JP5571280B2 - 皮脂産生促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は新規な皮脂産生促進剤に関し、より具体的には、皮脂産生の低下が原因と考えられている種々の疾患、例えば、乾皮症、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ひび、あかぎれ等の予防及び治療に有用であり、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等の広範な用途に用いることができる皮脂産生促進剤に関する。
皮膚において皮脂は水分の蒸散を防ぎ、皮膚のなめらかさを保つために必要であり、さらに、体内への異物の混入を防ぐという役割をもつ。また、頭皮においても毛髪の美しさを保つために皮脂が必要である。しかし、加齢等により皮脂産生機能が衰えると、皮膚の滑らかさや潤いが失われる。従来、このような皮脂産生機能の衰え等による皮膚の乾燥を予防又は治療する剤として、皮脂分泌作用を示す植物の抽出物や、種々の天然物由来の成分が利用されている(特許文献1及び2参照)。
なお、発芽ブロッコリーの抽出物については、皮脂分泌促進作用については知られていない(特許文献3及び特許文献4参照)。
特開平7−109214号公報 特開平9−176030号公報 特許第3754646号公報 特開2003−155221号公報
本発明は、安全性が良好な新規な皮脂産生促進剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、安定性が良好で、且つ皮脂産生促進効果に優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記皮脂産生促進剤を含有する飲食品を提供することを目的とする。
本発明者が新規な皮脂産生促進剤の開発をすべく鋭意検討を行なった結果、発芽ブロッコリー由来成分が、衰えた皮脂産生機能を元に戻し、皮膚に対して持続的に油分の供給を促す皮脂産生促進作用を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、発芽ブロッコリー由来成分を有効成分とすることを特徴とする皮脂産生促進剤を提供する。
また、別の観点から、本発明によって、発芽ブロッコリー由来成分を有効成分として含有することを特徴とする皮脂産生促進用皮膚外用剤;並びに、更に、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、及び紫外線防止剤から選択される薬効剤の一種又は二種以上を含有することを特徴とする前記皮脂産生促進用皮膚外用剤が提供される。
また別の観点から。本発明は発芽ブロッコリー由来成分を有効成分として含有することを特徴とする皮脂産生促進用飲食品を提供する。
本発明によれば、皮脂分泌の低下が原因と考えられている種々の疾患、例えば、乾皮症、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ひび、あかぎれ等の予防及び治療に有用であり、且つ安全性が良好な皮脂産生促進剤、及び医薬品、部外品、及び化粧品等の皮脂産生促進用皮膚外用剤を提供することができ、更に、皮脂産生促進剤を含有する食品を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明は、発芽ブロッコリー由来成分を有効成分とすることを特徴とする皮脂産生促進剤に関する。発芽ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属(Brassica)に属するブロッコリー(Brassica oleracea var. italica)の発芽体である。その産地や栽培方法は特に限定されるものではない。発芽ブロッコリーには、ブロッコリー(成長体)と比較して、スルフォラファンの含有量が高いという特徴がある。又、発芽ブロッコリーには、ブロッコリーに含まれない特有の成分として、インドール−3−カルビノールが含まれている。これらの成分の含有量を指標にして、本発明に用いる発芽ブロッコリーを選択してもよい。
下記表にブロッコリー種子、ブロッコリー種子の発芽後1〜10日後の各スプラウト、及びブロッコリー成長体にそれぞれ含有されるスルフォラファン含量を同定した結果の一例を示す。
Figure 0005571280
上記表に示す通り、発芽ブロッコリー中に含有されるスルフォラファンは、発芽後、徐々に増加し、約3日目で最大量となるが、その後、徐々に減少していき、ブロッコリー成長体中では、最大量の1/7程度になる。本発明に用いる発芽ブロッコリー由来成分を調製する際に用いる発芽ブロッコリーは、成長体となる前であれば、発芽から何日後であってもよいが、発芽後1〜10日程度、より好ましくは2〜5日程度の、スルフォラファンの含有量が多い発芽ブロッコリーを用いることが好ましい。また、これらの発芽ブロッコリーは、発芽からの日数が一定のものを用いてもよいし、発芽からの日数が異なるものを併用してもよい。
また、スルフォラファンの含有量が、32〜160mg/100g、より好ましくは100〜150mg/100g、更に好ましくは110〜145mg/100g程度の発芽ブロッコリーを用いることが好ましい。
なお、本発明者が検討した結果、合成したスルフォラファンそのものには皮脂産生促進効果が認められないが、スルフォラファン含量が多い発芽ブロッコリーは皮脂産生を促進したのに対し、スルフォラファン含量が少ない成長体では皮脂産生は変化しなかった。このことから皮脂産生促進効果を示す発芽ブロッコリーを選択する指標としてスルフォラファン含量を利用するのが好ましい。合成のスルフォラファンで皮脂産生促進効果が認められなかった理由としては、例えば次の(1)、(2)等、種々の理由が考えられる。
(1)発芽ブロッコリー中ではスルフォラファンは配糖体等の誘導体として存在し、それが皮脂産生促進作用を奏する。
(2)スルフォラファンの存在によって他の成分が活性化されて皮脂産生促進作用を示している。
本発明に用いられる発芽ブロッコリー由来成分の調製法は特に限定されるものではなく、ブロッコリーの発芽体(芽、子葉、種子、根)の一部又は全草をそのまま、あるいは乾燥粉砕したものを溶媒等により抽出して得ることができる。又、ブロッコリーの発芽体の一部又は全草を乾燥粉砕して粉末化したものをそのまま用いることもできる。
例えば、アブラナ科アブラナ属(Brassica)に属するブロッコリー(Brassica oleracea var. italica)の種子を15℃〜25℃の水に浸漬し、2〜5日間、間接日光照射すると、発芽したブロッコリーの全草(芽、子葉、種子、根)が得られる。芽が10〜50mm程度に成長した発芽ブロッコリーを用いるのが好ましい。このものを乾燥後粉砕処理し、発芽ブロッコリーのパウダーを得る。このパウダーをそのまま用いることもできるが、さらに、溶媒等で抽出することにより、抽出液として得ることもできる(以下、特にことわりがない限り、発芽ブロッコリー由来成分を「発芽ブロッコリー抽出物」と称する)。
発芽ブロッコリーに対して抽出処理を実施する前に、脱脂処理を施すと、脱脂工程を経ていないものと比較して、皮脂産生促進作用がより向上されるので好ましい。脱脂工程は、具体的には、発芽ブロッコリーを有機溶媒中に浸漬し、発芽ブロッコリー中の親油性成分を有機溶媒中に抽出して、除去する工程である。脱脂工程には、n−ヘキサン、ベンゾール、石油ベンジン等の疎水性が高い有機溶媒が用いられる。
また、脱脂工程を経た後、抽出処理を実施する前に、所望により、微粉砕、殺菌、篩過等の処理を施してもよい。
発芽ブロッコリーから発芽ブロッコリー由来成分を抽出する方法は特に限定されないが、溶媒抽出及び超臨界抽出が挙げられ、これらのいずれかの処理を行ってもよいし、双方の処理を行ってもよい。
溶媒抽出にて抽出する場合、このときに用いる溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級エステル(酢酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、それらの一種又は二種以上を用いることができる。中でも、水、又は水と親水性の高い有機溶媒との混合溶媒を用いるのが好ましく、そのような有機溶媒としてはエチルアルコールが特に好ましい。
好ましい抽出方法の一例としては、濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール又は1,3−ブチレングリコールを用い、室温でもしくは加温して、1〜10日間抽出を行った後ろ過し、得られた濾液を更に1週間程放置して熟成させ、再びろ過を行う方法が挙げられる。
更に、超臨界抽出法にて抽出する場合、そのときに用いる超臨界流体は特に限定されないが、例えば、二酸化炭素を用いることが好ましい。
上記抽出処理後に、さらに必要に応じて、抽出物に脱色、脱臭などの工程を施したり、溶媒を留去して粉末化してもよい。なお、本発明に皮脂産生促進剤として用いる発芽ブロッコリー抽出物は、スルフォラファンの含量が、固形分で1.0質量%(以下、単に「%」というときは、「質量%」をいうものとする)以上であるのが好ましく、2.0%以上がより好ましく、4.0%以上(通常、15%以下)がさらに好ましい。前記脱脂工程を施すことにより、抽出物中に含有されるスルフォラファン含量は増加(約3倍〜10倍程度まで増加)される。上記した通り、スルフォラファンそのものには皮脂産生促進作用はないが、スルフォラファンの含量は、発芽ブロッコリー抽出物の調製条件を選択する際の指標として利用することができる。
本発明の皮脂産生促進剤は、皮脂産生の低下が原因と考えられている種々の疾患、例えば、乾皮症、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ひび、あかぎれ等の予防及び治療に有用である。発芽ブロッコリーを有効成分とするので、安全性が高く、医薬品、部外品、化粧品などの広範な用途に用いることができる。本発明の皮脂産生促進剤の剤形は任意であり、錠剤、カプセル剤、散剤、内服液、細粒剤、顆粒剤等の経口投与に好適な剤形とすることができ、また、リニメント剤、ローション剤、軟膏剤等の皮膚外用剤に好適な剤形とすることもでき、どのような剤形としても利用可能である。
本発明は、発芽ブロッコリー抽出物を有効成分として含有する皮脂産生促進用皮膚外用剤にも関する。発芽ブロッコリー抽出物の皮膚外用剤への含有量は、乾燥固形分として好ましくは0.00001〜5%であり、より好ましくは0.0001〜2%である。この範囲内であれば、該植物抽出物を安定に配合することができ、かつ高い薬効を発揮することができる。又、抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
本発明の皮脂産生促進用皮膚外用剤は、発芽ブロッコリー由来成分とともに、他の薬効剤を含有していてもよい。使用可能な他の薬効剤としては、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤から選ばれる一種又は二種以上であるのが好ましい。より具体的には、それぞれ以下に示すものが挙げられる。なお、以下の例示中、「誘導体」には形成可能な塩が含まれる。なお、以下に列挙する具体体例中、複数の薬効が認められている材料については、それぞれの薬効剤の例として重複して例示されているものもある。
(美白剤)
美白剤としては、ビタミンC及びその誘導体(アスコルビン酸グルコシド、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、アルブチン、リノール酸、胎盤抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダワラ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)、センプクカ抽出物、ブドウ抽出物、コムギ抽出物、トマト抽出物、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、アガロース、オリゴサッカライド、ハイドロキノン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、イブキトラノオ抽出物、ノイバラ(エイジツ)抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物、カミツレ抽出物、ケイケットウ抽出物、オレンジ抽出物、キイチゴ抽出物、キウイ抽出物、クララ(クジン)抽出物、コーヒー抽出物、ゴマ油、エゴマ油、ゴカヒ抽出物、コメ抽出物、コメヌカ抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、シャクヤク抽出物、シラユリ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、トウキ抽出物、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、ブラックカラント抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、ユキノシタ抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、霊芝抽出物、微生物醗酵代謝産物、大豆抽出物、糖蜜抽出物、羅漢果抽出物等が挙げられる。尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等である。
これらの美白剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンC及びその誘導体、カンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、コムギ抽出物、海藻抽出物、茶抽出物が挙げられる。
(抗酸化剤)
抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンE及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ルチン及びその誘導体、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、没食子酸及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ブドウ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、海藻抽出物、霊芝抽出物、卵殻膜抽出物、胎盤抽出物、羅漢果抽出物等が挙げられる。尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等である。
これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ヤシャジツ抽出物、ユキノシタ抽出物、マイカイカ抽出物、スーパーオキサイドディスムターゼ、イチョウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、ヒスチジン、マンニトール、カロチノイドが挙げられる。
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、アロエ抽出物、アシタバ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、イオウ及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ(カワラヨモギ)抽出物、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クレソン抽出物、サルビア(セージ)抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、酸化亜鉛等が挙げられる。尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等である。
これらの抗炎症剤のうち、特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、シソ抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物が挙げられる。
(細胞賦活剤)
細胞賦活剤としては、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体;デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミドやニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、α−及びγ−リノレン酸、キサンチン及びその誘導体(カフェイン等)、アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アーモンド抽出物、アンズ(キョウニン)抽出物、イチョウ抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、キウイ抽出物、キュウリ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ツボクサ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トマト抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、ブドウ種子油、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、モモ抽出物、ユーカリ抽出物、ユリ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、麦芽根抽出物、動物由来抽出物(イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物、胎盤抽出物、血清除蛋白抽出物、ラクトフェリン又はその分解物等)、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物等が挙げられる。尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等である。
これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物、ニンジン抽出物、麦芽根抽出物、大豆抽出物、ツボクサ抽出物、ブナの芽抽出物が挙げられる。
(紫外線防止剤)
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等)、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、及び微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛が挙げられる。
本発明の皮脂産生促進用皮膚外用剤における上記他の薬効剤の含有量は、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分と組み合わせた場合、製剤の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、また発芽ブロッコリーによる皮脂産生促進作用を阻害することなく、他の薬効剤による薬効も得られるので好ましい。
より具体的には、本発明の皮脂産生抑制用皮膚外用剤における美白剤の含有量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分による優れた皮脂産生促進効果とともに、良好な美白効果が得られ、さらに使用感も良好な皮膚外用剤が得られる。
本発明の皮脂産生抑制用皮膚外用剤における抗酸化剤の含有量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分による優れた皮脂産生促進効果とともに、良好な抗酸化効果が得られ、さらに使用感も良好な皮膚外用剤が得られる。
本発明の皮脂産生抑制用皮膚外用剤における抗炎症剤の含有量としては、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分による優れた皮脂産生促進効果とともに、良好な抗炎症効果が得られ、さらに、使用感も良好な皮膚外用剤が得られる。
本発明の皮脂産生抑制用皮膚外用剤における細胞賦活剤の含有量としては、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は、乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分による優れた皮脂産生促進効果とともに、良好な細胞賦活効果が得られ、さらに、使用感も良好な皮膚外用剤が得られる。
本発明の皮脂産生抑制用皮膚外用剤における紫外線防止剤の含有量としては、好ましくは0.01〜25%、より好ましくは0.1〜10%の範囲である。この範囲であれば、発芽ブロッコリー由来成分による優れた皮脂産生抑制効果とともに、良好な紫外線防止効果も得られ、さらに使用感も良好な皮膚外用剤が得られる。
他の薬効剤として、これらの美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、必須成分である発芽ブロッコリー由来成分、及び所望により添加される他の薬効成分を、種々の形態の基剤に配合して調製することができる。
本発明の皮脂産生促進用皮膚外用剤の形態については特に制限はなく、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗顔料、メーキャップ化粧料等の皮膚用化粧料の形態;シャンプー、ヘアートリートメント、ヘアースタイリング剤、養毛剤、育毛剤等の頭髪化粧料の形態;及び分散液、軟膏、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の外用医薬品の形態;のいずれであってもよい。
また、本発明の皮脂産生促進用皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、PH調整剤、清涼剤、植物・微生物由来の抽出物、血行促進剤、収斂剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。好適な成分の具体例としてはそれぞれ以下に示すものが挙げられる。ここで、「誘導体」には形成可能な塩が含まれる。
油剤としては、基剤の構成成分又は使用性、使用感を良くするものとして、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等を使用することができる。
例えば、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ油、カカオ脂、シア脂等の植物や動物由来の油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ゲイロウ等のロウ類等が挙げられる。
界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等のために用いられ、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤を用いることができる。
金属セッケンとしては、脂肪酸等のアルカリ塩以外の金属塩であり、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
ゲル化剤は、系の安定化や使用性、使用感を良くするために用いられ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
粉体は、主としてメーキャップ化粧料における着色や皮膚の隠蔽、又は使用感を良くするため等多目的に用いられ、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、雲母、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、セラミックスパウダー、窒化ホウ素等が挙げられ、有機粉体としては、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ナイロンパウダー、ラウロイルリジン等が挙げられ、有色顔料としては、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、紺青、群青等の無機系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したものが挙げられ、パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等、その他タール色素、カルミン酸等の天然色素等が挙げられる。これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なってもよい。
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
水溶性高分子は、系の安定化や使用性、使用感を良くするために用いられ、又保湿効果を得るためにも用いられる。水溶性高分子の具体例として、カラギーナン、ペクチン、寒天、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム等の微生物系高分子、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系高分子、ベントナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等のタンパク質又はそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖及びその誘導体並びにそれらの塩、ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、温泉水、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウゴン抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、カンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、キンギンカ抽出物、クインスシード抽出物、クジン抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、ゴマ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、ゼニアオイ抽出物、センキュウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出液、トウチュウカソウ抽出物、トウモロコシ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハッカ抽出物、ハトムギ抽出物、ハマメリス抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、ピロリドンカルボン酸及びその塩、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マルメロ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムチン、ムラサキ抽出物、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ抽出物、大豆及び卵由来のリン脂質、レンゲソウ抽出物、烏龍茶、緑茶、紅茶などの茶抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物等が挙げられる。これらの保湿剤を配合することによって、本発明の効果を高めることができる。
植物抽出物としては、植物の抽出部位や、抽出方法等に特に制限はなく、例えば植物の全草、又は根、茎、幹、樹皮、幼芽、葉、花、果実、種子等から抽出することが出来、これらを乾燥、細切、圧搾、或いは発酵等、適宜処理を施し、種々の適当な溶媒を用いて低温もしくは室温〜加温下で抽出することができる。抽出溶媒としては、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール等の1種又は2種以上を用いることができる。また、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、エーテル等の親油性溶媒を用いて抽出することもでき、その他、スクワラン等の油性成分等により抽出したものでもよい。得られた抽出液はろ過又はイオン交換樹脂を用い、吸着、脱色、精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすることもできる。必要ならば、効果に影響のない範囲で更に、脱臭、脱色等の精製処理をしてもよい。植物抽出物を配合することによって、本発明の効果を高めることができる。
抗菌剤及び殺菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等が挙げられる。
血行促進剤としては、アルニカ抽出液、トウガラシチンキ、イチョウ抽出物、酢酸トコフェロール、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。
本発明の皮脂産生促進剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品(以下、単に「飲食品」とする。)としては、例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の皮脂産生促進剤を適宜配合するとよい。
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本抗炎症剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、α−リポ酸)なども配合することができる。尚、これらは1種のみを配合してもよいし、2種類以上併用してもよい。
具体的な製法としては、本発明の皮脂産生促進剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、本発明の皮脂産生促進剤を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
本発明の皮脂産生促進剤は、健康の維持を目的として飲食品に添加される。その添加量については、この目的に沿う限り限定はないが、一般的には、飲食品中の前記皮脂産生促進剤の含量は、1〜20%であるのが好ましい。
次に、参考例、試験例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等によって何ら制限されるものではない。
[実施例1]
(発芽ブロッコリー抽出物(精製水抽出物、50vol%エチルアルコール抽出物及びエチルアルコール抽出物)の調製)
アブラナ科アブラナ属(Brassica)に属するブロッコリー(Brassica oleracea var. italica)の種子を15℃〜25℃の水に浸漬させ、2〜5日間、間接日光照射して発芽させた。その後、芽を10〜30mm(このとき、根は10mm程度)に成長させた全草(芽、種子、根)を乾燥し、粉砕処理工程を経て、さらに有機溶媒(n−ヘキサン)を用いて脱脂処理を行った。その後、脱脂処理物を微粉砕、殺菌、篩過して、パウダー状としたものを得た。
得られたパウダー状物10gをサンプル1〜3として準備し、サンプル1に精製水、サンプル2に水とエチルアルコールの混合溶媒(体積割合50:50、以下、「50vol%エチルアルコール」という)、サンプル3にエチルアルコールを各100mL加え、室温にて7日間抽出を行った後、ろ過をして各抽出液サンプルを得た。この50vol%エチルアルコール抽出液中のスルフォラファン含量は4.7%であった。
発芽ブロッコリー精製水抽出液の乾燥固形分は3.3%であり、発芽ブロッコリー50vol%エチルアルコール抽出液の乾燥固形分は3.0%であり、発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出液の乾燥固形分は2.4%であった。
(脂腺細胞に対する発芽ブロッコリー抽出液の細胞毒性試験)
24穴プレートに培地を適量とり、ハムスター脂腺細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、上記で得た発芽ブロッコリー50vol%エチルアルコール抽出液を、それぞれ最終濃度が0(対照)、0.33mg/ml、1mg/mlとなるように検体調製液を添加し混和した。3日おきに培地を交換し、検体調製液を添加した。培養開始2週間後にトリプシン−EDTAで細胞を剥がし、血球計算盤を用いて細胞数を計測した。
(発芽ブロッコリー抽出液による皮脂産生促進試験)
本実施例では、ハムスター脂腺細胞に発芽ブロッコリー抽出液を作用させ、Oilred O染色法を利用して、ハムスター脂腺細胞の皮脂産生量を測定し、発芽ブロッコリー抽出液の皮脂産生促進作用を試験した。Oilred Oは無極性かつ脂溶性であるため、組織に触れると組織内脂質という溶媒に溶け込み、結果として脂肪染色ができる。脂肪に取り込まれたOilred O量と細胞内に生成した皮脂量(主構成成分であるトリアシルグリセロール:TG)は相関していることが知られているため、本法によってOilred Oを可溶化し、吸光度を測定することで間接的に脂腺細胞の皮脂産生量を測定することが可能である。
具体的には、以下の操作により皮脂産生量を測定した。
24穴プレートに培地を適量とり、ハムスター脂腺細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、例1で得た発芽ブロッコリー溶液について、それぞれ最終濃度が0(対照)、0.33mg/ml、1mg/mlとなるように検体調製液を添加し混和した。3日おきに培地を交換し、検体調製液を添加した。培養開始2週間後に、Oilred O染色法により、皮脂産生量を計測した。また、上記細胞毒性試験で求めた細胞数で測定された皮脂量を割り、細胞一個あたりの皮脂産生量を算出した。算出した値を、対照サンプルを1として規格化した。その値を図1に示す。
図1に示した結果から、発芽ブロッコリー抽出液を含まないサンプル(0mg/ml)にて処理した場合と異なり、発芽ブロッコリー抽出液を含むサンプル(0.33mg/ml、1mg/ml)にて処理した場合には、脂腺細胞の1個当りの皮脂産生量が促進されることがわかった。
[比較例1]
比較例1として、発芽後育成させたブロッコリーを、上記と同様の脱脂処理を施し、脱脂処理物を微粉砕、殺菌、篩過して、パウダー状としたものを得た。得られたこのブロッコリー成長体由来成分であるパウダーに対して、上記と同様の抽出処理を行い、ブロッコリー成長体の抽出液を得た。この抽出液中のスルフォラファン含量は0.063%であった。上記と同様にして、細胞毒性試験及び皮脂産生試験を実施した。その結果を図2に示す。図2に示す結果から、ブロッコリー成長体には、ほとんど皮脂産生抑制作用がないことが理解できる。
[比較例2]
比較例2として、発芽ブロッコリーに多く含まれるスルフォラファンの細胞毒性試験及び皮脂産生試験を、上記と同様の方法で実施した。スルフォラファンはAlexis社製のものを用いた。その結果を図3に示す。図3に示す結果から、スルフォラファンには、ほとんど皮脂産生抑制作用がないことが理解できる。
[実施例2:軟膏の調製例]
下記組成の軟膏を、下記の方法で調製した。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)dl−α−トコフェロール*1 0.2
(4)防腐剤 適量
(5)トリエタノールアミン 2.0
(6)グリセリン 5.0
(7)精製水 残量
(8)発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*2 1.0
(9)グリチルリチン酸ジカリウム*3 0.5
(10)酵母抽出物*4 0.5
*1 エーザイ社製
*2 実施例1で製造したもの
*3 丸善製薬社製
*4 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(8)〜(10)を加え、軟膏を得た。
実施例2で調製した軟膏は、いずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚に対して油分を持続的に供給し、皮膚の乾燥を防止する効果があった。
[実施例3:パックの調製]
下記の組成のパックを、下記の方法で調製した。
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 20.0
(8)防腐剤 適量
(9)発芽ブロッコリー精製水抽出物*1 0.1
(10)発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 0.2
(11)香料 適量
*1 実施例1で製造したもの
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(7)及び(8)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(9)〜(11)を均一に分散してパックを得た。
実施例3で調製したパックは、経時安定性に優れ、それを使用することにより、皮膚に油分を供給し、皮膚の乾燥を防止する効果があった

[実施例4:日焼け止め乳液の調製]
以下の組成の日焼け止め乳液を、以下の方法で調製した。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0
(18)海藻抽出物*2 3.0
*1 実施例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(1)〜(12)を混合分散する。
B.成分(13)〜(16)を混合分散する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(17)、(18)を添加して日やけ止め乳液を得た。
実施例4で調製した日焼け止め乳液は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼け防止効果を有するとともに、皮膚に油分を与え、日焼けによる皮膚の乾燥を防止する効果があった。
以下、本発明の皮膚産生促進剤を食品に配合する場合における配合例を示す。尚、本発明は以下の配合例に限定されない。
配合例1:チューインガム
砂糖 51.0%
ガムベース 20.0%
グルコース 10.0%
水飴 16.0%
香料 0.5%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例2:グミ
還元水飴 39.0%
グラニュー糖 20.0%
ブドウ糖 20.0%
ゼラチン 4.7%
水 9.68%
キウイ果汁 4.0%
キウイフレーバー 0.6%
色素 0.02%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例3:キャンディー
砂糖 48.0%
水飴 33.0%
水 14.4%
有機酸 2.0%
香料 0.2%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5%
脱脂粉乳 5.8%
砂糖 8.0%
寒天 0.15%
ゼラチン 0.1%
乳酸菌 0.005%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
香料 微量
水 残余
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例5:ソフトカプセル
米胚芽油 86.0%
乳化剤 12.0%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例6:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0%
乳化剤 0.5%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
香料 適量
精製水 残余
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例7:錠剤
乳糖 54.0%
結晶セルロース 30.0%
澱粉分解物 10.0%
グリセリン脂肪酸エステル 5.0%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 1.0%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
配合例8:錠菓
砂糖 74.4%
グルコース 19.0%
ショ糖脂肪酸エステル 0.2%
発芽ブロッコリーエチルアルコール抽出物*1 2.0%
精製水 3.9%
100.0%
*1 実施例1で製造したもの
本発明によれば、皮脂産生の低下が原因と考えられている種々の疾患、例えば、乾皮症、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ひび、あかぎれ等の予防および治療に有用な皮膚産生促進剤を提供することができる。本発明の皮膚産生促進剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品などの広範な用途に用いることができる。
実施例1(発芽ブロッコリー抽出液)の皮脂産生促進作用の評価結果を示すグラフである。 比較例1(発芽後育成したブロッコリー抽出液)の皮脂産生促進作用の評価結果を示すグラフである。 比較例2(スルフォラファン)の皮脂産生促進作用の評価結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 発芽ブロッコリー由来成分を有効成分とすることを特徴とする皮脂産生促進剤(但し、食品用途を除く。)
  2. 前記発芽ブロッコリー由来成分が、脱脂工程を施されてなることを特徴とする請求項1に記載の皮脂産生促進剤。
  3. 前記発芽ブロッコリー由来成分が、スルフォラファンを32mg〜160mg/100g含有する発芽ブロッコリー由来の成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮脂産生促進剤。
  4. 更に、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、及び紫外線防止剤から選択される薬効剤の一種又は二種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮脂産生促進剤。
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