JP5571553B2 - 架橋剤と二重ラジカル硬化ポリマー - Google Patents

架橋剤と二重ラジカル硬化ポリマー Download PDF

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Description

本発明は、架橋剤と、その架橋剤を利用してポリマー組成物を提供する方法に関する。このポリマー組成物は、2種類以上のモノマーと2種類以上の架橋剤からなるモノマー単位を含んでいる。このポリマーは、眼科用レンズのための光学的ポリマー材料として使用できる。
N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)で製造されたヒドロゲル製コンタクト・レンズは含水量が比較的多いため、酸素透過率が許容できるレベルであることが期待される。例えば、NVPがアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル(例えばメタクリル酸メチル)と共重合されて、含水量が一般に50質量%〜80質量%のレンズ材料が提供されることがしばしばある。しかしこのようなコポリマーの合成は、NVPのN-ビニル基と、アクリル酸アルキルのアクリロイル基またはメタクリル酸アルキルのメタクリロイル基との間の重合性に差があるためにを制御することが難しい。一般に、相が分離することや、ポリマー製レンズ材料の透明度がそれに対応して低下したり、レンズ材料の力学的特性が悪化することが観察される。
NVPとアクリル酸/メタクリル酸アルキルの差を克服する試みとして、米国特許第4,457,543号には、N-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン(NMMP)を利用することが記載されている。NMMPは他のアクリレート/メタクリレート・モノマーよりも重合性が優れており、しかもNVPに望まれる必要な親水特性が提供されると述べられている。したがってこの'543号特許には、(a)NMMPとNVPを全モノマー単位の50〜95質量部(その中の25〜100部がNMMPであり、0〜75部がNVPである)と、(b)アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、スチレン、アルキルスチレン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルからなるグループの中から選択した少なくとも1種類のモノマーを主体とする補強モノマー単位を全モノマー単位の約5〜約50質量部とで主に構成したコポリマーが記載されている。
米国特許第3,949,021号には、上記の問題に対する幾分か異なったアプローチが記載されている。この'021号特許には、すでに形成された水に溶けないポリマー(例えばポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン、ポリ(酢酸ビニル))をポリ(NVP)の中に捕獲または封止することが記載されている。また、McCabeらによる米国特許(米国特許第6,822,016号と第7,052,131号)には、高分子量の親水性ポリマーとシリコーン・モノマーからポリマー製の眼科用レンズ材料を製造する方法が記載されている。このMcCabe法では、すでに形成された親水性ポリマー(例えば分子量が約100,000ダルトン以上のポリ(NVP))の存在下でケイ素モノマーを重合させる。
2種類以上のフリー-ラジカルと、2つの非常に異なる反応率の比を持つモノマーと、1種類だけの架橋剤とを含む従来のポリマー組成物は、2種類のモノマーが主として2種類のホモポリマーとして共存するポリマーを提供することができる。重合反応の初期段階に1種類のモノマーが選択的に架橋剤と反応し、そのモノマーがほぼ消費された後になって初めて第2のモノマーが架橋剤と反応し始める。いくつかの場合には、架橋剤と第2のモノマーの反応率の比の差が大きいため、反応しないかなり大量の第2のモノマーまたはオリゴマーを伴ったポリマーが提供される可能性がある。その後、第2のモノマーまたはオリゴマーをポリマーから抽出せねばならない。これは製造コスト(収率)に関して非常に非効率であり、材料の特性にとって有害である可能性がある。また、そのような変化する反応条件のもとで設計の仕様に合ったポリマーを繰り返して製造するのは難しいことがしばしばある。
2種類の異なるモノマー(そのうちの1つは架橋剤)の反応によって形成されるポリマーの理論組成は、以下の式によって決まる。
dn1/dn2=(N1/N2)(r1N1+N2)/(r2N2+N1)
ここに、n1は、コポリマーに含まれるモノマー1のモル数であり、n2は、コポリマーに含まれるモノマー2のモル数であり、N1とN2は、それぞれモノマー混合物中のモノマー1とモノマー2のモル数であり、r1とr2は、モノマーの反応率である。反応率は、以下の重合反応に従う成長速度定数k11、k12、k22、k21で定義される。
M1*+M1 → M1M1* k11
M1*+M2 → M1M2* k12
M2*+M2 → M2M2* k22
M2*+M1 → M2M1* k21
r1=k11/k12、r2=k22/k21
本発明は、少なくとも2種類のモノマーを1種類だけの架橋剤と共重合させる試みにおいて、その2種類のモノマーのうちの一方が架橋剤に対して非常に異なる反応率の比を有する場合に生じる欠点を克服する。
本発明は、一般式(I):
Figure 0005571553
の化合物に関する。ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;
Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキル又はフェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である。
本発明は、一般式(III):
Figure 0005571553
の化合物にも関する。ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;R9の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C3アルカノールの中からなされ;
Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキル又はフェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である。
本発明は、2種類以上の架橋剤(その架橋剤の少なくとも1つは、上に定義した一般式(I)または一般式(III)のものである)と、親水性モノマーと、レンズ・モノマーとの反応生成物を含むポリマーにも関する。このポリマーを用いて眼科用レンズを形成することができる。
本発明は、反応率の比Rh=khh/khxの親水性モノマーと、上に定義した一般式(I)または一般式(III)の架橋剤とを含む重合用混合物を用意する方法によって調製されるポリマーにも関する。ただしkhh、khx、kxx、kxhは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mhは親水性モノマーを表わし、Mh*は親水性モノマー基を表わし、Mxは一般式(I)または一般式(III)の架橋剤を表わし、Mx*は一般式(I)または一般式(III)の架橋剤基を表わし、
Mh*+Mh → MhMh* khh
Mh*+Mx → MhMx* khx
Mx*+Mx → MxMx* kxx
Mx*+Mh → MxMh* kxhであり;
比Rh/Rxは0.1〜10であり、その中のRxは kxx/kxhである。この重合用混合物は、反応率の比Rl=kll/klyを持つレンズ・モノマーと、反応率の比Ry=kyy/kylを持つ架橋剤も含んでいる。ただしkll、kly、kyy、kylは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mlはレンズ・モノマーを表わし、Ml*はレンズ・モノマー基を表わし、Myは架橋剤を表わし、My*は架橋剤基を表わし、
Ml*+Ml → MlMl* kll
Ml*+My → MlMy* kly
My*+My → MyMy* kyy
My*+Ml → MyMl* kylであり;
比Rl/Ryは0.1〜10である。得られるポリマーは眼科用レンズの形成に使用できる。
本発明により、反応率の比が異なる少なくとも2種類のモノマー(特に少なくとも2種類のビニル・モノマー)からなるポリマーを、各モノマーのための対応する架橋剤を用いて合成する経路が提供される。少なくとも1種類の親水性モノマー(例えば任意のN-ビニルラクタム)を、眼科用レンズのためのポリマー材料の調製に使用される少なくとも1種類の従来からあるモノマーと共重合させることのできる新規な架橋剤を記述する。今後は、従来からあるモノマーを“レンズ・モノマー”と呼び、そのうちのいくつかについて以下に説明する。新しい架橋剤は、親水性モノマーに対する比較的大きな選択性と、レンズ・モノマーの重合に使用する架橋剤への限られた反応性を有する。
本発明は、少なくとも2つのモノマー単位と、少なくとも2つの異なる架橋単位とを含む架橋した親水性ポリマーの製造方法に関する。ここでもその2種類の異なる架橋剤が必要とされる。なぜならその少なくとも1種類の親水性モノマーとその少なくとも1種類のレンズ・モノマーは、1種類だけの架橋剤を用いたのでは容易に共重合しないからである。親水性モノマーとレンズ・モノマーのそれぞれに対応する架橋剤を用いると、互いに適合性のあるポリマーが保証される。その結果、重合反応の後に抽出できる親水性モノマーまたは親水性オリゴマーの量が著しく少なくなる。二重架橋系を用いると、得られるポリマーの最終的な化学的性質、物理的性質、構造的性質を制御する改善された手段も提供される。
本発明は、一般式(I):
Figure 0005571553
の化合物に関する。ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;
Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキルとフェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である。
“直鎖または分岐鎖のアルキル”と“環式炭化水素”という用語は、1つ以上の非炭素置換基(例えばヒドロキシル、アミン、カルボン酸、エステル、エーテル)を含むことのできる脂肪族基である。
一実施態様では、Dは、ヒドロキシ置換されたシクロアルキル、ヒドロキシル置換された直鎖アルキル、ヒドロキシル置換された分岐鎖アルキルのいずれかである。多くの場合、ヒドロキシルは、化合物の調製に用いられる対応するエポキシドから形成される。また、多くの場合にpは0であり、m+nは4〜10であり、R1、R2、R3、R4は水素である。例えば一般式(I)の化合物には、一般式(II)においてkが1〜12であり、qが0、1、2のいずれかである化合物が含まれる。
Figure 0005571553
一般式(I)の架橋剤は、親水性モノマーをケイ素モノマーまたはマクロモノマーと共重合させるのにも使用できる。そのような場合、シロキサン骨格を有する架橋剤、すなわちAが[SiR5R6O]wSiR5R6であり、m+nが2〜10である架橋剤を用意するとよかろう。
あるいは、より大きな親水性が望ましい場合には、オキシエチレン骨格を有する架橋剤、すなわちpが1であり、AがO(CH2CH2O)vであり、m+nが2〜10である架橋剤を用意するとよかろう。
本発明は、一般式(III):
Figure 0005571553
の化合物にも関する。ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;R9の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C3アルカノールの中からなされ;
Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキル又はフェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である。
一般式(III)の架橋剤は、親水性モノマーをケイ素モノマーまたはマクロモノマーと共重合させるのにも使用できる。そのような場合、シロキサン骨格を有する架橋剤、すなわちAが[SiR5R6O]wSiR5R6であり、m+nが2〜10である架橋剤を用意するとよかろう。
あるいは、より大きな親水性が望ましい場合には、オキシエチレン骨格を有する架橋剤、すなわちpが1であり、AがO(CH2CH2O)vであり、m+nが2〜10である架橋剤を調製することが有利であろう。
一実施態様では、Dは、ヒドロキシ置換されたシクロヘキサン、ヒドロキシル置換された直鎖アルキル、ヒドロキシル置換された分岐鎖アルキルのいずれかである。ここでもヒドロキシルは、この化合物を調製する際に用いられる対応するエポキシドから形成される。また、多くの場合に、pは0であり、m+nは4〜10であり、R1、R2、R3、R4は水素である。例えば上の記述によって実現される1つの化合物は、一般式(IV)においてkが1〜12であり、qが0、1、2のいずれかであるものとして表わされる。
Figure 0005571553
一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)いずれかの架橋剤の存在下で親水性モノマーをレンズ・モノマーと共重合させる上記の方法により、親水性ビニルモノマーがN-ビニルラクタムである場合に、特に、そのN-ビニルラクタムが、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択したN-ビニルラクタムである場合に、いくつかの利点が提供される。N-ビニルラクタムは、より一般的なアクリレートをベースとしたモノマー、メタクリレートをベースとしたモノマー、アクリルアミドをベースとしたモノマーの多くとのフリー・ラジカル重合反応が遅いことで悪名が高い。特に、眼科用レンズのためのポリマー材料を用意するのに一般に使用されるアクリレートをベースとしたモノマー、メタクリレートをベースとしたモノマー、アクリルアミドをベースとしたモノマー、例えばメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)、トリス-(トリメチルシロキシ)-3-メタクリルオキシプロピルシラン(TRIS)、ジメチルアクリルアミド(DMA)、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、メタクリル酸(MA)、アクリル酸2-フェニルエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、メタクリル酸2-フェノキシエチル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-メトキシエチル、モノメタクリル酸グリセロール、メタクリル酸モノメトキシポリエチレングリコール(PEG)がそうである。
例えばNVPを上記のレンズ・モノマーのうちの任意の1つ以上と共重合させる以前の試みでは、非常にわずかのNVPが組み込まれたアクリレート・ポリマー、メタクリレート・ポリマー、アクリルアミド・ポリマーが形成されている。その一方で、ポリマーの中に存在する大半のNVPは、ポリ(NVP)の非共有結合したホモポリマー鎖として存在している。これらポリ(NVP)鎖は、時間が経過するとポリマーから浸出する傾向がある。ポリ(NVP)が浸出するとそのポリマーの親水性が低下し、そのポリマーで含水量または湿潤性の低下が観察される。さらに、NVPを以下に記載する1種類以上のシロキサン・マクロモノマーと共重合させる試みは相分離につながる可能性があり、眼科用レンズの場合には、そのような相分離がレンズ材料の不透明さにつながる可能性がある。
表1に、眼科用レンズ材料の製造に一般に用いられるNVP(モノマー1)とビニル・モノマー(モノマー2)の反応性の比を示す。反応性の比に関するこれらの値は、J. BrandrupとE.J. Immergut、『ポリマー・ハンドブック』、第3版、ワイリー・インターサイエンス社、1989年から取った。
Figure 0005571553
本発明の方法は、親水性モノマーとレンズ・モノマーを共重合させるのに特に有用である。したがって本発明は、反応率の比Rh=khh/khxの親水性モノマーと、上に定義した一般式(I)または一般式(III)の架橋剤とを含む重合用混合物を用意する方法によって調製されるポリマーにも関する。ただしkhh、khx、kxx、kxhは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mhは親水性モノマーを表わし、Mh*は親水性モノマー基を表わし、Mxは一般式(I)または一般式(III)の架橋剤を表わし、Mx*は一般式(I)または一般式(III)の架橋剤基を表わし、
Mh*+Mh → MhMh* khh
Mh*+Mx → MhMx* khx
Mx*+Mx → MxMx* kxx
Mx*+Mh → MxMh* kxhであり;
比Rh/Rxは0.1〜10であり、その中のRxは kxx/kxhである。この重合用混合物は、反応率の比Rl=kll/klyを持つレンズ・モノマーと、反応率の比Ry=kyy/kylを持つ架橋剤も含んでいる。ただしkll、kly、kyy、kylは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mlはレンズ・モノマーを表わし、Ml*はレンズ・モノマー基を表わし、Myは架橋剤を表わし、My*は架橋剤基を表わし、
Ml*+Ml → MlMl* kll
Ml*+My → MlMy* kly
My*+My → MyMy* kyy
My*+Ml → MyMl* kylであり;
比Rl/Ryは0.1〜10である。得られるポリマーは眼科用レンズの形成に使用できる。
重合用混合物を調製するとき、多くの場合に親水性モノマーとレンズ・モノマーは一般に反応性の差が比較的大きい。言い換えるならば、以下に示す重合反応と同様の集合(架橋剤が同じである単一の架橋系)に基づいて反応性の比RH/RLを定義するのであれば、反応性の比は大きいはずである。すなわち10倍の差がある(例えば10超または0.1未満)。したがって親水性モノマーとレンズ・モノマーは、反応性の比RH/RLが10よりも大きいか0.1未満である。反応性の比RH/RLは、以下のラジカル重合反応によって定義される。そのとき、Mhは親水性モノマーを表わし、Mh*は親水性モノマー基を表わし、Mlはレンズ・モノマーを表わし、Ml*はレンズ・モノマー基を表わし、Miは架橋剤を表わし、Mi*は架橋剤基を表わし、
Mh*+Mh → MhMh* khh
Mh*+Mi → MhMi* khi
Mi*+Mi → MiMi* kii
Mi*+Mh → MiMh* kihであり;RHはRh/Riであり、
Ml*+Ml → MlMl* kll
Ml*+Mi → MlMi* kli
Mi*+Mi → MiMi* kii
Mi*+Ml → MiMl* kilであり;RLはRl/Riである。
したがって一実施態様では、親水性モノマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択したN-ビニルラクタムである。他の適切な親水性モノマーとして、N-ビニルイミダゾリドンとN-ビニルスクシンイミドがある。しかし多くの場合に親水性モノマーはN-ビニルピロリドンになろう。
1種類以上の親水性モノマーと共重合されるモノマーの例として、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドいずれかをベースとしたモノマーがある。特に、眼科用レンズのためのポリマー材料を用意するのに一般に用いられるアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドいずれかをベースとしたモノマー(例えばHEMA、TRIS、DMA、EGDMA、MA、アクリル酸2-フェニルエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、メタクリル酸2-フェノキシエチル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-メトキシエチル、モノメタクリル酸グリセロール、メタクリル酸モノメトキシポリエチレングリコール(PEG))が挙げられる。
上に説明した方法は、高分子量ケイ素ヒドロゲルの調製に特に有用である。この場合、以下に説明する1種類以上のシロキサン・マクロモノマーを親水性モノマーと重合させる。ケイ素ヒドロゲルを合成するのに架橋剤にシロキサン結合を挿入する、すなわち一般式(I)または一般式(III)でAが[SiR5R6O]wSiR5R6でありpが1であると有利になる場合がある。
1.架橋剤を利用したコンタクト・レンズ材料の製造
任意の1種類以上の公知のケイ素含有モノマーまたはマクロモノマーを親水性モノマーおよび一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)いずれかの架橋剤と組み合わせてモノマー混合物を用意し、それを重合させて眼科用レンズ材料を製造するためのシロキサン・ポリマーを得る。
使用可能な特別な1つのケイ素含有モノマーは、構造式(A)のものである。
Figure 0005571553
ただし、
RiはHまたはCH3であり、qは1または2であり、それぞれのq、R1、Rm、Rnの選択は、独立に、エチル、メチル、ベンジル、フェニルと、Si-O単位が1〜30回繰り返された1価のシロキサン鎖とからなるグループの中からなされ、pは1〜10の整数であり、r=(3-q)であり、Xは、O、NH、N(C1〜4アルキル)のいずれかであり、aは0または1であり、Lは、2〜5個の炭素原子を含んでいることが好ましい2価の結合基であり、この基は場合によってはエーテル基またはヒドロキシル基(例えばポリ(エチレングリコール)鎖)を含んでいてもよい。
使用可能な構造式(A)のケイ素含有モノマーは、(3-メタクリロイルオキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3-メタクリロイルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン、(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランである。好ましいケイ素含有モノマーは、末端にモノメタクリロイルオキシアルキルを有するポリジメチルシロキサン(“mPDMS”)であり、例えば構造式(B):
Figure 0005571553
で示したものである。ただし、b=0〜100であり、RkはC1〜10の脂肪族基または芳香族基であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく;Rkは、Siに結合する位置は機能化されていない。Rkは、ブチル基(特にs-ブチル基が最も好ましい)を有するC3〜8アルキル基であることが好ましい。Rjはエチレン型不飽和部分であり、単一の重合可能なビニル基であることが好ましい。より好ましいのは、Rjがメタクリル部分であることだが、アクリル部分またはスチレン部分や、他の同様の部分も可能である。
使用可能な他のケイ素含有モノマーとして、(3-メタクリルオキシプロピル)トリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、米国特許第4,711,943号に記載されているTRISのアミド類似体、米国特許第5,070,215号に記載されているカルバミン酸ビニル類似体または炭酸ビニル類似体などがある。
他のいくつかのケイ素含有モノマーの例として、バルクのポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル・モノマーがある。バルクのポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル・モノマーの一例は、構造式(C):
Figure 0005571553
で表わされる。ただし、
XはOまたはNRiを表わし;hは1〜10の整数であり;
それぞれのRiは、独立に水素またはメチルを表わし;それぞれのRpは、独立に低級アルキル基またはフェニル基を表わす。
ケイ素含有モノマーの代表的な別のクラスとして、ケイ素含有炭酸ビニル・モノマーまたはケイ素含有ビニルカルバメートモノマーがあり、その例は、
1,3-ビス[(4-ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト-1-イル]テトラメチルジシロキサン;
1,3-ビス[(4-ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト-1-イル]ポリジメチルシロキサン;
3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート;
3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];
3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;
3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;
3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート;
t-ブチルジメチルシロキシエチルビニルカーボネート;
トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;
トリメチルシリルメチルビニルカーボネートである。
ケイ素含有ビニルカーボネートモノマーまたはケイ素含有ビニルカルバメートモノマーの例は、構造式(D):
Figure 0005571553
によって表わされる。ただし、
Yは、O、S、NHのいずれかを表わし;
RSiは、ケイ素を含有する有機基を表わし;
Riは水素またはメチルを表わし;
dは、1、2、3、4のいずれかであり;qは0または1である。
ケイ素を含有する適切な有機基RSiとして、-(CH2)nSi[(CH2)mCH3]3、-(CH2)nSi[OSi(CH2)mCH3]3、-(CH2)nSi[OSi(Rr)3]3、-(CH2)n[Si(Rr)2O]eSi(Rr)3、-(CH2)n[Si(Rr)2O]eMなどがある。ただし、Mは
Figure 0005571553
(ここにpは1〜6である)で表わされ;
Rrは、アルキル基またはフルオロアルキル基で炭素原子が1〜6個のものを表わし;
eは1〜200の整数であり;nは、1、2、3、4のいずれかであり;mは、1、2、3、4、5のいずれかである。
構造式(D)に含まれる特別な種の一例は、構造式(E)で表わされる。
Figure 0005571553
ケイ素含有モノマーの別のクラスとして、ポリウレタン-ポリシロキサン・マクロモノマー(プレポリマーと呼ばれることもある)がある。これは、従来のウレタンエラストマーと同様の硬-軟-硬ブロックを持つことができる。シリコーンウレタン・モノマーの例は、一般式(IV)と(V)で表わされる。
(IV) E(*D*A*D*G)a*D*A*D*E';
(V) E(*D*G*D*A)a*D*G*D*E'
ただし、
Dは、アルキル・ジラジカル、アルキルシクロアルキル・ジラジカル、シクロアルキル・ジラジカル、アリール・ジラジカル、アルキルアリール・ジラジカルのいずれかで炭素原子が6〜30個のものであり;
Gは、アルキル・ジラジカル、シクロアルキル・ジラジカル、アルキルシクロアルキル・ジラジカル、アリール・ジラジカル、アルキルアリール・ジラジカルのいずれかで炭素原子が1〜40個のものであり、これらは主鎖の中にエーテル結合、チオ結合、アミン結合のいずれかを含んでいてもよく;
*はウレタン結合またはウレイド結合を表わし;
aは少なくとも1であり;
Aは、構造式(F):
Figure 0005571553
の2価ポリマー基を表わす。この構造式(F)において、
それぞれのR'は独立に、アルキル基またはフルオロ置換アルキル基で炭素原子が1〜6個のものを表わし、これらの基は炭素原子間にエーテル結合を含んでいてもよく;
mは少なくとも1であり;
pは、この部分の分子量を400〜10,000にする数であり;
Eは、構造式(G):
Figure 0005571553
で表わされる重合可能な不飽和有機基である。この構造式(G)において、
Riは水素またはメチルであり;
Rtは、水素、炭素原子が1〜6個のアルキル基、-CO-Y-Ru基(ただしYは、O、S、NHのいずれかである)のいずれかであり;
Rsは、炭素原子が1〜10個の2価アルキレン基であり;
Ruは、炭素原子が1〜12個のアルキル基であり;
XはCOまたはOCOを表わし;
ZはOまたはNHを表わし;
Arは、炭素原子が6〜30個の芳香族基を表わし;
wは0〜6の整数であり;xは0または1であり;yは0または1であり;zは0または1である。
ケイ素/エポキシ含有モノマーと組み合わせることのできる別のケイ素含有モノマーの一例は、構造式(J):
Figure 0005571553
で表わされる。ただしBは
Figure 0005571553
で表わされ、その中のAは
Figure 0005571553
で表わされる。
上記の構造式において、Raは独立にC1〜C6アルキルを表わし;Rbは独立にC1〜C6アルキレンを表わし;Rcは独立に直鎖または分岐鎖のアルキレンを表わし;Rdは独立にC1〜C2アルキレンを表わし;Reは独立にC1〜C6アルキレンを表わし;mとpは、3〜44の整数の中から独立に選択した整数であり;nは13〜80の整数であり、このケイ素含有モノマーの数平均分子量は2,000〜10,000である。
ケイ素含有ウレタン・モノマーのさらに特別な一例は、構造式(H):
Figure 0005571553
で表わされる。ただし、
mは少なくとも1であり、3または4であることが好ましく;aは少なくとも1であり、1であることが好ましく;pは、この部分の分子量を400〜10,000にする整数であり、少なくとも30であることが好ましく;R10は、イソシアネート基を除去した後のジイソシアネートのジラジカル(例えばジイソシアン酸イソホロン)であり;それぞれのE"は、
Figure 0005571553
で表わされる基である。
ポリマーを水和した後のシリコーン・ヒドロゲルは、一般に、そのシリコーン・ヒドロゲルの全質量の10〜60質量%の水、または25〜50質量%の水を含むことになる。
ケイ素ヒドロゲル材料は、濁りが少なく、湿潤性と弾性率が優れていることも特徴とする。濁りの測定は、黒い背景の上に載せた透明なセルに入った生理食塩水の中にテストするレンズを入れ、レンズを入れたセルの法線に対して66°の角度で光ファイバー・ランプで下から照明を当て、レンズの画像を上からビデオ・カメラで撮影することによってなされる。バックグラウンドを差し引いた散乱光の画像をレンズの中央部10mmにわたって積分して定量的に分析した後、ジオプトリーが-1.00のCSI Thin Lens(登録商標)(これを濁り値100に設定する)を、濁り値を0に設定したレンズなしの状態と比較する。
湿潤性は、ホウ酸緩衝化生理食塩水を用いて23℃にて動的接触角すなわちDCAをウィルヘルミー天秤で測定することによって測定される。レンズの表面とホウ酸緩衝化生理食塩水の間の湿潤力をウィルヘルミー微量天秤で測定している間、サンプルをその生理食塩水に浸したり引き出したりする。以下の式を用いる。
F=2γρcosθ
ただしFは湿潤力であり、γはプローブ用液体の表面張力であり、ρはメニスカスにおけるサンプルの周囲長であり、θは一定の角度である。一般に、動的湿潤化実験から2つの接触角、すなわち前方接触角と後方接触角が得られる。前方接触角は、湿潤化実験でサンプルが試験液体に浸されている部分から得られる。各組成の少なくとも4つのレンズで測定し、平均を求める。
ケイ素ヒドロゲル材料は、弾性率が少なくとも約30psiだが、30psi〜110psiであること、または40psi〜70psiであることが好ましい。弾性率は、初期ゲージ高まで下げた負荷セルを備えていて一定の速度で移動するタイプの引っ張り試験機械のクロスヘッドを用いて測定する。適切な1つの試験機械としてインストロン・モデル1122がある。イヌの骨の形をした長さ0.522インチ、“耳”の幅0.276インチ、“首”の幅0.213インチのサンプルをグリップに取り付け、2インチ/分の一定速度で破断するまで引き伸ばす。サンプルの初期ゲージ長(Lo)とサンプルの破断時の長さ(Lf)を測定する。各組成について12個のサンプルで測定し、平均を求める。引っ張り弾性率は、応力/歪み曲線の最初の直線部から測定される。
ケイ素ヒドロゲル材料は、ポーラログラフィ法によって測定したO2Dk値が40バーラー〜300バーラーである。レンズをセンサーの上に配置した後、上側をメッシュ支持体で覆う。このレンズを21質量%の酸素を含む湿潤な雰囲気に曝露する。直径4mmの金製カソードと銀製環状アノードからなるポーラログラフィ酸素センサーを用いてレンズの中を拡散する酸素を測定する。基準値は、Dk値が約80バーラーのバラフィルコンAレンズ(ボシュ&ロム社)である。
2.架橋剤を利用した眼内レンズ材料の製造
眼内レンズとして利用するため、一般式(I)または一般式(II)の架橋剤と、親水性モノマーと、レンズ・モノマーとを用いてポリマー材料を調製する。得られるポリマーは光学的に十分に透明であり、比較的大きい約1.40以上の屈折率を持つことになる。
レンズ・モノマーのリストの例として、メタクリル酸C1〜C10アルキル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル);アクリル酸C1〜C10アルキル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-エトキシエチル);アクリル酸C6〜C40アリールアルキル(例えばアクリル酸2-フェニルエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸3-フェニルプロピル、アクリル酸4-フェニルブチル、アクリル酸5-フェニルペンチル、アクリル酸8-フェニルオクチル、アクリル酸2-フェニルエトキシ);メタクリル酸C6〜C40アリールアルキル(例えばメタクリル酸2-フェニルエチル、メタクリル酸3-フェニルプロピル、メタクリル酸4-フェニルブチル、メタクリル酸5-フェニルペンチル、メタクリル酸8-フェニルオクチル、メタクリル酸2-フェノキシエチル、メタクリル酸3,3-ジフェニルプロピル、メタクリル酸2-(1-ナフチルエチル)、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-(2-ナフチルエチル)などがある。
あるいはアクリル酸C6〜C40アリールアルキルは、一般式:
Figure 0005571553
で定義することもできる。ただし、
RはHまたはCH3であり;mは0〜10であり;
Yは、なし、O、S、NR(ただしRは、H、CH3、別の低級アルキル、イソ-OC3H7、フェニル、ベンジルのいずれかである)のいずれかであり;
Arは芳香族環(例えばフェニルであり、置換されていなくても、H、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、OCH3、C6H11、Cl、Br、OHのいずれかで置換されていてもよい)である。
補強された架橋シリコーンエラストマーは、一般式(I)または一般式(II)の架橋剤と親水性モノマーを用いて調製できる。このシリコーンエラストマーは、一般式R4R5-SiOのアリール置換されたシロキサン単位を12〜18モル%含有するシロキサンポリマーを含んでいる。この一般式において、R4とR5は同じでも異なっていてもよく、フェニル基、モノ低級アルキルで置換されたフェニル基、ジ低級アルキルで置換されたフェニル基のいずれかを表わす。R4とR5の両方ともフェニルであることが好ましい。このシロキサンポリマーは、一般式R1R2R3-SiO5のシロキサン単位(ただしR1とR2は、アルキル基、アリール基、置換されたアルキル基、置換されたアリール基のいずれかであり、R1とR2は同じでも異なっていてもよい)を含む末端ブロック部を有することになる。末端をブロックするこのシロキサン単位のR3基はアルケニル基である。この末端ブロック部はジメチルビニルシロキサン単位であることが好ましい。
ポリマーの残部は、一般式R6R7-SiOのジアルキルシロキサン単位(ただしR6とR7は同じでも異なっていてもよく、メチル基またはエチル基である)からなり、このポリマーの重合度は100〜2000である。R6とR7は両方ともメチルであることと、重合度は約250であることが好ましい。
トリメチルシリルで処理したシリカ補強剤が、ポリマー100部に対して補強剤が約15〜45部の質量比でポリマーの中に細かく分散される。コポリマー100部に対して補強剤は約27部であることが好ましい。
一般式(I)または一般式(II)の架橋剤と親水性ビニル・モノマーを用いて調製されるポリマー材料は、以下のモノマー成分:
(A)一般式:
Figure 0005571553
で表わされる5〜25質量%のアクリレート(ただし、
Arは、水素原子が置換基で置換されていてもよい芳香族環を表わし、Xは、酸素原子または直接的な結合を表わし、mは1〜5の整数を表わす);
(B)50〜90質量%の(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル;
(C)モノマー(A)を表わす一般式のモノマーでも、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルでもない、5〜45質量%の(メタ)アクリレートモノマー
を重合させることによって調製できる。また、モノマー(C)のホモポリマーの吸水係数は30質量%を超えない。吸水係数(H2O吸収%)は、以下の式で定義される:H2O吸収%=[(Wh - Wd)/Wd]×100。
ただしこの値は厚さ1mmのサンプルを用いて25℃で計算され;Whは水と平衡状態にあるサンプルの重さ(g)を表わし、Wdは乾燥状態のサンプルの重さ(g)を表わす。含水量(%水)は以下の式で与えられる:
%水=[(Wh - Wd)/Wh]×100
(メタ)アクリレート・モノマー(C)のリストの例として、直鎖、分岐鎖、環式鎖のいずれかを含む(メタ)アクリル酸アルキル(例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル);炭素原子が1〜5個のアルキル基を含む(メタ)アクリル酸アルキル;直鎖、分岐鎖、環式鎖のいずれかを含む(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルで2-HE(M)A(B)を除くものなどと、これらの任意の混合物がある。メタクリル酸アルキルのうちで、炭素原子が1〜3個のアルキル基を含むものが好ましい。メタクリル酸ヒドロキシアルキルのうちで、炭素原子が3〜6個のヒドロキシアルキル基を含むものが好ましい。
ポリマー材料は、一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)いずれかの架橋剤と、親水性ビニル・モノマーとを用い、(メタ)アクリル酸ペルフルオロオクチルエチルオキシプロピレンと、(メタ)アクリル酸2-フェニルエチルと、一般式:
Figure 0005571553
を持つ(メタ)アクリル酸アルキル(ただし、Rは水素またはメチルであり、R1は、直鎖または分岐鎖のC4〜C12アルキル基である)を含む特別なモノマー混合物を共重合させることによって調製できる。(メタ)アクリル酸ペルフルオロオクチルエチルオキシプロピレンは5〜20質量%存在し、(メタ)アクリル酸2-フェニルエチルは40〜60質量%存在し、(メタ)アクリル酸アルキルは30〜50質量%存在し、架橋剤は0.5〜4質量%存在する。
上に説明したポリマー材料は、従来からある一般的な重合法によってそれぞれのモノマー成分から調製される。選択した量のモノマーからなる重合用混合物を用意する。この混合物に、一般式(I)または一般式(II)の架橋剤と、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドのいずれかをベースとしたモノマーに特に適した少なくとも1種類の他の架橋剤と、従来からある熱フリー-ラジカル開始剤とを添加する。この混合物を適切な形状の鋳型に導入して光学材料を形成し、穏やかに加熱して重合を開始させる。典型的な熱フリー-ラジカル開始剤として、過酸化物(例えば過酸化ベンゾフェノン)、ペルオキシカーボネート(例えばビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシカーボネート)、アゾニトリル(例えばアゾビスイソブチロニトリル)などがある。好ましい開始剤はビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシカーボネート(PERK)である。
あるいはモノマーは、これらアクリルモノマーと架橋剤の重合を開始させることのできる波長の化学線に対して透明な鋳型を用いて光重合させることもできる。従来からある光開始化合物(例えばベンゾフェノン型の光開始剤)を導入すると光重合が容易になる。
実施例1
スベリン酸ビス(2-ヒドロキシ-5-ビニル-シクロヘキシル)というXリンカーの合成
Figure 0005571553
スキーム1に示したように、撹拌棒と水凝縮器と乾燥チューブを備えた反応フラスコの中に、試薬として、4-ビニル-1-シクロヘキセン-1,2-エポキシド(12.4g、0.1モル)と、スベリン酸(13.7g、0.07モル)と、トリエチルアミン(15.9g、0.016モル)と、トルエン(60ml)をまとめて入れた。塩化第一銅と2,5-ジフェニルベンゾキノン(200〜500ppm)を添加して重合を抑制した。加熱ユニットを用いてこの反応フラスコの温度を制御した。反応混合物を90℃に加熱し、反応の進行をガス・クロマトグラフィ(GC)でモニタした。約5時間後、エポキシドをGC分析で検出できなくなった。この反応混合物を2NのHClで2回洗浄し、2NのNaOHで2回洗浄した(1回の洗浄に100ml)。次に有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、フラッシュ蒸発によってトルエンを除去した。メタノールを用い、共沸蒸溜によってトルエンを完全に除去した。蒸溜された生成物を真空(穏やかに加熱して50℃にし、数時間にわたって1mm未満の圧力)にした。生成物をエレクトロ-スプレー飛行時間質量分析によって分析した(M+HフラグメントとM+Naフラグメント)。
実施例2
N-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)との共重合
ビス(2-ヒドロキシ-5-ビニル-シクロヘキシル)架橋剤(0.044g)と、NVP(2g)と、グリセリン(0.2g)と、Darocur 1173(登録商標)(0.03g)とを含む重合用混合物。シランで処理されていて0.3mmのテフロン(登録商標)製スペーサを有するガラス・プレートに1枚のフィルムを成形した。このフィルムをUV光のもとで2時間にわたって硬化させると、透明で硬いフィルムが得られた。このフィルムは、かなりの量の水を吸収して粘性ゲルになった。
実施例3
Figure 0005571553
スキーム2に示したように、1,6-ジアミノヘキサン(5.81g、0.05モル)と、無水酢酸エチル(50ml)と、2,5-ジフェニルベンゾキノン(250ppm)を溶かした60℃の溶液を撹拌している中に、試薬として4-ビニル-1-シクロヘキサン-1,2-エポキシド(12.4g、0.1モル)を含む50mlの無水酢酸エチルを一滴ずつゆっくりと添加する。アミンが過剰な状態を維持するため、1時間にわたって添加を行なう。反応中に2,5-ジフェニルベンゾキノンを添加して重合を抑制する。エポキシドが存在しなくなるまで、ガス・クロマトグラフィ(GC)で反応の進行をモニタする。反応混合物を2NのHClで2回洗浄し、精製水で2回洗浄する(1回の洗浄に100ml)。次に有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、フラッシュ蒸発によって濃縮する。
実施例4
Figure 0005571553
スキーム3に示したように、撹拌棒と水凝縮器と乾燥チューブを備えた反応フラスコの中に、試薬として、蒸溜したアリルグリシジルエーテル(11.4g、0.1モル)と、スベリン酸(13.7g、0.07モル)と、トリエチルアミン(15.9g、0.016モル)と、トルエン(60ml)をまとめて入れる。塩化第一銅と2,5-ジフェニルベンゾキノン(200〜500ppm)を添加して重合を抑制する。加熱ユニットを用いてこの反応フラスコの温度を制御した。反応混合物を90℃に加熱し、反応の進行をガス・クロマトグラフィ(GC)でモニタした。エポキシドをGC分析で検出できなくなった後、この反応混合物を2NのHClで2回洗浄し、2NのNaOHで2回洗浄する(1回の洗浄に100ml)。次に有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、フラッシュ蒸発によってトルエンを除去した。メタノールを用い、共沸蒸溜によってトルエンを完全に除去する。蒸溜された生成物を真空(穏やかに加熱して50℃にし、数時間にわたって1mm未満の圧力)にする。ネバネバした油が得られる。
実施例5A及び5B
実施例1のビス(2-ヒドロキシ-5-ビニル-シクロヘキシル)架橋剤と、表2にリストにして示したモノマーおよび他の重合成分とを含む重合用混合物を当業者によく知られている重合法を利用して重合させた。それは以下のようにまとめられる。得られたポリマー材料をフィルムに成形する。フィルムは、シランで処理されていて0.3mmのテフロン(登録商標)製スペーサを有するガラス・プレートに形成した。このフィルムをUV光(3000〜3500μW/cm2)のもとで2時間にわたって硬化させ、2時間かけてエタノールの中に抽出した。最初の1時間が経過した後に溶媒を一度交換した。精製水を用いてこの抽出手続きを繰り返した。次にフィルムをホウ酸緩衝化生理食塩水の中に入れた。次に、ASTM法1708と1938を利用し、この透明な膜の力学的特性をインストロンでテストした。結果は以下の表に含まれている。
Figure 0005571553

Claims (18)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005571553
    の化合物(ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;
    Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキルとフェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
    Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
    mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である)。
  2. Dが、ヒドロキシ置換されたシクロアルキル、ヒドロキシル置換された直鎖アルキル、ヒドロキシル置換された分岐鎖アルキルのいずれかである、請求項1に記載の化合物。
  3. pが0であり、m+nが2〜10であり、R1、R2、R3、R4が水素である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 一般式(II):
    Figure 0005571553
    を持つ(ただしkは1〜12であり、qは、0、1、2のいずれかである)、請求項3に記載の化合物。
  5. pが1であり、Aが[SiR5R6O]wSiR5R6であり、m+nが2〜10である、請求項1または2に記載の化合物。
  6. pが1であり、AがO(CH2CH2O)vであり、m+nが2〜10である、請求項1または2に記載の化合物。
  7. 2種類以上の架橋剤と、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-ビニルイミダゾリドン、N-ビニルスクシンイミド、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択された親水性モノマーと、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、トリス-(トリメチルシロキシ)-3-メタクリルオキシプロピルシラン、ジメチルアクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸、アクリル酸2-フェニルエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、メタクリル酸2-フェノキシエチル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-メトキシエチル、モノメタクリル酸グリセロール、メタクリル酸モノメトキシポリエチレングリコール、ならびにこれらの任意の混合物からなるグループの中から選択されたレンズ・モノマーとの反応生成物を含んでいて、その架橋剤のうちの少なくとも1つが一般式(I):
    Figure 0005571553
    を持つポリマー(ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;
    Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、メチル、エチル、フェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
    Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
    mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である)。
  8. 一般式(III):
    Figure 0005571553
    の化合物(ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;R9の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C3アルカノールの中からなされ;
    Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、メチル、エチル、フェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
    Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
    mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である)。
  9. Dが、ヒドロキシ置換されたシクロアルキル、ヒドロキシル置換された直鎖アルキル、ヒドロキシル置換された分岐鎖アルキルのいずれかである、請求項8に記載の化合物。
  10. pが0であり、m+nが2〜10であり、R1、R2、R3、R4が水素である、請求項8または9に記載の化合物。
  11. 一般式(IV):
    Figure 0005571553
    を持つ(ただしkは1〜12であり、qは、0、1、2のいずれかである)、請求項10に記載の化合物。
  12. pが1であり、Aが[SiR5R6O]wSiR5R6であり、m+nが2〜10である、請求項8または9に記載の化合物。
  13. pが1であり、AがO(CH2CH2O)vであり、m+nが2〜10である、請求項8または9に記載の化合物。
  14. 2種類以上の架橋剤と、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-ビニルイミダゾリドン、N-ビニルスクシンイミド、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択された親水性モノマーと、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、トリス-(トリメチルシロキシ)-3-メタクリルオキシプロピルシラン、ジメチルアクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸、アクリル酸2-フェニルエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、メタクリル酸2-フェノキシエチル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-メトキシエチル、モノメタクリル酸グリセロール、メタクリル酸モノメトキシポリエチレングリコール、ならびにこれらの任意の混合物からなるグループの中から選択されたレンズ・モノマーとの反応生成物を含んでいて、その架橋剤のうちの少なくとも1つが一般式(III):
    Figure 0005571553
    を持つポリマー(ただし、R1、R2、R3、R4、R7、R8の選択は、独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C2アルカノール、ヒドロキシルの中からなされ;
    Aは、O、O(CH2CH2O)v、[SiR5R6O]wSiR5R6のいずれかであり(ただしR5とR6の選択は、独立に、C1〜C4アルキル、フェニルの中からなされ、vは1〜20であり、wは0〜60である);
    Dは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、または環の炭素原子が5〜8個の環式炭化水素であり、そのアルキルまたは環の1個または2個の炭素原子は、場合によっては酸素原子、イオウ原子、窒素原子のいずれかで置換されており;
    mとnは、1〜10の中から独立に選択された整数であり;pは0または1であり;qは0〜6の整数である)。
  15. 上記親水性モノマーがN-ビニルピロリドンである、請求項7または14に記載のポリマー。
  16. 請求項1または8に記載の化合物を架橋剤として用いて親水性モノマーを共重合させる方法であって、その親水性モノマーが反応率の比Rh= khh/khxを持ち、khh、khx、kxx、kxhは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mhは親水性モノマーを表わし、Mh*は親水性モノマー基を表わし、Mxは一般式(I)または一般式(III)の架橋剤を表わし、Mx*は一般式(I)または一般式(III)の架橋剤基を表わし、
    Mh*+Mh → MhMh* khh
    Mh*+Mx → MhMx* khx
    Mx*+Mx → MxMx* kxx
    Mx*+Mh → MxMh* kxhであり;
    比Rh/Rxは0.1〜10であり、その中のRxは kxx/kxhであり、レンズ・モノマーが反応率の比Rl=kll/klyを持ち、架橋剤が反応率の比Ry=kyy/kylを持ち、ここにkll、kly、kyy、kylは以下のラジカル重合反応の成長定数であり、Mlはレンズ・モノマーを表わし、Ml*はレンズ・モノマー基を表わし、Myは架橋剤を表わし、My*は架橋剤基を表わし、
    Ml*+Ml → MlMl* kll
    Ml*+My → MlMy* kly
    My*+My → MyMy* kyy
    My*+Ml → MyMl* kylであり;
    比Rl/Ryは0.1〜10である方法。
  17. 請求項7、14のいずれか1項に記載のポリマーを含む眼科用レンズ。
  18. 上記親水性モノマーと上記レンズ・モノマーが、10よりも大きいか0.1未満の反応率の比RH/RLを持ち、その反応率の比RH/RLが以下のラジカル重合反応によって規定され、Mhは親水性モノマーを表わし、Mh*は親水性モノマー基を表わし、Mlはレンズ・モノマーを表わし、Ml*はレンズ・モノマー基を表わし、Miは架橋剤を表わし、Mi*は架橋剤基を表わし、
    Mh*+Mh → MhMh* khh
    Mh*+Mi → MhMi* khi
    Mi*+Mi → MiMi* kii
    Mi*+Mh → MiMh* kihであり;RHはRh/Riであり、
    Ml*+Ml → MlMl* kll
    Ml*+Mi → MlMi* kli
    Mi*+Mi → MiMi* kii
    Mi*+Ml → MiMl* kilであり;RLはRl/Riである、請求項7、14、15のいずれか1項に記載のポリマー。
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