JP5579483B2 - 分岐脂肪族アルデヒドの製造方法 - Google Patents

分岐脂肪族アルデヒドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、分岐脂肪族アルデヒドの製造方法に関する。
医農薬製造中間体として重要である分岐脂肪族アルデヒド類は、分岐脂肪族グリシジル酸より製造する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、グリシジル酸類を190℃から200℃に加熱し、脱炭酸させることで、収率15%程度でアルデヒド類を製造することができるとされている。また別法として、銅粉存在下にグリシジル酸類を200℃まで加熱することでアルデヒド類を収率45%程度で製造できるとされている。
また、分岐脂肪族アルデヒドである2,4−ジメチルペンタナールが高収率で得られたことが開示されている(例えば、非特許文献2参照)。
Journal of the American Chemical Society 第75巻 (1953年)4995頁 Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2:Physical Organic Chemistry (1972年)123頁
非特許文献2には2,4−ジメチルペンタナールが収率95%で製造される旨記載されているものの、詳細な反応条件等の記載がなく、追試することは困難である。また非特許文献1に記載の方法では、分岐脂肪族アルデヒド類を満足できる収率で得ることは困難であった。
以上のようなことから、分岐脂肪族グリシジル酸より分岐脂肪族アルデヒド類を高い収率で得る方法は、事実上知られていないに等しく、改善の余地がある。また公知の製造方法はいずれも150℃以上の高温を必要とするため、操作性の観点から改善の余地がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、分岐脂肪族アルデヒド類を効率よく得ることができる製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 水および水と混和しない有機溶剤を含み、水相におけるpHが2から7の範囲である混合溶媒中で、下記一般式(1)
[一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]で表されるグルシジル酸類またはその塩を脱炭酸することを含む下記一般式(2)
[一般式(2)中、R及びRは、一般式(1)におけるRおよびRと同一である。]で表される分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
<2>記一般式(1)および一般式(2)において、Rがメチル基であって、Rがイソブチル基である前記<1>に記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
> 前記一般式(1)で表されるグリシジル酸類またはその塩が、下記一般式(3)
[一般式(3)中、RおよびRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一であり、Rは炭素数1から6の直鎖または分岐アルキル基を表す。]で表されるエステル類を、酸または塩基の存在下で加水分解して得られたものである前記<1>又は2>に記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
> pHが2から7の範囲である水溶媒中で、下記一般式(1)
[一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル基を表す。]で表されるグルシジル酸類又はその塩を脱炭酸することを含む下記一般式(2)
[一般式(2)中、R及びRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一である。]で表される分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
> 前記一般式(1)および一般式(2)において、Rがメチル基であって、Rがイソブチル基である前記<>に記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
> 前記一般式(1)で表されるグリシジル酸類またはその塩が、下記一般式(3)
[一般式(3)中、RおよびRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一であり、Rは炭素数1から6の直鎖または分岐アルキル基を表す。]で表されるエステル類を、酸又は塩基の存在下で加水分解して得られたものである前記<>または<>に記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
本発明によれば、分岐脂肪族アルデヒド類を効率よく得ることができる製造方法を提供することができる。
本発明の下記一般式(2)で表される分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法は、水および水と混和しない有機溶剤を含み、水相におけるpHが2から7の範囲である混合溶媒中で、下記一般式(1)で表されるグルシジル酸類またはその塩を脱炭酸することを含む。
これにより、温和な条件で、かつ安定的に、分岐脂肪族グリシジル酸から分岐脂肪族アルデヒド類を、従来知られている方法を大きく上回る収率で製造することが可能になる。
一般式(1)、一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
本発明において、一般式(1)で表される分岐脂肪族グルシジル酸類は、ジアステレオ異性体あるいは光学異性体が存在する場合、いずれか一つの化合物、または二種類以上の任意の割合の混合物でよく、その構造は限定されない。
また一般式(1)におけるRおよびRで表わされる炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基であり、好ましくはメチル基及びイソブチル基であり、より好ましくは一方がメチル基であって他方がイソブチル基である。
一般式(1)で表される分岐脂肪族グルシジル酸類は塩を形成しても良い。その対イオンとしては例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどを挙げることができる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどを挙げることができる。またアルカリ土類金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどを挙げることができる。
本発明においては、前記一般式(1)で表される分岐脂肪族グリシジル酸類またはその塩を、水および水と混和しない有機溶媒の2層からなる混合溶媒中で、水と接触させて、脱炭酸反応せることにより、前記一般式(2)で表される分岐脂肪族アルデヒド類を製造する。
前記水と混和しない有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;オクタノール等のアルコール類;メチルイソブチルケトン等のケトン類を挙げることができる。特に好ましい有機溶媒としては、芳香族炭化水素類およびエステル類である。
これらの溶媒はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することも出来る。
水と混和しない有機溶剤の使用量は、用いる水に対して0.5倍重量以上であることが好ましい。また上限は特に設けないが、経済的観点から15倍重量以下とするのが好ましい。
前記混合溶媒における水相は、反応収率の観点から、pHが2から7であり、pHが3から5であることが好ましい。
水相のpHは、有機酸または無機酸を水相に加えることで調整できる。有機酸としては例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等や、それらの塩類を挙げることができる。また無機酸としては例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等や、それらの塩類などを挙げることができる。
特に好ましい酸としては、リン酸である。これらの酸はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
反応温度は、水および用いる有機溶媒の凝固点以上沸点以下であればよく特に制限は設けないが、反応速度および経済性の観点から50℃から80℃が好ましい。
一般式(1)で表される分岐脂肪族グリシジル酸類及びその塩の初期水中濃度には特に制限はないが、反応収率の観点から、分岐脂肪族グリシジル酸またはその塩の、水に対する重量比率(分岐脂肪族グリシジル酸またはその塩/水)が50重量%以下となる濃度であることが好ましく、さらに経済的観点から10重量%以上30重量%以下となるようにするのがより好ましい。
また本発明の別の態様によれば、pHが2から7の範囲である水溶媒中で、一般式(1)で表される分岐脂肪族グリシジル酸類およびその塩を脱炭酸することで、一般式(2)で表される分岐脂肪族アルデヒド類を効率的に製造することができる。
水を単溶媒として用いた場合に、水溶媒のpHを2から7付近に調整することにより反応収率の向上が見られ、さらに水溶媒はpH3から5に調整するのが好ましい。
水溶媒のpHは、有機酸または無機酸を水溶媒に加えることで調整される。有機酸としては例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等や、それら塩類を挙げることができる。また無機酸としては例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等や、それらの塩類などを挙げることができる。特に好ましい酸としては、リン酸である。これらの酸はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
反応温度は、水の凝固点以上沸点以下であればよく特に制限は設けないが、反応速度および経済性の観点から50℃から80℃が好ましい。
一般式(1)で表される分岐脂肪族グリシジル酸類及びその塩の初期水中濃度には特に制限はないが、反応収率の観点から、分岐脂肪族グリシジル酸またはその塩の、水に対する重量比率(分岐脂肪族グリシジル酸またはその塩/水)が50重量%以下となる濃度であることが好ましく、さらに経済的観点から10重量%以上30重量%以下となるようにするのがより好ましい。
さらに本発明においては、一般式(1)の分岐脂肪族グリシジル酸類は、下記一般式(3)で表されるエステル類を酸または塩基の存在下で加水分解することにより得られることが好ましい。
一般式(3)中、RおよびRは、一般式(1)におけるRおよびRと同一である。Rは炭素数1から6の直鎖または分岐アルキル基を表す。
一般式(3)で表されるエステル類にジアステレオ異性体あるいは光学異性体が存在する場合、いずれか一つの化合物、または二種類以上の任意の割合の混合物でよく、その構造は限定されない。
一般式(3)におけるRおよびRで表わされる炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基であり、好ましくはメチル基及びイソブチル基であり、より好ましくは一方がメチル基であって他方がイソブチル基である。
エステル類の加水分解に使用される酸としては特に制限はなく、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸およびその塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸およびその塩を挙げることができる。これらの酸はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
またエステル類の加水分解に使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩類を挙げることができる。アルカリ金属とはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどを挙げることができ、アルカリ土類金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどを挙げることができる。
加水分解に用いる酸または塩基の量としては特に制限はないが、一般式(3)で表されるエステル類に対して1当量以上用いればよく、経済性の観点から1当量から2当量用いるのが好ましい。
また加水分解における反応温度としては特に制限はないが、水の凝固点以上沸点以下であればよく、反応速度および経済性の観点から0℃から室温が好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[比較例1]
Journal of the American Chemical Society 第75巻 (1953年)4995頁の記載に基づき、以下のようにして2,4−ジメチルペンタナールを合成した。
メタノール200g中に氷浴下、ナトリウムメトキシト゛55.0gを溶解させたのち、3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸メチル189g、水25.0gを加え、室温に戻した後8時間攪拌した。メタノールを減圧下濃縮後、水550gを加え酢酸エチル100gで2回洗浄した。水層に濃塩酸114gを加え160℃に加熱し、留出成分として、2,4−ジメチルペンタナール15.4g(収率:14.6%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.88−1.09 (6H,m),1.16−1.20 (3H,m),1.21−1.25(1H,m),1.56−1.69(2H,m),2.39−2.45(1H,m),9.60(1H,s).
[比較例2]
Journal of the American Chemical Society 第75巻 (1953年)4995頁の記載に基づき、以下のようにして2,4−ジメチルペンタナールを合成した。
3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸20.0gに銅粉0.50gを加え、150℃まで加熱し、留出成分として、2,4−ジメチルペンタナール5.30g(収率:36.9%)を得た。
[比較例3]
水35.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム15.2gを溶解させ、濃塩酸9.17gを滴下してpHを0.93とした後に60℃に加熱して5時間攪拌した。反応終了時のpHは1.48であった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール2.19g(収率:22.6%)が生成していることを確認した。
[実施例1]
水44.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム19.0gを溶解させ、濃塩酸4.03gを滴下してpH=4に調整後、60℃に加熱して5時間攪拌した。反応終了時のpHは6.32であった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール3.67g、(収率30.6%)が生成していることを確認した。
[実施例2]
水44.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム19.0gを溶解させ、60℃に加熱し、pH=4を保持するよう濃塩酸9.72gを滴下しながら5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール5.49g(収率:45.8%)が生成していることを確認した。
[実施例3]
水44.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム19.0gを溶解させ、60℃に加熱し、pH=5を保持するよう濃塩酸8.17gを滴下しながら5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール5.41g(収率:45.4%)が生成していることを確認した。
[実施例4]
水26.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム10.8gを溶解させ、60℃に加熱し、pH=4を保持するようリン酸6.24gを滴下しながら5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール3.65g(収率:53.2%)が生成していることを確認した。
[実施例5]
水36.0g、キシレン18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、リン酸2.77gを滴下した後に加熱還流させ5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.49g(収率:65.4%)が生成していることを確認した。
[実施例6]
水36.0g、酢酸エチル18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、リン酸2.77gを滴下した後に加熱還流させ5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.53g(収率:67.2%)が生成していることを確認した。
[実施例7]
水36.0g、トルエン18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、リン酸2.77gを滴下した後に加熱還流させ5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.53g(収率:65.9%)が生成していることを確認した。
[実施例8]
水36.0g、トルエン18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、硫酸水素カリウム3.27gを加えた後に加熱還流させ5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.48g(収率:65.0%)が生成していることを確認した。
[実施例9]
水36.0g、トルエン18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、60℃に加熱し、pH=4を保持するようリン酸2.77gを徐々に加えて5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.61g(収率:70.6%)が生成していることを確認した。
[実施例10]
水36.0g、トルエン18.0gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム3.71gを溶解させ、60℃に加熱し、pH=4を保持するようリン酸5.76gを徐々に加えて5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.48g(収率:64.9%)が生成していることを確認した。
[実施例11]
水14.0g、トルエン7.00gに3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸ナトリウム2.30gを溶解させ、60℃に加熱して反応液がpH=4になるようリン酸1.77gを徐々に加えて5時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール1.16g(収率:79.7%)が生成していることを確認した。
[実施例12]
水517g中に氷浴下、水酸化ナトリウム37.1gを溶解させたのち、3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸メチル155gを加え、室温に戻した後1時間攪拌した。トルエン200gで2回洗浄した後に60℃に加熱して、pH=4を保持するようリン酸125gを7時間かけて徐々に加えた後、さらに1時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール53.3g(収率:51.9%)が生成していることを確認した。
[実施例13]
水250g中に氷浴下、水酸化ナトリウム12.0gを溶解させたのち、3−イソブチル−3−メチルオキシラン−2−カルボン酸メチル50.0gを加え、室温に戻した後1時間攪拌した。トルエン100gで2回洗浄した後に、水層にトルエン200g、水9.76gを加え60℃に加熱し、pH=4を保持するようリン酸40.1gを5時間かけて徐々に加えた後、さらに1時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,4−ジメチルペンタナール25.2g(収率:76.2%)が生成していることを確認した。
以上から、本発明の製造方法によって、温和な条件でかつ安定的に、分岐脂肪族グリシジル酸類から分岐脂肪族アルデヒドを、従来知られている方法を大きく上回る収率で製造することができたことが分かる。

Claims (6)

  1. 水および水と混和しない有機溶剤を含み、水相におけるpHが2から7の範囲である混合溶媒中で、下記一般式(1)


    [一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]で表されるグルシジル酸類またはその塩を脱炭酸することを含む下記一般式(2)


    [一般式(2)中、R及びRは、一般式(1)におけるRおよびRと同一である。]で表される分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
  2. 前記一般式(1)および一般式(2)において、Rがメチル基であって、Rがイソブチル基である請求項1記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
  3. 前記一般式(1)で表されるグリシジル酸類またはその塩が、下記一般式(3)


    [一般式(3)中、RおよびRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一であり、Rは炭素数1から6の直鎖または分岐アルキル基を表す。]で表されるエステル類を、酸または塩基の存在下で加水分解して得られたものである請求項1又は請求項2記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
  4. pHが2から7の範囲である水溶媒中で、下記一般式(1)


    [一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル基を表す。]で表されるグルシジル酸類又はその塩を脱炭酸することを含む下記一般式(2)


    [一般式(2)中、R及びRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一である。]で表される分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
  5. 前記一般式(1)および一般式(2)において、Rがメチル基であって、Rがイソブチル基である請求項記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
  6. 前記一般式(1)で表されるグリシジル酸類またはその塩が、下記一般式(3)


    [一般式(3)中、RおよびRは、前記一般式(1)におけるRおよびRと同一であり、Rは炭素数1から6の直鎖または分岐アルキル基を表す。]で表されるエステル類を、酸又は塩基の存在下で加水分解して得られたものである請求項または請求項記載の分岐脂肪族アルデヒド類の製造方法。
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