JP5573294B2 - パターン形成体の製造方法およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、プラスチック基板上にパターンが形成されてなるパターン形成体の製造方法であって、上記プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記プラスチック基板を上記温湿度雰囲気下で保管する保管工程と、上記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した上記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が上記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する貼合工程と、上記支持基板上に仮固定された上記プラスチック基板上に上記パターンを形成するパターン形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
以下、本発明のパターン形成体の製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、本発明における保管工程について説明する。本発明における保管工程は、プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記プラスチック基板を上記温湿度雰囲気下で保管する工程である。
本発明におけるプラスチック基板は、本発明により得られるパターン形成体において、後述するパターンを支持するものである。上記プラスチック基板は、プラスチック材料からなるものであれば、特に限定されるものでなく、本発明により製造されるパターン形成体の用途等に応じて、任意のプラスチック材料からなる基板を用いることができる。
このようなプラスチック基板の材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ノルボルネン系樹脂、アリルエステル樹脂等の合成樹脂を挙げることができ、中でも、PEN、PETが好ましい。
本工程においては、プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記プラスチック基板を上記温湿度雰囲気下で保管する。このようにプラスチック基板を保管することで、プラスチック基板の寸法を安定させることができる。具体的な保管方法としては、プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、ロール状のプラスチック基板をシート状に切断し、所定の温湿度に管理された雰囲気下において、ドライラック上に一枚ずつ保管する方法等を挙げることができる。
また、本工程における湿度としては、常温常湿下のプラスチック基板の寸法を計算により求めることができる範囲内であれば、特に限定されるものではないが、例えば、30%RH〜70%RHの範囲内であることが好ましく、40%RH〜60%RHの範囲内であることがより好ましい。
次に、本発明における貼合工程について説明する。本発明における貼合工程は、上記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した上記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が上記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する工程である。
また、上記支持基板の湿度膨張係数は、10ppm/%RH以下であることが好ましく、5ppm/%RH以下であることがより好ましく、1ppm/%RH以下であることがさらに好ましい。
支持基板の線膨張係数および湿度膨張係数をそれぞれ上記範囲内とすることで、支持基板の温度および湿度寸法変化を極めて少なくすることができ、吸水量や温度変化によるプラスチック基板の寸法変化をより抑制することができるからである。
このような支持基板としては、例えば、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等を挙げることができる。上記支持基板上にプラスチック基板を貼合することにより、熱または水分の吸湿・脱湿によるプラスチック基板の寸法変化を抑制でき、パターン形成のタイミングの時間管理が不要となる。
次に、本発明におけるパターン形成工程について説明する。本発明におけるパターン形成工程は、上記支持基板上に仮固定された上記プラスチック基板上にパターンを形成する工程である。
本発明のパターン形成体の製造方法は、少なくとも上記保管工程、上記貼合工程および上記パターン形成工程を有する製造方法であるが、必要に応じて、その他の工程を有していても良い。その他の工程としては、例えば、支持基板から取り外したパターン形成体と他の部材とを貼り合わせて積層させる積層工程等を挙げることができる。
本発明のパターン形成体の製造方法により得られるパターン形成体は、プラスチック基板上にパターンが形成されてなるものである。本発明によれば、上述した工程を経ることにより、温湿度の変化によって寸法が変化しやすいプラスチック基板上に、高精細なパターンが形成されたパターン形成体を得ることができる。また、パターンを多層重ねる工程ごとに、上記保管工程および上記貼合工程をプラスチック基板に施すことで、寸法の再現性が高く、重ね合わせ精度の高い積層パターン形成体を得ることができる。
上記パターン形成体の構成としては、少なくとも、プラスチック基板と、プラスチック基板上に形成された所望のパターンとを有するものであれば、特に限定されるものではなく、目的とする画像表示素子の種類等に応じて、任意の構成とすることができる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明なプラスチック基板上に複数の着色層がパターン状に形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、上記プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記プラスチック基板を上記温湿度雰囲気下で保管する保管工程と、上記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した上記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が上記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する貼合工程と、上記支持基板上に仮固定された上記プラスチック基板上に上記着色層のパターンを形成する着色層形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、本発明における保管工程について説明する。本発明における保管工程は、プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記プラスチック基板を上記温湿度雰囲気下で保管する工程である。
上記プラスチック基板の材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)等の合成樹脂を挙げることができ、中でも、PEN、PETが好ましい。
次に、本発明における貼合工程について説明する。本発明における貼合工程は、上記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した上記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が上記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する工程である。本工程の詳細については、上記「A.パターン形成体の製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明における着色層形成工程について説明する。本発明における着色層形成工程は、上記支持基板上に仮固定された上記プラスチック基板上に着色層のパターンを形成する工程である。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタは、透明なプラスチック基板上に複数の着色層がパターン状に形成されてなるものである。本発明によれば、上述した工程を経ることにより、温湿度の変化によって寸法が変化しやすいプラスチック基板上に、複数色の着色層のカラーパターンが寸法精度高く形成されたカラーフィルタを得ることができる。
上記カラーフィルタの構成としては、少なくとも、透明なプラスチック基板と、透明なプラスチック基板上に形成された着色層とを有するものであれば、特に限定されるものではなく、目的とする画像表示素子の種類等に応じて、任意の構成とすることができる。
プラスチック基板として、透湿係数が1g/m2・h・mmHgであり、線膨張係数および湿度膨張係数が、それぞれ16ppm/℃および12ppm/%RHであり、300mm×400mm(0.125mmt)サイズのPETフィルムを準備した。上記プラスチック基板の含水率を測定した。
次に、保管処理を施したプラスチック基板を、23℃、50%RHの雰囲気下で、シリコーンゴムを粘着材として用いて、上記支持基板に貼合した。
プラスチック基板の保管を行わずに、支持基板に貼合したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを得た。
プラスチック基板を支持基板に貼合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを得た。
実施例1および比較例1で得られたカラーフィルタを形成したプラスチック基板は支持基板から剥がして、比較例2で得られたカラーフィルタを形成したプラスチック基板はそのままの状態で、23℃、45%RHの雰囲気下で一週間保管後、形成されたパターンの寸法を測定した。
一方、比較例1で得られたカラーフィルタのパターンの寸法は、±15μm/100mm程度のロット間バラツキがあった。これは、実施例1では、保管工程によってロット間でのプラスチック基板の含水率に差が生じていなかったのに対して、比較例1では、含水率がバラついた状態で支持基板に仮固定され、パターニングされたため、プラスチック基板が吸脱水することによって、パターンの寸法伸縮が生じたと考えられる。
一方、比較例2で得られたカラーフィルタの各層のパターニング位置精度は、±15μm/100mm程度であった。これは、実施例1では、貼合工程によってプロセス中のプラスチック基板の含水率変化による寸法変化が抑制されていたのに対して、比較例2では、プロセス中にプラスチック基板の寸法が大きく変化し、各層のアライメント位置ズレが生じた状態でパターニングされたためと考えられる。
2 … 粘着層
3 … 支持基板
4 … パターン
5 … 遮光部
6 … 着色層
6R … 赤色着色層
6G … 緑色着色層
6B … 青色着色層
10 … パターン形成体
11 … カラーフィルタ
Claims (6)
- プラスチック基板上にパターンが形成されてなるパターン形成体の製造方法であって、
前記プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、前記プラスチック基板を前記温湿度雰囲気下で保管する保管工程と、
前記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した前記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が前記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する貼合工程と、
前記支持基板上に仮固定された前記プラスチック基板上に前記パターンを形成するパターン形成工程と、を有し、
前記保管工程では、前記プラスチック基板の含水率を測定し、前記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達しているかを判断する含水率測定工程を行うことを特徴とするパターン形成体の製造方法。 - 前記支持基板の線膨張係数および湿度膨張係数が、10ppm/℃以下および10ppm/%RH以下であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記保管工程の温湿度雰囲気が、前記支持基板から取り外した後の工程の温湿度雰囲気と等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記支持基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 透明なプラスチック基板上に複数の着色層がパターン状に形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、
前記プラスチック基板の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、前記プラスチック基板を前記温湿度雰囲気下で保管する保管工程と、
前記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達した前記プラスチック基板を、温湿度の変化による寸法変化が前記プラスチック基板より少ない支持基板上に仮固定する貼合工程と、
前記支持基板上に仮固定された前記プラスチック基板上に前記着色層のパターンを形成する着色層形成工程と、を有し、
前記保管工程では、前記プラスチック基板の含水率を測定し、前記所定の温湿度雰囲気下における含水率に達しているかを判断する含水率測定工程を行うことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記支持基板の線膨張係数および湿度膨張係数が、10ppm/℃以下および10ppm/%RH以下であることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
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