JP5569265B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
この従来技術によれば、車両の走行状態に応じて各々の液圧ポンプを作動させることにより、常に、車両駆動用モータへ十分な冷却油を供給することができる。
このように、上述した冷却装置においては、液圧ポンプが吸引した空気を排除するために、チッェクボール弁やキャッチタンクを設けており、構成が複雑化するとともに装置が大型化し、コストの増大を余儀なくされている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成によって、ハウジング内に油を吐出する液圧ポンプが空気を吸引することを低減することのできる回転電機を提供することにある。
ここで、フィルタを覆う部位は、必ずしもステータ等を収容するハウジング本体と一体化されていなくてもよく、ハウジング本体と別体の部材をハウジング本体に取り付け、当該部材によりフィルタが覆われていてもよい。
また、フィルタと貯留部とを連通させる開口は、フィルタを覆った部位に複数個形成されていてもよい。
このため、ハウジングによりフィルタと貯留部とが隔離され、油面が傾斜あるいは揺動してもフィルタが油面上に露出することがなく、液圧ポンプが空気を吸引することを低減することができる。
本発明者は、ロータの回転によって、ハウジング内におけるロータの回転方向下流側の油面が、ロータの非回転時における油面よりも高くなることを見出した。したがって、開口をロータの回転方向下流側に位置させることにより、開口が空気にさらされることを防止し、液圧ポンプが空気を吸引することをさらに低減することができる。
また、図1において、切換弁16、油圧ポンプ17およびリザーバ部18は電動モータ1と別体に記載されているが、実際には、切換弁16および油圧ポンプ17はクラッチ装置3とともに電動モータ1と一体化され、リザーバ部18は、モータハウジング11内に形成されている。これにより、電動モータ1、クラッチ装置3、切換弁16および油圧ポンプ17によって、フロントモジュールMD(本発明の回転電機に該当する)を形成している。
ハイブリッドECU82には、上述した切換弁16および油圧ポンプ17が電気的に接続されており、それぞれの作動を制御している。
また、車両の走行中において加速する必要が生じた場合、クラッチ装置3を接続し、電動モータ1に加えてエンジン2の駆動力により走行する。
車両のブレーキ操作が行われた場合、クラッチ装置3の接続が解除された上で回生制動が行われる。さらに、電動モータ1は、クラッチ装置3を介してエンジン2により駆動され、発電機としても機能する。
また、電動モータ1を構成するロータ13とエンジン2との間には、湿式多板クラッチであるクラッチ装置3が介装されている。クラッチ装置3は、エンジン2、電動モータ1およびトランスミッション4の回転軸でもある回転軸Cを中心に回転する。
また、ステータ14の半径方向内方には、電動モータ1のロータ13が配置されている。ロータ13は、ステータ14と所定のギャップを保持しながら対向するように設けられている。ロータ13は、複数の積層鋼板131が一対の保持プレート132a、132bにより挟まれた状態で、固定部材133を貫通させて端部をかしめることにより形成されている。また、ロータ13の円周上には、複数の界磁極用マグネット134が設けられている。
また、クラッチアウタ33には回転位置センサ15の可動体151が形成されており、可動体151と対向するように固定壁111に設けられた検出体152により、クラッチアウタ33が取り付けられたロータ13の回転位置が検出されている。
また、プランジャ部材35の外周端には、軸方向に延びた当接部351が形成され、当接部351の内周面および収容部333に対し、固定部材36が液密的に嵌合している。固定部材36は、図2における左方には移動不能に形成されている。これにより、収容部333、プランジャ部材35および固定部材36とによって、圧力室PCが形成されている。尚、クラッチアウタ33、従動プレート34および固定部材36を包括した構成が、本発明の伝達部材に該当する。
また、供給通路111bには潤滑孔111eが接続されており、油圧ポンプ17からの液圧は、潤滑孔111eを介して潤滑油あるいは冷却油として軸受38にも供給される。
図2に示すように、モータハウジング11の上端部にはオイル供給孔111fが貫通しており、オイル供給孔111fからリザーバ部18内にオイルが注入される。オイル供給孔111fには、封止プラグ113が螺着され、モータハウジング11内を外部と遮断している。
また、ストレーナ19を覆った部位の下方部には、ストレーナ19の下面とリザーバ部18とを連通させる吸引口114a(本発明の開口に該当する)が貫通している。換言すれば、吸引口114aはリザーバ部18とストレーナ室115とを連通している。
油圧ポンプ17により吐出されたオイルは、接続路118および切換弁16を介して前述したオイル通路111aへと供給され、クラッチ装置3の接続を解除するための作動油として機能する。
また、前述したように、油圧ポンプ17により吐出されたオイルは、潤滑孔111eを介して潤滑油あるいは冷却油として軸受38にも供給される。
また、リザーバ部18内のオイルは、ロータ13が回転することにより掻き上げられて、電動モータ1またはクラッチ装置3の冷却油、あるいは、潤滑油としても機能する。
また、モータハウジング11の外周壁114の下端部には、リザーバ部18内のオイルをモータハウジング11の外部に排出させるためのドレイン孔111gが貫通している。リザーバ部18内にオイルを封入している場合、ドレイン孔111gにはシールプラグ119が螺着されている。図3に示すように、モータハウジング11に設けられた吸引口114aとドレイン孔111gは、中心が互いに同軸上に位置するように形成されている。
また、ストレーナ19とリザーバ部18とを連通させる吸引口114aは、ストレーナ19の下方に形成されているため油面上に露出することがなく、油圧ポンプ17は空気を吸い込むことがなく、吸引口114aを介してリザーバ部18内のオイルを確実に吸引することができる。
また、吸引口114aとドレイン孔111gは、中心が互いに同軸上に位置するように形成されていることにより、少なくとも、モータハウジング11上に吸引口114aおよびドレイン孔111gの下穴(ドレイン孔111gに雌螺子山を設ける前に形成する孔)を形成する場合に、ドリル等を使用した一つの穿孔工程によって同時に形成することができ、加工工程を低減することができる。
また、複数の切削径を有する段付ドリルを使用することにより、吸引口114aとドレイン孔111gの下穴との間に内径の差があっても、一つのドリルによる切削工程によって双方を同時に加工することができる。
本発明者は、ロータ13の回転によって、モータハウジング11内におけるロータ13の回転方向下流側の油面が、ロータ13の非回転時における油面よりも高くなることを見出した。一方、ロータ13の回転によって、モータハウジング11内におけるロータ13の回転方向上流側の油面は、ロータ13の非回転時における油面よりも低くなることも分かった。
また、図4において、ロータ13が非回転状態にあり、かつ、電動モータ1の横方向(図3における右方)への加速度が働いた場合の油面を二点鎖線F3にて示し、この状態に加え、さらに、ロータ13が時計回りに回転した場合の油面を実線F4にて示している。
これから分かるように、吸引口114aをロータ13の回転方向下流側に位置させることにより、吸引口114aが空気にさらされることを防止し、油圧ポンプ17が空気を吸引することをさらに低減することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
油圧ポンプ17により吐出されるオイルは、クラッチ装置3を断続させるための作動油としてのみ機能させてもよいし、モータハウジング11内の各部材の冷却油あるいは潤滑油としてのみ機能させてもよい。
また、ストレーナ19を覆う部位は、必ずしもステータ14等を収容するモータハウジング11の本体部分と一体化されていなくてもよく、モータハウジング11の本体部分と別体の部材を本体部分に取り付け、当該部材によりストレーナ19が覆われていてもよい。
また、吸引口114aは必ずしもストレーナ19の下方に形成されていなくてもよく、例えば、ストレーナ19の側面とリザーバ部18とを連通していてもよい。
また、クラッチ装置3は、単板式のクラッチ装置であってもよい。
また、本発明による電動モータ1は、電動機としてのみ使用してもよいし、発電機としてのみ使用してもよい。
Claims (5)
- ハウジングに取り付けられたステータと、
前記ステータと半径方向に対向して設けられ、前記ステータに対し回転可能なロータと、
前記ハウジング内に形成された油の貯留部と、
前記貯留部内に配置されたフィルタと、
吸入口が前記フィルタと接続され、前記フィルタを介して吸い込んだ前記貯留部内の油を前記ハウジング内に吐出し、前記ハウジング内において冷却油または潤滑油もしくは作動油として機能させる液圧ポンプと、
を備えた回転電機であって、
前記フィルタは、
前記ハウジングの壁部から前記貯留部内に突出しており、
前記ハウジングは、
前記フィルタの前記貯留部内に突出している部位を覆って、前記フィルタと前記貯留部とを隔離するとともに、前記フィルタを覆った部位には、前記フィルタと前記貯留部とを連通させる開口を有しており、
前記開口を通った前記貯留部内の油が、前記フィルタを通過して前記液圧ポンプにより吸引されることを特徴とする回転電機。 - 前記ロータは、
クラッチ装置を介して、エンジンの駆動力により回転する入力部材と接続され、
前記クラッチ装置は、
前記ロータと連結され、前記入力部材に対して相対回転可能な伝達部材と、
回転軸方向に移動可能で、前記入力部材および前記伝達部材のうちの一方とともに回転可能な摩擦部材と、
回転軸方向に移動可能で、前記摩擦部材を、前記入力部材および前記伝達部材のうちの他方に向けて押圧する押圧部材と、
前記入力部材および前記伝達部材のうちのいずれかに取り付けられ、前記押圧部材を回転軸方向に付勢する弾性部材と、
前記入力部材および前記伝達部材のうちのいずれかと、前記押圧部材における前記弾性部材が取り付けられた側と反対側との間に形成された圧力室と、
を備え、
前記弾性部材からの付勢力を受けた前記押圧部材によって前記摩擦部材が押圧され、前記入力部材および前記伝達部材のうちの他方に対して圧着されることにより、前記入力部材と前記ロータとの間において駆動力が伝達され、
前記圧力室に前記液圧ポンプから吐出された液圧が供給されることにより、前記弾性部材を撓ませて前記押圧部材による前記摩擦部材に対する付勢を解除し、前記入力部材と前記ロータとの間の駆動力の伝達を遮断する、
あるいは、
前記圧力室に前記液圧ポンプから吐出された液圧が供給されることにより、前記弾性部材の付勢力に抗して前記押圧部材を付勢し、付勢力を受けた前記押圧部材によって前記摩擦部材が押圧され、前記入力部材および前記伝達部材のうちの他方に対して圧着されることにより、前記入力部材と前記ロータとの間において駆動力が伝達され、
前記液圧ポンプからの液圧が解除されることにより、前記弾性部材により前記押圧部材が前記摩擦部材から離れる方向に付勢され、前記入力部材と前記ロータとの間の駆動力の伝達を遮断することを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記ハウジングの下端部には、
前記貯留部内の油を排出させるためのドレイン孔が貫通しており、
前記開口と前記ドレイン孔は、中心が互いに同軸上に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。 - 前記開口は、
前記ロータの回転軸を含んだ沿直方向に延びる平面に対して、前記ロータの回転方向下流側に位置することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記貯留部内において、前記ハウジングの底部と前記開口が形成された前記ハウジングの部位とが対向しており、双方の間には、油が滞留する空間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の回転電機。
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