JP5571434B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質として固体電解質を用いる燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、燃料電池セルスタックの電解質として固体電解質を用い、この固体電解質の片側に燃料極が配設され、その他側に空気極が配設され、燃料極側に燃料ガス供給され、酸素極側に酸化材としての空気が供給される。固体電解質としては、一般的に、イットリアをドープしたジルコニアが用いられ、この固体酸化物形燃料電池では、作動温度が700〜1000℃と高温で、この高温状態で燃料ガスと酸化材ガスとを電気化学反応させて発電が行われる。固体酸化物形燃料電池は、他の燃料電池システムやガスエンジンなどに比べて、特に高発電効率での発電が可能なことから、有望な発電技術として開発が行われている。
固体酸化物形燃料電池は、発電効率が高いというメリットがある一方、高温作動ゆえの劣化モードが存在し、耐久性の面において課題が存在する。かかる課題に対して耐久性の向上が図られてはいるものの、長期にわたる運転を経る中で一定の性能低下は避けることができず、その劣化の状態を的確に判断する必要がある。特に、定期点検時に、設置先に訪問した点検者が燃料電池の性能劣化の状態を正確に把握できるような機能は、今後のメンテナンス計画の策定や、特性データなどを収集する上で非常に有用である。
このようなことから、燃料電池セルスタックの劣化状態を診断するようにした固体酸化物形燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1に開示された固体酸化物形燃料電池では、燃料ガス及び酸化材ガスの供給流量を一定流量にするとともに、燃料電池セルスタックの出力電流を所定電流とし、現時点のこの状態における燃料電池セルスタックの出力電圧を検出し、同一状態の劣化前(所謂、初期状態)の燃料電池セルスタックの初期出力電圧と検出した現出力電圧とを比較し、そして、現出力電圧が初期出力電圧との電力差を算出し、この電力差が設定電圧を超えたときに燃料電池セルスタックが劣化したと判定している。
また、特許文献2に開示された固体酸化物形燃料電池では、燃料電池セルスタックの発電出力特性、即ち電流−電圧特性データを取得し、この電流−電圧特性の傾きを算出し、算出したこの傾き値に基づいて燃料電池セルスタックの劣化状態を判定している。
特開2007−87686号公報 特開平11−195423号公報
しかしながら、上述の固体酸化物形燃料電池では、燃料電池セルスタックの出力電圧に基づいてセルスタック内部の劣化状態を判定しているので、次の通りの問題が存在する。即ち、燃料電池セルスタックの出力電圧は、その内部温度と密接な関係があり、それ故に、燃料電池セルスタックの特定部位の劣化が進行しても、本来は低下するはずの燃料電池セルスタックの出力電圧が、内部の平均温度の上昇による影響でその低下の幅が小さくなったり、また燃料電池セルスタックの出力電流−電圧特性の傾きにおいてもその増加の幅が小さくなることがある。それ故に、単に燃料電池セルスタックの出力電圧やその出力電流−電圧特性のみに着目しただけでは、燃料電池セルスタック内部の劣化状態を正確に判定したとは言えない。
その一方で、燃料電池セルスタックの温度変化によって発生した燃料電池セルスタックの出力電圧や内部抵抗の変化は、何らかの方法で温度補正を行うとよいが、次のような困難さがある。即ち、燃料電池セルスタックには温度分布が存在しており、それ故に、経時的な温度分布の変化を捉えるには、燃料電池セルスタックに多数の熱電対などを設置しなければならない。多数の熱電対などを設置することは、これらを介しての熱の逃げや、気流の乱れ、排ガスのシール性の低下などを招くおそれがあり、これによって、燃料電池としての性能を損なうリスクが高く、このような熱電対などの設置は、必要最低限にせざるを得ない。また、温度の計測個所を燃料電池セルスタックに近づけすぎると、地絡や漏電のリスクも高くなり、このようなことから、計測個所や設置数の制約を受けた温度計測は、必ずしも真の燃料電池セルスタック平均温度を表すものではない。
例えば、測定個所においてプラスマイナス10℃の温度変動を生じたとする場合においても、真の燃料電池セルスタックの温度変動が、何度を中心としてのプラスマイナス10℃の温度変動かの把握が必要となる。燃料電池セルスタックの内部抵抗値、電圧値のいずれにおいても、温度が低い方が、例えば750℃±10℃に相当する電圧変動よりも、例えば700℃±10℃に相当する電圧変動の方が大きくなるように、温度が低い方がより影響が大きいからである。
上述のように、燃料電池セルスタックの中央部に温度の測定個所を置けるとは限らないし、仮に測定個所における検出温度よりも燃料電池セルスタックの温度が低い場合には、測定個所の温度変動で計算される出力電圧や内部抵抗値以上に、実際は出力電圧や内部抵抗値が大きく変動することもありえる。
本発明の目的は、燃料電池セルスタックの劣化状態を従来に比して正確に検出することができる固体酸化物形燃料電池を提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池は、燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現スタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上のスタック電圧を算出するための理論スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて現スタック内部抵抗を演算し、前記理論スタック電圧演算手段は、前記現スタック内部抵抗に基づいて前記理論スタック電圧を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記理論スタック電圧及び前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池は、燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、基準温度に前記乖離温度を考慮した初期状態の初期基準スタック電圧を算出するための初期基準スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現スタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の理論スタック電圧を算出するための理論スタック電圧演算手段と、現時点のスタック電圧の補正量を算出するための補正電圧演算手段と、現時点のスタック電圧を補正した現補正スタック電圧を算出するための現補正スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記初期基準スタック電圧演算手段は、前記基準温度及び前記乖離温度による補正基準温度に基づいて算出された初期基準内部抵抗を用いて初期基準スタック電圧を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、前記温度検出手段の検出温度に基づき前記現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック電圧演算手段は、前記現スタック内部抵抗を用いて前記理論スタック電圧を算出し、前記補正電圧演算手段は、前記初期基準スタック電圧及び前記理論スタック電圧に基づいて補正電圧を算出し、前記現補正スタック電圧演算手段は、前記電圧検出手段が検出した前記現スタック電圧及び前記補正電圧に基づいて前記現補正スタック電圧を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現補正スタック電圧に基づいて、又は前記現補正スタック電圧及び前記初期基準スタック電圧に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池は、燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池スタックの現時点のスタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の内部抵抗を算出するための理論スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度に基づいて現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて前記理論スタック内部抵抗を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現スタック内部抵抗及び前記理論スタック内部抵抗に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池は、燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、基準温度に前記乖離温度を考慮した初期状態の初期基準スタック内部抵抗を算出するための初期基準スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点のスタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の内部抵抗を算出するための理論スタック内部抵抗演算手段と、現時点の現スタック内部抵抗の補正量を算出するための補正内部抵抗演算手段と、前記現スタック内部抵抗を補正した現補正スタック内部抵抗を算出するための現補正内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて前記理論スタック内部抵抗を算出し、前記補正内部抵抗演算手段は、前記初期基準スタック内部抵抗及び前記理論スタック内部抵抗に基づいて補正内部抵抗を算出し、前記現補正スタック内部抵抗演算手段は、前記現スタック内部抵抗及び前記補正内部抵抗に基づいて前記現補正スタック内部抵抗を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現補正スタック内部抵抗に基づいて、又は前記現補正スタック内部抵抗及び前記初期基準スタック内部抵抗に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池では、前記燃料電池セルスタックの出力電流を検出するための電流検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記電流検出手段の検出電流又は前記電圧検出手段の検出電圧が所定時間わたって一定状態となるように前記燃料電池セルスタックを稼働し、前記所定時間経過後に前記燃料電池セルスタックの出力電流が低電流側に挿引し、この挿引のときに前記燃料電池セルスタックの電流−電圧特性に関する情報及び前記燃料電池セルスタックの温度に関する情報を取得することを特徴とする。
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池では、前記燃料電池セルスタックの前記初期基準スタック電圧は、その出力電流を一定に維持するための電流維持補正が行われたときのスタック電圧であることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、固体酸化物形燃料電池の劣化に伴うその出力電圧の変動を利用して劣化の度合いを判定している。即ち、温度検出手段は、例えば初期状態(例えば、工場出荷段階、設置後の使用開始段階)の定格発電時における燃料電池セルスタックの温度を検出し、またスタック内部抵抗演算手段は、燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づきスタック内部抵抗を算出し、平均温度演算手段は、例えばスタック内部抵抗と温度との関係を示す関係式を用いてこのときの燃料電池セルスタックの平均温度を算出し、乖離温度演算手段は、温度検出手段による検出温度と燃料電池セルスタックの平均温度とに基づいて乖離温度を算出する。初期状態におけるこの乖離温度を利用し、現平均温度演算手段は、稼働運転後の現時点の温度検出手段の検出温度にこの乖離温度を加えて燃料電池セルスタックの現平均温度を算出し、理論スタック電圧演算手段は、この現平均温度に基づいて理論スタック電圧を算出し、この理論スタック電圧は、現時点の劣化がない状態での出力電圧となる。燃料電池セルスタックの出力電圧は、その劣化状態と密接な関係があり、その劣化状態が進むとその出力電圧も劣化度合に応じて低下し、このような関係を利用して、劣化指標演算手段は、理論スタック電圧及び出力電圧検出手段の検出電圧に基づいて劣化指標を算出する。従って、劣化指標演算手段による劣化指標は、燃料電池セルスタックの劣化状態を示す指標となり、またその指標は、燃料電池セルスタックの平均温度を考慮したものとなり、その劣化程度を従来に比して正確に示すことができる。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、上述したと同様にして、温度検出手段は、例えば初期状態の定格発電時における燃料電池セルスタックの温度を検出し、またスタック内部抵抗演算手段は、燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づきスタック内部抵抗を算出し、平均温度演算手段は、例えばスタック内部抵抗と温度との関係を示す関係式を用いてこのときの燃料電池セルスタックの平均温度を算出し、乖離温度演算手段は、温度検出手段による検出温度と燃料電池セルスタックの平均温度とに基づいて乖離温度を算出し、また初期基準スタック電圧演算手段は、基準温度に乖離温度を考慮した初期基準スタック電圧を算出する。初期状態におけるこの乖離温度を利用し、現平均温度演算手段は、稼働運転後の現時点の温度検出手段の検出温度にこの乖離温度を加えて燃料電池セルスタックの現平均温度を算出し、理論スタック電圧演算手段は、この現平均温度に基づいて理論スタック電圧を算出する。また、補正電圧演算手段は、この理論スタック電圧と初期基準スタック電圧との電圧偏差幅である補正電圧を算出し、現補正スタック電圧演算手段は、電圧検出手段の現検出電圧にこの補正電圧を加算して現補正スタック電圧を算出し、算出したこの現補正スタック電圧は、燃料電池セルスタックの平均温度、またその温度補正を考慮したものとなる。そして、劣化指標演算手段は、現補正スタック電圧及び初期基準スタック電圧に基づいて劣化指標を算出するので、この劣化指標も、燃料電池セルスタックの劣化状態を示す指標となり、またその指標は、燃料電池セルスタックの平均温度及び温度補正を考慮したものとなり、その劣化程度をより正確に示すことができる。この劣化指標としては、現補正スタック電圧の絶対値を用いてもよく、この場合、劣化指標演算手段は現補正スタック電圧に基づいて劣化指標を算出する。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、固体酸化物形燃料電池の劣化に伴うその内部抵抗の変化を利用して劣化の度合を判定している。即ち、上温度検出手段は、例えば初期状態(例えば、工場出荷段階、設置後の使用開始段階)の定格発電時における燃料電池セルスタックの温度を検出し、またスタック内部抵抗演算手段は、燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づきスタック内部抵抗を算出し、平均温度演算手段は、例えばスタック内部抵抗と温度との関係を示す関係式を用いてこのときの燃料電池セルスタックの平均温度を算出し、乖離温度演算手段は、温度検出手段による検出温度と燃料電池セルスタックの平均温度とに基づいて乖離温度を算出する。初期状態におけるこの乖離温度を利用し、現平均温度演算手段は、稼働運転後の現時点の温度検出手段の検出温度にこの乖離温度を加えて燃料電池セルスタックの現平均温度を算出し、現スタック内部抵抗演算手段は、現時点の燃料電池セルスタックの温度、即ち温度検出手段の検出温度に基づいて現スタック内部抵抗を算出し、理論スタック内部抵抗演算手段は、現平均温度に基づいて理論内部抵抗を算出し、この理論スタック内部抵抗は、現時点の劣化がない状態での内部抵抗となる。燃料電池セルスタックの内部抵抗は、その劣化状態と密接な関係があり、その劣化状態が進むとその内部抵抗も劣化の度合いに応じて低下し、このような関係を利用して、劣化指標演算手段は、理論スタック内部抵抗及び現スタック内部抵抗に基づいて劣化指標を算出する。従って、この場合においても、劣化指標演算手段による劣化指標は、燃料電池セルスタックの劣化状態を示す指標となり、またその指標は、燃料電池セルスタックの平均温度を考慮したものとなり、その劣化程度を従来に比して正確に示すことができる。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、上述したと同様にして、温度検出手段は、例えば初期状態の定格発電時における燃料電池セルスタックの温度を検出し、またスタック内部抵抗演算手段は、燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づきスタック内部抵抗を算出し、平均温度演算手段は、例えばスタック内部抵抗と温度との関係を示す関係式を用いてこのときの燃料電池セルスタックの平均温度を算出し、乖離温度演算手段は、乖離温度演算手段は、温度検出手段による検出温度と燃料電池セルスタックの平均温度とに基づいて乖離温度を算出し、また初期基準スタック内部抵抗演算手段は、基準温度に乖離温度を考慮した初期基準スタック内部抵抗を算出する。初期状態におけるこの乖離温度を利用し、現平均温度演算手段は、稼働運転後の現時点の温度検出手段の検出温度にこの乖離温度を加えて燃料電池セルスタックの現平均温度を算出し、理論スタック内部抵抗演算手段は、この現平均温度に基づいて理論スタック内部抵抗を算出する。また、補正内部演算手段は、この理論スタック内部抵抗と初期基準スタック内部抵抗との内部抵抗偏差幅である補正内部抵抗を算出し、現補正スタック内部抵抗演算手段は、現スタック内部抵抗演算手段による現スタック内部抵抗にこの補正内部抵抗を加算して現補正スタック内部抵抗を算出し、算出したこの現補正スタック内部抵抗は、燃料電池セルスタックの平均温度、またその温度補正を考慮したものとなる。そして、劣化指標演算手段は、現補正スタック内部抵抗及び初期基準スタック内部抵抗に基づいて劣化指標を算出するので、この劣化指標も、燃料電池セルスタックの劣化状態を示す指標となり、またその指標は、燃料電池セルスタックの平均温度及び温度補正を考慮したものとなり、その劣化程度をより正確に示すことができる。この劣化指標としては、現補正スタック内部抵抗の絶対値を用いてもよく、この場合、劣化指標演算手段は現補正スタック内部抵抗に基づいて劣化指標を算出する。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、電流検出手段の検出電流又は電圧検出手の検出電圧が所定時間わたって一定状態となるように燃料電池セルスタックを稼働した後に燃料電池セルスタックの出力電流を低電流側に挿引して燃料電池セルスタックの電流−電圧特性に関する情報及び燃料電池セルスタックの温度に関する情報を取得するので、一定の条件における安定した電流−電圧特定に関する情報及び温度に関する情報を得ることができ、これらの情報の再現性を高めることができる。
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池によれば、燃料電池セルスタックの初期基準スタック電圧は、その出力電流を一定に維持するための電流維持補正が行われたときのスタック電圧であるので、発電電流の変化に伴う出力電圧の変動を実質上なくして初期基準スタック電圧を正確に算出することができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池の第1の実施形態を示す簡略図。 図1の固体酸化物形燃料電池の制御系を簡略的に示すブロック図。 図1の固体酸化物形燃料電池における燃料電池セルスタックの電流−電圧特性を示す図。 図2の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャート。 固体酸化物形燃料電池の第2の実施形態における制御系を簡略的に示すブロック図。 図5の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャート。 固体酸化物形燃料電池の第3の実施形態における制御系を簡略的に示すブロック図。 図7の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャート。 固体酸化物形燃料電池の第4の実施形態における制御系を簡略的に示すブロック図。 図9の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態における燃料電池セルスタックの累積発電時間とその出力電圧の変化率との関係を示す図。 第2の実施形態における燃料電池セルスタックの累積発電時間とその出力電圧の変化率との関係を示す図。 第3の実施形態における燃料電池セルスタックの累積発電時間とその内部抵抗増加率との関係を示す図。 第4の実施形態における燃料電池セルスタックの累積発電時間とその内部抵抗増加量との関係を示す図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池の各種実施形態について説明する。
第1の実施形態
まず、図1〜図4を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池について説明する。図1は、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池を示す簡略図であり、図2は、この固体酸化物形燃料電池の制御系を示すブロック図であり、図3は、図1の固体酸化物形燃料電池における燃料電池セルスタックの電流−電圧特性を示す図であり、図4は、図2の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャートである。
図1において、この固体酸化物形燃料電池は、燃料ガスを改質するための改質器2と、改質器2にて改質された燃料ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形の燃料電池セルスタック4と、を備えている。この燃料電池セルスタック4は、燃料電池反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セルを集電部材を介して積層して構成されており、図示していないが、酸素イオンを伝導する固体電解質と、この固体電解質の一方側に設けられた燃料極と、固体電解質の他方側に設けられた空気極とを備え、固体電解質として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
燃料電池セルスタック4の燃料極の導入側は、改質燃料ガス送給流路6を介して改質器2に接続され、この改質器2は、ガス・水蒸気送給流路8を介して気化器10に接続されている。気化器10は、燃料ガス供給流路12を介して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源14(例えば、埋設管や貯蔵タンクなど)に接続されているとともに、水供給流路16を介して改質用水供給源18(例えば、水道管、水タンクなど)に接続されている。燃料ガス供給流路12には、燃料ガス昇圧ポンプ20及び脱硫器22が配設され、燃料ガス昇圧ポンプ20は、燃料ガスを昇圧して燃料ガス供給流路12を通して気化器10に送給し、脱硫器22は、燃料ガス中に含まれた脱硫成分を除去する。また水供給流路16には、水送給ポンプ24が配設され、この水送給ポンプ24は改質用水を水供給流路16を通して気化器10に送給する。燃料ガス供給源14、燃料ガス昇圧ポンプ20及び燃料ガス供給流路12は燃料ガス供給手段を構成し、また水供給源28、水送給ポンプ24及び水供給流路16は水供給手段を構成する。
改質器2には改質触媒が収容され、改質触媒として例えばアルミナにルテニウムを担持させたものが用いられ、この改質触媒によって燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスが後述するように水蒸気改質される。また、気化器10は、水供給手段から供給される水を気化して水蒸気を発生する。
尚、この実施形態では、改質器2と気化器10とを別体に構成しているが、これらを一体的に構成するようにしてもよい。また、燃料ガス供給手段からの燃料ガスを気化器10に送給しているが、この気化器10に代えて、改質器2に直接的に送給するようにしてもよい。
この燃料電池セルスタック6の空気極の導入側は、空気供給流路26を介して送風ブロア28に接続されている。送風ブロア28は、大気中の空気を空気供給流路26を通して燃料電池セルスタック6に送給される。この送風ブロア28及び空気供給流路26は、発電用の空気を供給するための空気供給手段を構成し、空気中の酸素が酸化材となる。
燃料電池セルスタック4の燃料極及び空気極の各排出側には燃焼室30が設けられ、燃料電池セルスタック4の一端から排出された反応燃料ガス(余剰の燃料ガスを含んでいる)と空気極側から排出された空気(酸素を含んでいる)とが、この燃焼室30に送給されて燃焼される。燃焼室30は排気ガス排出流路32を介して大気に開放され、燃焼室30からの排気ガスが排気ガス排出流路32を通して大気に排出される。
この実施形態では、改質器2、燃料電池セルスタック4、気化器10及び燃焼室30が電池収容ハウジング33に収容されている。電池収容ハウジング33の内側には断熱部材(図示せず)が配設され、この断熱部材によって高温室34が規定され、改質器2、燃料電池セルスタック4及び気化器12が高温室34内で高温状態に保たれ、高温室34内の熱を利用して、気化器10において改質用水の気化が行われ、また改質器2において燃料ガスの水蒸気改質が行われる。
燃料電池セルスタック4の出力側は、出力ライン36を介してインバータ38に接続され、インバータ38は、燃料電池セルスタック4からの直流電力を所定の交流電力に変換し、この交流電力が家庭の電力負荷(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、照明装置などの家電製品)などに消費される。出力ライン36には、電流検出手段40及び電圧検出手段42が配設され、電流検出手段40は、燃料電池セルスタック4の発電電力の電流を検出し、また電圧検出手段42は、この発電電力の電圧を検出する。
次に、この固体酸化物形燃料電池の発電運転を概説すると、次の通りである。燃料ガス供給源14からの燃料ガス(例えば、都市ガス、LPガス)が、燃料ガス昇圧ポンプ20により昇圧され、燃料ガス供給流路12を通して脱硫器22に送給される。脱硫器22においては、燃料ガス中に含まれた硫黄成分が除去され、脱硫された燃料ガスが気化器10に送給される。この気化器10には、改質用水供給源18からの改質用水が水供給流路16を通して供給され、かかる気化器12にて気化されて水蒸気となり、発生した水蒸気及び燃料ガスがガス・水蒸気送給流路8を通して改質器2に送給される。
改質器2においては、ガス・水蒸気送給流路8を通して送給された水蒸気により燃料ガスが水蒸気改質され、水蒸気改質された燃料ガスが改質燃料ガス送給流路6を通して燃料電池セルスタック4の燃料極側に送給される。また、燃料電池セルスタック4の空気極側には、空気供給流路26を通して空気が送給される。燃料電池セルスタック4においては、燃料極側を流れる改質燃料ガス及び空気極側を流れる空気(空気中の酸素)の酸化及び還元によって発電が行われ、発電により得られた発電電力は、出力ライン36を通して取り出され、インバータ38にて所定の交流電力に変換されて、例えば家庭用電力として消費される。
燃料電池セルスタック4の燃料極側から燃焼室30に反応燃料ガスが排出されるともに、その空気極側から燃焼室30に空気が排出され、この燃焼室30にて反応燃料ガスが空気により燃焼され、燃焼室30からの排気ガスが排気ガス排出流路32を通して大気に排出される。
この固体酸化物形燃料電池では、燃料電池セルスタック4の劣化度合を判定するために、次のように構成されている。図2をも参照して、この固体酸化物形燃料電池は、更に、固体酸化物形燃料電池の各種構成要素を制御するための制御手段50を備え、この制御手段50は、例えばマイクロプロセッサなどから構成される。また、燃料電池セルスタック4の温度を検出するために、高温室34内にて燃料電池セルスタック4に近接して、温度検出手段52が配設される。この温度検出手段52は、燃料電池セルスタック4の横方向(図1において左右方向)中央部に対応して配設してもよく、或いはその端部に対応して配設してもよい。尚、温度検出手段52を一つの温度センサから構成し、この温度センサの検出温度を温度検出手段52の検出温度としてもよく、或いは温度検出手段52を複数の温度センサから構成し、複数の温度センサの平均検出温度を温度検出手段52の検出温度とするようにしてもよい。
電流検出手段40、電圧検出手段42及び温度検出手段52からの検出信号は、制御手段50に送給され、制御手段50は、これら検出信号に基づいて、燃料ガス昇圧ポンプ20、水送給ポンプ24、空気ブロア28及び燃料電池セルスタック4を作動制御するとともに、後述する如くして燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定を行う。
この実施形態では、制御手段50は、スタック内部抵抗演算手段54、平均温度演算手段56、乖離温度演算手段58及び電流制限手段59を備えている。スタック内部抵抗演算手段54は、燃料電池セルスタック4のスタック内部抵抗を算出する。固体酸化物形燃料電池の初期状態(例えば、工場出荷段階、使用場所での設置使用開始段階)にて固体酸化物形燃料電池を定格発電運転をし、この定格発電状態(燃料ガス及び空気の供給流量を所定流量に維持した状態)にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引すると、この燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性データが得られる。
図3は、燃料電池セルスタック4の電流−電圧特定データを示す図であり、図3における電圧VOCは、開回路電圧であり、その電流−電圧特性は、この開回路電圧VOCから下がる直線でもって示すことができ、この電流−電圧特性の傾きが燃料電池セルスタック4の内部抵抗を示し、スタック内部抵抗演算手段54は、電流−電圧特性の傾きを算出して初期状態におけるスタック内部抵抗を算出する。
このような出力電流の挿引は、例えば、定格運転状態において検出電流が所定時間(例えば40分程度)一定となるように燃料電池セルスタック4を運転し、その後挿引するようにするのが望ましく、このようにして燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性を取得すると、一定の条件における安定した電流−電圧特定に関する情報及び温度に関する情報を得ることができ、これらの情報の再現性を高めることができる。この検出電流に代えて、検出電圧を所定時間一定となるように燃料電池セルスタック4を運転し、その後挿引するようにしても上述したと同様の効果を得ることができる。
また、平均温度演算手段56は、次のようにしてスタック平均温度を算出する。ここでは、燃料電池セルスタック4については、燃料電池セルスタック4のスタック電圧Vは、全区間のスタック電圧からセル数を除した1セル当たりの平均電圧、即ち平均セル電圧vを用い、スタック内部抵抗Rについても、全区間の内部抵抗からセル数で除した1セル当たりの平均内部抵抗、即ち平均セル内部抵抗rを用いて表記するが、セル数で除すことなくスタック全体の電圧や内部抵抗値で算出しても問題はない。
燃料電池セルスタック4に関し、電流−電圧特性における温度依存データは、例えば平均セル内部抵抗rについて、
平均セル内部抵抗r=Exp(A/T+B) ・・・(1)
T:温度(K) A:定数 B:定数
と表すことができ、また開回路電圧VOC について、
開回路電圧VOC=C*T+D ・・・(2)
C:定数 D:定数
と表すことができる。平均温度演算手段56は、上記(1)式を用いて燃料電池セルスタック4のスタック平均温度Taを算出する。
また、乖離温度演算手段58は、初期状態における乖離温度ΔTdを燃料電池セルスタック4の温度T(温度検出手段52の検出温度)及び平均温度演算手段56によるスタック平均温度Taに基づいて算出し、この乖離温度ΔTdは、
乖離温度ΔTd=スタック平均温度Ta−燃料電池セルスタックの温度T
・・・(3)
で表すことができ、この(3)式を用いて算出する。
更に、電流制御手段59は、燃料電池セルスタック4を制御し、初期状態にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引して電流−電圧特性データを得る際に、その出力電流を所要の通りに制御する。
この制御手段50は、更に、現平均温度演算手段60、現スタック内部抵抗演算手段62、理論スタック電圧演算手段64、劣化指標演算手段66及びメモリ手段68を含んでいる。現平均温度演算手段60は、燃料電池セルスタック4の劣化状態の判定を行う現時点におけるスタック平均温度Taを算出し、この現スタック平均温度Taは、燃料電池セルスタック4の現温度Tr(温度検出手段52の検出温度)及び上述の乖離温度ΔTdに基づいて算出され、その現スタック平均温度Taは、
現スタック平均温度Ta=燃料電池スタックの現温度Tr+乖離温度ΔTd
・・・(4)
で表される。
また、現スタック内部抵抗演算手段62は、現時点における燃料電池セルスタック4の内部抵抗Rrを算出し、この現スタック内部抵抗Rrは、現スタック平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて演算される。また、理論スタック電圧演算手段64は、現スタック内部抵抗演算手段62により演算された現スタック内部抵抗Rrに基づき、上記式(2)を用いて現時点の開回路電圧VOCを算出し、このときの基準電流(例えば、8A)に設定すると、燃料電池スタック4の現温度Trにおける計算上のスタック電圧、即ち理論スタック電圧Vcが算出される。
また、劣化指標演算手段66は、理論スタック電圧Vc及び現スタック電圧Vrに基づき劣化指標Pを算出し、この劣化指標Pは、
劣化指標P=現スタック電圧Vr/理論スタック電圧Vc ・・・(5)
で表され、上記(5)式を用いて劣化指標Pが算出され、このように算出された劣化指標は、燃料電池セルスタック4の平均温度を考慮したものとなる。
更に、メモリ手段68には、上記式(1)に関する内部抵抗演算データ、上記式(2)に関する開回路電圧演算データなどが登録されるとともに、初期状態の際の稼働運転で取得した初期稼働データ(例えば、乖離温度ΔTd0など)及び電流−電圧特性データなどが記憶される。
この実施形態では、制御手段50の劣化指標演算手段66に関連して、劣化表示装置70が設けられる。劣化表示装置70は、例えば液晶表示装置、7セグメント表示装置、複数の点灯ランプを備える点灯表示装置などから構成され、液晶表示装置や7セグメント表示装置の場合、劣化指標演算手段66により演算された劣化指標を数値で、又はその数値に対応する表示を示して燃料電池セルスタック4の劣化度合を表示し、また点灯表示装置の場合、演算された劣化指標に対応する点灯ランプを点灯させて劣化度合を表示する。
この固体酸化物形燃料電池においては、燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定は、図4に示すフローチャートに沿って行われるが、この劣化度合の判定の前に、初期状態において、劣化度合の判定の基礎となる初期稼働データの入手が行われる。即ち、燃料電池セルスタック4の温度Tとそのスタック平均温度Taとの乖離温度ΔTdなどが演算され、これらの初期稼働データがメモリ手段68に記憶される。
初期状態において固体酸化物形燃料電池を定格発電運転し、この定格発電状態(燃料ガス及び空気の供給流量を所定流量に維持した状態)にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引して燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性データを取得し、取得した電流−電圧特性データはメモリ手段68に記憶される。そして、スタック内部抵抗演算手段54は、取得した電流−電圧特性データに基づいて初期状態におけるスタック内部抵抗Rrを算出する。また、平均温度演算手段56は、上記(1)式を用いて燃料電池セルスタック4のスタック平均温度Taを算出し、乖離温度演算手段58は、燃料電池セルスタック4の温度T及び平均温度演算手段56によるスタック平均温度Taに基づいて上記乖離温度ΔTdを算出し、算出した乖離温度ΔTdが記憶される。
第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池を用いた実施例1において、このスタック内部抵抗Rrが30.0mΩで、燃料電池スタックの温度T(温度検出手段の検出温度)が704℃であるとする。そして、この内部抵抗Rrの30.0mΩと上記(1)式を用いてスタック平均温度Taを算出すると682℃となり、このときの乖離温度ΔTdは、−22℃となる。
このような初期稼働データを取得した後、現時点における燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定が行われる。主として図4を参照して、まず、現時点の燃料電池セルスタック4の温度の検出が行われる(ステップS1)。この温度検出は、温度検出手段52によって行われ、温度検出手段52の検出信号が制御手段50に送給される。次いで、燃料電池セルスタック4の出力電圧の検出が行われる(ステップS2)。この出力電圧の検出は、電圧検出手段42によって行われ、電圧検出手段42からの検出信号が制御手段50に送給される。
かくすると、現平均温度演算手段60は、燃料電池セルスタック4の現温度Tr(温度検出手段52の検出温度)及び上述した乖離温度ΔTdに基づいて現スタック平均温度Taを算出し(ステップS3)、現スタック内部抵抗演算手段62は、現スタック平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて現スタック内部抵抗Rrを算出し(ステップS4)、更に、理論スタック電圧演算手段64は、現スタック内部抵抗演算手段62により演算された現スタック内部抵抗Rrに基づき、上記式(2)を用いて現時点の開回路電圧VOCを算出し(ステップS5)、このときの基準電流(例えば、8A)に設定して計算上のスタック電圧、即ち理論スタック電圧Vcを算出する(ステップS6)。そして、劣化指標演算手段66は、理論スタック電圧Vc及び現スタック電圧Vrに基づき、上記(5)式を用いて劣化指標Pを算出し(ステップS7)、このようにして現時点の燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定結果としての定量化した劣化指標が得られる。このような判定結果が得られると、劣化表示装置70は、この判定結果に基づいて劣化指標の表示を行い、この表示内容を見ることによって、劣化状態を容易に知ることができる。
この実施例1において、累積稼働時間が所定時間経過した時点において、燃料電池セルスタックの温度Tr(温度検出手段の検出温度)が716℃であり、そのときの燃料電池セルスタックの出力電圧、即ちスタック電圧Vrが723mV(基準電流に補正した電圧)であるとすると、燃料電池セルスタックの現平均スタック温度Taは694℃(Ta=716−22)となる。そして、このときのスタック内部抵抗Rrを上記(1)式を用いて算出すると26.8mΩとなり、またこのときの開回路電圧VOCを算出し、基準電流(例えば、8A)に設定すると、燃料電池セルスタックの現温度Tr(716℃)における理論スタック電圧Vcは758mVとなる。そして、理論スタック電圧Vc(758mV)に対する現スタック電圧Vr(723mV)の比率が劣化指標であり、この劣化指標を算出すると95.4(%)となり、この劣化指標95.4(%)は、約5%劣化した状態であることを示し、このようにして現時点の燃料電池セルスタックの劣化度合を定量化して判定することができる。
上述した手法により劣化指標を経時的にまとめたものが、図11に示す内容である。稼働初期から4000時間(累積運転時間)にかけて劣化の兆候が明確になり、また4000時間以降に緩やかに劣化が進行し、劣化度合の定量化が可能となり、8000時間を経過した時点で約5%の劣化と判断することができ、燃料電池セルスタックの実際の劣化状態とほぼ一致していることが確認できる。
第2の実施形態
次に、図5及び図6を参照して、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池について説明する。図5は、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系を示すブロック図であり、図6は、図5の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャートであり、固体酸化物形燃料電池の基本的構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一であるが、その制御系に修正が加えられている。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系では、燃料電池セルスタックの温度を基準温度に揃えることを前提にして行っており、このことに関連して、制御手段50Aは、スタック内部抵抗演算手段54、平均温度演算手段56、乖離温度演算手段58及び電流制限手段59に加えて、初期基準スタック電圧演算手段82を備えている。初期基準スタック電圧演算手段82は、初期状態における初期基準スタック電圧VSC0を算出し、この初期基準スタック電圧VSC0がメモリ手段68Aに記憶される。
また、この制御手段50Aは、現スタック内部抵抗演算手段62、理論スタック電圧演算手段64及び劣化指標演算手段66Aに加えて、補正電圧演算手84及び現補正スタック電圧演算手段86を含むが、現時点の燃料電池セルスタック4の平均温度を用いないために現平均温度演算手段は省略される。補正電圧演算手段84は、初期基準スタック電圧VSC0及び理論スタック電圧演算手段64による理論スタック電圧Vcに基づいて基準温度補正用の電圧、即ち補正電圧ΔVを算出し、この補正電圧ΔVは、
補正電圧ΔV=初期基準スタック電圧VSC0−理論スタック電圧Vc
・・・(6)
で表される。
また、現補正スタック電圧演算手段86は、現時点の燃料電池セルスタック4のスタック電圧Vr及びこの補正電圧ΔV に基づき現補正スタック電圧VSCを算出し、基準温度に補正された現補正スタック電圧VSCは、
現補正スタック電圧VSC=現スタック電圧Vr+補正電圧ΔV ・・・(7)
で表される。
そして、劣化指標演算手段66Aは、初期基準スタック電圧VSC0及び現補正スタック電圧VSCに基づいて劣化指標Pを算出し、この劣化指標Pは、
劣化指標P=現補正スタック電圧VSC/初期基準スタック電圧VSC0
・・・(8)
で表され、このように演算された劣化指標Pは、燃料電池セルスタック4の平均温度及び温度補正を考慮したものとなる。尚、この第2の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定は、図6に示すフローチャートに沿って行われるが、この劣化度合の判定の前に、初期状態において、劣化度合の判定の基礎となる初期稼働データの入手が行われる。即ち、燃料電池セルスタック4の温度Tとそのスタック平均温度Taとの乖離温度ΔTd及びこれを利用して演算される初期基準スタック電圧VSC0などが算出され、これらの初期稼働データがメモリ手段68Aに記憶される。
初期状態において固体酸化物形燃料電池を定格発電運転し、上述したと同様にして、この定格発電状態(燃料ガス及び空気の供給流量を所定流量に維持した状態)にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引して燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性データを取得し、取得した電流−電圧特性データに基づいて、スタック内部抵抗演算手段54は、初期状態におけるスタック内部抵抗Rrを算出する。また、平均温度演算手段56は、上記(1)式を用いて燃料電池セルスタック4のスタック平均温度Taを算出し、乖離温度演算手段58は、燃料電池セルスタック4の温度T及び平均温度演算手段56によるスタック平均温度Taに基づいて上記乖離温度ΔTdを算出する。
このとき、燃料電池セルスタック4の温度を基準温度Tsに設定し、初期基準スタック電圧演算手段82は、この基準温度Tsにおける初期基準スタック電圧VSC0を算出する。即ち、初期基準スタック電圧演算手段82は、基準温度Ts及び乖離温度ΔTdに基づき、乖離温度ΔTdを考慮した補正基準温度TSH(基準温度Ts+乖離温度ΔTd)を算出し、この補正基準温度TSHに基づき、上記(1)式を用いて初期基準スタック内部抵抗を算出し、算出した初期基準内部抵抗に基づき、上記(2)式を用いて初期基準開回路電圧を算出し、所定基準電流(例えば、8A)におけるスタック電圧を算出し、このスタック電圧が、基準温度Tsにおける初期基準スタック電圧VSC0となり、この初期基準スタック電圧VSC0が初期稼働データの一つとしてメモリ手段68Aに記憶される。
この初期基準スタック電圧VSC0を求める際には、発電電流(電流検出手段40の検出電流)が一定に維持されるように電流維持補正が行われているのが望ましく、このようにすることによって、初期基準スタック電圧VSC0を正確に算出することができる。尚、初期基準スタック電圧VSC0を算出する際の基準温度Tsについては、燃焼電池セルスタック4の作動温度範囲における適宜の温度を設定することができる。
第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池を用いた実施例2において、このスタック内部抵抗Rrが30.0mΩで、燃料電池スタックの温度T(温度検出手段の検出温度)が704℃であるとする。そして、この内部抵抗Rrの30.0mΩと上記(1)式を用いてスタック平均温度Taを算出すると682℃となり、このときの乖離温度ΔTd0は、−22℃となる。また、燃料電池セルスタックの基準温度を730℃と設定した場合、乖離温度ΔTd0を考慮した補正基準温度は708℃であり、このときの初期基準内部抵抗は23.5mΩとなり、この初期基準内部抵抗23.5mΩを用いた初期基準開回路電圧を算出し、所定基準電流(例えば8A)のときのスタック電圧、即ち初期基準スタック電圧VSC0は778mVとなる。
このような初期稼働データを取得した後、現時点における燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定が行われる。主として図6を参照して、まず、現時点の燃料電池セルスタック4の温度の検出が行われ(ステップS11)、次いで、燃料電池セルスタック4の出力電圧(基準電流に補正された電圧)の検出が行われる(ステップS12)。
そして、現スタック内部抵抗演算手段62は、現時点の温度Tr(温度検出手段52の検出温度)に基づき、上記(1)式を用いて現スタック内部抵抗Rrを算出し(ステップS13)、理論スタック電圧演算手段64は、現スタック内部抵抗演算手段62により演算された現スタック内部抵抗Rrに基づき、上記式(2)を用いて現時点の開回路電圧VOCを算出し(ステップS14)、このときの基準電流(例えば、8A)に設定して計算上のスタック電圧、即ち理論スタック電圧Vcを算出する(ステップS15)。
かくすると、補正電圧演算手段84は、算出した理論スタック電圧Vcと初期状態の基準温度Tsにおける初期基準スタック電圧VSC0に基づき、上記(6)式を用いて電圧偏差幅、即ち補正電圧ΔVを算出し(ステップS16)、現補正スタック電圧演算手段86は、現時点の現スタック電圧Vr(電圧検出手段42の検出電圧)及びこの補正電圧ΔVに基づき、上記(7)式を用いて現補正スタック電圧VSCを算出する(ステップS17)。
このようにして現補正スタック電圧VSCが算出されると、劣化指標演算手段66Aは、初期基準スタック電圧VSC0及び現補正スタック電圧VSCに基づき、上記(8)式を用いて劣化指標Pを算出し、このようにしても燃料電池セルスタック4の劣化度合を定量化することができ、この劣化度合は、上述したと同様に、劣化表示装置70に表示される(ステップS19)。
この実施例2において、累積稼働時間が所定時間経過した時点において、燃料電池セルスタックの温度Tr(温度検出手段の検出温度)が716℃であり、そのときの燃料電池セルスタックの出力電圧、即ちスタック電圧Vrが723mV(基準電流に補正した電圧)であるとすると、このときのスタック内部抵抗Rrを上記(1)式を用いて算出すると26.8mΩとなり、またこのときの開回路電圧VOCを算出し、基準電流(例えば、8A)に設定すると、燃料電池セルスタックの理論スタック電圧Vcは758mVとなる。これらから補正電圧ΔVを算出すると20mVとなり、この補正電圧ΔV を加算した現補正スタック電圧VSCは743mVとなる。そして、初期基準スタック電圧VSC0(778mV)に対する現補正スタック電圧VSC(743mV)の比率が劣化指標であり、この劣化指標を算出すると95.5(%)となり、この劣化指標95.5(%)は、約5%劣化した状態であることを示し、このようにしても現時点の燃料電池セルスタックの劣化度合を判定することができる。
上述した第2の実施形態では、劣化指標として初期基準スタック電圧VSC0に対する現補正スタック電圧VSCの比率を算出しているが、この劣化指標として現補正スタック電圧VSCを用いてもよく、この場合、現補正スタック電圧VSCの絶対値を用いるようになる。
上述した手法により劣化指標を経時的にまとめたものが、図12に示す内容である。図12から明らかなように、実施例1と同様のトレンドが得られ、燃料電池セルスタックの劣化の進行状態を正確に把握することができる。
第3の実施形態
次に、図7及び図8を参照して、第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池について説明する。図7は、第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系を示すブロック図であり、図8は、図7の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャートであり、この第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池の基本的構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一であるが、燃料電池セルスタックの劣化に伴うスタック電圧の変動に代えて、その劣化に伴う内部抵抗の変動に着目して劣化度合を判定している。
この第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系では、燃料電池セルスタックの内部抵抗の変動に着目しており、このことに関連して、制御手段50Bは、スタック内部抵抗演算手段54、平均温度演算手段56、乖離温度演算手段58、電流制限手段59、現平均温度演算手段60、現スタック内部抵抗演算手段62に加えて、理論スタック内部抵抗演算手段92を備え、理論スタック電圧演算手段については省略されている。
理論スタック内部抵抗演算手段92は、現時点における燃料電池セルスタック4の平均温度Taに基づいて理論スタック内部抵抗Rcを算出し、この理論スタック内部抵抗Rcは、この平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて算出することができる。また、劣化指標演算手段66Bは、燃料電池セルスタック4の現内部抵抗Rr(現スタック内部抵抗演算手段62による現スタック内部抵抗)及び理論スタック内部抵抗Rc(理論スタック内部抵抗演算手段92による理論スタック内部抵抗)に基づき劣化指標Pを算出し、この劣化指標Pは、
劣化指標P=現スタック内部抵抗Rr/理論スタック内部抵抗Rc ・・・(9)
で表され、この劣化指標Pも燃料電池セルスタック4の平均温度を考慮したものとなる。尚、この第3の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定は、図8に示すフローチャートに沿って行われるが、この劣化度合の判定の前に、初期状態において、劣化度合の判定の基礎となる初期稼働データの入手が行われ、入手された初期稼働データがメモリ手段68Bに記憶される。
第1の実施形態と同様に、初期状態において固体酸化物形燃料電池を定格発電運転し、この定格発電状態(燃料ガス及び空気の供給流量を所定流量に維持した状態)にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引して燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性データを取得し、スタック内部抵抗演算手段54は、取得した電流−電圧特性データに基づいて初期状態におけるスタック内部抵抗Rrを算出し、平均温度演算手段56は、上記(1)式を用いて燃料電池セルスタック4のスタック平均温度Taを算出し、乖離温度演算手段58は、燃料電池セルスタック4の温度T及び平均温度演算手段56によるスタック平均温度Taに基づいて上記乖離温度ΔTdを算出し、算出した乖離温度ΔTdがメモリ手段68Bに記憶される。
第3の実施形態の固体酸化物形燃料電池を用いた実施例3においては、第1の実施形態と同様に、このスタック内部抵抗Rrが30.0mΩで、燃料電池スタックの温度T(検出温度)が696℃であるとする。そして、この内部抵抗Rrの30.0mΩと上記(1)式を用いてスタック平均温度Taを算出すると682℃となり、このときの乖離温度ΔTdは−14℃となる。
このような初期稼働データを取得した後、現時点における燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定が行われる。主として図8を参照して、まず、現時点の燃料電池セルスタック4の温度の検出が行われ(ステップS21)、次いで、現スタック内部抵抗演算手段62は、現スタック温度Tr(温度検出手段52の検出温度)に基づき、上記(1)式を用いて現スタック内部抵抗Rrを算出する(ステップS22)。
また、現平均温度演算手段60は、燃料電池セルスタック4の現温度Tr(温度検出手段52の検出温度)及び上述した乖離温度ΔTdに基づいて現スタック平均温度Taを算出し(ステップS23)、更に理論スタック内部抵抗演算手段92は、現スタック平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて理論スタック内部抵抗Rcを算出する(ステップS24)。
そして、劣化指標演算手段66Bは、理論スタック内部抵抗Rc及び現スタック内部抵抗Rrに基づき、上記(9)式を用いて劣化指標Pを算出し(ステップS25)、このようにしても現時点の燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定結果としての劣化指標が得られ、この判定結果に基づいて、劣化表示装置70は、劣化指標の表示を行う(ステップS26)。このように、燃料電池セルスタック4の劣化に伴う内部抵抗の変動に着目しても、その劣化度合を判定することができる。
この実施例3において、累積稼働時間が所定時間経過した時点において、燃料電池セルスタックの温度Tr(温度検出手段の検出温度)が717℃であり、このときの現内部抵抗Rrが30.24mΩとする。このような場合、燃料電池セルスタックの平均温度Taは、上記乖離温度(−14℃)を考慮すると703℃となり、このときの理論スタック内部抵抗Raは、上記(1)式を用いて算出すると24.6mΩとなる。そして、理論スタック内部抵抗Rc(24.6mΩ)に対する現スタック内部抵抗Rr(30.24mΩ)の比率が劣化指標であり、この劣化指標を算出すると1.23(23%の上昇)となり、この劣化指標23(%)が劣化度合となり、このようにしても劣化度合を定量化することができる。
上述した手法により劣化指標を経時的にまとめたものが、図13に示す内容である。稼働初期から3000時間を超えると劣化度合が明確になり、累積稼働時間の増加に伴い劣化も進行し、劣化度合の定量化が可能であることが確認できた。
第4の実施形態
次に、図7及び図8を参照して、第4の実施形態の固体酸化物形燃料電池について説明する。図7は、第4の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系を示すブロック図であり、図8は、図7の制御系による劣化度合の判定の流れを示すフローチャートであり、固体酸化物形燃料電池の基本的構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一であるが、その制御系に修正が加えられている。
この第4の実施形態の固体酸化物形燃料電池の制御系では、第3の実施形態と同様に、燃料電池セルスタックの劣化に伴う内部抵抗の変動に着目しているが、燃料電池セルスタックの温度を基準温度に揃えることを前提にして行っており、このことに関連して、制御手段50Cは、スタック内部抵抗演算手段54、平均温度演算手段56、乖離温度演算手段58及び電流制限手段59に加えて、初期基準スタック内部抵抗演算手段102を備えている。初期基準スタック内部抵抗演算手段102は、初期状態における初期基準スタック内部抵抗Rsを算出し、この初期基準スタック内部抵抗Rsがメモリ手段68Cに記憶される。
また、この制御手段50Cは、現平均温度演算手段60、現スタック内部抵抗演算手段62、理論スタック内部抵抗演算手段92及び劣化指標演算手段66Cに加えて、補正内部抵抗演算手104及び現補正スタック内部抵抗演算手段106を含んでいる。
理論スタック内部抵抗演算手段92は、現スタック平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて理論スタック内部抵抗Rcを算出する。また、補正内部抵抗演算手段104は、この理論スタック内部抵抗Rc及び初期基準スタック内部抵抗Rsに基づいて演算され、この補正内部抵抗ΔRは、
補正内部抵抗ΔR=初期基準スタック内部抵抗Rs−理論スタック内部抵抗Rc
・・・(10)
で表される。更に、現補正内部抵抗演算手段106は、現スタック内部抵抗演算手段62による現スタック内部抵抗Rr及び補正内部抵抗ΔRに基づいて現補正内部抵抗RSCを算出し、この現補正内部抵抗RSCは、
現補正内部抵抗RSC=現スタック内部抵抗Rr+補正内部抵抗ΔR
・・・(11)
で表される。
そして、劣化指標演算手段66Cは、初期基準スタック内部抵抗RS0及び現補正スタック内部抵抗RSCに基づいて劣化指標Pを算出し、この劣化指標Pは、
劣化指標P=現補正スタック内部抵抗RSC/初期基準スタック内部抵抗RS0
・・・(12)
で表され、このように演算された劣化指標Pは、燃料電池セルスタック4の平均温度及び温度補正を考慮したものとなる。尚、この第4の実施形態の制御系におけるその他の構成は、上述した第3の実施形態と実質上同一である。
この第4の実施形態の固体酸化物形燃料電池においては、燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定は、図10に示すフローチャートに沿って行われるが、この劣化度合の判定の前に、初期状態において、劣化度合の判定の基礎となる初期稼働データの取得が行われる。即ち、燃料電池セルスタック4の温度Tとそのスタック平均温度Taとの乖離温度ΔTd及びこれを利用して演算される初期基準スタック内部抵抗RS0などが演算され、これらの初期稼働データがメモリ手段68Cに記憶される。
初期状態において固体酸化物形燃料電池を定格発電運転し、上述したと同様にして、この定格発電状態(燃料ガス及び空気の供給流量を所定流量に維持した状態)にて燃料電池セルスタック4の出力電流を低下側に挿引して燃料電池セルスタック4の電流−電圧特性データを取得し、取得した電流−電圧特性データに基づいて、スタック内部抵抗演算手段54は、初期状態におけるスタック内部抵抗Rrを算出する。平均温度演算手段56は、上記(1)式を用いて燃料電池セルスタック4のスタック平均温度Taを算出し、乖離温度演算手段58は、燃料電池セルスタック4の温度T及び平均温度演算手段56によるスタック平均温度Taに基づいて上記乖離温度ΔTdを算出する。このとき、燃料電池セルスタック4の温度を基準温度Tsに設定し、初期基準スタック内部抵抗演算手段102は、この基準温度Tsにおける初期基準スタック内部抵抗RS0を算出する。即ち、初期基準スタック内部抵抗演算手段102は、基準温度Ts及び乖離温度ΔTdに基づき、乖離温度を考慮した補正基準温度TSH(基準温度Ts+乖離温度ΔTd)を算出し、この補正基準温度TSHに基づき、上記(1)式を用いて初期基準スタック内部抵抗RS0を算出し、算出した初期基準スタック内部抵抗RS0が初期稼働データの一つとしてメモリ手段68Cに記憶される。尚、初期基準スタック内部抵抗RS0を算出する際の基準温度Tsについては、第2の実施形態と同様に、燃焼電池セルスタック4の作動温度範囲における適宜の温度を設定することができる。
の実施形態の固体酸化物形燃料電池を用いた実施例4において、このスタック内部抵抗Rrが30.0mΩで、燃料電池スタックの温度T、即ち温度検出手段の検出温度が696℃であるとする。そして、この内部抵抗Rrの30.0mΩと上記(1)式を用いてスタック平均温度Taを算出すると682℃であり、このときの乖離温度ΔTdは−14℃となる。また、燃料電池セルスタックの基準温度を730℃と設定した場合、乖離温度ΔTdを考慮した補正基準温度は716℃であり、この補正基準温度に基づき,上記(1)式を用いてスタック内部抵抗を算出すると21.8mΩとなり、このスタック内部抵抗が初期基準スタック内部抵抗RS0となる。
このような初期稼働データを取得した後、現時点における燃料電池セルスタック4の劣化度合の判定が行われる。主として図10を参照して、まず、現時点の燃料電池セルスタック4の温度の検出が行われ(ステップS31)、次いで、現時点の温度Tr(温度検出手段52の検出温度)に基づいて燃料電池セルスタック4の現セルスタック内部抵抗Rrの演算が行われる。即ち、現スタック内部抵抗演算手段62は、温度検出手段52の検出温度に基づき、上記(1)式を用いて現スタック内部抵抗Rrを算出する(ステップS33)。
また、燃料電池セルスタック4の現平均温度Taの演算が行われ(ステップS34)、現平均温度演算手段60は、現時点の燃料電池セルスタック4の温度(温度検出手段52の検出温度)に乖離温度ΔTdを加算して現平均温度Taを算出する。そして、この現平均温度Taを用いて、理論スタック内部抵抗Rcの演算が行われ(ステップS34)、理論スタック内部抵抗演算手段92は、燃料電池セルスタック4の現平均温度Taに基づき、上記(1)式を用いて理論スタック内部抵抗Rcを算出する。
次いで、基準温度補正のための補正内部抵抗ΔRの演算が行われ(ステップS35)、補正内部抵抗演算手段104は、この理論スタック内部抵抗Rc及び初期基準スタック内部抵抗RS0に基づき、上記(10)式を用いて補正内部抵抗ΔRを算出し、現補正スタック内部抵抗演算手段106は、この補正内部抵抗ΔR及び現スタック内部抵抗演算手段62による現スタック内部抵抗Rrに基づき、上記(11)式を用いて現補正スタック内部抵抗RSC を算出する(ステップS36)。
このようにして現補正スタック内部抵抗RSCが算出されると、劣化指標演算手段66Cは、初期基準スタック内部抵抗RS0及び現補正スタック内部抵抗RSCに基づき、上記(12)式を用いて劣化指標Pを算出し(ステップS37)、このようにしても燃料電池セルスタック4の劣化度合を定量化することができ、この劣化度合は、上述したと同様に、劣化表示装置70に表示される(ステップS38)。
この実施例4において、累積稼働時間が所定時間経過した時点において、燃料電池セルスタックの温度Tr(温度検出手段の検出温度)が717℃で、このときのスタック内部抵抗Rrが30.24mΩとする。この場合、燃料電池セルスタックの温度(温度検出手段の検出温度)(717℃)及び乖離温度ΔTdに基づき現スタック平均温度Taを算出すると703℃となる。そして、この現スタック平均温度Ta(703℃)に基づき、上記(1)式を用いて理論スタック内部抵抗Rcを算出すると24.6mΩとなる。
算出した理論スタック内部抵抗Rc(24.6mΩ)及び初期状態における初期基準スタック内部抵抗RS0に基づく補正内部抵抗ΔRは、上記式(10)を用いて算出すると−2.77mΩとなり、この補正内部抵抗ΔR(−2.77mΩ)に現スタック内部抵抗Rr(30.24mΩ)を加算した現補正スタック内部抵抗RSCは27.47mΩとなり、これらから上記(12)式を用いて劣化指標Pを算出すると1.26となり、かかる値1.26(又は+26%)が劣化指標となる。
上述した第4の実施形態では、劣化指標として初期基準スタック内部抵抗RS0に対する現補正スタック内部抵抗RSCの割合を算出しているが、この劣化指標として現補正スタック内部抵抗RSCを用いてもよく、この場合、現補正スタック内部抵抗RSCの絶対値を用いるようになる。
上述した手法により劣化指標を経時的にまとめたものが、図14に示す内容である。図14から明らかなように、実施例3と同様のトレンドが得られ、燃料電池セルスタックの劣化の進行状態を正確に把握可能であることが判る。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池の各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
2 改質器
4 燃料電池セルスタック
40 電流検出手段
42 電圧検出手段
50,50A,50B,50C 制御手段
52 温度検出手段
56 平均温度演算手段
58 乖離温度演算手段
60 現平均温度演算手段
62 現スタック温度演算手段
64 理論スタック電圧演算手段
66,66A,66B,66C 劣化指標演算手段
70 劣化表示装置
82 初期基準スタック電圧演算手段
86 現補正スタック電圧演算手段
92 理論スタック内部抵抗演算手段
102 初期基準スタック内部抵抗演算手段
104 補正内部抵抗演算手段
106 現補正スタック内部抵抗演算手段

Claims (6)

  1. 燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現スタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上のスタック電圧を算出するための理論スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
    前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて現スタック内部抵抗を演算し、前記理論スタック電圧演算手段は、前記現スタック内部抵抗に基づいて前記理論スタック電圧を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記理論スタック電圧及び前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、基準温度に前記乖離温度を考慮した初期状態の初期基準スタック電圧を算出するための初期基準スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現スタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の理論スタック電圧を算出するための理論スタック電圧演算手段と、現時点のスタック電圧の補正量を算出するための補正電圧演算手段と、現時点のスタック電圧を補正した現補正スタック電圧を算出するための現補正スタック電圧演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
    前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記初期基準スタック電圧演算手段は、前記基準温度及び前記乖離温度による補正基準温度に基づいて算出された初期基準内部抵抗を用いて初期基準スタック電圧を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、前記温度検出手段の検出温度に基づき前記現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック電圧演算手段は、前記現スタック内部抵抗を用いて前記理論スタック電圧を算出し、前記補正電圧演算手段は、前記初期基準スタック電圧及び前記理論スタック電圧に基づいて補正電圧を算出し、前記現補正スタック電圧演算手段は、前記電圧検出手段が検出した前記現スタック電圧及び前記補正電圧に基づいて前記現補正スタック電圧を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現補正スタック電圧に基づいて、又は前記現補正スタック電圧及び前記初期基準スタック電圧に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池スタックの現時点のスタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の内部抵抗を算出するための理論スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
    前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度に基づいて現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて前記理論スタック内部抵抗を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現スタック内部抵抗及び前記理論スタック内部抵抗に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  4. 燃料ガス及び酸化材を反応させて発電する複数の燃料電池セルを積層した燃料電池セルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    燃料電池セルスタックの温度を検出するための温度検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電圧を検出するための電圧検出手段と、前記燃料電池セルスタックの出力電流を制御するための電流制御手段と、前記燃料電池セルスタックのスタック内部抵抗を算出するためのスタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの平均温度を算出するための平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの前記平均温度と前記温度検出手段による検出温度との乖離温度を算出するための乖離温度演算手段と、基準温度に前記乖離温度を考慮した初期状態の初期基準スタック内部抵抗を算出するための初期基準スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点の平均温度を算出するための現平均温度演算手段と、前記燃料電池セルスタックの現時点のスタック内部抵抗を算出するための現スタック内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの理論上の内部抵抗を算出するための理論スタック内部抵抗演算手段と、現時点の現スタック内部抵抗の補正量を算出するための補正内部抵抗演算手段と、前記現スタック内部抵抗を補正した現補正スタック内部抵抗を算出するための現補正内部抵抗演算手段と、前記燃料電池セルスタックの劣化指標を算出するための劣化指標演算手段と、を備えており、
    前記スタック内部抵抗演算手段は、前記燃料電池セルスタックの出力電流を低下側に挿引したときに得られる電流−電圧特性の傾きに基づいて前記スタック内部抵抗を算出し、前記平均温度演算手段は、前記スタック内部抵抗に基づいて前記燃料電池セルスタックの前記平均温度を算出し、前記乖離温度演算手段は、前記温度検出手段の検出温度及び前記平均温度に基づいて前記乖離温度を算出し、前記現平均温度演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度及び前記乖離温度に基づいて現平均温度を算出し、前記現スタック内部抵抗演算手段は、現時点の前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記現スタック内部抵抗を算出し、前記理論スタック内部抵抗演算手段は、前記現平均温度に基づいて前記理論スタック内部抵抗を算出し、前記補正内部抵抗演算手段は、前記初期基準スタック内部抵抗及び前記理論スタック内部抵抗に基づいて補正内部抵抗を算出し、前記現補正スタック内部抵抗演算手段は、前記現スタック内部抵抗及び前記補正内部抵抗に基づいて前記現補正スタック内部抵抗を算出し、前記劣化指標演算手段は、前記現補正スタック内部抵抗に基づいて、又は前記現補正スタック内部抵抗及び前記初期基準スタック内部抵抗に基づいて前記劣化指標を算出することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記燃料電池セルスタックの出力電流を検出するための電流検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記電流検出手段の検出電流又は前記電圧検出手段の検出電圧が所定時間わたって一定状態となるように前記燃料電池セルスタックを稼働し、前記所定時間経過後に前記燃料電池セルスタックの出力電流が低電流側に挿引し、この挿引のときに前記燃料電池セルスタックの電流−電圧特性に関する情報及び前記燃料電池セルスタックの温度に関する情報を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記燃料電池セルスタックの前記初期基準スタック電圧は、その出力電流を一定に維持するための電流維持補正が行われたときのスタック電圧であることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池。
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