JP5574938B2 - 親水性化セルロース繊維の製造方法 - Google Patents

親水性化セルロース繊維の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、親水性化セルロース繊維の製造方法、より詳細には、N−オキシル化合物、及びハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を用いてセルロース繊維を酸化させる工程を含む親水性化セルロース繊維の製造方法に関するものである。
従来、肌着等の綿衣料製品(セルロース繊維製品)では、高い吸湿性と放湿性とが求められており、同分野の製品における差別化要素となっている。セルロース繊維の親水性化処理方法としては、種々のものが知られており、代表的な例としては、セルロースの水酸基をカルボキシル基に酸化する方法がある。
かかるセルロースの水酸基をカルボキシル基に酸化する方法としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)のようなN−オキシル化合物と次亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤を含む反応溶液中で、原料セルロース繊維を酸化させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2009/107637号
上記のように、原料セルロース繊維を酸化させる方法として、TEMPOのようなN−オキシル化合物と次亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤を組み合わせて用いた場合、原料セルロース繊維の6位の炭素のカルボキシル基への酸化が十分には行われず、また、反応条件を代えた場合に、カルボキシル基への酸化が進行するに伴い、原料セルロース繊維の重合度が低下する等の点で改善の余地がある。また、副反応として生成する原料セルロース繊維の2,3位の炭素のケトンへの酸化による黄変においても未だ改善の余地がある。
本発明は、原料セルロース繊維におけるグルコース単位の6位の炭素を十分にカルボキシル基へと酸化させることができ、かつ、原料セルロース繊維の重合度の低下を抑制することができる親水性化セルロース繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、セルロース繊維を親水性化するために、セルロース繊維のグルコース単位の6位の炭素をカルボキシル基に酸化させる方法として、N−オキシル化合物とハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を組み合わせた酸化剤を用いることによって、原料セルロース繊維の重合度の低下を抑制しつつ、かつ、原料セルロース繊維にカルボキシル基を十分に導入させることができることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
項1.(1)N−オキシル化合物、及びハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を含む第1の反応溶液中で、セルロース繊維を酸化させる第1の酸化処理工程を含む親水性化セルロース繊維の製造方法。
項2.(2)前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維を、酸化剤を含む第2の反応溶液中で酸化させることにより、前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維中に存在するアルデヒド基を酸化する第2の酸化処理工程
をさらに含む項1に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。 項3.工程(1)において、第1の反応溶液中にさらに助触媒を含む項1又は2に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項4.工程(1)における助触媒が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び硫酸塩からなる少なくとも1種の塩である項3に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項5.工程(2)における酸化剤が、ハロゲン酸系酸化剤である項2〜4のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項6.ハロゲン酸系酸化剤が、次亜ハロゲン酸又はその塩である項5に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項7.(3)工程(2)で得られた酸化セルロース繊維を、さらに脱ハロゲン処理する工程を含む項2〜6のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項8.工程(1)における第1の反応溶液のpHが8〜12である項1〜7のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項9.工程(2)における第2の反応溶液のpHが3〜7である項2〜8のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項10.(4a)工程(2)によって得られた酸化セルロース繊維を、さらに還元剤を含む反応溶液中で還元させる還元処理工程を含む項2〜6のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項11.(4b)工程(3)によって得られた酸化セルロース繊維を、さらに還元剤を含む反応溶液中で還元させる還元処理工程を含む項7〜9のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
項12.還元工程における還元剤が、チオ尿素、ハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及び水素化ホウ素リチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である項10又は11に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
本発明の親水性化セルロース繊維の製造方法によれば、セルロース繊維の重合度の低減を抑制しつつ、セルロース繊維のミクロフィブリル表面に位置するグルコース単位の6位の炭素のみをカルボキシル基に酸化することができる。そのため、強度の低下を抑えつつ、加熱しても着色の生じない親水性化されたセルロース繊維を製造することができる。
実施例4−6〜4−10において、工程(1)の第1の酸化処理工程におけるSDIC濃度とCOOH基量(左の縦軸)の関係、及びSDIC濃度と重合度(右の縦軸)の関係をプロットしたグラフである。 比較例2−1〜2−9において工程(1)の第1の酸化処理工程における反応時間とCOOH基量の関係をプロットしたグラフである。 比較例2−1〜2−9において工程(1)の第1の酸化処理工程における反応時間と重合度の関係をプロットしたグラフである。
以下、本願発明の親水性化セルロース繊維の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の親水性化セルロース繊維の製造方法に用いられる原料セルロース繊維としては、植物、動物、バクテリア産生ゲル等の天然セルロース繊維のほか、再生セルロース繊維であってもよい。具体的には、綿、麻、パルプ、バクテリアセルロース等の天然セルロース繊維や、レーヨンやキュプラ等の再生セルロース繊維を用いることができる。
なお、原料セルロース繊維の形態としては、織編物や不織布等の布帛に限らず、フィラメント、ステープル、紐等の糸状物であってもよい。また、繊維の構造組織としては、混繊、混紡、混織、交織、交編したものであってもよい。
また、原料セルロース繊維は、あらかじめ水洗、精練したものが、後の工程で、十分にセルロース繊維を親水性化できる点、漂白効果を十分に発揮できる点から好ましい。ここで、「精練」とは、天然繊維に含まれている不純物や、紡績、編立の段階で加えられる油剤や、作業工程で付着した機械油、鉄さび等を除去する処理をいう。
・工程(1)(第1の酸化処理)
工程(1)は、N−オキシル化合物、及びハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を含む第1の反応溶液中で、セルロース繊維を酸化させる工程である。
第1の反応溶液に含まれるN−オキシル化合物は、セルロース繊維を酸化させる際に、触媒として用いられている。N−オキシル化合物の具体例としては、一般式(I):
Figure 0005574938
(式(I)中、R〜Rは、同一又は異なり、それぞれ炭素数1〜4程度のアルキル基を示し、Rは、水素原子;アセチルアミノ基;カルボキシル基;フォスフォノオキシ基;アミノ基;ハロゲン(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)で置換された2−ハロゲン化アセチルアミノ基;ヒドロキシ基;炭素数1〜4程度のアルコキシ基;アダマンタン基を示す)、
式(II):
Figure 0005574938
(式(II)中、R〜Rは、前記式(I)と同じである)、
式(III):
Figure 0005574938
(式(III)中、R及びRは、同一又は異なり、それぞれ水素原子、炭素数1〜4程度のアルキル基を示す。)
等が挙げられる。
N−オキシル化合物の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)、TEMPOの4位の炭素に各種の官能基を有するTEMPO誘導体、2−アザアダマンタン−N−オキシル等が挙げられる。
また、前記TEMPO誘導体の具体例としては、4−アセトアミドTEMPO、4−カルボキシTEMPO、4−フォスフォノオキシTEMPO、4−アミノ−TEMPO、4−(2−ブロモアセトアミド)−TEMPO、4−ヒドロキシTEMPO、4−オキシTEMPO、4−メトキシTEMPO等が挙げられる。
これらのN−オキシル化合物において、TEMPO、4−メトキシTEMPO及び4−アセトアミドTEMPOは、反応速度において好ましい。
N−オキシル化合物の含有割合は、触媒量で十分であり、具体的には、反応溶液中、0.01〜3g/L程度が好ましい。また、N−オキシル化合物の含有割合は、親水性化処理の程度や、得られるセルロース繊維の品質に大きく影響しないため、0.1〜2g/L程度が経済的であり、より好ましい。
また、反応溶液中のN−オキシル化合物の含有割合は、0.03〜9.0%owf程度が好ましく、0.75〜6.0%owf程度がより好ましい。なお、単位「%owf」は、繊維1gに対する量を表す。
工程(1)における第1の反応溶液に含まれる酸化剤としては、高温、高濃度で使用しても繊維強度低下が生じ難い点、酸化剤である次亜ハロゲン酸塩よりも使用量が低減できる点から、一般式(IV):
Figure 0005574938
(式(IV)中、Aは、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アルカリ金属、又はアルカリ土類金属を示し、Xは、同一又は異なり、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子である。)
で表されるハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩が用いられる。
ハロゲン化イソシアヌル酸塩を形成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、ハロゲン化イソシアヌル酸塩を形成するアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等が挙げられる。また、アンモニウムとジクロロイソシアヌル酸との塩も挙げられる。
ハロゲン化イソシアヌル酸の具体例としては、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸等が挙げられる。また、ハロゲン化イソシアヌル酸塩の具体例としては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で、水への溶解度が高く、水中での漂白、殺菌効果に優れる点から、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水塩が好ましい。
ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩の含有割合は、反応溶液中、0.03〜10g/L程度が好ましく、1.0〜5.0g/L程度がより好ましい。ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩の含有割合を、1.0g/L程度以上に設定することによって、セルロース繊維の親水化、漂白効果を向上する効果が得られ、5.0g/L程度以下に設定することによって、重合度低下や風合い低下を抑止する効果が得られる。
また、ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩の含有割合は、0.1〜30%owf程度が好ましく、3.0〜15%owf程度がより好ましい。
さらに、工程(1)の第1の酸化処理では、N−オキシル化合物に、助触媒を組み合わせた触媒成分として用いてもよい。助触媒としては例えば、ハロゲンとアルカリ金属との塩(アルカリ金属塩)、ハロゲンとアルカリ土類金属との塩(アルカリ土類金属塩)、アンモニウム塩、硫酸塩等が挙げられる。前記アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を形成するためのハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルカリ金属塩を形成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属塩を形成するアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等が挙げられる。
より具体的には、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化ストロンチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム等が挙げられる。
また、アンモニウム塩としては、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩化アンモニウムが挙げられる。また、硫酸塩としては、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸水素ナトリウム、ミョウバン等の硫酸塩等が挙げられる。これらの助触媒は単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
工程(1)の第1の酸化処理における第1の反応溶液のpHとしては、酸化されたN−オキシル化合物がセルロース繊維に作用するのに適したpHである4〜12程度に保持されることが好ましく、pH8〜11程度に保持することがより好ましい。
第1の反応溶液のpHは、塩基性物質(アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)又は酸性物質(酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸、あるいは硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸)を適宜添加することで調整することができる。
また、工程(1)の第1の酸化処理で用いられる第1の反応溶液は、さらに浸透剤を添加してもよい。浸透剤としては、セルロース繊維に用いられる公知のものを適用することができ、具体的には、アニオン系界面活性剤(カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等)や非イオン界面活性剤(ポリエチレングルコール型、他価アルコール型等)等が挙げられ、例えば、シントール(商品名:高松油脂社製)等を用いることができる。
第1の反応溶液に浸透剤を添加することで、セルロース繊維の内部にまで薬剤を浸透させ、より多くのカルボキシル基(アルデヒド基)をセルロース繊維表面に導入することができる。これにより、セルロース繊維の親水性(吸湿性)をより高めることができる。
工程(1)において、セルロース繊維を酸化処理する手順としては、特に限定されないが、まず、N−オキシル化合物及び助触媒を反応溶媒に添加し、さらに、セルロース繊維を浸漬させ、その後にハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を添加することが好ましい。このような手順でセルロース繊維を酸化処理することによって、セルロース繊維にN−オキシル化合物および助触媒が浸透するので、加工ムラがなく親水化処理できるという効果が得られる。
この場合、反応溶液中のpHがアルカリ領域(例えばpH8〜12)になるように、ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を滴下することが好ましい。
このような第1の酸化処理を行うことで、セルロース繊維の酸化反応に必要な分だけのハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩が処理浴に供給されるため、反応に寄与しないハロゲン又はその塩の量を削減することができ、親水性化処理のコストを低減することができる。
第1の酸化処理で用いられる第1の反応溶液とセルロース繊維との浴比としては、セルロース繊維1gに対する第1の反応溶液が、10〜100g程度であることが好ましく、15〜30g程度であることがより好ましい。セルロース繊維1gに対して第1の反応溶液を15g程度以上に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の接触効率が良好になるという効果が得られ、セルロース繊維1gに対して第1の反応溶液を30g程度以下に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の接触効率を保持できるという効果が得られる。
工程(1)における第1の酸化処理の温度としては、COOH基を十分に導入できる点、酸化剤の蒸散と防ぎ、有効塩素を保持できる等の観点から0℃程度以上が好ましく、20℃程度以上がより好ましい。また、工程(1)における第1の酸化処理の温度としては、セルロースの重合度が低下しない点、セルロース繊維の脆化抑止等の観点から、50℃程度以下が好ましく、30℃程度以下がより好ましい。
工程(1)における第1の酸化処理の時間としては、COOH基を十分に導入できる点、反応サイクルが進行し始めるための時間が必要である等の観点から1分程度以上が好ましく、3分程度以上がより好ましい。また、工程(1)における第1の酸化処理の時間としては、セルロースの重合度が低下しない点、セルロース繊維の脆化抑止等の観点から、30分程度以下が好ましく、15分程度以下がより好ましい。
なお、反応終了後は、必要に応じて未反応の酸化剤(ハロゲン化シソシアヌル酸又はその塩、及びハロゲン化シソシアヌル酸又はその塩が分解した次亜塩素酸ナトリウム等)を除去する処理を行い、その後、水洗を繰り返すことが好ましい。
・工程(2)(第2の酸化処理)
工程(2)は、前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維を、酸化剤を含む第2の反応溶液中で酸化させることにより、前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維中に存在するアルデヒド基を酸化する工程である。
前記工程(1)の酸化処理によって、セルロース繊維のミクロフィブリル表面に位置するグルコース単位の1級水酸基が選択的にカルボキシル基へと酸化されるが、カルボキシル基以外にも一部アルデヒド基が形成される。このアルデヒド基の形成によってベータ脱離反応や加熱時の着色が引き起こされ、セルロース繊維の低分子化による強度低下を招いてしまう。
そこで、工程(2)により、前記工程(1)の第1の酸化処理によって生成されたアルデヒド基をカルボキシル基に酸化させ、アルデヒド基を含まない酸化セルロース繊維を得るものである。
工程(2)の第2の酸化処理で用いられる原料は、前記の第1の酸化工程によって得られた酸化セルロース繊維である。
工程(2)の第2の酸化処理で用いられる酸化剤は、アルデヒド基を酸化してカルボキシル基に変換することができる酸化剤である。具体的には、亜ハロゲン酸又はその塩(亜塩素酸又はその塩、亜臭素酸又はその塩、亜ヨウ素酸又はその塩等)、過酸(過酸化水素、過酢酸、過硫酸、過安息香酸等)が含まれる。これらの酸化剤は単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。また、ラッカーゼ等の酸化酵素と組み合わせて用いてもよい。酸化剤の含有量は適宜に設定することができるが、セルロース繊維に対して0.01〜50mmol/gの範囲とすることが好ましい。
亜ハロゲン酸塩におけるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる、亜ハロゲン酸塩を形成するための塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。より具体的な亜ハロゲン酸塩としては、例えば亜塩素酸の場合、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸ストロンチウム等、亜塩素酸アンモニウム等を例示することができる。また、これらに対応する亜臭素酸塩、亜ヨウ素酸塩を用いることもできる。
工程(2)の第2の酸化処理における好ましい酸化剤としては、亜ハロゲン酸アルカリ金属塩であり、亜塩素酸アルカリ金属塩を用いることがより好ましい。
酸化剤の含有割合は、反応溶液中、1〜90g/L程度が好ましく、2〜20g/L程度がより好ましい。酸化剤の含有割合を、2g/L程度以上に設定することによって、アルデヒド基の酸化効果に加えて、セルロース繊維を漂白する効果が得られ、20g/L程度以下に設定することによって、酸化剤の塩素によるセルロース繊維の脆化を抑止する効果が得られる。
また、酸化剤の含有割合は、2〜180%owf程度が好ましく、4〜40%owf程度がより好ましい。
第2の酸化処理では、反応溶液のpHは中性から酸性の範囲で維持されることが好ましい。より具体的なpHとしては、3〜7の範囲が好ましい。特に、反応溶液のpHが8以上とならないように留意すべきである。このようなpH範囲とすることで、工程(1)の第1の酸化処理で生成されたセルロースの6位の炭素のアルデヒド基によるベータ脱離反応を生じないようにしつつアルデヒド基をカルボキシル基に酸化することができ、セルロース繊維の強度低下を回避しつつ親水性化することができる。
また、第2の反応溶液に緩衝液をさらに添加することも好ましい。緩衝液としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等、種々の緩衝液を用いることができる。
前記緩衝液を用いることによって、反応溶液中のpHの変化を抑えることができ、pHを維持するための酸やアルカリの連続的な添加が不要となる。
第2の酸化処理で用いられる第2の反応溶液とセルロース繊維との浴比としては、セルロース繊維1gに対する第2の反応溶液が、5〜100g程度であることが好ましく、10〜30g程度であることがより好ましい。セルロース繊維1gに対して第2の反応溶液を10g程度以上に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の接触効率が良好になるという効果が得られ、セルロース繊維1gに対して第2の反応溶液を30g程度以下に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の接触効率を保持できるという効果が得られる。
第2の酸化処理において、金属類によるセルロース繊維の脆化抑止効果を向上させるために、さらに、キレート剤、界面活性剤、浸透剤等を適宜添加してもよい。
工程(2)における第2の酸化処理の温度としては、アルデヒド基を十分にCOOH酸基に酸化できる点、セルロース繊維の漂白効果を発揮できる等の観点から60℃程度以上が好ましく、70℃程度以上がより好ましい。また、工程(2)における第2の酸化処理の温度としては、セルロースの重合度が低下しない点、酸化剤の塩素によるセルロース繊維の脆化抑止等の観点から、98℃程度以下が好ましく、90℃程度以下がより好ましい。
工程(2)における第2の酸化処理の時間としては、アルデヒド基を十分にCOOH酸基に酸化できる点、セルロース繊維の漂白効果を発揮できる等の観点から30分程度以上が好ましく、50分程度以上がより好ましい。また、工程(2)における第2の酸化処理の時間としては、セルロースの重合度が低下しない点、酸化剤の塩素によるセルロース繊維の脆化抑止等の観点から、120分程度以下が好ましく、100分程度以下がより好ましい。
なお、第2の酸化処理では、反応容器を密閉することが可能であることから、反応容器の内部を加圧する加圧装置を併設し、酸化処理してもよい。
工程(2)の酸化処理終了後は、必要に応じて酸化反応を停止させ、水洗を繰り返すことが好ましい。
・工程(3)(脱ハロゲン処理)
工程(3)は、前記工程(2)で得られた酸化セルロース繊維を脱ハロゲン処理する工程である。
工程(3)の脱ハロゲン処理で用いられる原料は、前記工程(2)の第2の酸化処理によって得られた酸化セルロース繊維である。
前記工程(1)の第1の酸化処理では、酸化剤としてハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩が用いられ、また、前記工程(2)の第2の酸化処理では、酸化剤として亜ハロゲン酸又はその塩が用いられている。そのため、酸化処理の後の酸化セルロース繊維には、前記酸化剤に由来するハロゲン元素が付着あるいは結合している。
そのため、工程(3)では、このような酸化セルロース繊維に残留したハロゲン元素を除去する目的で、脱ハロゲン処理を行う。脱ハロゲン処理に用いられる脱ハロゲン処理剤としては、過酸化水素溶液やオゾン溶液に酸化セルロース繊維を浸漬することで行う。
工程(3)の脱ハロゲン処理で用いられる反応溶液における脱ハロゲン処理剤の濃度としては、脱ハロゲン処理剤の種類にもよるが、例えば反応溶液中、0.1〜100g/L程度が好ましく、0.67〜10g/L程度がより好ましい。
また、脱ハロゲン処理剤の含有割合は、1〜300%owf程度が好ましく、2〜30%owf程度がより好ましい。
工程(3)の脱ハロゲン処理で用いられる反応溶液とセルロース繊維との浴比としては、セルロース繊維1gに対する反応溶液が、5〜100g程度であることが好ましく、5〜50g程度であることがより好ましい。セルロース繊維1gに対して反応溶液を5g程度以上に設定することにより、セルロース繊維に対して反応溶液の接触効率が良好になり、セルロース繊維に残存する酸化剤を中和するという効果が得られ、セルロース繊維1gに対して反応溶液を100g程度以下に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の接触効率を保持でき、セルロース繊維に残存する酸化剤を中和するという効果が得られる。
工程(3)の脱ハロゲン処理に用いられる反応溶液のpHとしては、8〜11程度が好ましく、9.5〜10.7程度がより好ましい。反応溶液のpHを8程度以上に設定することで、セルロース繊維に残存する酸化剤を中和するという効果が得られ、また、反応溶液のpHを11程度以下に設定することで、アルカリ性側反応によるセルロース繊維の脆化を抑えられるという効果が得られる。
工程(3)における脱ハロゲン処理の温度としては、脱塩素させる効果を発揮する等の観点から40℃程度以上が好ましく、45℃程度以上がより好ましい。また、工程(3)における脱ハロゲン処理の温度としては、アルカリ性によるセルロース繊維を抑えられる等の観点から、90℃程度以下が好ましく、80℃程度以下がより好ましい。
工程(3)における脱ハロゲン処理の時間としては、十分な脱ハロゲン処理等の観点から5分程度以上が好ましく、10分程度以上がより好ましい。また、工程(3)における脱ハロゲン処理の時間としては、長時間アルカリ条件にさらされると生地脆化、硬化等の観点から、60分程度以下が好ましく、40分程度以下がより好ましい。
・工程(4)(還元処理)
前記工程(1)及び(2)の第1及び第2の酸化処理、並びに工程(3)の脱ハロゲン処理によって、セルロース繊維により多くのカルボキシル基をセルロース繊維表面に導入することができるが、前記酸化処理によって、さらに黄変(白度低下)する場合がある。これは、セルロース繊維の6位の炭素のカルボキシル化だけでなく、2位や3位の炭素も一部酸化され、ケトンが生成されるためであると考えられる。そのため、前記工程の後に、さらに、還元剤による還元処理を行うことによって、生成したケトンを還元し、親水性セルロース繊維の黄変(白度低下)を抑制することができる。
還元剤としては、部分的に生成したケトン基をアルコールに還元することができ、かつ生成したカルボキシル基については、還元させないものが挙げられ、具体的には、チオ尿素、ハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等が挙げられる。これらの中で、初期白度と白度低下抑止において優れているという観点から、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
還元剤を含む反応溶液における溶媒としては、蒸留水、イオン交換水、井戸水、水道水等、一般的な水及び水全般が用いられる。反応溶液に含まれる還元剤の濃度は、0.02〜4g/L程度が好ましく、0.2〜2g/L程度がより好ましい。前記範囲の濃度に設定することにより、過剰な還元剤による生地脆化を抑えるという効果が得られる。
また、還元剤の含有割合は、0.06〜12%owf程度が好ましく、0.6〜6.0%owf程度がより好ましい。
前記還元剤による還元処理を行うときの反応溶液のpHとしては、還元剤活性維持において良好であるという点から、7程度以上が好ましく、7.5程度以上がより好ましく、8程度以上がさらに好ましい。また、前記還元剤による還元処理を行うときの反応溶液のpHとしては、アルカリ性側による生地脆化を抑えることができるという点から、12程度以下が好ましく、11程度以下がより好ましく、10程度以下がさらに好ましい。反応溶液のpHは、アンモニア水、塩酸、ソーダ灰、NaOH,KOH等を適宜添加することで調整することができる。
還元処理で用いられる反応溶液とセルロース繊維との浴比としては、セルロース繊維1gに対する反応溶液が、5〜100g程度であることが好ましく、5〜50g程度であることがより好ましい。セルロース繊維1gに対して反応溶液を5g程度以上に設定することにより、セルロース繊維に対し反応溶液の液接触が良好になり、塩素を中和できるという効果が得られ、セルロース繊維1gに対して反応溶液を50g程度以下に設定することにより、セルロース繊維と反応溶液の撹拌効率を保持するという効果が得られる。
還元剤による還元処理の反応温度は、還元剤の種類や添加量によって、適宜変更されるが、例えば、10〜80℃程度が好ましく、20〜40℃程度がより好ましい。
以上に説明した本発明の親水性化処理方法により得られる親水性セルロース繊維(酸化セルロース繊維)は、セルロースのミクロフィブリル表面に位置する水酸基の少なくとも一部が、カルボキシル基のみで酸化されているものである。あるいは、アルデヒド基の含有量が、0.05mmol/g未満であるセルロース繊維として特定することができる。
すなわち、上記の親水性セルロース繊維は、セルロースのミクロフィブリル表面における6位の炭素のアルデヒド基が全く無い、あるいは全く無いとみなせるものである。なお、アルデヒド基が全く無いとみなせる場合というのは、アルデヒド基の含有量が0.05mmol/g未満であることに対応する。このような範囲とすることで、アルデヒド基に起因する繊維強度(破裂強度)の低下や加熱時の着色を抑える効果を得ることができる。アルデヒド基の量は、より好ましくは0.01mmol/g以下であり、さらに好ましくは、0.001mmol/g以下である。
なお、現在知られている測定方法におけるアルデヒド基の検出限界が0.001mmol/g程度であるから、望ましい態様としては、測定を行ってもアルデヒド基が検出されない親水性化セルロース繊維が得られる。
アルデヒド基の量は、例えば以下の手順により測定することができる。
まず、乾燥重量を精秤した親水性セルロース繊維の試料を水に入れ、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度を測定する。測定はpHが11になるまで続ける。そして、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(水酸化ナトリウム溶液量)(V)から、下式を用いて官能基量を決定する。この官能基量がカルボキシル基の量である。
官能基量(mmol/g)=V(ml)×0.05/セルロースの質量(g)
その後、カルボキシル基量の測定に供した親水性セルロース繊維の試料を、酢酸でpH4〜5に調整した2%亜塩素酸ナトリウム水溶液中でさらに48時間常温で酸化し、上記手法によって再び官能基量を測定する。測定された官能基量から上記カルボキシル基の量を引いた量がアルデヒド基の量である。
本発明の親水性セルロース繊維の製造方法により得られる親水性セルロース繊維は、6位の炭素がアルデヒド基であるものを実質的に含まないため、加熱処理を施しても、アルデヒド基由来の着色成分は生成し難い。したがって、上記の製造方法によって得られる親水性セルロース繊維は、高い白度を要求される肌着等の衣料用途に好適な素材である。また、熱による品質低下が生じないことから、加工に際しての制限が無く、取り扱いが容易な素材である。
さらに、上記の製造方法によって得られる親水性セルロース繊維は、その製造工程において、アルデヒド基によるセルロースミクロフィブリルの切断が生じ難いため、原料セルロース繊維の強度をほとんど損なわずに吸湿性を高めたものとなっている。
このようにセルロースミクロフィブリルの1級水酸基がカルボキシル基に酸化されている親水性セルロース繊維は、その高い吸湿性により高い放熱効果や発熱効果を得られるものであり、種々の繊維製品に好適に用いることができる。
かかる繊維製品としては、例えば、衣料用品、雑貨用品、インテリア用品、寝具用品、産業用資材等が挙げられる。
上記衣料用品としては、外出着衣料、スポーツウェア、ホームウェア、リラックスウェア、パジャマ、寝間着、肌着、オフィスウェア、作業服、食品白衣、看護白衣、患者衣、介護衣、学生服、厨房衣等が挙げられ、肌着としては、例えばシャツ、ブリーフ、ショーツ、ガードル、パンティストッキング、タイツ、ソックス、レギンス、腹巻き、ステテコ、パッチ、ペチコート等が挙げられる。
上記雑貨用品としては、エプロン、タオル、手袋、マフラー、帽子、靴、サンダル、かばん、傘等が挙げられる。
上記インテリア用品としては、カーテン、じゅうたん、マット、こたつカバー、ソファーカバー、クッションカバー、ソファー用側地、便座カバー、便座マット、テーブルクロス等が挙げられる。
上記寝具用品としては、布団用側地、布団用詰めわた、毛布、毛布用側地、枕の充填材、シーツ、防水シーツ、布団カバー、枕カバー等が挙げられる。
上記産業用資材としては、フィルター等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
・実施例1−1〜1−4
・第1の酸化処理(工程(1))
表1に示す反応溶液及び反応条件で、以下の手順で生地(セルロース繊維)の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)、及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(SDIC)による第1の酸化処理を行った。なお、生地としては、綿100%メリヤス生地(40番手のフライス生成り生地)を用いた。
表1に示すTEMPO、及び臭化ナトリウム(NaBr)を水に溶解させ、得られた溶液中に生地を十分に浸漬させた。前記生地を浸漬させた溶液に、さらにSDICを表1に示すpHとなるように調整しながら添加し、表1に示す条件で、第1の酸化処理を行った。
Figure 0005574938
前記、TEMPOによって酸化処理した後、各サンプルを反応溶液から取り出し、水洗した。
・第2の酸化処理(工程(2))
前記工程(1)の第1の酸化処理、及び水洗した各サンプル生地を、さらに、表2に示す反応溶液及び反応条件で亜塩素酸ナトリウム(NaClO)による第2の酸化処理を行った。なお、表2中のCG1000は、亜塩素漂白用キレート剤ネオクリスタル(日華化学社製)であり、NaClOは、25重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
表2に示す反応溶液および反応条件によって第2の酸化処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・脱塩素処理(工程(3))
前記、第2の酸化処理を行い、湯洗い、及び水洗を行った各サンプル生地を、さらに表3に示す条件の反応溶液で過酸化水素(H)による脱塩素処理を行った。なお、表3中のPLC7000は、ポリカルボン酸系キレート剤ネオレート(日華化学社製)であり、Hは、35重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
前記脱塩素処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・還元処理(工程(4b)、実施例1−3及び1−4にのみ実施)
前記、脱塩素処理、湯洗い、及び水洗を行った各サンプル生地を、さらに、表4に示す条件の反応溶液で還元処理を行った。
Figure 0005574938
前記還元工程を行った後、各サンプルを取り出し、水洗した。
・中和処理
実施例1−1及び1−2における脱塩素処理(工程(3))後の各サンプル生地を、pHが4になるように1.0mol/L HClを用いて中和処理を行った。また、実施例1−3及び1−4における還元処理(工程(4))後の各サンプル生地を、pHが4になるように1.0 mol/L HClを用いて中和処理を行った。
・洗浄、乾燥処理
前記中和処理が終了した各サンプル生地を、水洗い(5分間×1回)、湯洗い(60℃、10分間×1回)、水洗い(5分間×2回)を行った。その後、サンプル生地を40℃の乾燥室で乾燥させた。
・評価結果
表5に、上記の製造工程によって製造された各サンプル生地(実施例1−1〜1−4)についてのカルボキシル基量(COOH基量)、重合度、および白度低下を示す。
なお、カルボキシル基量は、電導度滴定により測定し、重合度は、以下の方法により測定した。
上記各サンプル生地から採取した繊維を前もって水素化ホウ素ナトリウムで還元することで残存アルデヒド基をアルコールに還元し、これを0.5Mの銅エチレンジアミン溶液に溶解させ、粘度法にて重合度を求めた。
銅エチレンジアミン溶液はアルカリ性であり、酸化セルロース中にアルデヒド基が残存していた場合には、溶解過程でベータ脱離反応が起こって分子量が低下してしまう可能性があるため、予め還元処理してアルデヒド基をアルコール性水酸基に変換した。
0.5Mの銅エチレンジアミン溶液に溶解させたセルロースの粘度から、セルロースの重合度を求める式については、「Isogai, A., Mutoh, N., Onabe, F., Usuda, M., “Viscosity measurements of cellulose/SO2-amine-dimethylsulfoxide solution”, Sen’i Gakkaishi, 45, 299-306 (1989). 」を参考にした。
さらに、白度は、CIELAB表色系より、L*−3b*として算出(Kollmorgen Instruments Corporation製のMacbeth WHITE-EYE3000微小面積にて測色)した乾燥前と乾燥後の各サンプルの白度の差を測定し、白色低下度とした。なお、絶乾後白度は、「JIS L-0105 4.3」に基づいて絶乾重量を測定した後の白度である。
また、表5に示す「漂白後綿布」は、40番手のフライス生成り生地を精練後、NaClO処理とH処理にて漂白し、脱水、乾燥させた綿布である。
Figure 0005574938
・結果と考察
実施例1−1及び1−2より、第1の酸化処理において、SDICとTEMPOを組み合わせた酸化剤を用いることによって重合度の低下を抑制しつつ、かつセルロース繊維中のCOOH基量を多くすることができた。これは、SDICが徐々に分解されて、NaClOが溶出することで、重合度低下とケトン生成を抑止しながら、COOH基を導入できたものと推測される。
また、SDICの濃度を高くすることによって、セルロース繊維中のCOOH基量をより多く導入することができた。
さらに、NaBHによる還元剤を用いた実施例1−3及び実施例1−4では、特に、白色度の低下が抑制できた。これは、第1の酸化処理で生じた白色低下の要因となる2位や3位の炭素の酸化による、ケトンが還元されたためと推測される。
・比較例1−1〜1―2
工程(1)の酸化処理において、SDICに代えて、5重量%次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法にて、親水性化セルロース繊維を製造した。表6に、第1の酸化処理で反応溶液中に含有するNaClOの含有量、有効塩素濃度、及び得られたサンプル生地の評価結果を示す。なお、有効塩素濃度は、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの遊離型塩素濃度を意味し、デジタル表示吸光光度法比色計にて測定した。
・比較例1−3〜1−4(酸化剤としてNaClOを用いた場合との比較)
工程(1)の酸化処理において、SDICに代えて、5重量%次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を用いた以外は、実施例1−3と同様の方法にて、親水性化セルロース繊維を製造した。表6に、第1の酸化処理で反応溶液中に含有するNaClOの含有量、有効塩素濃度、及び得られたサンプル生地の評価結果を示す。なお、有効塩素濃度は前記比較例1−1と同様の方法で算出した。
なお、比較のために、前記実施例1−1及び1−3についても表6に記載する。
Figure 0005574938
・結果と考察
表6より、同じ有効塩素濃度でも、第1の酸化処理においてNaClOとTEMPOを組み合わせた酸化剤を用いた比較例1−1は、SDICとTEMPOを組み合わせた酸化剤を用いた実施例1−1よりも重合度、及び白色度が低下し、COOH基量も小さくなった。
また、第1の酸化処理における反応溶液中のNaClOの濃度を上げ、有効塩素濃度を高くする(比較例1−2)と、COOH基量は大きくなったが、重合度の低下が顕著に現れ、白色度も低下した。
さらに、NaBHによる還元処理を行った比較例1−3では、白度の低下が抑制でき、比較例1−1と比較してCOOH基量、及び重合度において改善が見られたが、SDICとTEMPOを組み合わせた酸化剤を用いた実施例1−3と比較した場合には、十分な改善効果であるとはいえない。
また、第1の酸化処理でのNaClOの濃度を高くし、さらにNaBHによる還元処理を行った比較例1−4では、NaClOの濃度に起因する重合度の低下がみられた。
・実施例2−1〜2−3
第1の酸化処理において、表7に示す反応溶液及び反応条件で、さらに表8のpHで、各生地を酸化処理(工程(1))した以外は、実施例1−1と同様の方法にて親水性化セルロース繊維を製造し、実施例1−1と同様の方法にて、COOH基量、重合度、及び白度低下を測定した。評価結果を表8に示す。
・実施例2−4〜2−6
第1の酸化処理において、表7に示す反応溶液及び反応条件で、さらに表8のpHにて各生地を酸化処理(工程(1))した以外は、実施例1−3と同様の方法にて親水性化セルロース繊維を製造し、実施例1−1と同様の方法にて、COOH基量、重合度、及び白度低下を測定した。評価結果を表8に示す。
Figure 0005574938
Figure 0005574938
・結果と考察
NaBHによる還元処理を行っていない実施例2−1〜2−3、及びNaBHによる還元処理を行った実施例2−4〜2−6のいずれの実施例においても、pH条件はアルカリ条件である方がCOOH基量が多くなることが分かる。
・実施例3−1〜3−3
第1の酸化処理において、表9に示す反応溶液及び反応条件で、さらに表10に示すTEMPO又はTEMPO誘導体を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法にて親水性化セルロース繊維を製造し、実施例1−1と同様の方法にて、COOH基量、重合度、及び白度低下を測定した。評価結果を表10に示す。なお、表10の「漂白後綿布」は、40番手のフライス生成り生地を精練後、NaClO処理とH処理にて漂白し、脱水、乾燥させた綿布である。
Figure 0005574938
Figure 0005574938
第1の酸化処理において、TEMPO以外のTENPO誘導体(4−アセトアミドTEMPO、4−メトキシTEMPO)を用いた場合でも、重合度低下を抑制することができ、かつCOOH基を多く導入できることが分かった。
・実施例4−1〜4−10
・第1の酸化処理(工程(1))
表11に示す反応溶液及び反応条件で、生地(セルロース繊維)のTEMPOおよびSDICによる第1の酸化処理を以下の手順で行った。なお、生地としては、綿100%メリヤス生地(40番手のフライス生成り生地)を用いて精錬(グランアップRS-5000(三洋化成製)2.0g/L、ソーダ灰1.0g/L、70℃、20分)を行い、60℃の水で湯洗い及び水洗したものを用いた。
表11のTEMPO、及びNaBrを水に溶解させ、さらに、生地を十分に浸漬させた。前記溶液にさらに、pHが10になるように、NaClOを添加することにより反応溶液を調整した。pHが低下すれば、その都度NaClOを添加し、pHが10になるように調整しながら、第1の酸化処理を行った。なお、表11の反応時間は、最初に反応溶液に次亜塩素酸ナトリウムを入れ終わった時点からの時間である。前記、TEMPOによって酸化処理した後、各サンプルを反応溶液から取り出し、水洗した。
Figure 0005574938
前記、TEMPO及びSDICによる第1の酸化処理を行った後、各サンプルを反応溶液から取り出し、水洗した。
・第2の酸化処理(工程(2))
前記第1の酸化処理、及び水洗した各サンプル生地を、さらに、表12に示す条件の反応溶液でNaClOによる第2の酸化処理を行った。なお、表12中のCG1000は、亜塩素漂白用キレート剤ネオクリスタル(日華化学社製)であり、NaClOは、25重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
前記酸化処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・脱塩素処理(工程(3))
前記、第2の酸化処理、湯洗い、及び水洗を行った各サンプル生地を、さらに、表13に示す条件の反応溶液でHによる脱塩素処理を行った。なお、表13中のPLC7000は、ポリカルボン酸系キレート剤ネオレート(日華化学社製)であり、Hは、5重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
前記脱塩素処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・還元処理(工程(4)、実施例4−6〜4−10にのみ実施)
前記、脱塩素処理、湯洗い、及び水洗を行った各サンプル生地を、さらに、表14に示す条件の反応溶液で還元処理を行った。
Figure 0005574938
前記還元工程を行った後、各サンプルを取り出し、水洗した。
・中和処理
実施例4−6〜4−10における還元処理(工程(4))後の各サンプル生地を、1.0M HClを用いて、pHが4になるように中和処理を行った。
・洗浄、乾燥処理
前記中和処理が終了した各サンプル生地を、水洗い(5分間×1回)、湯洗い(60℃、10分間×1回)、水洗い(5分間×2回)を行った。その後、サンプル生地を40℃の乾燥室で乾燥させた。
・評価結果
表15に、上記の製造工程によって製造された各サンプル生地(実施例4−1〜4−10)についてのカルボキシル基量(COOH基量)、重合度、および白度低下を実施例1−1と同様の方法にて測定した。評価結果を表15に示す。
また、実施例4−6〜4−10における工程(1)の酸化処理工程におけるSDIC濃度とCOOH基量(左の縦軸)の関係(プロット:◆)、及びSDIC濃度と重合度(右の縦軸)の関係をプロットしたグラフを図1に示す(プロット:■)。
なお、「漂白後綿布」は、40番手のフライス生成り生地を精練後、NaClO処理とH処理にて漂白し、脱水、乾燥させた綿布である。
Figure 0005574938
・結果と考察
表15及び図1より、SDICの濃度が5〜10%owfで停滞期間が見られるが、SDICの濃度を高くするに従ってCOOH基量は増大した。また、SDICの濃度を増大させても、重合度は1200程度に保つことができた。
・比較例2−1〜2−9
・第1の酸化処理(工程(1))
表16に示す反応溶液及び反応条件で、TEMPO及びNaClOによる第1の酸化処理を以下の手順で行った。なお、生地としては、綿100%メリヤス生地(40番手のフライス生成り生地)を用いて、精錬(グランアップRS-5000(三洋化成製)2.0g/L、ソーダ灰1.0g/L、70℃、20分)を行い、60℃の水で湯洗い及び水洗したものを用いた。
表16のTEMPO、及びNaBrを水に溶解させ、さらに、生地を十分に浸漬させた。前記溶液にさらに、pHが10になるように、NaClOを添加することにより反応溶液を調整した。pHが低下すれば、その都度NaClOを添加し、pHが10になるように調整しながら、第1の酸化処理を行った。なお、表16の反応時間は、最初に反応溶液に次亜塩素酸ナトリウムを入れ終わった時点からの時間である。
Figure 0005574938
前記、TEMPO及びNaClOによって酸化処理した後、各サンプルを反応溶液から取り出し、水洗した。
・第2の酸化処理(工程(2))
前記第1の酸化処理、及び水洗した各サンプル生地を、さらに、表17に示す条件の反応溶液でNaClOによる酸化処理を行った。なお、表17中のCG1000は、亜塩素漂白用キレート剤ネオクリスタル(日華化学社製)であり、NaClOは、25重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
前記酸化処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・脱塩素処理(工程(3))
前記、NaClOによる第2の酸化処理を行い、湯洗い、及び水洗した各サンプル生地を、さらに、表18に示す条件の反応溶液でHによる脱塩素処理を行った。なお、表18中のPLC7000は、ポリカルボン酸系キレート剤ネオレート(日華化学社製)であり、Hは、5重量%の水溶液を用いた。
Figure 0005574938
前記脱塩素処理を行った後、各サンプルを取り出し、60℃の水で湯洗いし、さらに水洗した。
・中和処理
前記脱塩素処理(工程(3))後の各サンプル生地を、pHが4になるように、中和処理を行った。
・洗浄、乾燥処理
前記中和処理が終了した各サンプル生地を、水洗い(5分間×1回)、湯洗い(60℃、10分間×1回)、水洗い(5分間×2回)を行った。その後、サンプル生地を40℃の乾燥室で乾燥させた。
・評価結果
上記の製造工程によって製造された各サンプル生地(比較例4−1〜4−9)についてのカルボキシル基量(COOH基量)、重合度、および白度低下を実施例1−1と同様の方法により測定した。評価結果を表19に示す。また、工程(1)の酸化処理工程における反応時間とCOOH基量の関係をプロットしたグラフを図2に示す。なお、図2の横軸は反応時間であり、縦軸はCOOH基量である。さらに、工程(1)の酸化処理工程における反応時間と重合度の関係をプロットしたグラフを図3に示す。なお、図3の横軸は反応時間であり、縦軸は重合度である。また、図2、及び図3に示す◆は15℃、■は25℃、及び▲は45℃で第1の酸化処理を行ったときのプロットである。
Figure 0005574938
・結果と考察
経時変化にともなってCOOH基は導入されるが、反応温度15℃、25℃までは少量しか導入できず、45℃で反応が進行しやすくなる。しかしながら、反応温度を45℃にまで上げると、重合低下が大きく生じてしまうことが分かった。
また、第1の酸化処理において、ある程度のNaClOが添加されてからでないと、TEMPO酸化が進行しないが、その場合も、重合度の低下が生じてしまい。生地脆化が進行してしまうことが分かった。

Claims (11)

  1. (1)N−オキシル化合物、及びハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩を含む第1の反応溶液中で、セルロース繊維を酸化させる第1の酸化処理工程、及び
    (2)前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維を、酸化剤を含む第2の反応溶液中で酸化させることにより、前記工程(1)で得られた酸化セルロース繊維中に存在するアルデヒド基を酸化する第2の酸化処理工程
    を含む親水性化セルロース繊維の製造方法。
  2. 工程(1)において、第1の反応溶液中にさらに助触媒を含む請求項1に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  3. 工程(1)における助触媒が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び硫酸塩からなる少なくとも1種の塩である請求項に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  4. 工程(2)における酸化剤が、ハロゲン酸系酸化剤である請求項のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  5. ハロゲン酸系酸化剤が、亜ハロゲン酸又はその塩である請求項に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  6. (3)工程(2)で得られた酸化セルロース繊維を、さらに脱ハロゲン処理する工程を含む請求項のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  7. 工程(1)における第1の反応溶液のpHが8〜12である請求項1〜のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  8. 工程(2)における第2の反応溶液のpHが3〜7である請求項のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  9. (4a)工程(2)によって得られた酸化セルロース繊維を、さらに還元剤を含む反応溶液中で還元させる還元処理工程を含む請求項のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  10. (4b)工程(3)によって得られた酸化セルロース繊維を、さらに還元剤を含む反応溶液中で還元させる還元処理工程を含む請求項のいずれかに記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
  11. 還元工程における還元剤が、チオ尿素、ハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及び水素化ホウ素リチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項又は10に記載の親水性化セルロース繊維の製造方法。
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