以下に添付図面を参照して、本発明に係る景品管理装置および景品管理方法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、遊技客が獲得した遊技媒体の計数値が関連付けられた紙レシート(以下、単に「レシート」と記載する)を読取り、読取った計数値に基づいて景品交換を行う景品管理装置について説明することとする。なお、レシートには、「発行日時」、「交換レート」、遊技客が獲得した遊技媒体を計数する計数機の識別子である「計数機の号機」、「計数値」、および、計数機ごとに連番に付与される「レシート番号」が目視可能に文字印字されているとともに機械読取可能にバーコードが印字されている。そして、景品管理装置は、レシートに印字されているバーコードを読取ることによって、上記の項目を取得する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る景品管理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る景品管理手法の概要を示す図である。以下では、まず、同図の(A)を用いて従来の景品管理手法の概要を説明し、同図の(B)を用いて本発明に係る景品管理手法の概要を説明する。
まず、図1の(A)に示したように、従来の景品管理手法では、計数値およびレートが関連付けられた複数枚のレシートを順次読取る(図1(A−1)参照)。ここで、同図に示すように、複数枚のレシートには、複数種類のレートが混在しているものとする。
この場合、従来の景品管理手法では、最初に読取ったレシートのレートと同一のレシートについて計数値を集計する(図1(A−2)参照)。すなわち、同図に示した場合では、1枚目のレシートが4円レートであるので、1枚目と4枚目とのレシートの計数値を集計することとなる。
そして、従来の景品管理手法は、4円レートの集計値(2150個)に相当する景品の交換処理を行う(図1(A−3)参照)。その後、次の景品交換処理では、2円レートであるレシートの計数値を集計し(図1(A−4)参照)、2円レートの集計値(4000個+500個=4500個)に相当する景品を交換する処理を行う(図1(A−5)参照)。
このように、従来の景品管理手法では、一つのレートの集計および景品交換処理が終了してから、順次別のレートの集計および景品交換処理を行っていたので、従業員の操作が煩雑となり、従業員の作業負荷が大きなものとなっていた。また、遊技客に対して、どのレートの景品交換を行っているかといった交換状況を把握させることが困難であった。
そこで、本発明に係る景品管理手法では、図1の(B)に示したように、計数値およびレートが関連付けられた複数枚のレシートを読取ったならば(図1(B−1)参照)、読取ったレシートの計数値の集計を、レートごとに並行して行うこととした。
具体的には、1枚目のレシート(4円レシート)を読取った際には、4円レートの集計処理を行い(図1(B−2)参照)、つづいて、2枚目(2円レシート)および3枚目(2円レシート)のレシートを読取った際には、2円レートの集計処理を行う(図1(B−2)’参照)。さらに、4枚目のレシート(4円レシート)を読取った際には、再び4円レートの集計処理を行う(図1(B−2)参照)。
そして、レートごとに集計された集計値に基づいて複数種類のレートに対応する景品交換を並行して行う(図1(B−3)参照)。このように、本発明に係る景品管理手法では、レシートの計数値の集計をレートごとに並行して行い、複数種類のレートに対応する景品交換を並行して行うこととした。
したがって、複数種類のレートの景品交換を行う場合であっても、迅速に景品交換処理を行うことができるとともに、従業員が行う景品交換の作業負荷を軽減することができる。なお、本発明に係る景品管理手法では、レートごとに生成した景品交換画面を同時に表示させる処理を行うが、この点については、図6等を用いて後述することとする。
以下では、図1を用いて説明した景品管理手法を適用した景品管理装置についての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例に係る景品管理装置10の構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る景品管理装置10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、景品管理装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
図2に示すように、景品管理装置10は、レシート読取部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。また、記憶部14は、計数値情報14aと、レート別情報14bと、景品交換情報14cとを記憶し、制御部15は、計数値情報取得部15aと、レート別情報集計部15bと、レート別明細生成部15cと、景品交換部15dと、景品交換情報登録部15eとをさらに備えている。
ここで、景品管理装置10の概要構成を説明するために、図3を用いて景品管理装置10の外観について説明しておく。図3は、本実施例に係る景品管理装置10の外観図である。なお、同図には景品管理装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、図示しないが、景品管理装置10からの指示に基づいて特殊景品を払出す景品払出機が接続される。
図3に示すように、遊技店の景品カウンタに設置される景品管理装置10は、レシートに記載されている交換レートおよび計数値を読取るレシート読取部11と、ディスプレイなどの表示部12と、テンキー、景品交換ボタンおよび景品払出ボタンといった操作部13とを備えている。また、表示部12は、店側表示部12aと客側表示部12bとを備えている。
景品管理装置10は、遊技客が持ち込んだ複数種類の交換レートが混在するレシートを受け付けると、従業員がレシートをバーコードリーダなどのレシート読取部11にかざすことによって、交換レートおよび計数値(以下、「計数値情報」と記載する)を読取る。
そして、景品管理装置10は、レートごとに計数値を集計し、集計されたレート別の明細を店側表示部12aおよび客側表示部12bに表示する。ここで、店側表示部12aは、対面式になっている景品カウンタの従業員側に表示される表示部12である。
一方、客側表示部12bは、遊技客側に表示される表示部12である。なお、客側表示部12bは、景品管理装置10の本体とケーブルなどによって接続されていることとしたが、店側表示部12aの背面側に併設される等、景品管理装置10と一体化した装置として構成することとしてもよい。
このように、店側表示部12aおよび客側表示部12bに表示されたレート別の明細に基づいて従業員が操作部13から景品交換の操作を行うことで、遊技客が求める景品に交換する処理が行われることとなる。
図2の説明に戻り、景品管理装置10の構成について説明する。レシート読取部11は、レシートに記載されている計数値情報を読取る。たとえば、レシートに計数値情報を示すバーコードが印字されている場合は、レシート読取部11は、バーコードを読取り、読取った情報を計数値情報取得部15aへ出力する。
表示部12は、店側表示部12aおよび客側表示部12bで構成され、レート別明細生成部15cによって生成されたレート別の明細画面を表示する。また、表示部12は、景品交換の状況をレート別に表示する。
操作部13は、テンキー、一般景品への交換を指示する複数の景品交換ボタン、特殊景品への交換を指示する特殊景品交換ボタンおよび交換処理の実行(完了)を指示する景品払出ボタンなどを備え、レート別の明細に基づいて特殊景品の払出を行い、さらに、遊技客が求める景品の交換処理の操作を受け付ける。なお、本実施例では、操作部13が備える各ボタンによって景品交換の処理操作を受け付けることとしたが、タッチパネル式の表示部12に表示されるボタンによって従業員が景品の払出の操作を行ったり、遊技客が景品の選択操作を行ったりすることとしてもよい。
記憶部14は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、計数値情報14a、レート別情報14bおよび景品交換情報14cを記憶する。計数値情報14aは、レシート読取部11で読取った交換レートおよび計数値である。
レート別情報14bは、レート別情報集計部15bによって計数値情報14aの計数値をレートごとに集計した集計値である。景品交換情報14cは、交換する景品名、景品の1個当たりの交換数および景品個数であり、レート別に登録される。なお、計数値情報14a、レート別情報14bおよび景品交換情報14cの詳細な説明については後述することとする。
制御部15は、景品管理装置10の全体制御を行う制御部である。計数値情報取得部15aは、レシート読取部11で読取った交換レートおよび計数値を取得する処理を行う処理部である。また、計数値情報取得部15aは、取得した交換レートおよび計数値を計数値情報14aとして記憶部14へ記憶させる処理を併せて行う。
レート別情報集計部15bは、一つの取引に対して、計数値情報14aの計数値をレートごとに並行して集計する処理を行う処理部である。また、レート別情報集計部15bは、レートごとに並行して集計した集計値をレート別情報として記憶部14へ記憶させる処理を併せて行う。ここで、「一つの取引」とは、複数枚のレシートを読取る際、最初のレシートが読取られてから最後のレシートが読取られるまでのことを指す。
レート別明細生成部15cは、一つの取引に対するレートごとに集計された集計値を含むレート別明細画面を生成し、表示部12へ表示させる処理を行う処理部である。
景品交換部15dは、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、特殊景品交換ボタンが押下によって、レート別に集計値に応じた特殊景品の交換数に景品個数を乗じた値の合計をレート別情報14bの集計値から減算する処理を行う処理部である。
ここで、本実施例では、特殊景品交換ボタンが押下された場合、各レートにそれぞれ対する特殊景品の交換を一度に行うものとする。しかし、所定のレートを選択してから特殊景品交換ボタンを押下することによって、特定のレートに対応する特殊景品の交換を行うこととしてもよい。
また、景品交換部15dは、遊技客が求める一般景品に対応する景品交換ボタンが押下された場合には、かかる一般景品の交換数に景品個数を乗じた値をレート別情報14bの集計値から減算する処理を併せて行う。なお、景品個数は景品交換ボタンの押下回数によって入力されたり、テンキーを使って別途入力される。また、本実施例では、指定された一般景品に対応する景品交換ボタンを押下することとしたが、一般景品の一覧等から所定の景品を選択し、景品交換ボタンを押下することとしてもよい。
また、景品交換部15dは、交換する景品名、景品の1個当たりの交換数、景品個数および集計値の残数等の情報をレート別に表示部12へ通知する処理を併せて行う。
その後、景品管理装置10は、景品払出ボタンが押下されることによって、一つの取引に対して景品の払出処理を行う。具体的には、特殊景品の場合は、景品交換部15dは、レート別に集計値に応じた特殊景品の払出を図示しない景品払出機に指示し、払出す特殊景品の交換数に景品個数を乗じた値の合計をレート別情報14bの集計値から減算する。その後、景品払出機は、景品交換部15dから受け付けた特殊景品の払出の指示に従って、特殊景品の払出を行うこととなる。また、一般景品の場合は、従業員による手作業で、景品交換の対象となっている一般景品を遊技客へ渡すこととなる。
景品交換情報登録部15eは、取引および交換レートに対応付けて景品交換部15dによって交換が行われる景品名などの景品に関する情報を景品交換情報14cとして記憶部14へ記憶させる処理を行う処理部である。
つぎに、記憶部14に記憶される計数値情報14a、レート別情報14bおよび景品交換情報14cの一例について図4〜8を用いて説明する。まず、図4は、計数値情報14aの一例を示す図である。同図に示すように、計数値情報14aは、「取引番号」項目と、「レシート番号」項目と、「レート」項目と、「計数値」項目とを含んでいる。
「取引番号」項目は、一つの取引を識別するための番号である。なお、本実施例では、「取引番号」項目には取引を識別するための番号が記憶されていることとしたが、文字や数字の組み合わせからなる文字列であってもよい。
「レシート番号」項目は、計数値およびレートが関連付けられたレシートを一意に識別するための番号である。なお、本実施例では、「レシート番号」項目にはレシートを一意に識別するための番号が記憶されていることとしたが、文字や数字の組み合わせからなる文字列であってもよい。
「レート」項目は、計数されたパチンコ玉の貸出時の交換レートである。また、「計数値」項目は、遊技店に併設される計数機によって遊技客が獲得したパチンコ玉が計数された計数値である。
つづいて、記憶部14に記憶されるレート別情報14bの一例について図5を用いて説明する。なお、以下では、レート別情報14bの説明を、既に説明した図5およびレート別明細画面の表示例を示した図6を用いつつ説明することとする。図5は、レート別情報の一例を示す図である。また、図6は、レート別明細画面表示の一例を示す図である。
図5に示すように、レート別情報14bは、「取引番号」項目と、「レート」項目と、「集計値」項目とを含んでいる。「取引番号」項目は、一つの取引を識別するための番号である。
「レート」項目は、計数されたパチンコ玉の貸出時の交換レートである。「集計値」項目は、一つの取引に対して計数値情報14aの計数値をレートごとに集計した集計値である。
ここで、景品管理装置10が、一つの取引でレシート番号が「1」、「2」、「3」および「4」である4枚のレシートを順次読取った場合について、計数値情報14aとレート別情報14bとの関連を具体的に説明する。
この場合、1枚目のレシートであるレシート番号が「1」のレシートを読取った際に、計数値情報14aには「取引番号:001、レシート番号:1、レート:4円、計数値1500個」が記憶される(図4の1行目参照)。また、レート別情報14bには、まず「取引番号:001、レート:4円、集計値1500個」が記憶され、表示部12は、まず、4円レートのレート別の明細画面を表示する(図6の(A)参照)。
そして、2枚目のレシートであるレシート番号が「2」のレシートを読取った際に、計数値情報14aには「取引番号:001、レシート番号:2、レート:2円、計数値4000個」が記憶される(図4の2行目参照)。
ここで、1枚目と2枚目のレシートのレートは異なることから、レート別情報14bには、新規に「取引番号:001、レート:2円、集計値4000個」が記憶され、表示部12は、先に表示した4円レートのレート別の明細画面とともに、2円レートのレート別の明細画面を表示する(図6の(B)参照)。
そして、3枚目のレシートであるレシート番号が「3」のレシートを読取った際に、計数値情報14aには「取引番号:001、レシート番号:3、レート:2円、計数値500個」が記憶される(図4の3行目参照)。
ここでは、2枚目と3枚目のレシートのレートは「2円」であることから、先に記憶されたレートが「2円」であるレート別情報14bの集計値に、3枚目のレシートの計数値を加算して集計された集計値が4500個(4000個+500個)に更新され(図5の2行目参照)、表示部12は2円レートのレート別の明細画面を更新する。
4枚目のレシートの際にも同様に、「4円」の計数値を集計し、レート別情報14bの集計値が2150個(1500個+650個)に更新されるとともに(図5の1行目参照)、表示部12は4円レートのレート別の明細画面を更新する。
また、図6の(B)に示した状態で、レシート読取部11で、さらに1円レートのレシートを読取ったならば、表示部12は1円レートのレート別の明細画面を新たに表示することとなる(図6の(C)参照)。ここで、レシート読取部11で読取られた所定のレシートに対して、図示しないキャンセルボタンを押下することによって所定のレシートに対するレートごとの集計処理のキャンセルを行うことができる。
なお、表示部12に表示されるレート別の明細画面のサイズや配置規則を含んだレイアウト情報を、予め記憶部14に記憶させておき、記憶部14から読み込んだレイアウト情報に基づいて各明細画面を表示させることとしてもよい。また、かかるレイアウト情報は、従業員によって設定変更が可能とすることとしてもよい。
このように、景品管理装置10は、一つの取引で読取る複数枚のレシートを順次読取り、計数値情報14aに記憶し、レシートを読取る際に、計数値の集計をレートごとに並行して行い集計値をレート別情報14bに記憶することとした。
そして、表示部12は、レート別に画面を分割して表示する。このように、レート別の明細を同時に表示することによって、遊技客に景品交換の状況を把握させることができるとともに、迅速に景品交換処理を行うことができる。
なお、本実施例では、表示部12は、複数のレート別の明細画面を分割して表示することとしたが、レートが増えることによって画面が細分され、1つのレートの明細画面が小さくなってしまい、遊技客に見えにくくなってしまう場合がある。
そこで、図6の(D)に示すように、複数の明細画面を重ねて表示することとしてもよい。この場合、各レートの明細画面を縮小することなく表示することができ、遊技客に容易に景品交換の状況を把握させることができる。この場合、最前に表示する明細画面を、従業員や遊技客の操作によって切り替えられるものとする。また、図6の(E)に示すように、複数の明細画面を重ねて表示し、明細画面上部にレートが記載されたタブを備えるようにしてもよい。そして、所定レートのタブが押下されることによって、所定レートの明細画面を最前に表示するよう、表示画面の切り替えを行うこととしてもよい。
つぎに、記憶部14に記憶される景品交換情報14cの一例について図7を用いて説明する。なお、以下では、景品交換情報14cの説明を、既に説明した図7およびレート別景品交換明細の表示例を示した図8を用いつつ説明することとする。図7は、景品交換情報14cの一例を示す図である。また、図8は、レート別景品交換明細表示の一例を示す図である。
図7に示すように、景品交換情報14cは、「取引番号」項目と、「レート」項目と、「景品名」項目と、「交換数/個」項目と、「個数」項目とを含んでいる。
「取引番号」項目は、一つの取引を識別するための番号である。「レート」項目は、景品交換を行う際のレート、すなわち、計数されたパチンコ玉の貸出時の交換レートである。
「景品名」項目は、景品交換ボタン、または、特殊景品交換ボタンを押下することによって指定された景品名、すなわち、景品交換の対象となる景品名である。「交換数/個」項目は、景品名に対応する1個当たりの交換数である。「個数」項目は、交換対象となる景品の景品個数である。このように、景品交換情報14cには、交換を行う景品の内訳が記憶されることとなる。
また、図8に示すように、一つの取引で受け付けるレシートに、4円レートおよび2円レートの複数種類の交換レートが混在する場合、表示部12は、レート別に画面を分割して表示する。
さらに、表示部12は、各レートの画面下部域に、操作ボタンを表示する。なお、操作ボタンは、「レート別確定」ボタン、「全部確定」ボタン、「レート別取消(全部)」ボタンおよび「レート別取消(一部)」ボタンで構成される。
「レート別確定」ボタンが押下されると、景品管理装置10は、対象レートの景品交換処理を確定して実行する。「全部確定」ボタンが押下されると、景品管理装置10は、全てのレートの景品交換処理を確定して実行する。
「レート別取消(全部)」ボタンが押下されると、景品管理装置10は、対象レートの景品選択を全て取り消す。その後、遊技客によって対象レートの景品の選択操作が再度行われることとなる。
「レート別取消(一部)」ボタンが押下されると、景品管理装置10は、対象レートの景品選択の一部を指定して取り消す。これにより、遊技客は表示レートの景品の変更を行うことができる。なお、操作部13にも、上述した機能を有する各ボタンが設置される。
そして、表示部12は、それぞれのレートに対応付けられた集計値、交換を行う景品の内訳および残数等の最新の情報を表示し、特殊景品については、景品個数を全レート分合算した合計値を表示することとしてもよい。
たとえば、特殊景品の場合は、図5のレート別情報14bを例に、レートが「4円」の集計値が「2150個」であり、レートが「2円」の集計値が「4500個」であった場合の景品交換情報14cについて説明する。
この場合、まず、景品交換部15dは、特殊景品交換ボタンが押下されたことによって4円レートで交換する特殊景品大1個と特殊景品中2個を景品交換の対象とし、景品交換情報登録部15eは、かかる特殊景品に対応する景品交換情報14cを記憶する(図7の1、2行目参照)。
さらに、景品交換部15dは、2円レートで交換する特殊景品大1個と特殊景品中2個と特殊景品小1個とを景品交換の対象とし、景品交換情報登録部15eは、かかる特殊景品に対応する景品交換情報14cを記憶する(図7の4〜6行目参照)。そして、図8に示すように、表示部12は各レートの景品交換情報14cおよび残数を表示する。
その後、従業員により4円レートのライターに対応する景品交換ボタンが押下されると、景品交換情報登録部15eは、ライター1個を景品交換の対象に追加する(図7の3行目参照)。両方のレートに残数がある場合は、交換対象とするレートを選択した上で、景品交換ボタンを押下すればよい。このとき、選択されたレートの表示画面の色が変わり、交換対象であることが明示される。
そして、図8に示すように、表示部12は4円レートのレート別景品交換明細にライターを追加し、再算出された残数を含めた最新の情報を表示することとなる。また、表示部12は図8の上部に示すように、4円および2円の特殊景品の景品個数の合計値を表示する。ただし、4円レートと2円レートとで交換率が異なり、4円レート用の特殊景品と2円レート用の特殊景品とが別物となる場合は、合計値の表示は行わないものとする。
このようにして、景品管理装置10では、残数が端数になるまで、すなわち、残数が遊技店内に備える景品の最低交換数より少なくなるまで景品交換を繰り返すことになる。なお、景品管理装置10は、端数については切り捨てるものとする。
つぎに、上記した景品管理装置10が実行する処理手順について図9〜図10を用いて説明する。なお、図9では景品管理処理手順について、図10では景品交換処理手順について、それぞれ説明する。
図9は、景品管理装置10が実行する景品管理処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、遊技客が持ち込んだ複数種類の交換レートが混在するレシートを受け付けると、従業員がレシートをレシート読取部11にかざすことによって、レシート読取部11はレシートに記載されている計数値情報を読取る(ステップS101)。
計数値情報取得部15aは読取った計数値情報から交換レートを取得する(ステップS102)。そして、レート別情報集計部15bは取得レートの画面が表示されているか否かを判定する(ステップS103)。
取得レートの画面が既に表示されていると判定された場合(ステップS103,Yes)、レート別情報集計部15bは取得レートに対応するレート別情報14bにステップS101で読取った計数値情報の計数値を加算する(ステップS104)。
そして、レート別明細生成部15cは取得レートのレート別明細画面を更新するとともに、表示部12はレート別明細生成部15cが更新したレート別明細画面を再表示する(ステップS105)。
一方、取得レートの画面が表示されていないと判定された場合(ステップS103,No)、レート別情報集計部15bは取得レートに対応付けてステップS101で読取った計数値情報の計数値をレート別情報14bに登録する(ステップS106)。
そして、レート別明細生成部15cは取得レートのレート別明細画面を生成するとともに、表示部12はレート別明細生成部15cが生成したレート別明細画面を表示する(ステップS107)。
その後、遊技客が持ち込んだレシートのうち未処理のレシートがあるか否かを判定する(ステップS108)。そして、未処理レシートがあると判定された場合(ステップS108,Yes)、未処理レシートがなくなるまでステップS101〜ステップS108までの処理を繰り返す。
一方、未処理レシートがなくなったと判定された場合(ステップS108,No)、景品管理装置10は景品交換処理を行い(ステップS109)、処理を終了する。つづいて、図9のステップS109に示した景品交換処理の詳細な処理手順について図10を用いて説明する。
図10は、景品管理装置10が実行する景品交換処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、景品管理装置10は特殊景品交換ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS201)。
そして、景品交換部15dは特殊景品交換ボタンが押下された場合、特殊景品の交換処理の指示を受け付けたと判定し(ステップS201,Yes)、レート別の集計値に応じて全レートの特殊景品の景品個数を決定する(ステップS202)。
つづいて、景品交換部15dはレート別に特殊景品の交換数に景品個数を乗じた値の合計をレート別情報14bの集計値から減算し、残数の算出を行い(ステップS203)、景品交換情報登録部15eは景品個数を決定した特殊景品に対応する景品交換情報14cを登録する(ステップS204)。そして、表示部12は特殊景品の交換を行ったレートの明細画面を更新し(ステップS205)、ステップS211へ処理を移行する。
一方、景品交換部15dは特殊景品交換ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS201,No)、従業員または遊技客によって操作部13から遊技客が求める所定のレートの景品の選択操作を受け付ける(ステップS206)。さらに、従業員または遊技客によって選択された景品の景品個数の設定が行われる(ステップS207)。
そして、景品交換部15dは払出を行う景品の交換数に景品個数を乗じた値を所定のレートに対応するレート別情報14bの集計値から減算し、残数の算出を行い(ステップS208)、景品交換情報登録部15eは選択された景品の景品交換情報14cを登録する(ステップS209)。
つづいて、表示部12は所定のレートに対応する明細画面を更新し(ステップS210)、ステップS211へ処理を移行する。
ステップS211では、景品管理装置10は景品払出ボタンが押下されたか否かを判定する。景品管理装置10は景品払出ボタンが押下された場合、景品選択の処理が終了したと判定し(ステップS211,Yes)、選択された景品の払出を行い(ステップS212)、景品交換処理を終了する。
一方、景品払出ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS211,No)、景品管理装置10では、景品払出ボタンが押下されるまでステップS201〜ステップS205またはステップS201〜ステップS210までの処理を繰り返す。
上述してきたように、本実施例では、レシート読取部11がレシートに記載されている計数値情報を読取り、レート別情報集計部15bが一つの取引で読取る複数のレシートに含まれる計数値の集計をレートごとに並行して行うこととした。
また、レート別明細生成部15cは一つの取引に対するレートごとの集計値を含むレート別明細画面を生成し、景品交換部15dは並行して複数レートの計数値に対応する景品交換処理を行うこととした。
したがって、本発明に係る景品管理装置および景品管理方法では、複数種類のレートの景品交換を行う場合であっても、迅速に景品交換処理を行うことができるとともに、従業員が行う景品交換の作業負荷を軽減することができる。
なお、本発明請求項記載の景品管理装置は景品管理装置10、計数値情報取得手段は計数値情報取得部15a、レート別情報集計手段はレート別情報集計部15bの一例として挙げられる。
なお、上述した実施例では、景品交換処理は、一つの取引中にレート別の集計値に応じて全レートの特殊景品の景品個数を決定し、一般景品は所定のレートの景品交換明細から景品の選択を行うこととした。
しかし、一つの取引中にレートごとに順次以下の処理を行うこととしてもよい。まず、景品管理装置が所定のレートの特殊景品の景品個数を決定し、遊技客が所定のレートの景品交換明細から一般景品の選択を行う。
そして、たとえば、レートごとに設ける景品交換終了ボタンを従業員が押下することによって一つのレートの景品交換処理を確定させ、別のレートの景品交換処理を行う。ここで、景品交換処理が終了していない場合は、その旨をメッセージで表示したり、アイコンを点滅させたりすることによって、従業員および遊技客に報知することとしてもよい。そして、全てのレートの景品交換処理の確定が終了した時点で、従業員が景品払出ボタンを押下することによって、全レートに対応付けられた景品の払出を行うこととしてもよい。
ここで、景品払出ボタンを押下する前であれば、景品交換処理を確定させたレートに対して、キャンセルまたは変更することができる。たとえば、4円レートの選択を全てやり直す場合は、従業員は表示部12または操作部13の「4円取消(全部)」ボタンを押下する。「4円取消(全部)」ボタンが押下された景品管理装置10は、4円レートの景品選択を全て取り消す。
そして、景品管理装置10は、4円レートの明細画面を「処理中」であることを示す色に変更するとともに、選択内容を全て消去し、残数が総数と同数に変更する。その後、従業員または遊技客によって4円レートの景品の選択操作が改めて行われることとなる。
また、4円レートの選択のうち一部の景品を変更する場合は、従業員は表示部12または操作部13の「4円取消(一部)」ボタンを押下する。「4円取消(一部)」ボタンが押下された景品管理装置10は、4円レートの景品交換明細画面を「処理中」であることを示す色に変更する。
そして、景品管理装置10は、従業員によって表示部12の変更する景品名が押下されると、押下された景品の選択を消去し、消去した景品の交換数に景品個数を乗じた値を残数に加算し、表示部12に再表示する。その後、従業員または遊技客によって4円レートの景品の選択操作が改めて行われることとなる。このように、レートごとに順次景品交換および変更処理を行うことで、遊技客がいずれのレートの景品交換を行っているか等の交換状況を把握することができる。
また、上述した実施例では、レシート読取部11が計数値の関連付けられた複数枚のレシートのバーコードを読取り、計数値情報取得部15aが交換レートおよび計数値を取得することとした。
しかし、近年では、遊技者が獲得した遊技媒体を遊技台ごとに計数し、計数した遊技媒体の計数値を、会員カードやビジターカード等(ICカードや磁気カード)の記録媒体や携帯端末に関連付けることが行われるようになってきている。
そこで、計数値が関連付けられた会員カード、ビジターカードおよび携帯端末の識別子を読取ることができる識別子読取部を景品管理装置に設け、景品管理装置は識別子読取部で読取った識別子に基づいて交換レートおよび計数値を取得することとしてもよい。
これにより、計数機を設置するコストや、計数機によって遊技客が獲得した遊技媒体を計数した計数値および交換レートを記載するレシートの発行にかかるコストの大幅な削減を図ることができる。
また、上述した実施例では、島端に設定される計数機からレシートが発行されるコーナーと、遊技台ごとに配置される計数機からビジターカード等が発行されるコーナーとが混在する営業形態であれば、景品管理装置が両方の読取手段(バーコードリーダと識別子読取部)を備え、それぞれの読取手段が読み取った結果をレート別に加算して処理できるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、景品管理装置で景品交換処理を行い、端数となった残数は切り捨てることとしたが、会員カード、ビジターカードおよび携帯端末等に残数を関連付けることとしてもよい。これにより、会員カード、ビジターカードおよび携帯端末等に関連付けられている残数によって、遊技客が再度遊技を行うことができる。
また、上述した実施例では、レシートには、交換レートおよび計数値を計数値情報として記載されていることとしたが、計数機の号機および計数値を記載することとしてもよい。また、遊技台ごとに計数機が設置されるシステムにおいては、計数機自体の号機情報に代えて、隣接される遊技台の識別子(以下、「台番号」と記載する)および計数値を記載することとしてもよい。
この場合、記憶部14に号機情報または台番号と関連付けて交換レートを交換レート情報として記憶させておく。そして、レシート読取部11経由で計数値情報取得部15aが台番号を取得した際に、台番号に基づいて交換レート情報を検索することによって交換レートを取得することとしてもよい。なお、交換レート情報は、記憶部14に記憶させてもよいし、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で接続されている他の管理装置の記憶部に記憶させてもよい。
また、上述した実施例では、レシートには、交換レートおよび計数値を計数値情報として記載されていることとしたが、レシート番号のみを記載し、レシート発行時にレシート番号に関連付けて交換レートおよび計数値を景品管理装置10で管理することとしてもよい。これにより、景品交換時には、レシート番号のみを読取って交換レートと計数値を取得して交換処理を行うこととなる。
また、上述した実施例では、貸出レートに基づいて区分けしたが、等価交換でない場合には、買取る際のレート(以下、「交換レート」と記載する)に基づいて区分けすることとしてもよい。たとえば、同じ4円で貸し出された遊技媒体であっても、遊技コーナーによって交換レートが4円(等価)および3.5円のように異なる場合には、交換レートに基づいて区分けしてもよい。
また、上述した実施例では、図9の景品管理処理手順を示すフローチャートにおいて、ステップS103では、画面表示に着目したが、記憶部14のレート別情報14bに基づいて処理を行うこととしてもよい。
たとえば、ステップS103に代わり、レート別情報集計部15bは取得レートのレシートが既に読取られているか否かを判定し、取得レートのレシートが既に読取られている場合は、ステップS104へ処理を移行し、取得レートのレシートがまだ読取られていない場合は、ステップS106へ処理を移行することとしてもよい。
また、上述した実施例では、表示部12は複数のレート別の明細画面を分割して表示することとしたが、レート別に明細画面の背景を変えたり、レート別に明細画面の表示フォントを変えたりすることとしてもよい。さらに、景品交換処理を行っているレートの明細画面の背景や表示フォントを変えることとしてもよく、これにより、遊技客が容易に交換状況を把握することができる。
また、上述した実施例では、遊技店の景品カウンタに設置される景品管理装置に適用する例を説明したが、遊技店内に設置される遊技客によって景品交換を行うセルフサービス型の景品管理端末(KIOSK端末)にも同様に適用することができる。
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合、または、パチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。