JP5578715B2 - 真空圧密システム及び真空圧密方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

本発明は、吸引力の損失を抑制可能な真空圧密システム及び真空圧密方法に関する。
真空ポンプを用いて圧密地盤改良を行う従来の技術では、例えば、軟弱地盤内に鉛直ドレーンを打設後、真空ポンプによる負圧作用装置を用いて負圧を作用させて地盤内を減圧することによって地盤の圧密を促進する方法が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2000-328550号公報 特開2001-226951号公報 特開2002-138456号公報
しかし、真空ポンプによる吸引・排水を行う場合、設置される排水経路の最上部の位置が吸引・排水したい水の水位より高い場合、その高低差分を揚水しなければならないため吸引エネルギーの損失が生じてしまう問題がある。この問題について図7を参照して説明する。
図7のように、地盤改良対象の軟弱地盤Gに複数本の鉛直ドレーンDを打設し、鉛直ドレーンDを不透気部Fを介して集水管Uに接続し、集水管Uの頭部をつなぐヘッダパイプLに接続する。ヘッダパイプLに接続管Iを接続し、接続管Iを延ばして負圧作用室Pに接続する。負圧作用室Pの内部を真空ポンプにより減圧し負圧にすることで、鉛直ドレーンDから地盤G内の間隙水を吸引し排水し、軟弱地盤Gに対し真空圧密による地盤改良を行う。このとき、ヘッダパイプLと負圧作用室Pとの間に土手や堤防等の障害物Tがある場合、接続管Iは障害物Tを乗り越えるため、接続管Iの最上部と軟弱地盤Gの水位Hとの間にかなりの高低差ができてしまう。このため、負圧作用室Pは、その高低差分を揚水しなければならないため吸引エネルギーの損失が生じてしまう。
さらに、ヘッダパイプLを配置する地盤の地表面に傾斜や不陸がある場合にエネルギー損失による吸引力の損失やドレーンに対する吸引力の不均一が生じることがある。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、排水経路と吸引・排水したい水の水位との間に高低差のある場合や地盤の地表面に傾斜や不陸がある場合においても吸引エネルギーの損失を抑制可能な真空圧密システム及び真空圧密方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための真空圧密システムは、地盤中に打設された複数本のドレーンを通過する水を集める集水管と、前記集水管が接続するヘッダパイプと、前記ヘッダパイプと排水経路を介して接続され真空ポンプを有する負圧作用室と、前記ヘッダパイプと接続され排水ポンプを収容する気密容器と、を備え、前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保ち、前記排水経路に高低差のある条件の下で前記真空ポンプを駆動するとともに前記気密容器内の排水ポンプを駆動することで前記気密容器内に負圧を付加して真空圧密による地盤改良を行うことを特徴とする。
この真空圧密システムによれば、ヘッダパイプと接続された気密容器内の排水ポンプを駆動することで排水経路と吸引・排水したい水の水位との間に高低差のある場合においても吸引エネルギーの損失を抑制することができるとともに、ヘッダパイプを水平に保つことで、エネルギー損失による吸引力の損失を防ぐことができ、また、ドレーンに働く吸引力を均一に保つことができる。
上記真空圧密システムにおいて前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保つ
この場合、前記気密容器からの排水を前記地盤またはその近傍に導くことで前記地盤またはその近傍を冠水させることが好ましい。
また、前記ヘッダパイプは比重が1.0以下の材料から構成した軽量型パイプから構成されることが好ましい。ヘッダパイプが軽量となるので、ヘッダパイプを水に浮かせる場合に有利である。
なお、前記ヘッダパイプを水に浮かせる場合、ヘッダパイプのための浮体手段を配置するようにしてもよい。これにより、比重の軽い軽量管を用いる代わりにブイ等の浮力が働く浮体手段によりヘッダパイプを浮かせることができる。
上記目的を達成するための真空圧密方法は、地盤中に打設された複数本のドレーンを通過する水を集める集水管と、前記集水管が接続するヘッダパイプと、前記ヘッダパイプと排水経路を介して接続され真空ポンプを有する負圧作用室と、前記ヘッダパイプと接続され排水ポンプを収容する気密容器と、を配置し、前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保ち、前記排水経路内に高低差のある条件の下で前記真空ポンプを駆動するとともに前記気密容器内の排水ポンプを駆動することで前記気密容器内に負圧を付加して真空圧密による地盤改良を行うことを特徴とする。
この真空圧密方法によれば、ヘッダパイプと接続された気密容器内の排水ポンプを駆動することで排水経路と吸引・排水したい水の水位との間に高低差のある場合においても吸引エネルギーの損失を抑制することができるとともに、ヘッダパイプを水平に保つことで、エネルギー損失による吸引力の損失を防ぐことができ、また、ドレーンに働く吸引力を均一に保つことができる。
上記真空圧密方法において前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保つ
なお、真空圧密システムは、地盤中に打設された複数本のドレーンを通過する水を集める集水管と、前記集水管が接続するヘッダパイプと、前記ヘッダパイプと排水経路を介して接続され真空ポンプを有する負圧作用室と、を備え、前記ヘッダパイプを水平に保ち、前記真空ポンプを駆動して前記負圧作用室を負圧にすることで真空圧密による地盤改良を行うように構成してもよい。この真空圧密システムによれば、ヘッダパイプを水平に保つことで、エネルギー損失による吸引力の損失を防ぐことができ、また、ドレーンに働く吸引力を均一に保つことができる。
本発明の真空圧密システム及び真空圧密方法によれば、排水経路と吸引・排水したい水の水位との間に高低差のある場合においても吸引エネルギーの損失を抑制することができるとともに、ヘッダパイプを水平に保つことでエネルギー損失による吸引力の損失を防ぐことができ、また、各ドレーンに働く吸引力を均一に保つことができる。
本実施形態による真空圧密システムを概略的に示す図である。 図1の真空圧密システムの概略的な側面図である。 真空圧密システムにおいてヘッダパイプが傾斜や不陸のある地表面に設置されたとき発生する問題を説明するための概略図である。 図3の問題に対する本実施形態による解決手段を説明するための図である。 実施例として本発明の効果検証するために作製した実験装置を示す概略図である。 図5の実験装置による実験結果を示すグラフである。 従来の真空圧密システムの概略図である。 図1,図2のヘッダパイプを水平に保つための別の手段・方法を説明するための真空圧密システムの概略的な側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による真空圧密システムを概略的に示す図である。図2は図1の真空圧密システムの概略的な側面図である。なお、図2では図1の気密容器18等の図示を省略している。
図1,図2のように、本実施形態の真空圧密システム10は、地盤改良のために鉛直ドレーン11を多数本打設した地盤と、真空圧密のために設置した負圧作用室16との間に土手や堤防などの高さのある障害物Tがある場合に適用して好ましいものである。
すなわち、真空圧密システム10は、軟弱地盤に打設された複数本の鉛直ドレーン11を通過する水を集める集水管12と、集水管12を頭部12aでつなぐようにして接続するヘッダパイプ13と、ヘッダパイプ13と接続管14,15を介して接続され真空ポンプ16aを備える負圧作用室16と、ヘッダパイプ13と接続管17を介して接続され揚水ポンプ19を収容する気密容器18と、を備える。各鉛直ドレーン11は不透気部11aを介して集水管12に連結される。
ヘッダパイプ13は、複数本の集水管12が接続し、円筒管からなるが、比重が1.0未満の樹脂等の軽量材料から構成することが好ましい。これにより、図2のように改良対象の地盤を冠水させて形成された冠水部20(水位H1)に容易に浮上することができる。
なお、ヘッダパイプ13の周囲にブイ等の浮上手段を配置してもよく、これにより、ヘッダパイプ13を軽量材料から構成しない場合でも確実に浮上させることができる。
また、ヘッダパイプ13に接続する集水管12と接続管14とは、公知の可撓性継手を介して接続するようにしてもよく、また、集水管12と接続管14とを可撓性の管から構成してもよい。
図1,図2の真空圧密システム10についてさらに説明する。真空ポンプ16aにより減圧し負圧を発生させる負圧作用室16内に揚水ポンプ16bと排水管16cとからなる排水設備を配置するとともに負圧作用室16内部を密閉する。
負圧作用室16に排水を導くための接続管15とヘッダパイプ13とを接続管14により連結する。接続管14は、接続管15とともに排水経路を構成するが、土手や堤防等の高さのある障害物Tに沿って配置されるため接続管14(排水経路)の最上部と軟弱地盤Gの水位Hとの間に高低差が生じる。
軟弱地盤G内に打設されて間隙水を吸引するための鉛直ドレーン11を集水管12に接続するとともに、揚水ポンプ19を備えた気密容器18に接続されたヘッダパイプ13と複数の集水管12とを高低差のある排水経路内の低い位置で連結する。
揚水ポンプ19は水浸状態においてのみ作動する性質をもつため、揚水ポンプ19を備えた気密容器18の設置位置はヘッダパイプ13と同等もしくは下方位置とする。揚水ポンプ19から水が排出管19aを通して外部に排出される。気密容器18は内部に収容した揚水ポンプ19とともに負圧損失解消装置を構成する。なお、気密容器18の形状としては、立方体、直方体、円筒等いずれの形状でもよく、容積についても揚水ポンプ19を収容できる容積があればよい。
真空ポンプ16aの作動により負圧作用室16内の圧力を減じ負圧とし、排水管16c内に軟弱地盤Gからの水の通過を確認した後に気密容器18内の揚水ポンプ19を作動させるようにする。
気密容器18内の揚水ポンプ19からの排水を地盤改良域に導くため排水管19aに別途排水管(図示省略)を接続して(または排水管19aを延長して)改良域の地表面に形成された冠水部20に戻すとともに、必要に応じて、別途水の供給を行いながら地盤を冠水させる。
図1,図2の真空圧密システム10は、負圧作用室16内で真空ポンプ16aにより負圧(吸引力)を発生させることで、軟弱地盤Gから鉛直ドレーン11を通過する間隙水を図1の矢印方向jに集水管12,ヘッダパイプ13,接続管14,15等を通して吸引し排出することで軟弱地盤Gに対し真空圧密による地盤改良を行う。
このとき、負圧作用室16が接続管14の排水経路における高低差分を揚水しなければならないため負圧作用室16による吸引力が一部損なわれるのであるが、図1の気密容器18内の揚水ポンプ19を駆動させて、ヘッダパイプ13から矢印方向kに気密容器18内へ別途排水させ、その水を排水管19aから外部に排出することで、気密容器18内に揚水ポンプ19の駆動に起因する負圧が付加され、この負圧は接続管17を通してヘッダパイプ13に付加される。
上述のようにして、負圧作用室16内の真空ポンプ16aによる吸引力について高低差のある排水経路内で揚水に係るエネルギー損失が生じるとしても気密容器18内の揚水ポンプ19の駆動によりヘッダパイプ13において負圧が補われ全体として吸引力の損失を抑制することができる。このように、気密容器18と揚水ポンプ19とによる負圧損失解消装置により、図1,図2のように排水経路に高低差があってもその吸引力の損失を解消することができる。
以上のように、本実施形態の真空圧密システム10によれば、排水経路において高低差があるためエネルギー損失が生じても気密容器18内の揚水ポンプ19の駆動により、負圧作用室16の吸引力の損失を抑制し解消できるので、効率的な吸引・排水を実施することができる。
したがって、軟弱地盤の間隙水の排水による真空圧密改良を実施する際に、排水経路に高低差がある場合でも高い吸引力を発揮させることができるため軟弱地盤が所定の強度に達するまでに要する地盤改良期間を短縮することができる。
次に、軟弱地盤の真空圧密改良において地盤沈下により地表面に傾斜や不陸が生じる場合がある。かかる場合に生じる問題及びその解決手段について図3,図4を参照して説明する。
図3はヘッダパイプ13が傾斜や不陸のある地表面に設置されたとき発生する問題を説明するための概略図である。図4は図3の問題に対する本実施形態による解決手段を説明するための図である。
高い負圧を働かせる条件では排水中の溶存空気が気化するため、複数の集水管12と連結するヘッダパイプ13を単純に地盤の地表面に設置すると、地表面に傾斜等がある条件、すなわち、図3のように矢印方向Yに低くなるように傾斜していると、ヘッダパイプ13において、地盤高の高い箇所Mに気化した溶存空気が集まる一方、鉛直ドレーン11からの水が各集水管12を矢印方向aに流れ、それらの排水が矢印方向bに流れ地盤高の低い箇所Nに集中する。
ここで、図3のようにヘッダパイプ13から接続管14a、14bを通して負圧作用室16(図1,図2)に向かう排水流量Qは次の数式(1)で与えられる。
Figure 0005578715
ここに、vは各接続管の管内流速で、Aはその通過断面積である。iは水が流れる接続管の番号、Nは水が流れている接続管の総数である。
また、管内を流れる水の摩擦によるエネルギー損失水頭hLは次の式(2)のダルシー・ワイスバッハの式で与えられる。
Figure 0005578715
ここに、Lは管長、Dは管径、fは摩擦係数、gは重力加速度である。
図1の気密容器18と接続するヘッダパイプ13の水平性が保たれていない条件では、上述のようにヘッダパイプ13の上部に空気が集まり下部には水が集まるため、式(1)において水が流れる接続管の総数が減少する。図3では接続管14aで空気が矢印方向cに流れる一方、接続管14bに水が集中し矢印方向dに流れる。このため、排水流量を確保するためには管内流速が増加しなければならないが、管内流速が増加すると式(2)によりエネルギー損失が流速の2乗で増加するためエネルギー損失が非常に大きくなり吸引力の損失につながってしまう。
また、ヘッダパイプ13の水平性が保たれていない条件では、地盤高の低い箇所Mに水が集まることにより上部と下部で水頭差が生じる。この水頭差のためヘッダパイプ13の下部で接続する鉛直ドレーン11に働く吸引力が低下し、ヘッダパイプ13の上部で連結する吸引力に違いが生じる。このような吸引力の不均一性は地盤改良の品質の確保上大きな問題になる。
これに対し、図1,図2,図4のように地盤に水を張って形成した水位H1の冠水部20にヘッダパイプ13を浮かせた状態とすることで、ヘッダパイプ13を水平に保つことができる。これにより、図4のように、鉛直ドレーン11から各集水管12を矢印方向aに流れる水がヘッダパイプ13に入り、各接続管14a、14bで一様に流れ、1つの接続管に集中することはないので、上述のようなエネルギー損失による吸引力の損失を防ぐことができる。
また、ヘッダパイプ13の水平性が保たれていないときに上部と下部で水頭差が生じたが、ヘッダパイプ13の水平性が保たれて、ヘッダパイプ13で水頭差が生じることはないので、各鉛直ドレーン11に働く吸引力を均一に保つことができる。このため、地盤改良の品質を確実に確保することができる。
なお、図1のように、ヘッダパイプ13から単数の接続管14が延びる場合にも、ヘッダパイプ13の水平性が保たれていないと、条件によっては接続管14を空気のみが通ることやヘッダパイプ13において上述の水頭差が生じてしまうことが考えられ、上述と同様の各問題が生じてしまうが、ヘッダパイプ13を冠水部20に浮かせることで、かかる問題を解決できる。
また、真空ポンプを用いて軟弱地盤の真空圧密改良を行う場合、地表面の水分は、圧密改良や天日の影響により脱水・蒸発し、亀裂が生じやすく、地表面で亀裂が発生すると気密漏れが生じるため負圧の確保が困難になるという問題が生じるが、本実施形態のように、地盤上に水を張り冠水部20とすることにより地表面の湿潤状態を常に保ち気密性を維持する効果を併せて得ることができる。なお、ヘッダパイプを水に浮上させるか否かに関わらず、気密容器18からの排水により改良域の地表面を冠水させることが好ましい。
次に、本実施形態においてヘッダパイプを水平に保つための別の手段・方法について図8を参照して説明する。図8は図1,図2のヘッダパイプを水平に保つための別の手段・方法を説明するための真空圧密システムの概略的な側面図である。
図8の例は、土手や堤防等の障害物Tを利用してヘッダパイプを吊り下げることで水平に保つようにしたものである。すなわち、図8のように、土手や堤防等の障害物Tの上側にワイヤーの固定部21を設け、固定部21から延びたワイヤー22によりヘッダパイプ13を吊り下げる。これによりヘッダパイプ13を水平に保ちながら設置できる。この場合、ヘッダパイプ13の長さ方向に所定間隔で複数本のワイヤー22を配置してヘッダパイプ13を水平に吊り下げることが好ましい。
なお、ヘッダパイプを水平に保つためのさらに別の手段・方法として、地表面Sに架台やブロック等を設置し、架台やブロック等の上にヘッダパイプ13を載せて水平に保つようにしてもよい。さらに、地盤またはその近傍に不陸や傾斜のない平坦な地盤を形成し、その平坦な地盤にヘッダパイプ13を水平に設置するようにしてもよい。
実験例
実験例として揚水ポンプを収容した気密容器が発揮する負圧補助機能の効果を検証するために図5に示すような実験装置を作製し実験を行った。
実験概要
以下の手順で実験を行った。
ステップ1:真空ポンプによって減圧を行う負圧作用室に向かう排水経路において長さ2mの鉛直管を用いて高低差のある排水経路とる。長さ2mの鉛直管の下端に揚水ポンプを収容した気密容器を接続する。
ステップ2:鉛直管上端から気密容器内まで水を満たして実験の初期条件とする。
ステップ3:気密容器内の揚水ポンプは止めたままで真空ポンプを起動させるとともに、負圧作用室内の負圧を−50kN/m2程度で一定に保つ。また、負圧作用室内のSt.1と鉛直管下端のSt.2との各高さ位置で負圧の計測を行う。
ステップ4:一定時間経過後に気密容器内の揚水ポンプを起動させる。揚水ポンプによる排水に伴って高低差のある鉛直管内の水位が初期の2.0mの高さから1.0mの高さまで低下した時点で実験を終了する。
実験結果
負圧の計測結果を図6に示す。150秒が経過するまでは揚水ポンプを止めたままで真空ポンプを駆動させた状態とした。図6から、負圧作用室内の負圧と比べて、鉛直管の下端部では初期状態において2mの水位差があるため、鉛直管の下端部において作用する負圧が20kN/m2程度小さいことがわかる。すなわち、鉛直管の下端部で負圧の損失が生じている。
一方、150秒経過後に揚水ポンプを起動させると、揚水ポンプによって負圧が新たに生み出されることにより、負圧作用室内および鉛直管の下端でともに負圧が増加していくことがわかる。特に、実験終了時において、鉛直管内の水位が1m程度の位置にあるにも関わらず、揚水ポンプ起動前の負圧作用室で発生させていた負圧よりも大きい負圧を鉛直管の下端で発生させることができており、気密容器内の揚水ポンプによる負圧の付加効果が高いことを検証することができた。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1では、ヘッダパイプ13と負圧作用装置とを単数の接続管14で接続したが、本発明はこれに限定されず、図4のように二本の接続管14a,14bで接続するようにしてもよく、また、二本以上で接続してもよい。
本発明の真空圧密システム及び方法によれば、軟弱地盤の真空圧密による地盤改良を行うとき、排水経路に高低差がある場合でも高い吸引力を発揮させることができるため軟弱地盤が所定の強度に達するまでに要する地盤改良期間を短縮できる。
10 真空圧密システム
11 鉛直ドレーン
12 集水管
13 ヘッダパイプ
14,15 接続管
14a,14b 接続管
16 負圧作用室
16a 真空ポンプ
16b 揚水ポンプ
17 接続管
18 気密容器
19 揚水ポンプ
20 冠水部
H1 冠水部20の水位
T 障害物

Claims (4)

  1. 地盤中に打設された複数本のドレーンを通過する水を集める集水管と、
    前記集水管が接続するヘッダパイプと、
    前記ヘッダパイプと排水経路を介して接続され真空ポンプを有する負圧作用室と、
    前記ヘッダパイプと接続され排水ポンプを収容する気密容器と、を備え、
    前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保ち、
    前記排水経路に高低差のある条件の下で前記真空ポンプを駆動するとともに前記気密容器内の排水ポンプを駆動することで前記気密容器内に負圧を付加して真空圧密による地盤改良を行うことを特徴とする真空圧密システム。
  2. 前記気密容器からの排水を前記地盤またはその近傍に導くことで前記地盤またはその近傍を冠水させる請求項に記載の真空圧密システム。
  3. 前記ヘッダパイプは比重が1.0以下の材料から構成した軽量型パイプから構成される請求項1または2に記載の真空圧密システム。
  4. 地盤中に打設された複数本のドレーンを通過する水を集める集水管と、
    前記集水管が接続するヘッダパイプと、
    前記ヘッダパイプと排水経路を介して接続され真空ポンプを有する負圧作用室と、
    前記ヘッダパイプと接続され排水ポンプを収容する気密容器と、を配置し、
    前記地盤またはその近傍を冠水させて前記ヘッダパイプを水に浮かせた状態とすることで前記ヘッダパイプを水平に保ち、
    前記排水経路内に高低差のある条件の下で前記真空ポンプを駆動するとともに前記気密容器内の排水ポンプを駆動することで前記気密容器内に負圧を付加して真空圧密による地盤改良を行うことを特徴とする真空圧密方法。
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