JP5577534B2 - 電動弁 - Google Patents
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Description
この問題を解決する一つの方法として、特許文献1に記載のガス遮断弁がある。この遮断弁は、図4のように、パルスモータ1に取り付けたピニオンギヤ2と弁体3を軸に連結した大歯車4とを歯合させたもので、前記大歯車4にフォトセンサ5a、bを備えることにより、弁体3が全閉と全開位置にあることを検出できるようにしてある。
このような電動弁では、遮断動作の際に、弁体3を全閉するのに必要とする規定の数のパルス信号をパルスモータ1へ出力して(全閉に要する時間内に)、弁体3が全閉位置にあることを検出するセンサ5aから検出信号が検出されないと、弁体3が異物を噛みこんだと判定する。そして、弁体3を開放方向に所定の角度だけ戻したのち、再度、弁体3を閉弁方向へ動かすことにより、弁体3の固着や異物の噛みこみを解消するというものである。
したがって、検出に時間が掛かる。しかも、検出までの間に弁体が異物に噛み込むことで破損することが考えられる。
このように、過電流を検出することで異物の噛みこみと同時に、噛みこんだことを検出できるので、直ちにモータを逆転あるいは停止したのち逆転し、異物の排出や異物への弁体の噛みこみを防止して排出動作がスムースに行うことができる。
また、このように、弁体がロックした点から一定角度戻すことにより、異物の大きさに関わらず、異物と逆転させた弁体との間に一定の隙間を設けて弁体からの異物の排出を促すことができる。
そして、解放された異物が弁体から外れるのに十分な時間が経過すると、モータを正転して弁体を閉弁方向へ動かすことにより閉弁する。
この形態の電動弁は、図1に示すように、弁体10とモータMを複数のギヤを組み合わせた伝達機構12を介して接続したもので、前記モータMを作動して弁体10の開閉を行うようになっている。
また、出力軸13は、弁体10とカム14の間に平歯車15が取り付けられ、伝達機構12の歯車と歯合するようになっている。
伝達機構12は、ピッチの異なる伝達ギヤを組み合わせて、所要のトルクが得られるようにしたものである。
モータMは、直流モータで制動用の電磁クラッチブレーキ16を搭載したもので、前記クラッチブレーキ16でモータ軸をスライドさせてピニオンギヤを取り付けたギヤヘッド17を伝達機構12のギヤに係合したり、モータ軸を固定して伝達機構12に接続した弁体10をロックしたりできるようになっている。
このモータMは、図2のコントロール回路と接続され、閉弁時の異物の検出と異物の排出動作を行うようになっている。
このように、NPNトランジスタTR1〜TR4のみでフルブリッジ回路C3を構成することにより、高耐圧なブリッジ回路を安価に構成できる。
このオペアンプAの出力はマイクロコンピュータC1のA/D変換入力に接続されており、モータ電流IMの値を検出できるようになっている。
この形態では、マイクロコンピュータC1は、メモリに検出及び排出動作用のプログラムが書き込まれている。前記プログラムには、例えば、過電流検出用の閾値が設定されている。
なお、前記閾値は、使用する電動弁のモータMの定格などに合わせて後で設定できるようにしたり、選択できるようにしたりすることは当然である。
すなわち、マイクロコンピュータC1は、閉弁時に、閉弁方向へ弁体10を動かすために正転指令をモータ制御回路C2へ出力する。すると、モータ制御回路C2は、例えば、制御信号ΦAを出力してブリッジ回路C3のトランジスタTR1とTR4をオン、TR2とTR3をオフにすることでモータMを正転(弁体10を閉弁方向へ動かす向き)させる。このとき、モータMに流れる電流IMは、図2のように、シャント抵抗RSによって電圧(VR=IM×Rs)に変換され、オペアンプAによってマイクロコンピュータC1に入力され、閾値と比較することにより監視している。
次に、逆転指令を出力し、モータ制御回路C2から制御信号ΦAを出力して(TR1とTR4Tがオフ、TR2とTR3をオン)、モータMを逆転させて弁体を開弁方向へ動かす。
ちなみに、ここで、モータMを一時停止しないで、逆転指令を出力することも出来るが、そうすると、逆転の際に大きな電流を吸収しなければならないため、ここではモータMの一時停止を行うようにしている。
その際、弁体10の逆転は、例えば、電動弁の開閉角度(90度)のうち、10度に相当する時間T1だけモータMを逆転して開弁方向へ動かし停止した後、再び、正転指令を出力してモータMを正転して閉弁方向へ時間T1だけ動かす。このとき、過電流を検出しなければそのまま閉弁動作を継続する。
一方、閉弁方向へ時間T1だけ動かしたときに過電流を検出した場合は、モータMを一時停止する。そして、逆転指令を出力してモータMを逆転させて弁体10を開弁方向へ時間T1だけ動かし停止したのち、正転指令を出力してモータMを閉弁方向へ時間T1だけ動かす。そして、過電流を検出しなければそのまま正転動作を継続する。
このとき、再度過電流を検出した場合は、モータMを一時停止させる。そして、もう一度逆転指令を出力してモータMを逆転させて弁体10を開弁方向へ時間T1だけ動かし停止したのち、正転指令を出力してモータMを閉弁方向へ時間T1だけ動かす。そして、過電流を検出しなければそのまま閉弁動作を継続する。さらに、このとき、この形態では、過電流を検出した場合は、モータMを停止してエラーとしてその状態を保持し、弁体10の破損とモータMの加熱を防ぐ。また、エラー報知を行う。
その結果、異物の噛みこみの検出を短時間で行って、異物の排出動作をスピーディーに行える。
しかしながら、この方法は、異物が破砕されない場合は、弁体を破損する恐れがある。
すなわち、例えば、直流モータMは起動時の突入電流が大きく(定格の5〜10倍)、その突入電流の継続期間中(例えば、0.5秒程度)は不感帯を設けて過電流を検出しないようにしなければ起動できない。
そのため、異物を突入電流の継続期間中に破砕できれば問題は発生しないが、破砕できない場合は、過電流が再び流れてモータMへの通電を停止するため、モータMへの通電を繰り返すことになる。
その結果、弁体10が異物に押し付けられて、除々に圧迫されることになり、ついには弁体10を破損する恐れがある。
したがって、本願発明では、監視中の電圧が閾値を超えた時点で、まず、モータを一時停止させる。次に、逆転指令を出力してモータMを逆転させて弁体10を開弁方向へ動かす。あるいは、監視中の電圧が閾値を超えた時点で、逆転指令を出力してモータMを逆転させて弁体10を開弁方向へ動かすのである。
前記レバーシブルモータM´は、図3(a)のコントロール回路と接続され、実施形態のものと同様に、閉弁の際に噛みこみの検出及び排出動作を行うようになっている。
パワードライブ部22´は、モータ制御回路C2´とリレー回路RL1、RL2及びモータ電流検出回路C4´−1で構成されている。
モータ制御回路C2´は、2個のリレーRL1、RL2とそのリレーRL1、RL2をオン・オフする2個のトランジスタスイッチ回路TR10、TR20で構成されている。
トランジスタスイッチ回路TR10、TR20は、マイクロコンピュータC1´のI/O出力に接続されている。
すなわち、トランジスタスイッチ回路TR10、TR20は、モータM´への正転信号を出力するI/O出力と、モータM´への逆転信号を出力するためのI/O出力に接続されている。
また、2個のリレーRL1、RL2は、そのリレー接点rl1、rl2が後述のように、交流電源VとACレバーシブルモータM´間に設けられ、ACレバーシブルモータM´の正逆転の制御を行う。
ACレバーシブルモータM´は、回転方向を瞬時に変更できるコンデンサラン型の可逆モータで、主巻線、補助巻線、コモンの3つの入力端子を備えており、コモン端子を交流電源Vの一方と接続し、交流電源Vの他方を主巻線、補助巻線のいずれか一方と接続することにより、モータM´を正転あるいは逆転できるというものである。
この実施例1では、交流電源Vの他端を前記モータM´の主巻線端子と補助巻線端子に、それぞれ、リレー接点rl1、rl2を介して接続する構成となっており、どちらかの接点をオン、残りをオフとすることで、モータM´の正転あるいは逆転の制御をするようになっており、両方の接点をオフとすることで、モータM´停止の制御ができるようになっている。
また、前記リレー接点rl1、rl2と交流電源Vの他端との間にモータ電流検出回路C4´−1を設けてモータ電流の検出を行うようになっている。
モータ電流検出回路C4´−1は、変流器CTとシャント抵抗R5及びオペアンプAで構成されており、図3(a)のように、リレー接点rl1、rl2と交流電源Vとの間に配置した変流器CTのコイルと並列にシャント抵抗R5を設けて、その両端の電圧をオペアンプAに入力することにより、交流であるモータ電流を検出できるようになっている。
このオペアンプAの出力は、整流回路Dを介してマイクロコンピュータC1´のA/D変換入力と接続したり、整流回路+積分フィルタを介してマイコンのA/D変換入力と接続したりすることで、平均電流を算出するようにしてある。
その際、弁体10の逆転は、例えば、電動弁の開閉角度(90度)のうち、10度に相当する時間T1だけモータM´を逆転させて停止した後、再び、正転指令(TR10をオン、TR20をオフ)を出力してモータM´を閉弁方向へ時間T1だけ動かす。このとき、過電流を検出しなければそのまま正転動作を継続する。
一方、閉弁方向へ時間T1だけ動かした際に、過電流を検出した場合はモータM´を一時停止させる(TR10をオフ、TR20をオフ)。そののち、逆転指令(TR10をオフ、TR20をオン)を出力してモータM´を逆転させて弁体10を開弁方向へ時間T1だけ動かし、停止したのち、正転指令を出力してモータM´を閉弁方向へ時間T1だけ動かす。そして、過電流を検出しなければそのまま正転動作を継続する。
このように、噛みこみによる過電流を検出すると、先の逆転→正転動作を所定の回数繰り返すリトライ動作により、異物の排除を試みる。
その結果、異物の排出ができなかった場合は、モータM´を停止して弁体10の破損とモータM´の加熱を防止する。
したがって、異物の噛みこみの検出を短時間で行って、異物の排出をスピーディーに行うことができる。
しかしながら、この問題は、例えば、本出願人が出願した「特開2008−061450号公報」に記載の過電流検出方法を採用すれば、解決できる。
この場合、シャント抵抗R5は、変流器CTに換えて交流電源Vとリレー接点rl1、rl2間に直列に挿入する。そのため、アイソレーションアンプISを使用することで、絶縁を保った状態で、検出値をマイクロコンピュータC1´へ入力できるようにしたものである。
このようにすることで、変流器CTを使わないので、小型化が図れるというメリットがある。
他の構成及び作用効果は、実施例1と同じなので、説明は省略する。
12 伝達機構
C1 マイクロコンピュータ
C1´ マイクロコンピュータ
C4 モータ電流検出回路
C4´ モータ電流検出回路
M DCモータ
M´ ACレバーシブルモータ
Claims (3)
- 弁体とモータを複数のギヤを組み合わせた伝達機構を介して接続し、前記モータによって弁体の開閉を行う電動弁において、
前記モータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段を設け、
前記電流検出手段が、閉弁時に過負荷による過電流を検出すると、その点からモータを逆転して弁体を開弁方向へ一定角度戻し停止して、前記弁体と噛みこんだ異物との間に一定の隙間を設けて異物の排出を促し、モータを正転して弁体を閉弁方向へ動かすことを特徴とする電動弁。 - 上記モータを逆転して弁体を開弁方向へ一定角度戻し停止して、前記弁体と噛みこんだ異物との間に一定の隙間を設けて異物の排出を促し、モータを正転して弁体を動かした際、過負荷による過電流を検出すると、モータを逆転して弁体を開弁方向へ一定角度戻して停止したのちモータを正転して閉弁方向へ動かす閉弁動作をN(≧2)回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
- 上記モータを逆転して弁体を開弁方向へ一定角度戻し停止して、前記弁体と噛みこんだ異物との間に一定の隙間を設けて異物の排出を促し、モータを正転して弁体を閉弁方向へ動かした際、あるいは前記閉弁動作をN(≧2)回繰り返したのち、過負荷による過電流を検出するとモータを停止することを特徴とする請求項1または2に記載の電動弁。
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