JP5578852B2 - タングステンワイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はタングステンワイヤの製造方法に係り、特にワイヤのクラック断線やワイヤ径のばらつきを抑制でき、タングステンワイヤの製造歩留りおよび製品品質を大幅に向上させることが可能なタングステンワイヤの製造方法に関する。
従来からタングステンワイヤは優れた耐熱性および機械的強度を備えることから、TV用電子銃のカソードヒータや各種電極材、自動車ランプ、家電機器の照明ランプおよび複写機のランプなどのフィラメント材として種々の形式で広い分野で使用されている。従来、この種のタングステンワイヤは一般に下記のような製造プロセスを経て製造されている。
すなわち、タングステン粉末を加圧して成形体を成形し、この成形体を焼結して焼結バー(タングステン焼結体)を製造して、次いでこの焼結バーにスウエージング加工(転打加工)を施して丸棒状に成形する。さらに上記スウエージング加工により得られたタングステン丸棒を加熱しながら伸線ダイスに挿通して引き抜く線引き加工(伸線加工)が実施される。そしてこの線引き加工を所定回数繰り返すことにより、所定の線径を有するタングステンワイヤが製造されている。
上記線引き加工ではタングステンワイヤが断線することなく、円滑に線引きできるようにする目的で、タングステン材料表面に潤滑剤が塗布される。この場合、高融点金属であるタングステン線は1200℃程度の高温で加熱して線引き処理を行うために、潤滑剤としては耐熱性に優れた炭素系の潤滑剤を用いている。この炭素系の潤滑剤は黒鉛粉末を水で溶解し、さらに増粘剤を添加して調製されたものである。(特許文献1参照)。
フィラメント材としてのタングステンワイヤは、通電されて高温度で発光し、振動が大きい環境下で使用されるため、高い耐高温特性および耐振動特性が要求されている。しかしながら、従来の方法で製造したタングステンワイヤにおいては、タングステンワイヤの製造工程中からフィラメントなどの製品形態への製造工程中において、また組み込まれる製品の製造工程からその製品になった後も、ワイヤ径の不均一による製品性能のばらつきが生じたり、クラックの発生によって製品歩留りが低下したりするために、その製品品質においてさらなる技術改良が要求されている。
特開平11−86800号公報
発明の開示
本発明は、最終製品としてのワイヤ径が0.05mm以上1.10mm以下のタングステンワイヤの製造方法であり、特にタングステンワイヤの伸線仕上げ加工条件を厳格に制御することにより、タングステンワイヤのクラック断線やワイヤ径のばらつきを抑制し、タングステンワイヤの製造歩留りおよび製品品質を大幅に向上させることを可能とするタングステンワイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、タングステン材料を伸線ダイスに挿通する伸線加工を複数回実施して最終的にワイヤ径0.05mm以上1.10mm以下のタングステンワイヤを製造する方法において、黒鉛粉末と増粘剤とを含有し比重が1.0〜1.1g/cmである潤滑剤をタングステン材料の表面に塗布して伸線加工を実施すると共に、上記タングステンワイヤの仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を5%以上15%以下とし、全ての伸線工程から成る製造工程中における上記潤滑剤の比重の変化量を0.05g/cm以下とすると共に、伸線加工後のタングステンワイヤに700℃以上1300℃以下の温度範囲でアニール処理を実施することを特徴とする。
また、上記製造方法において、黒鉛粉末と増粘剤とを含有する潤滑剤をタングステン材料に塗布することが好ましい。
さらに、上記製造方法において、ワイヤ温度を500℃以上1300℃以下にした状態で伸線加工を実施することが好ましい。
また、上記製造方法において、伸線ダイスを300℃以上650℃以下に加熱した状態で伸線加工を実施することが好ましい。
さらに上記タングステンワイヤの製造方法において、伸線速度を10m/min以上70m/min以下の範囲に調整することが好ましい。
さらに、上記製造方法において、700℃以上1300℃以下の温度範囲でタングステンワイヤにアニール処理を実施することが好ましい。
さらに、上記製造方法において、長さが50〜150mmであり、700℃以上1300℃以下の温度範囲に加熱できる加熱ゾーンを有する加熱炉にタングステンワイヤを10m/min以上55m/min以下の速度で通過させることによりタングステンワイヤにアニール処理を実施することが好ましい。
さらに、上記製造方法において、前記アニール処理はワイヤ径が0.3mm以下のタングステンワイヤに対して実施することが好ましい。
また、上記製造方法において、全ての伸線工程から成る製造工程中における前記潤滑剤の比重の変化量が0.05g/cm以下であることが好ましい。このようなタングステンワイヤは各種フィラメント等の構成材料として好適に用いられる。
[発明の効果]
本発明に係るタングステンワイヤの製造方法よれば、仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を所定の範囲に規定しているために、タングステンワイヤのクラックによる断線やワイヤ径のばらつきを大幅に低減でき、タングステンワイヤの製造歩留りを大幅に向上させ、しかも製品品質を大幅に向上させることができる。
以下、本発明に係るタングステンワイヤの製造方法を具体的に説明する。
本発明は、タングステン材料を伸線ダイスに挿通する伸線加工を複数回実施して最終的にワイヤ径0.05mm以上1.10mm以下のタングステンワイヤを製造する方法において、タングステンワイヤの仕上げ加工となる最終の伸線加工時の減面率を5%以上15%以下とすることを特徴とするものである。
本発明におけるタングステンワイヤはタングステンと不可避不純物を含有したワイヤ(線材)である。タングステン材は通常、鉄やモリブデンを不可避不純物として含有している。
フィラメント用として用いられるタングステンワイヤとしては、タングステン純度が99%以上であることが好ましい。また、タングステン純度は99.9%以上であることがより好ましい。タングステンの純度が99%未満であると、フィラメント用として必要な機械特性および電気特性が得られず、また、加工特性が劣るため、クラックの発生、ワイヤ径のばらつきの原因となるため好ましくない。
上記成分のタングステン粉末を加圧して成形体を成形し、この成形体を焼結して焼結バーを製造して、次いでこの焼結バーにスウエージング加工(転打加工)を実施して丸棒とする。さらに上記スウエージング加工により得られたタングステン丸棒を加熱しながら伸線ダイスに挿通して引き抜く線引き加工(伸線加工)を行う。そしてこの線引き加工を所定回数繰り返して所定の線径を有するタングステンワイヤを製造する。
この線引き加工においては、タングステンワイヤを伸線ダイス孔に挿通する際に、塑性変形させるための圧縮および引張りの応力が作用する。また、塑性変形後のワイヤには圧縮および引張りの残留応力が発生する。この残留応力はワイヤ表面に多く残留しており、この表面残留応力が大きいと、電解研磨などの後工程における加工応力や、製品形態における各種応力に対してクラックを発生させ、製造歩留りを減少させる原因となる。
この残留応力を低減し、円滑に線引き加工を実施できるようにするため、線引き加工工程において、タングステン材料の表面に潤滑剤を塗布することが好ましい。この場合、高融点金属であるタングステンワイヤは1200℃程度の高温で加熱して線引き処理を行うために、潤滑剤としては耐熱性に優れた炭素系の潤滑剤を用いることが望ましい。この炭素系の潤滑剤は黒鉛粉末を水に溶解せしめ、さらに増粘剤を加えて調製される。線引き加工後に、残留応力を減少させるために、タングステンワイヤにアニール処理を実施することが好ましい。
本発明は、最終的にワイヤ径が0.05mm以上1.10mm以下のタングステンワイヤを製造する方法において、ワイヤ伸線仕上げ加工時でのタングステン材料の減面率が5%以上15%以下となるように仕上げ加工を実施することを要旨とする。
ここで上記「仕上げ加工」とは、所望のワイヤ径に調整するために実施する最終の線引き加工工程(最終の伸線工程)を意味する。仕上げ加工時におけるタングステン材料の減面率が5%未満であると、伸線加工回数が必要以上に増加するため、製造コストの観点から不利になる。一方、減面率が15%を越えるとタングステンワイヤの表面残留応力が過大になり、後工程であるアニール工程による熱処理では、効果的に残留応力が除去できず、ワイヤクラックを発生したり、引抜き応力が大きくなるためワイヤ径のばらつきが増大化したりする原因となり好ましくない。
本発明における伸線加工工程は、ワイヤ温度が500℃以上1300℃以下の条件下で実施することが好ましい。温度が500℃未満で実施すると、ワイヤの変形抵抗が大きくなり伸線加工における塑性変形が起こりにくくなり、伸線加工中のワイヤ断線や表面残留応力の増大を引き起こす原因となる。
一方、伸線加工工程でのワイヤ温度が1300℃を超えると、潤滑剤が必要以上に加熱されるために、伸線ダイスの孔内部で焼き付きを起こし易くなる上に、潤滑性が低下するため、ワイヤ径のばらつきが大きくなる原因となり好ましくない。
また、伸線工程は伸線ダイスを300℃以上650℃以下の温度に加熱した状態で実施することが好ましい。伸線ダイスの温度が300℃未満の状態で伸線処理を実施すると、ワイヤ温度が低下し加工応力が必要以上に大きくなり、ワイヤクラックを発生したり、残留応力を増加させたりするため好ましくない。一方、伸線ダイスの温度が650℃を超える場合は、ワイヤ温度が上昇し変形抵抗が小さくなり、ワイヤ径が所定の径より小さくなるため好ましくない。
また、上記伸線工程は10m/min以上70m/min以下の伸線速度で実施することが好ましい。伸線速度が10m/min未満であると、潤滑剤が必要以上に加熱されるために、伸線ダイスの孔内部で焼き付きを起こし潤滑性が低下し、ワイヤ径のばらつきが大きくなる原因となり好ましくない。また、伸線速度が70m/minを超えるとワイヤを所定の温度まで均一に加熱することが困難になり、表面残留応力の増大を引き起こす原因となるため、好ましくない。
本発明におけるアニール処理工程は、伸線工程で発生したワイヤの残留応力を除去する目的で行い、700℃以上1300℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。700℃以下であると残留応力を十分除去することができないため好ましくない。また1300℃を超える温度で実施しても、それ以上の効果が得られないばかりでなく、加熱温度が高くなるために、製造コストの増大、設備への負荷の増大、製造設備の運転コストの増大を引き起こし、好ましくない。
また、上記アニール処理工程は、長さが50〜150mmであり700℃以上1300℃以下の温度範囲で加熱できる加熱ゾーンを有する加熱炉にタングステンワイヤを10m/min以上55m/min以下の線速度で通過させることによりタングステンワイヤにアニール処理を実施することが好ましい。この線速度が10m/min未満であると、熱処理効率が低く製造コストの増大を引き起こすため好ましくない。一方、線速度が55m/minを超えるとタングステンワイヤが十分加熱されず、必要な残留応力の除去が困難になるため好ましくない。
また、上記アニール処理工程はワイヤ線径が0.3mm以下になったタングステンワイヤに対して実施することが好ましい。ワイヤ線径が0.3mmより太いタングステンワイヤにおいては、線引き加工におけるワイヤ温度が比較的高くなり、表面残留応力が小さいために上記アニール処理工程は必ずしも必要としない。
また、本発明において使用される潤滑剤の比重の製造工程中の変化量は0.05g/cm以下であることが好ましい。潤滑剤は線引き加工中のワイヤに対する加工応力および残留応力の低減を目的として、円滑に線引きできるようにワイヤ表面に塗布して使用するものである。本発明方法で使用する潤滑剤は炭素系であり、黒鉛粉末を水に溶解し、さらに増粘剤を添加して調製したものであり、その比重は処理されるタングステンワイヤの線径によって変化するが、通常は1.0〜1.1g/cmであることが好ましく、より好ましくは1.010〜1.080g/cmの範囲である。潤滑剤の比重が伸線工程中において変化することは、含有する黒鉛粉末の含有量が変化することを意味する。
潤滑剤は通常その容器から一定量を塗布すべくワイヤ表面に供給されるものであるが、その比重が不安定であると、ワイヤ表面に供給される炭素量が不安定となるため、ワイヤの加工性を低下させる原因となり、クラックやワイヤ径のばらつきを発生させる。炭素量が多いとワイヤの温度が低下するため加工性が低下する原因となる。一方、少ない場合も潤滑性が低下するため加工性を低下させてしまう。
以上説明のように、本発明に係るタングステンワイヤの製造方法によれば、仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を所定の範囲に規定しているために、タングステンワイヤの表面残留応力を効果的に低減することが可能となり、後工程におけるクラックの発生やワイヤ径のばらつきが低減され、タングステンワイヤおよび加工された製品、組み込んだ製品の製造歩留りや、製品品質を大幅に向上させることが可能になる。このようなタングステンワイヤは高い耐高温度特性、耐衝撃特性を実現し、各種フィラメント部材に好適である。
[実施例1〜5および比較例1〜2]
タングステン粉末を金型で成形し、得られた成形体を温度1400℃で仮焼結した後に、水素気流中において最高3000℃で通電焼結してタングステン焼結体を作成した。
次に、得られたタングステン焼結体について、転打加工および再結晶化処理を実施し、線径1.0mmのタングステンワイヤを用意した。このタングステンワイヤを用いてワイヤ温度:900℃、伸線ダイス温度:500℃、伸線速度:50m/minの条件で伸線加工を行い、最終の伸線仕上げ加工を、表1に示す減面率で実施した。
その後、伸線仕上げ加工を実施したタングステンワイヤを、温度1000℃に加熱できる長さ100mmの過熱ゾーンを線速度30m/minで通過せしめてアニール処理を実施し、表1に示す最終目的とする線径を有する実施例および比較例に係るタングステンワイヤをそれぞれ調製した。また、上記伸線工程においては、比重が1.05g/cmである潤滑剤を使用した。
製造工程中、潤滑剤の比重の変化を随時測定し、製造工程前後における潤滑剤の比重の変化量を計算した。また、得られた各実施例および比較例に係るタングステンワイヤについて、クラックの発生点数と線径変動および残留応力を下記の方法にて評価を行った。
クラック発生点数の評価方法:ワイヤを一定速度(120m/min)で巻取りながら貫通型の渦流探傷器を用い線径毎に設定した測定条件により検出された信号数をクラック点数としてカウントした。クラック点数が100以上のものを不合格とした。
線径変動の評価方法:ワイヤを一定速度(120m/min)で巻き取りながらレーザー線径測定器を用い測定値の最大値と最小値の差より線径変動幅を算出した。線径変動幅が3%以上のものを不合格とした。
残留応力の評価方法:ワイヤを一定速度(5m/min)で巻取りながら、10%濃度の苛性ソーダ溶液中で重量減少量が3〜5%となるように電解研磨処理した後でのクラック発生の有無により評価した。
測定評価結果を下記表1に示す。
[表1]
Figure 0005578852
上記表1に示す結果から明らかなように、仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を所定の範囲(5〜15%)に規定して製造した各実施例に係るタングステンワイヤによれば、いずれもクラックの発生が皆無であり、また線径変動率も小さく線径のばらつきが少ない高品質のワイヤが効率的に得られることが判明した。
一方、減面率を過大に設定した比較例2においては、クラックの発生率および線径変動率が大きく、製品品質は低いことが判明した。また、減面率が3%と過小な比較例1のワイヤによれば、クラックの発生および線径変動率は実施例並みに低いが、最終ワイヤ径に至るまでの伸線工程が多くなり、製造コストが大幅に高騰することが再確認された。
[実施例6〜25]
線径1.0mmのタングステンワイヤ(タングステン材料)に対して、実施例2と同様の減面率(10%)で伸線加工をすると共に、ワイヤ温度、伸線ダイス温度、処理速度等を表2に示す値に設定して伸線加工およびアニール処理を実施することにより、最終線径が0.10mmである実施例6〜25に係るタングステンワイヤをそれぞれ製造した。得られた各タングステンワイヤについて、クラックの発生点数と線径変動および残留応力を測定して下記表2に示す結果を得た。(前記実施例2の結果も合わせて示す。)
Figure 0005578852
上記表1および表2に示す結果から明らかな通り、本実施例に係る製造方法に従って調製された各実施例に係るタングステンワイヤにおいては、表面残留応力が低減され、クラックの発生が効果的に低減されることが判明した。また、ワイヤ径のばらつきも低減され、タングステンワイヤの品質が大幅に向上することが確認された。なお、比較例1の場合は、ワイヤの品質は合格であったものの、伸線加工の回数を増加させてしまい、製造コスト上、好ましくない結果であった。
本発明に係るタングステンワイヤの製造方法よれば、仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を所定の範囲に規定しているために、タングステンワイヤのクラックによる断線やワイヤ径のばらつきを大幅に低減でき、タングステンワイヤの製造歩留りを大幅に向上させ、しかも製品品質を大幅に向上させることができる。

Claims (6)

  1. タングステン材料を伸線ダイスに挿通する伸線加工を複数回実施して最終的にワイヤ径0.05mm以上1.10mm以下のタングステンワイヤを製造する方法において、黒鉛粉末と増粘剤とを含有し比重が1.0〜1.1g/cmである潤滑剤をタングステン材料の表面に塗布して伸線加工を実施すると共に、上記タングステンワイヤの仕上げ加工となる最終の伸線加工時におけるタングステン材料の減面率を5%以上15%以下とし、全ての伸線工程から成る製造工程中における上記潤滑剤の比重の変化量を0.05g/cm以下とすると共に伸線加工後のタングステンワイヤに700℃以上1300℃以下の温度範囲でアニール処理を実施することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
  2. 請求項1に記載のタングステンワイヤの製造方法において、ワイヤ温度を500℃以上1300℃以下にした状態で伸線加工を実施することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のタングステンワイヤの製造方法において、伸線ダイスを300℃以上650℃以下に加熱した状態で伸線加工を実施することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタングステンワイヤの製造方法において、伸線速度を10m/min以上70m/min以下の範囲に調整することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
  5. 請求項1に記載のタングステンワイヤの製造方法において、長さが50〜150mmであり、700℃以上1300℃以下の温度範囲で加熱できる加熱ゾーンを有する加熱炉にタングステンワイヤを10m/min以上55m/min以下の線速度で通過させることによりタングステンワイヤにアニール処理を実施することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
  6. 請求項1に記載のタングステンワイヤの製造方法において、前記アニール処理はワイヤ線径が0.3mm以下のタングステンワイヤに対して実施することを特徴とするタングステンワイヤの製造方法。
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