JP5579335B1 - 電気機械変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーマチュアの設計の寸法や材質の選択範囲を広げ、小型高出力で、良好な耐衝撃性を有する電気機械変換器を提供する。
【解決手段】本発明の電気機械変換器は、少なくとも1対の磁石(15〜18)、その磁石による磁束を導くヨーク(12、13)、電気信号が供給されるコイル(14)を一体的に配置した構造部と、この構造部の内部空間を貫く内側部とX方向に両側に突出した各外側部を有し、内側部の両側で磁束が導かれるギャップを介して構造部と磁気回路を構成し、その磁気力によりZ方向に変位するアーマチュア(19)と、アーマチュアを挟んでZ方向に対向配置され、アーマチュアの変位に応じた復元力を各外側部に与える1対の弾性機構(20、21)を備えている。各々の弾性機構は、両側の係合部が各外側部に係合し、その間の固定部で構造部に固定され、各係合部と固定部との間のX方向の距離が構造部のY方向の長さの半分よりも長い。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器に関し、特にアーマチュア、ヨーク、コイル、磁石等からなる駆動部を備えた電気機械変換器に関するものである。
補聴器等に用いられる電気音響変換器(電気機械変換器の一形態)は、アーマチュア、ヨーク、コイル、1対の磁石などからなる駆動部を備え、コイルに供給される電気信号に応じてアーマチュアを駆動し、アーマチュアと他の部材との間の相対振動を音響に変換するように構成される。例えば、所謂バランスド・アーマチュア型(以下、バランス型と呼ぶ)の電磁型変換器の例として、特許文献1には、U字型のアーマチュアを用いた磁気回路の構造例が開示され、特許文献2には、E字型のアーマチュアを用いた磁気回路の構造例が開示されている。特許文献3には、上記と同様のバランス型の磁気回路を具備する電気音響変換器における耐衝撃性を向上させる構造例が開示されている。上記いずれの構造例においても、アーマチュアがヨークに接続され、磁気回路を構成している。また、上記のいずれの場合も、アーマチュアの一端が変位したときのアーマチュア自身の弾性による復元力が、その変位によって生じる磁石の磁気力(吸引力)より大きくなるように構成する必要がある。特許文献1〜3に開示された構造を採用する場合には、アーマチュアには軟磁性材料を用いることが不可欠である。
米国特許第7869610号明細書 米国特許第4473722号明細書 特開2006−041768号公報
しかしながら、上記従来のバランス型の電磁型変換器においては、アーマチュアが磁気回路の一部を構成するので、その磁気特性に対する設計上の要求を満たすことが求められる。また、アーマチュアが変位した際、その復元力が磁石の磁気力より大きくなるような設計が要求される点は前述した通りであるが、従来の構造においては、アーマチュア自身の弾性により復元力を得ているので、アーマチュアの設計に際しては磁気的な要求と機械的な要求を満足させなければならない。例えば、アーマチュアの耐衝撃性を向上させるために、アーマチュアの板厚を厚くすることが考えられるが、アーマチュアの板厚を厚くすると、その弾性範囲の変位量を十分に確保できなくなる。またアーマチュアには必要な磁気特性が求められるため、降伏応力が大きく、耐衝撃性に強い一般のバネ材料を使用することも困難である。通常、アーマチュアは、その材料の磁気特性を十分に引き出すために加工後に磁性アニール処理が施されるため、熱処理により降伏応力を大きくすることも困難である。以上のように、上記従来の構造によれば、アーマチュアの設計上の自由度が大きく制限されることは避けられない。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、アーマチュアの設計の制約を減らし、小型高出力化と耐衝撃性とを両立し得る電気機械変換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器において、少なくとも1対の磁石(15〜18)と、前記磁石による磁束を導くヨーク(12、13)と、前記電気信号が供給されるコイル(14)とを一体的に配置した構造部と、前記構造部の内部空間を貫く内側部(19a)と、前記内側部から第1の方向(X)の両側に突出した第1の外側部(19b)及び第2の外側部(19c)とを有し、前記内側部のうち互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記磁気回路の磁気力により前記第1の方向と直交する第2の方向(Z)に変位するアーマチュア(19)と、前記アーマチュアに対して前記第2の方向の一方の側に配置され、前記アーマチュアの前記構造部に対する相対的変位に応じた復元力を前記第1及び第2の外側部に付与する第1の弾性機構(20)と、前記アーマチュアを挟んで前記第1の弾性機構と前記第2の方向に対称配置され、前記相対的変位に応じた復元力を前記第1及び第2の外側部に付与する第2の弾性機構(21)とを備え、前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記第1の外側部に係合する第1の係合部(S3)及び前記第2の外側部に係合する第2の係合部(S3)が形成されるとともに、前記第1及び第2の係合部の間に位置する固定部(WP)で前記構造部に固定され、前記第1及び第2の係合部の各々と前記固定部との間の前記第1の方向の距離は、前記構造部における前記第1及び第2の方向にそれぞれ直交する第3の方向(Y)の長さの半分よりも長いことを特徴としている。
本発明の電気機械変換器によれば、コイルに電流が流れないときに構造部の内部空間の所定位置にアーマチュアが位置決めされた状態から、コイルに電流を流したときに内側部に加わる磁気力によってアーマチュアが相対的に変位し、アーマチュアを挟んで第2の方向に対向配置される第1及び第2の弾性機構により、アーマチュアの変位に応じた復元力が作用する。よって、アーマチュア自身の弾性を利用することなく、アーマチュアの両端に設けた2つの弾性機構の復元力を利用する構造を採用したため、アーマチュアの板厚を薄くすることなく十分な変位量を確保することで、アーマチュアの設計上の自由度を高めることができる。また、第1及び第2の弾性機構は、それぞれ構造部に固定され、その両側で第1及び第2の外側部に係合するとともに、固定部と各係合部の間の第1の方向(X)の距離が、構造部の第3の方向(Y)の長さの半分より長く設定される。この構造により、アーマチュアの長手方向に沿って固定部から係合部まで延伸されるバネ部材の長さを十分に確保することで、バネ部材の内部応力を低減し、耐衝撃性の向上が可能となる。
本発明において、第1及び第2の弾性機構は、多様な配置及び形状で構成することができる。例えば、各弾性機構の固定部を、構造部における第1の方向の中央近傍に配置し、各弾性機構が第1の方向の両側に対称的な形状を有する構造を採用することができる。また例えば、各弾性機構が固定部において構造部と溶接される構造を採用することができる。
本発明において、第1及び第2の弾性機構として、平坦部の両側に湾曲部が形成された板バネを用いることができる。この板バネは、平坦部に前述の固定部が設定され、両側の湾曲部にそれぞれ前述の第1及び第2の係合部が形成される。このような構造の板バネに対して寸法条件と材質を適切に選択することにより、所望の復元力を得ることができる
本発明において、アーマチュアの2つの領域において、それぞれギャップを介して対向する2対の磁石を用いることができる。当該磁石は、少なくとも1対あれば、前記磁気回路を構成できる。これにより、アーマチュアの両側のそれぞれの領域において、アーマチュアを通す互いに逆向きの2つの磁束を容易に形成することができる。
本発明において、前記固定部は、前記第1の方向に隣接する第1の固定部及び第2の固定部を含め構成し、前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記第1の固定部及び前記第1の係合部を有する第1のバネ部材と、前記第2の固定部及び前記第2の係合部を有する第2のバネ部材とを含めて構成することができる。この場合、第1の固定部と第1の係合部との間の第1の方向の距離と、第2の固定部と第2の係合部との間の第1の方向の距離は、いずれも構造部における第3の方向の長さの半分よりも長くする必要がある。このような構造を採用すると、少なくとも4個のバネ部材が必要になるが、各々のバネ部材を小型化し、加工が容易になる。
本発明によれば、アーマチュア自身の弾性を利用することなく、アーマチュアの両端と構造部との間に配置される2つの弾性機構を設け、アーマチュアの変位の復元力を与えるように構成したので、アーマチュアの設計の制約を減らすことができる。また、各弾性機構は、構造部に固定され、かつ、アーマチュアの両側の外側部にそれぞれ係合された状態で配置されるので、アーマチュアの長手方向に沿って固定部から係合部までの長さを十分に確保することができ、内部応力を低減して耐衝撃性のさらなる向上が可能となる。以上のように、本発明により、耐衝撃性を向上でき、小型高出力化に適した電気機械変換器を実現することが可能となる。
本実施形態の電気機械変換器の全体を収容するハウジングを取り外した状態の構造を示す斜視図である。 本実施形態の電気機械変換器をZ方向の一方(図1の紙面上端側)から見たときの上面図である。 本実施形態の電気機械変換器の内部構造をY方向の一方(図2の紙面下端側)から見たときの正面図である。 本実施形態の電気機械変換器における磁気回路部の分解斜視図である。 バネ部材の全体構造を示す斜視図である。 バネ部材をY方向の一方から見たときの正面図である。 バネ部材とアーマチュアの外側部が係合している状態を示す斜視図である。 図2のA−A断面における断面図のうちの磁気回路を構成する部分を模式的に表した図である。 本実施形態の電気機械変換器との対比のための比較例として、従来型のバランスド・アーマチュア型の電磁型変換器における磁気回路部の断面構造を模式的に示す図である。 図6のバネ部材を分離して2個のバネ部材を設けた変形例を示す図である。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。以下では、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器に対して本発明を適用した実施形態について説明する。
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態の電気機械変換器の基本構造について説明する。図1〜図3では、互いに直交するX方向(本発明の第1の方向)、Y方向(本発明の第3の方向)、Z方向(本発明の第2の方向)をそれぞれ矢印にて示している。本実施形態の電気機械変換器は、上、下、左、右の方向性を持たないが、以下では説明の便宜のため、各図面内(紙面)の方向(X、Y、Z)に応じて、上、下、左、右の方向を記載する場合がある。図1は、本実施形態の電気機械変換器の全体を収容するハウジング10を取り外した状態の構造を示す斜視図である。図2は、本実施形態の電気機械変換器をZ方向の一方(図1の紙面上端側)から見たときの上面図(一部欠け上面図)であり、図3は、本実施形態の電気機械変換器の内部構造をY方向の一方(図2の紙面下端側)から見たときの正面図(一部欠け正面図)である。また、図4は、本実施形態の電気機械変換器における後述の磁気回路部の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の電気機械変換器の全体を収容するハウジング10は、上下対称に配置された下部のハウジング部材10a及び上部のハウジング部材10bを一体化した構造を有する。ハウジング10には、電気機械変換器の後述の駆動部11が収容されている。ハウジング10は、駆動部11を支持し得る強度の範囲内で、例えば、プラスチック材料又はステンレス等の金属材料を用いることができる。下部のハウジング部材10aの各辺の凹部と、上部のハウジング部材10bの各辺の凸部は、互いに嵌合する形状に形成されている。なお、図2及び図3においては、いずれもハウジング10を部分的に除去して内部を見た構造を示しているが、実際には、図1の構造を有するハウジング10が電気機械変換器の全体を覆っている。
図1及び図2に示すように、ハウジング部材10aの一端には、後述のコイル14から延出される1対のリード線(不図示)を通すための1対のスリットSaが形成されている。そして、ハウジング部材10aの1対のスリットSaの側の一端には、上述の1対のリード線に接続される1対の電気端子(不図示)が設けられる。また、ハウジング部材10aの内部には、内側に突出した8つのストッパーSbが形成されている。これらのストッパーSbは、駆動部11のY方向の可動範囲を制限するために設けられ、これにより電気機械変換器が衝撃を受けた際にY方向に過度に動くことを抑制することができる。なお、ハウジング部材10aの内部にX方向の動きを抑制するストッパーSbを設けてもよい。ただし、ハウジング10の形状に対し駆動部11の可動範囲が小さい場合、ストッパーSbを設ける必要はない。
駆動部11は、1対のヨーク12、13、コイル14、4つの磁石15、16、17、18、アーマチュア19、バネ部材20(本発明の第1の弾性機構)及びバネ部材21(本発明の第2の弾性機構)により構成される。駆動部11のうち、ヨーク12、13、コイル14、4つの磁石15〜18が一体的に配置された本発明の構造部として機能し、この構造部の内部空間を貫くアーマチュア19がバネ部材20、21を介して構造部に対し可動となるように配置されている。
図2には、XY面内における駆動部11のX方向の長さLx及びY方向の長さLyをそれぞれ示している。X方向の長さLxはアーマチュア19の長手方向の長さである。また、Y方向の長さLyは、駆動部のY方向の長さであって、ヨーク12、13のY方向の長さ(幅)に一致する。本実施形態の電気機械変換器を小型にしようとすると、アーマチュア19はX方向に長い略長方形の形状となる。図2に示すように、Lx>Lyの関係がある。なお、駆動部11のX方向の長さLxは、バネ部材20、21の寸法を規定する際に重要であるが、詳しくは後述する。
下部のヨーク12と上部のヨーク13がZ方向に対向配置された状態で、例えば溶接により一体的に固定される。図4に示すように、各々のヨーク12、13の中央部には、それぞれ内面を向く凹部12a、13aが形成され、空芯のコイル14が上下のヨーク12、13の各凹部12a、13aに挟まれるように配置されている。このとき、コイル14は、貫通孔の両端がX方向に開口した状態で、ヨーク12、13の中央に位置決めされ、ヨーク12、13の内面側と接着剤で固定されている。ヨーク12、13の材料としては、例えば、45%Niのパーマロイ等の軟磁性材料を用いることができる。
ヨーク12、13の内側のX方向の両側には、磁石15〜18が対称的に配置されている。すなわち、1対の磁石15、16は、ヨーク12、13のX方向の一端の各対向面に接着固定され、所定の距離を置いて対向配置されている。同様に、1対の磁石17、18は、ヨーク12、13のX方向の他端の各対向面に接着固定され、所定の距離を置いて対向配置されている。
アーマチュア19は、X方向に長尺の板状部材であり、1対の磁石15、16の間の空間と、コイル14の貫通孔と、1対の磁石17、18の間の空間をそれぞれ貫くように配置されている。図4に示すように、アーマチュア19は、ヨーク12、13に対向する空間(構造部の内部空間)に位置する内側部19aと、内側部19aの両側に突出した外側部19b、19cからなる。アーマチュア19の内側部19aは、Y方向で磁石15〜18と同程度の幅の矩形部分として形成され、ヨーク12、13、磁石15〜18及びコイル14とともに磁気回路を構成する。外側部19b、19cは、Y方向の幅が内側部19aと同様であるが、X方向の両辺の一部を対称に部分的に切り欠いた形状を有する。すなわち、一方の外側部19bに形成された1対の切欠部Cと、他方の外側部19cに形成された1対の切欠部Cが、いずれもY方向に対向配置されている。これらの切欠部Cの役割は、アーマチュア19とバネ部材20、21とを係合することにあるが、具体的な構造については後述する。アーマチュア19の材料としては、ヨーク12、13と同様、例えば、45%Niのパーマロイ等の軟磁性材料を用いることができる。
図3に示すように、アーマチュア19の上下(Z方向の両面)には、磁石15〜18との間に平行な隙間が形成されており、それぞれの隙間がギャップG1、G2、G3、G4(図8参照)を構成する。4つの磁石15〜18は互いに同形状でX方向及びZ方向に対称配置されることから、4つのギャップG1〜G4も互いに同形状である。ギャップG1〜G4は、アーマチュア19が、その通常動作の範囲内でZ方向に変位したとき、コイル14及び磁石15〜18と接触しない程度の適当な隙間となっている。
また、アーマチュア19の両側の外側部19b、19cの各々は、その両端が下部のハウジング部材10aの凹部(図1)と上部のハウジング部材10bの凸部(図1)に挟まれた状態で接着剤等により固定される。なお、ハウジング10は、アーマチュア19の両端を除いて、駆動部11とは接触しない構造となっている。アーマチュア19とハウジング10との結合部分は、駆動部11で発生した振動がハウジング10に確実に伝達されるように十分な剛性を持たせる必要がある。また、アーマチュア19の厚さが不足する場合には、アーマチュア19の両面に、厚さを確保するための補強板を接合してもよい。
1対のバネ部材20、21はそれぞれ板状部材を折り曲げ加工して形成された板バネであり、一方のバネ部材20がアーマチュア19の下側に配置されるととともに、他方のバネ部材21がアーマチュア19の上側に配置されている。図3に示すように、1対のバネ部材20、21は、アーマチュア19を挟んでZ方向に対称な構造を有し、それぞれの両側の先端側がアーマチュアの外側部19b、19cの前述の切欠部Cに係合し、それぞれの板バネ部分の中央付近がヨーク12の下端及びヨーク13の上端とレーザ溶接により固定されている。なお、図1の例では、バネ部材21の中央近傍における2列の溶接部WP(本発明の固定部)を示しているが、1列あるいは3列以上の溶接部WPとしてもよい。バネ部材20、21の役割は、アーマチュア19が磁気回路内で構造部に対して相対的に変位したとき、その変位の大きさに比例する復元力をアーマチュア19に与えることにある。以下、各々のバネ部材20、21の構造について、図5〜図7を用いて説明する。
図5は、バネ部材21の全体構造を示す斜視図であり、図6は、バネ部材21をY方向の一方から見たときの正面図であり、図7は、バネ部材21とアーマチュア19の外側部19cが係合している状態を示す斜視図である。なお、図5〜図7では、代表して一方のバネ部材21の構造を示しているが、他方のバネ部材20についても同様の構造を有している。図5に示すように、バネ部材21は、X方向に長尺の平坦部S1と、平坦部S1の両側の2つの湾曲部S2と、それぞれの湾曲部S2の先端側に形成された2対(4つ)の先端部S3(本発明の第1及び第2の係合部)とからなる板バネである。
バネ部材21は、X方向の全長L(図6)、Y方向の幅W(図5)、Z方向の高さH(図6)の寸法で形成される。また、バネ部材21の各1対の先端部S3がY方向に間隔W1(W1<W)で対向している。既に説明した図1〜3の構造から理解できるように、バネ部材21の長さLは、X方向において、ヨーク12、13の長さより長く、かつ、アーマチュア19の長さ(Lx)より短い。また、バネ部材21の幅Wは、ヨーク12、13のY方向の幅(Ly)より若干小さく、バネ部材21の高さHは、ヨーク13のZ方向の高さより大きい。バネ部材21の寸法の具体例としては、例えば、L=10.6mm、W=5mm、H=2.2mm、W1=2.9mmに設定することができる。また、バネ部材21の板厚は、例えば、0.1mm程度に設定することができる。
バネ部材21の各先端部S3は、湾曲部S2の一端からX方向の内側に突出するとともに、Z方向の下方に若干(アーマチュア19の板厚の半分より小さい範囲)突出している。そして、図7の斜視図に示すように、バネ部材21の一方の湾曲部S2の表面が部分的にアーマチュア19の外側部19cの表面に当接した状態で、1対の先端部S3が外側部19cの1対の切欠部Cに係合している。このとき、1対の先端部S3の間隔W1(図5)が外側部19cの1対の切欠部Cの位置におけるY方向の幅よりも僅かに広い幅でY方向に対向している。また、1対の先端部S3は外側部19cの表面より若干下方に曲がっている。このような構造で1対の先端部S3が1対の切欠部Cに係合しているため、1対の先端部S3の外側部19cに対するX及びY方向への相対的な動きを規制することができる。
また、図6には、バネ部材21において、それぞれの先端部S3から溶接部WPまでのX方向の距離Dが示されている。この距離Dは、具体的には、先端部S3の形状のうちアーマチュア19の表面との接点から、2列ある溶接部WPのうち先端部S3に近い側までのX方向の距離として定義される。図6の例では、バネ部材21がX方向に対称的な形状を有するので、バネ部材21の両側で等しい距離Dが対称配置されている。
ここで、厚さt、幅w、長さlの片持ち梁の板バネを考える。この梁の先端のスティフネスkは、次の(1)式で与えられる。
Figure 0005579335
ただし、E:ヤング率
また、先端の変位がxのときの片持ち梁の根元における最大応力σmaxは、次の(2)式で与えられる。
Figure 0005579335
設計上、この板バネのスティフネスkと変位xの最大変位xmaxがそれぞれ決まっていると仮定する。このとき、最大応力σmaxは、次の(3)式で与えられる。
Figure 0005579335
スティフネスkが一定値となるように、片持ち梁の3つのパラメータとして厚さt、幅w、長さlの中の2つだけを変化させたときに最大応力σmaxがどのように変化するかを調べると、下記の表1のように表すことができる。
Figure 0005579335
表1において、3つの場合A、B、Cのいずれであっても、長さlと幅wは大きい方が最大応力σmaxは小さくなる。
上記片持ち梁の板バネの一般論から推論されるように、設計上、バネのスティフネスとバネの最大変位がそれぞれ決まっている場合には、バネの長さと幅を大きくできるような位置にバネを置くことにより、バネに働く最大応力を小さくすることができる。本実施形態の構造を採用することにより、バネ(バネ部材20、21)を配置するための大きな領域を取ることなく、全体の電気機械変換器を構成することができるとともに、バネに働く最大応力を小さくすることができるので耐衝撃性の向上も可能となる。
本実施形態のバネ部材20、21の設計に際し、図6の距離Dが、駆動部11のY方向の長さLy(図2)に対し、次の(4)式の関係を満たす場合には、本実施形態のようにバネ部材20、21を配置することにより、バネ部材20、21に働く最大応力を小さくすることができ、耐衝撃性の向上に有効となる。
Figure 0005579335
バネ部材20、21の図6の距離Dに着目すると、図6からわかるように、溶接部WPの配置の制約や湾曲部S2及び先端部S3の構造上の制約から、距離Dの上限は、D<Lx/2となることは明らかである。ただし、溶接部WPを1列とし、バネ部材20、21のX方向の中点に配置すれば、距離Dを長くすることができる。一方、(4)式を満たさない距離Dの場合は、内部応力が大きくなる。つまり、本実施形態のバネ部材20、21は固定端から自由端への延伸方向をX方向に沿わすことで、距離Dを長くできるという有利な構造上の特徴を有している。仮に、固定端から自由端への延伸方向がY方向に沿ったバネ部材を設けたときは、距離Dとして確保可能な値がLy/2程度に制約されることを考えると、(4)式を満たす限り、本実施形態のバネ部材20、21の構造を採用するメリットを享受することができる。
図5〜図7のバネ部材21において、寸法パラメータについては、上述した通りであるが、他の構造についても多様な設計が可能である。例えば、バネ部材20、21の平坦部S1及び両側の湾曲部S2のそれぞれの構造については、板バネによる復元力が得られる限り、多様な形状を採用することができる。ただし、湾曲部S2を円弧状など滑らかな断面形状にすることは、応力の集中を回避する点でメリットがある。本実施形態のバネ部材20、21の設計に際しては、アーマチュア19に付与すべき復元力に応じたバネ定数を得られるように、板バネの形状、材質、板厚、あるいは湾曲部S2の曲率などを定める必要がある。また、バネ部材20、21の先端部S3の構造についても、バネ部材20、21をアーマチュア19の外側部19b、19cに係合し得る限り、多様な形状を採用することができる。バネ部材20、21の材質としては、例えば、非磁性のバネ用SUS材などを用いることができる。
ここで、図示を省略しているが、バネ部材20、21はZ方向に僅かに押された状態で駆動部11に組み込まれる。すなわち、図3において、アーマチュア19が釣り合いの位置(Z方向の中央)にある場合、アーマチュア19が上下から常時バネ部材20、21に押される状態とすることで、その押圧力によってアーマチュア19を釣り合いの位置に保持することができる。また、アーマチュア19が、バネ部材20、21のそれぞれに対して、Z方向に反対側に変位しても、バネ部材20、21が押されている状態の範囲内であれば、係合が外れない。
また、本実施形態では、バネ部材20、21が溶接部WPでヨーク12、13に固定される構造を示したが、溶接部WPの位置を固定部としてバネ部材20、21をヨーク12、13に固定可能であれば、固定方法は問わない。また、本実施形態では、バネ部材20、21の各1対の先端部S3がアーマチュア19の外側部19b、19cの各1対の切欠部Cに係合される構造を示したが、バネ部材20、21に設けた係合部を外側部19b、19cに係合可能であれば、係合方法は問わない。
次に、本実施形態の電気機械変換器の基本的な動作について説明する。図8は、図2のA−A断面における断面図のうちの磁気回路を構成するヨーク12、13、コイル14、磁石15〜18、アーマチュア19の部分を模式的に表した図である。説明の簡略化のため、磁気回路を構成しない他の部材についても図示を省略する。図8に示すように、コイル14を挟んでZ方向に対向配置された1対の磁石15、16及び1対の磁石17、18は、互いに逆方向に着磁されている。例えば、図8の右側の磁石15、16は下方向に磁化され、図8の左側の磁石17、18は上方向に磁化される。このように磁化された磁石15〜18により、ヨーク12、13及びアーマチュア19には、実線矢印にて示す磁束B1が発生する。
そして、磁束B1のうちギャップG1〜G4を通る磁束による磁気力がアーマチュア19に作用する。具体的には、アーマチュア19に対し、下側のギャップG1、G3の磁気力が強くなると下向きの力が作用し、上側のギャップG2、G4の磁気力が強くなると上向きの力が作用する。これら上下の力が釣り合っていない場合には、アーマチュア19は力の大きい方に変位する。よって、コイル14に電流が流れていない状態で上記上下の力が釣り合うようにアーマチュア19が位置決めされる。このとき、ギャップG1を通る磁束とギャップG2を通る磁束がほぼ等しく、かつ、ギャップG3を通る磁束とギャップG4を通る磁束もほぼ等しい状態にあるので、アーマチュア19が変位しない。そのため、アーマチュア19のうちコイル14に囲まれた部分には見かけ上磁束が流れない状態にある。
この状態でコイル14に電流を流す場合、アーマチュア19のうちコイル14に囲まれた部分には、電流の方向に応じた向きの磁束が発生する。例えば、図8は、コイル電流により、アーマチュア19に点線矢印で示す磁束B2が発生する状態を示している。このとき、図8における各磁束B1、B2の方向性を考慮すると、磁束B2の発生により、下側のギャップG1、G3の磁束はそれぞれ増加し、上側のギャップG2、G4の磁束はそれぞれ減少する。その結果、アーマチュア19は下向きの磁気力を受けて下向き(G1、G3側)に変位する。
アーマチュア19が下向きに変位したとき、バネ部材20(図3)により、変位を元の位置に戻そうとする復元力が作用する。アーマチュア19が変位したときバネ部材20の復元力が、アーマチュア19に働く磁気力に比べて大きい場合は、アーマチュア19が磁石15、17に吸着することは避けられる。以上の動作は、所謂バランスド・アーマチュア型の電磁型変換器の動作原理と同様である。なお、コイル電流が上記と逆向きである場合は、アーマチュア19が上向きの磁気力を受けて上向きに変位し、バネ部材21により復元力が作用する状態を想定すればよい。
ここで、アーマチュア19以外のヨーク12、13、コイル14、磁石15〜18からなる部分(本発明の構造部)とアーマチュア19との相対振動を考える。上述したように、コイル14への電気信号の印加時に流れる電流に応じた駆動力が発生し、この駆動力が上述の相対振動を生じさせる。アーマチュア19の両端とハウジング10とが十分な剛性をもって固定されるので、アーマチュア19と構造部との間に発生した駆動力は、アーマチュア19を通してハウジング10に伝達され、ハウジング10に振動を生じさせる。以上のように、本実施形態の電気機械変換器は、外部から印加される電気信号に対応する機械振動を発生するように構成される。
図9は、本実施形態の電気機械変換器との対比のための比較例として、従来型のバランスド・アーマチュア型の電磁型変換器における磁気回路部の断面構造を模式的に示している。本比較例の磁気回路部は、ヨーク30と、コイル31と、アーマチュア32と、1対の磁石33、34とを備えている。また、1対の磁石33、34とアーマチュア32との隙間がギャップGa、Gbを構成する。本比較例の構造においては、図9に示すように、U字状に折り曲げられたアーマチュア32は、変位したときの復元力がアーマチュア32自身の弾性により与えられ、本実施形態のバネ部材20、21に相当する部材は設けられていない。
また、磁石33、34及びギャップGa、Gbはアーマチュア32のX方向の片側だけに設けられ、この部分でアーマチュア32がヨーク30と磁気的に結合する構造となっている。1対の磁石33、34は、矢印方向に磁化されている。これにより、ヨーク30及びアーマチュア32には、実線矢印にて示す磁束B3が発生する。なお、磁束B3は、図8の磁束B1がXZ面内でループ状に流れるのとは異なり、YZ面内でループ状に流れる。磁束B3のうち、ギャップGa、Gbを通るそれぞれの磁束による2つの磁気力がアーマチュア32に作用する。コイル31に電流が流れていない状態では、上記2つの磁気力が釣り合うようにアーマチュア32が位置決めされる。このとき、上下のギャップGa、Gbを通る磁束が等しくなり、アーマチュア32のうちコイル31に囲まれた部分には磁束が流れない。
上記の状態でコイル31に電流を流す場合、アーマチュア32のうちコイル31に囲まれた部分に磁束が発生する。図9の例では、コイル電流により、アーマチュア32に点線矢印で示す磁束B4が発生する状態を示している。磁束B4の発生により、ギャップGbの磁束は増加し、ギャップGaの磁束は減少する。その結果、アーマチュア32は上向きの力を受けて上向きに変位する。この状態でコイル電流をゼロにすれば、U字状のアーマチュア32自身の弾性による復元力により、アーマチュア32が元の位置に戻る。この場合、コイル31への電気信号の印加時に流れる電流に応じた駆動力が発生し、その駆動力がアーマチュア32を振動させる。
ここで、図9の構造を有する電磁型変換器において、アーマチュア32が釣り合いの位置から変位した状態を考える。例えば、アーマチュア32を上側のギャップGbの方向に変位させた場合、アーマチュア32自身の弾性による復元力も変位に比例するが、その向きは変位を戻そうとする向きに働く。このような弾性力の変位に対する比は正のスティフネスと呼ばれる。これに対して、ギャップGbが小さくなるためギャップGbにおける磁束が増加し、かつ、ギャップGaにおける磁束が減少する。その結果、アーマチュア32には上向きの磁気力が作用する。このときの磁気力の大きさは、アーマチュア32の釣り合いの位置からの変位にほぼ比例し、磁気力の向きは変位した方向に一致する。
一方、上記磁気力は上記復元力と逆向きの力であるため、上記磁気力の変位に対する比は、通常、負のスティフネスと呼ばれる。
アーマチュア32がギャップGa、Gb内で変位したときに必ず元の位置に戻るための条件として、アーマチュア32自身の持つ正のスティフネスを負のスティフネスの絶対値よりも大きくする必要がある。しかし、図9の構造を有する電磁型変換器においては、所定の大きさの範囲内で駆動力を高めるためには、負のスティフネスの絶対値がより大きい方が望ましいので、アーマチュア32自身の持つ正のスティフネスも必然的に大きくする必要がある。そのため、アーマチュア32による大きな復元力を得るためにアーマチュア32の板厚を厚くする必要がある。アーマチュア32の板厚は厚くするほど弾性範囲内の変位が小さくなっていく。
図9の構造を有する電磁型変換器を小型に構成し、かつ大振幅で駆動させるには、アーマチュア32の板厚を薄くする必要がある。しかし、アーマチュア32の正のスティフネスは板厚の3乗に比例することが知られており、それに応じて負のスティフネスも小さくする必要がある。その結果、最大変位量を大きくできたとしても、振動の駆動力が小さくなる。さらに、板厚が薄くなることで降伏応力が小さくなるため衝撃に対しても弱くなることは避けられない。すなわち、上記構造を有する電磁型変換器では、振動の最大駆動力と最大変位量がトレードオフの関係を有することになる。以上のように、本比較例の構造によれば、アーマチュア32自身の弾性による復元力を利用しているため、アーマチュア32を設計する際、その板厚に大きい制約を受ける。
これに対し、本実施形態の電気機械変換器の構造は、図9に示す比較例とは異なり、アーマチュア19の設計時に上述の制約を受けない。具体的には、本実施形態でのアーマチュア19の変位量や復元力は、アーマチュア19のスティフネスには依存せず、別部品であるバネ部材20、21のスティフネスに依存して定まるので、変位量や復元力とは無関係にアーマチュア19の板厚を決めることができる。本実施形態の電気機械変換器が図8のZ方向の大きな衝撃を受けた場合、バネ部材20、21はギャップG1〜G4程度の変形を受けるが、バネ部材20、21の弾性範囲内の変形がこの程度の変形より十分大きくなるように設計しておくことによりZ方向の耐衝撃性向上が可能である。これに対して従来構造の場合、Z方向の大きな衝撃を受けると、アーマチュア32自体に大きな応力がかかるため、Z方向の十分な耐衝撃性を得ることが難しい。従って、本発明を適用した電気機械変換器によれば、磁性材料からなるアーマチュア19自身の弾性を利用することなく、別部品であるバネ部材20、21を用いてアーマチュア19の復元力を与えることにより、図9の構造の上述の問題点を解消し、駆動力と変位量の両方を大きくでき、小型高出力化に適した電気機械変換器を実現することができる。
また、本実施形態の電気機械変換器においては、既に述べたように、アーマチュア19とヨーク12、13との間に対称的に配置されるバネ部材20、21が、両側に外側部19b、19cに係合されるとともに、その間の位置でヨーク12、13に固定される構造を採用した。これにより、(1)〜(3)式を用いて説明したように、各バネ部材20、21の片持ちバネの部分の長さを十分に長くでき、内部応力を軽減して耐衝撃性の向上を実現することができる。
以上のように、本実施形態に基づいて、本発明に係る電気機械変換器について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本実施形態においては、本発明に係る電気機械変換器を構成する第1及び第2の弾性機構として1対のバネ部材20、21を用いる場合を説明したが、第1及び第2の弾性機構として2対(4個)以上のバネ部材を用いる構造を採用してもよい。例えば、図10は、図6のバネ部材21を分離して2個のバネ部材21a、21bを設けた変形例を示している。図10の変形例においては、図6のバネ部材21の右側に相当するバネ部材21aと、図6のバネ部材21の左側に相当するバネ部材21bとがX方向に対向配置されている。これら1対のバネ部材21a、21bの各々は、平坦部S1、湾曲部S2、先端部S3からなり、平坦部S1以外の構造は図6のバネ部材21と同様である。
また、図10には、それぞれのバネ部材21a、21bにおいて、それぞれのX方向の全長L1及び高さHと、それぞれの先端部S3から溶接部WPまでのX方向の距離D1が示されている。図10の全長L1は、アーマチュア19が同一である場合、図6のバネ部材21の全長Lよりも短くなる。一方、図10の距離D1は、図6のバネ部材21の距離Dと同程度か、あるいは短くてもよいが、性能確保の観点から、(4)式のDをD1で置き換えたときに(4)式の関係を満たすように設計することが重要である。また、図10の例では、1対のバネ部材21a、21bが互いに同一の形状及び寸法で形成されているが、(4)式の関係を満たす限り、互いに異なる形状及び寸法で形成してもよい。
また、本発明に係る電気機械変換器は、電気信号を音響に変換して外部に出力する電気音響変換器に対して適用することも可能である。さらに、本発明に係る電気機械変換器は、例えば、使用者の耳甲介腔に装用する補聴器に適用することができる。これにより、電気機械変換器の振動自体とそのハウジングの振動によって発生した音の両方を伝達手段として機能させ、使用者の耳に音を伝達することができる。このような電気機械変換器を、例えば、耳甲介腔に装用する補聴器に適用する場合、ハウジング10の外形形状を耳甲介腔装用に適した形状とすることが望ましい。
10、40…ハウジング
11…駆動部
12、13…ヨーク
14…コイル
15、16、17、18…磁石
19…アーマチュア
20、21…バネ部材
G1、G2、G3、G4…ギャップ

Claims (6)

  1. 電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器において、
    少なくとも1対の磁石と、前記磁石による磁束を導くヨークと、前記電気信号が供給されるコイルとを一体的に配置した構造部と、
    前記構造部の内部空間を貫く内側部と、前記内側部から第1の方向の両側に突出した第1の外側部及び第2の外側部とを有し、前記内側部のうち互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記磁気回路の磁気力により前記第1の方向と直交する第2の方向に変位するアーマチュアと、
    前記アーマチュアに対して前記第2の方向の一方の側に配置され、前記アーマチュアの前記構造部に対する相対的変位に応じた復元力を前記第1及び第2の外側部に付与する第1の弾性機構と、
    前記アーマチュアを挟んで前記第1の弾性機構と前記第2の方向に対称配置され、前記相対的変位に応じた復元力を前記第1及び第2の外側部に付与する第2の弾性機構と、
    を備え、
    前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記第1の外側部に係合する第1の係合部及び前記第2の外側部に係合する第2の係合部が形成されるとともに、前記第1及び第2の係合部の間に位置する固定部で前記構造部に固定され、
    前記第1及び第2の係合部の各々と前記固定部との間の前記第1の方向の距離は、前記構造部における前記第1及び第2の方向にそれぞれ直交する第3の方向の長さの半分よりも長いことを特徴とする電気機械変換器。
  2. 前記固定部は、前記構造部における前記第1の方向の中央近傍に配置され、前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記第1の方向の両側に対称的な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換器。
  3. 前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記固定部において前記構造部と溶接されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機械変換器。
  4. 前記第1及び第2の弾性機構の各々は、平坦部の両側に湾曲部が形成された板バネであり、前記平坦部に前記固定部が設定され、前記両側の湾曲部にはそれぞれ前記第1及び第2の係合部が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気機械変換器。
  5. 前記少なくとも1対の磁石は、前記アーマチュアの前記2つの領域において、それぞれギャップを介して対向する2対の磁石であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気機械変換器。
  6. 前記固定部は、前記第1の方向に隣接する第1の固定部及び第2の固定部を含み、
    前記第1及び第2の弾性機構の各々は、前記第1の固定部及び前記第1の係合部を有する第1のバネ部材と、前記第2の固定部及び前記第2の係合部を有する第2のバネ部材とを含み、
    前記第1の固定部と前記第1の係合部との間の前記第1の方向の距離と、前記第2の固定部と前記第2の係合部との間の前記第1の方向の距離とは、いずれも前記構造部における前記第3の方向の長さの半分よりも長いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機械変換器。
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