JP5578661B2 - 半導体遮断器及び直流給電システム - Google Patents

半導体遮断器及び直流給電システム Download PDF

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Description

本発明は、電源装置から負荷装置へ過電流が流れた場合にこれを遮断することが可能な半導体遮断器、及びこの半導体遮断器を備えた直流給電システムに関する。
近年、データセンタや通信局舎などにおいては、ルータやサーバ等の各種負荷装置へ直流電力を供給する直流給電システムの構築が進められている。直流給電システムは、電源装置からの直流電力(直流電流)を電力供給線を介して負荷装置へ供給するものであり、1つの電源装置から複数の負荷装置へ給電する場合には、電源装置からの直流電力を電流分配装置で分配して複数の負荷装置へ供給するように構成される。
このような直流給電システムでは、負荷装置への給電を高信頼・高品質で行えるようにすることが要求されている。そのため、電源装置と負荷装置の間には、負荷装置側で短絡等の事故が発生した場合に生じる過大な短絡電流からシステムを保護するために、保護装置が設けられる。上述した電流分配装置を備えたシステムにおいては、その電流分配装置内において分配先毎に保護装置が設けられるのが一般的である。
保護装置としては、従来よりヒューズの使用が一般的であるが、ヒューズの場合、過電流によって溶断する度に交換する必要があったり、高電圧の直流給電システムになるとそれに応じた定格のものを用いる必要があるなど、手間やコストの点で難点がある。そのため、ヒューズに代わる保護装置として、電力供給線上に半導体スイッチング素子を挿入し、この半導体スイッチング素子によって電力供給線を導通・遮断可能に構成された半導体遮断器が種々提案されている。
半導体遮断器は、通常動作時は半導体スイッチング素子を常時オンして電源装置から負荷装置へ電力を供給させるが、半導体スイッチング素子を流れる電流がある閾値以上となった場合、即ち過電流状態になった場合には、これを検出して半導体スイッチング素子をオフすることで、過電流を遮断する。
ところで、過電流の発生は、短絡事故が生じた場合に限らず、例えば瞬間的に流れる突入電流やノイズによって発生したり、負荷装置側の容量成分(コンデンサ)が充電される際に発生するなど、システムは正常であっても発生する場合がある。なお、負荷装置側のコンデンサとは、例えば、負荷装置の入力段に設けられた入力フィルタ(LCフィルタ)を構成するコンデンサや、電源の瞬断時に負荷装置への電力供給を補償するための蓄電手段としてのコンデンサなど、半導体遮断器から負荷装置側の回路に存在しているあらゆるコンデンサ(容量成分)が含まれる。
このような、突入電流やコンデンサ充電電流などによる過電流は、短絡等による事故電流とは違って、システムの異常によって発生するものではないため、そのような過電流が検出された場合には必ずしも継続的に遮断させる必要はない。
そこで従来、過電流が発生した場合に、それが短絡等による事故電流なのかそれともコンデンサ充電電流のような一時的なものなのかを見極めて、事故電流であった場合には半導体スイッチング素子を完全にオフさせる技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1,2に記載された技術は、半導体スイッチング素子を流れる電流が閾値以上か否か判断し、閾値以上となった場合には半導体スイッチング素子のオン・オフ(以下「リトライ動作」という)を繰り返すことで、短絡電流を限流するものである。リトライ動作を行う毎、即ち、一旦オフさせて再びオンさせる毎に、そのオン時に半導体スイッチング素子を通過する電流をみて、閾値を下回っているか否か判断する。そして、閾値を下回るまでリトライ動作を繰り返し、閾値を下回ったならばリトライ動作を停止して半導体スイッチング素子を常時オン状態に復帰させる。
一方、所定時間リトライ動作を繰り返しても閾値を下回らなかった場合は、短絡等による事故電流であると判定して、半導体スイッチング素子を完全にオフする。
特開2007−236061号公報 特許第3400302号公報
しかし、コンデンサ充電電流による過電流は、負荷側のコンデンサの容量が大きくなると充電に要する時間も長くなるため、その過電流状態が長時間継続してしまう。すると、過電流発生によりリトライ動作が開始された後、所定時間経過しても、充電が完了せずにまだ過電流状態のままとなり、これによって短絡等による事故電流と誤判定され、半導体スイッチング素子が完全にオフされて負荷装置への電力供給が停止してしまう。
コンデンサの容量が大きくても上記のような誤判定を防ぎつつ確実に充電させるためには、例えば、リトライ動作を許容する所定時間を長く設定するという方法が考えられる。
しかし、そのようにすると、本当に短絡事故が発生して事故電流が流れている場合にも、設定した時間が経過するまではリトライ動作が繰り返されることになり、短絡事故であるとの判定や半導体スイッチング素子を完全にオフさせるタイミングが遅れてしまう。
一方、リトライ動作を許容する所定時間は変えずに、過電流かどうかを判定するための閾値を高い値に設定する方法も考えられる。しかしそのようにすると、短絡等による事故電流以外の過電流が流れているにもかかわらず、即ち短絡電流よりは小さいものの定格よりも大きい電流が流れていて半導体スイッチング素子をリトライ動作させるべき状態にある場合にもかかわらず、閾値以上ではないことによってリトライ動作がなされず常時オンされたままとなってしまう。そのため、過電流かどうかの閾値を高く設定することは、過電流の判定機能そのものが低下するため、現実的ではない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、過電流の判定機能を十分に維持しつつ、過電流が発生した場合にそれが負荷装置側の短絡等による事故電流なのか否かを正確且つ迅速に判定して、事故電流の場合には迅速にその過電流を遮断することが可能な半導体遮断器を提供すること、及びこの半導体遮断器を備えた直流給電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電源装置から電力供給線を介して負荷装置へ直流電力を供給する直流給電システムにおいて、電源装置と負荷装置の間を導通・遮断するために電力供給線に設けられた半導体遮断器であって、電力供給線上に挿入され、該電力供給線を導通・遮断するための、半導体スイッチング素子からなる半導体スイッチ手段と、電源装置から負荷装置へ半導体スイッチ手段を介して流れる電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段により検出された電流が予め設定された第1の閾値以上である第1過電流であるか否かを判断する第1過電流判断手段と、この第1過電流判断手段により第1過電流と判断された場合に、所定のタイミングで半導体スイッチ手段のオン・オフを繰り返すリトライ動作を行うリトライ制御手段と、電流検出手段により検出された電流が、第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上である第2過電流であるか否かを判断する第2過電流判断手段と、この第2過電流判断手段により第2過電流であると判断される状態が予め設定した事故判定所要期間以上継続したか否かを判定する事故判定手段と、この事故判定手段により第2過電流の状態が事故判定所要期間以上継続したと判定された場合に半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる第1遮断手段と、を備え
る。負荷装置は、電源装置から電力供給線を介して供給される直流電力により充電されるコンデンサを有する。事故判定所要期間は、電源装置から電力供給線を介して負荷装置へ供給される直流電力によってコンデンサが充電されることに起因して第2過電流が発生した場合にその第2過電流の発生時からコンデンサの充電が進むことによって第2過電流ではなくなるまでに要する時間に基づき、その時間よりも長い時間となるように設定されている。
このように構成された請求項1に記載の半導体遮断器では、電源装置から負荷装置への給電が行われる通常時は、半導体スイッチ手段がオンされることによりこの半導体スイッチ手段を介して電力供給線上を電流が流れる。そして、その電流が第1の閾値以上の電流(第1過電流)となった場合にはリトライ動作が行われる。
このような動作を基本としつつ、本発明では更に、第1の閾値よりも大きい第2の閾値が設定され、半導体スイッチ手段を流れる電流が第2の閾値以上の電流(第2過電流)となった場合であってその第2過電流の状態が事故判定所要期間以上継続したならば、半導体スイッチ手段が継続的にオフされる。
そのため、例えば負荷装置が有するコンデンサ(容量成分)に対する充電電流によって、第2の閾値以上の大きな電流が一時的に流れたとしても、充電電流であれば事故判定所要期間が経過するまでには第2の閾値を下回るため、これをもって、第1遮断手段により半導体スイッチ手段が継続的にオフされてしまうのを回避できる。
一方、例えば負荷装置側の短絡事故によって第2の閾値以上となるような事故電流が流れた場合は、事故判定所要期間が経過するまではリトライ動作が続くものの、事故判定所要期間が経過したら半導体スイッチ手段が継続的にオフされる。
従って、請求項1に記載の半導体遮断器によれば、リトライ動作を行うべきレベルの過電流(第1過電流)に対する判定機能を十分に維持しつつ、過電流が発生した場合にそれが負荷装置側の短絡等による事故電流なのか否かを正確且つ迅速に判定することができる。そのため、事故電流の場合には半導体スイッチ手段をオフすることによってその事故電流を迅速に遮断することができる。また、例えば負荷装置側のコンデンサへ一時的に過大な充電電流が流れた場合には、それが事故電流と誤判定されるのを回避でき、コンデンサへの充電を確実に行うことができる。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体遮断器であって、事故判定所要期間は、予め設定された事故判定時間が経過するまでの期間、又はリトライ制御手段によるリトライ動作が予め設定された事故判定回数行われる期間である。
このように構成された請求項2に記載の半導体遮断器によれば、事故判定所要期間の設定の自由度が広がり、汎用性の高い半導体遮断器の提供が可能となる。
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体遮断器であって、過負荷判定手段と第2遮断手段とを備えている。過負荷判定手段は、第1過電流判断手段により第1過電流と判断された後、該第1過電流の状態が、予め設定された、上記事故判定所要期間よりも長い過負荷判定所要期間以上継続したか否かを判定する。第2遮断手段は、事故判定手段により第2過電流の状態が事故判定所要期間以上継続したと判定されることなく、過負荷判定手段によって第1過電流の状態が過負荷判定所要期間以上継続したと判定された場合に、半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる。
このように構成された請求項3に記載の半導体遮断器は、第2過電流(第2の閾値以上)の状態が事故判定所要期間以上継続した場合に半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる機能を有していると共に、これに加えて更に、第2過電流までには至っていないものの第1過電流(第1の閾値以上)の状態が過負荷判定所要期間以上継続したならば半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる機能をも有している。
つまり、第2過電流状態が事故判定所要期間以上継続するような場合はより迅速に半導体スイッチ手段を継続的にオフさせることができると共に、第2過電流ではないものの第1過電流となっている場合には、一定期間(過負荷判定所要期間)様子を見た上でそれでもなお第1過電流となっているならば半導体スイッチ手段を継続的にオフさせるのである。
そのため、過電流が発生した場合に半導体スイッチ手段を継続的にオフさせるべきか否かの判断を、その過電流の程度に応じたより適切なタイミングで行うことができる。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の半導体遮断器であって、過負荷判定所要期間は、予め設定された過負荷判定時間が経過するまでの期間、又はリトライ制御手段によるリトライ動作が予め設定された過負荷判定回数行われる期間である。
このように構成された請求項4に記載の半導体遮断器によれば、過負荷判定所要期間の設定の自由度が広がり、汎用性の高い半導体遮断器の提供が可能となる。
次に、請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の半導体遮断器であって、リトライ制御手段は、リトライ動作の開始後、過負荷判定手段により第1過電流の状態が過負荷判定所要期間以上継続したと判定されることなく、第1過電流判断手段によって、電流検出手段により検出された電流が第1の閾値を下回ったと判断された場合には、リトライ動作を停止する。
このように構成された請求項5に記載の半導体遮断器によれば、通電電流が少なくとも第1の閾値以上の過電流である間は、リトライ動作によってその過電流を限流させつ負荷装置への電力供給を継続させることができ、その後過負荷判定所要期間が経過する前に第1の閾値を下回った場合は、再び通常の通電状態に戻す(即ち半導体スイッチ手段を継続的にオンさせる)ことができる。そのため、過電流に対する正確且つ確実な保護機能と、過電流状態ではなくなった場合の通常状態への迅速なる復帰機能とを兼ね備えた、より機能性の高い半導体遮断器の提供が可能となる。
次に、請求項6に記載の発明は、電源装置から複数の負荷装置へ直流電力を供給する直流給電システムであって、電源装置からの直流電力を複数の系統に分配して該系統毎にそれぞれ電流供給線を介して一又は複数の負荷装置へ直流電力を供給するよう構成されている。そして、各電流供給線の少なくとも1つに、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の半導体遮断器が設けられている。
上記のように構成された直流給電システムにおいては、電力供給系統が複数の系統に分配されているため、例えばある1つの系統において短絡事故が発生して過大な事故電流が流れると、その影響が、当該系統はもちろん、他の正常な系統にまで及んでしまう。
そこで、このような直流給電システムに対し、本発明(請求項1〜5)の半導体遮断器を設ければ、ある系統で短絡事故が発生して過大な事故電流が流れてもそれを迅速に遮断することができ、これにより他の正常な系統への影響を大幅に抑制することができる。
第1実施形態の直流給電システムの概略構成を表す構成図である。 第1実施形態の半導体遮断器の動作例を表す図であり、(a)は負荷装置側のコンデンサへの充電電流が流れた場合の動作例を表し、(b)は負荷装置側の短絡事故による事故電流が流れた場合の動作例を表す。 第1実施形態の過電流保護制御処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の過電流保護制御処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)直流給電システムの構成
図1に、本発明が適用された実施形態の直流給電システムの概略構成を表す。図1に示すように、本実施形態の直流給電システム1は、電源装置3からの直流電力を電力供給線7,8を介して複数の負荷装置21,22,23・・・へ供給するよう構成されたものである。
電源装置3からの直流電力は、電流分配装置5によって複数の系統に分配され、系統毎にそれぞれ対応する負荷装置へ供給される。図1では、一例として、1つの系統に対して1つの負荷装置が接続された構成が示されている。
電源装置3は、各負荷装置21,22,23・・・へその動作用の直流電力を供給するものである。この電源装置3の具体的構成としては、例えば、商用交流電力を直流電力に変換する整流装置を備えてなるものが考えられるが、負荷装置側へ所定電圧の直流電力を供給できるものである限り、その具体的構成は特に限定されるものではない。
各負荷装置21,22,23・・・は、いずれも電源装置3からの直流電力によって動作するものであるが、本実施形態では、各負荷装置21,22,23・・・のいずれも、その入力段に、入力電力の安定化やノイズ対策等のための、コンデンサ及びコイルからなる入力フィルタ(LCフィルタ)が設けられている。また、各負荷装置21,22,23・・・の何れか1つ又は複数には、電源装置3からの直流電力供給が瞬断した場合に動作用電圧を補償するための蓄電手段(コンデンサ)が設けられている。
つまり、各負荷装置21,22,23・・・はそれぞれ、電源装置3からみるとコンデンサ(容量成分)を有する負荷となっており、それ故に、これら各負荷装置21,22,23・・・へ給電が行われる際には、後述するようにコンデンサへの過大な充電電流が流れることがある。
電流分配装置5は、電源装置3からの直流電力を各負荷装置21,22,23・・・毎に分配して供給するために設けられたものである。本実施形態の直流給電システム1においては、電流分配装置5により分配された各系統それぞれにおいて、定格電流よりも大きい過電流が流れる可能性がある。具体的には、負荷装置側の過負荷により一時的又は継続的に発生する過電流、負荷装置側の短絡等の事故により継続的に発生する過電流、或いは、既述の通り、負荷装置側のコンデンサへ充電電流が流れる際に一時的に発生する過電流などが考えられる。
そこで、電流分配装置5には、分配された各系統毎にそれぞれ、負荷装置側へ流れる過電流を検出して必要に応じてこれを遮断するための、半導体遮断器が設けられている。即ち、複数の負荷装置21,22,23・・・のうち1つの負荷装置21への系統には1つの半導体遮断器11が設けられ、別の1つの負荷装置22への系統にも1つの半導体遮断器12が設けられ、また別の1つの負荷装置23への系統にも1つの半導体遮断器13が設けられている。
本実施形態では、電流分配装置5内に設けられた複数の半導体遮断器11,12,13・・・はいずれも基本的に同じ構成であるため、代表として1つの半導体遮断器11についてその構成を説明する。
半導体遮断器11は、2本の電力供給線7,8のうち一方の電力供給線7に設けられた半導体スイッチ部31と、この半導体スイッチ部31が設けられた電力供給線7を流れる電流を検出するための電流センサ32と、この電流センサ32により検出された電流に基づいて半導体スイッチ部31の動作(オン・オフ)を制御する制御回路33と、を備えている。
なお、2本の電力供給線7,8のうち、半導体スイッチ部31が設けられた一方の電力供給線7は電源装置3内の直流電源(直流電圧)の正極側に接続され、他方の電力供給線8は電源装置3内の直流電源の負極側に接続されている。但し、各電力供給線7,8のうちどちらに半導体スイッチ部31や電流センサ32を設けるかについては特に限定されるものではなく、半導体スイッチ部31については、負荷装置21側へ直流電力を供給又は遮断できるものである限り、また電流センサ32については、負荷装置側21へ流れる電流を検出できるものである限り、具体的にどの電力供給線へどのように設けるかは適宜決めることができる。
半導体スイッチ部31は、電力供給線7上に挿入された半導体スイッチング素子(図示略。例えばMOSFET。)を備えてなるものであり、制御回路33からの駆動信号(詳しくは後述する駆動部44からの駆動信号)に従ってその半導体スイッチング素子がオン・オフされる。即ち、半導体スイッチング素子が例えばMOSFETの場合は、ソースが電源装置3側に接続され、ドレインが負荷装置21側に接続され、ゲートに制御回路33からの駆動信号が入力されることとなる。
なお、以下の説明で半導体スイッチ部31について「オン」「オフ」という場合は、詳しくは半導体スイッチ部31を構成する半導体スイッチング素子の「オン(ターンオン)」「オフ(ターンオフ)」を意味しているものとする。
そのため、半導体スイッチ部31がオンされている間は、この半導体スイッチ部31が設けられている電力供給線7が導通される。即ち、電源装置3から負荷装置21への電力供給が可能な状態となる。逆に、半導体スイッチ部31がオフされている間は、この半導体スイッチ部31が設けられている電力供給線7が遮断される。即ち、電源装置3から負荷装置21への電力供給が遮断される。
制御回路33は、電流センサ32により検出された電流値を計測してその電流値を示すデータ(電流Id)を出力する電流計測部41と、この電流計測部41から出力されたデータ(電流Id)が記憶される計測値記憶部42と、この計測値記憶部42に記憶された電流Idに基づいて後述する各種判断を行い、その判断結果に応じて半導体スイッチ部31をオン又はオフさせるための制御信号を出力する制御部43と、この制御部43からの制御信号に従って半導体スイッチ部31へ駆動信号を出力することにより半導体スイッチ部31をオン・オフさせる駆動部44と、制御部43にて行われる各種判断に用いられる各種設定情報が記憶された設定情報記憶部45と、を備えている。
設定情報記憶部45には、設定情報として、半導体スイッチ部31を流れる電流が過電流状態になっているか否かを判断するための判断基準として用いられる「第1の閾値」と、半導体スイッチ部31を流れる電流が過電流状態となった場合にその過電流が負荷装置21側の短絡等による事故電流であるか否かを判断するための判断基準として用いられる「第2の閾値」と、短絡等による事故電流であるか否かの最終判定を下すための判定基準として用いられる「事故判定時間T1」と、過負荷による過電流であるか否かの最終判定を下すための判定基準として用いられる「過負荷判定時間T2」が記憶されている。これらの設定情報は、入力インタフェース34を介して、図示しない外部の設定装置から予め入力・記憶される。
本実施形態では、図2に示すように、一例として、定常状態時に各電力供給線7,8を流れる電流は約2.5[A]であり、第1の閾値は4[A]に設定され、第2の閾値は8[A]に設定されている。また、事故判定時間T1は過負荷判定時間T2よりも短い時間に設定されている。この図2については後で説明する。
なお、電流計測部41による電流Idの計測は、制御部43からの計測指示に従って行われる。また、リトライ動作中は、半導体スイッチ部31がオンした時の電流Id(ピーク値)を計測するように計測指示が行われる。そして、その計測指示に従って計測される毎に、その計測結果である電流Idが計測値記憶部42へ記憶される。
(2)半導体遮断器の動作説明
次に、上記のように構成された半導体遮断器11の動作について、図2を用いて説明する。図2(a)は、負荷装置21へコンデンサの充電電流が流れたことによって過電流が発生した場合の動作例を表し、図2(b)は、負荷装置21側の短絡等の事故による事故電流が流れたことによって過電流が発生した場合の動作例を表す。
図2(a)に示すように、定常状態において2.5[A]の電流が流れているときに、負荷装置21へコンデンサ充電電流が流れると、第1の閾値(4[A])を超える(時刻t=0)。即ち、過電流状態となる。このように第1の閾値以上となった場合は、制御部43は、半導体スイッチ部31のリトライ動作を行うための制御信号を駆動部44へ出力して、リトライ動作を行うことにより、半導体スイッチ部31を介して負荷装置21側へ流れる電流を限流する。
リトライ動作とは、図2(a)に示されているように、半導体スイッチ部31のオン・オフを所定タイミング毎に繰り返し行うものであり、オンされる毎に、そのオン時に半導体スイッチ部31を流れる電流を検出して、第1の閾値を下回っているか否かを判断する。そして、第1の閾値を下回った場合にはリトライ動作を停止して定常状態に戻すが、第1の閾値以上である間は、継続してリトライ動作を繰り返す。但し後述するように、過負荷判定時間T2が経過しても第1の閾値以上である場合には、リトライ動作を停止して半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。
図2(a)の例では、発生した過電流がコンデンサ充電電流であることから、図示のように、第1の閾値以上となることはもちろん、第2の閾値(8[A])も超える。このように第2の閾値をも超えるほどの過電流は、コンデンサ充電電流の場合以外にも、図2(b)に示すように、負荷装置21側の短絡等の事故による事故電流が流れた場合にも発生する(時刻t=0)。そのため、第2の閾値を超えた時点では、それがコンデンサ充電電流なのか事故電流なのかは判定できない。
但し、事故電流の場合は、図2(b)に示すように第2の閾値以上の状態が継続するのに対し、コンデンサ充電電流の場合は、図2(a)に示すように、コンデンサへの充電が進むにつれて電流は徐々に低下していき、ある程度時間が経過した時(時刻t1)に第2の閾値を下回る。
そこで制御部43は、上記のようにコンデンサ充電電流の場合はやがて第2の閾値を下回るという性質を利用して、コンデンサ充電電流なのか事故電流なのかを判定するようにしている。具体的には、第2の閾値以上となった時(時刻t=0)から事故判定時間T1が経過するまでに第2の閾値を下回った場合にはコンデンサ充電電流と判定し、事故判定時間T1が経過してもまだ第2の閾値以上となっていた場合には事故電流であると判定する
図2(a)は、コンデンサ充電電流であるため、事故判定時間T1が経過する前にその電流値は第2の閾値を下回る。そのため、この場合は引き続きリトライ動作を継続しつつコンデンサへの充電を続ける。そして、更に充電が進むことによって第1の閾値を下回ると(時刻t2)、リトライ動作を停止して、半導体スイッチ部31を継続的にオンさせ、定常状態に戻す。
一方、図2(b)は、事故電流であるため、事故判定時間T1が経過しても電流値は第2の閾値以上である。そのため、この場合は事故判定時間T1の経過後にリトライ動作を停止して、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。つまり、電源装置3から負荷装置21への電力供給を完全に遮断するのである。
事故判定時間T1は、コンデンサ充電電流によって第2の閾値以上の過電流が発生した場合に、コンデンサへの充電が進むことによってその過電流の値が第2の閾値を下回るのに要する時間を考慮して設定される。即ち、コンデンサ充電電流ならば当該事故判定時間T1が経過するまでには第2の閾値を下回るであろう時間が適宜設定される。但し、短絡等による事故電流が発生した場合にはこれを可能な限り迅速に判定して半導体スイッチ部31をオフさせる必要があるため、事故電流からの迅速な保護という観点では、事故判定時間T1はできるだけ短い方がよい。
そのため、事故判定時間T1は、コンデンサ充電電流であることの正確な判定と、事故電流であることの正確且つ迅速な判定の双方が可能となるように設定されている。
一方、過負荷による過電流(第1の閾値以上だが第2の閾値よりは小さい電流)については、短絡等による事故電流とは違って、必ずしも迅速に遮断する必要はなく、リトライ動作させながら可能な限り電力供給を継続させるのが望ましい。
そのため、過負荷判定時間T2は事故判定時間T1よりも非常に長い時間(過負荷状態を許容し得る、できるだけ長い時間)に設定されている。そして、この過負荷判定時間T2を過ぎても過負荷状態が継続していた場合には半導体スイッチ部31を継続的にオフさせるようにしている。
(3)過電流保護制御処理の説明
次に、半導体遮断器11を上記のように動作させるために制御部43が実行する過電流保護制御処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3のフローチャートは、半導体スイッチ部31がオンされることにより負荷装置21への定常的な電力供給が開始された後の処理を示すものである。
制御部43は、定常的な電力供給を開始すると、まずS110にて、電流Idを計測する。具体的には、電流計測部41に計測指示を出し、その計測結果を計測値記憶部42から取得する。そして、S120にて2つのタイマta,tbをリセットする。これら2つのタイマta,tbのうち、タイマtaは、過負荷による過電流であることを判定するために用いられ、タイマtbは、短絡等の事故電流であることを判定するために用いられる。
そして、S130にて、計測した電流Idが第1の閾値以上(本発明の第1過電流に相当)であるか否かを判断する。このとき、第1の閾値を下回っているならば、再びS110に戻るが、第1の閾値以上ならば、S140にてリトライ動作を開始し、S150にてタイマtaをスタートさせる。そして、S160にて、計測した電流Idが第2の閾値以上(本発明の第2過電流に相当)であるか否かを判断する。
このとき、第2の閾値を下回っているならば、S240に進むが、第2の閾値以上ならば、S170にてタイマtbをスタートさせる。そして、S180にて、タイマtb(詳しくはその計時時間)が事故判定時間T1以上であるか否かを判断し、事故判定時間T1以上ではない場合は、S190にて再び電流Idを計測する。そして、S200にて、その計測した電流Idが第2の閾値以上であるか否かを判断し、第2の閾値以上であればS180に戻る。
つまり、電流Idが第2の閾値以上である間は、事故判定時間T1が経過するまでは、S180〜S200の処理が繰り返されることになる。そして、タイマtbが事故判定時間T1以上となった場合、即ち第2の閾値以上の状態が事故判定時間T1以上継続した場合は、S180からS210に進み、短絡等による事故電流であるとの事故判定を行う。
事故判定後は、S220にてリトライ動作を停止し、続くS230にて、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせた上で、この過電流保護制御処理を終了する。
一方、S160にて電流Idが第2の閾値以上と判断されなかった場合、及び、一旦は電流Idが第2の閾値以上となったものの、その後事故判定時間T1が経過する前に第2の閾値を下回った場合は(S200:NO)、S240へ進む。S240では、タイマta(詳しくはその計時時間)が過負荷判定時間T2以上であるか否かを判断する。このとき、タイマtaがまだ過負荷判定時間T2以上ではない場合は、S260にて再び電流Idを計測し、続くS270にて、その計測した電流Idが第1の閾値以上であるか否かを判断する。
このS270にて、第1の閾値以上であると判断した場合は、S320にて、電流Idが第2の閾値以上であるか否かを判断する。ここで、電流Idが第2の閾値以上でない場合は、S240に戻るが、第2の閾値以上となっていた場合は、S330にてタイマtbをリセットして、S170以下の処理に戻る。
つまり、一旦は第2の閾値を下回ったものの、負荷装置21側の状態によっては、再び第2の閾値以上となることも考えられる。或いは、第2の閾値を下回った後に短絡等の事故が発生して再び第2の閾値以上となってしまう可能性も否定できない。そのため、再び第2の閾値以上となった場合には、タイマtbをリセットした上でS170に戻り、再度、事故電流か否かの判断を行うようにしている。
一方、S270にて、第1の閾値以上ではないと判断された場合は、S280に進み、正常な状態であるとの正常判定を行う。この正常判定が行われるケースとしては、コンデンサ充電電流によって一時的な過電流が発生した場合や、負荷装置21側の状態によって一旦は過負荷状態になったもののそれが解消された場合などが考えられる。
正常判定後は、S290にてリトライ動作を停止し、続くS300にて、半導体スイッチ部31を継続的にオンさせて、定常状態に戻す。そして、S310にて、負荷装置21側への電力供給を含む当該過電流保護制御処理を停止すべきか否かを判断し、まだ継続すべきならばS110に戻り、停止すべきならばS230に進んで半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。
また、S240にて、タイマtaが過負荷判定時間T2以上と判定された場合、即ち事故判定されることなく第1の閾値以上の状態が過負荷判定時間T2以上継続した場合は、S250にて過負荷判定を行った上で、S220以下の処理に進み、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。
(4)第1実施形態の効果等
以上説明した本実施形態の半導体遮断器11によれば、過電流であるかどうかの判定を行うためのベースとなる第1の閾値とは別に、事故電流であるかどうかの判定を行うための、第1の閾値よりも大きい第2の閾値が設定されている。そして、その第2の閾値以上となるような過電流が発生した場合に、その第2の閾値以上の状態が事故判定時間T1以上経過した場合は、短絡等による事故電流と判定する。
そのため、リトライ動作を行うべきレベルの過電流(第1の閾値以上の過電流)に対する判定機能(基本的な機能)を十分に維持しつつ、過電流が発生した場合にそれが負荷装置21側の短絡等による事故電流なのか否かを正確且つ迅速に判定することができる。そのため、事故電流の場合には半導体スイッチ部31を迅速にオフしてその事故電流を迅速に遮断することができる。
また、負荷装置21側のコンデンサへ一時的に過大な充電電流が流れた場合には、第2の閾値以上となる場合があるものの、事故判定時間T1が経過する前に第2の閾値を下回れば事故電流とは判定されない。そのため、コンデンサ充電電流が事故電流と誤判定されてしまうのを回避でき、コンデンサへの充電を確実に行うことができる。
また、本実施形態の半導体遮断器11は、第2の閾値以上の状態が事故判定時間T1以上継続した場合に半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる機能を有していると共に、これに加えて更に、第2の閾値は下回っているものの第1の閾値以上となっている状態が過負荷判定時間T2以上継続したならば、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる機能をも有している。つまり、事故電流に対してはそれを迅速に遮断できると共に、過負荷による過電流に対しては、一定期間(過負荷判定時間T2)様子を見た上でそれでもなお第1の閾値以上となっているならば半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。
そのため、過電流が発生した場合に半導体スイッチ部31を継続的にオフさせるべきか否かの判断を、その過電流の程度に応じたより適切なタイミングで行うことができる。
また、電流Idが少なくとも第1の閾値以上の過電流である間は、リトライ動作によってその過電流を限流させつ負荷装置21への電力供給を継続させることができ、その後過負荷判定時間T2が経過する前に第1の閾値を下回った場合は、再び定常状態に戻す(即ち半導体スイッチ部31を継続的にオンさせる)ことができる。そのため、過電流に対する正確且つ確実な保護機能と、過電流状態ではなくなった場合の定常状態への迅速なる復帰機能とを兼ね備えた、より機能性の高い半導体遮断器11の提供が可能となる。
そして、本実施形態の直流給電システム1は、電力供給系統が複数の系統に分配されており、各系統毎に半導体遮断器11,12,13・・・が設けられている。そのため、例えばある1つの系統において短絡等の事故が発生して過大な電流が流れても、それを迅速に遮断することができるため、事故による他の正常な系統への影響を大幅に抑制することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、半導体スイッチ部31は本発明の半導体スイッチ手段に相当し、電流センサ32は本発明の電流検出手段に相当し、制御回路33は本発明の第1過電流判断手段、第2過電流判断手段、リトライ制御手段、事故判定手段、過負荷判定手段、第1遮断手段、及び第2遮断手段に相当する。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、電流Idが第2の閾値以上となった場合における、事故電流であるか否かの判定が、第2の閾値以上となった時からの経過時間に基づいて行われた(図3のS180参照)。また、電流Idが第1の閾値以上となった場合における、過負荷による過電流であるか否かの判定についても、第1の閾値以上となった時からの経過時間に基づいて行われた(図3のS240参照)。
これに対し、本実施形態では、経過時間ではなくリトライ動作回数に基づいて上記各判定を行うよう構成された半導体遮断器について説明する。
本実施形態の半導体遮断器は、上記の通り事故判定及び過負荷判定をいずれもリトライ動作回数に基づいて行うことから、そのハード構成は、図1に示した第1実施形態の半導体遮断器11と比較して、設定情報記憶部45の設定情報が一部異なる。
具体的には、第1実施形態における事故判定時間T1に代えて事故判定回数K1が設定され、過負荷判定時間T2に代えて過負荷判定回数K2が設定される。また、これに伴って、制御部43が実行する過電流保護制御処理も一部異なる。これら以外の構成については、第1実施形態の半導体遮断器11と同じである。
次に、本実施形態の半導体遮断器における制御部43が実行する過電流保護制御処理について、図4を用いて説明する。
制御部43は、定常的な電力供給を開始すると、まずS410にて、電流Idを計測する。そして、S420にて2つのカウンタka,kbをリセットする。これら2つのカウンタka,kbのうち、カウンタkaは、過負荷による過電流であることを判定するために用いられ、カウンタkbは、短絡等の事故電流であることを判定するために用いられる。
これら各カウンタka,kbは、いずれも、リトライ動作が行われる回数をカウントするためのものであり、リトライ動作が1回行われる毎(即ち、一旦オフされて再びオンされる毎)にカウント値が1つずつインクリメントされる。
続くS430では、計測した電流Idが第1の閾値以上であるか否かを判断する。このとき、第1の閾値を下回っているならば再びS410に戻るが、第1の閾値以上ならば、S440にてリトライ動作を開始し、S450にてカウンタkaによるカウント動作をスタートさせる。そして、S460にて、計測した電流Idが第2の閾値以上であるか否かを判断する。
このとき、第2の閾値を下回っているならば、S540に進むが、第2の閾値以上ならば、S470にてカウンタkbによるカウント動作をスタートさせる。そして、S480にて、カウンタkb(詳しくはそのカウント値)が事故判定回数K1以上であるか否かを判断する。そして、カウンタkbが事故判定回数K1以上になるまで待機する。
そして、カウンタkbが事故判定回数K1以上になると、S490にて電流Idを計測し、続くS500にて、その電流Idが第2の閾値以上であるか否かを判断する。
ここで、電流Idが第2の閾値以上であった場合、即ち、リトライ動作をK1回行ったにもかかわらずまだ電流Idが第2の閾値以上である場合は、S510に進み、短絡等による事故電流であるとの事故判定を行う。そして、事故判定後は、S520にてリトライ動作を停止し、続くS530にて、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせた上で、この過電流保護制御処理を終了する。
一方、S460又はS500で電流Idが第2の閾値以上ではないと判断された場合は、S540へ進み、カウンタka(詳しくはそのカウント値)が過負荷判定回数K2以上であるか否かを判断する。このとき、カウンタkaがまだ過負荷判定回数K2以上ではない場合は、S560にて再び電流Idを計測し、続くS570にて、その計測した電流Idが第1の閾値以上であるか否かを判断する。
このS570にて、第1の閾値以上であると判断した場合は、S620にて、電流Idが第2の閾値以上であるか否かを判断する。そして、電流Idが第2の閾値以上でない場合は、S540に戻るが、第2の閾値以上となっていた場合は、S630にてカウンタkbをリセットして、S470以下の処理に戻る。
一方、S570にて、第1の閾値以上ではないと判断された場合は、S580に進み、正常な状態であるとの正常判定を行う。このS580以後の処理(S580〜S610)は、第1実施形態の過電流保護制御処理(図3)のS280以後の処理(S280〜S310)と全く同じであるため、その説明を省略する。
また、S540にて、カウンタkaが過負荷判定回数K2以上と判定された場合、即ち事故判定されることなく第1の閾値以上の状態が過負荷判定回数K2以上継続した場合は、S550にて過負荷判定を行った上で、S520以下の処理に進み、半導体スイッチ部31を継続的にオフさせる。
なお、事故判定回数K1は、第1実施形態の事故判定時間T1に対応したものである。即ち、リトライ動作を事故判定回数K1だけ行うのに要する時間と事故判定時間T1はほぼ等しい。また、過負荷判定回数K2は、第1実施形態の過負荷判定時間T2に対応したものである。即ち、リトライ動作を過負荷判定回数K2だけ行うのに要する時間と過負荷判定時間T2はほぼ等しい。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記第1実施形態では、事故判定及び過負荷判定をいずれも、電流Idが対応する閾値以上となってからの経過時間に基づいて行うようにしたが、これら各判定のうちいずれか一方を、第2実施形態のようにリトライ動作回数に基づいて行うようにしてもよい。
第2実施形態についても同様であり、上記例では事故判定及び過負荷判定をいずれもリトライ回数に基づいて行うようにしたが、これら各判定のうちいずれか一方を、第1実施形態のように経過時間に基づいて行うようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、事故判定を行うにあたり、電流Idが第2の閾値以上である時間が事故判定時間T1以上か否かを判定している間(図3のS180〜S200)、電流Idを逐一計測するようにしたが、事故判定時間T1が経過するまでは電流Idは計測せず、事故判定時間T1が経過した時にその時の電流Idを計測して第2閾値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
逆に、第2実施形態においては、事故判定を行うにあたり、電流Idが第2の閾値以上となった後、事故判定回数K1だけリトライ動作がなされるまでは電流Idを計測しないようにしたが(図4のS480)、カウンタkbが事故判定回数K1以上になるまでの間も電流Idの計測を逐一行って、第2の閾値を下回った場合には、たとえまだリトライ動作が事故判定回数K1だけ行われていなくてもS540に進むようにしてもよい。
また、コンデンサ充電電流による過電流が発生した場合、即ち、第2の閾値以上の電流が流れたもののその後事故判定時間T1が経過する前に第2の閾値を下回った場合には、コンデンサ充電電流であるとの想定のもとに、充電が完了すると予想される時間(即ち充電電圧が電源装置3からの直流電圧と等しくなると予想される時間)が経過するまでリトライ動作を継続し、その後リトライ動作を停止して定常状態に戻すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電流分配装置5によって分配される複数の系統の全てに半導体遮断器を設けたが、これは一例であって、必ずしも全ての系統に半導体遮断器を設ける必要はない。
また、上記実施形態では、電源装置3からの直流電力を電流分配装置5によって複数の系統に分配するように構成された直流給電システム1について説明したが、電流分配装置を有しない単一系統の直流給電システムに対しても本発明を適用できることはいうまでもない。
1…直流給電システム、3…電源装置、5…電流分配装置、7,8…電力供給線、11,12,13…半導体遮断器、21,22,23…負荷装置、31…半導体スイッチ部、32…電流センサ、33…制御回路、34…入力インタフェース、41…電流計測部、42…計測値記憶部、43…制御部、44…駆動部、45…設定情報記憶部

Claims (6)

  1. 電源装置から電力供給線を介して負荷装置へ直流電力を供給する直流給電システムにおいて、前記電源装置と前記負荷装置の間を導通・遮断するために前記電力供給線に設けられた半導体遮断器であって、
    前記電力供給線上に挿入され、該電力供給線を導通・遮断するための、半導体スイッチング素子からなる半導体スイッチ手段と、
    前記電源装置から前記負荷装置へ前記半導体スイッチ手段を介して流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流が予め設定された第1の閾値以上である第1過電流であるか否かを判断する第1過電流判断手段と、
    前記第1過電流判断手段により前記第1過電流と判断された場合に、所定のタイミングで前記半導体スイッチ手段のオン・オフを繰り返すリトライ動作を行うリトライ制御手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流が、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上である第2過電流であるか否かを判断する第2過電流判断手段と、
    前記第2過電流判断手段により前記第2過電流であると判断される状態が予め設定した事故判定所要期間以上継続したか否かを判定する事故判定手段と、
    前記事故判定手段により前記第2過電流の状態が前記事故判定所要期間以上継続したと判定された場合に前記半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる第1遮断手段と、
    を備え
    前記負荷装置は、前記電源装置から前記電力供給線を介して供給される前記直流電力により充電されるコンデンサを有し
    前記事故判定所要期間は、前記電源装置から前記電力供給線を介して前記負荷装置へ供給される前記直流電力によって前記コンデンサが充電されることに起因して前記第2過電流が発生した場合にその第2過電流の発生時から前記コンデンサの充電が進むことによって前記第2過電流ではなくなるまでに要する時間に基づき、その時間よりも長い時間となるように設定されている
    ことを特徴とする半導体遮断器。
  2. 請求項1に記載の半導体遮断器であって、
    前記事故判定所要期間は、予め設定された事故判定時間が経過するまでの期間、又は前記リトライ制御手段による前記リトライ動作が予め設定された事故判定回数行われる期間である
    ことを特徴とする半導体遮断器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体遮断器であって、
    前記第1過電流判断手段により前記第1過電流と判断された後、該第1過電流の状態が、予め設定された、前記事故判定所要期間よりも長い過負荷判定所要期間以上継続したか否かを判定する過負荷判定手段と、
    前記事故判定手段により前記第2過電流の状態が前記事故判定所要期間以上継続したと判定されることなく、前記過負荷判定手段によって前記第1過電流の状態が前記過負荷判定所要期間以上継続したと判定された場合に、前記半導体スイッチ手段を継続的にオフさせる第2遮断手段と、
    を備えていることを特徴とする半導体遮断器。
  4. 請求項3に記載の半導体遮断器であって、
    前記過負荷判定所要期間は、予め設定された過負荷判定時間が経過するまでの期間、又は前記リトライ制御手段による前記リトライ動作が予め設定された過負荷判定回数行われる期間である
    ことを特徴とする半導体遮断器。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の半導体遮断器であって、
    前記リトライ制御手段は、前記リトライ動作の開始後、前記過負荷判定手段により前記第1過電流の状態が前記過負荷判定所要期間以上継続したと判定されることなく、前記第1過電流判断手段によって、前記電流検出手段により検出された電流が前記第1の閾値を下回ったと判断された場合には、前記リトライ動作を停止する
    ことを特徴とする半導体遮断器。
  6. 電源装置から複数の負荷装置へ直流電力を供給する直流給電システムであって、
    前記電源装置からの直流電力を複数の系統に分配して該系統毎にそれぞれ電流供給線を介して一又は複数の負荷装置へ直流電力を供給するよう構成されており、
    前記各電流供給線の少なくとも1つに、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の半導体遮断器が設けられている
    ことを特徴とする直流給電システム。
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