からイネーブル信号を受信するたびに割り込み処理を行うかまたはイネーブル信号の変化をモニターすることでAD変換値を取得することができる。AD変換器33がイネーブル信号をカウントするカウンター機能を有している場合、AD変換器33をタイマーとして使用することができる。例えば、AD変換器33のサンプリングレートを100SPS(samples per second)に設定することで10ms間隔でカウントするタイマーが構成される。一方、AD変換器33がカウンター機能を有していない場合、MPU102内のタイマーがイネーブル信号の割り込み処理でカウントするようにしてもよい。
電源部109は、装置内の各部に電力を供給する。電源部109として外部電源や電池を用いることができる。上記以外に、基準局装置10またはローカル局装置20は、装置の状態などを表示するための表示部110や装置の各種設定をするための操作部111を備えている。
以上のように、基準局装置10およびローカル局装置20には基本的に同じ構成の装置を用いることができる。システム内のいずれの装置を基準局装置10として用いるかは任意に決定することができる。例えば、操作部111を操作して、あるいは、PCなどの外部装置を接続して、システム内の任意の装置を基準局装置10に設定することができ、これをEEPROM103などへ記憶しておいて電源投入後にEEPROM103のデータから自装置が基準局装置かローカル局装置かの判定を行い所定の動作をする。
なお、基準局装置10として用いる装置にはGPS装置や電波時計などを内蔵してもよい。
また、PCを基準局装置10として用いてもよい。図3Aは、PCを基準局装置10として用いたときの多点計測システムの構成例を示す。この構成では、PC12は接続された通信デバイス101を介してローカル局装置20と通信する。また、PC12は図示しないGPS装置や電波時計あるいはNTPサーバに接続して正確な時刻情報を得るようにしてもよい。具体的には、PC12はNTP、GPS、電波時計などから正確な時刻情報を得て、その時刻値をRTC107にセットする。これにより、PC12はRTC107から正確な基準時刻値を取得することができる。
また、図3Bは、マルチホップ通信に対応した多点計測システムの構成例を示す。この構成では、基準局装置10をマスターノードとしてスレーブノードのローカル局装置20群と時刻同期を行う。また、基準局装置10から電波の届きにくい場所に設置されたローカル局装置20群については、基準局装置10は中継ノードのローカル局装置20を介して電波の届きにくい場所に設置されたローカル局装置20と時刻同期を行い、当該ローカル局装置20をマスターノードとしてスレーブノードのその他のローカル局装置20群と時刻同期を行う。ただし、この構成では、時刻同期処理が中継されるごとに同期誤差が蓄積するため、各装置間の時刻同期精度をより向上する必要がある。
図4は、多点計測システムにおける基準局装置10およびローカル局装置20における時刻とサンプリングタイミグの例を模式的に示す。図中の上矢印は、サンプリング周期が10msであるときの各装置におけるサンプリングタイミングを表す。あるローカル局装置20(図中の「ローカル局A」)のローカル時刻は、基準局装置10(図中の「基準局」)の基準時刻と年月日および時分までは一致しているが秒レベルで1サンプリング周期以内のずれが生じている。すなわち、このローカル局装置20と基準局装置10とでサンプリングタイミングがずれている。別のローカル局装置20(図中の「ローカル局B」)は基準局装置10とサンプリングタイミングが一致しているが、このローカル局装置20のローカル時刻は基準時刻からサンプリング周期の整数倍だけずれている。具体的には基準時刻よりも0.05秒遅れている。さらに別のローカル局装置20(図中の「ローカル局C」)のローカル時刻は基準時刻と一致している。すなわち、このローカル局装置20と基準局装置10との間では理想的な時刻同期がとれている。
多点計測システムにおいてサンプリングタイミングとデータ取得時刻を各装置間で一致させることは、同一時刻でのセンサー信号間の相対評価をする上で非常に重要となる。よって、各装置における時刻はサンプリング周期の1/2未満の精度、さらにはサンプリング周期の5%以下の精度で互いに一致させる必要がある。本実施形態に係る多点計測システムでは下記の手法によりそのような時刻同期を達成することができる。
≪時刻同期処理≫
図5A〜Bは、基準局装置10およびローカル局装置20における時刻とこれら装置間の通信の例を模式的に示す。図6A〜Cは、基準局装置10の動作例のフローを示す。図7は、ローカル局装置20の動作例のフローを示す。以下、これら図面を参照しながら本実施形態に係る多点計測システムにおける時刻同期処理について説明する。なお、説明の便宜上、基準局装置10およびローカル局装置20は図2に示したような構成であり、AD変換器33のサンプリング周期を10msとする。タイマー106の計時周期はAD変換器33のサンプリング周期よりも短くし、好ましくはサンプリング周期の1/2、さらにはサンプリング周期の5%よりも短くする。ここでは、タイマー106の計時周期を1msとする。
まず、基準局装置10は、ローカル時刻値を初期化または記憶するための命令(設定実行命令)をローカル局装置20に送信する(図5A中の<1>)。設定実行命令は時刻同期処理開始を表すものであり、時刻情報を含まない1〜数バイト程度のデータである。例えば、所定の文字や文字列、あるいは基準局装置10やローカル局装置20のID番号などを当該データに含めることができる。すなわち、設定実行命令中に相手方装置であるローカル局装置20のIDを付加し、これによりターゲットとなるローカル局装置20を指定してもよい。また、設定実行命令にターゲットとなるローカル局装置20のIDを付加し、時間同期において、この特定されたローカル局装置20しか反応しなくなるようにすれば、データ長は1バイトでもよい。あるいは、設定実行命令が1バイトデータであると他の命令やデータと間違えやすいので、設定実行命令のデータ長を長くしてもよい。
ローカル局装置20は、基準局装置10から送信された設定実行命令を受信して(図5A中の<2>)、自身のタイマー106をゼロにセットして(図5A中の<3>)、受信した命令に対する応答となる命令(設定完了命令)を基準局装置10に返送する(図5A中の<4>)。すなわち、ローカル局装置20のタイマー106は、基準局装置10から設定実行命令を受信するたびにゼロからカウントをし直す。
なお、タイマー106のゼロセットとして、タイマー106をリセットせずにそのときのカウント値をオフセット値として記憶しておいて、オフセット値を差し引いた値をタイマー106のカウント値として取得するようにしてもよい。
基準局装置10は、ローカル局装置20から返送された設定完了命令を受信すると(図5A中の<5>)、設定実行命令の送信から設定完了命令の受信までに要した送受信遅延時間Δtを計測する。具体的には、ローカル局装置20に設定実行命令を送信したときの基準カウント値を表すtsとローカル局装置20から設定完了命令を受信したときの基準カウント値を表すtrとの差分からΔtを計測することができる。
上記のように基準局装置10から短いデータ長の設定実行命令を送信することにより、基準局装置10とローカル局装置20との間での送受信遅延時間を極力短くして時刻同期精度を向上することができる。特に、設定実行命令の送受信遅延時間をサンプリング周期よりも短くすることができれば、時刻同期精度をサンプリング周期未満にすることができるため、より理想的な時刻同期が実現できる。
また、ローカル局装置20が基準局装置10から受信した設定実行命令に対する応答として同一データまたは同一データ長となる設定完了命令を返送することで、基準局装置10からローカル局装置20への通信時間とローカル局装置20から基準局装置10への通信時間とを同じにすることができるか、または同じにする確率を高めることができる。基準局装置10が設定実行命令を送信してローカル局装置20が当該設定実行命令を受信して内部的に処理するのに要する遅延時間は、基準局装置10が設定実行命令を送信してからローカル局装置20から返送された設定完了命令を受信するまでの送受信遅延時間の半分と予測されるため、基準局装置10からローカル局装置20への通信時間とローカル局装置20から基準局装置10への通信時間とを同一データまたは同一データ長の最小データの送受信により同じ通信時間になる確率を上げることで、上記遅延時間をより高精度に予測することができる。
Δtの計測は複数回行う。すなわち、基準局装置10とローカル局装置20との間で命令の送受信を連続して繰り返し行って、Δtを連続して繰り返し計測して配列変数Δt[i]に格納する。これは、そのときどきの通信の輻輳状態や各装置の動作状態などに応じてΔtが変動するからである。また、無線通信においては同一周波数電波の混信待ちを回避するキャリアセンス待ち時間によりΔtが変動する。したがって、Δtを有限時間内で複数回計測してその最小値を見つけることが望ましい。これは、通信デバイス101が交換可能であることから、装置の電源投入から測定開始までの時間を実用的な時間に限定する必要があるためである。
図5A中の<1>〜<5>までの基準局装置10の動作例のフローを図6Aを参照して説明する。時刻同期処理が開始されると、各種パラメータが初期化される(S102)。nは基準局装置10とローカル局装置20との間での命令の送受信の繰り返し回数であり、例えばn=100に初期化される。iは繰り返しインデックスであり、i=0に初期化される。tminは基準局装置10とローカル局装置20との間の送受信遅延時間の最小値(最小遅延時間)であり、tmin=0に初期化される。kは後述するように最小遅延時間の近傍を探索するためのインデックスであり、k=0に初期化される。
iがnよりも小さいか判定され(S104)、YESなら基準局装置10の現在時刻値がtsにセットされ(S106)、NOなら図6Bのフローに遷移する。その後、ローカル局装置20に設定実行命令が送信され(S108)、ローカル局装置20から返送された設定完了命令を受信したか判定され(S110)、YESなら基準局装置10の現在時刻値がtrにセットされ(S112)、Δt[i]にtrとtsとの差分がセットされる(S114)。その後、iがインクリメントされて(S116)、ステップS104に戻る。
ローカル局装置20からの設定完了命令の返送を待っている最中に(S110のNO)、時刻同期処理の中止指令を判定してもよい(S118)。もし、中止指令があれば(S118のYES)、ローカル局装置20へ時刻同期中止のコマンドが送信され(S120)、時刻同期処理は終了する。中止指令がなければ(S118のNO)、引き続きローカル局装置20からの設定完了命令の返送を判定する(S110)。なお、この時刻同期処理の中止判定プロセスは、ローカル局装置20から応答がない場合のタイムアウト判定や手動での中止処理などである。基準局装置10は、タイムアウトを判定した場合、時間を置いて時刻同期をリトライしてもよい。また、S114とS116の間にΔt[i]がサンプリング周期の1/2未満、さらにはサンプリング周期の5%以下といった所望の時刻同期精度を得るための値になったことを判定するステップを挿入し、YESのとき図6Bのフローに遷移するようにしてもよい。
なお、図6Aの動作例のフローではS106からS116までの処理を所定回数繰り返しているが、所定時間内で可能な限り多くの回数繰り返すようにしてもよい。
図5A中の<1>〜<5>までのローカル局装置20の動作例のフローを図7を参照して説明する。時刻同期処理が開始されると、基準局装置10から設定実行命令を受信したか判定される(S202)。YESならタイマー106がゼロにセットされ(S204)、受信した設定実行命令に対する応答である設定完了命令が基準局装置10に返送される(S206)。
以上の処理は、基準局装置10におけるタイマー106の基準カウント値tsに対するローカル局装置20におけるタイマー106の相対カウント値を最小の誤差で設定するのみであり、ローカル局装置20のローカル時刻値を基準局装置10の基準時刻値に同期させる処理は以下に述べる手順に従って行われる。
基準局装置10とローカル局装置20との間で命令の送受信を連続して繰り返し行ったならば、次に、基準局装置10とローカル局装置20との間の送受信遅延時間が計測したΔtの最小値以下またはそれに近い値になるまで、基準局装置10とローカル局装置20との間で命令の送受信を再び連続して繰り返し行う。すなわち、ローカル局装置20のタイマー106のカウント状態を、基準局装置10とローカル局装置20との間で最小遅延時間で設定実行命令が送受信できたときの状態に再設定する。
このときの基準局装置10の動作例のフローを図6Bを参照して説明する。まず、Δtが昇順にソートされる(S122)。例えば、Δt[0]=100、Δt[1]=200、Δt[2]=50、…、Δt[50]=10、…、Δt[99]=324という結果を得たとする。この場合、昇順ソートによって、例えば、Δt[0]=2、Δt[1]=10、Δt[2]=25、…、Δt[50]=100、…、Δt[99]=526に変化する。iがi=0に初期化され(S124)、iがnよりも小さいか判定され(S126)、YESなら基準局装置10の現在時刻値がtsにセットされる(S128)。その後、ローカル局装置20に設定実行命令が送信され(S130)、ローカル局装置20から返送された設定完了命令を受信したか判定され(S132)、YESなら基準局装置10の現在時刻値がtrにセットされ(S134)、tminにtrとtsとの差分がセットされる(S136)。そして、tminとΔt[k]との大小が比較され(S138)、もしtminがΔt[k]よりも大きければ(S138のNO)、iがインクリメントされて(S140)、ステップS126に戻る。一方、もしtminがΔt[k]以下であれば(S138のYES)、ループ処理を中止して図6Cのフローに遷移する。
i=100になるまで上記処理をループしてもtminがΔt[k]以下にならなければ(S126のNO)、kがインクリメントされ(S142)、kがn以上か判定され(S144)、NOならばステップS124に戻る。すなわち、tminが次に小さなΔt以下になるまで上記処理をループする。昇順に所定回数ごとに判定値を変更する理由は、昇順変更後の最小値Δt[0]を得た通信状態から、電波環境や通信環境の変化などのなんらかの理由により最小値を得た状態を再現できないことに対応した処理であり、時刻同期精度を順次落としても時刻同期の実行完了を実用的な有限の時間内に終えることによる。
ローカル局装置20からの設定完了命令の返送を待っている最中に(S132のNO)、時刻同期処理の中止指令を判定してもよい(S146)。もし、中止指令があれば(S146のYES)、ローカル局装置20へ時刻同期中止のコマンドが送信され(S148)、時刻同期処理は終了する。中止指令がなければ(S146のNO)、引き続きローカル局装置20からの設定完了命令の返送を判定する(S132)。また、k=100になった場合も(S144のNO)、ローカル局装置20へ時刻同期中止のコマンドが送信され(S148)、時刻同期処理は終了する。
なお、図6Bの動作例のフローではkをインクリメントしてtminが次に小さなΔt以下になるまで処理をループしているが、tminがΔt[0]以下にならなければ時刻同期処理を中止するようにしてもよい。
最小遅延時間tminが特定できたならば、次に、基準局装置10はローカル局装置20のローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定してそのタイミングに対応する基準時刻値を表す修正値をローカル局装置20に送信する。ローカル局装置20は修正値を受信してローカル時刻値が当該タイミングに対応する値になったときにローカル時刻値を修正値に更新する。
基準局装置10は、ローカル局装置20のタイマー106がゼロにセットされたときの自身のタイマ―106の基準カウント値tbを正確に知ることはできないが、基準局装置10とローカル局装置20との間で均等に通信遅延が発生していると仮定すると、tb=ts+tmin/2またはtb=tr−tmin/2と予測できる。したがって、ローカル局装置20のタイマー106のローカルカウント値がtxになったときの基準局装置10のタイマー106の基準カウント値は、te=tb+tx=ts+tmin/2+tx、またはte=tr−tmin/2+txになると予測できる。そこで、基準局装置10は、teよりも前の適当なタイミング、すなわち、基準カウント値がt0および基準RTC時刻値がTDのときに、tx、te、およびteに対応する基準RTC時刻値TD’(=TD+te−t0)を修正値としてローカル局装置20に送信する(図5B中の<10>)。なお、TD’は、基準カウント値がtsまたはtrのときの基準RTC時刻値から計算することもできる。
ローカル局装置20は、基準局装置10から送信された修正値を受信して(図5B中の<11>)、自身のタイマー106のローカルカウント値がtxになったときにタイマー106のローカルカウント値をteに更新するとともに自身のRTC107のローカルRTC時刻値をTD’に更新する(図5B中の<12>)。また、ローカル局装置20は、このタイミングで必要に応じて自身のAD変換器33(図2を参照)のサンプリングタイミングをリセットする。これにより、ローカル局装置20において時刻同期が完了する。その後、ローカル局装置20は、基準局装置10に時刻同期が完了したこと通知し(図5B中の<13>)、基準局装置10は当該通知を受けてローカル局装置20において時刻同期が完了したことを知ることができる(図5B中の<14>)。
このようにタイマー106とRTC107を別々に取り扱うのは、RTC107のカウントアップタイミングは通常1秒間隔であり、そのようなRTC107からは時間分解能の高いサンプリングタイミングや時刻同期を取得や設定できないからである。また、もし時刻同期に失敗した場合、ローカル局装置20のローカルRTC時刻値がでたらめになってしまうおそれがあるからである。したがって、ローカル局装置20が基準局装置10に送信する時刻同期完了通知にローカルRTC時刻値を含めてもよい。これにより、基準局装置10はローカル局装置20の時刻同期が成功したか否かを知ることができる。さらに、基準局装置10は、時刻同期が失敗したと判断した場合には、同じローカル局装置20との間で時刻同期処理を再度実施することができる。
図5B中の<10>〜<14>までの基準局装置10の動作例のフローを図6Cを参照して説明する。まず、ローカル局装置20に送信される修正値が計算され(S150)、ローカル局装置20に計算された修正値が送信される(S152)。その後、ローカル局装置20から同期完了の通知を受信したか判定され(S154)、YESなら時刻同期処理は終了する。
ローカル局装置20からの同期完了通知待ちの最中に(S154のNO)、時刻同期処理の中止指令を判定してもよい(S156)。もし、中止指令があれば(S156のYES)、ローカル局装置20へ時刻同期中止のコマンドが送信され(S158)、時刻同期処理は終了する。中止指令がなければ(S156のNO)、引き続きローカル局装置20からの同期完了通知を判定する(S154)。
なお、図6Cの動作例のフローではローカル局装置20にtxが送信されるが、txをあらかじめ定めておいて基準局装置10およびローカル局装置20に記憶しておいてもよい。これにより、txを送信する必要がなくなり、修正値送信やパラメータ演算を簡略化することができる。
図8は、時刻同期後の基準局装置10およびローカル局装置20における時刻とカウントアップタイミングの例を模式的に示す。図中の上矢印は、カウントアップタイミングを示す。本実施形態に係る時刻同期処理によると、基準局装置10とローカル局装置20との間でタイマー106およびRTC107のカウントアップタイミングを一致させることができ、高精度な時刻同期が達成される。
基準局装置10は、所定時間間隔でローカル局装置20との間の時刻同期を自動で行ってもよい。当該所定時間は、ローカル局装置20の計時精度に基づき、前回の時刻同期調整終了後から、基準局装置10との計時誤差が許容範囲を超えるかもしれないような経過時間とする。これにより、基準局装置10の基準時刻に対するローカル局装置20のローカル時刻のずれを常に許容範囲内に収めることができ、高精度な時刻同期を維持することができる。
本実施形態に係る時刻同期処理においてtxは任意に設定することができるが、ローカル局装置20が修正値を受信したときの基準カウント値をt1(図5Bを参照)とすると、txはt1−tbよりも大きく、かつ、ローカル局装置20において修正値を受信してから実際にタイマー106およびRTC107を更新するまでに十分な処理時間を確保した値であることが好ましい。例えば、txは、ローカル局装置20における通信デバイス101(図2を参照)の持つ性能上の最大遅延時間よりも大きい値にしてもよいし、Δtの最大値、例えば、ソート済みのΔt[99]の所定倍数にしてもよい。これにより、ローカル局装置20に低消費電力で比較的動作の遅いMPU102(図2を参照)が用いられていても、MPU102の性能に依らずに高精度な時刻同期を達成することができる。
RTC107に対する時刻値の読み出しおよび書き込みが例えば1秒単位でしか行えないような場合には、txを基準RTC時刻値が変化するタイミングに一致させてもよい。これにより、時刻同期後のRTC時刻値とタイマーカウント値のカウントアップタイミングを一致させることができる。逆に、RTC107の計時周期がサンプリング周期よりも十分に短ければ、基準局装置10およびローカル局装置20はタイマー106を備える必要はなく、RTC時刻値を用いて基準局装置10とローカル局装置20との間の送受信遅延時間の計測および修正値の算出を行うことができる。
基準局装置10およびローカル局装置20が時刻同期処理と同時に他の処理を行っていると、MPU102においてタスク切り替えが頻発するだけではなく、通信が輻輳するおそれがある。特に装置全体の省電力化のために低消費電力のMPU102を用いることが多いが、そのようなMPU102は処理能力が低いため、時刻同期の割り込み処理が発生しても他のタスクの保存や復帰に時間を要して時刻同期精度が低下してしまう。一方、時刻同期の割り込み処理を頻繁にモニタリングすると、AD変換値の読み出しや、演算、データ保存などの他の処理が遅れるおそれがある。そこで、基準局装置10とローカル局装置20との間の送受信遅延時間の計測期間中(図5Aおよび図5B中の<1>〜<5>の処理中)は基準局装置10およびローカル局装置20において他の処理を停止することが好ましい。例えば、基準局装置10としてPCを用いている場合、マルチタスクOSにおける他の処理を停止して時刻同期のみ処理させるようにしてもよい。あるいは、MPU102、タイマー106、AD変換器33などが高速動作モードと低速動作モードの切り替えが可能であれば、一時的に消費電力が増大するが、時刻同期調整中にこれらを高速動作モードで動作させてもよい。
上記のように基準局装置10とローカル局装置20との間の送受信遅延時間の計測期間中に他の処理を停止することで、MPU102やOSにおけるタスク切り替えによる待ち時間や通信の輻輳による不確定な通信待ち時間を排除することができる。これにより、より短い送受信遅延時間を求めることができる。
基準局装置10およびローカル局装置20は、省電力化のために電源の自動オフやスリープ機能を有する場合がある。装置が電源オフまたはスリープした場合、RTC107以外のタイマー機能が停止する。その後、装置が電源オンまたはウェイクアップしたときにタイマー106などのカウント値が消去されていることがある。このような場合、装置が電源オンまたはウェイクアップしたときにRTC107を基準にしてタイマー106などのカウント値を復旧させる必要がある。
図9は、ローカル局装置20が電源オンまたはウェイクアップするときの基準局装置10およびローカル局装置20における時刻とカウントアップタイミングの例を模式的に示す。ローカル局装置20が電源オフまたはスリープ中はタイマー106は停止しており、RTC107のみ動作している。ここで、基準局装置10とローカル局装置20との間で一旦時刻同期を行っていれば、しばらくの間はこれら装置間でRTC107は同じ時刻を計時し続ける。ローカル局装置20が電源オンまたはウェイクアップするとタイマー106が動作を始めるが、そのカウントアップタイミングは基準局装置10のタイマー106のカウントアップタイミングとずれていることがある。したがって、ローカル局装置20は、電源オンまたはウェイクアップ後に自身のRTC107の時間遷移を監視し、RTC107のローカルRTC時刻値が変化するタイミングで自身のタイマ―106に適正な値を設定する。これにより、ローカル局装置20が電源オンまたはウェイクアップした後に、ローカル局装置20のタイマー106のカウントアップタイミングを基準局装置10のタイマー106のカウントアップタイミングに一致させて、ローカル時刻値を電源オフまたはスリープ前の状態に復旧することができる。
図1や図3Aに示したように、ローカル局装置20が複数存在する場合には、基準局装置10は各ローカル局装置20と1対1で通信を行って順番に時刻同期をしてもよいし、複数のローカル局装置20に時刻同期処理開始を表す短いデータ長の設定実行命令をブロードキャスト送信してもよい。すなわち、インターネットなどで用いられるUDPや特定小電力無線で用いられる1対多の同時通信などのコネクションレス型プロトコル通信により、複数のローカル局装置20に一斉に設定実行命令を送信してもよい。
基準局装置10から複数のローカル局装置20に比較的データ量の大きい時刻データをブロードキャスト送信すると、データが分割送信されたり、ルーターなどの中継局や未知の通信デバイスの内部処理などの各種時間遅延要因により、各ローカル局装置20へのデータ到達時間のばらつきが大きくなる。図14の例ではt1とt2のずれが大きくなる。また、基準局装置10におけるデータ処理からデータ送信までに要する時間も比較的長くなり、基準局装置10とローカル局装置20との間の時刻のずれが大きくなる。図14の例ではt0とt1のずれ、およびt0とt2のずれが大きくなる。基準局装置10がローカル局装置20と同様に低消費電力で比較的動作の遅いMPUを搭載している場合には時刻のずれはより大きくなる。
これに対して、本実施形態では基準局装置10からブロードキャストする設定実行命令のデータ長を極力短くしているため、基準局装置10から各ローカル局装置20への設定実行命令の到達時間が短くなる。これにより、図14の例において、t0とt1のずれ、およびt0とt2のずれが小さくなり、また、t1とt2のずれも小さくなり、基準局装置10とローカル局装置20との間の時刻同期精度が向上する。さらに、基準局装置10が設定実行命令をブロードキャスト送信してから各ローカル局装置20がそれを受信して内部で処理するまでに要する時間(図14の例ではt1−t0およびt2−t0)を各装置のサンプリング周期よりも短くすることが好ましい。これにより、基準局装置10とローカル局装置20との間でサンプリング周期未満の誤差で時刻同期を達成することができる。
ブロードキャスト送信はコネクションレス型プロトコル通信であるため、受信側からの応答は必要なく、また、再送処理も発生しない。このため、信頼性は低いものの高速なデータ伝送が可能である。本実施形態において基準局装置10から時刻同期処理開始を表す短いデータ長の設定実行命令をブロードキャスト送信する場合、各ローカル局装置20は当該設定実行命令を受信して自身のタイマー106をゼロにセットする。その後、図5B中の<10>〜<11>のように、基準局装置10はローカル局装置20のローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定してそのタイミングに対応する基準時刻値を表す修正値を個別にローカル局装置20に送信し、ローカル局装置20は修正値を受信してローカル時刻値が当該タイミングに対応する値になったときにローカル時刻値を修正値に更新する。さらに、図5B中の<13>〜<14>のように、ローカル局装置20は、基準局装置10に時刻同期が完了したこと通知し、基準局装置10は当該通知を受けてローカル局装置20において時刻同期が完了したことを知ることができる。
なお、図5B中の<10>以降の処理、すなわち、修正値の送信および同期完了の通知では、それまでのコネクションレス型プロトコル通信からTCP/IPなどのコネクション型プロトコル通信に切り替えてもよい。これにより、ローカル局装置20のタイマー106のゼロセットでは通信遅延を短くすることが優先され、その後の修正値の送信および同期完了の通信では通信の信頼性が優先されるため、より高精度な時刻同期を達成することができる。
≪振動検知システムへの応用例≫
次に、本実施形態に係る多点計測システムを振動検地システムに応用した例を説明する。振動検知システムは、建築物や土木構造物の柱、梁、壁などに加速度センサーを設置して、地震などによる振動が生じた場合に所定期間、その振動の履歴情報を記録するようにしたシステムである。図1や図3Aに示した本実施形態に係る多点計測システムにおいて、センシング装置30として加速度センサーを搭載した基準局装置10およびローカル局装置20を対象物の任意の箇所に設置することで振動検知システムを構築することができる。特に、図3Aに示したように、基準局装置10にPCを用いた場合、対象物の揺れをリアルタイムにモニターすることができる。
振動検知システムでは、基準局装置10およびローカル局装置20において所定のトリガー条件が設定され、この条件に合致したときに加速度波形を所定時間記録するようになっている。トリガーとは、検知した加速度の大きさが閾値に達したときに記録を開始して所定時間後に所定範囲のデータを保存する機能のことである。すべての期間のデータを保存するには膨大な記憶容量と消費電力が必要になるため、装置を小型化し電池駆動を可能にするためにトリガー条件が設定される。
図10は、相異なる箇所に設置されたローカル局装置20でそれぞれ計測された加速度波形の例を示す。トリガーレベルは例えば10galである。あるローカル局装置20(図中の「ローカル局A」)では、時刻t10に設置箇所の加速度がトリガーレベルを超えることで加速度の記録が開始され、所定時間後の時刻t12に記録が終了する。一方、別のローカル局装置20(図中の「ローカル局B」)では、時刻t10では設置箇所の加速度はトリガーレベルを超えておらず、時刻tzになってトリガーが発生している。
このように、ローカル局装置20が設置された箇所によって振動が異なることによりすべてのローカル局装置20でトリガー条件が一致せずに、同一時間内の対象物の多点同時計測データの比較ができなくなってしまうことがある。また、たとえトリガー条件が一致したとしても各装置の時刻値がずれていると多点同時計測の信頼性が低下する。特に、ローカル局装置20には比較的精度が低い低消費電力の発振器108(図2を参照)が用いられることが多いため、時刻同期を実施しても時間とともに時刻のずれが大きくなる。
そこで、振動検知システムにおいて、基準局装置10をシステム全体のトリガーを決定するトリガーマスターとして指定し、トリガーマスターにおいてトリガーが発生したときにトリガーマスターからすべてのローカル局装置20にトリガー開始命令を一斉に送信するとよい。あるいは、振動検知システムにおけるいずれか一つのローカル局装置20をトリガーマスターとして指定し、基準局装置10を中継局として用いて、基準局装置10がトリガーマスターからのトリガー開始命令を中継してトリガーマスターを含むすべてのローカル局装置20にトリガー開始命令を一斉に送信してもよい。いずれの場合も、上述したように基準局装置10から設定実行命令をブロードキャスト送信する形態を応用することができる。基準局装置10はトリガー判定をするだけであれば、ローカル局装置20と同じ構成にしてもよい。
なお、トリガーマスターから送信したトリガー開始命令が各ローカル局装置20に受信されるまでの通信遅延をできるだけ小さくするために、トリガー開始命令は時刻同期処理開始を表す設定実行命令と同様にできるだけデータ長の短いデータであることが好ましい。
また、各装置が無線通信する場合、中継する基準局装置10は、すべてのローカル局装置20との間で良好な無線通信ができるように電波状態のよい箇所に設置することが好ましい。
図11は、基準局装置10がトリガー開始命令を中継するときの基準局装置10およびローカル局装置20における時刻とこれら装置間の通信の例を模式的に示す。まず、トリガーマスターに指定されているローカル局装置20(図中の「ローカル局A」)においてトリガーが発生し、トリガーマスターから基準局装置10(図中の「中継局」)にトリガー開始命令が送信される(図中の<1>)。なお、トリガーマスターに指定されているか否かは、例えば、EEPROM103(図2を参照)などに保存されている。基準局装置10は、トリガー開始命令を受信して(図中の<2>)、UDPなどのコネクションレス型プロトコル通信にてトリガーマスターを含むすべてのローカル局装置20にトリガー開始命令をブロードキャスト送信する(図中の<3>)。このトリガー開始命令として設定実行命令を送信してもよい。各ローカル局装置20は、トリガー開始命令を受信すると、その受信時刻をトリガーポイントと定める(図中の<4>)。また、基準局装置10やローカル局装置20の通信遅延時間が既知であれば、その時間分遡った時刻をトリガーポイントと定めてもよい。また、同時に外部(中継局)からのトリガー開始命令であることをパラメータに保持してもよい。
トリガーマスターにおいてトリガー発生から所定時間が経過すると記録が終了する(図中の<5>)。ここで、すべてのローカル局装置20でトリガーポイントが一致しているため、別のローカル局装置20(図中の「ローカル局B」)においても記録が終了する。その後、トリガーマスターは基準局装置10に記録終了通知を送信する(図中の<6>)。この通知にはトリガーマスターのローカル時刻値が含まれていてもよい。基準局装置10は記録終了通知を受信して(図中の<7>)、基準時刻値をすべてのローカル局装置20にブロードキャスト送信する(図中の<8>)。この基準時刻値は、記録開始時の基準時刻値または記録終了時の基準時刻値のいずれでもよい。各ローカル局装置20は基準時刻値を受信してローカル時刻値を修正し(図中の<9>)、データ保存範囲を確定して(図中の<10>)、修正したローカル時刻値および外部トリガーであるパラメータをセンサーデータに付加して記録部105(図2を参照)にセンサーデータを保存する(図中の<11>)。ここで、ローカル局装置20においてローカル時刻値は修正しなくてもよい。なぜならば図中の<4>および<5>のタイミングは各ローカル局装置20で管理可能であり、データ保存範囲はトリガーマスターと同一範囲であることを前提に考えると、トリガーマスターから送信された時間情報を付加してデータ保存すればよいからである。
トリガーレベルは地震波のS波を検出できる大きさに設定しているため、P波が到達してもトリガーが発生せずにP波の計測結果が保存されないおそれがある。そこで、ローカル局装置20がプリトリガー機能を有する場合には、計測値が一時的に記憶されているRAM104(図2を参照)においてトリガーポイントからプリトリガーとして設定された時間だけ遡った時刻からのセンサーデータを取得する。
なお、図11中の<1>〜<4>の通信において通信障害などにより動作不全が発生した場合には、すべてのローカル局装置20でトリガーポイントを一致させる必要はなく、各ローカル局装置20で発生したトリガーに従ってセンサーデータを記録するとよい。これは、各ローカル局装置20のトリガーを一致させることよりもデータの取り逃しを防止することの方が優先されるからである。
また、図11中の<6>〜<9>の通信はなくてもよい。これは、各ローカル局装置20の間でRTC時刻値が多少ずれていても、各ローカル局装置20がトリガー開始命令が外部からのものであること示すパラメータをセンサーデータと一緒に保存・参照することで、外部のトリガー開始命令によって保存されたセンサーデータであると判断できるからである。
また、図11中の<8>〜<9>の通信は余裕のある時間に行うことが好ましい。これは、各ローカル局装置20で記録終了時刻に多少のずれが生じることがあり、そのずれの影響を排除するためである。
また、トリガーマスターとして処理能力の高いPCを用いた場合は、各ローカル局装置20から記録終了(図11中の<5>)を個別に受信し、図11中の<8>〜<11>の処理を個別に行ってもよい。
ローカル局装置20において通信デバイス101(図2を参照)の受信待機電力が小さければ通信デバイス101の電源をオンのままにしておいて、基準局装置10と常時通信ができる状態にしておいてもよい。しかし、通信デバイス101の消費電力が大きい場合、電池駆動のローカル局装置20を用いて地震などを長期に亘って観測する上で、通信デバイス101の受信待機電力をいかに低減するかが重要な課題となる。そこで、ローカル局装置20において通信デバイス101の電源を常時オフしておき、振動を検知したときにのみ通信デバイス101の電源をオンし、データを取得した後に再び通信デバイス101の電源をオフするようにするとよい。一方、中継局として機能する基準局装置10には商用電源を供給し、さらに必要に応じてバックアップバッテリーを設け、通信デバイス101を常時電源オンの状態にしておく。トリガーマスターに指定されたローカル局装置20は通信デバイス101の電源がオンしてから所定時間後に基準局装置10と通信する。所定時間待つ理由はすべてのローカル局装置20において通信デバイス101の電源がオンするのを待つためである。
なお、トリガーマスターに指定されたローカル局装置20は地面などに設置することで、地震のみに反応して通信デバイス101の電源をオンすることができる。その他のローカル局装置20は、トリガーマスターの設置箇所よりも必ず大きな振動が検知される箇所、例えば建築物の1階から最上階に設置することが好ましい。また、基準局装置10が加速度センサーを有していれば、振動を検知したときにのみ通信デバイス101の電源をオンするようにしてもよい。地震を観測する場合、基準局装置10も地面などに設置するとよい。
省電力化を図るローカル局装置20ではデータ取得後に時刻同期処理を行ってもよい。例えば、上述したように基準局装置10が所定時間間隔でローカル局装置20との時刻同期を自動で行う場合でも、トリガー中やデータ取得中はローカル局装置20は時刻同期処理を行わずにデータ取得後に時刻同期処理を行ってもよい。図12は、データ取得後に時刻同期処理を行う場合の各装置の動作例のフローを示す。基準局装置10(図中の「中継局」)またはトリガーマスターに指定されたローカル局装置20(図中の「トリガーマスター」)において、振動が検知されると(S302)、通信デバイス101の電源がオンにされ(S304)、その後、その他のローカル局装置20における通信デバイス101の電源がオンになるで所定時間待ちをする(S306)。一方、その他のローカル局装置20(図中の「ローカル局」)において、振動が検知されると(S402)、通信デバイス101の電源はオフのままで振動データが取得され(S404)、データ取得後に通信デバイス101の電源がオンにされる(S406)。
なお、計測している加速度がトリガーレベルを超えたと判定することで振動を検知することができる。計測値とトリガーレベルとの比較にはアナログコンパレータなどを用いて省電力化を図ってもよい。
基準局装置10およびトリガーマスターのローカル局装置20では所定時間待った後に、その他のローカル局装置20では通信デバイス101の電源がオンにされてから、時刻同期処理が行われる(S308,S408)。時刻同期処理の具体例については上述したとおりである。その後、基準局装置10およびトリガーマスターのローカル局装置20では通信終了の判定処理が行われ(S310)、通信デバイス101の電源がオフにされる(S312)。なお、すべてのローカル局装置20から計測データを受信したとき、通信終了と判定することができる。所定時間以上経っても計測データができなければタイムアウトして通信終了と判定してもよい。一方、その他のローカル局装置20では通信デバイス101の電源がオフにされ(S410)、センサーデータにステップS408で時刻同期されたローカル時刻値がタイムスタンプとして付加されて記録部105に保存される(S412)。
このように、基準局装置10とローカル局装置20との間の時刻同期処理は、各ローカル局装置20において振動データを取得してから当該データを記録部105に保存する前に行ってもよい。
なお、ローカル局装置20に時刻同期処理や外部との通信を行うMPUと計測用のMPUとを別々に設けてもよい。1個の高速のMPUにすべての処理をさせるよりも、2個のMPUで各処理を分担させた方が装置全体を低消費電力化することができる。
本発明に係る多点計測システムは、基準局装置とローカル局装置との間で高精度な時刻同期を実現することができるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した振動検知システムなどとして有用である。
10 基準局装置
20 ローカル局装置
30 センシング装置
106 タイマー
107 RTC

Claims (14)

  1. 基準時刻値を持つ基準局装置と、
    センシング装置を有し、ローカル時刻値を持つ複数のローカル局装置とを備え、
    前記基準局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶するための命令を前記ローカル局装置に送信し、その後、前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定して前記タイミングに対応する前記基準時刻値を表す修正値を前記ローカル局装置に送信するように構成されており、
    前記ローカル局装置が、前記命令を受信して前記ローカル時刻値をゼロに初期化または前記命令を受信したときの前記ローカル時刻値を記憶し、その後、前記修正値を受信して前記ローカル時刻値が前記タイミングに対応する値になったときに前記ローカル時刻値を前記修正値に更新するように時刻同期を行う
    ことを特徴とする多点計測システム。
  2. 請求項1に記載の多点計測システムにおいて、
    前記ローカル局装置が、前記命令を受信すると直ちに応答となる命令を前記基準局装置に返送するように構成されており、
    前記基準局装置が、前記ローカル局装置との間で前記命令の送受信を連続して繰り返し行って、前記ローカル局装置に前記命令を送信してから前記ローカル局装置から前記命令を受信するまでの送受信遅延時間を連続して繰り返し計測し、その後、前記送受信遅延時間が前記計測した最小値以下または前記連続して繰り返し計測した前記送受信遅延時間を昇順に順次所定回数比較した値以下になるまで前記ローカル局装置との間で前記命令の送受信を再び連続して繰り返し行い、最後に前記命令を送信または受信したタイミングに対応する前記基準時刻値および最後に計測した前記送受信遅延時間に基づいて前記修正値を算出するように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  3. 請求項2に記載の多点計測システムにおいて、
    前記基準局装置および前記ローカル局装置が、前記命令を送受信している期間中は前記時刻同期処理以外の処理を停止するように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  4. 請求項2および3のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記基準局装置および前記ローカル局装置は、前記送受信遅延時間を計測中はコネクションレス型プロトコルで通信し、それ以外はコネクション型プロトコルで通信する
    ことを特徴とする多点計測システム。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記時刻同期処理中は、前記ローカル局装置が、前記基準局装置から送信される前記命令を前記センシング装置のサンプリング周期よりも短い時間間隔で待ち受けるように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記ローカル局装置のいずれか一つが、トリガー開始命令を前記基準局装置に送信するように構成されており、
    前記基準局装置が、前記トリガー開始命令を受信して前記命令を前記ローカル局装置に送信するように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記基準局装置が、コネクションレス型プロトコル通信により前記命令を前記ローカル局装置に送信するように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  8. 請求項1から7のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記基準局装置が、基準RTC(Real Time Clock)時刻値を保持するRTCおよび前記基準時刻値を保持するタイマーを有しており、かつ、前記タイミングに対応する前記基準RTC時刻値を表すRTC修正値を前記ローカル局装置に送信するように構成されており、
    前記ローカル局装置が、ローカルRTC時刻値を保持するRTCおよび前記ローカル時刻値または相対時間を保持するタイマーを有しており、かつ、前記RTC修正値を受信して前記ローカル時刻値または前記相対時間が前記タイミングに対応する値になったときに前記ローカルRTC時刻値を前記RTC修正値に更新するように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  9. 請求項8に記載の多点計測システムにおいて、
    前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングが、前記基準RTC時刻値が変化するタイミングと一致するタイミングである
    ことを特徴とする多点計測システム。
  10. 請求項1から9のいずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記命令は、時刻データよりも短いデータ長のデータ、前記センシング装置のサンプリング周期よりも短い時間で送受信可能なデータ長のデータ、および相手方装置を特定するIDを含むデータのいずれかである
    ことを特徴とする多点計測システム。
  11. 請求項1からの10いずれか一つに記載の多点計測システムにおいて、
    前記基準局装置が、所定時間間隔で、前記ローカル局装置との間の時刻同期を自動で行うように構成されている
    ことを特徴とする多点計測システム。
  12. 基準時刻値を持つ基準局装置とローカル時刻値を持つ複数のローカル局装置とを備えた多点計測システムにおいて前記ローカル時刻値を前記基準時刻値に同期させる方法であって、
    前記基準局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶するための命令を前記ローカル局装置に送信するステップと、
    前記ローカル局装置が、前記命令を受信して前記ローカル時刻値をゼロに初期化または前記命令を受信したときの前記ローカル時刻値を記憶するステップと、
    前記基準局装置が、前記命令を送信した後、前記ローカル時刻値を更新すべきタイミングを決定して前記タイミングに対応する前記基準時刻値を表す修正値を前記ローカル局装置に送信するステップと、
    前記ローカル局装置が、前記ローカル時刻値を初期化または記憶した後、前記修正値を受信して前記ローカル時刻値が前記タイミングに対応する時刻値になったときに前記ローカル時刻値を前記修正値に更新するステップとを備えている
    ことを特徴とする時刻同期方法。
  13. 請求項12に記載の時刻同期方法において、
    前記修正値を送信するステップでは、前記基準局装置が、前記タイミングに対応する前記ローカル時刻値を表すタイミング値を前記ローカル局装置に送信し、
    前記ローカル時刻値を更新するステップでは、前記ローカル局装置が、前記タイミング値を受信し、前記ローカル時刻値が前記タイミング値になったときに前記ローカル時刻値を更新する
    ことを特徴とする時刻同期方法。
  14. 請求項12および13のいずれか一つに記載の時刻同期方法において、
    前記命令は、時刻データよりも短いデータ長のデータ、前記ローカル局装置におけるセンシング装置のサンプリング周期よりも短い時間で送受信可能なデータ長のデータ、および相手方装置を特定するIDを含むデータのいずれかである
    ことを特徴とする時刻同期方法。
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