JP5574077B2 - 照明装置及びプロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置及びプロジェクターに関する。
光源として高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電灯(ランプ)を使用したプロジェクターが知られている。また、このようなプロジェクターとしては、放電灯の定常点灯時においては、定電力を放電灯に供給して駆動するプロジェクターが知られている。
また、複数の光源(放電灯)を有し、これらを選択的に点灯することができる投射型表示装置(プロジェクター)が知られている。
特開2008−140657号公報 特開平8−36180号公報
放電灯にはそれぞれ寿命があるため、放電灯を用いた装置を使い続けるためには、放電灯を交換する必要がある。放電灯の交換回数を減らすためには、残り寿命の短い放電灯に対しては、寿命を延ばすための格別の配慮をすることが望ましい。
しかし、放電灯自体の個体差や、それぞれの放電灯の使用状況の違いにより、放電灯の寿命はそれぞれ異なる。したがって、累積点灯時間の短い放電灯であっても、残り寿命が長いとは限らない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、放電灯の交換回数を減らすことができる照明装置及びプロジェクターを提供することを目的とする。
本発明に係る照明装置は、放電灯と、前記放電灯の駆動電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部で検出された前記放電灯の駆動電圧が所定の電圧を超えると、前記駆動電圧に応じて前記放電灯への供給電力を低減するように電力制御を行う制御部とを含むことを特徴とする。
放電灯の安定点灯時における駆動電圧は、放電灯の電極の劣化状態との相関が高く、放電灯の電極の劣化が進むほど(すなわち、放電灯の残り寿命が短くなるほど)駆動電圧は上昇する傾向がある。
本発明によれば、放電灯の駆動電圧に応じて、残り寿命の短い放電灯への供給電力を小さくすることにより、放電灯の寿命を延ばすことができる。したがって、放電灯の交換回数を減らすことができる照明装置を実現できる。
この照明装置は、前記放電灯が前回消灯する直前期の駆動電圧を駆動電圧情報として記憶する駆動電圧記憶部を含み、前記制御部は、前記駆動電圧情報に基づいて、前記放電灯への供給電力の初期値設定を行ってもよい。
この照明装置は、前記放電灯の累積点灯時間を記憶する累積点灯時間記憶部を含み、前記制御部は、前記累積点灯時間が基準値以上となった後に前記電力制御を行ってもよい。
この照明装置は、前記放電灯を複数含み、前記制御部は、複数の前記放電灯のうち2つ以上を選択可能とし、選択したぞれぞれの前記放電灯の駆動電圧に基づいて、それぞれの前記放電灯に対して前記電力制御を行ってもよい。
本発明に係るプロジェクターは、これらのいずれかの照明装置を含むことを特徴とする。
第1実施形態に係る照明装置の回路ブロック図。 点灯駆動装置の構成の一例を示す回路図。 本実施形態に係る放電灯の駆動方法を説明するためのフローチャート。 放電灯の駆動電圧と放電灯への供給電力とが対応付けられた対応データの一例を示す表。 放電灯の累積点灯時間と駆動電圧との関係の一例を示すグラフ。 第2実施形態に係る照明装置の回路ブロック図。 本実施の形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態に係る照明装置
(1)照明装置の構成
図1は、第1実施形態に係る照明装置の回路ブロック図である。
本実施の形態に係る照明装置1は、放電灯90−1を含む。本実施形態においては、放電灯90−1として高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電灯を用いる例について説明する。
照明装置1は、電圧検出部65−1を含む。電圧検出部65−1は、放電灯90−1に印加される駆動電圧Vd1を検出する。電圧検出部65−1は、放電灯90−1を点灯する点灯駆動装置10−1の一部に組み込まれていてもよい。
点灯駆動装置10−1は、放電灯90−1を駆動するための駆動電流を生成し、放電灯90−1に供給することにより放電灯90−1を点灯駆動する。
また、点灯駆動装置10−1は、後述する制御部200と通信し、放電灯90−1への供給電力を指示する制御命令を受け付ける。点灯駆動装置10−1は、放電灯90−1に対する点灯命令や消灯命令を受けてもよい。点灯駆動装置10−1は、点灯命令に基づいて放電灯90−1を点灯(点灯駆動を開始)し、消灯命令に基づいて放電灯90−1を消灯(点灯駆動を終了)する。
点灯駆動装置10−1と制御部200とは、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)によるシリアル通信により通信してもよい。
図2は、点灯駆動装置10−1の構成の一例を示す回路図である。
点灯駆動装置10−1は、電力制御回路20を含む。電力制御回路20は、放電灯90−1に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80を入力とし、当該入力電圧を降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23及びコンデンサー24を含んで構成することができる。スイッチ素子21は、例えばトランジスターで構成することができる。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子及びコイル23の一端に接続されている。また、コイル23の他端にはコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子及び直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には点灯駆動制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
ここで、スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
点灯駆動装置10−1は、交流変換回路30を含む。交流変換回路30は、電力制御回路20から出力される直流電流Idを入力し、所与のタイミングで極性反転することにより、任意のデューティー比や周波数をもつ放電灯駆動用の駆動電流Iを生成出力する。本実施形態においては、交流変換回路30はインバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
交流変換回路30は、例えば、トランジスターなどの第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34を含んで構成され、直列接続された第1及び第2のスイッチ素子31及び32と、直列接続された第3及び第4のスイッチ素子33及び34を、互いに並列接続して構成される。第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34の制御端子には、それぞれ点灯駆動制御部40から交流変換制御信号が入力され、第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34のON/OFFが制御される。
交流変換回路30は、第1及び第4のスイッチ素子31及び34と、第2及び第3のスイッチ素子32及び33を交互にON/OFFを繰り返すことにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性を交互に反転し、第1及び第2のスイッチ素子31及び32の共通接続点及び第3及び第4のスイッチ素子33及び34の共通接続点から、制御された周波数をもった駆動電流Iを生成出力する。
すなわち、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がONの時には第2及び第3のスイッチ素子32及び33をOFFにし、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がOFFの時には第2及び第3のスイッチ素子32及び33をONにするように制御する。したがって、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がONの時には、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90−1、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。また、第2及び第3のスイッチ素子32及び33をONの時には、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90−1、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
点灯駆動装置10−1は、点灯駆動制御部40を含む。点灯駆動制御部40は、電力制御回路20及び交流変換回路30を制御することにより、直流電流Idの電流値、駆動電流Iのデューティー比、周波数等を制御する。点灯駆動制御部40は、交流変換回路30に対して駆動電流Iの極性反転タイミングによりデューティー比、周波数等を制御する交流変換制御を行う。また、点灯駆動制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行うことにより、放電灯90−1への供給電力を制御する。
また、点灯駆動制御部40は、通信信号S1をやり取りすることにより制御部200と通信を行う。通信信号S1には、放電灯90−1への供給電力を指示する制御命令、放電灯90−1に対する点灯命令や消灯命令、後述する電圧検出部65で検出された放電灯90−1の駆動電圧情報が含まれてもよい。
点灯駆動制御部40の構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、点灯駆動制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42及び交流変換回路コントローラー43含んで構成されている。なお、点灯駆動制御部40は、その一部又は全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42及び交流変換回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20及び交流変換回路30を制御する。システムコントローラー41は、後述する点灯駆動装置10−1内部に設けた動作検出部60により検出した駆動電圧Vd1及び直流電流Idに基づき、電力制御回路コントローラー42及び交流変換回路コントローラー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41は内蔵記憶部44を含んで構成されている。なお、内蔵記憶部44は、システムコントローラー41とは独立に設けてもよい。
システムコントローラー41は、内蔵記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20及び交流変換回路30を制御してもよい。内蔵記憶部44には、例えば直流電流Idの電流値、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iのデューティー比、周波数、波形等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。
交流変換回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、交流変換回路30へ交流変換制御信号を出力することにより、交流変換回路30を制御する。
なお、点灯駆動制御部40は、専用回路により実現して上述した各種制御を行うようにすることもできるが、例えばCPU(Central Processing Unit)が内蔵記憶部44等に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。
点灯駆動装置10−1は、動作検出部60を含んでもよい。動作検出部60は、例えば駆動電圧Vd1を検出し、駆動電圧情報を出力する電圧検出部65−1や、直流電流Idを検出し、駆動電流情報を出力する電流検出部を含んでもよい。本実施形態においては、動作検出部60は、第1乃至第3の抵抗61乃至63を含んで構成されている。
本実施形態において、電圧検出部65−1は、放電灯90−1と並列に、互いに直列接続された第1及び第2の抵抗61及び62で分圧した電圧により駆動電圧Vd1を検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90−1に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により直流電流Idを検出する。
点灯駆動装置10−1は、イグナイター回路70を含んでもよい。イグナイター回路70は、放電灯90−1の点灯開始時にのみ動作し、放電灯90−1の点灯開始時に放電灯90−1の電極間を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(通常制御動作時よりも高い電圧)を放電灯90−1の電極間に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90−1と並列に接続されている。
本実施形態に係る照明装置1は、制御部200を含む。制御部200は、電圧検出部65−1で検出された放電灯90−1の駆動電圧Vd1が大きいほど、放電灯90−1への供給電力が小さくなるように制御する電力制御を行う。
また、制御部200は、ユーザーの操作に基づいて点灯操作や消灯操作等の操作情報を受け付けてもよい。
制御部200は、専用回路により実現して上述した制御や後述する各種制御を行うようにすることもできるが、例えばCPU(Central Processing Unit)が記憶部300等に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。
本実施形態に係る照明装置1は、記憶部300を含んでもよい。記憶部300は、放電灯90−1が前回消灯する直前期の駆動電圧Vd1を駆動電圧情報として記憶する駆動電圧記憶部310として機能してもよい。また、記憶部300は、放電灯90−1の累積点灯時間を記憶する累積点灯時間記憶部320として機能してもよい。
放電灯90−1が消灯する直前期の駆動電圧情報は、例えば、放電灯が消灯する直前に最後に取得された駆動電圧情報であってもよいし、放電灯が消灯する直前の所定期間内における駆動電圧情報の平均値であってもよい。
記憶部300は、制御部200とバス等で接続されている。制御部200は、記憶部300の駆動電圧記憶部310に駆動電圧情報として点灯駆動装置10−1から受け取った放電灯90−1の駆動電圧情報を書き込んだり更新したりする。また、制御部200は、記憶部300の駆動電圧記憶部310に記憶された駆動電圧情報を読み出すことができる。
同様に、制御部200は、記憶部300の累積点灯時間記憶部320に放電灯90−1の累積点灯時間を書き込んだり更新したりする。また、制御部200は、記憶部300の累積点灯時間記憶部320に記憶された累積点灯時間を読み出すことができる。
記憶部300は、例えば不揮発性メモリーで構成してもよい。不揮発性メモリーで構成することにより、記憶部300に電源が供給されなくなっても、駆動電圧情報や累積点灯時間を保持することができる。
(2)放電灯の駆動方法
本実施形態に係る照明装置1における放電灯90−1の駆動方法では、電圧検出部65により放電灯90−1に印加される駆動電圧Vd1を検出し、制御部200は、駆動電圧Vd1が所定の電圧を超えると、駆動電圧Vd1に応じて放電灯90−1への供給電力を低減するように電力制御を行う。制御部200は、駆動電圧Vd1と放電灯90−1への供給電力とが対応付けられた対応データに基づいて、放電灯90−1への供給電力を制御してもよい。対応データは、例えば記憶部300に記憶してもよい。
図3は、本実施形態に係る放電灯の駆動方法を説明するためのフローチャートである。なお、放電灯90−1の点灯開始直後においては、放電灯90−1への供給電力は、予め定められた初期値であるものとする。
まず、放電灯90−1の安定点灯時における駆動電圧Vd1を検出する(ステップS100)。本実施形態において、駆動電圧Vd1は、点灯駆動装置1の電圧検出部65−1で検出する。検出した駆動電圧Vd1は、通信信号S1を介して制御部200が読み出す。制御部200は、例えば5〜10分毎の定期的なタイミングで駆動電圧Vd1を読み出してもよい。
次に、制御部200は、駆動電圧Vd1と対応データに基づいて、放電灯90への供給電力を選択する(ステップS102)。本実施形態では、制御部200は、電圧検出部65−1で検出した駆動電圧Vd1と、記憶部300に記憶された対応データに基づいて、放電灯90−1への供給電力を選択する。
図4は、駆動電圧Vd1と放電灯90−1への供給電力とが対応付けられた対応データの一例を示す表である。図4に示す例では、制御部200は、駆動電圧Vd1が60V以上110V未満である場合には供給電力として200Wを、駆動電圧Vd1が110V以上120V未満である場合には供給電力として195Wを、駆動電圧Vd1が120V以上130V未満である場合には供給電力として190Wを、駆動電圧Vd1が130V以上140V未満である場合には供給電力として180Wを、駆動電圧Vd1が140V以上150V未満である場合には供給電力として170Wを、駆動電圧Vd1が150V以上160V未満である場合には供給電力として160Wを選択する。
すなわち、図4に示す例では、制御部200は、駆動電圧Vd1が所定の電圧(110V)以上となると、駆動電圧Vd1に応じて放電灯90−1への供給電力を低減するように電力制御を行う。
図5は、放電灯90−1の累積点灯時間と駆動電圧Vd1との関係の一例を示すグラフである。図5に示すように、放電灯90−1を長期間使用すると、駆動電圧Vd1はおおむね上昇傾向を示す。すなわち、駆動電圧Vd1が大きいほど残り寿命は短いものと考えられる。
したがって、図4に示す対応データは、駆動電圧Vd1が大きくなるほど放電灯90−1への供給電力が小さくなるように、駆動電圧Vd1と供給電力とが対応付けられたデータとなっている。このように、放電灯90−1への供給電力を小さくすることにより、放電灯90−1の寿命を延ばすことができる。したがって、放電灯の交換回数を減らすことができる照明装置を実現できる。
なお、図4に示す対応データは、駆動電圧Vd1に基づいて6段階に区分されたデータであるが、2段階〜5段階であっても7段階以上であってもよい。
図3におけるステップS102の後に、制御部200は、ステップS102で選択した供給電力に基づいて、点灯駆動装置10−1に放電灯90−1への供給電力を指示する制御命令を送信する(ステップS104)。本実施形態においては、制御部200は、制御命令を、通信信号S1を介して点灯駆動装置10−1に送信し、点灯駆動装置10−1の点灯制御部40が制御命令を受信する。
ステップS104の後に、点灯駆動装置10−1は、ステップS104で受信した制御命令に基づいて放電灯90−1への供給電力を制御する(ステップS106)。本実施形態においては、点灯駆動装置10−1の電力制御回路コントローラー42が電力制御回路20を制御することにより、放電灯90−1への供給電力を制御する。
このように、制御部200は、点灯駆動装置10−1に制御命令を送信することにより、電圧検出部65−1で検出された駆動電圧Vd1と、記憶部300に記憶された対応データとに基づいて、放電灯90−1への供給電力を制御することができる。
また、制御部200は、駆動電圧Vd1が大きくなるほど放電灯90−1への供給電力が小さくなるように制御することで、放電灯90−1の寿命を延ばすことができる。したがって、放電灯の交換回数を減らすことができる照明装置を実現できる。
〔変形例1〕
制御部200は、消灯する直前期における放電灯90−1の駆動電圧情報を駆動電圧記憶部310に記憶し、次回点灯時には、駆動電圧記憶部310に記憶された駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1への供給電力の初期値設定を行ってもよい。
放電灯90−1への供給電力の変更は、照度の変化を伴うので、放電灯90−1への供給電力の変更を最小限にとどめることが望ましい。
放電灯90−1の点灯開始直後の安定点灯時には、前回消灯する直前期における放電灯90−1への供給電力と同じ供給電力が選択される可能性が高い。したがって、駆動電圧記憶部310に記憶された駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1への供給電力の初期値設定を行うことにより、放電灯90−1の安定点灯時において放電灯90−1への供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
〔変形例2〕
制御部200は、放電灯90−1の累積点灯時間を累積点灯時間記憶部320に記憶し、放電灯90−1の累積点灯時間が基準値以上となった後に、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行ってもよい。
放電灯90−1への供給電力の変更は、照度の変化を伴うので、放電灯90−1への供給電力の変更を最小限にとどめることが望ましい。
放電灯が新しいうちは、供給電力が大きくても電極を傷めることが少ない傾向がある。また、図5に示したグラフのように、放電灯によっては、累積点灯時間の短い時期に駆動電圧の変動が比較的大きいものもある。
したがって、図5に示す例では基準値を300時間程度とし、累積点灯時間が基準値以上となった後に、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行うことにより、放電灯90−1の安定点灯時において放電灯90−1への供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
2.第2実施形態に係る照明装置
図6は、第2実施形態に係る照明装置の回路ブロック図である。なお、図1に示す照明装置と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る照明装置2は、複数の放電灯を含む。図6に示す例では、n個の放電灯90−1〜90−nを含んでいる(nは2以上の整数)。
本実施形態に係る照明装置2は、n個の放電灯90−1〜90−nにそれぞれ対応した点灯駆動装置10−1〜10−nを含んでいる。点灯駆動装置10−1〜10−nは、それぞれ放電灯90−1〜90−nを駆動するための駆動電流を生成し、放電灯90−1〜90−nに供給することにより放電灯90−1〜90−nを点灯駆動する。点灯駆動装置10−1〜10−nの構成は、図2を用いて説明した点灯駆動装置10−1と同様である。
また、点灯駆動装置10−1〜10−nは、後述する制御部200と通信し、それぞれ放電灯90−1〜90−nへの供給電力を指示する制御命令を受け付ける。点灯駆動装置10−1〜10−nは、放電灯90−1〜90−nに対する点灯命令や消灯命令を受けてもよい。点灯駆動装置10−1〜10−nは、点灯命令に基づいてそれぞれ放電灯90−1〜90−nを点灯(点灯駆動を開始)し、消灯命令に基づいてそれぞれ放電灯90−1〜90−nを消灯(点灯駆動を終了)する。
点灯駆動装置10−1〜10−nと制御部200とは、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)によるシリアル通信により通信してもよい。
本実施形態に係る照明装置2は、n個の放電灯90−1〜90−nにそれぞれ対応した電圧検出部65−1〜65−nを含んでいる。電圧検出部65−1〜65−nは、それぞれ放電灯90−1〜90−nの駆動電圧を検出する。電圧検出部65−1〜65−nは、放電灯90−1〜90−nを点灯する点灯駆動装置10−1〜10−nの一部にそれぞれ組み込まれていてもよい。
本実施形態に係る照明装置2は、制御部200を含む。制御部200は、複数の放電灯90−1〜90−nのうち、いずれか1つの放電灯を選択して点灯命令を出力してもよい。制御部200は、電圧検出部65−1〜65−nで検出された駆動電圧Vd1〜Vdnが大きいほど、それぞれの放電灯90−1〜90−nへの供給電力が小さくなるように制御する電力制御を行う。それぞれの放電灯90−1〜90−nに対応する電力制御の詳細は、図3を用いて説明した制御と同様である。
また、制御部200は、複数の放電灯90−1〜90−nのうち、2つ以上を選択して点灯命令を出力できるように構成してもよい。さらに、選択したそれぞれの放電灯(放電灯90−1〜90−nのうちのいずれか2つ以上)に印加される駆動電圧に基づいて、それぞれの放電灯(放電灯90−1〜90−nのうちのいずれか2つ以上)に対して、図3を用いて説明した電力制御を行ってもよい。
2つ以上の放電灯が点灯している場合には、そのうちの1つの放電灯への供給電力を変更しても、照明装置2の全体としての照度の変化は小さい。したがって、照度の変化を抑制するとともに、放電灯の交換回数を減らすことができる照明装置を実現できる。
〔変形例1〕
本実施形態に係る照明装置2は、記憶部300を含んでもよい。記憶部300は、放電灯90−1〜90−nが前回消灯する直前期の駆動電圧Vd1〜Vdnを駆動電圧情報としてそれぞれ記憶する駆動電圧記憶部310として機能してもよい。
制御部200は、消灯する直前期における放電灯90−1〜90−nの駆動電圧情報をそれぞれ駆動電圧記憶部310に記憶し、次回点灯時には、駆動電圧記憶部310に記憶されたそれぞれの駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1〜90−nへの供給電力の初期値設定を行ってもよい。
放電灯90−1〜90−nへの供給電力の変更は、照度の変化を伴うので、放電灯90−1〜90−nへの供給電力の変更を最小限にとどめることが望ましい。
例えば、放電灯90−1の点灯開始直後の安定点灯時には、前回消灯する直前期における放電灯90−1への供給電力と同じ供給電力が選択される可能性が高い。したがって、駆動電圧記憶部310に記憶されたそれぞれの駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1〜90−nへの供給電力の初期値設定を行うことにより、放電灯90−1〜90−nの安定点灯時において放電灯90−1〜90−nへの供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
〔変形例2〕
本実施形態に係る照明装置2は、記憶部300を含んでもよい。記憶部300は、放電灯90−1〜90−nの累積点灯時間をそれぞれ記憶する累積点灯時間記憶部320として機能してもよい。
制御部200は、放電灯90−1〜90−nの累積点灯時間をそれぞれ累積点灯時間記憶部320に記憶し、累積点灯時間が基準値以上となった放電灯90−1〜90−nに対して、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行ってもよい。
放電灯90−1〜90−nへの供給電力の変更は、照度の変化を伴うので、放電灯90−1〜90−nへの供給電力の変更を最小限にとどめることが望ましい。
放電灯が新しいうちは、供給電力が大きくても電極を傷めることが少ない傾向がある。また、図5に示したグラフのように、放電灯によっては、累積点灯時間の短い時期に駆動電圧の変動が比較的大きいものもある。
したがって、図5に示す例では基準値を300時間程度とし、累積点灯時間が基準値以上となった放電灯90−1〜90−nに対して、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行うことにより、放電灯90−1〜90−nの安定点灯時において放電灯90−1〜90−nへの供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
3.プロジェクター
図7は、本実施の形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、2つの放電灯を有する照明装置を含んだプロジェクターの例である。すなわち、プロジェクター500は、第2実施形態に係る照明装置2を含んだプロジェクターの例である。なお、図6に示す照明装置2と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
プロジェクター500は、画像信号変換部510、直流電源装置80、点灯駆動装置10−1及び10−2、放電灯90−1及び90−2、制御部200、記憶部300、ミラー群550、液晶パネル560R、560G、560B、画像処理装置570を含む。
画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512R、512G、512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R、512G、512Bに対してそれぞれ画像処理を行い、液晶パネル560R、560G、560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R、572G、572Bを出力する。
直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換し、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570及びトランスの1次側にある点灯駆動装置10−1及び10−2に直流電圧を供給する。
点灯駆動装置10−1及び10−2は、起動時に放電灯90−1及び90−2の電極間に高電圧を発生して絶縁破壊させて放電路を形成し、以後放電灯90−1及び90−2が放電を維持するための駆動電流を供給する。本実施の形態においては、図2を用いて説明した点灯駆動装置10−1と同じ構成の点灯駆動装置を使用している。
また、点灯駆動装置10−1及び10−2は、それぞれ駆動電圧を検出する電圧検出部65−1及び65−2を含んで構成されている。
放電灯90−1及び90−2が発する光束は、ミラー群550に含まれる2つのダイクロイックミラーを通してそれぞれR、G、Bの色光に分離され、その他のミラーで反射されて、それぞれ液晶パネル560R、560G、560Bに透過される。
液晶パネル560R、560G、560Bには、それぞれ駆動信号572R、572G、572Bによる画像が表示されており、当該画像によって各液晶パネルに入射する色光の輝度が変調され、再びダイクロイックプリズムで合成されてスクリーン700に投射される。
制御部200は、2つの放電灯90−1及び90−2のうち、いずれか1つの放電灯を選択して点灯命令を出力してもよい。また、制御部200は、2つの放電灯90−1及び90−2の両方を選択して点灯命令を出力できるように構成してもよい。
制御部200は、電圧検出部65−1及び65−2で検出されたそれぞれの駆動電圧Vd1及びVd2が大きいほど、それぞれの放電灯90−1及び90−2への供給電力が小さくなるように制御する電力制御を行う。それぞれの放電灯90−1及び90−2に対応する電力制御の詳細は、図3を用いて説明した制御と同様である。
このように構成したプロジェクター500は、制御部200が、放電灯90−1及び90−2にそれぞれ印加される駆動電圧Vd1及びVd2が大きくなるほど、それぞれの放電灯90−1及び90−2への供給電力が小さくなるように制御することで、放電灯90−1及び90−2の寿命を延ばすことができる。したがって、放電灯の交換回数を減らすことができるプロジェクターを実現できる。
本実施形態に係るプロジェクター500は、記憶部300を含んでもよい。記憶部300は、放電灯90−1及び90−2が前回消灯する直前期の駆動電圧Vd1及びVd2を駆動電圧情報としてそれぞれ記憶する駆動電圧記憶部310として機能してもよい。
制御部200は、消灯する直前期における放電灯90−1及び90−2の駆動電圧情報をそれぞれ駆動電圧記憶部310に記憶し、次回点灯時には、駆動電圧記憶部310に記憶されたそれぞれの駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1及び90−2への供給電力の初期値設定を行ってもよい。
駆動電圧記憶部310に記憶されたそれぞれの駆動電圧情報に基づいて、放電灯90−1及び90−2への供給電力の初期値設定を行うことにより、放電灯90−1及び90−2の安定点灯時において放電灯90−1及び90−2への供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
記憶部300は、放電灯90−1及び90−2の累積点灯時間をそれぞれ記憶する累積点灯時間記憶部320として機能してもよい。
制御部200は、放電灯90−1及び90−2の累積点灯時間をそれぞれ累積点灯時間記憶部320に記憶し、累積点灯時間が基準値以上となった放電灯90−1及び90−2に対して、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行ってもよい。
累積点灯時間が基準値以上となった放電灯90−1及び90−2に対して、図3のフローチャートを用いて説明した電力制御を行うことにより、放電灯90−1及び90−2の安定点灯時において放電灯90−1及び90−2への供給電力を変更する可能性を減らすことができる。
上記各実施形態においては、3つの液晶パネルを用いたプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
上記各実施形態においては、透過型のプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射型のプロジェクターにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶パネル等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶パネルやマイクロミラー型光変調装置などのように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス;Texas Instruments社の商標)を用いることができる。反射型のプロジェクターにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、上述の説明では、第2実施形態に係る照明装置2を含んだプロジェクターの例について説明したが、第1実施形態に係る照明装置1を含んだプロジェクターとしてもよい。
1,2 照明装置、10−1,10−2,10−n 点灯駆動装置、20 電力制御回路、21 スイッチ素子、22 ダイオード、23 コイル、24 コンデンサー、30 交流変換回路、31〜34 スイッチ素子、40 点灯制御部、41 システムコントローラー、42 電力制御回路コントローラー、43 交流変換回路コントローラー、44 内蔵記憶部、60 動作検出部、61〜63 抵抗、65−1,65−2,65−n 電圧検出部、70 イグナイター回路、80 直流電源装置、90−1,90−2,90−n 放電灯、200 制御部、300 記憶部、310 駆動電圧記憶部、320 累積点灯時間記憶部、500 プロジェクター、502 画像信号、510 画像信号変換部、512R 画像信号(R)、512G 画像信号(G)、512B 画像信号(B)、520 直流電源装置、550 ミラー群、560R 液晶パネル(R)、560G 液晶パネル(G)、560B 液晶パネル(B)、570 画像処理装置、572R 液晶パネル(R)駆動信号、572G 液晶パネル(G)駆動信号、572B 液晶パネル(B)駆動信号、600 交流電源、700 スクリーン、S1,S2,Sn 通信信号

Claims (3)

  1. 放電灯と、
    前記放電灯の駆動電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部で検出された前記放電灯の駆動電圧が所定の電圧を超えると、前記駆動電圧に応じて前記放電灯への供給電力を低減するように電力制御を行う制御部と、
    前記放電灯が前回消灯する直前期の駆動電圧を駆動電圧情報として記憶する駆動電圧記憶部と、
    前記放電灯の累積点灯時間を記憶する累積点灯時間記憶部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記駆動電圧情報に基づいて、前記放電灯への供給電力の初期値設定を行い、
    前記累積点灯時間が、前記累積点灯時間の短い時期であって前記放電灯の駆動電圧の変動が大きい期間の後に設定された基準値以上となった後に、前記電圧検出部で検出された前記放電灯の駆動電圧に基づいて前記電力制御を行うことを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置において、
    前記放電灯を複数含み、
    前記制御部は、複数の前記放電灯のうち2つ以上を選択可能とし、選択したぞれぞれの前記放電灯の駆動電圧に基づいて、それぞれの前記放電灯に対して前記電力制御を行うことを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1又は2に記載の照明装置を含むことを特徴とするプロジェクター。
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