JP5574769B2 - 不明水監視装置及び不明水監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生活排水や工場廃水等の下水処理に雨天時に流入する不明水の発生を監視する不明水監視装置及び不明水監視方法に関する。
下水道には、合流式下水道と分流式下水道の2つの方式がある。合流式下水道は、排水と雨水が同一管渠を流下して、下水処理及び雨水排水処理を行なう方法である。また、分流式下水道は、汚水と雨水は別々の管渠を流下して、下水処理及び雨水排水処理を行なう方式である。近年では、分流式下水道の整備が進んでいる。
分流式下水道では、通常、汚水管渠には汚水のみが流入する。一方、管渠の損傷、管渠への雨水流入、管の誤接続等によって、分流式下水道には計画した汚水量よりも多くの汚水量が流入する場合がある。この通常の汚水量を超える汚水は不明水とよばれ、汚水の水質に影響を与え、下水処理における運用方法への影響や、処理コストの増大につながることから、下水処理場における大きな問題となっている。
分流式下水道で不明水の影響を低減するためには、不明水の発生地点を把握し、その地点を改修する必要がある。しかしながら、不明水の発生地点の把握には、管渠の埋設状況、下水処理場の運用データ又は調査用の流量計測データ等を収集・解析し、不明水の発生箇所の絞込みを行なう必要があり、これらの調査には多くの労力、時間、コストがかかる。したがって、不明水の発生箇所をできるだけ短時間かつ簡単な方法で絞り込む技術が求められている。
従来から、不明水の発生区域を推定する方法が様々ある(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の方法では、雨量データと不明水量データの時系列データ間のパターン解析(相関値)をもとに不明水発生分布を推定している。こkの特許文献1に記載される推定方法では、雨量データと不明水量データの時系列データの間のパターン解析(相関値)をもとに不明水発生分布の推定を行なうものであり、各種データから不明水発生分布の推定を行なうことができる。しかしながら、推定にあたって長期間のデータや土木データが必要であり、パターン解析にあたって流達時間等を考慮した補正処理が必要になるため、程度の経験的なノウハウが必要である。
特許第3857670号公報
松島 修、「事例ベースモデリング技術を用いた雨天時浸入水発生領域の絞込みに関する技術マニュアルの概要」、「月間下水道」、Vol.31、No.2、p.58−64
上述したように、従来の不明水の発生区域の推定方法では、推定が困難であったり、経験的なノウハウが必要であった。
本発明は、上記課題に鑑み、下水処理場に流入する雨天時不明水の発生箇所や量を容易に把握することができる不明水監視装置及び不明水監視方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、雨天時に複数の区域で発生する不明水を監視する不明水監視装置であって、各区域の時刻毎の降雨量を蓄積する降雨量データを記憶する降雨量記憶部と、前記複数の区域から下水処理場に流入する汚水の時刻毎の流入量を蓄積する流入量データを記憶する流入量記憶部と、前記流入量記憶部に記憶されている晴天時の流入量と雨天時の流入量との差を降雨イベントとして定められる所定期間の雨天時の不明水の総量として求める総不明水量算出手段と、前記降雨量記憶部に記憶されている前記所定期間の降雨量を加算し、各区域における所定期間の総降雨量を求める総降雨量算出手段と、前記総不明水量算出手段で算出した不明水の総量と前記総降雨量算出手段で算出した各区域の総降雨量を用いて各区域の不明水量を特定する値を求め、当該値から該当する値を選択して不明水の発生する区域を推定する不明水発生区域推定手段とを備える。
また、他の形態に係る本発明は、雨天時に複数の区域で発生する不明水を監視する不明水監視方法であって、各区域の時刻毎の降雨量を蓄積する降雨量データを降雨量記憶部に記憶するステップと、前記複数の区域から下水処理場に流入する汚水の時刻毎の流入量を蓄積する流入量データを流入量記憶部に記憶するステップと、前記流入量記憶部に記憶されている晴天時の流入量と雨天時の流入量との差を降雨イベントとして定められる所定期間の雨天時の不明水の総量として求めるステップと、前記降雨量記憶部に記憶されている前記所定期間の降雨量を加算し、各区域における所定期間の総降雨量を求めるステップと、算出された不明水の総量と各区域の総降雨量を用いて各区域の不明水量を特定する値を求め、当該値から該当する値を選択して不明水の発生する区域を推定するステップとを備える。
本発明は、下水処理場に流入する雨天時不明水の発生箇所や量を容易に把握することができる。
本発明の実施形態に係る不明水監視装置を備える不明水監視システムの一例について説明する図である。 図1の不明水監視装置の一例について説明するブロック図である。 降雨量と不明水量の関係について説明する図である。 降雨イベントの決定方法について説明する図である。 不明水発生区域の推定に利用するデータの一例である。 重回帰分析を使用した不明水発生区域の推定について説明する図である。 不明水量が増加している場合の推定式の回帰係数の一例を示す図である。 不明水量が減少している場合の推定式の回帰係数の一例を示す図である。 ステップワイズ法を使用した不明水発生区域の推定について説明する図である。 不明水監視装置で表示される画面の一例を示す図である。 不明水監視装置で表示される工事に関する画面の一例を示す図である。 不明水監視装置によって表示される推移に関する画面の一例を示す図である。 図1の不明水監視装置における処理の一例を説明するフローチャートである。 不明水監視システムの変形例について説明する図である。
以下に、図面を用いて本発明の実施形態に係る不明水監視装置について説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る不明水監視装置10を有する不明水監視システム1は、汚水と雨水とが別々の管渠を流下する分流式下水道で使用される。この分流式下水道は、対象の地域Aの家庭や事業所等から発生した汚水のみを汚水管20を通して下水処理場30に送水して処理する。下水処理場30において適切に処理された処理水は、河川等に放流する。一方、雨水は汚水管20とは別の管渠(図示せず)に流入して放流する。
この分流式下水道では、晴天時は、汚水のみが汚水管20に流入する。一方、雨天時は、汚水とともに雨水が流入し雨天時不明水が発生することがある。この雨天時不明水の水量や発生箇所の把握に、自治体等が保有する降雨レーダ40からの降雨量や気象情報配信事業者(図示せず)が配信する降雨量をもとにデータ処理装置50で算出される降雨量データや、下水処理場へ流入する汚水量測定センサ60で測定される汚水の流入量データを利用する。
図2に示すように、不明水監視装置10は、中央処理装置(CPU)100、通信インタフェース(通信I/F)110、キーボードやマウス等の入力装置120、ディスプレイ等の出力装置130及び記憶装置140を備える情報処理装置である。この不明水監視装置10の記憶装置140は、不明水の監視に利用する不明水監視プログラムPを記憶しており、この不明水監視プログラムPを読み出して実行することで、CPU100に降雨量記憶処理手段100a、流入量記憶処理手段100b、降雨イベント特定手段100c、総降雨量算出手段100d、総不明水量算出手段100e、不明水発生区域推定手段100f、変化推定手段100g、不明水発生量推定手段100h、効果推定手段100i及び表示処理手段100jが実装される。
降雨量記憶処理手段100aは、データ処理装置50が送信した降雨量データを入力すると、入力した降雨量データを記憶装置140に記憶する。例えば、対象の地域Aは、複数の区域a1,a2,・・・anに区分されており、降雨量記憶処理手段100aは各区域に関する降雨量を降雨量データとして入力する。降雨量は時間によって変化するため、記憶装置140の降雨量データ140aでは、異なる時間に取得された複数のデータが蓄積されている。
流入量記憶処理手段100bは、汚水量測定センサ60が測定した汚水の流入量データを入力すると、入力した汚水の流入量データを記憶装置140に記憶する。流入量も時間によって変化するため、記憶装置140の流入量データ140bでは、異なる時間に取得された複数のデータが蓄積されている。
降雨イベント特定手段100cは、降雨量データを利用して対象の地域Aの降雨イベントを特定する。
雨天時不明水は、図3に一例を示すように、降雨の影響により発生する不明水であるが、雨天時不明水の発生や水量は線形的な現象ではなく、土壌による浸透の影響や降雨状況による流達時間の違い等に影響される。例えば、降雨の発生後に不明水の発生する時間は一定しておらず、降雨量と雨天時不明水量の関係も異なる等、雨天時不明水は非線形性の強い現象である。しかしながら、降雨量の総量と不明水の総量との関係で捉えた場合、その関係はある程度線形的な現象として捉えることができる。そこで、不明水監視装置10では、降雨イベントにおける区域の総降雨量と不明水の総量のデータを利用し、雨天時不明水を監視する。
不明水の監視の際、各降雨イベントが前回の降雨イベントの影響を受けることがないように、無降雨時間の間隔が一定時間空くようにすることが望ましい。また、このとき、降雨量が少ない場合には、誤差が生じやすく、不明水の発生区域や発生量を求めるデータとして採用することが望ましくない。したがって、降雨イベント特定手段100cでは、記憶装置140に記憶されている降雨量データ140aを読み出し、無降雨時間の間隔を利用して降雨イベントを特定する。
例えば、図4に示すように、降雨イベント特定手段100cは、降雨量データ140aとして記憶装置140に記憶される雨量をパルスとして表わし、前回のパルス群から次のパルス群までの間隔を無降雨時間と判断する。降雨イベント特定手段100cは、無降雨時間の間隔が一定時間以上であれば、別々の降雨イベントとし、無降雨時間の間隔が一定時間未満であれば、同一の降雨イベントとする。このとき、降雨イベント特定手段100cは、予め定められる所定量の雨量があった場合にのみ、処理対象の降雨イベントとして特定する。
総降雨量算出手段100dは、降雨量データ140aから対象の降雨イベントの期間における各区域a1〜anの降雨量を抽出し、区域毎に抽出した降雨量を加算して対象の降雨イベントにおける各区域a1〜anの総降雨量r1〜rnを算出する。
総不明水量算出手段100eは、流入量データ140bに含まれる雨天時(対象の降雨イベント)の汚水の流入量と晴天時の汚水の流入量との差を地域Aで対象の降雨イベントにおいて発生する不明水の総量Qとして算出する。
不明水発生区域推定手段100fは、総降雨量算出手段100dで算出した総降雨量r1〜rn及び総不明水量算出手段100eで算出した不明水の総量Qを利用して、不明水監視システム1が対象とする地域A内で不明水が発生している区域を推定する。例えば、不明水発生区域推定手段100fは、不明水が発生している区域の推定の際に重回帰分析を利用することができる。具体的には、不明水発生区域推定手段100fは、図5に示すように、複数の降雨イベントに対して総降雨量算出手段100dで求められた各区域の総降雨量riと総不明水量算出手段100eで求められた不明水の総量Qを含むデータ(data1〜datam)を利用して重回帰分析を行う。なお、重回帰分析を行なうにあたっては、対象とする地域Aの区域数(n)よりも多い数(m>n)のデータが必要である。
このデータを利用して重回帰分析により得られる式は、下記の式(1)のような各区域の総雨量と不明水の総量との関係を表わす推定式である。
Q=α0+α1・r1+α2・r2+α3・r3+・・・+αn-1・rn-1+αn・rn+ε ・・・(1)
Q:降雨イベントにおける不明水の総量[m3
α0:切片
αi:i番目の回帰係数(i=1,・・・,n)
ri:降雨イベントにおける区域aiの総降雨量[mm](i=1,・・・,n)
ε:誤差
不明水発生区域推定手段100fは、全てのデータを利用して複数の推定式を求め、各推定式に適合するように、各区域a1〜anと対応する回帰係数α1〜αnを求める。また不明水発生区域推定手段100fは、全ての回帰係数α1〜αnを求めると、求めた回帰係数を比較する。不明水発生区域推定手段100fは、比較の結果、著しく大きい値の回帰係数αkと対応する区域akに降った雨が不明水量に大きく関係し、不明水が発生している区域であると推定する。
例えば、図6に示す例では、他の回帰係数と比較して、回帰係数α8が明らかに大きな値であるため、不明水発生区域推定手段100fは、a8で不明水が発生していると推定する。
変化推定手段100gは、降雨イベントのデータの蓄積によって、不明水発生区域推定手段100fで求められた推定式を利用して、不明水の変化を推定する。具体的には、変化推定手段100gは、不明水発生区域推定手段100fによって第1期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第1期間の推定式と、第1期間に続く第2期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第2期間の推定式とを比較し、不明水の変化を推定する。
例えば、ある年(第1期間)の不明水の推定式(式(2))と翌年(第2期間)の不明水の推定式(式(3))があるとする。
Qb=αb0+αb1・r1+αb2・r2+αb3・r3+・・・+αbn-1・rn-1+αbn・rn+ε ・・・(2)
Qa=αa0+αa1・r1+αa2・r2+αa3・r3+・・・+αan-1・rn-1+αan・rn+ε ・・・(3)
このとき例えば、区域akに関し、ある年の回帰係数αakと比較して、翌年の回帰係数αbkが著しく増加しているとき、区域akにおいて不明水が発生していると推定できる。したがって、変化推定手段100gは、管路の損傷の拡大、新たな管路の損傷の発生又は管路の誤接続の発生等、不明水の要因を推測することができる。
例えば、図7(a)に示すように、ある地域の2009年の降雨イベントデータ(data1〜datam)を利用して重回帰分析を行い回帰係数がαi1〜αi16のように求められたとする。2009年の降雨イベントデータから求められた回帰係数αi1〜αi16によると、区域a8の回帰係数αi8が最も値が大きいため、区域a8で不明水が多く発生している可能性が高いと推測される。
また、図7(b)は、同一の地域の2010年の降雨イベントデータ(data1〜datan)を利用して重回帰分析を行った場合に求められた回帰係数αii1〜αii16の一例である。2009年の降雨イベントデータから求めた回帰係数と2010年の降雨イベントデータから求めた回帰係数を比較すると、区域a8についての回帰係数が、19.964[m3/mm]から27.956[m3/mm]へと大きく増加している。区域a8は、2009年にも不明水が発生している可能性が高いと推測されていた区域であるが、これにより、2010年にこの区域a8において、新たな不明水要因が発生したと推測される。したがって、この区域a8を優先的に管路の調査、補修又は更新等を行なう必要があると判断できる。
また逆に、区域akに関し、ある年の回帰係数αakと比較して、翌年の回帰係数αbkが著しく減少しているとき、区域akにおいて、管路の補修や更新等の工事が行なわれている場合、この工事が不明水の除去に効果があったと推測することができる。
例えば、図8(a)に示すように、ある地域の2009年の降雨イベントデータ(data1〜datamp)を利用して重回帰分析を行い回帰係数αi1〜αi16が求められたとする。2009年の降雨イベントから求められた回帰係数αi1〜αi16によると、区域a8の回帰係数αi8が最も大きいため、区域a8で不明水が多く発生している可能性が高いと推測される。
また、図8(b)は、同一の地域の2010年の降雨イベントデータ(data1〜dataq)を利用して重回帰分析を行った場合に求められた回帰係数αii1〜αii16の一例である。2009年の降雨イベントデータから求めた回帰係数と2010年の降雨イベントから求めた回帰係数を比較すると、区域a8についての回帰係数が、27.956[m3/mm]から19.964[m3/mm]へと大きく減少している。これにより、区域a8では、2010年に管渠の補修等が行なわれ、不明水の要因が除去された結果、不明水が削減できたものと推測される。
すなわち、変化推定手段100gは、不明水発生区域推定手段100fによって第1期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第1期間の推定式と、第1期間に続く第2期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第2期間の推定式とを比較し、第1期間の推定式の係数が第2期間の推定式の係数より低い場合は、不明水が発生している可能性があると推定し、第1期間の推定式の係数が第2期間の推定式の係数より高い場合は、不明水の原因が解決した可能性が高いと推定する。
不明水発生量推定手段100hは、不明水発生区域推定手段100fで求めた値を利用して、各区域aiにおける不明水の量を推定する。具体的には、式(1)の推定式において、回帰係数αiの単位は[m3/mm]であることから、不明水発生量推定手段100hは、ある区域aiにおいて、1mmの降雨量に対してαim3の不明水が発生する可能性があると推定することができる。したがって、不明水発生量推定手段100hは、不明水発生区域推定手段100fで選択された回帰係数αiと降雨量の積を発生する不明水の推定量と求める。
上述の説明では、不明水発生区域推定手段100fは、重回帰分析を利用していたが、ステップワイズ法を利用してもよい。重回帰分析では、全ての総降雨量と不明水の総量との関係を表わす推定式(1)を用いていたが、不明水の発生に寄与しない区域もその推定式には含まれることになる。そのため、不明水発生区域推定手段100fは、ステップワイズ法を利用してもよい。変数の数を取捨選択しながら、相関の高い変数のみを選択して目的とする変数を表現することが可能である。不明水発生区域推定手段100fは、ステップワイズ分析で利用する各区域aiに対応する変数を求め、図9に示すように、求めた複数の変数から、最適な値を選択する。また、不明水発生区域推定手段100fは、最適な値を選択すると、選択された変数に対応する区域akで不明水が発生していると推定する。
ステップワイズ法の場合、選択された変数で不明水発生区域を推定することが可能である。したがって、ステップワイズ法を利用した場合、不明水発生量推定手段100hは、選択された変数の値を該当する区域での降雨量1mmあたりの不明水発生量と推定する。したがって、不明水発生量推定手段100hは、不明水発生区域推定手段100fで選択された変数と降雨量の積を発生する不明水の推定量と求める。
総降雨量のデータや不明水の総量のデータは、ある程度の誤差があるものと推測される。例えば、降雨量が少ない場合には、降雨量に対して発生する誤差が大きくなることが想定される。したがって、ある一定以上の降雨量があった降雨イベントを対象とすることにより、降雨量における誤差の影響を低減することができると考えられる。そのため、重回帰分析やステップワイズ分析により求められた値を精度の高い値とすることができる。
また、不明水発生区域推定手段100fでは、重回帰分析で求めた結果とステップワイズ分析で求めた結果を蓄積し、その蓄積された結果から、最適な結果を求める手法を判断できたとき、重回帰分析又はステップワイズ分析から適切な手法を選択してその後の処理を実行するようにしてもよい。
上述したように、ある程度の周期(期間)で推定式を更新することにより、不明水発生の可能性の高い区域や不明水発生量の情報を経年的に捉えることで、不明水発生所の調査に有効な情報ができるものと考えられる。なお、上述した例で、推定式の更新の周期を1年としているが、対象とする区域数よりも多い降雨イベントデータを確保することができれば、必ずしも1年周期である必要はない。また、2009年1月から2009年12月分、2009年7月から2010年6月分、2010年1月から2010年12月分等のように、同じ期間の降雨イベントデータを重複して利用して推定式を更新してもよい。
記憶装置140では、汚水管や雨水管の工事の履歴として、工事が行なわれた管路の場所、工事の時期及び工事の概要を少なくとも関連付ける工事データ140cを記憶している。
効果推定手段100iは、不明水発生区域推定手段100fで不明水が発生していると推定された区域に関するデータ及び変化推定手段100gで推定された不明水の変化に関するデータに、記憶装置140で記憶されている工事データを関連付けた画面データを生成する。
また、表示処理手段100jは、効果推定手段100iで生成された画面データを出力装置130や、不明水監視装置10と接続される外部の表示装置(図示せず)に表示する。例えば、表示処理手段100jは、画面データから、まず、図10に示すような推定した不明水に関する画面D1を表示する。この画面D1では、最新の不明水の推定情報に関する情報として、区域の番号と、値が大きい不明水推定量を表示する。図10に示す例では、区域8と区域15が、不明水が多く発生している可能性のある区域である。
図10に示すように、画面D1には、工事に関する予定や履歴に関する画面D2(図11)を表示させる工事情報表示ボタンb1と、不明水の推定結果の推移に関する画面D3(図13)を表示させる不明水推定結果推移表示ボタンb2を有している。図11及び図12の例では、区域8では、2010年の推定結果で不明水推定量が減少しており、2010年に実施した工事がこの不明水の推定量の減少に効果をあげたと推測することができる。また、区域15では、不明水推定量が徐々に増加しており、新たな不明水要因が発生していると推測することができ、この区域15で優先的に管路の調査、補修、更新等を行なう必要があると判断することができる。
なお、図10乃至図12に示す画面D1〜D3は、数値やグラフを有する構成であるが、不明水発生区域や工事実施箇所については、地図情報と重ね合わせることも有効な標示方法である。したがって、地図情報と重ね合わせた表示画面を表示してもよい。
図13に示すフローチャートを用いて、不明水監視装置10における処理の流れについて説明する。ここでは、不明水発生区域推定手段100fで重回帰分析を利用する場合の一例について説明する。
降雨量記憶処理手段100aは、各区域aiの降雨量に関するデータを収集して記憶するとともに、流入量記憶処理手段100bは、各区域aiの汚水の流入量に関するデータを収集して記憶する(S11)。
その後、降雨イベント特定手段100cが記憶装置140の降雨量データ140aを用いて降雨イベントを特定すると(S12でYES)、総降雨量算出手段100dは、記憶装置140に記憶される降雨量データ140aから該当する降雨イベントに関する降雨量を抽出するとともに、各区域aiにおける総降雨量riを算出し、総不明水量算出手段100eは、記憶装置140に記憶される流入量データ140bから雨天時の流入量と晴天時の流入量を抽出して不明水の総量Qを算出する(S13)。
必要な降雨イベントに関するデータを抽出すると(S14でYES)、不明水発生区域推定手段100fは、推定式を生成し、各エリアにおける回帰係数を決定する(S15)。不明水発生区域推定手段100fは、全ての回帰係数を決定すると、各回帰係数を比較し(S16)、回帰係数の高い区域を不明水発生区域として推定する(S17)。
その後、不明水発生量推定手段100hは、回帰係数を利用して不明水の発生量を推定する(S18)。
上述したように、本発明の実施形態に係る不明水監視装置10によれば、容易に不明水発生区域や特定の区域における不明水発生量を推定することができる。これにより、不明水の発生箇所を調査し、改修を効率的に行なうことが可能となる。
〈変形例〉
図1に示した不明水監視システム1では、降雨量の測定に降雨レーダ40を利用していたが、図14に示すように、各区域aiに設置され、設置される各区域aiの雨量を測定する地上雨量計70を使用してもよい。図14に示す例では、図1と同一の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。地上雨量計70を利用する場合、不明水監視装置10では、降雨レーダ40からの降雨量データに代えて、地上雨量計70を利用する他には、図1を用いて上述した場合と同様に処理される。
1…不明水監視システム
10…不明水監視装置
100…CPU
100a…降雨量記憶処理手段
100b…流入量記憶処理手段
100c…降雨イベント特定手段
100d…総降雨量算出手段
100e…総不明水量算出手段
100f…不明水発生区域推定手段
100g…変化推定手段
100h…不明水発生量推定手段
100i…効果推定手段
100j…表示処理手段
110…通信インタフェース
120…入力装置
130…出力装置
140…記憶装置(降雨量記憶部、流入量記憶部、工事履歴記憶部)
140a…降雨量データ
140b…流入量データ
140c…工事データ
20…汚水管
30…下水処理場
40…降雨レーダ
50…データ処理装置
60…汚水量測定センサ
70…地上雨量計

Claims (14)

  1. 雨天時に複数の区域で発生する不明水を監視する不明水監視装置であって、
    各区域の時刻毎の降雨量を蓄積する降雨量データを記憶する降雨量記憶部と、
    前記複数の区域から下水処理場に流入する汚水の時刻毎の流入量を蓄積する流入量データを記憶する流入量記憶部と、
    前記流入量記憶部に記憶されている晴天時の流入量と雨天時の流入量との差を降雨イベントとして定められる所定期間の雨天時の不明水の総量として求める総不明水量算出手段と、
    前記降雨量記憶部に記憶されている前記降雨イベントの降雨量を加算し、各区域における前記降雨イベントにおける総降雨量を求める総降雨量算出手段と、
    前記総不明水量算出手段で算出した不明水の総量と前記総降雨量算出手段で算出した各区域の総降雨量を用いて各区域の不明水量を特定する値を求め、当該値から該当する値を選択して不明水の発生する区域を推定する不明水発生区域推定手段と、
    を備えることを特徴とする不明水監視装置。
  2. 前記不明水発生区域推定手段によって第1期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第1期間の値と、前記第1期間に続く第2期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第2期間の値とを比較し、不明水の変化を推定する変化推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不明水監視装置。
  3. 前記不明水発生区域推定手段は、重回帰分析を利用して前記不明水の総量及び各区域の総降雨量を用いた複数の推定式を定め、当該複数の推定式から各区域の不明水量を特定する係数を求め、求めた複数の係数を比較して値の大きい係数を選択し、選択した係数に対応する区域を不明水が発生している区域と推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の不明水監視装置。
  4. 前記不明水発生区域推定手段は、前記不明水の総量及び各区域の総降雨量を用いてステップワイズ法で利用する変数を求め、求めた複数の変数から該当する変数を選択し、選択された変数に対応する区域で不明水が発生していると推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の不明水監視装置。
  5. 前記不明水発生区域推定手段で選択された値と降雨量の積を該当する区域の不明水の推定値として求める不明水発生量推定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の不明水監視装置。
  6. 前記降雨量記憶部に記憶されている降雨量データを読み出すとともに、所定量以上の降雨量かつ前回の雨天期間と次回の雨天期間との間隔が所定間隔以上である雨天期間を前記降雨イベントと特定する降雨イベント特定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の不明水監視装置。
  7. 汚水管及び雨水管の工事の履歴として工事した管路の場所、工事の時期及び工事の概要を関連付ける工事データを記憶する工事履歴記憶部と、
    前記不明水発生区域推定手段で不明水が発生していると推定された区域に関するデータ及び前記変化推定手段で推定された変化に関するデータに、前記工事データ記憶部に記憶される工事データを関連付けて工事による不明水改善の効果を推定する効果推定画面を生成する効果推定手段と、
    前記効果推定画面を表示する表示処理手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の不明水監視装置。
  8. 前記効果推定手段は、前記効果推定画面に地図情報を組み合わせることを特徴とする請求項7に記載の不明水監視装置。
  9. 雨天時に複数の区域で発生する不明水を監視する不明水監視方法であって、
    各区域の時刻毎の降雨量を蓄積する降雨量データを降雨量記憶部に記憶するステップと、
    前記複数の区域から下水処理場に流入する汚水の時刻毎の流入量を蓄積する流入量データを流入量記憶部に記憶するステップと、
    前記流入量記憶部に記憶されている晴天時の流入量と雨天時の流入量との差を降雨イベントとして定められる所定期間の雨天時の不明水の総量として求めるステップと、
    前記降雨量記憶部に記憶されている前記降雨イベントの降雨量を加算し、各区域における前記降雨イベントにおける総降雨量を求めるステップと、
    算出された不明水の総量と各区域の総降雨量を用いて各区域の不明水量を特定する値を求め、当該値から該当する値を選択して不明水の発生する区域を推定するステップと、
    を備えることを特徴とする不明水監視方法。
  10. 不明水の発生する区域の推定手段によって第1期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第1期間の値と、前記第1期間に続く第2期間の不明水の総量及び総降雨量とから求められた第2期間の値とを比較し、不明水の変化を推定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の不明水監視方法。
  11. 不明水の発生する区域の推定では、重回帰分析を利用して前記不明水の総量及び各区域の総降雨量を用いた複数の推定式を定め、当該複数の推定式から各区域の不明水量を特定する係数を求め、求めた複数の係数を比較して値の大きい係数を選択し、選択した係数に対応する区域を不明水が発生している区域と推定することを特徴とする請求項9又は10に記載の不明水監視方法。
  12. 不明水の発生する区域の推定では、前記不明水の総量及び各区域の総降雨量を用いてステップワイズ法で利用する変数を求め、求めた複数の変数から該当する変数を選択し、選択された変数に対応する区域で不明水が発生していると推定することを特徴とする請求項9又は10に記載の不明水監視方法。
  13. 前記選択された値と降雨量の積を該当する区域の不明水の推定値として求めることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の不明水監視方法。
  14. 前記降雨量記憶部に記憶されている降雨量データを読み出すステップと、
    所定量以上の降雨量かつ前回の雨天期間と次回の雨天期間との間隔が所定間隔以上である雨天期間を前記降雨イベントと特定するステップと
    をさらに備えることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の不明水監視方法。
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