JP5576588B2 - 食肉脂肪酸含有量測定装置 - Google Patents

食肉脂肪酸含有量測定装置 Download PDF

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本願の発明は、食肉脂肪酸含有量測定装置に関する。
牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉には、多くの場合、格付け制度や等級等の制度があり、品質に応じた評価がなされた上で流通されている。このような評価は、検査員の目視等による主観的なものが多く、検査装置を使用した科学的な評価はあまり試みられていない。
例えば、豚肉については、脂肪の質の評価が重要な評価項目となっている。脂質の評価には、脂肪酸の含有量を理化学的に評価することが有効と考えられるが、理化学的評価には、試料採取や設備が必要になり、多大なコストと時間が必要になる。このため、食肉流通の現場における運用には適さないと考えられている。
本願の発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、食肉の含有脂肪酸を、非破壊で簡易且つ迅速に、そして低コストで測定することができる測定装置を提供する意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、食肉の含有脂肪酸量を測定する装置であって、
少なくとも700nm以上1000nm以下の波長の光を発する光源と、
試料である食肉の表面に光が照射されるように光源を保持するホルダーと、
光源からの光が照射された食肉の内部での反射光及び又は散乱光が入射する位置に入射端が配置された光ファイバと、
反射光及び又は散乱光を光ファイバの入射端に入射させるための取り込み用の光学系と、
光ファイバの出射端から出射される光が入射する位置に配置された回折格子より成る分光器と、
分光器で分光された光の強度を検出する検出器と、
検出器で検出された光の強度から脂肪酸量を算出する算出プログラムがインストールされたコンピュータと、
コンピュータによる算出結果を出力する出力部と
を備えており、
前記分光器、検出器、コンピュータ及び出力部は、装置本体の構成要素として設けられており、
前記取り込み用の光学系は、プローブの構成要素として設けられており、
前記光ファイバは、装置本体とプローブとをつないだフレキシブルケーブルの構成要素として設けられていてプローブ内には分光器及び分光された光の検出器は設けられておらず、
プローブは、平坦な底板部を有する筐体を備えており、底板部には測定用開口が設けられており、前記光源は測定用開口を通して試料に光を照射するものであって前記取り込み用の光学系は測定用開口を通して前記試料である食肉からの前記反射光及び又は散乱光を取り込んで前記光ファイバに入射させるものであり、
プローブには、前記試料である食肉の表面に底板部を当接させながらプローブを把持するための把持部が形成されており、
前記取り込み用の光学系の光軸である取り込み用光軸は、前記底板部が成す平面に対して垂直に交差しており、
前記ホルダーは、前記光源の光軸が前記底板部が成す平面の法線に対して30度以上35度以下となるよう前記光源を保持するものであり、前記光源の光軸は、前記光源の発光部の中心から最も高い指向性で光が発せられる方向に延びる仮想的な線であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記光源は複数設けられており、
各光源は、前記食肉の表面に垂直に交差する取り込み用光軸と同軸の円周上に設けられていて、各光源の光軸は、取り込み用光軸上の同一の点で交差しており、
前記筐体は、各光源及び前記光ファイバの入射端を内部に収納したものであり、
前記各光源の光軸が交差する取り込み用光軸上の点が、前記筐体外に位置するとともに、前記試料である食肉の表面に前記筐体の底板部を当接させた際に当該食肉の内部に位置するよう前記各光源の光軸が設定されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記筐体内において、前記取り込み用光軸上には、前記食肉からの光を集光して前記光ファイバの入射端に入射させる集光レンズが設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記光源は、光出射端がレンズ状になっているレンズランプであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願発明によれば、食肉の含有脂肪酸量を、非破壊で簡易に且つ迅速に測定することができる。また、食肉の断層写真等を撮って測定したりする場合に比べると、装置のコスト安価である。さらに、取り込み光軸が光源の光軸に対して30〜35度であるので、食肉試料の表面反射光が検出器に多く入射することがなくなる。このため、測定精度が高くなる。
また、請求項2の発明によれば、上記効果に加え、複数の光源が設けられているので、表面反射の問題を避けつつ光量不足の問題が回避できる。
また、請求項3の発明によれば、上記効果に加え、食肉からの光が集光レンズで集光されて光ファイバに入射するので、測定精度や測定効率が高められる。
また、請求項4の発明によれば、上記効果に加え、光源は光出射端がレンズ状になっているレンズランプであるので、小さなスポットに光を照射して測定精度や測定効率を高めることができる。
次に、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について説明する。
まず、近赤外域の光による食肉脂肪酸の含有量測定について説明する。本願発明者らの研究によると、700〜1000nm程度の近赤外域の領域の光について光吸収と含有脂肪酸量が精度良く相関する。したがって、700〜1000nm程度の近赤外線を食肉試料に照射し、反射光及び又は散乱光(以下の説明において、まとめて反射光と呼ぶ)の強度を知ることで相対的に光吸収率を知り、これによって照射箇所の部位の含有脂肪酸量を知ることができる。
図1は、豚肉試料からの反射光のスペクトルに従って光吸収の分光分布を調べた結果の図である。図1に示す測定では、市販の近赤外分光装置(NIRS6500型,ノイズレベル12μAbs)を使用し、25個の豚肉試料について400〜2500nmの光を照射してそこからの光吸収のスペクトル分布を調べ、た。
図1に示すように、25個の豚肉試料は含有脂肪酸量が異なるので、光吸収量はばらついているが、いずれの場合も、波長900〜950nm付近に強い吸収のピークが現れており、含有脂肪酸量との強い相関が認められた。
図1に示す結果に基づき、発明者らは、検量線を作成し、ノイズ量と推定誤差との関係を求めた。この結果を、図2に示す。図2は、図1に示すデータからノイズ量と推定誤差との関係を求めた結果の図である。図2に示す結果から、豚肉試料の含有脂肪酸量の測定には、70μAbs以下のノイズレベルが適していると判断された。
発明者らは、このような知見に基づき、以下のような構成に係る食肉含有脂肪酸測定装置を製作した。図3は、製作された本願発明の実施形態に係る食肉含有脂肪酸量測定装置の斜視概略図、図4は、図3に示す装置の概略構成を示したブロック図である。図3及び図4に示す装置は、食肉の含有脂肪酸量を測定する装置である。
この装置は、少なくとも700nm以上1000nm以下の波長の光を発する光源1と、試料である食肉の表面に光源1からの光が照射されるように光源1を保持するホルダー2と、光源1からの光が照射された食肉からの反射光が入射する位置に入射端が配置された光ファイバ3と、光ファイバ3の出射端から出射される光が入射する位置に配置された分光器4と、分光器4で分光された光の強度を検出する検出器5と、検出器5で検出された光の強度から脂肪酸量を算出するプログラムがインストールされたコンピュータ6と、コンピュータ6による算出結果を出力する出力部71とを備えている。
図3に示すように、装置は、装置本体8とプローブ9とを備えている。そして、フレキシブルケーブル30が装置本体8とプローブ9とをつなぐようにして設けられており、光ファイバ3はこのフレキシブルケーブル30内に収められている。装置本体8内には、分光器4、検出器5、コンピュータ6の他、データ処理回路81やインターフェース82等が設けられている。
図5及び図6は、図3に示すプローブ9の断面概略図であり、図5は正面断面概略図、図6は平面断面概略図である。図1に示すように、プローブ9は、把持部91と、把持部91の先端に設けられた筐体92とを備えている。
把持部91は、測定の際に操作者が手で持つ部位である。把持部91には、測定開始の操作のためのスイッチ911が設けられている。また、筐体92は、内部に光源1や光ファイバ3の入射端が設けたものである。尚、「プローブ」とは言っても、食肉の内部に突き刺して測定するものではなく、単に食肉の表面に当接させて測定をするものである。したがって、「測定ヘッド」のような呼び名で呼ぶこともできる。
筐体92は、図3に示すように高さの低い円筒状である。筐体92の底板部の中央には、測定用開口93が形成されている。測定用開口93の上方であって筐体92の中心軸上には、直角プリズム94が設けられている。光ファイバ3の入射端は、直角プリズム94と同じ高さの位置に設けられている。尚、測定用開口93には、筐体92内の汚染を防止するために光学窓が必要に応じて嵌め込まれる。光学窓には、上記使用波長の光を十分に透過する光学ガラスが使用される。
筐体92内には、試料としての食肉(食肉試料)に対して光を照射する際の光軸(以下、照射光軸)A1と、光照射された食肉試料からの光を取り込む際の光軸(以下、取り込み光軸)A2とが設定されている。取り込み光軸A2は、直角プリズム94の全反射面の中心を通る軸であり、光ファイバ3の入射端の中心からその入射端に垂直に延びる線に一致した軸である。
また、取り込み光軸A2上には、集光レンズ95が設けられている。集光レンズ95は、食肉試料からの光を集光して光ファイバ3に入射させることで測定精度や測定効率を高めるためのものである。取り込み光軸A2は、測定用開口93から筐体92と同軸上に上方に延び、直角プリズム94によって直角に折れ曲がって光ファイバ3の入射端に達している。尚、光ファイバ3は、筐体92の側部を貫通して設けられている。尚、直角プリズム94や集光レンズ95は、反射光を光ファイバ3に取り込むための光学系を構成している。
本実施形態では、複数の光源1が用いられており、具体的には五つの光源1が用いられている。従って、照射光軸A1は五つ設定されている。図3及び図4から解るように、各光源1は、取り込み光軸A2と同軸の円周上に設けられている。五つの光源1は等間隔(即ち72度間隔)である。
光源1としては、上記使用波長範囲の光を発する高輝度の点光源1であることが好ましく、本実施形態ではハロゲンランプが使用されている。この他、クリプトンランプ等も使用できる場合がある。また、小さなスポットに光を照射して測定精度や測定効率を高める観点から、封体の先端(光出射端)がレンズ状になっているレンズランプが好適に用いられる。五つ設けられているので、5V程度の定格電圧のレンズランプを用いると良い。
本実施形態の大きな特徴点は、取り込み光軸A2が試料として食肉試料の表面に対して垂直なのに対し、照射光軸A1が食肉試料Mの表面Sの法線に対して30〜35度となっている点である。本実施形態では、プローブ9は、測定の際、筐体92の中心軸が食肉試料Mの表面Sに対して垂直になる姿勢とされる。食肉試料の表面が平坦面であり、筐体92の下端面を食肉試料の表面に当接させることで、これは満足される。したがって、食肉試料の表面の法線は、筐体92の中心軸に一致しており、直角プリズム94までの部分において取り込み光軸A2に一致している。照射光軸A1は、この中心軸に対して30〜35度を成すようになっている。
図7は、光源1を保持するホルダー2の斜視概略図である。ホルダー2は、上記角度で各光源1を保持するものとなっている。ホルダー2は全体としては円板状の部材であり、筐体92内に水平な姿勢で設けられている。ホルダー2には、光源1を保持するための保持孔20が五つ設けられている。また、直角プリズム94を配置したり、集光レンズ95を配置したりするための切り欠き21が形成されている。
光源1は、全体としては円筒形のロッド状となっている。この光源1では、円筒の中心軸が照射光軸A1となっている。ホルダー2は、各保持孔20に光源1を挿通させた状態で保持するするものである。保持した各光源1の中心軸が、上記角度になるよう各保持孔20が形成されている。尚、ホルダー2には、各保持孔20に挿通された光源1が上記角度を保持するよう光源1を固定する不図示の固定具が設けられている。
各光源1は、それぞれの光軸が筐体92の中心軸に向かう状態で斜めに配置されている。即ち、各光軸A1は、筐体92の中心軸上の同一の点Pで交差している。この光軸が交差する点Pは、筐体92の下方位置であり、測定状態で食肉試料Mの内部である。以下、この点Pを測定点と呼ぶ。
尚、装置本体8内には、各光源1への給電回路83が設けられている。給電回路83と各光源1は、給電ケーブル84で接続されている。光ファイバ3と給電ケーブル84を一つのフレキシブルケーブル30として束ねられている。
分光器4は、使用波長範囲において光を必要な分解能で分解できるものである。分光器4としては、回折格子を使用したものが好ましく、リトロー型、チェルニー−ターナー型、ファスティー−エバート型など、任意のものを採用し得る。
検出器5は、分光器4で分光された光を受光し、電気信号に変換するものである。本実施形態では、検出器5にはリニアアレイセンサが使用されており、回折格子の掃引無しに使用波長範囲で光電変換されるようになっている。また、測定精度を高めるには、雑音レベルに対して測定有効光(意味のある光の量)の受光量を充分に大きくすることが重要であり、このため、飽和受光量の大きなシリコンリニアセンサ等を検出器5として用いることが望ましい。
検出器5とコンピュータ6は、データ処理回路81及びインターフェース82を介して接続されている。データ処理回路81は、増幅、A/D変換等のデータ処理を行う回路となっている。インターフェース82は、処理されたデータをコンピュータ6に取り込むためのもので、USBインターフェース等、適宜選択して採用し得る。
コンピュータ6は、マイクロプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ等を備えたものである。本実施形態では、出力部71はコンピュータ6が備えるディスプレイとなっている。また、別の出力部72として、コンピュータ6はプリンタを備えている。
また、コンピュータ6のメモリには、測定用のソフトウェアがインストールされている。このソフトウェアには、データ処理回路81及びインターフェース82を介して送られたデータから含有脂肪酸量を算出する算出プログラムが含まれている。
次に、このような実施形態の装置を使用した食肉含有脂肪酸量の測定について説明する。
図8は、実施形態の装置を使用して豚肉試料の含有脂肪酸量を測定した結果の図である。図8に示す測定では、図1と同じく25個の豚肉試料について反射光スペクトルを測定した。この際、得られたスペクトルデータについて、Savitzky Golay2次微分を行い、PLS解析を行った。Savitzky Golay2次微分やPLS解析は、コンピュータ6にインストールしたプログラムで行ったが、データ処理回路81によってハードウェア的に行うようにする場合もある。
図8において、斜めに延びる直線が検量線である。図8の横軸は、700〜1000nmの波長域の光の吸収率、縦軸は含有脂肪酸量である。図8に示すように、得られたデータは検量線上にほぼ乗っており、相関は0.988、標準偏差1.41%という高い精度が得られることが解った。尚、測定に要した時間は2秒という短時間であった。
実際の測定では、図8に示す検量線に従って含有脂肪酸量を算出する算出プログラムによって脂肪酸量の絶対値を算出するようにする。即ち、脂肪酸含有量が別の方法で測定されて予め既知である食肉試料Mについて、実施形態の装置を使用して同様に測定を行い、得られたデータを算出の基準値として算出プログラムに組み込んでおく。算出プログラムは、基準値と検量線に従って含有脂肪酸量を算出するようプログラミングされる。尚、基準値は、必要に応じて定期的に校正(キャリブレート)される。
本実施形態の装置によれば、食肉の含有脂肪酸量を簡易に迅速に測定することができる。また、プローブ9を試料に当てるだけで測定することができ、プローブ9を試料内部に突っ込むようなことは不要である。つまり、非破壊で測定ができる。さらに、食肉の断層写真等を撮って測定したりする場合に比べると遙かに簡易であり、装置のコストも安い。
また、上記実施形態の装置では、上記の通り、試料表面に対して垂直な取り込み光軸A2に対して斜めに照射光軸A1を設定しているため、より精度の高い測定が行えるようになっている。以下、この点を説明する。
発明者らは、上記実施形態の装置を製作する過程で、照射光軸A1と取り込み光軸A2とがほぼ同じである構成のプローブ9を備えた装置を製作した。この装置では、照射側も光ファイバ3を用いたものとなっており、光源1からの光を光ファイバ3を導き、試料表面に対してほぼ法線の方向から照射する構造であった。取り込み用の光軸も、試料表面に対してほぼ法線の方向であった。
このような構造のプローブ9で測定したところ、試料表面の形状に依存したスペクトルが得られるだけで、内部の含有脂肪酸量を反映したスペクトルは得られなかった。一方、上記のように光源1を傾けて配置し、照射光軸A1を試料表面の法線に対して30度程度の角度をつけると、脂肪酸に起因するピークがはっきりと認められるようになった。この点を確認した結果を示したのが、図9である。即ち、図9は、照射光軸A1の角度が測定に与える影響について調べた結果を示した図である。図9には、二つの豚肉試料について、照射光軸A1が試料表面の法線に対して30度のプローブ9を使用して測定したデータ(実施形態のデータ)と、照射光軸A1が試料表面の法線にほぼ一致しているプローブ9を使用して測定したデータ(参考例のデータ)が示されている。図9中、「角度付きプローブ」とあるのが実施形態のデータであり、「反射型プローブ」とあるのが参考例のデータである。図9に示すように、実施形態の装置によれば、含有脂肪酸による反射光のピークがはっきりと現れるので、ある程度のノイズがあっても十分な精度で測定が行える。
図9に示すような実施形態の装置の優秀性は、光を斜めに当てていることほか、複数の照射光軸A1が食肉試料内部で交差するようになっていることにもよる。以下、この点について図10を使用して説明する。図10は、実施形態の装置におけるプローブ9の作用について示した図である。
図10(1)に示すように、取り込み光軸A2は、試料表面に対して垂直である。集光レンズ95や直角プリズム94は、この光軸A2上に配置されている。照射光軸A1は、図7から解るように本実施形態では五つ設定されている。これら照射光軸A1はいずれも取り込み光軸A2に対して30度の角度を成しており、取り込み光軸A2上の同一点Pにおいて交差している。この交差点Pは、図10(1)に示すように、プローブ9の外側となっている。即ち、測定用開口93が設けられた底板部を試料表面に当接させた状態では、交差点は、食肉試料内部に位置した状態となる。
このような実施形態の構成において、五つの光源1から発せられた光は、試料表面に一部が反射するものの、残りの光は試料内部に進入する。進入した光は、試料中の肉組織に反射、散乱又は吸収されながら進む。そして、反射又は散乱された光(以下、測定有効光)の一部は、試料表面から出て取り込み光軸A2に沿って進み、直角プリズム94及び集光レンズ95を経て光ファイバ3に入射する。入射した光は、前述したように検出器5で検出され、含有脂肪酸量が算出される。
このような測定の際、光源1からの光は交差点Pの付近に集まるようにして照射されるため、交差点Pの付近で光の反射や散乱が効率良く生じる。このため、含有脂肪酸量の測定に有効な光を多く取り込むことができ、ノイズに対して高いレベルの測定有効光信号を得ることができる。このため、測定精度が高くなる。
また、図10(1)に示すように、照射光軸A1が取り込み光軸A2に対して傾けられているために、光が試料表面Sで反射しても、取り込み光軸A2に沿って進んで光ファイバ3に入射してしまうものは少ない。即ち、検出器5に入射する光の成分のうち、試料表面Sでの反射光の割合が少なくなっている。この点も、精度の高い測定に貢献している。
一方、図10(2)に示すように、照射光軸A1及び取り込み光軸A2がともに試料表面に対してほぼ垂直であると、試料表面Sに反射した光の多くが取り込み光軸A2に沿って進み、不図示の検出器5に入射することになる。このため、試料内部での反射光の量に対して相当量の表面反射光が検出器5に入射することになってしまい、極端に測定精度が低くなってしまうか測定不能となってしまう。
実施形態の方法は、照射光軸A1を斜めに設定することで表面反射の問題を避けつつ、複数の光源1を用いることによって光量不足の問題を回避した方法と言える。但し、より高輝度の光源1を用いるようにして一つの光源1のみで実施することも可能である。
発明者らの研究によると、上記照射光軸A1の角度は、試料表面の法線に対して30〜35度の角度とすることが好ましい。35度より大きい角度であると、試料表面での反射光が光ファイバ3の入射端に入射して有効光に混ざってしまう量が多くなり、測定精度が低下してしまう。また、30度より小さいと、食肉試料Mの内部に進入する光が少なくなってしまい、結果的に測定有効光が減ってやはり測定精度が低下してしまう。
また、本願発明において、「光源」とは通常より広い意味であり、光が放出される所という程度の意味である。したがって、光ファイバ3の出射端も「光源」である。即ち、プローブ9とは別の場所(たとえば装置本体8内)に設けたランプからの光を光ファイバ3で導くようにし、その光ファイバ3の出射端をプローブ9内に設けるようにしても良い。この場合、複数の光源1と複数の光ファイバ3を用いてもよく、一つの光源1からの光を導く光ファイバ3の出射側の複数に分岐させたものを用いても良い。
尚、複数の光源を用いる場合、光源の数は五つでなくともよく、二つ以上の任意の数とし得る。また、光源を三つ、五つ、七つと奇数にしておくと、上記実施形態のように、隣り合う光源1の間の位置に取り込み用光軸A2を設定したり、光学系の要素を配置したりすることができるので、都合が良い。但し、複数の光源が配置された平面からずらして(上又は下に)取り込み用光軸を設定したり、光学系の要素を配置したりすることもでき、この場合は、偶数個の光源でも不都合はない。
上記実施形態の説明において、照射光軸A1とは光源1の光軸のことであるが、光源1の発光分布において最も指向性の高い方向性を言うと定義できる。より厳密には、光源1の発光部の中心から最も高い指向性で光が発せられる方向に延びる仮想的な線が照射光軸A1ということになる。光ファイバ3の出射端から光が放出される場合には、出射端の中心から出射端に対して垂直に延びる仮想線が照射光軸A1ということになる。尚、光ファイバ3は多数の素線が束ねられている場合が多いが、この場合は、多数の素線で形成された出射端全体の中心から垂直に延びる仮想線が照射光軸A1ということになる。
上記実施形態では、700〜1000nmの波長域の光の吸収率から含有脂肪酸量を算出したが、発明者らは、1100nm程度までの波長域において、光吸収率と含有脂肪酸量とが精度良く相関することを確認しており、700〜1100nmまでの光の吸収率に従って含有脂肪酸量を算出しても良い。
尚、上記説明では、豚肉試料の含有脂肪酸量を測定したが、豚肉以外の各種食肉についても同様に実施できる。
また、本実施形態におけるプローブ9は、試料表面に当接させるだけで測定を行うものであったが、先の鋭利な形状のプローブを用い、試料中に刺し込んで測定するタイプのものであっても良い。
豚肉試料からの反射光のスペクトルに従って光吸収の分光分布を調べた結果の図である。 図1に示すデータからノイズ量と推定誤差との関係を求めた結果の図である。 製作された本願発明の実施形態に係る食肉含有脂肪酸量測定装置の斜視概略図である。 図3に示す装置の概略構成を示したブロック図である。 図3に示すプローブ9の正面断面概略図である。 図3に示すプローブ9の平面断面概略図である。 光源1を保持するホルダー2の斜視概略図である。 実施形態の装置を使用して豚肉試料の含有脂肪酸量を測定した結果の図である。 照射光軸A1の角度が測定に与える影響について調べた結果を示した図である。 実施形態の装置におけるプローブ9の作用について示した図である。
符号の説明
1 光源
2 ホルダー
3 光ファイバ
4 分光器
5 検出器
6 コンピュータ
7 出力部
8 装置本体
9 プローブ
92 筐体

Claims (4)

  1. 食肉の含有脂肪酸量を測定する装置であって、
    少なくとも700nm以上1000nm以下の波長の光を発する光源と、
    試料である食肉の表面に光が照射されるように光源を保持するホルダーと、
    光源からの光が照射された食肉の内部での反射光及び又は散乱光が入射する位置に入射端が配置された光ファイバと、
    反射光及び又は散乱光を光ファイバの入射端に入射させるための取り込み用の光学系と、
    光ファイバの出射端から出射される光が入射する位置に配置された回折格子より成る分光器と、
    分光器で分光された光の強度を検出する検出器と、
    検出器で検出された光の強度から脂肪酸量を算出する算出プログラムがインストールされたコンピュータと、
    コンピュータによる算出結果を出力する出力部と
    を備えており、
    前記分光器、検出器、コンピュータ及び出力部は、装置本体の構成要素として設けられており、
    前記取り込み用の光学系は、プローブの構成要素として設けられており、
    前記光ファイバは、装置本体とプローブとをつないだフレキシブルケーブルの構成要素として設けられていてプローブ内には分光器及び分光された光の検出器は設けられておらず、
    プローブは、平坦な底板部を有する筐体を備えており、底板部には測定用開口が設けられており、前記光源は測定用開口を通して試料に光を照射するものであって前記取り込み用の光学系は測定用開口を通して前記試料である食肉からの前記反射光及び又は散乱光を取り込んで前記光ファイバに入射させるものであり、
    プローブには、前記試料である食肉の表面に底板部を当接させながらプローブを把持するための把持部が形成されており、
    前記取り込み用の光学系の光軸である取り込み用光軸は、前記底板部が成す平面に対して垂直に交差しており、
    前記ホルダーは、前記光源の光軸が前記底板部が成す平面の法線に対して30度以上35度以下となるよう前記光源を保持するものであり、前記光源の光軸は、前記光源の発光部の中心から最も高い指向性で光が発せられる方向に延びる仮想的な線であることを特徴とする食肉含有脂肪酸量測定装置。
  2. 前記光源は複数設けられており、
    各光源は、前記食肉の表面に垂直に交差する取り込み用光軸と同軸の円周上に設けられていて、各光源の光軸は、取り込み用光軸上の同一の点で交差しており、
    前記筐体は、各光源及び前記光ファイバの入射端を内部に収納したものであり、
    前記各光源の光軸が交差する取り込み用光軸上の点が、前記筐体外に位置するとともに、前記試料である食肉の表面に前記筐体の底板部を当接させた際に当該食肉の内部に位置するよう前記各光源の光軸が設定されていることを特徴とする請求項1記載の食肉含有脂肪酸測定装置。
  3. 前記筐体内において、前記取り込み用光軸上には、前記食肉からの光を集光して前記光ファイバの入射端に入射させる集光レンズが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の食肉含有脂肪酸測定装置。
  4. 前記光源は、光出射端がレンズ状になっているレンズランプであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の食肉含有脂肪酸測定装置。
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