JP5579531B2 - 導電性繊維強化プラスチック及びその製造方法、並びにそれを用いた電磁波シールド材 - Google Patents
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に関する。
上記導電性繊維強化プラスチックは、上記導電性シートに近接している一方の主面に導電性部位を有し、上記導電性部位は、上記導電性繊維強化プラスチックの一方の主面の外周部全体に形成され、上記導電性シートと電気的に接合していることを特徴とする。
また、ガラス繊維で構成される補強材(以下において、単にガラス繊維補強材とも記す。)は、その形態は特に限定されず、例えば、チョップドストランドマット、不織布、織布、編布、多軸挿入繊維シートなどを用いることができ、また、これらを異形態のガラス繊維材料と組み合せて用いてもよい。中でも、賦形性の観点から、ガラスロービングを所定の長さにカットしたものを不織布の両面又は片面に分散させた後ステッチ糸でステッチした、ガラス−不織布基材を用いることが好ましい。上記ガラス−不織布基材の不織布としては、特に限定されず、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス等の無機系不織布などを用いることができる。上記ガラス−不織布基材は、特に限定されるものではないが、厚さは1〜10mmあることが好ましく、2〜6mmであることがより好ましい。また、上記ガラス−不織布基材において、特に限定されるものではないが、不織布の目付け(単位面積当たりの質量)は、50〜1000g/m2であることが好ましく、100〜600g/m2であることがより好ましく、分散させたガラス繊維の目付けは、50〜2000g/m2であることが好ましく、100〜1000g/m2であることがより好ましい。また、上記ガラス繊維の単繊維直径は、1〜50μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましく、繊維長(カット長)は10〜100mmであることが好ましく、20〜80mmであることが好ましい。また、上記ステッチ糸(縫い糸、編み糸)としては、特に限定されず、ポリプロピレン糸、ポリエチレン糸、ポリエステル糸、ナイロン糸、ガラス糸などを用いることができる。
上記導電性テープを貼りつけた導電性シートを、上記導電性テープを貼りつけた主面とは反対側の主面が繊維で構成される補強材と接するように、繊維で構成される補強材上に配置して積層体を得、
上記積層体を熱硬化性樹脂や硬化剤などを含む樹脂組成物で含浸する。その後、常温でマトリックス樹脂を硬化させて、導電性FRPを作製できる。或いは、プレス機にてマトリックス樹脂を熱硬化させ、その後、乾燥器にてアフターキュアを行うことで、一体成形し、導電性FRPを作製できる。上記プレス機の温度は、用いるマトリックス樹脂の種類によって適宜選択すればよいが、生産性という観点から、例えば20〜120℃であることが好ましい。また、プレス機による熱硬化は、圧力0.1〜10MPa、0.1〜5時間で行うことが好ましい。また、樹脂組成物の含浸は、通常用いる方法で行えばよく、例えば、補強材の表面に樹脂組成物をローラで塗布して均一に伸ばすことにより行うことができる。なお、上記以外の方法であっても何ら問題なく、例えばハンドレイアップ法、コールドプレス法、インフュージョン成形法、RTM成形法などを用いても良い。
先ず、目付が250g/m2のポリプロピレン不織布の両方の表面に、ガラスロービングを繊維長50mmにカットしたものを目付が450g/m2になるように配置させた後、ポリエステル糸で厚さ方向にステッチングし、一体化して、ガラス繊維で構成される補強材(以下において、単に繊維補強材と記す。)を得た。得られた繊維補強材は、目付が1150g/m2であり、厚さが5mm、長さが30cm、幅が30cmであった。
10mm幅のアルミテープ(厚さ:100μm)を導電性シートの一方の主面の外周部全体に沿って貼りつけた以外は、参考例1と同様にして、実施例2の導電性FRPを得た。
参考例1と同様にして繊維補強材を作成し、当該繊維補強材に対し、神東塗料製導電性塗料「E−3073」を塗布することで、導電性塗料を塗布した導電性FRPを得た。
CUSTOM製の「PocketTester」を用いて、導電性FRPの表面抵抗を、図3に示すように、部位A及び部位Bで測定した。
サンプルサイズが15cm角のものに対し、KEC法(KEC:社団法人関西電子工業振興センター)に基づいて、1kHz〜1GHzの周波数で電磁波シールド測定を行った。
2 導電性シート
3 マトリックス樹脂
4 導電性部位
10 導電性繊維強化プラスチック
11 下型
12 導電性シート
14 離型シート
15 メディア
16 真空バック
17 シーランドテープ
18 ホース
19 樹脂
20 真空ポンプ
Claims (7)
- 繊維で構成される補強材と、導電性シートと、マトリックス樹脂とを含む導電性繊維強化プラスチックであって、
前記導電性シートは、前記繊維で構成される補強材の一方の主面上に配置されて一体化成形されており、前記導電性シートと前記繊維で構成される補強材は、前記マトリックス樹脂で含浸されており、
前記導電性繊維強化プラスチックは、前記導電性シートに近接している一方の主面に導電性部位を有し、
前記導電性部位は、前記導電性繊維強化プラスチックの一方の主面の外周部全体に形成され、前記導電性シートと電気的に接合していることを特徴とする導電性繊維強化プラスチック。 - 前記導電性シートは、不織布に導電性材料がめっきされた導電性不織布である請求項1に記載の導電性繊維強化プラスチック。
- 前記繊維で構成される補強材は、ガラス繊維で構成される補強材である請求項1又は2に記載の導電性繊維強化プラスチック。
- 前記導電性部位は、導電性テープで構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性繊維強化プラスチック。
- 前記マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性繊維強化プラスチック。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性繊維強化プラスチックの製造方法であって、
導電性シートの一方の主面の外周部全体に、導電性部位を構成する導電性テープを貼りつけ、
前記導電性テープを貼りつけた導電性シートを、前記導電性テープを貼りつけた主面とは反対側の主面が繊維で構成される補強材と接するように、繊維で構成される補強材上に配置して積層体を得、
前記積層体をマトリックス樹脂で含浸し、一体成形することを特徴とする導電性繊維強化プラスチックの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性繊維強化プラスチック又は請求項6に記載の製造方法で得られる導電性繊維強化プラスチックを用いることを特徴とする電磁波シールド材。
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