JP5575123B2 - シンチレーター - Google Patents
シンチレーター Download PDFInfo
- Publication number
- JP5575123B2 JP5575123B2 JP2011518452A JP2011518452A JP5575123B2 JP 5575123 B2 JP5575123 B2 JP 5575123B2 JP 2011518452 A JP2011518452 A JP 2011518452A JP 2011518452 A JP2011518452 A JP 2011518452A JP 5575123 B2 JP5575123 B2 JP 5575123B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scintillator
- fluoride
- neodymium
- rays
- lutetium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
- G21K—TECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
- G21K4/00—Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K11/00—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
- C09K11/08—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
- C09K11/77—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K11/00—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K11/00—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
- C09K11/08—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
- C09K11/77—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
- C09K11/7766—Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing two or more rare earth metals
- C09K11/7772—Halogenides
- C09K11/7773—Halogenides with alkali or alkaline earth metal
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B15/00—Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
- C30B15/08—Downward pulling
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
- C30B29/10—Inorganic compounds or compositions
- C30B29/12—Halides
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01T—MEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
- G01T1/00—Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
- G01T1/16—Measuring radiation intensity
- G01T1/20—Measuring radiation intensity with scintillation detectors
-
- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
- G21K—TECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
- G21K4/00—Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
- G21K2004/06—Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens with a phosphor layer
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- High Energy & Nuclear Physics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Luminescent Compositions (AREA)
- Measurement Of Radiation (AREA)
Description
放射線検出器は、放射線利用技術の重要な位置を占める要素技術であって、放射線利用技術の発展に伴い、検出感度、放射線の入射位置に対する位置分解能、或いは計数率特性について、より高度な性能が求められている。また、放射線利用技術の普及に伴い、放射線検出器の低コスト化、及び有感領域の大面積化も求められている。
該放射線検出器は、ネオジムを含有せしめたフッ化ランタン或いはネオジムを含有せしめたフッ化リチウムバリウムをシンチレーターとして用いた放射線検出器であり、入射した放射線を波長の短い真空紫外線に変換できるためガスの電離を効率よく行うことができる。しかし、該放射線検出器の検出感度等の性能をさらに向上させるためには、シンチレーターの発光強度を改善する必要があった。
本発明のシンチレーターとして用いたネオジムを含有するフッ化リチウムルテチウムについても、低エネルギーの光子を照射した際の発光特性については報告がなされているものの(非特許文献1参照)、高エネルギーの光子を照射した際の発光特性については報告例が無く、したがってシンチレーターとしての有用性は未知であった。
その結果、フッ化リチウムルテチウムに発光中心元素としてネオジムを含有せしめることによって、高エネルギーの光子に対する検出効率が高く、且つ、優れた発光強度を有するシンチレーターが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
下記化学式、
LiLu1−xNdxF4
〔式中、xは0.00001〜0.2の数値を示す〕
で表わされる、ネオジムを含有するフッ化リチウムルテチウムからなることを特徴とするシンチレーターが提供される。
上記シンチレーターにおいて、
1)ネオジムを含有するフッ化リチウムルテチウムが単結晶であること、
2)シンチレーターが、硬X線用またはγ線用のシンチレーターであること
が好適である。
Nd含有フッ化リチウムルテチウムにおいて、ネオジムは発光中心元素であり、フッ化リチウムルテチウムのルテチウムの一部と置換することによって、フッ化リチウムルテチウムに含有されている。
xは、ネオジムの含有量を表わし、xが0.00001未満の場合には、発光がきわめて微弱となり、シンチレーターとしての使用に耐えない。xが0.2を超える場合には、例えばフッ化ネオジム(NdF3)等の異種の化合物が混入し、発光特性が低下する傾向にある。該xは0.0001〜0.05の範囲とすることが好ましい。xを0.0001以上とすることによって、発光中心元素であるネオジムを介する発光の確率が高まり、したがって高い発光強度を得ることができる。xを0.05以下とすることによって、濃度消光による発光の減退を避けることができる。
当該シンチレーターは、発光波長が約180〜190nmであり、ガス増幅型検出器において、ガスの電離が効率よく行われるので、前記したようなガス増幅型検出器と組み合わせて放射線検出器をなすことができる。また、ネオジムを含有するフッ化ランタンからなるシンチレーター等の従来知られている発光波長が200nm以下の真空紫外領域で発光するシンチレーターに比較して、発光強度が極めて高い。
有効原子番号=(ΣWiZi 4)1/4
式中、Wi及びZiは、それぞれシンチレーターを構成する元素のうちのi番目の元素の質量分率及び原子番号である。
Nd含有フッ化リチウムルテチウムの結晶は、フッ化リチウムルテチウム型の結晶構造を有し、空間群I41/aに属する正方晶であって、粉末X線回折等の手法によって容易に同定することができる。結晶の中でも単結晶のものを用いることが特に好ましい。単結晶を用いることによって、粒界における光の散逸や非輻射遷移による損失を生じることなく高い発光強度を得ることができる。
本発明で使用するNd含有フッ化リチウムルテチウムは、無色ないしはわずかに着色した透明な固体であり、良好な化学的安定性を有しており、通常の使用においては短期間での性能の劣化は認められない。更に、機械的強度及び加工性も良好であり、所望の形状に加工して用いることが容易である。
シンチレーターの放射線入射方向に対する厚さは、検出対象とする放射線の種類及びエネルギーによって異なるが、一般に数百μm〜数百mmである。
シンチレーターの光検出器に対向しない面に、アルミニウム或いはテフロン等からなる紫外線反射膜を施すことは、シンチレーターで生じた紫外線の散逸を防止することができるため、好ましい態様である。また、かかる紫外線反射膜が施されたシンチレーターを多数配列して用いることにより、放射線検出器の位置分解能を特に高めることができる。
なお、前記化学式LiLu1−xNdxF4中のx値は、製造する際の原料に含まれるルテチウム及びネオジムの量を調整することにより、所望の値に調整することができる。Nd含有フッ化リチウムルテチウムが結晶である場合には、偏析が起こり、原料に含まれるルテチウム及びネオジムの量とNd含有フッ化リチウムルテチウム含まれるルテチウム及びネオジムの量との間に差異が生じる場合がある。しかし、かかる偏析が起こる場合においても、予め偏析係数を求めておき、当該偏析係数を加味して原料に含まれるルテチウム及びネオジムの量を調整することにより、所望のx値を有するNd含有フッ化リチウムルテチウムを得ることができる。
まず、所定量の原料を、底部に孔を設けた坩堝5に充填する。坩堝底部に設ける孔の形状は、特に限定されないが、直径が0.5〜5mm、長さが0〜2mmの円柱状とすることが好ましい。
原料としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ルテチウム(LuF3)、フッ化ネオジム(NdF3)等の金属フッ化物が用いられる。かかる原料の純度は特に限定されないが、99.99%以上とすることが好ましい。このような純度の高い混合原料を用いることにより、得られるNd含有フッ化リチウムルテチウムの純度を高めることができ、発光強度等の特性が向上する。原料は、粉末状あるいは粒状の原料を用いても良く、あらかじめ焼結或いは溶融固化させてから用いても良い。
上記ガス置換操作によっても除去できない水分による悪影響を避けるため、水分との反応性の高いスカベンジャーを用いて、水分を除去することが好ましい。かかるスカベンジャーとしては、フッ化亜鉛等の固体スカベンジャー或いは四フッ化メタン等の気体スカベンジャーを好適に用いることができる。なお、固体スカベンジャーを用いる場合には原料中に予め混合しておく方法が好適であり、気体スカベンジャーを用いる場合には上記不活性ガスに混合してチャンバー内に導入する方法が好適である。
ガス置換操作を行った後、高周波コイル7、及びヒーター2によって原料を加熱して溶融せしめる。加熱方法は特に限定されず、例えば上記高周波コイルとヒーターの構成に替えて、抵抗加熱式のカーボンヒーター等を適宜用いることができる。
Nd含有フッ化リチウムルテチウムの製造を開始した後、高周波コイルの出力を適宜調整しながら一定の速度で連続的に引き下げることにより、所期のNd含有フッ化リチウムルテチウムの結晶を得ることができる。かかる連続的に引き下げる際の速度は、特に限定されないが、0.5〜50mm/hrの範囲とすることによって、クラックのないNd含有フッ化リチウムルテチウムを得ることができるため好ましい。
〔Nd含有フッ化リチウムルテチウムの製造〕
図2に示すマイクロ引下げ法による結晶製造装置を用いて、Nd含有フッ化リチウムルテチウムの結晶を製造した。原料としては、純度が99.99%以上のフッ化リチウム、フッ化ルテチウム、及びフッ化ネオジムを用いた。なお、アフターヒーター1、ヒーター2、断熱材3、ステージ4、及び坩堝5は、高純度カーボン製のものを使用し、坩堝底部に設けた孔の形状は直径2.2mm、長さ0.5mmの円柱状とした。
まず、前記各原料をそれぞれ秤量し、よく混合し、得られた混合原料を坩堝5に充填した。なお、各原料の混合比は、フッ化リチウム 0.24g、フッ化ルテチウム 2.1g、及びフッ化ネオジム 0.0018gとした。
原料を充填した坩堝5を、アフターヒーター1の上部にセットし、その周囲にヒーター2、及び断熱材3を順次セットした。次いで、油回転ポンプ及び油拡散ポンプからなる真空排気装置を用いて、チャンバー6内を5.0×10−4Paまで真空排気した後、四フッ化メタン−アルゴン混合ガスをチャンバー6内に大気圧まで導入し、ガス置換を行った。
高周波コイル7に高周波電流を印加し、誘導加熱によって原料を加熱して溶融せしめ、引き下げロッド8の先端に設けたW−Reワイヤーを、坩堝5底部の孔上記孔に挿入し、原料の融液を上記孔より引き下げ、結晶化を開始した。高周波の出力を調整しながら、3mm/hrの速度で連続的に引き下げ、結晶を得た。該結晶は直径が2.2mmであり、白濁やクラックの無い良質な単結晶であった。
上記製造によって得られたNd含有フッ化リチウムルテチウムの結晶を粉砕して粉末にし、粉末X線回折測定に供した。粉末X線回折法によって得られた回折パターンを解析した結果から、本実施例のシンチレーターはフッ化リチウムルテチウム型の結晶のみからなることが分かった。
上記粉砕した粉末をプレス成型してペレットにし、蛍光X線測定に供した。なお、分析装置はパナリティカル社製波長分散型蛍光X線測定装置Axiosを用い、分光素子にはパナリティカル社製PX10を用いた。
まず、所定量のフッ化ルテチウム及びフッ化ネオジムを混合し、プレス成型して作製したルテチウムに対するネオジムの元素比(以下、Nd/Luと表わす)が既知のペレットについて、波長分散型蛍光X線測定を行い、検量線を作成した。かかる検量線の作成には、Nd/Luが0.0001〜0.05の5種のペレットを用いた。次いで、前記Nd含有フッ化リチウムルテチウムの結晶を粉砕し、プレス成型して作製したペレットについて、蛍光X線測定を行い、前記検量線と比較した。その結果、本実施例のNd含有フッ化リチウムルテチウムのNd/Luは、0.0003であった。
前記粉末X線回折測定、及び蛍光X線測定の結果から、本実施例のNd含有フッ化リチウムルテチウムは化学式LiLu1−xNdxF4で表わされ、当該式中のxは0.0003であることが分かった。
前記製造によって得られた単結晶を、ダイヤモンドワイヤーを備えたワイヤーソーによって15mmの長さに切断した後、研削し、長さ15mm、幅2mm、厚さ1mmの直方体に加工した。かかる直方体の長さ15mm、幅2mmの面を紫外線出射面とし、当該紫外線出射面に光学研磨を施して、シンチレーターを得た。
このシンチレーターについて、硬X線を入射した際の発光特性を以下の方法によって測定した。なお、測定を実施する際には、装置内部を窒素で置換した。
タングステンをターゲットとする封入式X線管球を用いて、硬X線をシンチレーターに照射した。封入式X線管球より硬X線を発生させる際の管電圧及び管電流はそれぞれ60kV及び40mAとした。シンチレーターの紫外線出射面より生じた紫外線を集光ミラーで集光し、分光器(分光計器製、KV201型極紫外分光器)にて単色化し、150〜280nmの範囲の各波長における発光の強度を記録してシンチレーターより生じた発光のスペクトルを得た。得られた発光のスペクトルを図1に示す。
上記測定の結果、本実施例のシンチレーターは、硬X線の入射によって、波長183nmにおいて極めて強く発光することが確認された。
シンチレーターを光電子増倍管(浜松ホトニクス社製 R8778)の光電面に接着した後、1kBqの放射能を有する241Am密封線源を該結晶の光電面と接着している面と逆の面のできるだけ近い位置に設置し、シンチレーターにアルファ線を照射した状態とした後、外部からの光が入らないように遮光シートで遮光した。次いで、該シンチレーターより発せられた発光を計測するため、1300Vの高電圧を印加した光電子増倍管を介して、シンチレーターからの発光を電気信号に変換した。ここで、光電子増倍管より出力される電気信号は、シンチレーターの発光を反映したパルス状の信号であり、当該パルス状の信号の波高は発光の強度を表す。
かかる光電子増倍管より出力された電気信号を整形増幅器で整形、増幅した後、多重波高分析器に入力して解析し、波高分布スペクトルを作成した。作成した波高分布スペクトルを図3に示す。該波高分布スペクトルの横軸は、電気信号の波高値すなわちシンチレーターの発光の強度を表している。また、縦軸は各波高値を示した電気信号の頻度を表している。
該波高分布スペクトルの波高値が約370チャンネルの領域において、シンチレーション光による明瞭なピークが見られ、本発明のシンチレーターが充分な発光強度を有することがわかる。
各原料の混合比をフッ化リチウム 0.24g、フッ化ルテチウム 2.1g、及びフッ化ネオジム 0.0091gとする以外は、実施例1と同様にしてNd含有フッ化リチウムルテチウムを製造した。実施例1と同様にして、得られた結晶の同定を行った結果、化学式LiLu1−xNdxF4で表わされ、xは0.002であることが分かった。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。本実施例のシンチレーターは、硬X線の入射によって、波長183nmにおいて極めて強く発光することが確認された。
実施例1と同様にしてシンチレーターのアルファ線照射下における波高分布スペクトルを測定した。得られた波高分布スペクトルを図4に示す。該波高分布スペクトルの波高値が約410チャンネルの領域において、シンチレーション光による明瞭なピークが見られ、本発明のシンチレーターが充分な発光強度を有することがわかる。
各原料の混合比をフッ化リチウム 0.23g、フッ化ルテチウム 2.1g、及びフッ化ネオジム 0.018gとする以外は、実施例1と同様にしてNd含有フッ化リチウムルテチウムを製造した。実施例1と同様にして、得られた結晶の同定を行った結果、化学式LiLu1−xNdxF4で表わされ、xは0.003であることが分かった。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。本実施例のシンチレーターは、硬X線の入射によって、波長183nmにおいて極めて強く発光することが確認された。
実施例1と同様にしてシンチレーターのアルファ線照射下における波高分布スペクトルを測定した。得られた波高分布スペクトルを図5に示す。該波高分布スペクトルの波高値が約480チャンネルの領域において、シンチレーション光による明瞭なピークが見られ、本発明のシンチレーターが充分な発光強度を有することがわかる。
各原料の混合比をフッ化リチウム 0.23g、フッ化ルテチウム 2.1g、及びフッ化ネオジム 0.054gとする以外は、実施例1と同様にしてNd含有フッ化リチウムルテチウムを製造した。実施例1と同様にして、得られた結晶の同定を行った結果、化学式LiLu1−xNdxF4で表わされ、xは0.01であることが分かった。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。本実施例のシンチレーターは、硬X線の入射によって、波長183nmにおいて極めて強く発光することが確認された。
実施例1と同様にしてシンチレーターのアルファ線照射下における波高分布スペクトルを測定した。得られた波高分布スペクトルを図6に示す。該波高分布スペクトルの波高値が約360チャンネルの領域において、シンチレーション光による明瞭なピークが見られ、本発明のシンチレーターが充分な発光強度を有することがわかる。
各原料の混合比をフッ化ランタン 2.0g、及びフッ化ネオジム 0.23mgとする以外は、実施例1と同様にして、発光中心元素としてネオジムを含有するフッ化ランタンの製造、並びにシンチレーターの作製を行った。該ネオジムを含有するフッ化ランタンからなるシンチレーターは、従来公知のシンチレーターである。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。
実施例1と同様にしてシンチレーターのアルファ線照射下における波高分布スペクトルを測定した。得られた波高分布スペクトルを図3〜6に示す。
当該波高分布スペクトルにおいて、シンチレーション光によるピークの波高値は約70チャンネルであることから、実施例1〜4の本発明のシンチレーターは従来公知のシンチレーターに比較して大幅に高い発光強度を有することがわかる。
各原料の混合比をフッ化バリウム 0.86g、フッ化リチウム 0.13g、及びフッ化ネオジム 0.0049gとする以外は、実施例1と同様にして、発光中心元素としてネオジムを含有するフッ化リチウムバリウムの製造、並びにシンチレーターの作製を行った。該ネオジムを含有するフッ化リチウムバリウムからなるシンチレーターは、従来公知のシンチレーターである。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。
これらの結果から、本発明によれば、従来公知のシンチレーターに比較して発光強度が大幅に高いシンチレーターが得られることが分かった。
各原料の混合比をフッ化リチウム 0.24g、及びフッ化ルテチウム 2.1gとする以外は、実施例1と同様にして、ネオジムを含有しない、すなわちxが0であるフッ化リチウムルテチウムの製造、並びにシンチレーターの作製を行った。
実施例1と同様にしてシンチレーターの発光特性を評価した。得られた発光のスペクトルを図1に示す。その結果、xが0.00001未満の場合には、発光がきわめて微弱となり、シンチレーターとしての使用に耐えないことが分かった。
2 ヒーター
3 断熱材
4 ステージ
5 坩堝
6 チャンバー
7 高周波コイル
Claims (3)
- 下記化学式、
LiLu1−xNdxF4
〔式中、xは0.00001〜0.2の数値を示す〕
で表わされる、ネオジムを含有するフッ化リチウムルテチウムからなることを特徴とするシンチレーター。 - ネオジムを含有するフッ化リチウムルテチウムが、単結晶であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレーター。
- シンチレーターが、硬X線用またはγ線用のシンチレーターであることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレーター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011518452A JP5575123B2 (ja) | 2009-06-03 | 2010-06-01 | シンチレーター |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009134323 | 2009-06-03 | ||
JP2009134323 | 2009-06-03 | ||
JP2011518452A JP5575123B2 (ja) | 2009-06-03 | 2010-06-01 | シンチレーター |
PCT/JP2010/059263 WO2010140585A1 (ja) | 2009-06-03 | 2010-06-01 | シンチレーター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2010140585A1 JPWO2010140585A1 (ja) | 2012-11-22 |
JP5575123B2 true JP5575123B2 (ja) | 2014-08-20 |
Family
ID=43297719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011518452A Expired - Fee Related JP5575123B2 (ja) | 2009-06-03 | 2010-06-01 | シンチレーター |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120074356A1 (ja) |
EP (1) | EP2439252A1 (ja) |
JP (1) | JP5575123B2 (ja) |
KR (1) | KR20120036305A (ja) |
CN (1) | CN102459508A (ja) |
CA (1) | CA2763329A1 (ja) |
WO (1) | WO2010140585A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012058154A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Tokuyama Corp | 放射線画像検出器 |
CN103194796A (zh) * | 2013-03-22 | 2013-07-10 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | 钬镨共掺氟化镥锂中红外激光晶体及其制备方法 |
CN103820855B (zh) * | 2014-02-20 | 2016-11-16 | 宁波大学 | 一种用于白光LED的Tb3 +/Sm3 +掺杂LiLuF4单晶体及其制备方法 |
US10393887B2 (en) | 2015-07-19 | 2019-08-27 | Afo Research, Inc. | Fluorine resistant, radiation resistant, and radiation detection glass systems |
US20200041666A1 (en) * | 2018-08-06 | 2020-02-06 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Semiconductor membrane enabled hard x-ray detectors |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532746A (ja) * | 2004-04-14 | 2007-11-15 | サン−ゴバン クリストー エ デテクトゥール | 核バックグラウンドノイズの低減を伴う希土類系シンチレーター材料 |
WO2008093553A1 (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-07 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | 放射線画像変換パネルの製造方法、および放射線画像変換パネル |
-
2010
- 2010-06-01 US US13/376,106 patent/US20120074356A1/en not_active Abandoned
- 2010-06-01 CA CA2763329A patent/CA2763329A1/en not_active Abandoned
- 2010-06-01 KR KR1020117028877A patent/KR20120036305A/ko not_active Application Discontinuation
- 2010-06-01 CN CN2010800243037A patent/CN102459508A/zh active Pending
- 2010-06-01 JP JP2011518452A patent/JP5575123B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2010-06-01 EP EP10783368A patent/EP2439252A1/en not_active Withdrawn
- 2010-06-01 WO PCT/JP2010/059263 patent/WO2010140585A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532746A (ja) * | 2004-04-14 | 2007-11-15 | サン−ゴバン クリストー エ デテクトゥール | 核バックグラウンドノイズの低減を伴う希土類系シンチレーター材料 |
WO2008093553A1 (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-07 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | 放射線画像変換パネルの製造方法、および放射線画像変換パネル |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6014013146; RANIERI, I.M.: 'Growth of LiY1-XLuXF4 crystals under CF4 atmosphere' Journal of Alloys and Compounds 344, 2002, p.203-206 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2439252A1 (en) | 2012-04-11 |
KR20120036305A (ko) | 2012-04-17 |
US20120074356A1 (en) | 2012-03-29 |
WO2010140585A1 (ja) | 2010-12-09 |
CA2763329A1 (en) | 2010-12-09 |
JPWO2010140585A1 (ja) | 2012-11-22 |
CN102459508A (zh) | 2012-05-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5378356B2 (ja) | 中性子検出用シンチレーターおよび中性子検出装置 | |
JP5460067B2 (ja) | 放射線検出装置 | |
US20130181137A1 (en) | Neutron Radiation Detector, Neutron Radiation Detection Scintillator and Method for Discriminating Between Neutron Radiation and Gamma Radiation | |
JP5575123B2 (ja) | シンチレーター | |
WO2012137738A1 (ja) | シンチレーター、放射線検出装置および放射線検出方法 | |
WO2011115179A1 (ja) | 中性子検出用シンチレーター、中性子線検出器及び中性子線撮像装置 | |
JP5877417B2 (ja) | 中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
JP5634285B2 (ja) | コルキライト型結晶、中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
WO2012115234A1 (ja) | 中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
JP5729954B2 (ja) | フッ化物単結晶、シンチレーター及びフッ化物単結晶の製造方法 | |
JP5905956B2 (ja) | 金属フッ化物結晶、発光素子、シンチレーター、中性子の検出方法及び金属フッ化物結晶の製造方法 | |
JP5737974B2 (ja) | 中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
WO2012026584A1 (ja) | 中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
JP2012185025A (ja) | 放射線画像検出器 | |
JP5737978B2 (ja) | 中性子検出用シンチレーター及び中性子線検出器 | |
WO2012026585A1 (ja) | フッ化物結晶、放射線検出用シンチレーター及び放射線検出器 | |
WO2011078243A1 (ja) | 金属フッ化物結晶、真空紫外発光素子及び真空紫外発光シンチレーター | |
JP2011190393A (ja) | 真空紫外発光素子及びシンチレーター |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130205 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140527 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140617 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140701 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5575123 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |