JP5567305B2 - 磁気シールドシステム及び磁気シールド方法 - Google Patents

磁気シールドシステム及び磁気シールド方法 Download PDF

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Description

この発明は、磁気を低減するための磁気シールドシステム及び磁気シールド方法に関する。
従来、電子線描画装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に対する磁気ノイズ(環境磁気ノイズ)の影響を低減するために、アクティブ磁気シールドを構築することが提案されていた。このアクティブ磁気シールドは、フィードバック方式とフィードフォワード方式に大別される。
フィードバック方式のアクティブ磁気シールドは、磁気ノイズの影響を低減したい空間(例えば電子線描画装置やMRIを配置する室内。以下「磁気低減対象空間」)の内部にピックアップセンサを配置すると共に、磁気低減対象空間の近傍に補償コイルを配置して構成されていた(例えば特許文献1参照)。そして、磁気低減対象空間の磁場をピックアップセンサで計測し、この磁場と逆相の磁場を補償コイルによって生成することで、磁気ノイズを低減していた。この際、磁場の計測と、逆相の磁場の生成は、直交するX、Y、Z軸について相互に独立して行っていた。
一方、フィードフォワード方式のアクティブ磁気シールドは、磁気低減対象空間から離れた位置にピックアップセンサを配置すると共に、磁気低減対象空間の近傍に補償コイルを配置して構成されていた(例えば特許文献2参照)。そして、遠方のノイズ源から磁気低減対象空間に向かう磁場をピックアップセンサで計測し、この磁場と逆相の磁場を補償コイルによって生成することで、磁気ノイズを低減していた。
特開2008−78529号公報 特願2002−257914号公報
ここで、遮蔽の対象である磁気ノイズには、1)磁気低減対象空間から遠方に存在するノイズ源(例えば、電車や自動車)から発せられるものであって、空間的に均一で線形の磁気ノイズ(以下「均一磁場成分ノイズ」)、2)磁気低減対象空間からある程度離れて存在するノイズ源(例えば、ファン、空調器、電気幹線、エレベータ)から発せられるものであって、空間的に不均一であるが線形の磁気ノイズ(以下「傾斜磁場成分ノイズ」)、及び、3)磁気低減対象空間の近傍や内部に存在するノイズ源(例えば、電線や、電子線描画装置及びMRI以外の装置のファン)から発せられるものであって、空間的に非線形なノイズ(以下「非線形ノイズ」)がある。
上記従来のアクティブ磁気シールド装置の中で、フィードバック方式のものは、直交するX、Y、Z軸について独立した制御を行う一方で、磁気を制御したい空間内(補償コイルにて囲繞された空間内)にピックアップセンサを配置していたので、補償コイルで生成された特定の軸方向の磁場が、他の軸方向に入射して干渉を引き起こしてしまう。このため、このアクティブ磁気シールド装置では、均一磁場成分ノイズの低減には有効であるものの、傾斜磁場成分ノイズや非線形ノイズについては、磁場の干渉が生じるために十分な低減効果を得ることができず、他軸のノイズを増幅してしまう可能性が大きかった。
また、これらの問題点を解決すべく、補償コイルの3軸全てに流す電流を統合的に調整した上で、各軸方向の補償磁場を決定するフィードバック方式のアクティブ磁気シールド装置も提案されていた。しかし、このような方式においても、補償コイルの磁気によってピックアップセンサの出力が変動するため、補償コイルに流すための電流値を実際に決定することは困難であり、また、仮に電流値を決定できた場合であっても、非線形ノイズを低減することはできなかった。
一方、上記従来のアクティブ磁気シールド装置の中で、フィードフォワード方式のものは、ピックアップセンサに入射する磁気ノイズと、補償コイルの位置における磁気ノイズとが相互に一致する場合にのみ、磁気ノイズを適切に低減することが可能になる。従って、均一磁場成分ノイズの低減には有効であるものの、傾斜磁場成分ノイズや非線形ノイズを低減することはできなかった。
さらに、このようなフィードフォワード方式に対して、傾斜磁場成分ノイズの低減を可能としたフィードフォワード方式も提案されていた。この方式のアクティブ磁気シールド装置は、磁気ノイズ検出器と補償コイルを備えて構成されており、磁気ノイズ検出器は、磁気低減対象空間を挟むように対向配置した1組(例えばZ軸)又は2組(例えばZ軸とX軸)の誘導コイルと、低周波増幅器を備えて構成されていた。そして、各誘導コイルの出力に基づいて、各軸毎の均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズを算定し、これら均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズを打ち消すための磁場を補償コイルにて生成していた。
図9には、特定の一平面(ここではX軸−Z軸面)における磁気ノイズを示す。ここでは、誘導コイルX1から誘導コイルX2に至る方向又はその逆方向と、誘導コイルZ1から誘導コイルZ2に至る方向又はその逆方向に対して、磁気ノイズが入射している状態を示す。図10には、従来のフィードフォワード方式のアクティブ磁気シールド装置にて低減可能なノイズ成分を示す。従来のアクティブ磁気シールド装置では、X軸方向の均一磁場成分ノイズを、誘導コイルX1の出力と誘導コイルX2の出力との加算成分(X1+X2)、Z軸方向の均一磁場成分ノイズを、誘導コイルZ1の出力と誘導コイルZ2の出力との加算成分(Z1+Z2)、X軸方向の傾斜磁場成分ノイズを、誘導コイルX1の出力と誘導コイルX2の出力との差分成分(X1−X2)、Z軸方向の傾斜磁場成分ノイズを、誘導コイルZ1の出力と誘導コイルZ2の出力との差分成分(Z1−Z2)として算定し、これら均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズを打ち消すための磁場を補償コイルにて生成していた。この構成によれば、図9に示す磁気ノイズを低減することが可能となる。
しかしながら、このようなフィードフォワード方式のアクティブ磁気シールド装置は、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズを低減できるものの、各軸において対向する誘導コイルの両方で検出できるノイズ成分しか低減できないため、一方の誘導コイルでしか検知できないような非線形ノイズに対しては低減効果を得ることができなかった。図11には、特定の一平面(ここではX軸−Z軸面)における非線形ノイズを含む磁気ノイズを示す。ここでは、図9と同じ磁気ノイズに加えて、誘導コイルZ1から誘導コイルX1、X2に至る方向と、誘導コイルZ2から誘導コイルX1、X2に対して、非線形ノイズが入射している状態を示す。このような非線形ノイズは、従来のアクティブ磁気シールド装置では低減することができなかった。
実際には、電子線描画装置やMRIが設置された磁気低減対象空間では、これらの装置の近傍の電線や他の装置に起因する非線形ノイズが大きく分布していたり、あるいは、電子線描画装置は本体が磁性体であるため、均一磁場成分ノイズでさえも電子線描画装置の影響で非線形ノイズになる等、非線形ノイズを低減することが要望されていた。
本発明は、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズに加えて、非線形ノイズについても低減を行うことが可能な磁気シールドシステム及び磁気シールド方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の磁気シールドシステムは、磁気検出対象空間を挟んで相互に対向する位置に並設された一対の磁気検出コイルを、その中心軸が相互に非平行となるように複数組設け、磁気低減対象空間に対して磁気を印加する磁気印加手段であって、当該磁気が前記磁気検出コイルを通過することがないように、当該磁気を印加する磁気印加手段と、前記複数組の一対の磁気検出コイルの出力に基づいて、各組における前記一対の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記複数組の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定し、当該算定した各加算成分及び各差分成分に基づいて、前記磁気低減対象空間の磁場が最小となるように、前記磁気印加手段を用いて、前記磁気低減対象空間に対して磁気を印加させる制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の磁気シールドシステムは、請求項1に記載の磁気シールドシステムにおいて、前記複数組の一対の磁気検出コイルとして、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルとを備え、前記制御手段は、前記一対の第1磁気検出コイルと前記一対の第2磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイルと前記第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定することを特徴とする。
また、請求項3に記載の磁気シールドシステムは、請求項1に記載の磁気シールドシステムにおいて、前記複数組の一対の磁気検出コイルとして、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルと、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸方向に沿った中心軸を有する一対の第3磁気検出コイルとを備え、前記制御手段は、前記一対の第1磁気検出コイル、前記一対の第2磁気検出コイル、及び前記一対の第3磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイル、前記第2磁気検出コイル、及び前記第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定することを特徴とする。
また、請求項4に記載の磁気シールドシステムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気シールドシステムにおいて、前記磁気検出対象空間を、前記磁気低減対象空間を囲繞するように設定したことを特徴とする。
また、請求項5に記載の磁気シールドシステムは、請求項4に記載の磁気シールドシステムにおいて、前記磁気印加手段の中心軸を、前記複数組の一対の磁気検出コイルの中心軸に一致させたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の磁気シールド方法は、磁気検出対象空間を挟んで相互に対向する位置に並設された一対の磁気検出コイルであって、その中心軸が相互に非平行となるように複数組設けられた一対の磁気検出コイルからの出力を取得する出力取得工程と、前記出力取得工程において取得した出力に基づいて、各組における前記一対の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記複数組の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定する算定工程と、磁気低減対象空間に対して磁気を印加する磁気印加手段であって、当該磁気が前記磁気検出コイルを通過することがないように、当該磁気を印加する磁気印加手段を用いて、前記算定工程において算定した各加算成分及び各差分成分に基づいて、前記磁気低減対象空間の磁場が最小となるように磁気を印加する磁気印加工程とを含むことを特徴とする。
また、請求項7に記載の磁気シールド方法は、請求項6に記載の磁気シールド方法において、前記出力取得工程において、前記複数組の一対の磁気検出コイルとしての、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルとから、出力を取得し、前記算定工程において、前記一対の第1磁気検出コイルと前記一対の第2磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイルと前記第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定することを特徴とする。
また、請求項8に記載の磁気シールド方法は、請求項6に記載の磁気シールド方法において、前記出力取得工程において、前記複数組の一対の磁気検出コイルとしての、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルと、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸方向に沿った中心軸を有する一対の第3磁気検出コイルとから、出力を取得し、前記算定工程において、前記一対の第1磁気検出コイル、前記一対の第2磁気検出コイル、及び前記一対の第3磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイル、前記第2磁気検出コイル、及び前記第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定することを特徴とする。
また、請求項9に記載の磁気シールド方法は、請求項6から8のいずれか一項に記載の磁気シールド方法において、前記磁気検出対象空間を、前記磁気低減対象空間を囲繞するように設定したことを特徴とする。
請求項1に記載の磁気シールドシステム及び請求項6に記載の磁気シールド方法によれば、磁気検出対象空間に入射する磁気ノイズの成分の中で、相互に非平行な複数の中心軸に関する全ての磁気ノイズ成分、すなわち、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズに加えて、非線形ノイズについて、それぞれ低減することが可能となるため、磁気低減対象空間の磁気ノイズを効果的に低減することができる。また、各磁気検出コイルの相対的な位置を固定的に限定することなく磁気ノイズを低減でき、各磁気検出コイルの組み立て精度が低くてもよいため、磁気シールドシステムの構成が容易である。
また、請求項2に記載の磁気シールドシステム及び請求項7に記載の磁気シールド方法によれば、相互に直交する2軸に関する全ての磁気ノイズ成分、すなわち、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズに加えて、非線形ノイズについて、それぞれ低減することが可能となるため、磁気ノイズを効果的に低減することができる。
また、請求項3に記載の磁気シールドシステム及び請求項8に記載の磁気シールド方法によれば、相互に直交する3軸に関する全ての磁気ノイズ成分、すなわち、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズに加えて、非線形ノイズについて、それぞれ低減することが可能となるため、磁気ノイズを効果的に低減することができる。
また、請求項4に記載の磁気シールドシステム及び請求項9に記載の磁気シールド方法によれば、磁気低減対象空間を、磁気検出対象空間を囲繞するように設定したので、磁気低減対象空間に実際に入射している磁気ノイズを磁気検出手段によって正確に検出することができ、磁気低減対象空間の磁気ノイズを一層効果的に低減することができる。
また、請求項5に記載の磁気シールドシステムによれば、磁気印加手段の中心軸を、磁気検出コイルの中心軸に一致させたので、磁気印加手段にて印加した磁気が磁気検出コイルの磁気検出に与える影響を低減でき、磁気ノイズを効果的に低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る磁気シールドシステムの斜視図である。 図1の制御装置における制御回路の回路図である。 加算成分及び差分成分を示す図である。 補償コイルに入力される電流値を決定するための算定式である。 実施の形態2に係る磁気シールドシステムの斜視図である。 加算成分及び差分成分(X軸−Y軸平面)を示す図である。 加算成分及び差分成分(Z軸−Y軸平面)を示す図である。 補償コイルに入力される電流値を決定するための算定式である。 特定の一平面(X軸−Z軸面)における磁気ノイズを示す図である。 従来のフィードフォワード方式のアクティブ磁気シールド装置にて低減可能なノイズ成分を示す図である。 特定の一平面(X軸−Z軸面)における非線形ノイズを含む磁気ノイズを示す図である。 (a)は正12面体となるように磁気検出コイルを組み合わせた変形例を示す図、(b)は正20面体となるように磁気検出コイルを組み合わせた変形例を示す図である。 変形例に係る磁気検出コイルと補償コイルの相互の位置関係を示す斜視図である。 さらなる変形例に係る磁気検出コイルと補償コイルの相互の位置関係を示す斜視図である。 さらなる変形例に係る磁気検出コイルと補償コイルの相互の位置関係を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る磁気シールドシステム及び磁気シールド方法の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る磁気シールドシステム及び磁気シールド方法は、フィードフォワード方式のアクティブ磁気シールドを構築するシステムであり、例えば電子線描画装置やMRIを含む任意の機器が配置された磁気低減対象空間における磁気ノイズを低減することを目的とするものである。この磁気シールドシステムは、磁気検出対象空間を挟むように配置された複数組の磁気検出コイル(誘導コイル)と、磁気低減対象空間に対して磁気を印加する磁気印加手段と、磁気検出コイルの出力に基づいて磁気印加手段を制御して磁気低減対象空間に磁気を印加させる制御手段を備える。ここで、磁気検出対象空間とは、磁気低減対象空間における磁気ノイズを検出するために、磁気検出コイルによる磁気検出の対象とされる空間であって、磁気低減対象空間と同一の空間である場合と、磁気低減対象空間とは異なる空間である場合があり、この点の詳細については後述する。なお、磁気検出コイルの設置組数は任意であるが、以下では、実施の形態1においてX軸とZ軸の2組、実施の形態2においてX軸とZ軸とY軸の3組の磁気検出コイルを設けた例について説明する。
このような構成において、本実施の形態の特徴の一つは、各軸毎の加算成分及び差分成分に加えて、各軸相互間の加算成分及び差分成分を算定し、当該算定した各加算成分及び各差分成分に基づいて、補償コイル内部の評価点の磁場が最小となるように、補償コイルを用いて磁気を印加させる点にある。この構成によれば、均一磁場成分ノイズ及び傾斜磁場成分ノイズに加えて、非線形ノイズについても低減を行うことが可能になる。また、各磁気検出コイルの相対的な位置を固定的に限定することなく磁気ノイズを低減でき、各磁気検出コイルの組み立て精度が低くてもよいため、磁気シールドシステムの構成が容易である。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態に係る磁気シールドシステム及び磁気シールド方法の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、2組(例えばX軸とZ軸)の磁気検出コイルを備えた形態である。
(構成)
最初に磁気シールドシステムの構成について説明する。図1は本実施の形態1に係る磁気シールドシステムの斜視図である。この磁気シールドシステム1は、一対の磁気検出コイルX1、X2、一対の磁気検出コイルZ1、Z2、補償コイル2、及び制御装置3を備えて構成されている。なお、以下の説明において、磁気検出対象空間4及び磁気低減対象空間5の座標(X−Y−Z軸)は、図1に示すように設定するものとする。
磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2は、磁気検出対象空間4に入射する磁気ノイズを検出する磁気検出手段である。このうち、一対の磁気検出コイルX1、X2は、磁気検出対象空間4を挟んで相互に対向する位置に並設されるもので、各々の中心軸がX軸に沿うように、かつ、各々の中心軸が相互に一致するように配置された第1磁気検出コイルである。他の一対の磁気検出コイルZ1、Z2は、磁気検出対象空間4を挟んで相互に対向する位置に並設されるもので、各々の中心軸がZ軸に沿うように、かつ、各々の中心軸が相互に一致するように(一対の磁気検出コイルX1、X2の中心軸に対して直交する中心軸を有するように)配置された第2磁気検出コイルである。これら各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の具体的構成は任意であるが、例えば、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2は、木製やアルミニウム製の角材から形成した方形環状のフレームに銅線を巻き付けることで構成される。
好ましくは、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2は相互に同一の正方形状に構成され、一対の磁気検出コイルX1、X2の相互間隔と一対の磁気検出コイルZ1、Z2の相互間隔とは相互に等しく、かつ、一対の磁気検出コイルX1、X2の相互の中心位置と一対の磁気検出コイルZ1、Z2の相互の中心位置とが相互に一致するように配置される。すなわち、正六面体の4面を形成するように、一対の磁気検出コイルX1、X2と一対の磁気検出コイルZ1、Z2が配置される。
なお、図1には、磁気検出コイルX1からの出力(電圧Ex1)、磁気検出コイルX2からの出力(電圧Ex2)、磁気検出コイルZ1からの出力(電圧Ez1)、及び磁気検出コイルZ2からの出力(電圧Ez2)を示す。また、図1では、図示の便宜上、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2を相互に離れた位置に図示しているが、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2を相互に近接させてもよい。また、図1では、磁気検出対象空間4の外形線を省略するが、これら各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2によって囲繞された空間を、磁気検出対象空間4とすることができる。
補償コイル2は、磁気低減対象空間5に入射する磁気ノイズを低減するための補償用の磁気を、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2を介することなく、磁気低減対象空間5に対して印加するための磁気印加手段である。この実施の形態1では、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の内側の全域を磁気低減対象空間5に設定しており、つまりは磁気検出対象空間4と磁気低減対象空間5を相互に同一空間に設定しているので、補償コイル2も、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の内側(磁気検出対象空間4の内部)に配置されている。この補償コイル2の具体的構成は任意であるが、補償コイル2は、X−Z軸に均一な磁場を形成できるコイルであることが好ましく、例えば、立方体あるいはヘルムホルツコイル、メリットコイルを用いて構成される。図1の例では、中心軸がX軸に沿う一対のコイルと、中心軸がZ軸に沿う一対のコイルを備える場合を示し、前者に対する入力電流をIx、後者に対する入力電流をIzとして示す。
さらに好ましくは、補償コイル2は、当該補償コイル2によって生成される磁場が、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2に干渉しないように配置されることが好ましく、その中心軸が各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の中心軸に一致するように配置される。
制御装置3は、一対の磁気検出コイルX1、X2と一対の磁気検出コイルZ1、Z2の出力に基づいて、補償コイル2を制御して磁気低減対象空間5に対して磁気を印加させる制御手段である。図2は、制御装置3における制御回路の回路図である。この制御装置3は、低雑音増幅器3a及び積分器3bによって構成される磁場−電圧変換回路3cと、この磁場−電圧変換回路3cによって変換された電圧信号を加算及び差分する演算回路3d、3eと、この演算回路による加算及び差分に基づいて補償コイル2を駆動する可変抵抗器(ポテンショメータ)3f及び電流増幅器(CB:Current Booster)3gをそれぞれ複数個ずつ図示のように接続して構成されている。特に、ここでは、磁気ノイズの加算成分と差分成分を相互に独立して調整できるように、各加算成分及び各差動成分毎に、2組の可変抵抗器3f及び電流増幅器3gを並列に配置している。
(磁気シールド方法)
次に、このように構成された磁気シールドシステム1を用いて行われる磁気シールド方法について説明する。図1において、磁気ノイズの磁束が各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2に鎖交することにより、電磁誘導によって各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2から当該磁束の時間変化に応じた電圧Ex1、Ex2、Ez1、Ez2が出力される(出力取得工程)。この電圧Ex1、Ex2、Ez1、Ez2は、図2の制御装置3の低雑音増幅器3aに入力され、この低雑音増幅器3aにおいて増幅された後、積分器3bで積分されることで磁束密度に応じた出力に変換される。
この出力は、演算回路3d、3eによって加算及び差分され、可変抵抗器3fによる調整(重み付け)を経た後、電流増幅器3gに入力において電流増幅が行われる。図2の回路図において、最上方に示す電流増幅器3gからは加算成分(X1+X2)に応じた電流Ixが出力され、その一つ下に示す電流増幅器3gからは差分成分(X1−X2)に応じた電流Izが出力され、以降、下方に至る順に、加算成分(X1+Z1)、差分成分(X1−Z1)、加算成分(X1+Z2)、差分成分(X1−Z2)、加算成分(X2+Z1)、差分成分(X2−Z1)、加算成分(X2+Z2)、差分成分(X2−Z2)、加算成分(Z1+Z2)、差分成分(Z1−Z2)に応じた電流Ix、Izが出力される(算定工程)。
図3には、このように算定される加算成分及び差分成分を示す。加算成分(X1+X2)、(Z1+Z2)は均一磁場成分ノイズに対応し、差分成分(X1−X2)、(Z1−Z2)は傾斜磁場成分ノイズに対応し、加算成分(X1+Z1)、(X1+Z2)、(X2+Z1)、(X2+Z2)及び差分成分(X1−Z1)、(X1−Z2)、(X2−Z1)(X2−Z2)は非線形ノイズに対応する。
このように、均一磁場成分ノイズ、傾斜磁場成分ノイズ、及び非線形ノイズに対応して出力された各々の電流Ix、Izが、補償コイル2に入力される。具体的には、図2に示す複数の電流Ixは、相互に加算された上で、中心軸がX軸に沿う一対のコイルに入力され、複数の電流Izは、相互に加算された上で、中心軸がZ軸に沿う一対のコイルに入力される。この結果、補償コイル2において、磁気ノイズによる磁場と同一強度で逆向きの磁場(電流Ixに応じたX軸方向の磁場と、電流Izに応じたZ軸方向の磁場)が形成され、磁気ノイズが低減される(磁気印加工程)。
次に、可変抵抗器3fの抵抗値の決定方法(補償コイル2に入力すべき電流値Ix、Izの決定方法)について説明する。図4において、式(1)には補償コイル2に入力される電流値Ixを決定するための算定式、式(2)には補償コイル2に入力される電流値Izを決定するための算定式を示す。式(1)に示すように、電流値Ixは、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の各々及び相互間の各加算成分及び各差分成分に対して相関係数α1〜α12を乗じた数値の総和として算定され、電流値Izは、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の各々及び相互間の各加算成分及び各差分成分に対して相関係数β1〜β12を乗じた数値の総和として算定される。これら相関係数α1〜α12及びβ1〜β12は、行列を用いた公知の計算によって算定できるため、その具体的算定方法については省略する。
そして、このように算定した相関係数α1〜α12及びβ1〜β12に合致するように、図2の可変抵抗器3fの抵抗値を調整する。例えば、図2の回路図において、最上方に示す可変抵抗器3fは、加算成分(X1+X2)を調整するための抵抗値であり、図4の式(1)の相関係数α1と式(2)の相関係数β1に対応する。このため、算定した相関係数α1、β1に基づいて最上方の可変抵抗器3fの抵抗値を求め、この抵抗値になるように当該可変抵抗器3fを調整する。同様に、全ての可変抵抗器3fを調整することで、相関係数α1〜α12及びβ1〜β12に合致した制御装置3を構成でき、図4の式(1)、(2)に合致した電流値Ix、Izを持つ電流を生成して補償コイル2に入力することができる。
ただし、可変抵抗器3fの調整は、必ずしも相関係数α1〜α12及びβ1〜β12を数学的に算定した上で行う必要はなく、磁気低減対象空間5における磁気をモニタリングしながら、この磁気が最小になるように、可変抵抗器3fを手動で調整してもよい。例えば、モニタリング用の磁気検出手段としての磁束計(例えばフラックスゲート磁束計)を、補償コイル2の内部であって、その中心軸が各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の中心軸と一致する評価点(例えば補償コイル2の中央)に配置する。そして、X軸とZ軸の各方向で商用周波数成分(50Hz)について、磁束計の出力が最小となるように(評価点の磁場が最小となるように)、加算成分を調整するための各可変抵抗器3fを調整し、次いで、磁束計の出力が最小となるように、差分成分を調整するための各可変抵抗器3fを調整すればよい。なお、上述のように計算式によって電流値Ix、Izを求めた場合にも、評価点の磁場が最小となる電流値Ix、Izを求めたことになる。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、磁気検出対象空間4に入射する磁気ノイズの成分の中で、直交する2軸に関する全ての磁気ノイズ成分、すなわち、均一磁場成分ノイズ(X1+X2)、(Z1+Z2)及び傾斜磁場成分ノイズ(X1−X2)、(Z1−Z2)に加えて、非線形ノイズ(X1+Z1)、(X1−Z1)、(X1+Z2)、(X1−Z2)、(X2+Z1)、(X2−Z1)、(X2+Z2)、(X2−Z2)について、それぞれ低減することが可能となるため、磁気ノイズを効果的に低減することができる。
また、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の相対的な位置を固定的に限定することなく磁気ノイズを低減でき、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の組み立て精度が低くてもよいため、磁気シールドシステム1の構成が容易である。
また、磁気低減対象空間5を、磁気検出対象空間4と同一空間として設定したので、磁気低減対象空間5に実際に入射している磁気ノイズを各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2によって正確に検出することができ、磁気低減対象空間5の磁気ノイズを一層効果的に低減することができる。
また、補償コイル2の中心軸を、磁気検出コイルX1、X2の中心軸及び磁気検出コイルZ1、Z2の中心軸に一致させたので、補償コイル2にて印加した磁気が磁気検出コイルX1、X2及び磁気検出コイルZ1、Z2の磁気検出に与える影響を低減でき、磁気ノイズを一層効果的に低減することができる。
〔実施の形態2〕
最初に、実施の形態2について説明する。この形態は、3組(X軸、Y軸、Z軸)の磁気検出コイルを備えた形態である。ただし、実施の形態1の構成及び方法と同様の構成及び方法については、実施の形態1で使用したものと同一の符号を付して説明を省略し、あるいは単に説明を省略する。
(構成)
最初に磁気シールドシステムの構成について説明する。図5は本実施の形態2に係る磁気シールドシステムの斜視図である。この磁気シールドシステム10は、一対の磁気検出コイルX1、X2、一対の磁気検出コイルZ1、Z2、一対の磁気検出コイルY1、Y2、補償コイル2、及び制御装置3を備えて構成されている。
磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2は、磁気検出対象空間4に入射する磁気ノイズを検出する磁気検出手段である。このうち、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2は、実施の形態1と同様に構成される。一対の磁気検出コイルY1、Y2は、磁気検出対象空間4を挟んで相互に対向する位置に並設されるもので、各々の中心軸がY軸に沿うように、かつ、各々の中心軸が相互に一致するように(磁気検出コイルX1、X2の中心軸及び磁気検出コイルZ1、Z2の中心軸に対して直交する中心軸を有するように)配置された第3磁気検出コイルである。この磁気検出コイルY1、Y2の具体的構成は任意であるが、例えば、磁気検出コイルX1、X2及び磁気検出コイルZ1、Z2と同様に、木製やアルミニウム製の角材から形成した方形環状のフレームに銅線を巻き付けることで構成される。
なお、図5では、図示の便宜上、磁気検出コイルY1からの出力(電圧Ey1)及び磁気検出コイルY2からの出力(電圧Ey2)のみを示すが、電圧Ex1、Ex2、Ez1、Ez2についても、図1と同様に出力される。また、図5では、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2を相互に離れた位置に図示しているが、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2を相互に近接させてもよい。また、図5では、磁気検出対象空間4の外形線を省略するが、これら各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2によって囲繞された空間を、磁気検出対象空間4とすることができる。
補償コイル2は、X−Y−Z軸に均一な磁場を形成できるコイルであることが好ましく、例えば、立方体あるいはヘルムホルツコイル、メリットコイルを用いて構成される。図5の例では、中心軸がX軸に沿う一対のコイルと、中心軸がZ軸に沿う一対のコイルと、中心軸がY軸に沿う一対のコイルと、を備える場合を示す。なお、図5では、図示の便宜上、中心軸がY軸に沿う一対のコイルに対する入力電流のみをIyとして示すが、入力電流Ix、Izについても、図1と同様に入力される。
制御装置3は、一対の磁気検出コイルX1、X2、一対の磁気検出コイルZ1、Z2、及び一対の磁気検出コイルY1、Y2の出力に基づいて、補償コイル2を制御して磁気低減対象空間5に対して磁気を印加させる制御手段である。この制御装置3における制御回路は、図2に示した制御回路を、出力電圧Ey1、Ey2及び入力電流Iyに応じて拡張することにより同様に構成できるため、その図示は省略する。
(磁気シールド方法)
次に、このように構成された磁気シールドシステム10を用いて行われる磁気シールド方法について説明する。制御装置3の電流増幅器3gからは、加算成分(X1+X2)、(Y1+Y2)、(Z1+Z2)、(X1+Y1)、(X1+Y2)、(X1+Z1)、(X1+Z2)、(X2+Y1)、(X2+Y2)、(X2+Z1)、(X2+Z2)、(Y1+Z1)、(Y1+Z2)、(Y2+Z1)、(Y2+Z2)と、差分成分(X1−X2)、(Y1−Y2)、(Z1−Z2)、(X1−Y1)、(X1−Y2)、(X1−Z1)、(X1−Z2)、(X2−Y1)、(X2−Y2)、(X2−Z1)、(X2−Z2)、(Y1−Z1)、(Y1−Z2)、(Y2−Z1)、(Y2−Z2)に応じた電流Ix、Iz、Iyが出力される(出力取得工程)。
図6には、このように算定される加算成分及び差分成分(X軸−Y軸平面)を示し、図7には、加算成分及び差分成分(Z軸−Y軸平面)を示す。なお、加算成分及び差分成分(X軸−Z軸平面)は図3と同様であるために省略する。加算成分(X1+X2)、(Z1+Z2)、(Y1+Y2)は均一磁場成分ノイズに対応し、差分成分(X1−X2)、(Z1−Z2)、(Y1−Y2)は傾斜磁場成分ノイズに対応し、加算成分(X1+Y1)、(X1+Y2)、(X1+Z1)、(X1+Z2)、(X2+Y1)、(X2+Y2)、(X2+Z1)、(X2+Z2)、(Y1+Z1)、(Y1+Z2)、(Y2+Z1)、(Y2+Z2)及び差分成分(X1−Y1)、(X1−Y2)、(X1−Z1)、(X1−Z2)、(X2−Y1)、(X2−Y2)、(X2−Z1)、(X2−Z2)、(Y1−Z1)、(Y1−Z2)、(Y2−Z1)、(Y2−Z2)は非線形ノイズに対応する(算定工程)。
このように、均一磁場成分ノイズ、傾斜磁場成分ノイズ、及び非線形ノイズに対応して出力された各々の電流Ix、Iz、Iyが、補償コイル2に入力される。具体的には、複数の電流Ixは、相互に加算された上で、中心軸がX軸に沿う一対のコイルに入力され、複数の電流Izは、相互に加算された上で、中心軸がZ軸に沿う一対のコイルに入力され、複数の電流Iyは、相互に加算された上で、中心軸がY軸に沿う一対のコイルに入力される。この結果、補償コイル2において、磁気ノイズによる磁場と同一強度で逆向きの磁場(電流Ixに応じたX軸方向の磁場と、電流Izに応じたZ軸方向の磁場と、電流Iyに応じたY軸方向の磁場)が形成され、磁気ノイズが低減される(磁気印加工程)。
図8において、式(3)には補償コイル2のX軸に入力される電流値Ixを決定するための算定式を示す。式(3)に示すように、電流値Ixは、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2の各々及び相互間の各加算成分及び各差分成分に対して相関係数α1〜α30を乗じた数値の総和として算定される。なお、補償コイル2のZ軸に入力される電流値Izを決定するための算定式は、式(3)の相関係数α1〜α30をβ1〜β30に置換したものとあり、補償コイル2のY軸に入力される電流値Iyを決定するための算定式は、式(3)の相関係数α1〜α30をγ1〜γ30に置換したものとなる。これら相関係数α1〜α30、β1〜β30、及びγ1〜γ30は、行列を用いた公知の計算によって算定できるため、その具体的算定方法については省略する。
そして、このように算定した相関係数α1〜α30、β1〜β30、及びγ1〜γ30に合致するように、可変抵抗器3fの抵抗値を調整する。ただし、可変抵抗器3fの調整は、必ずしも相関係数α1〜α30、β1〜β30、及びγ1〜γ30を数学的に算定した上で行う必要はなく、磁気低減対象空間5における磁気をモニタリングしながら、補償コイル2の内部に設定した評価点における磁気が最小になるように、可変抵抗器3fを手動で調整してもよい。なお、上述のように計算式によって電流値Ix、Iz、Iyを求めた場合にも、評価点の磁場が最小となる電流値Ix、Iz、Iyを求めたことになる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、磁気検出対象空間4に入射する磁気ノイズの成分の中で、直交する3軸に関する全ての磁気ノイズ成分、すなわち、均一磁場成分ノイズ(X1+X2)、(Y1+Y2)、(Z1+Z2)、及び傾斜磁場成分ノイズ(X1−X2)、(Y1−Y2)、(Z1−Z2)に加えて、非線形ノイズ(X1+Y1)、(X1+Y2)、(X1+Z1)、(X1+Z2)、(X2+Y1)、(X2+Y2)、(X2+Z1)、(X2+Z2)、(Y1+Z1)、(Y1+Z2)、(Y2+Z1)、(Y2+Z2)、(X1−Y1)、(X1−Y2)、(X1−Z1)、(X1−Z2)、(X2−Y1)、(X2−Y2)、(X2−Z1)、(X2−Z2)、(Y1−Z1)、(Y1−Z2)、(Y2−Z1)、(Y2−Z2)について、それぞれ低減することが可能となるため、磁気ノイズを一層効果的に低減することができる。
また、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2の相対的な位置を固定的に限定することなく磁気ノイズを低減でき、各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2の組み立て精度が低くてもよいため、磁気シールドシステム1の構成が容易である。
また、補償コイル2の中心軸を、磁気検出コイルX1、X2の中心軸、磁気検出コイルZ1、Z2の中心軸、及び磁気検出コイルY1、Y2の中心軸に一致させたので、補償コイル2にて印加した磁気が磁気検出コイルX1、X2、磁気検出コイルZ1、Z2、及び磁気検出コイルY1、Y2の磁気検出に与える影響を低減でき、磁気ノイズを効果的に低減することができる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(磁気検出コイルの配置について)
実施の形態1では、2組の磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2を配置した例を示し、実施の形態2では、3組の磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2を配置した例を示したが、4組以上の磁気検出コイルを配置してもよい。すなわち、複数組の一対の磁気検出コイルによって囲繞される磁気検出対象空間4の形状は、6面体に限定されず、多面体であればよく、例えば20面体や32面体等の各面が軸間で干渉する形状の多面体でも可能であり、この磁気検出対象空間4が球に近い形状になるほど、磁気検出精度が向上し、磁気ノイズの低減効果を高めることが可能となる。図12(a)には正12面体となるように磁気検出コイルを組み合わせた変形例、図12(b)には正20面体となるように磁気検出コイルを組み合わせた変形例を示す。また、複数組の一対の磁気検出コイルを配置する場合には、各一対の磁気検出コイルの中心軸が相互に直交する必要はなく、少なくとも相互に非平行であればよい。
また、上記各実施の形態では、一つの軸に沿う中心軸を有する磁気検出コイルとして、一対の磁気検出コイルを設けた場合のみを示しているが、一対の磁気検出コイルに限定されるものではなく、少なくとも一対の磁気検出コイルを設けた上でさらに1つ又は複数の磁気検出コイルを付加してもよい。すなわち、一つの軸に沿う中心軸を有する磁気検出コイルとして、合計で3つ又はそれ以上の磁気検出コイルを設けてもよい。例えば、実施の形態1において、3つの磁気検出コイルX1、X2、X3を、磁気検出対象空間4を挟んで相互に対向する位置に並設されるもので、各々の中心軸がX軸に沿うように、かつ、各々の中心軸が相互に一致するように配置してもよい。この場合には、磁気ノイズの磁束が各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2に鎖交することにより、電磁誘導によって各磁気検出コイルX1、X2、X3、Z1、Z2から当該磁束の時間変化に応じた電圧Ex1、Ex2、Ex3、Ez1、Ez2が出力される。この電圧Ex1、Ex2、Ex3、Ez1、Ez2は、制御装置3の低雑音増幅器3aで増幅され積分器3bで積分されることで磁束密度に応じた出力に変換され、この出力が演算回路3d、3eによって加算及び差分され、可変抵抗器3fによる調整(重み付け)を経た後、電流増幅器3gに入力において電流増幅が行われる。ここでは、加算成分(X1+X2)、(X1+X3)、(X2+X3)、(X1+X2+X3)、(Z1+Z2)は均一磁場成分ノイズに対応し、差分成分(X1−X2)、(X1−X3)、(X2−X3)、(X1+X2―X3)、(X1−X2+X3)、(X1−X2−X3)、(Z1−Z2)は傾斜磁場成分ノイズに対応し、加算成分(X1+Z1)、(X1+Z2)、(X2+Z1)、(X2+Z2)、(X3+Z1)、(X3+Z2)及び差分成分(X1−Z1)、(X1−Z2)、(X2−Z1)、(X2−Z2)(X3−Z1)、(X3−Z2)は非線形ノイズに対応する。この場合、電流値Ixは、磁気検出コイルX1、X2、X3、Z1、Z2の各々及び相互間の各加算成分及び各差分成分に対して相関係数α1〜α24を乗じた数値の総和として算定され、電流値Izは、磁気検出コイルX1、X2、X3、Z1、Z2の各々及び相互間の各加算成分及び各差分成分に対して相関係数β1〜β24を乗じた数値の総和として算定される。これら相関係数α1〜α24及びβ1〜β24は、行列を用いた公知の計算によって算定できる。従って、実施の形態1と同様に、相関係数α1〜α24及びβ1〜β24に合致するように、可変抵抗器3fの抵抗値を調整することで、相関係数α1〜α24及びβ1〜β24に合致した制御装置3を構成でき、電流値Ix、Izを持つ電流を生成して補償コイル2に入力することができる。なお、この場合における制御装置3の構成は、実施の形態1の制御装置3を上記理論に基づいて変形することにより当業者であれば自明的に構成することができるので、その説明は省略する。このように、一つ又はそれ以上の軸に関して、3つ又はそれ以上の磁気検出コイルを、その中心軸が磁気検出対象空間4を挟んで相互に対向する位置に並設されるもので、各々の中心軸がX軸に沿うように、かつ、各々の中心軸が相互に一致するように配置することができる。
(磁気検出対象空間4と磁気低減対象空間5の位置関係について)
上記各実施の形態では、磁気検出対象空間4と磁気低減対象空間5を相互に同一空間として設定したが、これらは全部又は一部が相互に異なる空間として設定することもでき、磁気検出対象空間4を磁気低減対象空間5を囲繞するように設定したり、後述する図15に示すように磁気低減対象空間5の外部に磁気検出対象空間4を設定してもよい。例えば、図13の斜視図に示すように、補償コイル2の内部領域のみを、磁気低減対象空間4(図13において斜線領域として示す)として設定することがより好ましい。
また、上記各実施の形態では、補償コイル2の中心軸を各磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2の中心軸に一致させるものとして説明したが、補償コイル2の位置は、磁気低減対象空間4に対して、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)を介することなく磁気を印加させることができる位置であればよい。ここで、「磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)を介することなく」とは、補償コイル2にて生成した磁気が磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)を通過することなく磁気低減対象空間5に到達することを意味しており、一旦磁気低減対象空間5に到達した磁気が、その後に磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)に入射する場合までを除外する意味ではない。
例えば、図14の斜視図に示すように、これら中心軸を相互に一致しない位置に配置してもよく、この場合においても、相互の相関が求められる限り、補償コイル2による補償を行うことが可能である。
さらには、図15の斜視図に示すように、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)によって囲繞された空間の外部(磁気検出対象空間4の外部)に補償コイル2(及び磁気低減対象空間5)を配置してもよい。ただし、いずれの場合においても、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、(Y1、Y2)と補償コイル2は相互に干渉しない位置及び距離で配置することが好ましい。
(制御装置の構成について)
制御装置3の構成としては、上記各実施の形態に示した構成以外にも、種々の構成を取り得る。例えば、図2の制御回路は公知の技術を用いて適宜変更可能である。また、アナログ回路に代えて、ソフトウェアを用いて補償コイル2の制御を行ってもよい。例えば、制御装置3を、図示しない入力部、出力部、記憶部、及び制御部を備えたコンピュータとして構成する。入力部には各磁気検出コイル(2軸の場合には、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、3軸の場合には、磁気検出コイルX1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2)の出力電圧を入力し、出力部から補償コイル2に対する電流出力を行う。記憶部には、制御装置3の各種機能に必要な情報を記憶させる。制御部は、デジタル信号処理装置と、このデジタル信号処理装置上で解釈実行されるプログラムにて構成する。
そして、各実施の形態1、2に係る磁気シールド方法をコンピュータとしての制御装置3に実行させるための磁気シールドプログラムを、任意のネットワークや記憶媒体を介して制御装置3にインストールする。その後、入力部に入力された出力電圧に基づいて、上述した算定式に基づく電流値を算定し、この電流値に応じた電流が出力されるように出力部を制御してもよい。
1、10 磁気シールドシステム
X1、X2、Z1、Z2、Y1、Y2 磁気検出コイル
2 補償コイル
3 制御装置
3a 低雑音増幅器
3b 積分器
3c 磁場−電圧変換回路
3d、3e 演算回路
3f 可変抵抗器
3g 電流増幅器
4 磁気検出対象空間
5 磁気低減対象空間
出力電圧 Ex1、Ex2、Ez1、Ez2、Ey1、Ey2
入力電流 Ix、Iz、Iy

Claims (9)

  1. 磁気検出対象空間を挟んで相互に対向する位置に並設された一対の磁気検出コイルを、その中心軸が相互に非平行となるように複数組設け、
    磁気低減対象空間に対して磁気を印加する磁気印加手段であって、当該磁気が前記磁気検出コイルを通過することがないように、当該磁気を印加する磁気印加手段と、
    前記複数組の一対の磁気検出コイルの出力に基づいて、各組における前記一対の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記複数組の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定し、当該算定した各加算成分及び各差分成分に基づいて、前記磁気低減対象空間の磁場が最小となるように、前記磁気印加手段を用いて、前記磁気低減対象空間に対して磁気を印加させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする磁気シールドシステム。
  2. 前記複数組の一対の磁気検出コイルとして、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルとを備え、
    前記制御手段は、前記一対の第1磁気検出コイルと前記一対の第2磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイルと前記第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定すること、
    を特徴とする請求項1に記載の磁気シールドシステム。
  3. 前記複数組の一対の磁気検出コイルとして、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルと、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸方向に沿った中心軸を有する一対の第3磁気検出コイルとを備え、
    前記制御手段は、前記一対の第1磁気検出コイル、前記一対の第2磁気検出コイル、及び前記一対の第3磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイル、前記第2磁気検出コイル、及び前記第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定すること、
    を特徴とする請求項1に記載の磁気シールドシステム。
  4. 前記磁気検出対象空間を、前記磁気低減対象空間を囲繞するように設定したこと、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気シールドシステム。
  5. 前記磁気印加手段の中心軸を、前記複数組の一対の磁気検出コイルの中心軸に一致させたこと、
    を特徴とする請求項4に記載の磁気シールドシステム。
  6. 磁気検出対象空間を挟んで相互に対向する位置に並設された一対の磁気検出コイルであって、その中心軸が相互に非平行となるように複数組設けられた一対の磁気検出コイルからの出力を取得する出力取得工程と、
    前記出力取得工程において取得した出力に基づいて、各組における前記一対の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記複数組の磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定する算定工程と、
    磁気低減対象空間に対して磁気を印加する磁気印加手段であって、当該磁気が前記磁気検出コイルを通過することがないように、当該磁気を印加する磁気印加手段を用いて、前記算定工程において算定した各加算成分及び各差分成分に基づいて、前記磁気低減対象空間の磁場が最小となるように磁気を印加する磁気印加工程と、
    を含むことを特徴とする磁気シールド方法。
  7. 前記出力取得工程において、前記複数組の一対の磁気検出コイルとしての、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルとから、出力を取得し、
    前記算定工程において、前記一対の第1磁気検出コイルと前記一対の第2磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイルと前記第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定すること、
    を特徴とする請求項6に記載の磁気シールド方法。
  8. 前記出力取得工程において、前記複数組の一対の磁気検出コイルとしての、X軸方向に沿った中心軸を有する一対の第1磁気検出コイルと、前記X軸に直交するZ軸方向に沿った中心軸を有する一対の第2磁気検出コイルと、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸方向に沿った中心軸を有する一対の第3磁気検出コイルとから、出力を取得し、
    前記算定工程において、前記一対の第1磁気検出コイル、前記一対の第2磁気検出コイル、及び前記一対の第3磁気検出コイルの出力に基づいて、前記一対の第1磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第2磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記一対の第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分と、前記第1磁気検出コイル、前記第2磁気検出コイル、及び前記第3磁気検出コイルの相互間の加算成分及び差分成分を算定すること、
    を特徴とする請求項6に記載の磁気シールド方法。
  9. 前記磁気検出対象空間を、前記磁気低減対象空間を囲繞するように設定したこと、
    を特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の磁気シールド方法。
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