JP5573354B2 - 有機溶剤回収システム - Google Patents

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本発明は、有機溶剤を含有する排ガスから有機溶剤を回収する有機溶剤回収システムに関し、特に、各種工場や研究施設等(以下、生産設備と総称する)から排出される有機溶剤を含有する産業排ガスから有機溶剤を効率的に回収する有機溶剤回収システムに関する。
有機溶剤を含有する排ガスから有機溶剤を回収する処理システムとして、吸着材を含有した吸着素子を利用したものが知られている。この吸着素子を利用した処理システムとしては、排ガスを吸着材に接触させて有機溶剤を吸着させ、これに高温のガスを吹き付けて有機溶剤を脱着させて高濃度の有機溶剤を含有する脱着ガスとして回収する排ガス処理装置が挙げられる(下記の特許文献1,2参照)。
特開平01−127022号公報 特開2007−44595号公報
上記特許文献1,2においては、排ガス中の有機溶剤を濃縮し冷却凝縮にて回収する際に、吸着材を含有した吸着素子の脱着時の加熱、および高濃度の排ガスや脱着ガスを液化凝縮させる冷却等のエネルギーが必要となる。近年においては、有機溶剤回収システムにおける有機溶剤を効率的に回収するとともに、有機溶剤回収システムに用いられるこのエネルギーの削減(省エネ)が急務となってきている。
本発明は、有機溶剤回収システムに用いられるエネルギーをより削減することが可能な構成を備える有機溶剤回収システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に基づく有機溶剤回収システムは、有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガスを接触させることで上記有機溶剤を吸着し且つ上記有機溶剤含有ガスよりも高温の排ガスを接触させることで吸着した上記有機溶剤を脱着する吸着素子を含む。
さらに、当該有機溶剤回収システムは、上記吸着素子に上記有機溶剤含有ガスが導入されることによって上記有機溶剤を上記吸着素子に吸着させて清浄ガスを排出する吸着部と、上記吸着素子に上記排ガスが導入されることによって上記有機溶剤を上記吸着素子から脱着させて上記有機溶剤を含有する脱着ガスを排出する脱着部と、上記脱着部における上記吸着素子の脱着処理が完了した部分が上記吸着部への移行の前に移行するパージ部とを有する濃縮装置と、上記脱着ガスまたは上記排ガスを含む上記脱着ガスを冷却し凝縮して上記有機溶剤を回収する冷却回収装置と、を備える。
上記吸着部から排出された上記清浄ガスの一部は上記パージ部に導入され、上記パージ部から排出されたパージ部出口ガスは、上記吸着部に導入される上記有機溶剤含有ガスに混入され、上記有機溶剤含有ガスは、上記パージ部出口ガスの熱エネルギーを受けて昇温した状態で上記吸着部に導入される。
記パージ部出口ガスの一部は、上記排ガスとともに上記脱着部に供給され、且つ/または上記脱着ガスとともに上記冷却回収装置に供給され、上記パージ部出口ガスの残部は、上記有機溶剤含有ガスとともに上記吸着部に導入され、上記パージ部出口ガスの上記一部と上記パージ部出口ガスの上記残部との風量の比が調節されることによって、上記吸着部に導入される上記有機溶剤含有ガスの温度が調節される。
本発明の第2の局面に基づく有機溶剤回収システムは、有機溶剤を含有する温度が約50℃〜約200℃の排ガスから上記有機溶剤を回収する有機溶剤回収システムである。
当該有機溶剤回収システムは、上記有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガスを接触させることで上記有機溶剤を吸着し且つ上記有機溶剤含有ガスよりも高温の排ガスを接触させることで吸着した上記有機溶剤を脱着する吸着素子を含む。
さらに、当該有機溶剤回収システムは、上記吸着素子に上記有機溶剤含有ガスが導入されることによって上記有機溶剤を上記吸着素子に吸着させて清浄ガスを排出する吸着部と、上記吸着素子に上記排ガスが導入されることによって上記有機溶剤を上記吸着素子から脱着させて上記有機溶剤を含有する脱着ガスを排出する脱着部と、上記脱着部における上記吸着素子の脱着処理が完了した部分が上記吸着部への移行の前に移行するパージ部とを有する濃縮装置と、上記脱着ガスまたは上記排ガスを含む上記脱着ガスを冷却し凝縮して上記有機溶剤を回収する冷却回収装置と、を備える。
上記有機溶剤含有ガスは、上記冷却回収装置において未回収の上記有機溶剤を含有するガスであり、上記冷却回収装置へ上記排ガスおよび上記脱着ガスを通過させる割合は、上記排ガスが0%〜50%であり、上記脱着ガスが50%〜100%であり、上記吸着部から排出された上記清浄ガスの一部は上記パージ部に導入され、上記パージ部から排出されたパージ部出口ガスは、上記吸着部に導入される上記有機溶剤含有ガスに混入され、上記有機溶剤含有ガスは、上記パージ部出口ガスの熱エネルギーを受けて昇温した状態で上記吸着部に導入される。
記パージ部出口ガスの一部は、上記排ガスとともに上記脱着部に供給され、且つ/または上記脱着ガスとともに上記冷却回収装置に供給され、上記パージ部出口ガスの残部は、上記有機溶剤含有ガスとともに上記吸着部に導入され、上記パージ部出口ガスの上記一部と上記パージ部出口ガスの上記残部との風量の比が調節されることによって、上記吸着部に導入される上記有機溶剤含有ガスの温度が調節される。
好適には、上記濃縮装置における上記パージ部の上記吸着部に対する割合は、約5%〜約50%である。
好適には、上記排ガスは、生産設備から排出されるガスであり、上記清浄ガスの残部は、上記生産設備に戻される。
好適には、上記濃縮装置は、回転軸と、上記回転軸の周りに設けられた上記吸着素子としての筒状吸着体と、を備え、上記回転軸の周りに上記筒状吸着体を回転させることにより、上記吸着部において上記有機溶剤含有ガス中の上記有機溶剤を吸着した上記吸着素子が、上記脱着部を経て上記パージ部に連続的に移行する。
好適には、上記冷却回収装置へ上記排ガスおよび上記脱着ガスを通過させる割合が、上記排ガスが0%であり、上記脱着ガスが100%である。
好適には、上記有機溶剤は、n−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはn−デカンである。
この発明に基づいた有機溶剤回収システムによれば、有機溶剤回収システムに用いられるエネルギーをより削減することが可能となる。
参考技術における有機溶剤回収システムの構造を示す概念図である。 実施の形態における有機溶剤回収システムの構造を示す概念図である。 実施の形態における有機溶剤回収システムに採用される濃縮装置の構造を示す模式図である。 実施の形態の他の構成における有機溶剤回収システムの構造を示す概念図である。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、同一または対応する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない場合がある。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(参考技術:有機溶剤回収システム1A)
図1を参照して、本発明の有機溶剤回収システムに関する参考技術について説明する。参考技術としての有機溶剤回収システム1Aは、生産設備1000から排出される排ガス(G1)から有機溶剤を回収する有機溶剤回収システムであり、濃縮装置20、再生ヒータ100、冷却器300、回収タンク400、および、給気加熱装置500を備えている。
(濃縮装置20)
濃縮装置20は、脱着部21と吸着部22とを有している。吸着部22には有機溶剤を含む有機溶剤含有ガス(G2)が導入される。吸着材に有機溶剤含有ガス(G2)が接触することで、有機溶剤含有ガス(G2)に含有される有機溶剤が吸着材に吸着される。これにより有機溶剤含有ガス(G2)が清浄化されて清浄ガス(G3)として排出される。
脱着部21には有機溶剤含有ガス(G2)よりも高温の清浄ガス(G3)が導入される。有機溶剤が吸着材から脱着され、これにより清浄ガス(G3)が有機溶剤を含有する脱着ガス(G4)として排出される。
濃縮装置20の吸着部22には、配管ラインL2,L3が接続されている。配管ラインL2は吸着部22に有機溶剤含有ガス(G2)を導入する。配管ラインL3は、吸着部22から清浄ガス(G3)を導出する。配管ラインL3には、再生ヒータ100に分岐する配管ラインL7が接続されている。
配管ラインL3には、給気加熱装置500への清浄ガス(G3)流量を調節するバルブV101が設けられ、配管ラインL7には、再生ヒータ100への清浄ガス(G3)流量を調節するバルブV102が設けられている。
脱着部21には配管ラインL8,L5が接続されている。配管ラインL8は脱着部21に高温の清浄ガス(G3)を導入する。配管ラインL5は、脱着部21から脱着ガス(G4)を導出する。
(再生ヒータ100)
再生ヒータ100は、清浄ガス(G3)を高温状態にする。再生ヒータ100には、配管ラインL7,L8が接続されている。配管ラインL7は、清浄ガス(G3)を導入し、配管ラインL8は、高温の清浄ガス(G3)を濃縮装置20の脱着部21に導出する。
(冷却器300および回収タンク400)
冷却器300および回収タンク400により、冷却回収装置が構成される。冷却器300は、冷却水等を用いて脱着ガス(G4)等を凝縮させる。冷却器300は、脱着ガス(G4)等を、有機溶剤を高濃度に含有する回収液と、有機溶剤を低濃度に含有する有機溶剤含有ガス(G2)とに分離する。有機溶剤を高濃度に含有する回収液は、回収タンク400に回収される。
冷却器300には、配管ラインL1,L2,L6が接続されている。配管ラインL1には、配管ラインL5が合流している。配管ラインL1は、冷却器300に排ガス(G1)および脱着ガス(G4)を導入し、配管ラインL2は、分離された有機溶剤を低濃度に含有する有機溶剤含有ガス(G2)を濃縮装置20の吸着部22に導出し、配管ラインL6は、分離された回収液を回収タンク400に導出する。
(給気加熱装置500)
給気加熱装置500は、清浄ガス(G3)の温度を所定温度にまで加熱昇温させて、生産設備1000に清浄ガス(G3)を給気する。給気加熱装置500には、配管ラインL3,L4が接続されている。配管ラインL3は、濃縮装置20の吸着部22から送り出された清浄ガス(G3)を導入し、配管ラインL4は、生産設備1000に所定温度にまで加熱昇温された清浄ガス(G3)を導出する。
(回収液の回収)
上記構成からなる有機溶剤回収システム1Aを用いて、生産設備1000として、リチウムイオン電池製造設備で使用される有機溶剤[NMP(n−メチル−2−ピロリドン)]を回収するシステムについて以下説明する。
生産設備1000から排出される排ガス(G1)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約1000ppm、温度が約110℃である。冷却器300には、生産設備1000から排出される排ガス(G1)と、濃縮装置20から脱着された脱着ガス(G4)とが混合された状態で導入される。脱着ガス(G4)は、流量が約110NCMM、有機溶剤濃度が約2581ppm、温度が約73℃である。冷却器300に導入される排ガス(G1)と脱着ガス(G4)との混合ガスは、流量が約880NCMM、有機溶剤濃度が約1198ppm、温度が約105℃である。
排ガス(G1)と脱着ガス(G4)との混合ガスが冷却器300において、有機溶剤を高濃度に含有する回収液と有機溶剤を低濃度に含有する有機溶剤含有ガス(G2)とに分離される。有機溶剤を高濃度に含有する回収液は、回収タンク400に回収される。有機溶剤[NMP]の濃度は約78wt%である。有機溶剤を低濃度に含有する有機溶剤含有ガス(G2)は、有機溶剤濃度が約343ppm、温度が約28℃である。有機溶剤含有ガス(G2)は、配管ラインL2により濃縮装置20の吸着部22に導出される。
吸着部22から導出される清浄ガス(G3)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約20ppm、温度が約33℃である。清浄ガス(G3)の一部は、配管ラインL3を通じて給気加熱装置500に導出され、残部は、配管ラインL7を通じて再生ヒータ100に導出される。給気加熱装置500および再生ヒータ100へのそれぞれに供給すべき清浄ガス(G3)の流量は、バルブV101およびバルブV102により適切に制御される。
再生ヒータ100に導出された清浄ガス(G3)は、温度が約130℃に加熱された後、配管ラインL8を通じて濃縮装置20の脱着部21に導出される。脱着部21における清浄ガス(G3)は、有機溶剤を吸着材から脱着させた後、有機溶剤を含有する脱着ガス(G4)として配管ラインL5,L1を通じて冷却器300に導出される。
給気加熱装置500に導出された清浄ガス(G3)は、温度が約70℃に加熱された後、配管ラインL4を通じて生産設備1000に導出される。
(実施の形態:有機溶剤回収システム1B)
次に、図2を参照して、本発明に基づいた実施の形態における有機溶剤回収システム1Bについて説明する。実施の形態における有機溶剤回収システム1Bも、上述した有機溶剤回収システム1Aと同様に、生産設備1000から排出される排ガス(G1)から有機溶剤を回収する有機溶剤回収システムである。有機溶剤回収システム1Bは、濃縮装置200、再生ヒータ100、冷却器300、回収タンク400、および、熱交換器600を備えている。
(濃縮装置200)
濃縮装置200は、吸着素子を含んでおり、脱着部21と吸着部22とパージ部23とを有している。濃縮装置200の吸着素子に有機溶剤を含有するガスを接触させることで、吸着素子はガス中の有機溶剤を吸着する。有機溶剤を吸着したこの吸着素子に、有機溶剤を含有するガスよりも高温のガスを接触させることで、吸着素子は吸着した有機溶剤を脱着する。
濃縮装置200においては、吸着素子は、吸着部22(吸着状態)、脱着部21(脱着状態)、およびパージ部23(パージ状態)へと順次移行され、パージ部23(パージ状態)の後は再び吸着部22(吸着状態)へと移行する。すなわち、パージ部23は脱着部21(脱着状態)の後であって吸着部22(吸着状態)の前に構成されている。
これらの移行は、たとえばローター式の濃縮装置であれば、吸着素子(筒状吸着体)の回転によって実現される(図3を参照して詳細は後述する)。これらの移行は、たとえばバッチ式の濃縮装置であれば、ダンパー(およびバルブ)操作によって、吸着素子を吸着部22(吸着状態)、脱着部21(脱着状態)、およびパージ部23(パージ状態)に移行させることによって実現される。
濃縮装置200の吸着部22には、冷却器300から未回収の有機溶剤を含む有機溶剤含有ガス(G2)と、パージ部23から排出されたパージ部出口ガス(G6)との混合ガス(以下、吸着部入口ガス(G5)と称する)が導入される。吸着部22における吸着材に吸着部入口ガス(G5)が接触し、吸着部入口ガス(G5)に含有される有機溶剤が吸着材に吸着される。これにより吸着部入口ガス(G5)が清浄化されて清浄ガス(G3)として排出される。
吸着部22には配管ラインL2,L3が接続されている。配管ラインL2は吸着部22に吸着部入口ガス(G5)を導入する。配管ラインL3は、吸着部22から清浄ガス(G3)を導出する。吸着部22の出口側には、清浄ガス(G3)の温度を測定する第1温度測定器T1が設けられている。吸着部22の入口側には、吸着部入口ガス(G5)の温度を測定する第3温度測定器T3が設けられている。
配管ラインL3には、パージ部23に分岐する配管ラインL10が接続されている。配管ラインL3には、熱交換器600への清浄ガス(G3)流量を調節するバルブV113が設けられ、配管ラインL10には、パージ部23への清浄ガス(G3)流量を調節するバルブV114が設けられている。
パージ部23には、配管ラインL10,L11が接続されている。配管ラインL10はパージ部23に清浄ガス(G3)の一部を導入する。配管ラインL11は、パージ部23からパージ部出口ガス(G6)を導出する。配管ラインL11は、配管ラインL2に合流している。
脱着部21では、吸着部入口ガス(G5)よりも高温の排ガス(G1)を吸着剤に導入することで、有機溶剤が吸着材から脱着され、これにより排ガス(G1)が有機溶剤を含有する脱着ガス(G4)として排出される。
脱着部21には配管ラインL8,L5が接続されている。配管ラインL8は生産設備1000から排ガス(G1)を導入する。配管ラインL5は、脱着部21から脱着ガス(G4)を導出する。脱着部21の出口側には、脱着ガス(G4)の温度を測定する第2温度測定器T2が設けられている。
ここで図3を参照して、濃縮装置200の具体的構成について説明する。この濃縮装置200は一例としてローター式であり、円柱状の筒状吸着体210を利用している。図に示すように、円柱状の外形を有する筒状吸着体210を利用する場合には、軸方向にガスが流動可能となるように構成された筒状吸着体210の軸中心に回転軸211を設け、この回転軸211をアクチュエータ等によって回転駆動する。
筒状吸着体210には、吸着材としては、活性アルミナ、シリカゲル、活性炭素材やゼオライトが広く利用されており、中でも活性炭と疎水性ゼオライトが特に好適に利用されている。活性炭と疎水性ゼオライトは、低濃度の有機化合物を吸着、脱着する機能に優れており、古くから吸着材として各種の装置に利用されている。
筒状吸着体210の軸方向の両端面に近接するように、図3においては具体的に図示していない配管ラインL2,L3,L5,L8,L10,L11(図2参照)が接続されている。筒状吸着体210の一部は、吸着処理を行なうための吸着部22として利用され、筒状吸着体210の他の一部は、脱着処理を行なうための脱着部21として利用され、筒状吸着体210のさらに他の一部は、パージ処理を行なうためのパージ部23として利用される。
筒状吸着体210の吸着部22には、軸方向の一方から吸着部入口ガス(G5)が導入され、軸方向の他方から清浄ガス(G3)が導出される。筒状吸着体210の脱着部21には、軸方向の一方から高温の排ガス(G1)が導入され、軸方向の他方から脱着ガス(G4)が導出される。筒状吸着体210のパージ部23には、軸方向の一方から清浄ガス(G3)の一部が導入され、軸方向の他方からパージ部出口ガス(G6)が導出される。
この濃縮装置200においては、筒状吸着体210が回転軸211を回転中心として図中矢印A方向に所定の速度で回転する。これにより、筒状吸着体210の吸着処理が完了した部分は脱着処理を行なう脱着部21へと移動し、筒状吸着体210の脱着処理が完了した部分はパージ処理を行なうパージ部23へと移動し、さらにパージ処理が完了した部分は吸着処理を行なう吸着部22へと移動する。この濃縮装置200においては、同時に吸着処理と脱着処理とパージ処理とが行なわれることになり、連続的に清浄化処理を行なうことが可能となる。
ここで仮に、濃縮装置200においてパージ部23が形成されていないとする。この場合、脱着処理の直後、すなわち吸着処理の初期には吸着素子がまだ高温であるために吸着材としての吸着性能が低い。また、脱着処理を行う脱着部から吸着処理を行う吸着部へ回転移行する際の有機溶剤の持ち込みにより、吸着性能が低下する場合もある。
本実施の形態の濃縮装置200においては、パージ部23が、脱着部21の後であって吸着部22の前に構成されている。清浄ガス(G3)の一部がパージ部23へ導入されることによって、パージ部23における吸着素子が冷却される。清浄ガス(G3)によって吸着素子が冷却されるために、吸着素子の冷却効率が高い。
パージ部23に導入された清浄ガス(G3)は、パージ部出口ガス(G6)として有機溶剤含有ガス(G2)とともに吸着部入口ガス(G5)として再び吸着部22に導入される。このサイクルによって、濃縮装置200は吸着部22における有機溶剤の除去率を高めることができる。なお、パージ部23の吸着部22に対する割合は、約5%〜約50%であるとよい。この割合が約5%を下回ると、所望のパージ効果を得ることができない。この割合が約50%を上回ると、経済性が悪くなる。
また、パージ部23において吸着素子と熱交換をした清浄ガス(G3)は、昇温されてパージ部出口ガス(G6)としてパージ部23から導出される。昇温状態にあるパージ部出口ガス(G6)は、冷却器300(図2参照)から導出された有機溶剤含有ガス(G2)と混合されることによって、有機溶剤含有ガス(G2)の温度を昇温させる。ここで、有機溶剤がn−メチル−2−ピロリドン等である場合、冷却器300から導出された有機溶剤含有ガス(G2)の一部はミスト状となっている場合がある。
ミスト状の有機溶剤含有ガス(G2)は、吸着部22に導入される前に、加熱されることによってすべてガス状にされる必要がある。有機溶剤回収システム1Bにおいては、パージ部23から導出された昇温状態にあるパージ部出口ガス(G6)を活用して、ミスト状にある有機溶剤含有ガス(G2)を昇温させることができる。パージ部出口ガス(G6)によってミスト状の有機溶剤含有ガス(G2)を昇温させることで、その昇温に必要な他の加熱手段(図示せず)におけるエネルギーの使用量を低減することが可能となる。
濃縮装置200の回転速度により、吸着工程の時間、脱着工程の時間、およびパージ工程の時間が制御される。第1温度測定器T1により測定される清浄ガス(G3)の温度、第2温度測定器T2により測定される脱着ガス(G4)の温度、および第3温度測定器T3により測定される吸着部入口ガス(G5)の温度が、それぞれ所定の温度となるように、濃縮装置200の回転速度により、吸着工程の時間、脱着工程の時間およびパージ工程の時間が制御される。特に、清浄ガス(G3)、脱着ガス(G4)、または吸着部入口ガス(G5)の温度を所定の温度にする方法として、濃縮装置200の吸着素子の前後や吸着素子自体にアルミ等の熱交換材を導入することも可能である。
(再生ヒータ100)
再び図2を参照して、再生ヒータ100は、生産設備1000から延びる配管ラインL1と配管ラインL8との間に設けられている。生産設備1000から排出される排ガス(G1)の温度が十分に高温の場合には再生ヒータ100を用いることはない。しかし、生産設備1000が稼動初期状態で、排ガス(G1)の温度が所定温度に達していない場合には、排ガス(G1)を所定温度にまで加熱するために再生ヒータ100が用いられる。
生産設備1000から延びる配管ラインL1には、配管ラインL1から分岐し、配管ラインL5に通じる配管ラインL9が設けられている。生産設備1000から排出される排ガス(G1)の一部は、配管ラインL1、再生ヒータ100、および配管ラインL8を通じて、濃縮装置200の脱着部21に送り出される。
生産設備1000から排出される排ガス(G1)の残部は、配管ラインL9を通じて直接冷却器300へ送り出されることが可能となっている。排ガス(G1)の脱着部21への送り出し量および冷却器300への送り出し量は、配管ラインL1に設けられたバルブV111および配管ラインL9に設けられたバルブV112によりそれぞれ制御される。
(冷却器300および回収タンク400)
冷却器300および回収タンク400により、冷却回収装置が構成される。冷却器300は、冷却水等を用いて脱着ガス(G4)等を凝縮させることで、有機溶剤を高濃度に含有する回収液と有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガス(G2)とに分離する。有機溶剤を高濃度に含有する回収液は、回収タンク400に回収される。
冷却器300には、配管ラインL2,L6,L7が接続されている。配管ラインL2は、分離された有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガス(G2)を濃縮装置200の吸着部22に導出する。配管ラインL6は、分離された回収液を回収タンク400に導出する。配管ラインL7は、脱着部21から配管ラインL5および次述する熱交換器600を通して脱着ガス(G4)が導入される。
(熱交換器600)
熱交換器600は、配管ラインL3と配管ラインL4との間に位置し、且つこの熱交換器600は、配管ラインL5と配管ラインL7との間にも位置している。図2においては2つの熱交換器600が離間して示されているが、熱交換器600は、配管ラインL3,L4間の熱エネルギーと、配管ラインL5,L7間の熱エネルギーとを交換することができる。
熱交換器600は、吸着部22から導出された清浄ガス(G3)を熱交換によって昇温させた上で生産設備1000に送り出す。熱交換器600は、脱着部21から導出された脱着ガスG4を熱交換によって降温させた上で冷却器300に送り出す。熱交換器600の熱交換によって、生産設備に送り出す清浄ガス(G3)を所定の温度にするための他のエネルギーの使用量を低減することが可能となる。熱交換器600の熱交換によって、冷却器300に送り出す脱着ガス(G4)を所定の温度にするための他のエネルギーの使用量を低減することが可能となる。
(有機溶剤の回収)
上記構成からなる有機溶剤回収システム1Bにおいて、参考技術で説明した有機溶剤回収システム1Aと同様に、生産設備1000としてリチウムイオン電池製造設備で使用される有機溶剤[NMP(n−メチル−2−ピロリドン)]を回収するシステムについて以下説明する。
生産設備1000から排出される排ガス(G1)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約1000ppm、温度が約110℃である。バルブV111を全開状態にし、バルブV112を閉鎖状態にし、生産設備1000から排出される排ガス(G1)を100%脱着部21に導入する。ここでは、排ガス(G1)の温度は、十分に高温状態であることから、再生ヒータ100による排ガス(G1)の加熱は行なわない。
脱着部21から排出される脱着ガス(G4)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約1803ppm、温度が約93℃である。バルブV112を閉鎖状態にし、生産設備1000から排出される排ガス(G1)を脱着部21に100%導入していることから、冷却器300に導入されるガスは、脱着ガス(G4)が100%、直接導入される排ガス(G1)は0%である。
脱着ガス(G4)が、冷却器300において有機溶剤を高濃度に含有する回収液と有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガス(G2)とに分離される。有機溶剤を高濃度に含有する回収液は、回収タンク400に回収される。有機溶剤[NMP]の濃度は約89wt%である。有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガス(G2)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約857ppm、温度が約37℃である。
この有機溶剤含有ガス(G2)には、配管ラインL2に接続された配管ラインL11により、パージ部出口ガス(G6)が混合される。パージ部出口ガス(G6)は、流量が約100NCMM、有機溶剤濃度が約386ppm、温度が約100℃である。有機溶剤含有ガス(G2)とパージ部出口ガス(G6)との混合からなる吸着部入口ガス(G5)は、流量が約870NCMM、有機溶剤濃度が約803ppm、温度が約44℃である。吸着部入口ガス(G5)は濃縮装置200の吸着部22に導出される。
濃縮装置200の吸着部22により有機溶剤が吸着された清浄ガス(G3)は、流量が約770NCMM、有機溶剤濃度が約12ppm、温度が約53℃である。清浄ガス(G3)の一部は、配管ラインL10を通じてパージ部23に導出される。清浄ガス(G3)の残部は、配管ラインL3を通じて熱交換器600に導出される。
パージ部23に導出された清浄ガス(G3)は、パージ部23における吸着素子を冷却し、パージ部出口ガス(G6)として昇温された状態でパージ部23から導出される。熱交換器600に導出された清浄ガス(G3)は、脱着部21から冷却器300へ送り出されている脱着ガス(G4)と熱交換し、昇温した状態で熱交換器600から生産設備1000へと導出される。
(作用・効果)
上記構成を有する有機溶剤回収システム1Bの作用効果について、参考技術として説明した有機溶剤回収システム1Aと比較した場合について説明する。
本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bによれば、パージ部23が、脱着部21の後であって吸着部22の前に構成されている。清浄ガス(G3)の一部がパージ部23へ導入されることによって、パージ部23における吸着素子が冷却される。清浄ガス(G3)によって吸着素子が冷却されるために、吸着素子の冷却効率が高い。
パージ部23に導入された清浄ガス(G3)は、パージ部出口ガス(G6)として有機溶剤含有ガス(G2)とともに吸着部入口ガス(G5)として再び吸着部22に導入される。このサイクルによって、濃縮装置200は吸着部22における有機溶剤の除去率を高めることができる。
(冷却器300に必要な冷却温度の上昇が可能 28℃→37℃)
本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bによれば、生産設備1000から排出される高温状態の排ガス(G2)を濃縮装置200の脱着部21に送り込むことで、有機溶剤回収システム1Aにおける再生ヒータ100の使用が不要となり、ユーティリティ使用量の増加を抑制することが可能となる。
具体的には、有機溶剤回収システム1Aにおいては、再生ヒータ100により脱着部21に導出する清浄ガス(G3)を33℃から130℃に加熱する必要があった。しかし、本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bによれば、高温状態の排ガス(G2)を高温状態で濃縮装置200の脱着部21に送り込むことから、脱着部21に導出するガスの加熱を行なう必要がない。その結果、濃縮装置200における濃縮倍率(吸着風量/脱着風量)を低減することが可能となる。なお、脱着部21においては、NMPが高濃度含有した排ガス(G2)による脱着操作となるため、脱着効率の高い吸着材を用いることで、脱着操作の向上を図ることができる。
このように、本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bにおいては、有機溶剤回収システム1Aと比較した場合、経済的に濃縮倍率を低くすることで、濃縮装置200の性能向上を図ることが可能となり、冷却器300の冷却温度を上昇(28℃→37℃)させることが可能となり、冷却器300のユーティリティ使用量の削減を可能とする。
その上、有機溶剤がn−メチル−2−ピロリドン等である場合、冷却器300から導出された有機溶剤含有ガス(G2)の一部はミスト状となっている。ミスト状の有機溶剤含有ガス(G2)は、吸着部22に導入される前に、昇温されることによってガス状になっている必要がある。パージ部23から導出された昇温状態にあるパージ部出口ガス(G6)を活用して、ミスト状にある有機溶剤含有ガス(G2)を昇温させることができる。パージ部出口ガス(G6)によってミスト状の有機溶剤含有ガス(G2)昇温させることで、その昇温に必要な他の加熱手段(図示せず)におけるエネルギーの使用量を低減することが可能となる。
(冷却器300への導入ガス温度の低減が可能 105℃→73℃)
また、生産設備1000から排出される高温状態の排ガス(G1)を濃縮装置200の脱着部21に送り込むことで、吸着材による熱交換が行なわれることとなり、冷却器300への導入前のガス温度を低減(105℃→73℃)させることが可能となり、冷却器300のユーティリティ使用量の削減を可能とする。
その上、配管ラインL3,L4間と熱交換が可能な熱交換器600が配管ラインL5,L7間に設けられていることによって、熱交換器600の熱交換によって、冷却器300に送り出す脱着ガス(G4)を所定の温度にするための他のエネルギー使用量の削減を可能とする。
(給気加熱装置500の導入温度の上昇が可能 33℃→53℃)
また、生産設備1000から排出される高温状態の排ガス(G1)を濃縮装置200の脱着部21に送り込むことで、吸着材による熱交換が行なわれることとなり、熱交換器600への導入前のガス温度を上昇(33℃→53℃)させることが可能となる。配管ラインL5,L7間と熱交換が可能な熱交換器600が配管ラインL3,L4間に設けられていることによって、熱交換器600の熱交換によって、生産設備に送り出す清浄ガス(G3)を所定の温度にするための他のエネルギー使用量の削減を可能とする。
このように、本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bによれば、生産設備1000から排出される高温状態の排ガス(G1)を濃縮装置200の脱着部21に送り込むことにより、システム全体としてのランニングコストを、有機溶剤回収システム1Aに場合と比較して大きく削減することが可能となる。
(NMP回収液の濃度向上 78wt%→89wt%)
また、本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bによれば、有機溶剤回収システム1Aに場合と比較して、冷却器300の温度を上昇させることができるため、水の凝縮量が低減し、回収液中のNMP濃度を向上(78wt%→89wt%)させることが可能となる。
なお、上記の実施の形態における有機溶剤回収システム1Bにおいては、排ガス(G1)の温度の一例として110℃を想定した場合を示しているが、生産設備から排出される排ガス(G1)の温度としては、50℃〜200℃が想定される。したがって、排ガスの温度が所定温度に達していない場合には、必要に応じて、再生ヒータ100を用いて排ガス(G1)の加熱を行なう。
また、生産設備1000から排出された排ガス(G1)を100%脱着部21に導出し、脱着ガス(G4)を100%冷却器300に導出する場合について説明しているが、生産設備から排出される排ガス(G1)の一部を、配管ラインL9を通じて直接冷却器300に導出させることも可能である。冷却器300を通過させるガスの想定される割合は、排ガス(G1)が0%〜50%、脱着ガス(G4)が50%〜100%程度である。
また、排ガス(G1)として生産設備1000から排出されたガスを用い、浄化されたガスを生産設備1000に戻す場合について説明しているが、排ガス(G1)として生産設備1000から排出されたガスを直接用いる必要はなく、同様の性質を有する排ガス(G1)であれば、本実施の形態における有機溶剤回収システム1Bを用いて、高濃度の有機溶剤を回収することが可能である。また、浄化されたガスを生産設備1000に戻す必要はなく、清浄されたガスを他の用途に用いることも可能である。
また、有機溶剤として[NMP(n−メチル−2−ピロリドン)]を回収する場合について説明しているが、この有機溶剤に限定されることなく、1℃〜50℃の冷却にて液化して回収できる有機溶剤であれば良い。即ち、有機溶剤としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはn−デカンである。NMPと同様の特性を有するこれらの有機溶剤の回収に対しても、本発明に基づいた有機溶剤回収システム1Bを用いることが可能である。
また、上記の実施の形態における有機溶剤回収システム1Bにおいては、濃縮装置200の回転速度により、吸着工程、脱着工程、およびパージ工程の各時間が制御される。清浄ガス(G3)、脱着ガス(G4)、および吸着部入口ガス(G5)の温度が、それぞれ所定の温度となるように、濃縮装置200の回転速度により、吸着工程、脱着工程およびパージ工程の各時間が制御される場合について説明している。
図4に示す有機溶剤回収システム1Cのように、清浄ガス(G3)、脱着ガス(G4)、吸着部入口ガス(G5)の各温度は、パージ部出口ガス(G6)の一部を、脱着ガス(G4)と混合した状態で冷却器300に導入することによって調節されてもよい。この場合、配管ラインL11から分岐し配管ラインL5に接続する配管ラインL12を設ける。配管ラインL12におけるパージ部出口ガス(G6)の風量は、バルブV115によって調節されるとよい。
また、清浄ガス(G3)、脱着ガス(G4)、吸着部入口ガス(G5)の各温度は、パージ部出口ガス(G6)の一部を、排ガス(G1)と混合した状態で脱着部21に導入することによって調節されてもよい。この場合、配管ラインL11から分岐し配管ラインL8に接続する配管ラインL13を設ける。配管ラインL13におけるパージ部出口ガス(G6)の風量は、バルブV116によって調節されるとよい。なお、清浄ガス(G3)、脱着ガス(G4)、吸着部入口ガス(G5)の各温度を調節するために、配管ラインL12,L13の両方が設けられていてもよい。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1C 有機溶剤回収システム、20,200 濃縮装置、21 脱着部、22 吸着部、23 パージ部、100 再生ヒータ、210 筒状吸着体、211 回転軸、300 冷却器、400 回収タンク、500 給気加熱装置、600 熱交換器、1000 生産設備、G1 排ガス、G2 有機溶剤含有ガス、G3 清浄ガス、G4 脱着ガス、G5 吸着部入口ガス、G6 パージ部出口ガス、L1〜L13 配管ライン、T1〜T3 温度測定器、V101,V102,V111〜V116 バルブ。

Claims (7)

  1. 有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガスを接触させることで前記有機溶剤を吸着し且つ前記有機溶剤含有ガスよりも高温の排ガスを接触させることで吸着した前記有機溶剤を脱着する吸着素子を含み、前記吸着素子に前記有機溶剤含有ガスが導入されることによって前記有機溶剤を前記吸着素子に吸着させて清浄ガスを排出する吸着部と、前記吸着素子に前記排ガスが導入されることによって前記有機溶剤を前記吸着素子から脱着させて前記有機溶剤を含有する脱着ガスを排出する脱着部と、前記脱着部における前記吸着素子の脱着処理が完了した部分が前記吸着部への移行の前に移行するパージ部とを有する濃縮装置と、
    前記脱着ガスまたは前記排ガスを含む前記脱着ガスを冷却し凝縮して前記有機溶剤を回収する冷却回収装置と、
    を備え、
    前記吸着部から排出された前記清浄ガスの一部は前記パージ部に導入され、
    前記パージ部から排出されたパージ部出口ガスは、前記吸着部に導入される前記有機溶剤含有ガスに混入され、
    前記有機溶剤含有ガスは、前記パージ部出口ガスの熱エネルギーを受けて昇温した状態で前記吸着部に導入され、
    前記パージ部出口ガスの一部は、前記排ガスとともに前記脱着部に供給され、且つ/または前記脱着ガスとともに前記冷却回収装置に供給され、
    前記パージ部出口ガスの残部は、前記有機溶剤含有ガスとともに前記吸着部に導入され、
    前記パージ部出口ガスの前記一部と前記パージ部出口ガスの前記残部との風量の比が調節されることによって、前記吸着部に導入される前記有機溶剤含有ガスの温度が調節される、
    有機溶剤回収システム。
  2. 有機溶剤を含有する温度が約50℃〜約200℃の排ガスから前記有機溶剤を回収する有機溶剤回収システムであって、
    前記有機溶剤を含有する有機溶剤含有ガスを接触させることで前記有機溶剤を吸着し且つ前記有機溶剤含有ガスよりも高温の排ガスを接触させることで吸着した前記有機溶剤を脱着する吸着素子を含み、前記吸着素子に前記有機溶剤含有ガスが導入されることによって前記有機溶剤を前記吸着素子に吸着させて清浄ガスを排出する吸着部と、前記吸着素子に前記排ガスが導入されることによって前記有機溶剤を前記吸着素子から脱着させて前記有機溶剤を含有する脱着ガスを排出する脱着部と、前記脱着部における前記吸着素子の脱着処理が完了した部分が前記吸着部への移行の前に移行するパージ部とを有する濃縮装置と、
    前記脱着ガスまたは前記排ガスを含む前記脱着ガスを冷却し凝縮して前記有機溶剤を回収する冷却回収装置と、
    を備え、
    前記有機溶剤含有ガスは、前記冷却回収装置において未回収の前記有機溶剤を含有するガスであり、
    前記冷却回収装置へ前記排ガスおよび前記脱着ガスを通過させる割合は、前記排ガスが0%〜50%であり、前記脱着ガスが50%〜100%であり、
    前記吸着部から排出された前記清浄ガスの一部は前記パージ部に導入され、
    前記パージ部から排出されたパージ部出口ガスは、前記吸着部に導入される前記有機溶剤含有ガスに混入され、
    前記有機溶剤含有ガスは、前記パージ部出口ガスの熱エネルギーを受けて昇温した状態で前記吸着部に導入され、
    前記パージ部出口ガスの一部は、前記排ガスとともに前記脱着部に供給され、且つ/または前記脱着ガスとともに前記冷却回収装置に供給され、
    前記パージ部出口ガスの残部は、前記有機溶剤含有ガスとともに前記吸着部に導入され、
    前記パージ部出口ガスの前記一部と前記パージ部出口ガスの前記残部との風量の比が調節されることによって、前記吸着部に導入される前記有機溶剤含有ガスの温度が調節される、
    有機溶剤回収システム。
  3. 前記濃縮装置における前記パージ部の前記吸着部に対する割合は、約5%〜約50%である、
    請求項1または2に記載の有機溶剤回収システム。
  4. 前記排ガスは、生産設備から排出されるガスであり、
    前記清浄ガスの残部は、前記生産設備に戻される、
    請求項1からのいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
  5. 前記濃縮装置は、
    回転軸と、
    前記回転軸の周りに設けられた前記吸着素子としての筒状吸着体と、を備え、
    前記回転軸の周りに前記筒状吸着体を回転させることにより、前記吸着部において前記有機溶剤含有ガス中の前記有機溶剤を吸着した前記吸着素子が、前記脱着部を経て前記パージ部に連続的に移行する、
    請求項1からのいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
  6. 前記冷却回収装置へ前記排ガスおよび前記脱着ガスを通過させる割合が、前記排ガスが0%であり、前記脱着ガスが100%である、
    請求項1からのいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
  7. 前記有機溶剤は、n−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはn−デカンである、
    請求項1からのいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
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