JP5577808B2 - 免震装置、及びその設置方法 - Google Patents
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Description
また、同隙間Sの厚みが、フィラプレート190,190…では補えない程度に大きい場合には、フィラプレート190,190…の挿入後に更にグラウト充填を行うことになるが、その場合には、外周に型枠を組まねばならず、これは、フィラプレート190,190…の挿入以上に手間のかかる作業であった。
しかし、かかる摩擦ダンパー110の取り外しや再設置作業も、かなり大掛かりな作業となり、手軽に行えるものではない。
上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装され、前記上部構造体を免震支持するアイソレータと、
前記上下方向隙間に前記アイソレータと並列に介装され、前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平振動を、摩擦力を減衰力として用いて減衰する摩擦ダンパーと、を備えた免震装置であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記上下方向隙間に介装され、摩擦面及び該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面を有する摩擦減衰力生成部と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部と直列に介装され、前記摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせるべく弾発力を発生するばね部材と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部及び前記ばね部材と直列に介装され、前記弾発力を上下方向に伝達する弾発力伝達部材と、
前記ばね部材に対して前記圧接力に係る前記弾発力を設定する際に使用され、前記ばね部材に上下方向の圧縮変形を付与及び解除可能な圧縮変形付与部材と、を有し、
前記弾発力伝達部材は、該弾発力伝達部材を上下方向に伸縮する伸縮調整機構を有しており、
前記弾発力伝達部材は、上プレートと、その下方に間隔を空けて配される下プレートと、前記上プレートと前記下プレートとを連結する連結部材と、を有し、
前記連結部材は、上下方向に軸方向が向いた棒体を有し、
前記棒体の上端部及び下端部は、螺合構造によって前記上プレート及び前記下プレートに締結固定され、
前記上プレートと前記下プレートとの間に位置する前記棒体の部分の長さを変更することにより、前記間隔を変更するように構成されており、
前記圧縮変形付与部材は、ボルトと当該ボルトに螺合するナットを有し、
前記棒体は、複数設けられており、
前記ボルト及び前記ナットは、複数設けられており、
前記棒体と前記ボルトは、前記下プレートの円周方向において交互に配置されていることを特徴とする。
前記上下方向隙間に前記アイソレータと並列に介装され、前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平振動を、摩擦力を減衰力として用いて減衰する摩擦ダンパーと、を備えた免震装置であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記上下方向隙間に介装され、摩擦面及び該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面を有する摩擦減衰力生成部と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部と直列に介装され、前記摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせるべく弾発力を発生するばね部材と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部及び前記ばね部材と直列に介装され、前記弾発力を上下方向に伝達する弾発力伝達部材と、
前記ばね部材に対して前記圧接力に係る前記弾発力を設定する際に使用され、前記ばね部材に上下方向の圧縮変形を付与及び解除可能な圧縮変形付与部材と、を有し、
前記弾発力伝達部材は、該弾発力伝達部材を上下方向に伸縮する伸縮調整機構を有しており、
前記弾発力伝達部材は、上プレートと、その下方に間隔を空けて配される下プレートと、前記上プレートと前記下プレートとを連結する連結部材と、を有し、
前記伸縮調整機構としての前記連結部材によって、前記間隔を変更することにより、前記弾発力伝達部材を上下方向に伸縮調整するように構成されており、
前記連結部材は、前記上プレートの下面に一体に固定された上側部材と、前記下プレートの上面に一体に固定された下側部材と、前記上側部材と前記下側部材とを互いの鉛直面同士において重合させて摩擦接合状態で締結固定する高力ボルトと、を有し、
前記上側部材及び前記下側部材に形成される前記高力ボルトのボルト孔は、少なくとも一方が上下方向に長い長孔に形成されており、
前記圧縮変形付与部材は、ボルトと当該ボルトに螺合するナットを有し、
前記上側部材及び下側部材は、複数設けられており、
前記ボルト及び前記ナットは、複数設けられており、
前記上側部材及び前記下側部材と、前記ボルトは、前記下プレートの円周方向において交互に配置されていることを特徴とする。
前記圧縮変形付与部材によって、前記ばね部材を、前記圧接力の大きさに対応する圧縮変形量まで圧縮変形する圧縮変形工程と、
前記摩擦ダンパーを前記下部構造体上に載置する載置工程と、
前記圧縮変形工程及び前記載置工程の後に、前記下部構造体上に載置された前記摩擦ダンパーの上面と前記上部構造体の下面との間の隙間がなくなるまで、前記伸縮調整機構によって前記弾発力伝達部材を上方に伸長する伸長工程と、
前記伸長工程の後に、前記圧縮変形付与部材による前記ばね部材の圧縮変形を解除する圧縮変形解除工程と、を有することを特徴とする。
<<<免震装置10>>>
図1乃至図5は、第1実施形態の免震装置10の説明図である。図1は免震装置10の側面図である。図2は摩擦ダンパー20の概略中心縦断面図であり、図3は同上面図である。また、図4は摩擦ダンパー20を斜め下方から見た斜視図であり、図5は同分解斜視図である。なお、以下の説明で用いる図においては、図の錯綜を防ぐべく、図によっては、本来断面線で示すべき断面部位の断面線を適宜省略したり、あるいは、同断面部位をグレーで着色して示したりしている。
滑り材24は、建物3の基礎コンクリート1の上面に固定される。一方、摩擦材22は、皿ばね群30Gの下に隣接配置された前記下フランジ板26の下面に重ね合わせられてボルト止めされており、この状態で、滑り材24の上面たる滑り面24aに載置されている。よって、これら摩擦材22と滑り材24とが水平方向に相対変位(相対移動)すると、摩擦面22aと滑り面24aとの間に摩擦力が発生する。
ここで、建物3と基礎コンクリート1との間の上下方向隙間δへの摩擦ダンパー20の設置手順について説明する。なお、以下では、説明の都合上、摩擦ダンパー20から滑り材24を取り外した構成のことも、摩擦ダンパー20と言い、また、摩擦減衰力生成部21から滑り材24を取り外した構成のことも、摩擦減衰力生成部21と言う。
次に、適宜な作業場において、ジャッキ等を用いて上フランジ板42の上面42aを加圧することにより、連結ボルト46を介して中間フランジ板44を下方に移動して皿ばね群30Gを圧縮変形し、これにより、皿ばね群30Gを、圧接力の設計値に対応する弾発力が生じた状態にする。そうして、この状態で、摩擦ダンパー20の圧縮変形付与部材50のナット52aを締め込む。
(第2ステップ、圧縮変形工程に相当)。
そうしたら、摩擦ダンパー20の上フランジ板42の上面42aが当接すべき建物3の下面3aに、接着材を塗布する。接着材としては、高流動性モルタルや高流動性セメント等が使用される(第3ステップ)。
そうしたら、弾発力伝達部材40の伸縮調整機構の上下一対のナット48a,48bを螺合回転してこれらナット48a,48bを下方に移動する。すると、これにより、弾発力伝達部材40の中間フランジ板44に対して相対的に上フランジ板42が上方へ移動し、つまり、弾発力伝達部材40が上方に伸長される。そして、この伸長作業を、基礎コンクリート1上に載置された摩擦ダンパー20の上面20u、つまり弾発力伝達部材40の上フランジ板42の上面42aと、建物3の下面3aとの間の隙間が無くなるまで続ける(第5ステップ、伸長工程に相当)。
そして、接着材が固化したら、圧縮変形付与部材50のナット52aを緩めて上方へ移動し、これにより、圧縮変形付与部材50による皿ばね群30Gの圧縮拘束を解除する。つまり、圧縮変形付与部材50のセットボルト51の軸力が完全に解放されるまで、ナット52aを緩める。
なお、緩めたナット52aは、セットボルト51の上端部に付けておいても良いし、セットボルト51から取り外して別途保管しても良い。
ところで、摩擦ダンパー20の設置後に上下方向隙間δの大きさが経時変化した場合に圧接力が変化する虞があるが、その場合についても、前記伸縮調整機構による弾発力伝達部材40の伸縮調整によって、前記隙間δの大きさの変化に対処可能である。つまり、当該変化分だけ弾発力伝達部材40の上下方向の長さLを伸縮変更することにより、皿ばね群30Gの圧縮変形量を摩擦ダンパー20の設置当初の状態に戻すことができる。これにより、圧接力を速やかに設計値に戻すことができて、その結果、計画通りの大きさの摩擦力を減衰力として発生させることができる。
図6は、第2実施形態に係る摩擦ダンパー20aの側面図であり、図7は、同摩擦ダンパー20aを斜め下方から見た斜視図である。
上述の第1実施形態との相違点は、弾発力伝達部材40(40a)の連結部材46(70)の構成にある。そして、これ以外の点は概ね上述の第1実施形態と同じである。よって、同じ構成については同じ符号を付し、その説明については省略する。
ここで、第1実施形態と同様に、この第2実施形態に係る連結部材70も、弾発力伝達部材40aを上下方向に伸縮する伸縮調整機構として機能する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
7 アイソレータ、
10 免震装置、20 摩擦ダンパー、20a 摩擦ダンパー、
20b 摩擦ダンパー、20u 上面、
21 摩擦減衰力生成部、22 摩擦材、22a 摩擦面、
24 滑り材、24a 滑り面、
26 下フランジ板、26a 嵌合凹部、
30 皿ばね(ばね部材)、30h 貫通孔、
30G 皿ばね群(ばね部材)、30Gh 孔部、
40 弾発力伝達部材、40a 弾発力伝達部材、
42 上フランジ板(上プレート)、42a 上面、42h 貫通孔、
44 中間フランジ板(下プレート)、
44Bh ボルト孔、44Bh2 ボルト孔、
44a 下面、44h 貫通孔、
46 連結ボルト(連結部材)、47 ロックナット、
48a ナット、48b ナット、
50 圧縮変形付与部材、51 セットボルト、52a ナット、
54 ロックナット、
60 円筒シャフト(相対変位伝達部材)、
70 連結部材、71 上側部材、71a 鉛直面、72 下側部材、
72a 鉛直面、73a 高力ボルト、73b ナット、
δ 上下方向隙間
Claims (3)
- 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装され、前記上部構造体を免震支持するアイソレータと、
前記上下方向隙間に前記アイソレータと並列に介装され、前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平振動を、摩擦力を減衰力として用いて減衰する摩擦ダンパーと、を備えた免震装置であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記上下方向隙間に介装され、摩擦面及び該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面を有する摩擦減衰力生成部と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部と直列に介装され、前記摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせるべく弾発力を発生するばね部材と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部及び前記ばね部材と直列に介装され、前記弾発力を上下方向に伝達する弾発力伝達部材と、
前記ばね部材に対して前記圧接力に係る前記弾発力を設定する際に使用され、前記ばね部材に上下方向の圧縮変形を付与及び解除可能な圧縮変形付与部材と、を有し、
前記弾発力伝達部材は、該弾発力伝達部材を上下方向に伸縮する伸縮調整機構を有しており、
前記弾発力伝達部材は、上プレートと、その下方に間隔を空けて配される下プレートと、前記上プレートと前記下プレートとを連結する連結部材と、を有し、
前記連結部材は、上下方向に軸方向が向いた棒体を有し、
前記棒体の上端部及び下端部は、螺合構造によって前記上プレート及び前記下プレートに締結固定され、
前記上プレートと前記下プレートとの間に位置する前記棒体の部分の長さを変更することにより、前記間隔を変更するように構成されており、
前記圧縮変形付与部材は、ボルトと当該ボルトに螺合するナットを有し、
前記棒体は、複数設けられており、
前記ボルト及び前記ナットは、複数設けられており、
前記棒体と前記ボルトは、前記下プレートの円周方向において交互に配置されていることを特徴とする免震装置。 - 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装され、前記上部構造体を免震支持するアイソレータと、
前記上下方向隙間に前記アイソレータと並列に介装され、前記上部構造体と前記下部構造体との間の水平振動を、摩擦力を減衰力として用いて減衰する摩擦ダンパーと、を備えた免震装置であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記上下方向隙間に介装され、摩擦面及び該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面を有する摩擦減衰力生成部と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部と直列に介装され、前記摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせるべく弾発力を発生するばね部材と、
前記上下方向隙間に前記摩擦減衰力生成部及び前記ばね部材と直列に介装され、前記弾発力を上下方向に伝達する弾発力伝達部材と、
前記ばね部材に対して前記圧接力に係る前記弾発力を設定する際に使用され、前記ばね部材に上下方向の圧縮変形を付与及び解除可能な圧縮変形付与部材と、を有し、
前記弾発力伝達部材は、該弾発力伝達部材を上下方向に伸縮する伸縮調整機構を有しており、
前記弾発力伝達部材は、上プレートと、その下方に間隔を空けて配される下プレートと、前記上プレートと前記下プレートとを連結する連結部材と、を有し、
前記伸縮調整機構としての前記連結部材によって、前記間隔を変更することにより、前記弾発力伝達部材を上下方向に伸縮調整するように構成されており、
前記連結部材は、前記上プレートの下面に一体に固定された上側部材と、前記下プレートの上面に一体に固定された下側部材と、前記上側部材と前記下側部材とを互いの鉛直面同士において重合させて摩擦接合状態で締結固定する高力ボルトと、を有し、
前記上側部材及び前記下側部材に形成される前記高力ボルトのボルト孔は、少なくとも一方が上下方向に長い長孔に形成されており、
前記圧縮変形付与部材は、ボルトと当該ボルトに螺合するナットを有し、
前記上側部材及び下側部材は、複数設けられており、
前記ボルト及び前記ナットは、複数設けられており、
前記上側部材及び前記下側部材と、前記ボルトは、前記下プレートの円周方向において交互に配置されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の免震装置の設置方法であって、
前記圧縮変形付与部材によって、前記ばね部材を、前記圧接力の大きさに対応する圧縮変形量まで圧縮変形する圧縮変形工程と、
前記摩擦ダンパーを前記下部構造体上に載置する載置工程と、
前記圧縮変形工程及び前記載置工程の後に、前記下部構造体上に載置された前記摩擦ダンパーの上面と前記上部構造体の下面との間の隙間がなくなるまで、前記伸縮調整機構によって前記弾発力伝達部材を上方に伸長する伸長工程と、
前記伸長工程の後に、前記圧縮変形付与部材による前記ばね部材の圧縮変形を解除する圧縮変形解除工程と、を有することを特徴とする免震装置の設置方法。
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