JP5569303B2 - 固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、及び製造に用いる触媒層形成用基材 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、及び製造に用いる触媒層形成用基材 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、及び製造に用いる触媒層形成用基材に関するものである。
燃料電池は、水素、酸素を燃料として、水の電気分解の逆反応を起こさせることにより電気を生み出す発電システムである。これは、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音といった特徴を持ち、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。中でも、室温付近で使用可能な固体高分子形燃料電池は車載用電源や家庭用定置電源等への使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。燃料電池の実用化に向けての課題は、電池の性能向上、インフラ整備とともに、低コストで効率的な膜・電極複合体の製造技術を見出すことにある。
固体高分子形燃料電池は、一般的に、多数の単セルが積層されて構成されている。単セルは、酸化極と還元極の2つの電極で固体高分子電解質膜を挟んで接合した膜・電極接合体を、ガス流路を有するセパレーターで挟んだ構造をしている。典型的な膜・電極接合体では、電解質膜の両面に接合された触媒層の間を電気的に絶縁状態に保つために、電解質膜に触媒層を接合した範囲の周辺に、触媒層が転写されていない電解質膜の範囲が設けられており、その両面に補強及び燃料のリークを防ぐためのシール材が設けられている。
従来、膜・電極接合体を形成する際には、基材上に連続的に触媒層を形成した転写シートを所望の触媒層形状を切り抜いたマスキングフィルムを介して電解質膜に転写した後に、額縁状のシール材を設ける方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、膜・電極接合体を形成する別の方法には、電解質膜に所望の触媒層形状を切り抜いた額縁状のシール材及びマスキングフィルムを貼り付けて、開口部よりも広い範囲に触媒インクを塗布した後に、マスキングフィルムを剥がす方法が知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開2007−172844号公報 特開2010−129247号公報 特開2010−129435号公報
特許文献1による方法では、電解質膜の周縁部を除く面に触媒インクを形成した後に、電解質膜の周縁部に額縁状のシール材を貼り付けるため、シール材の貼り付け位置の位置決めが困難であり、触媒層とシール材のオーバーラップ部や隙間部が生じる不具合が発生する。オーバーラップ部すなわちシール材下の触媒層は、触媒能力を失うため燃料電池の発電に寄与できなくなる。また、隙間部があると、その下の電解質膜が保護されないため、燃料電池の耐久性を著しく低下させることになる。
また、特許文献2,3による方法では、マスキングフィルムを触媒層塗布後に剥がす工程において、マスキングフィルム上の触媒層とともに電解質膜上の触媒ペーストも一緒に剥がれる恐れがある。さらに、額縁状のマスキングフィルムを電解質膜上に設ける際の開口部の位置決めが困難であり、両極の触媒層の位置がずれて有効面積が小さくなり、燃料電池の性能を低下させる恐れがある。
さらに、特許文献1〜3による方法では、いずれも所望の触媒層面積よりも広い範囲に触媒インクを塗布するものの、外側に形成された触媒層は最終的に除去される。このため、大きな材料のロスを生じてコストが上がることとなり、特に触媒材料に白金のような高価な金属を使用する場合には影響が大きい。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電極触媒層とシール材の位置決めが不要、かつアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層の位置決めを簡便かつ確実にし、さらに最終的に除去される部分への余分な触媒インクの塗布を行わずに所望の寸法で電極触媒層を形成することにより、コストを下げることのできる固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、及び製造に用いる触媒層形成用基材を提供することを目的とする。
本発明に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法、及び製造に用いる触媒層形成用基材は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明による固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、電解質膜の両面に、電極触媒層と、当該電極触媒層の外周部にシール材となる樹脂で額縁状に形成した隔壁と、を有する膜・電極接合体の製造方法であって、1組の基材のうちの一方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、第1のアライメントマークとを形成する第1の工程と、前記第1の工程で形成された前記隔壁の内部に、触媒インクを流入して乾燥させて前記電極触媒層を形成する第2の工程と、他方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、前記一方の基材と前記他方の基材との表面を向かい合わせした際に前記第1のアライメントマークと鏡像関係の位置にある第2のアライメントマークとを形成する第3の工程と、前記第3の工程で形成された前記隔壁の内部に、触媒インクを流入して乾燥させて前記電極触媒層を形成する第4の工程と、前記1組の基材を、前記電解触媒層が形成された表面を向かい合わせにして、前記電解質膜を挟んで、前記第1のアライメントマークと前記第2のアライメントマークとを合わせて重ね合わせる第5の工程と、前記第5の工程で前記1組の基材を重ね合わせたことによってできる積層体を、加温加圧することにより密着させる第6の工程と、を有することを特徴とする。
上記の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法によれば、シール材の隔壁内に触媒インクを満たして触媒層を形成してから電解質膜を接合することにより、電極触媒層とシール材とのオーバーラップ部や隙間部のない膜・電極接合体を製造することが可能となる。また、シール材の隔壁とアライメントマークとの位置関係を精度良く形成した後に、隔壁内に触媒層を形成し、両極のアライメントマークを重ね合わせて位置決めすることで、触媒層とシール材との位置合わせが不要、かつアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層との位置決めを、簡便かつ確実に行う。よって、両極の電極触媒層の位置ずれのない膜・電極接合体を製造することが可能となる。
本発明による第1の触媒層形成用基材は、電解質膜の両面に、電極触媒層と、当該電極触媒層の外周部にシール材となる樹脂で額縁状に形成した隔壁と、を有する膜・電極接合体を製造するために用いる触媒層形成用基材であって、1組の基材からなり、前記1組の基材のうちの一方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、第1のアライメントマークとが形成され、他方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、前記一方の基材と前記他方の基材との表面を向かい合わせした際に前記第1のアライメントマークと鏡像関係の位置にある第2のアライメントマークとが形成されたことを特徴とする。
上記の第1の触媒層形成用基材によれば、膜・電極接合体を製造する際に、電極触媒層とシール材との位置決めが不要、かつアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層との位置決めを簡便に行うことが可能となる。
本発明による第2の触媒層形成用基材は、前記隔壁の内部に、前記電極触媒層が形成されたことを特徴とする。
上記の第2の触媒層形成用基材によれば、膜・電極接合体を製造する際に、最終的に除去される部分への余分な触媒インクの塗布を行わずに、所望の寸法で電極触媒層を形成することが可能となる。
本発明による固体高分子形燃料電池は、膜・電極接合体に、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を用いて製造された膜・電極接合体を用いたことを特徴とする。
上記の固体高分子形燃料電池によれば、発電効率及び耐久性の良好な燃料電池を、触媒材料の利用効率良く低コストで得ることが可能となる。
本発明によれば、シール材の隔壁内に触媒インクを満たして電極触媒層を形成してから電解質膜を接合することにより、電極触媒層とシール材の隔壁とのオーバーラップ部や隙間部のない膜・電極接合体を製造することができる。また、隔壁とアライメントマークとの位置関係を精度良く形成した後に、隔壁内に触媒層を形成し、両極のアライメントマークを重ね合わせて位置決めすることで、触媒層とシール材との位置合わせが不要、かつアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層との位置決めを、簡便かつ確実に行うことができる。よって、両極の電極触媒層の位置ずれのない膜・電極接合体を製造することができる。
本発明の本実施形態に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法で用いる触媒層形成用基材10の構造を示す模式上面図である。 本発明の本実施形態に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の位置合わせ工程における触媒層形成用基材10の模式断面図である。 本発明の本実施形態に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法により製造された膜・電極接合体20の模式断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
(触媒層形成用基材10の構造)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法で用いる触媒層形成用基材10の構造を説明する。
図1に示す触媒層形成用基材10は、基材11aと基材11bとの2枚で、1組になっている。基材11a,11bは、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の転写性に優れたフッ素系樹脂を用いることができる。また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムも用いることができる。なお、基材11を通して後述するアライメントマークを確認し、位置合わせを行うため、基材11は透明であることが望ましい。
一方の基材11aの表面には、シール材となる樹脂を用いて、額縁状の隔壁12とアライメントマーク13が、互いに位置精度良く一括形成されている。隔壁12の開口部は、触媒層形成用基材10を用いて製造される膜・電極接合体の電極触媒層と同一の形状になっている。他方の基材11bの表面にも、シール材となる樹脂を用いて、額縁状の隔壁12とアライメントマーク14が、互いに位置精度良く一括形成されてれいる。また、基材11bの隔壁12の開口部も、触媒層形成用基材10を用いて製造される膜・電極接合体の電極触媒層と同一の形状になっている。
また、2枚の基材11a,11bを、アライメントマーク13が形成された面Aと、アライメントマーク14が形成された面Bを内側にして対向させた際に、アライメントマーク13とアライメントマーク14とは、鏡像関係の位置にある。アライメントマーク13とアライメントマーク14とが鏡像関係の位置に形成されていることにより、アライメントマーク13とアライメントマーク14とを合わせて、2枚の基材11a,11bを重ねることができるようになっている。
なお、アライメントマーク13は、1枚の基材上に少なくとも2個あればよい。例えば、1枚の基材上に、アライメントマーク13が2個ずつある場合には、アライメントマーク13が対角にそれぞれ配置されていることが望ましい。また、アライメントマーク14についても同様である。
さらに、アライメントマーク13,14の形状については、十字や四角形等を使用することができる。アライメントマーク13とアライメントマーク14とは、同一形状でも異なった形状でも良いが、重ね合わせた際に位置決めし易い形状が好ましい。例えば、十字と十字、四角い枠と十字の組み合わせ等が考えられるが、これらに限らない。
基材11aの表面Aに隔壁12とアライメントマーク13とを、基材11bの表面Bに隔壁12とアライメントマーク14とを、互いに位置精度良く一括形成する方法としては、スクリーン印刷、反転印刷等を用いることができる。
また、シール材には、フッ素系接着剤、シリコン系接着剤、ポリエチレンナフタレートやポリカーボネートのようなエンジニアリングプラスチックの樹脂溶液等が使用できる。
(膜・電極接合体の製造方法)
続いて、図2及び図3をも参照して、本発明の実施形態に係る膜・電極接合体の製造方法により膜・電極接合体を製造する工程を説明する。
まず、図1に示した基材11aの隔壁12で囲まれた部分に、予め調液した触媒インクを所望の触媒量となるよう流入して触媒インク中の溶媒を乾燥させることにより、アノード側の電極触媒層15aを形成する。同様にして、図1に示した基材11bの隔壁12で囲まれた部分に、触媒インクを流入して触媒インク中の溶媒を乾燥させることにより、カソード側の電極触媒層15bを形成する。これにより、触媒層形成用基材10を転写用基材として用いることができる。
そして、図2に示すように、対となるアライメントマーク13を有する基材11aの表面Aと,アライメントマーク14を有する基材11bの表面Bとを対向させた上で、電解質膜16を挟んで配置する。そして、この状態で、アライメントマーク13とアライメントマーク14との位置合わせを正確に行うことにより、電極触媒層15aと電極触媒層15bとの間に電解質膜16が挟まれていても、対向する2つの電極触媒層15a,15bの位置を正確に合わせることができる。
このような触媒層形成用基材10を用いて膜・電極接合体を製造することで、電極触媒層15aと隔壁12との位置決めが不要、かつアノード側の電極触媒層15aとカソード側の電極触媒層15bとの位置決めを簡便に行うことができる。また、隔壁12の内部の全体に、電極触媒層15a,15bが形成されていることで、最終的に除去される部分への余分な触媒インクの塗布を行わずに、所望の寸法で電極触媒層15a,15bを形成することができる。
アライメントマーク13,14による位置合わせ工程を行った後、2枚の基材11a,11bを重ねたことによってできる積層体を加温・加圧することにより、隔壁12、電極触媒層15a,15b及び電解質膜16を一つに接合する。そして、最後に、積層体から基材11a,11bを剥離することにより、図3に示すような膜・電極接合体20が得られる。
触媒には、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属又はこれらの合金、又は酸化物、複酸化物、炭化物等が使用することができる。
また、これらの触媒を担持するカーボンは、微粉末状で導電性を有し、触媒に侵されないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、フラーレンが好ましく使用できる。
高分子電解質膜及びプロトン伝導性高分子には様々なものが用いられるが、電解質膜と電極の界面抵抗や、湿度変化時の電極と電解質膜における寸法変化率の点から考慮すると、使用する電解質膜と触媒層中のプロトン伝導性高分子は同じ成分であるのが良い。
また、膜電極接合体に用いられるプロトン電導性高分子としては、プロトン伝導性を有するものであればよく、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)等を用いることができる。炭化水素系高分子電解質としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等を用いることができる。中でも、高分子電解質膜としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。
また、触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子やプロトン伝導性高分子を浸食することがなく、流動性の高い状態でプロトン伝導性高分子を溶解又は微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はない。溶媒にはプロトン伝導性高分子となじみがよい水が含まれていてもよい。水の添加量は、プロトン伝導性ポリマーが分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましいが、溶剤として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。
接合工程で電極触媒層15a,15bにかかる圧力は、膜・電極接合体の電池性能に影響する。電池性能の良い膜電極接合体を得るには、積層体にかかる圧力は、0.5〜20MPaであることが望ましく、より望ましくは2〜15MPaである。これ以上の圧力では電極触媒層15a,15bが圧縮されすぎ、またこれ以下の圧力では電極触媒層15a,15bと高分子電解質膜の接合性が低下して、電池性能が低下する。
接合時の温度は、特に、高分子電解質膜及び電極触媒層15a,15bのプロトン電導性高分子のガラス転移点付近に設定するのが、高分子電解質膜と電極触媒層の界面の接合性が向上し、界面抵抗を抑えられる点で効果的であり、望ましい。
固体高分子形燃料電池の膜・電極接合体に、上述した製造方法を用いて製造された膜・電極接合体を用いることで、発電効率及び耐久性の良好な燃料電池を効率良く、かつ低コストで得ることができる。
(実施例)
また、実施例として、PTFEシートの表面に市販の変性シリコーン樹脂(商品名:PM100、セメダイン製)をスクリーン印刷し、隔壁及びアライメントマーク2個が対角に形成された触媒層形成用基材の基材を1組作製した。一方で、白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と水、エタノールの混合溶媒とプロトン伝導性高分子(ナフィオン:Nafion, デュポン社の登録商標)溶液を混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行い、触媒インクを調製した。触媒層形成用基材の隔壁の内側の全体に触媒インクを流入し、80℃のオーブンで乾燥させ、転写用基材を得た。この2枚の基材を、高分子電解質膜(ナフィオン212:登録商標、Dupont社製)の両面に対面するように配置し、アノード側のアライメントマークと、カソード側のアライメントマークとを重ね合わせた。そして、2枚の基材を重ねたことによってできる積層体をホットプレスした後に、PTFEシートを剥離することで、膜・電極結合体を得た。
(比較例)
また上記の比較例として、触媒インクをPTFEシートの表面に塗布し、80℃のオーブンで乾燥させた後、電極触媒層を所望の大きさに切り抜いて、転写用基材を得た。この2枚の基材を用意して、高分子電解質膜(ナフィオン212:登録商標、Dupont社製)の両面に対面するように配置し、ホットプレスした後にPTFEシートを剥離することで、膜・電極結合体の中間体を得た。この中間体の電極触媒層で覆われていない電解質膜上に、枠状のシリコーンゴムシートを接合することで、膜・電極接合体を得た。
上記の実施例においては、電極触媒層とシール材の隔壁とのオーバーラップ部や隙間部で位置ずれがなく、またアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層との位置ずれがない膜・電極接合体を得ることができた。一方、上記の比較例においては、電極触媒層とシール材の隔壁とのオーバーラップ部や隙間部で位置ずれがあり、またアノード側の電極触媒層とカソード側の電極触媒層との位置ずれがある膜・電極接合体が得られた。
本発明に係る固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法で用いて製造された膜・電極接合体は、触媒層とシール材の隔壁とのオーバーラップ部や隙間部、アノード触媒層とカソード触媒層の位置ずれがなく、発電効率及び耐久性が良好である。また、この製造方法によれば、所望の範囲にのみ触媒インクを塗布できるため、余分な触媒インクを使用せずに済み、製造上の触媒材料ロスを低減して高価な白金の使用量を低減することができる。
従って、上記の製造方法で製造された固体高分子形燃料電池を、特に定置型コジェネレーションシステムや電気自動車等に好適に用いることができる。また、その固体高分子形燃料電池を製造する際に、コストを削減して製造する方法として用いることができる。
10……触媒層形成用基材
11a,11b……基材
12……隔壁
13,14……アライメントマーク
15a……電極触媒層(アノード側)
15b……電極触媒層(カソード側)
16……高分子電解質膜
20……膜・電極接合体

Claims (3)

  1. 電解質膜の両面に、電極触媒層と、当該電極触媒層の外周部にシール材となる樹脂で額縁状に形成した隔壁と、を有する膜・電極接合体の製造方法であって、
    1組の基材のうちの一方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、第1のアライメントマークとを形成する第1の工程と、
    前記第1の工程で形成された前記隔壁の内部に、触媒インクを流入して乾燥させて前記電極触媒層を形成する第2の工程と、
    他方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、前記一方の基材と前記他方の基材との表面を向かい合わせした際に前記第1のアライメントマークと鏡像関係の位置にある第2のアライメントマークとを形成する第3の工程と、
    前記第3の工程で形成された前記隔壁の内部に、触媒インクを流入して乾燥させて前記電極触媒層を形成する第4の工程と、
    前記1組の基材を、前記電解触媒層が形成された表面を向かい合わせにして、前記電解質膜を挟んで、前記第1のアライメントマークと前記第2のアライメントマークとを合わせて重ね合わせる第5の工程と、
    前記第5の工程で前記1組の基材を重ね合わせたことによってできる積層体を、加温加圧することにより密着させる第6の工程と、
    を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  2. 電解質膜の両面に、電極触媒層と、当該電極触媒層の外周部にシール材となる樹脂で額縁状に形成した隔壁と、を有する膜・電極接合体を製造するために用いる触媒層形成用基材であって、
    1組の基材からなり、
    前記1組の基材のうちの一方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、第1のアライメントマークとが形成され、
    他方の基材の表面に前記樹脂で、前記隔壁と、前記一方の基材と前記他方の基材との表面を向かい合わせした際に前記第1のアライメントマークと鏡像関係の位置にある第2のアライメントマークとが形成されたことを特徴とする触媒層形成用基材。
  3. 前記隔壁の内部に、前記電極触媒層が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の触媒層形成用基材。
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