JP2018054502A - 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム - Google Patents

測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018054502A
JP2018054502A JP2016191944A JP2016191944A JP2018054502A JP 2018054502 A JP2018054502 A JP 2018054502A JP 2016191944 A JP2016191944 A JP 2016191944A JP 2016191944 A JP2016191944 A JP 2016191944A JP 2018054502 A JP2018054502 A JP 2018054502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
time
data
signal
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016191944A
Other languages
English (en)
Inventor
健介 蔭山
Kensuke Kageyama
健介 蔭山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Symphodia Phil Co Ltd
Saitama University NUC
Original Assignee
Symphodia Phil Co Ltd
Saitama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Symphodia Phil Co Ltd, Saitama University NUC filed Critical Symphodia Phil Co Ltd
Priority to JP2016191944A priority Critical patent/JP2018054502A/ja
Publication of JP2018054502A publication Critical patent/JP2018054502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】AE情報を効率よく圧縮することにより、AE測定システムの消費電力を抑えることの可能な低コストのAE測定システム等を提供する。【解決手段】現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換する測定時間抽出部12と、信号読み取り部11が検出したサンプリングデータと閾値とを比較する信号測定部14と、サンプリングデータが閾値より大きい場合、測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取る信号パラメータ抽出部15と、信号パラメータ抽出部15が読み取った信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値を比較してAE信号か否か判定するAE判定部16を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、アコースティック・エミッション(AE)を測定する技術に係り、特にAE情報を圧縮することの可能な測定装置、AE測定システム、AE測定方法及びAE測定プログラムに関する。
対象物から発生する信号波形から得られるフーリエスペクトルやウェーブレットスペクトル等の周波数情報を用いてAE信号を測定する方法が知られている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載された方法では、膨大なデータ量のAE情報を扱う際、高速のサンプリング時間で得た波形の記録や位置標定のための高精度の同期には、高価な機器が必要にある。またAEデータの測定の際には、測定中に、検出されるAEデータ量が突発的に急増して大きく変動する場合がある。
そのため膨大な量のAEが検出された場合に対応できるように、記録及び通信装置の性能を確保する必要があり、結果、AE測定装置の消費電力とコストが増大や情報資源の浪費やコンピュータの計算時間の増大という問題がある。よってAE測定の技術は、貯蔵タンクの劣化等の定期的な検査や、試作した部材の信頼性を測定する加速試験といった一時的な測定において使用されるに留まる。例えばインターネットへの常時接続が前提であることにより低コストで低消費電力が求められるIoT(Internet of Things)技術との組み合わせにおいては、自立駆動型端末がソーラーセルを電力としてAE情報を取得する場合がある。しかしながら、AE情報を取得する自立駆動型端末の消費電力を考慮したAE情報の圧縮技術は進んでいなかった。更にAE情報の冗長性により、測定精度が低下するような問題もあった。
特許第5413783号公報
上記問題を鑑み、本発明は、AE情報を効率よく圧縮することにより、AE測定システムの消費電力を抑えることの可能な低コストの測定装置、AE測定システム、AE測定方法及びAE測定プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)AEセンサから測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出する信号読み取り部と、(b)現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換する測定時間抽出部と、(c)信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較する信号測定部と、(d)サンプリングデータが閾値より大きい場合、測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取る信号パラメータ抽出部と、(e)信号パラメータ抽出部が読み取った信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するAE判定部を備える測定装置であることを要旨とする。第1の態様に係る測定装置において、測定時間インデックスによって、測定時間がサンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、信号波形記録長が時間単位の内部に定義されることにより、AEデータが圧縮される。
本発明の第2の態様は、(a)AEセンサから測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出する信号読み取り部、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換する測定時間抽出部、信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較する信号測定部、サンプリングデータが閾値より大きい場合、測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取る信号パラメータ抽出部、信号パラメータ抽出部が読み取った信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するAE判定部、 測定時間インデックスと共に圧縮されたAEデータを受信装置に送信するデータ送信部を有する測定装置と、(b)測定時間インデックス及び圧縮されたAEデータを受信するAEデータ受信部、測定時間インデックスから、圧縮されたAEデータの配列データのそれぞれに送信時刻を付与する時刻同期部を有する受信装置を備えるAE測定システムであることを要旨とする。第2の態様に係るAE測定システムにおいて、測定時間インデックスによって、測定時間がサンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、信号波形記録長が時間単位の内部に定義されることにより、AEデータが圧縮される。
本発明の第3の態様は、(a)測定装置の信号読み取り部が、AEセンサから送信された測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出するステップと、(b)測定装置の測定時間抽出部が、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換するステップと、(c)測定装置の信号測定部が、信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較するステップと、(d)測定装置の信号パラメータ抽出部が、サンプリングデータが閾値より大きい場合、測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取るステップと、(e)測定装置のAE判定部が、信号パラメータ抽出部が読み取った信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するステップを含むAE測定方法であることを要旨とする。第3の態様に係るAE測定方法において、測定時間インデックスによって、測定時間がサンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、信号波形記録長が時間単位の内部に定義されることにより、AEデータが圧縮される。
本発明の第4の態様は、(a)測定装置の信号読み取り部に、AEセンサから送信された測定対象物のAEデータを受信させ、一定のサンプリング時間で複数個検出させる命令と、(b)測定装置の測定時間抽出部に、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出させ、測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換させる命令と、(c)測定装置の信号測定部に、信号読み取り部に検出したサンプリングデータと閾値とを比較させる命令と、(d)測定装置の信号パラメータ抽出部に、サンプリングデータが閾値より大きい場合、測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取らせる命令と、(e)測定装置のAE判定部に、信号パラメータ抽出部に読み取った信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定させる命令を含む一連の命令からなる処理を測定装置に実行させるAE測定プログラムであることを要旨とする。第4の態様に係るAE測定プログラムにおいて、測定時間インデックスによって、測定時間がサンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、信号波形記録長が時間単位の内部に定義されることにより、AEデータが圧縮される。
本発明によれば、AE情報を効率よく圧縮することにより、AE測定システムの消費電力を抑えることの可能な低コストの測定装置、AE測定システム、AE測定方法及びAE測定プログラムを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムの概略を模式的に説明するブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムで用いる測定装置の内部構成を模式的に説明するブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムで用いる受信装置の内部構成を模式的に説明するブロック図である。 図4(a)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における信号波形記録長を模式的に説明する図であり、図4(b)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における信号波形記録長及び時間単位の関係を模式的に説明する図である。 図5(a)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムで用いるユーザ設定データメモリの一例を説明する図であり、図5(b)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムで用いる時刻データメモリ及びAEデータメモリの一例をそれぞれ説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置の信号読み取りフローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置の測定時間抽出フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置の信号測定フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置の信号パラメータ抽出フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置のAE判定フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置のデータ送信フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における測定装置のパラメータ更新フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における受信装置の受信フローを模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法における受信装置の同期フローを模式的に説明する図である。 図16(a)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法におけるAEデータ圧縮方法の一例を模式的に説明する図であり、図16(b)は図16(a)で抽出された圧縮後の3個のAEデータを説明する図であり、図16(c)は図16(b)で示したAEデータと同期させる時間データを説明する図である。 図17(a)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法におけるAEデータ圧縮方法の他の例を模式的に説明する図であり、図17(b)は図17(a)で抽出された圧縮後の3個のAEデータを説明する図であり、図17(c)は図17(b)で示したAEデータと同期させる時間データを説明する図である。 図18(a)は本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法におけるAEデータ圧縮方法の更に他の例で抽出された圧縮後の100個のAEデータを説明する図であり、図18(b)は図18(a)で示したAEデータと同期させる時間データを説明する図である。 図19(a)はデータ圧縮を行わない比較例に係る信号測定方法で検出された、AE判定を行わない場合の検出された信号データの一例を説明する図であり、図19(b)は図19(a)で示した信号データと時間データとを同期させた状態を説明する図である。 図20(a)はデータ圧縮を行わない比較例に係る信号測定方法で検出された、AE判定を行う場合の検出された信号データの一例を説明する図であり、図20(b)は図20(a)で示したAEデータと時間データとを同期させた状態を説明する図である。 図21(a)はデータ圧縮を行わない比較例に係るAE測定方法で検出された、検出数が少ない場合のAEデータの一例を説明する図であり、図21(b)はデータ圧縮を行わない比較例に係るAE測定方法で検出された、検出数が多い場合のAEデータの一例を説明する図である。 第1の実施形態の実施例1に係るAE測定システムにおける測定条件毎のデータ件数を示す図である。 図23(a)は条件Aに対応する測定日数及びAE信号の両振幅Vppを示し、図23(b)は条件Aに対応する測定日数及びAE信号の両振幅Vppを示し、図23(c)は条件A10に対応する測定日数及びAE信号の両振幅Vppを示す図である。 図24(a)は条件Aに対応する測定日数及びAE検出数を示す図であり、図24(b)は条件Aに対応する測定日数及びAE検出数を示す図であり、図24(c)は条件A10に対応する測定日数及びAE検出数を示す図である。 図25(a)は条件Aに対応する測定日数及びAE検出数を昼間と夜間に分けて示す図であり、図25(b)は条件Aに対応する測定日数及びAE検出数を昼間と夜間に分けて示す図であり、図25(c)は条件A10に対応する測定日数及びAE検出数を昼間と夜間に分けて示す図である。 第1の実施形態の実施例2に係るAE測定システムの一部を模式的に説明する図である。 図27(a)は図26中の条件Aに対応する測定時間及びAE信号の両振幅Vppを示す図であり、図27(b)は条件Aに対応する測定時間及びAE信号の両振幅Vppを示す図であり、図27(c)は条件A10に対応する測定時間及びAE信号の両振幅Vppを示す図であり、図27(d)は条件A100に対応する測定時間及びAE信号の両振幅Vppを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るAE測定システムの概略を模式的に説明するブロック図である。 図29(a)は第2の実施形態の実施例1において閾値を超えた信号の両振幅Vppをすべて記録した場合を説明する図であり、図29(b)は時間単位を1秒で設定した状態でAE信号のみ抽出して両振幅Vppを記録した場合を説明する図である。 図30(a)は本発明の第2の実施形態の実施例2に係るAE測定方法における測定日数及びAE発生数を示す図であり、図30(b)は比較例に係る測定日数及びAE発生数を示す図である。
以下に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また以下に示す第1及び第2の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。更に、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。
(第1の実施形態に係るAE測定システム)
本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムは、図1に示すように、測定対象物1に取り付けられた第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2b、測定装置3、ユーザ設定データメモリ30並びに受信装置4を備える。測定装置3は、第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bに接続されているポータブルな端末である。ユーザ設定データメモリ30は測定装置3に接続され、受信装置4は、ポータブルな端末である測定装置3から送信されたAEデータを受信する。
測定装置3は、図1に示すように第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bから送信された信号を測定する信号測定回路10と、信号測定回路10に接続された無線ユニット41と、無線ユニット41に接続されたアンテナ42を備える。受信装置4は、アンテナ72と、アンテナ72に接続された無線ユニット71と、無線ユニット71に接続されたデータ受信回路50を備える。
図1に例示した第1の実施形態に係るAE測定システムは、2チャンネルのAEセンサを備えたAE測定システムであり、測定装置3は、第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bを介して、測定対象物1から生じるアナログの音響信号を読み取り、読み取った信号を一定条件の下で測定してサンプリングして、ディジタルのAEデータを作成する。作成されたAEデータは、測定装置3側のアンテナ42と受信装置4側のアンテナ72との間で無線により送受信される。
第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bでの例示では2個であるが、AEセンサの数は測定対象物1に応じて3個以上の複数個設けてよく、圧電型、静電型、エレクトレット型等の種々のAEセンサが適宜使用できる。測定装置3の信号測定回路10は、図2に示すように、信号読み取り部11、測定時間抽出部12、測定時間チェック部13、信号測定部14、信号パラメータ抽出部15、AE判定部16、データ送信部17及びパラメータ更新部18等のハードウェア資源を論理的な構成として備える。また信号測定回路10には、バッファメモリ21、変数データメモリ22、時刻データメモリ23、信号強度メモリ24及びAEデータメモリ25等の記憶装置が接続されている。受信装置4のデータ受信回路50は、図3に示すように、AEデータ受信部51及び時刻同期部52等のハードウェア資源を論理的な構成として備える。データ受信回路50には、送信時刻データメモリ61及びAEデータメモリ62等の記憶装置接続されている。
図2に示した信号測定回路10の信号読み取り部11には、図7に示すように、第1アナログフィルタ11a1、第2アナログフィルタ11a2、第1増幅器11b1、第2増幅器11b2、包絡線回路等のアナログ回路や第1AD変換器11c1、第2AD変換器11c2が含まれるが、AD変換後のディジタル処理を行う信号測定回路10及びデータ受信回路50には、マイクロチップとして実装されたマイクロプロセッサ(MPU)等を使用してコンピュータシステムを構成することが可能である。又、コンピュータシステムを構成する信号測定回路10及びデータ受信回路50として、算術演算機能を強化し信号処理に特化したディジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、メモリや周辺回路を搭載し組込み機器制御を目的としたマイクロコントローラ(マイコン)等を用いてもよい。
或いは、現在の汎用コンピュータのメインCPUを信号測定回路10及びデータ受信回路50に用いてディジタル処理を行ってもよい。更に、信号測定回路10及びデータ受信回路50の一部の構成又はすべての構成をフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)のようなプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)や専用の回路で構成してもよい。PLD等によって、信号測定回路10及びデータ受信回路50の一部又はすべてを構成した場合は、バッファメモリ21、変数データメモリ22、時刻データメモリ23、信号強度メモリ24、AEデータメモリ25、送信時刻データメモリ61及びAEデータメモリ62等は、PLDを構成する論理ブロックの一部に含まれるメモリブロック等のメモリ要素として構成することができる。
更に、信号測定回路10及びデータ受信回路50のディジタル処理を行うハードウェア資源としては、CPUコア風のアレイとPLD風のプログラム可能なコアを同じチップに搭載した構造でもよい。このCPUコア風のアレイは、あらかじめPLD内部に搭載されたハードマクロCPUと、PLDの論理ブロックを用いて構成したソフトマクロCPUを含む。つまり、ディジタル処理に関しては、PLDの内部においてソフトウェア処理とハードウェア処理を混在させた構成でもよい。
次に、第1の実施形態に係るAE測定システムで行う、データ圧縮及び時刻の同期処理で用いられるパラメータを、以下のA〜Eの5種類に分けてそれぞれ説明する。
A:時間パラメータ
(1)サンプリング時間ts
サンプリング時間tsは、図4(a)に示すように、測定装置3がAEセンサからのアナログ信号をAD変換する際のサンプリング時間である。サンプリング時間tsは、使用するAEセンサの共振周波数の2〜100倍程度、より望ましくは4〜10倍程度の周波数に対応する時間に設定されることが好ましい。
(2)信号検出時間tsig
信号検出時間tsigは、従来の技術における信号検出時間を示し、本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法で用いるサンプリング時間tsと区別するために用いる。
(3)信号波形記録長Tw:
信号波形記録長Twは、経験則により事前に設定された閾値Vthを超える信号を検出したときのみに、バッファメモリ21から信号波形を読み取る長さである。読み取る長さの単位としては、時間又はワード(数)を使用できる。図4(a)中の破線囲みの領域で示すように、信号波形記録長Twは、1個の連続波形のうちに定義される、閾値Vthを超えて信号取込トリガーが発生した時点から一定の時間長で切り取った部分の長さである。信号波形記録長Twは、AEセンサの共振周波数の周期の1〜1000倍程度、より望ましくは10〜100倍程度の時間に設定されることが好ましい。
(4)時間単位tu
時間単位tuは、図4(b)に示すように、AEセンサからのアナログ信号のデータを配列データに変換する際の時間単位(時間間隔)である。1個の時間単位tuの中では、信号波形記録長Twが1回生じる。時間単位tuの要素数と時間単位tuの積が、測定開始から現時点までの累積時間となる。時間単位tuが短すぎると記録する配列データの要素数が増すために記録及び通信装置の性能を高くする必要があり、AE測定システムのコストと消費電力の増大を招く。さらに本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムでは、送受信時刻で時刻の同期をとるため、時間単位tuが短いほど同期の誤差が増大する。
時間単位tuは0.1秒〜1時間の範囲で、より望ましくは後述する実施例の結果を考慮して、1秒〜60秒の範囲内が望ましい。1日で1秒程度のずれが生じるリアルタイムクロックの性能を考えると、時間単位tuは0.1秒以上必要である。一方、時間単位tuが長すぎるとAE情報の圧縮率が高くなり、より多くの情報が失われる。本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムを、1年以上の長期の状態監視に用いると想定した際、監視の必要上、少なくとも1日のAE発生数の推移を知る必要が生じる場合があるため、時間単位tuは1時間以下とすべきである。
(5)測定時間tm
測定時間tmは、測定開始から現時点までの時間である。尚、測定開始とは、測定装置3がAEデータの送信を終了して、測定に復帰した時点からの経過時間と定義する。
(6)測定時間インデックス(測定時間帯)itm
測定時間インデックスitmは、測定開始から現時点までの測定時間tmを、時間単位tuを単位として整数の番号を経時的に昇順で付与して変換した、配列要素(配列データ)に対応したインデックスである。
(7)送信間隔tint
送信間隔tintは、AEデータを受信装置4等の他の機器に送信する間隔である。図4(b)中の右下に示すように、時間単位tuの要素数iは、1個以上、送信間隔tint以下の数値の範囲になる。
(8)送信間隔インデックスitint
送信間隔インデックスitintは、送信間隔tintを、時間単位tuを単位として整数の番号を経時的に昇順で付与して変換した、配列要素に対応したインデックスである。
B:信号パラメータ
(1)閾値Vth
閾値Vthは、AEセンサから信号波形を取り込むときに用いる基準をなす閾値であり、事前の実験データから任意に設定する。図4(a)に示すように、信号レベルVsigが閾値Vthを越えた時点で信号取込トリガーが発生し、信号波形がバッファメモリ21から信号波形記録長Twで取り込まれる。尚、図4(a)中の波形は直線を組み合わせて例示されているが、実際の波形は異なる場合がある。
(2)両振幅Va
両振幅Vaは、図4(a)に示すように、取り込まれた信号波形の両振幅である。尚、両振幅Vaは、波形の最大値―最小値間の差、最大値及び最小値のように別々に分けてデータ化して扱うこともできる。
(3)信号強度比Ra:
信号強度比Raは、複数のAEセンサを用いて得られた複数の両振幅Vaの値の最大値を、2番目に大きい値で除した値である。
(4)取込回数Nsig
取込回数Nsigは、時間単位tuを用いて構成した、同じ配列要素内でアナログ信号波形をAEセンサから取り込んだ回数である。例えば図4(b)中のi=j+1〜i=j+2の間は1個の時間単位tuをなす。取込回数Nsigは、このような1個の時間単位tu内に含まれるアナログ信号波形の数を示す。取込回数Nsigは、ノイズの多い環境であるか、或いはAEセンサが故障していないかなどを知る上で有用なパラメータである。
C:AE判定パラメータ
(1)信号レベルVsig
図4(a)の縦軸をなす信号レベルVsigは信号強度相当の電圧であり、上述したように信号レベルVsigに対して真のAEであるかどうかを判定するための閾値Vthをあらかじめ設定できる。
(2)ノイズレベルVnoize
ノイズレベルVnoizeは、バックグラウンドノイズ相当の電圧であり、AE判定パラメータとしてあらかじめ設定できる。また或いはAEセンサ及び測定装置3が配置される環境に応じて自動調整するようにも設定可能である。
(3)SN比レベルRsn
SN比レベルRsnは、あらかじめ設定される信号波形のS/N比に対する閾値である。尚、AE判定パラメータとしては、信号レベルVsig、ノイズレベルVnoize及びSN比レベルRsn以外にも、取り込んだ波形のピークカウントや、ピーク周波数について設定した閾値を用いることもできる。
D:AEパラメータ
(1)両振幅Vpp
両振幅Vppは、AEと判定された信号の波形(AE波形)の両振幅である。AE判定前に取り込まれた信号波形の両振幅Vaの場合と同様に、波形の最大値―最小値間の差、最大値及び最小値のように別々に分けてデータ化して扱うことができる。
(2)実効値Vrms
実効値Vrmsは、AE波形の実効値であり、包絡線の利用も可能である。
(3)最大ピーク周波数fp
最大ピーク周波数fpは、AE波形の高速フーリエ変換(FFT)スペクトルの最大ピーク周波数である。
(4)ピークカウントNp
ピークカウントNpは、AE波形のピークカウントの回数である。ピークカウントNpとしては、閾値Vthを越えた回数をカウントする。
(5)AE発生数NAE
AE発生数NAEは、同じ配列要素内で検出されたAEの数である。AEが1回しか発生しなければNAE=1となり、複数のAEが検出されればNAE>1となる。
これらのAEパラメータは、AE判定での基準として使用することで判定精度を向上させたり、発生したAEを分類したりする上で有用である。
E:時刻同期パラメータ
(1)送信時刻ttr
送信時刻ttrは、測定装置3におけるリアルタイムクロックでの時刻である。
(2)受信時刻tre
受信時刻treは、受信装置4における時刻であり、全地球測位システム(GPS)、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)などで同期させる。
上記A〜Eに含まれるパラメータのうち、送信間隔tint、信号レベルVsig、ノイズレベルVnoize及びSN比レベルRsnは、ユーザが測定装置3に無線などを用いてアクセスして設定可能である。上記A〜Eに含まれるパラメータのうち、本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムで送受信するデータが図5中に例示されている。図5(a)に示すように、ユーザ設定データメモリ30には、閾値Vthのデータファイル、信号レベルVsigのデータファイル、ノイズレベルVnoizeのデータファイル、SN比レベルRsnのデータファイル、送信間隔tintのデータファイル及び時間単位tuのデータファイルがユーザ設定データとしてファイル別に格納されている。
図1に示した構成のように、ユーザ設定データのパラメータを、ユーザが受信装置4を介することにより、測定される環境や検出されるAE信号に応じて、信号及びAE測定の基準を調整することが可能となる。或いは、図1に示した構成の他、パーソナルコンピュータ(PC)を測定装置3に無線などを用いて接続するなどして予め設定することによっても、測定される環境や検出されるAE信号に応じて、信号及びAE測定の基準を調整することが可能となる。すなわちユーザ設定データは、測定装置3が受信するデータである。
図5(b)の上段に示すように、時刻データメモリ23には、送信時刻ttr及び測定時間インデックスitmが時刻データとして格納される。測定装置3が受信装置4にAEデータを送信した際の時刻として、測定装置3がリアルタイムクロックでカウントした送信時刻ttrを用いることで、前回データを送信してからの経過時間としての測定時間を算出できる。さらに測定装置3は、測定時間インデックスitmを受信装置4に送信する。送信時刻ttr及び測定時間インデックスitmが送信されることにより、受信装置4側でAEデータの時刻の同期が可能となる。
図5(b)の下段に示すように、AEデータメモリ25には、取込回数Nsig(i)、発生数NAE(i)及び両振幅Vpp(i,j)が、固定された配列長の配列データに各要素に対応した時間帯に検出されたAE配列データのパラメータとして格納される。AE配列データの個数は1個〜(送信間隔インデックスitint)個で表すことができる。尚、両振幅Vpp(i,j)における“i”は、AEセンサのインデックスを、また“j”は測定時間インデックスitmを示す。
<第1の実施形態に係るAE測定方法>
まず図6のステップS10において、図1及び図2に示した測定装置3の信号測定回路10が信号読み取りフローを行う。信号読み取りフローにおいては、第1チャネル(Ch1)側の第1AEセンサ2aから伝達された信号は、図7に示す信号読み取り部11の、第1アナログフィルタ11a1でフィルタリングされた後、第1増幅器11b1でアナログ増幅され、その後、第1AD変換器11c1でディジタル信号に変換される。又、第2チャネル(Ch2)側の第2AEセンサ2bから伝達された信号は、図7に示す信号読み取り部11の第2アナログフィルタ11a2でフィルタリングされた後、第2増幅器11b2でアナログ増幅され、その後、第2AD変換器11c2でディジタル信号に変換される。
信号のディジタル値は8〜16ビットが一般的であるが、本発明の第1の実施形態においては、格納するデータをより圧縮できるほうが有用であるので8ビットが望ましい。本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法では、AD変換により信号データは、設定されたサンプリング時間tsで離散化されたディジタルデータとなる。超音波AEを対象とする場合、AEの周波数は20kHz〜1MHzが一般的である。このAE波形を正確に得るためには、AEの周波数の5〜10倍のサンプリングが必要とされるため、サンプリング時間tsは、100ns以上〜50μs以下、より望ましくは200ns以上〜10μs以下で設定される。信号測定回路10でAD変換された信号データがバッファメモリ21に格納されることにより、サンプリングデータを1つ読み取ることになる。
AD変換後、バッファメモリ21に格納された信号データを、チャンネル毎に1つずつサンプリングし、変数データメモリ22の変数Vinにそれぞれ入力する。尚、サンプリングの際、必要に応じてフィルタリングを行い、ノイズの除去を行うことも可能である。フィルタリングには、例えば20〜100kHz程度の遮断周波数fcで、無限インパルス応答(IIR)フィルタ、バターワース(Butterworth)6次フィルタ等のバンドパスフィルタを使用できる。
図7中には、バッファメモリ21に接続された第1ディジタルフィルタ19aを介して、変数データメモリ22の第1チャネル側に入力されたディジタル信号のサンプリングデータVin(1)が例示されている。また第1チャネル側と同様に、バッファメモリ21に接続された第2ディジタルフィルタ19bを介して、変数データメモリ22の第2チャネル側に入力されたディジタル信号のサンプリングデータVin(2)が例示されている。
次に図6のステップS20において、図2に示した信号測定回路10の測定時間抽出部12が測定時間抽出フローを行う。測定時間抽出フローにおいて、サンプリングデータを読み取るごとに、測定時間抽出部12は現在の時刻をチェックしてデータ送信時刻に達しているかチェックする。まず図8のステップS21において、測定時間抽出部12はリアルタイムクロックから測定装置3がカウントしている現在時刻tnowを算出する。
次にステップS22において、測定時間抽出部12は時刻データメモリ23から前回の送信時刻ttrを抽出して受取り、現在時刻tnowと前回の送信時刻ttrの差から測定時間tmを算出する。次にステップS23において、測定時間抽出部12は測定時間tmを配列データの要素数に対応した測定時間インデックスitmに変換して、図2に示した時刻データメモリ23に出力して格納する。
次に図6のステップS30において、図2に示した信号測定回路10の測定時間チェック部13は、データ送信が必要かチェックを行う。具体的には、測定時間チェック部13は測定時間tmをカウントして、送信間隔tintと測定時間tmを比較し、測定時間tmが送信間隔tintに達していない場合は、ステップS40の信号測定フローへ移行する。測定時間チェック部13が測定時間tmが送信間隔tintに達していると判断した場合は、ステップS70のデータ送信フローへ移行する。
そしてステップS40において、図2に示した信号測定回路10の信号測定部14は信号測定フローを行う。信号測定部14は、図9のステップS41において、変数データメモリ22から受け取ったサンプリングデータVin(1)及びサンプリングデータVin(2)と、ユーザ設定データメモリ30から受け取った閾値Vthとを比較する。そして2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)の信号強度が閾値Vthを越えたかを信号測定部14がチェックして判定する。
2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)のうち両方もしくはいずれかが閾値Vthを超えていれば、信号測定部14は時刻データメモリ23から現在の時間帯に対応した測定時間インデックスitmを読み取る。そしてステップS42において、信号測定部14は測定時間インデックスitmにおける配列データのパラメータである取込回数Nsigを増分して、図2に示したAEデータメモリ25に出力して格納し、ステップS50の信号パラメータ抽出フローに移行する。
一方、2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)がいずれも閾値Vthを超えていない場合は、ステップS10の信号読み取りフローに戻り、信号測定回路10が図2に示したバッファメモリ21に蓄積されたデータの中から次のサンプリングデータを読み取りに行く。この信号読み取りフローに直接戻るフローが、図6中のステップS40の信号測定フローのチャートの左側から、水平方向左向きに延びる破線矢印で例示されている。
次に図6のステップS50において、図2に示した信号測定回路10の信号パラメータ抽出部15は信号パラメータ抽出フローを行う。信号パラメータ抽出フローでは、図10のステップS51において、図2に示したバッファメモリ21から、2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)における一定の信号波形記録長Twに相当する信号波形データを信号パラメータ抽出部15が読み取る。
次にステップS52において、信号パラメータ抽出部15は2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)のそれぞれの信号波形の最大値と最小値の差から、各チャンネルの信号強度である両振幅Vaを信号パラメータとして算出する。次にステップS53において、信号パラメータ抽出部15は算出したそれぞれの両振幅Va(1),Va(2)を、図2に示した信号強度メモリ24に出力して格納し、ステップS60のAE判定フローへ移行する。
次に図6のステップS60において、図2に示した信号測定回路10のAE判定部16はAE判定フローを行う。AE判定フローは、図11のステップS61において、AE判定部16が2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)の両振幅Va(1),Va(2)を比較し、大きい値の両振幅VaをVmax、小さい値の両振幅VaをVminに入力する。すなわちVa(1)>Va(2)の場合、ステップS62に移行し、VmaxにVa(1)を、VminにVa(2)をそれぞれ入力する。
一方、Va(1)<Va(2)の場合、ステップS63に移行し、AE判定部16はVmaxにVa(2)を、VminにVa(1)をそれぞれ入力する。尚、図示を省略するが、Va(1)=Va(2)の場合、Vmax=Vminと同値として扱えばよい。
次にステップS64において、AE判定部16は信号強度比Ra=Vmax/Vminを算出する。そして図1に示したユーザ設定データメモリ30から、信号レベルVsigの基準値、ノイズレベルVnoizeの基準値及びSN比レベルRsnの基準値を読み出す。そしてステップS65において、AE判定部16は:
(i)VminがノイズレベルVnoizeの基準値を下回り、
(ii)Vmaxが信号レベルVsigの基準値を上回り、
(iii)信号強度比RaがSN比レベルRsnの基準値を上回る
かどうかを判定する。
本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法では、上記(i)〜(iii)の条件をすべて満たした場合、AE判定部16は2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)を、ノイズ等ではなく、AE信号として判定する。尚、AE判定の条件は、上記(i)〜(iii)条件すべてではなく、いずれか1つ又は2つを満たす場合でもよい。さらに、ピーク周波数やピークカウントがユーザが設定した範囲内にあることを条件に加えてもよい。
これらの条件の組み合わせは、測定環境や検出されるAE信号によって選択される。例えば、金属材料の破壊によるAEを検知する場合、微弱なAE信号であっても複数のAEセンサでノイズレベルVnoizeの基準値を上回る信号を検出する可能性がある。この場合、VminがノイズレベルVnoizeの基準値を下回る条件は外して解析すべきである。
また、狭帯域のAEセンサを用いる場合、センサ内部の素子はAEに対して大きな共振を生じる。この場合、1つのAE波形において閾値Vthをこえるピークの数は複数発生するはずである。この場合、ピークカウントが1つだけの場合は電磁ノイズとして排除する条件を加えるとAE判定の精度が向上する。
ステップS67において、AE判定部16が2個のサンプリングデータVin(1),Vin(2)がAEと判定した場合、時刻データメモリ23から現在の時間帯に対応した測定時間インデックスitmを読み取り、ステップS66において、測定時間インデックスitmにおけるAE発生数NAEを増分し、図2に示したAEデータメモリ25に格納する。
次に、ステップS67において、AE判定部16がAE発生数NAE=1すなわち、測定時間インデックスitmの時間帯において初めて検出されたAEである場合、ステップS68に移行する。そしてAE判定部16は各チャンネルの両振幅Va(1),Va(2)を、AE信号強度であるAE波形の両振幅Vpp(1),Vpp(2)として入力し、AEデータメモリ25の配列データに格納した後、ステップS10の信号読み取りフローに戻り、次のサンプリングデータの読み取りに移行する。一方、ステップS67においてAEと判定されなかった場合は、直ちにステップS10の信号読み取りフローに戻り、信号測定回路10が次のサンプリングデータの読み取りに移行する。
ステップS10〜S30で説明したように、信号読み取りフローにおいて信号測定回路10がデータをサンプリングする都度、データ送信の要不要を確認する。データ送信が必要である場合、図6のステップS70に移行して、図2に示した信号測定回路10のデータ送信部17がデータ送信フローを行う。データ送信フローにおいてデータ送信部17は、まず図12のステップS71において、例えばブルートゥース(登録商標)、Zigbee(登録商標)、WI−FI(登録商標)、WI−SUN(登録商標)、第3世代(3G)携帯高速通信技術(LTE)等の無線通信技術により、受信装置4との通信を開始し接続を試みる。
そしてステップS72において、受信装置4と通信できない場合は、データ送信部17は再度ステップS71に移行して、接続するまで繰り返し通信を試みる。一方、データ送信部17が受信装置4との接続に成功した場合は、ステップS72に移行し、測定時間抽出部12ガ測定時間抽出フローを実行する。ステップS72の測定時間抽出フローでは、測定時間抽出部12がステップS20の処理と同じ関数を実行する。よってステップS20の場合と同様に、時刻データメモリ23から送信時刻ttrを読み出すことにより、測定時間抽出部12は現在の時間帯に対応した測定時間インデックスitmを抽出し、時刻データメモリ23に格納する。
次に、ステップS73において、測定時間抽出部12が抽出した測定時間インデックスitmを、データ送信部17が受信装置4に送信する。図12中には、送信する測定時間インデックスitmとして「301」の値が例示されている。次にステップS74において、前回送信時刻以降に保存した、AEデータメモリ25のAEデータを格納した配列データをデータ送信部17が受信装置4に送信する。図12中には、送信するAEデータとして、i=1〜300のそれぞれのデータの、信号波形を取り込んだ取込回数Nsig、AE発生数NAE、両振幅Vpp(1)及びVpp(2)が例示されている。
次に図6のステップS80に移行して、図2に示した信号測定回路10のパラメータ更新部18がパラメータ更新フローを行う。パラメータ更新フローは、図13のステップS81において、AEデータメモリ25の配列データに格納されたAEパラメータをパラメータ更新部18が全て初期化する。次にステップS82に移行して、測定装置3のリアルタイムクロックから、現在時刻tnowをパラメータ更新部18が読み取る。そしてステップS83において、現在時刻tnowを最新の送信時刻ttrとして、時刻データメモリ23中の前回の送信時刻ttrをパラメータ更新部18が書き換える。
次に図6のステップS90において、信号読み取りを終了するかどうか判定し、終了しない場合には、ステップS10の信号測定フローに戻り、信号読み取り部11が次のサンプリングデータの読み取りに移行する。一方、信号読み取りを終了する場合には、測定装置3側の処理が終了することになる。
次に受信装置4の動作を説明する。まず図14に示すように、ステップS101において、無線通信で測定装置3からの接続要求に備えて、図3に示す受信装置4のデータ受信回路50のAEデータ受信部51が待機する。そしてステップS102において、AEデータ受信部51は測定装置3からの接続要求がないか、或いは接続要求があっても接続に失敗した場合には、再度ステップS101に戻り、接続要求に備えて待機する。
一方、測定装置3との接続に成功した場合は、ステップS103に移行し、受信装置4側でカウントしている現在時刻を受信時刻treとして読み取る。このとき受信時刻treは、測定装置3と受信装置4との同期の基準となる時刻なので、図3に示すデータ受信回路50の時刻同期部52は、例えば受信装置4にGPSを実装する、NTPサーバに定期的にアクセスして時刻調整を行うなどして、受信装置4の時刻カウントの精度を高める。
次にステップS104において、測定装置3から受信した現在の時間帯に対応した測定時間インデックスitmと受信装置4側でカウントした受信時刻treを紐付けて図3に示す送信時刻データメモリ61に記録する。これにより、配列データのインデックスに対応する時間帯を測定時間インデックスitemと受信時刻treから算出することが可能となり、時刻同期部52は測定装置3及び受信装置4間でAE発生時間を同期させることができる。次にステップS105において、AEデータ受信部51は配列データであるAEデータを受信して図3に示すAEデータメモリ62に記録する。
次に図15に示すように、ステップS106において、送信時刻データメモリ61から測定時間インデックスitmを、またAEデータメモリ62から受信時刻treをそれぞれ読み出す。そしてAEパラメータを格納した配列データのインデックス「i」の値と、受信時刻tre及び測定時間インデックスitmから、時刻同期部52はそれぞれの要素インデックスiの配列データに対応する時刻τiを式(1)から算出する:
τi = tre −tu×(itm-i) ……(1)
次にステップS107において、時刻同期部52は算出した各要素の時刻をAEパラメータとして配列データに追加する。そしてステップS108において、時刻同期部52は同期したAEデータをAEデータメモリ62に出力して記録する。そしてステップS109において、受信を終了しない場合には、再びステップS101に戻り、AEデータ受信部51は接続要求に備えて待機する。一方、受信を終了する場合には、受信装置4側の処理が終了することになる。
尚、受信装置4における時刻の同期フローは、ステップS101〜S108で説明したように受信装置4で行って、時刻同期部52が時刻を同期したデータを保存してもよいし、或いは別途AEデータ解析装置を用意して、受信装置4が記録した送信時刻データとAEデータを用いて時刻の同期を行ってもよい。
――第1の実施形態に係るAEデータの圧縮――
本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法を行ってAEデータを圧縮する方法を、図16を用いて概念的に説明する。図16(a)に示すように、例えば
int=3tu
の場合、配列データの要素数は3(itint=3)で固定される。AEデータメモリ25には、この3個のサイズの配列データを格納できればよい。例えば図16(a)中で要素インデックスi=2に対応する時間単位tuは、測定開始から1〜2秒経過する間の時間帯である。
また配列データの要素数により、各要素に対応した時間帯が設定される。例えば図16(a)中で要素インデックスi=2に対応する時間単位tuは、測定開始から1〜2秒経過する間の時間帯である。すなわちデータ構造は3行のデータで済む。このように配列データの要素数に応じてデータ数を固定することにより、大量のデータであっても大幅に圧縮することが可能になる。
そして、それぞれの時間帯で発生したAEについてのAEパラメータを各要素の配列データに入力する。このとき複数のAEが同じ時間帯(同じi)で検出された場合は、1番最初のAEのパラメータを残し、重複した検出された回数、すなわち同じ時間帯で検出されたAEの数NAEを、図16(b)に示すように、配列データに追加して入力するのみに留める。重複したAEの数NAEの記録により、AE発生数のデータ情報だけは残すことができ、圧縮による情報の劣化を抑えることができる。
そして図16(c)に示すように、送信時間に対応する受信装置4側のデータの受信時刻treとの時間差を用いて、図16(b)に示した3個のAEデータについて、図1で説明した場合と同様に時刻の同期を行う。AEデータは8〜12ビットである。また図16(c)に例示した時間データの場合、年、月、日、時、分、秒の単位まで設定されている。
一方、省電力を優先させる場合は図17(a)中の時間単位tu及び時間単位tu中にそれぞれ示すように、計測及び解析を停止する計測待機時間tdを設けることもできる。この場合、ある時間帯(i)においてAEが検出された場合、次の時間帯(i+1)に移行するまで計測及び解析を停止して消費電力を抑えることができる。結果として、図17(b)中の3個のAEデータのパラメータ欄を図16(b)中のパラメータ欄と比較して分かるように、同じ時間帯で発生したAE発生数NAEは削除される。
しかし後述する実施例のように、長期的に見てAEの発生挙動が変化したことを監視することが重要である。そのため、過度なAEの発生の検出情報よりも、自立駆動可能な省電力性能が優先される場合が多いため、図17に示したようなAEデータの圧縮方法は有用である。そして図17(c)に示すように、送信時間に対応する受信装置4側のデータの受信時刻treとの時間差を用いて、図16の場合と同様に、3個のAEデータについて時刻の同期を行う。
また図18(a)に示すように、100秒間の測定間隔で時間単位tuを1秒とした場合を例に、AEデータの圧縮について更に説明する。配列データの要素数は100個で固定され、図16及び図17で説明した3個の場合よりも配列データの要素数が遥かに多くなる。このようにAE測定においては、配列データの要素数自体がある程度の大きな量となる場合がある。このとき、時間単位tu=1秒よりも短い間隔において多数のAEが検出される場合を考える。多数のAEデータがそのまま同じ要素に入力され重複してしまうと、データ量が膨大になる。
そのため、最初に検出されたAEのパラメータだけを残したり、各パラメータの平均値を用いたりすることで、AEの検出数に関わらず1つの要素につき1つのAEデータに圧縮する。また、ある要素に入力すべきAEデータが無い場合、例えばその時間帯はAEが検出されなかった場合、その要素には、零(0)等の空白のAEデータを入力すればよい。このように1つの要素に1つのAEデータ、或いは空白のAEデータを入力することにより、短時間に連続して発生したAEの情報は失われるが、配列データを短い長さに固定することができ、全体の測定時間を一定の時間長で等分割する配列データを用いることに加え、更なるAEデータの圧縮が可能になり、測定装置3の消費電力及びコストを削減できる。
さらに、一定の時間単位tu(図18の場合、1秒間)で配列要素が構成されるため、要素インデックスiに紐づけされた時刻データが1つあれば、時間データの入力は不要となる。例えば、測定装置3から受信装置4にデータを送信する場合、要素インデックスiを基準とした時間を用いて送信に成功した時間を送信し、受信装置4が受信時刻treと紐づけする。図18に示した測定の場合、要素インデックスiは測定開始からの秒数を示し、100秒間測定することになる。そして、100秒後に測定装置3がデータの送信を試み、成功したときが測定開始から102秒経過した時点であれば、測定装置3は要素インデックスiとして「102」の値を受信装置4に送信する。
一方、受信装置4はデータを受け取った時刻を受信時刻treとして記録する。これにより受信時刻が測定開始からの秒数(102秒)と一致しているとしてAEデータの同期をとることができる。結果として、データの送受信時刻を同期させることで、測定装置3側で高精度の同期を取る処理が不要となり、低コストで小型の機器を実現することが可能になる。加えて要素インデックスiを時刻データに置き換えることにより、送信するデータ量をさらに圧縮できる。
[第1の実施形態の比較例]
一方、1つの要素に1つのAEデータを対応させない、従来のサンプリングを行う第1の実施形態の比較例に係るAE測定方法を用いて説明する。比較例において、AE判定を行わない場合には、図19(a)に示すように、3tuの測定間隔(tint=3tu)において、信号レベルが閾値Vthを越えた場合、バッファメモリ21から信号波形を記録することになる。その後、記録したすべての信号波形がAEであると仮定して、図19(b)に示すように、AEパラメータを配列データに入力する。
比較例の場合、信号もしくはAE検出数に応じて配列長が変化するため、膨大な配列データを格納できる装置が必要となる。さらに、信号を検出した時刻はランダムであるため、要素ごとに時刻を入力する必要がある。図19(b)に例示した時間データの場合、年、月、日、時、分、マイクロ秒(μs)の単位まで設定されている。また時間データ以外のデータは8〜12ビットである。
またAE判定を行う場合であっても、図20(a)に示すように、信号レベルが閾値Vthを越えた場合、バッファメモリ21から信号波形を記録することになる。そして記録した信号波形のそれぞれについてAE判定を行い、図20(b)に示すように、AEと判定された信号波形のAEパラメータを配列データに入力する。AE判定を行う場合であっても図19の場合と同様に、信号もしくはAE検出数に応じて配列長が変化するため、膨大な配列データを格納できるような装置が必要となる。
また図21に示すように、検出されたAEの発生時刻と各種パラメータを入力する配列データをAEデータとしてそのまま記録することとし、100秒間の測定間隔を設けた比較例の場合を考える。このとき図21(a)に示すように、AEが3回しか検出されなければ、AE配列データの要素数は3個であり、配列長3の配列データを記録すればよい。しかし図21(b)に示すように、突発的に多数のAEが発生することにより同じ100秒間の測定間隔で、AEが5000回検出された場合、AE配列データの要素数は5000個必要になるため、配列長5000の配列データを記録しなくてはならなくなる。
本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムにおいては、高速のサンプリング時間でAEの信号を検出するとともに、AE情報(AE発生時刻、信号強度など)を低速の記録時間単位(サンプリングより大幅に長い時間単位)で区切られた固定長の配列データに圧縮する。すなわちAEデータを一定の時間間隔を固定した時間単位で分割した配列データとすることにより、配列長さが固定されるため、AE情報を低速の記録時間単位に圧縮できる。
このようなデータの圧縮と時刻の同期を用いることで、必要なデータ容量を大幅に圧縮するとともに、配列データの要素数を固定することで記録及び通信するデータ量の変動を抑え、省電力にも寄与する。さらに、従来技術より測定装置3の機能を大幅に簡略化することで機器の小型化、コスト削減、計算時間の短縮にも寄与する。
そして低コストかつ低消費電力でAE発生頻度を常時計測することが可能となるため、本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムを用いたAE測定方法は、特にIoT技術と親和性が高い。具体的には、本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法を組み合わせた腕時計型携帯情報端末などで測定対象者の心拍数(脈拍)を常時計測すれば、異常が発生したことを早期に発見できる。この点、例えば人体の場合、定期的な健康診断は病気などの検知の面では精度が高いものの、健康診断を毎日のように頻繁に受けることは現実には極めて困難である。
このように本発明の第1の実施形態に係るAE測定システムを用いたAE測定方法によれば、低コストで小型の機器を多数用いた長期間のAE測定による状態監視や、他の計測情報とAE情報を組み合わせた診断に適している。そのため、従来技術と比較して、AE発生位置の特定などの正確な診断よりも、異常が発生したことをより早期に発見できる点が求められるIoT技術等の場合において極めて有効な技術となりうる。
[第1の実施形態の実施例1]
次に本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法に関して、植物のAE信号を測定する実施例1を説明する。第1の実施形態の実施例1に係るAE測定システムの構成は、測定対象物1を植物とする点以外の構成は、図1に示したAE測定システムと同様であるため、重複説明を省略する。測定対象物1は露地栽培のソラマメとし、茎部に第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bを取り付けた。AEセンサとしては、圧電素子を用いて2つのヘッドアンプを内蔵した高感度加速度センサ(NEC TOKIN社製VS−BV203)を採用した。
実施例1では、閾値Vthを超えた信号について第1AEセンサ2a及び第2AEセンサ2bのそれぞれのAE波形の両振幅Vppをパラメータとした配列データを記録した(AE信号により配列データの長さは変化する)。閾値Vthは6mVとし、以下の<条件N>〜<条件A10>の4つの条件毎にAE測定を2週間行う場合を想定してシミュレーションした。
<条件N>
信号取込トリガー発生により取り込んだすべての信号の数を対象とし、AE判定フローに基づくフィルタリングを行わなかった。尚、信号検出数により配列データの長さは変化する。
<条件A
計測された2つのセンサからの信号の両振幅Vaを比較し、バックグラウンドノイズ相当の電圧Vnoize=6mV、信号レベルVsig=12mV、SN比レベルRsn=9dBとしてAE判定フローに基づくフィルタリングを行った。そして、AEと判定された全ての信号を対象とした。尚、AE検出数により配列データの長さは変化する。
<条件A
時間単位tu=1s、送信間隔tint=300sとして、要素数300の配列データを用意した。そして<条件A>の場合と同様にAE判定フローに基づくフィルタリングを行った。その後、AEと判定された場合、検出時間帯に対応する配列データの要素にAEのパラメータを格納した。同じ要素に入力するAEデータが重複した場合、最初に検出されたAEのパラメータを格納し、残りは削除した。
<条件A10
時間単位tu=10s、送信間隔tint=300sとして、要素数30の配列データを用意した。そして<条件A>と同様に、AE判定フローに基づくフィルタリングと、AEパラメータの配列データへの格納を行った。
図22に示すように、AE判定を行わない<条件N>の場合、膨大なデータ件数となるのに対して、<条件A>の場合は大きくデータ件数が削減されている。そして<条件A>及び<条件A10>の場合では、さらに飛躍的にデータ件数が減少しており、データの圧縮効果が高いことが分かる。
次に、圧縮されたデータの有効性について検討を行った。図23は<条件N>を除く各条件におけるAE信号のAE波形の両振幅Vppの分布を示したものである。植物は主に昼間に活発に蒸散を行うことによりキャビテーションが生じてAEが検出されるが、いずれの条件でも昼間に活発にAEが発生していることが分かる。さらに、図23(a)に示す<条件A>での結果を見ると6日から10日にかけてより大振幅のAEが発生していることが分かるが、この傾向は図23(b)に示す<条件A>及び図23(c)に示す<条件A10>においても認められる。
次に1時間ごとのAE発生数の挙動を図24に示す。図24(a)〜図24(c)に示すように、いずれの条件でも6日目の昼に最もAEが発生した時間帯があることが分かる。さらに、<条件A>や<条件A10>の方が、AEの発生頻度に上限があるため結果的に、AE発生数が少ない日が分かりやすくなっており、この場合3日目において、AE発生数が極端に少ないことが分かる。
さらに1日ごとに昼夜のAE発生数の挙動を図25に示す。図25(a)〜図25(c)に示すように、図24の場合と同じように6日目にAE発生数が急増していることがわかるだけでなく<条件A>及び<条件A10>では、3日目にAE発生数が極端に少ないこと、7日目は昼夜のAE数に差が無いなどのAE発生挙動の変化が<条件A0>より顕著に認められる。
このように、<条件A>と比較して<条件A1>でおよそ75%、<条件A10>でおよそ90%データ量を削減できたのにも関わらず、AE発生挙動については、的確に把握することでき、生育診断として有用な情報であることが分かる。特に<条件A10>による測定では低レベル側の信号の変化が明確になり、結果的にダイナミックレンジを拡げたことに等価な効果を奏することできる。また、今回のフィルタリング条件の場合、AEが検出された後、計測及び解析を停止する計測待機時間tdを設けることができたので、さらなる省電力化にも寄与できる。
[第1の実施形態の実施例2]
次に本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法に関して、腐食時の金属板から生じるAE信号を測定する実施例2を説明する。第1の実施形態の実施例2では、図26に示すように、測定対象物1として、第1ステンレス板81a及び第2ステンレス板81bの2枚の金属板を用意した。ステンレス板としては、主面が100×100mmで、厚さが約2mm(SUS304)を採用した。そして図26に示すように、第1ステンレス板81aの主面上の一部に第1AEセンサ82aを取り付けると共に、第2ステンレス板81bの主面上の一部に第2AEセンサ82bを取り付けた。AEセンサとしては、圧電型AEセンサ(富士セラミックス社製AE144S)を採用した。
第1ステンレス板81aの主面上にのみ、0.3mLの濃塩酸(HCl)を滴下して、部分的に腐食させた。第2ステンレス板81bにはHClを滴下せず、第2ステンレス板81bからの信号は比較対象として用いた。第1AEセンサ82a及び測定装置3の間には第1プリアンプ83aを設け、第2AEセンサ82b及び測定装置3の間には第2プリアンプ83bを設けた。実施例2に係るAE測定システムのその他の構成は、図1に示したAE測定システムと同様の構成であるため、重複説明を省略する。
実施例2では、第1AEセンサ82a及び第2AEセンサ82bからの信号を第1プリアンプ83a及び第2プリアンプ83bで40dB増幅した後、図1に示したAE測定システムを用いてAE測定を1時間行った。サンプリング時間ts=1μs、信号波形記録長Tw=1ms、AEが検出された後、計測及び解析を停止する計測待機時間td=50msであった。この時、閾値Vthは12mVとして信号を取り込み、バックグラウンドノイズ相当の電圧Vnoize=12mV、信号レベルVsig=20mV、SN比レベルRsn=6dBでAE判定を行った。そしてAEと判定された信号を全て記録した。このときのデータを以下の<条件A>〜<条件A100>の4つの条件でフィルタリングした。
<条件A
計測された2つのセンサからの信号の両振幅Vaを比較し、バックグラウンドノイズ相当の電圧Vnoize=6mV、信号レベルVsig=12mV、SN比レベルRsn=9dBとしてAE判定フローに基づくフィルタリングを行った。そして、AEと判定された全ての信号を対象とした。尚、AE検出数により配列データの長さは変化する。
<条件A
時間単位tu=1s、送信間隔300sとして、要素数300の配列データを用意した。そして、<条件A>と同様にAE判定フローに基づくフィルタリングを行った。その後、AEと判定された場合、検出時間帯に対応する配列データの要素にAEのパラメータを格納した。同じ要素に入力するAEデータが重複した場合、最初に検出されたAEのパラメータを格納し、残りは削除した。
<条件A10
時間単位tu=10s、送信間隔300sとして、要素数30の配列データを用意した。そして、<条件A>と同じフィルタリングと、AEパラメータの配列データへの格納を行った。
<条件A100
時間単位tu=100s、送信間隔300sとして、要素数3の配列データを用意した。そして、<条件A>と同じフィルタリングと、AEパラメータの配列データへの格納を行った。
図27(a)〜図27(d)に、各フィルタリング条件でのAE信号のAE波形の両振幅Vppの分布を示す。測定開始から1200sでHClを滴下したが、直後から大振幅のAEが検出されており、腐食のAEが捉えられている。そして、いずれのフィルタリング条件でも大振幅のAEが検出された。また、滴下後およそ20分程度AEが検出されていることも、フィルタリング条件に関わらず観測された。
<条件A100>ではAEが検出されると対象となる100秒間の残りは計測待機時間tdとなるため、30mV程度の低レベルのAEが検出されると、その後の腐食による信号強度の大きいAEを検出できないことになるが、それでも滴下後20分間の間に50mV以上の明確に信号強度の大きいAEを5回検出できている。このことから、腐食のような長期間継続的にAEが発生する事象については本発明のデータ圧縮及び省電力の効果は大きいと考えられる。
金属材料から生じるAEの測定は、例えばガスタンクの腐食による劣化診断などに用いられているが、AEを常時監視するのではなく、メンテナンス等における定期的な検査技術として用いられることが多い。しかし本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法を用いれば、実施例2の<条件A100>で説明したように、例えば100s毎のデータとすれば、低コスト省電力のIoT機器を用いての常時監視が可能となる。そして異常が発生した時だけ精密な検査を行えば、メンテナンスコストの大幅な削減に寄与する。
(第2の実施形態に係るAE測定システム)
次に、スーパーキャパシタとソーラーセルを用いて、自立駆動型測定システムを構成した第2の実施形態に係るAE測定システムを説明する。本発明の第2の実施形態に係るAE測定システムは、図28に示すように、図1に示した第1の実施形態に係るAE測定システムの構成に更に、電源モジュール92と、電源モジュール92に接続された太陽電池(ソーラーセル)91を有する安定化電源(91,92)を備える。
測定対象物1は露地栽培のナスとし、複数のナスに対して複数の測定装置3を用意する第2の実施形態に係るAE測定システムを自立駆動型測定システムとして構築した。いずれの測定装置3も、出力3Wのソーラーセルとスーパーキャパシタを搭載した5Vの太陽電池91を備える安定化電源(91,92)を取り付けて、昼間のみ太陽電池による発電をスーパーキャパシタに充電した上で駆動可能な自立駆動型とした。安定化電源(91,92)としては、東京デバイセズ社製の安定化電源モジュールIWT504−5Vを採用した。
また第2の実施形態に係るAE測定システムの測定装置3のAEセンサとして圧電素子を用意し、それぞれのナスの茎部に取り付けた。AEセンサとしては、2つのヘッドアンプを内蔵した高感度加速度センサ(VS−BV203、NEC TOKIN)を採用した。第2の実施形態に係るAE測定システムのその他の構成は、図1に示した第1の実施形態に係るAE測定システムと同様の構成であるため、重複説明を省略する。
[第2の実施形態の実施例1]
第2の実施形態の実施例1では、以下の<条件A>及び<条件B>の2つの計測条件で、AE測定を行った。
<条件A>
実施例1の<条件N>の場合と同様に、閾値Vthを越えた信号のAE波形の両振幅Vppを全て記録した
<条件B>
実施例1の<条件A1>の場合と同様に、時間単位tu=1sとしてAE信号のみAE波形の両振幅Vppを記録した。
<条件A>の測定結果を図29(a)に、<条件B>の測定結果を図29(b)にそれぞれ示す。図29に示すように、<条件B>の方が駆動時間が長く、データ送信回数も多くなった。これは日照不足時の電源喪失による駆動停止時間が少ないことを意味する。このような結果は、データ件数が少なくなったことでデータの記録と送信時の電力消費が大きく抑えられたためである。これにより、データ送信回数は、60〜150%と大きく向上しており、本発明が省電力に寄与することが分かる。
[第2の実施形態の実施例2]
次に本発明の第2の実施形態に係るAE測定方法において、ノイズ除去を行う第2の実施形態の実施例2を説明する。AE測定では、通常、電磁ノイズや、測定対象物1やケーブルを伝播してくる振動ノイズの影響を受ける場合がある。特に、屋外の測定においては、強風や降雨などにより外来ノイズが急増することがある。
本発明の第2の実施形態の実施例2では、図28に示したAE測定システムを用いて、大規模ハウス(石垣島農園)における植物のAE測定を行った。測定対象物1はハウス栽培トマトとし、AEセンサとして茎部に圧電素子を取り付けた。AEセンサとしては、2つのヘッドアンプを内蔵した高感度加速度センサ(VS−BV203、NEC TOKIN)を採用した。
そして第1の実施形態の実施例1の<条件A>の場合と同様に、時間単位tu=1sとしてAE信号のみAE波形の両振幅Vppを記録した。このとき、配列データに格納するAEパラメータは、各センサのAE波形の両振幅Vpp以外にAE発生数NAEを記録した。測定後、以下の<条件A>及び<条件B>の2つの条件で、得られたAEデータのフィルタリングを行った。
<条件A>
AE発生数NAEに関わらず、全てのAE信号をそのまま残す。
<条件B>
AE発生数NAE=1(重複した回数0)の場合のみAE信号として、他の信号はノイズとして除去する。
<条件A>の測定結果を図30(a)に、<条件B>の測定結果を図30(b)にそれぞれ示す。ここで植物のAE測定においては、通常は蒸散が活発な昼間にAEが増加する傾向がある。しかし条件<条件A>では、5日以降に昼夜を問わずAEが多数発生している。これは風により茎が揺れたときに、センサと葉がこすれることで発生する振動ノイズを拾っていると思われる。しかし植物のAE測定で検出しようとするAEはキャビテーションに伴う事象であるため、通常、発生は単発的で、AE信号も持続しない。従ってほとんどの場合、1秒間に複数のAEが検出されることはなく、すなわちNAE=1となる。
一方、こすれによる振動ノイズは連続的に発生するため、1秒間に連続して複数のAEが検出され、NAE>1となる。そして<条件B>でフィルタリングを行うと、5日以降もほとんどのAEは昼間に発生しており、振動ノイズの影響が大幅に低減されていることが分かる。このようにAE波形の両振幅Vppだけでなく、AE発生数NAEを用いることにより、ノイズを簡便に、かつ、大幅に低減することが可能となる。
尚、第2の実施形態の実施例2ではノイズを低減するために用いるパラメータとして、AE発生数NAEを用いたが、これに限定されることなく、AE波形のピークカウントのピークカウントNp等を単独又はAE発生数NAEと同時に用いてもよい。複数のパラメータを組み合わせて用いることにより、外来ノイズの低減効果をより高めることが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は上記のとおり開示した第1及び第2の実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。
例えば図28に示したような太陽電池及び電源モジュールを測定装置3と別々に用意することなく、測定装置3が内蔵するように構成してもよい。或いはAEデータを有線によって直接送信するように、AE測定システムを構成することもできる。
また本発明の第1の実施形態に係るAE測定方法で説明した一連のステップを、コンピュータシステムを構成する信号測定回路10に命令して実行させるようなプログラムを構成することにより、コンピュータソフトウェアとしてのAE測定プログラムを構成できる。AE測定プログラムを実行させるには、例えば信号測定回路10が有する不図示の主記憶装置にAE測定プログラムをそれぞれ記憶させると共に、記憶させたAE測定プログラムを主記憶装置から適宜読みだして実行すればよい。
また本発明は、上記した複数の実施例で開示した構造の一部を組み合わせて用いて構成することもできる。以上のとおり本発明は、本明細書及び図面に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 測定対象物
2a 第1AEセンサ
2b 第2AEセンサ
3 測定装置
4 受信装置
10 信号測定回路
11 信号読み取り部
11a1 第1アナログフィルタ
11a2 第2アナログフィルタ
11b1 第1増幅器
11b2 第2増幅器
11c1 第1AD変換器
11c2 第2AD変換器
12 測定時間抽出部
13 測定時間チェック部
14 信号測定部
15 信号パラメータ抽出部
16 AE判定部
17 データ送信部
18 パラメータ更新部
19a 第1ディジタルフィルタ
19b 第2ディジタルフィルタ
21 バッファメモリ
22 変数データメモリ
23 時刻データメモリ
24 信号強度メモリ
25 AEデータメモリ
30 ユーザ設定データメモリ
41 無線ユニット
42 アンテナ
50 データ受信回路
51 AEデータ受信部
52 時刻同期部
61 送信時刻データメモリ
62 AEデータメモリ
71 無線ユニット
72 アンテナ
81a 第1ステンレス板
81b 第2ステンレス板
82a 第1AEセンサ
82b 第2AEセンサ
83a 第1プリアンプ
83b 第2プリアンプ
91 太陽電池
92 電源モジュール

Claims (10)

  1. AEセンサから測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出する信号読み取り部と、
    現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、前記測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換する測定時間抽出部と、
    前記信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較する信号測定部と、
    前記サンプリングデータが前記閾値より大きい場合、前記測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取る信号パラメータ抽出部と、
    前記信号パラメータ抽出部が読み取った前記信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するAE判定部と、
    を備え、前記測定時間インデックスによって、前記測定時間が前記サンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、前記信号波形記録長が前記時間単位の内部に定義されることにより、前記AEデータが圧縮されることを特徴とする測定装置。
  2. 前記信号パラメータ抽出部は、前記測定時間インデックスで定義される時間単位の内部に、計測及び解析を停止する待機時間を設けていることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記測定時間インデックスと共に、前記圧縮された前記AEデータを受信装置に送信するデータ送信部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. AEセンサから測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出する信号読み取り部、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、前記測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換する測定時間抽出部、前記信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較する信号測定部、前記サンプリングデータが前記閾値より大きい場合、前記測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取る信号パラメータ抽出部、前記信号パラメータ抽出部が読み取った前記信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するAE判定部、 前記測定時間インデックスと共に前記圧縮された前記AEデータを受信装置に送信するデータ送信部を有する測定装置と、
    前記測定時間インデックス及び前記圧縮された前記AEデータを受信するAEデータ受信部、前記測定時間インデックスから、前記圧縮された前記AEデータの配列データのそれぞれに送信時刻を付与する時刻同期部を有する受信装置と、
    を備え、前記測定時間インデックスによって、前記測定時間が前記サンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、前記信号波形記録長が前記時間単位の内部に定義されることにより、前記AEデータが圧縮されることを特徴とするAE測定システム。
  5. 前記信号パラメータ抽出部は、前記測定時間インデックスで定義される時間単位の内部に、計測及び解析を停止する待機時間を設けていることを特徴とする請求項4に記載のAE測定システム。
  6. 測定装置の信号読み取り部が、AEセンサから送信された測定対象物のAEデータを受信し、一定のサンプリング時間で複数個検出するステップと、
    前記測定装置の測定時間抽出部が、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出し、前記測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換するステップと、
    前記測定装置の信号測定部が、前記信号読み取り部が検出したサンプリングデータと閾値とを比較するステップと、
    前記測定装置の信号パラメータ抽出部が、前記サンプリングデータが前記閾値より大きい場合、前記測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取るステップと、
    前記測定装置のAE判定部が、前記信号パラメータ抽出部が読み取った前記信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定するステップと、
    を含み、前記測定時間インデックスによって、前記測定時間が前記サンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、前記信号波形記録長が前記時間単位の内部に定義されることにより、前記AEデータが圧縮されることを特徴とするAE測定方法。
  7. 前記読み取るステップにおいて、前記測定時間インデックスで定義される時間単位の内部に、計測及び解析を停止する待機時間を設けられていることを特徴とする請求項6に記載のAE測定方法。
  8. データ送信部が、前記測定時間インデックスと共に、前記圧縮された前記AEデータを受信装置に送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のAE測定方法。
  9. 受信装置のAEデータ受信部が、前記測定時間インデックス及び前記圧縮された前記AEデータを受信するステップと、
    前記受信装置の時刻同期部が、前記測定時間インデックスから、前記圧縮された前記AEデータの配列データのそれぞれに送信時刻を付与するステップと
    を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のAE測定方法。
  10. 測定装置の信号読み取り部に、AEセンサから送信された測定対象物のAEデータを受信させ、一定のサンプリング時間で複数個検出させる命令と、
    前記測定装置の測定時間抽出部に、現在時刻と前回の送信時刻の差から測定時間を算出させ、前記測定時間を配列データの要素数に対応した測定時間インデックスに変換させる命令と、
    前記測定装置の信号測定部に、前記信号読み取り部に検出したサンプリングデータと閾値とを比較させる命令と、
    前記測定装置の信号パラメータ抽出部に、前記サンプリングデータが前記閾値より大きい場合、前記測定時間インデックスから定められる信号波形記録長の範囲内で、信号波形データを予め定めた取込回数だけ読み取らせる命令と、
    前記測定装置のAE判定部に、前記信号パラメータ抽出部に読み取った前記信号波形データと、信号レベル、ノイズレベル及びSN比レベルのそれぞれの基準値とを比較してAE信号か否か判定させる命令と、
    を含む一連の命令からなる処理を前記測定装置に実行させ、前記測定時間インデックスによって、前記測定時間が前記サンプリング時間より長い一定の時間単位に等分割され、前記信号波形記録長が前記時間単位の内部に定義されることにより、前記AEデータが圧縮されることを特徴とするAE測定プログラム。
JP2016191944A 2016-09-29 2016-09-29 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム Pending JP2018054502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191944A JP2018054502A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191944A JP2018054502A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018054502A true JP2018054502A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61836459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016191944A Pending JP2018054502A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018054502A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021241220A1 (ja) * 2020-05-26 2021-12-02 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 通信装置、通信方法、およびプログラム
KR102525367B1 (ko) * 2022-03-14 2023-04-26 세이프텍(주) 아이오티 기반 초음파를 이용한 라이닝 코팅 접합 상태 진단, 고온 측정 두께의 보정과 임계 두께 결정에 의한 위험 예측 시스템 및 그 방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079829A1 (en) * 2000-04-14 2001-10-25 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Bubble acoustics
JP2002066879A (ja) * 2000-09-04 2002-03-05 Bosch Automotive Systems Corp 工作機械用アコースティック・エミッション検出装置
JP2014003573A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Alnic Inc 多点計測システムおよび時刻同期方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079829A1 (en) * 2000-04-14 2001-10-25 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Bubble acoustics
JP2002066879A (ja) * 2000-09-04 2002-03-05 Bosch Automotive Systems Corp 工作機械用アコースティック・エミッション検出装置
JP2014003573A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Alnic Inc 多点計測システムおよび時刻同期方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
石田毅 外3名: ""AE測定による原位置花崗岩加熱時挙動の観測"", 土木学会論文集, vol. Number 424, JPN6020021704, 20 December 1990 (1990-12-20), pages 187 - 196, ISSN: 0004415225 *
石田毅 外4名: ""山口市鳴滝地区岩盤崩落地点における変位とAE測定による不安定岩塊の挙動監視"", 土木学会論文集, vol. Number 722, JPN6020021707, 21 December 2002 (2002-12-21), pages 345 - 355, ISSN: 0004415226 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021241220A1 (ja) * 2020-05-26 2021-12-02 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 通信装置、通信方法、およびプログラム
KR102525367B1 (ko) * 2022-03-14 2023-04-26 세이프텍(주) 아이오티 기반 초음파를 이용한 라이닝 코팅 접합 상태 진단, 고온 측정 두께의 보정과 임계 두께 결정에 의한 위험 예측 시스템 및 그 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7558701B2 (en) System to monitor the health of a structure, sensor nodes, program product, and related methods
US9523661B2 (en) Method and apparatus for locating a source of damage in a large composite material structure
CN201811758U (zh) 风灾杆塔状况实时监测系统
US20140324367A1 (en) Selective Decimation and Analysis of Oversampled Data
CN104239736A (zh) 一种基于功率谱和智能算法的结构损伤诊断方法
WO2020177491A1 (zh) 微动采集设备、无线遥测系统及数据质量监控方法
CN203350459U (zh) 一种地震动参数速报仪
JP2018054502A (ja) 測定装置、ae測定システム、ae測定方法及びae測定プログラム
CN104266894A (zh) 一种基于相关性分析的矿山微震信号初至波时刻提取方法
CN104155644A (zh) 一种基于声音传感器的测距方法及系统
CN107393523B (zh) 一种噪音监控方法及系统
CN103207408A (zh) 被动地震监测数据压缩方法及控制系统
CN103616719A (zh) 具有噪声识别和自适应放大功能的微地震采集装置和方法
CN109341848A (zh) 一种隧道运营阶段的安全监测系统
CN202903327U (zh) 一种泥石流地声监测装置
CN104266921A (zh) 基于无线智能节点的钢桥疲劳寿命便携式评估系统及方法
CN106618499B (zh) 跌倒检测设备、跌倒检测方法及装置
CN102889896B (zh) 一种复合材料结构冲击监测数字序列的两级降噪方法
CN204228547U (zh) 基于无线智能节点的钢桥疲劳寿命便携式评估系统
CN110988130A (zh) 一种用于岩质斜坡室内试验损伤识别的测试系统
CN203745427U (zh) 一种振动反射信号采集装置
CN217467218U (zh) 一种基于多传感器的冰雹监测装置
CN104462770A (zh) 考虑传感器性能退化的信号重构方法
CN101385960B (zh) 一种实时测量金刚石单晶生长的动态方法
CN104266857A (zh) 基于无线模态技术的桥梁载荷冲击系数快速测量方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210105