JP5566061B2 - 光学式変位検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所定のパターンが形成されたスケールと、センサが設けられたヘッドとの変位を検出する光学式変位検出装置に関する。
光学式変位検出装置に関連する技術としては、例えば、特許文献1に次のような技術が開示されている。
すなわち、被検体には一定の間隔でスリットまたは反射面が列設され、このスリットまたは反射面に由来する光パルスを検出する光電式検出装置であって、スリットまたは反射面の径方向の長さが時計回りに順次大きくなるように構成されている光電式検出装置が、特許文献1に開示されている。
図33は、特許文献1に開示されている光電式検出装置の断面図である。同図に示すように、光源1から出射した光ビームが被検体であるスケール4のスリットに照射され、その透過光が光検出器2によって検出される。
図34は、前記スケール4の平面図である。同図に示すように、スケール4に設けられているスリットは、同図中において矢印で示されている回転方向に対して、基準位置から、一定の間隔で長さが拡大または減少させられている。
図35は、前記光電式検出装置の出力信号を示す図である。同図に示すグラフでは、横軸に被検体の回転角を取り、縦軸に光検出器A2の出力を取っている。スケール4が反時計周りに回転すると、スリットの開口長さが減少する。従って、図35に示すように周期信号の振幅が徐々に減少するような特性が得られると、特許文献1に記載されている。
そして、光検出器2からの周期信号を適切に演算することにより回転速度を検出し、振幅の変化を検出することによりスケール4の回転方向を検出することができる旨が、特許文献1に記載されている。
なお、特許文献1には明記されてないが、上述した構成により絶対位置を検出する場合には、回転変位に対する出力信号の振幅104(図36参照)またはDC成分102(図37参照)の大きさを予め調べておくことにより、出力信号の振幅またはDCレベルを測定すれば、基準位置からのスケール4の回転角の絶対位置を検出することができる。
つまり、特許文献1に開示されている光電式検出装置では、被検体の動きに伴い変化する検出信号の振幅に基づいて、被検体の運動方向や絶対位置を検出する。
特開昭48−78959号公報
ところで、特許文献1に開示されている技術では、実際には図37に示すように、出力信号101は、光源1やスケール4の光学的配置に大きく影響されるDC成分102を有する。そして、このDC成分102は、検出信号の振幅が変位するに従って図37に示すようにシフトしていく。
ここで、絶対位置の検出感度を向上させる為に、あるいは、絶対位置検出範囲を拡げる為に、スリット等の開口長さを小さくする場合を考える。この場合、スリット等の開口長さの最小値を小さくする程、検出信号の振幅が減少する。従って、この場合には、光検出器2からの周期信号のノイズ成分が相対的に大きくなってしまい、結果としてスリットの開口長さが小さい変位箇所では検出性能(分解能、安定性)が低下してしまう。
さらに言えば、特許文献1に開示されている構成により絶対位置を検出する場合には、回転変位に対する出力信号の振幅104の特性を予め調べておく必要がある。また、回転変位に対する出力信号の振幅の特性104は、例えば周囲環境、センサの取り付けガタ、及び経時変化等に起因して、図36に示す振幅104及び振幅104’に示すように変化する。従って、その検出精度は極めて低い。
すなわち、特許文献1に開示されている技術では、絶対位置の検出感度を向上させた場合や、検出範囲を拡大させた場合には、絶対位置検出及び相対位置検出の双方において分解能及び安定性の極端な悪化を生じさせてしまう。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、絶対位置検出及び相対位置検出の何れにおいても分解能及び安定性を高いレベルで維持しつつ、絶対位置の検出感度の向上及び検出範囲の拡大を実現した光学式変位検出装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による光学式変位検出装置は、
変位検出対象物の所定方向における変位を検出する光学式変位検出装置であって、
光ビームを射出する光源と、
第1のトラックパターンと、第2のトラックパターンと、が前記所定方向を長手方向として形成されたスケールと、
前記光源から射出された光ビームを、前記第1のトラックパターンを介して検出して第1の信号を生成する第1の光検出器と、前記光源から射出された光ビームを、前記第2のトラックパターンを介して検出して第2の信号を生成する第2の光検出器と、を有するセンサヘッドと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、に基づいて前記変位を算出する信号処理部と、
を具備し、
前記第1のトラックパターン及び前記第2のトラックパターンは、
実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れか1つが前記所定方向において互いに逆向きに略直線的に増減し、且つ、前記第1の光検出器により検出される前記第1のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、前記第2の光検出器により検出される前記第2のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、の和の値が略一定となる光学パターンであり、
前記スケール又は前記センサヘッドは、前記変位検出対象物に連結され、
前記第1の信号及び前記第2の信号は、少なくとも、前記第1の信号と前記第2の信号とを所定演算することにより相殺される第1成分と、前記所定演算後にも残存する任意の位置に特有の第2成分と、を含み、
前記第1のトラックパターン、前記第2のトラックパターン、前記第1の光検出器、前記第2の検出器、及び前記光源は、前記第1の検出器による検出と、前記第2の検出器による検出と、が関連付けて実行されるように配置されており、
前記第1のトラックパターンと前記第2のトラックパターンとは、前記スケール上に直列に形成され、
前記光源は、前記第1のトラックパターンに対して光ビームを照射する第1の光源と、前記第2のトラックパターンに対して光ビームを照射する第2の光源と、から成る
ことを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様による光学式変位検出装置は、
変位検出対象物の所定方向における変位を検出する光学式変位検出装置であって、
光ビームを射出する光源と、
第1のトラックパターンと、第2のトラックパターンと、が前記所定方向を長手方向として形成されたスケールと、
前記光源から射出された光ビームを、前記第1のトラックパターンを介して検出して第1の信号を生成する第1の光検出器と、前記光源から射出された光ビームを、前記第2のトラックパターンを介して検出して第2の信号を生成する第2の光検出器と、を有するセンサヘッドと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、に基づいて前記変位を算出する信号処理部と、
を具備し、
前記第1のトラックパターン及び前記第2のトラックパターンは、
実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れか1つが前記所定方向において互いに逆向きに略直線的に増減し、且つ、前記第1の光検出器により検出される前記第1のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、前記第2の光検出器により検出される前記第2のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、の和の値が略一定となる光学パターンであり、
前記スケール又は前記センサヘッドは、前記変位検出対象物に連結され、
前記第1の信号及び前記第2の信号は、少なくとも、前記第1の信号と前記第2の信号とを所定演算することにより相殺される第1成分と、前記所定演算後にも残存する任意の位置に特有の第2成分と、を含み、
前記第1のトラックパターン、前記第2のトラックパターン、前記第1の光検出器、前記第2の検出器、及び前記光源は、前記第1の検出器による検出と、前記第2の検出器による検出と、が関連付けて実行されるように配置されており、
前記第1のトラックパターンと前記第2のトラックパターンとは、前記スケール上に並列して形成され、
前記所定方向の所定区間において実効反射率、実効透過率または回折効率が漸増または漸減する光学パターンを、グレースケールパターンと定義し、
前記所定方向に対して実効反射率、実効透過率または回折効率の何れかが所定の空間周期で変化する光学パターンを、エンコードパターンと定義し、
前記エンコードパターンと前記グレースケールパターンを重畳した光学特性を有するパターンを、変調コードパターンと定義した場合に、
前記スケールの第1のトラックパターンは第1の変調コードパターンであり、前記第2のトラックパターンは第2の変調コードパターンであり、
前記第1の変調コードパターンと前記第2の変調コードパターンは、前記所定区間を前記所定方向に対して垂直に2等分する線分に対して実効的反射率、実効的透過率または回折効率の何れかが前記所定方向において鏡面反転した構成となっている
ことを特徴とする。
本発明によれば、絶対位置検出及び相対位置検出の何れにおいても分解能及び安定性を高いレベルで維持しつつ、絶対位置の検出感度の向上及び検出範囲の拡大を実現した光学式変位検出装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学式変位検出装置のセンサヘッド及びスケールを上面から見た投射図である。 図1に示す線分A−A’における断面図。 第1の光検出器に搭載された受光素子アレイ及び第2の光検出器に搭載された受光素子アレイと、これらの受光素子アレイで構成される受光面上に形成される光学イメージと、の関係の一例を示す図。 対象がX方向に変位した時に第1の光検出器に搭載された受光素子アレイの4つの群から出力される信号の一例を示す図。 対象がX方向に変位した時に第2の光検出器に搭載された受光素子アレイの4つの群から出力される信号の一例を示す図。 第1実施形態に係る光学式変位検出装置において信号処理を実行する物理量検出回路の一構成例を示す図。 第1の光検出器の4群の受光素子アレイから各々出力される4つの信号の逆相同士を減算して得られる信号の一例を示す図。 第2の光検出器の4群の受光素子アレイから各々出力される4つの信号の逆相同士を減算して得られる信号の一例を示す図。 Vpp1及びVpp2の特性を示す図。 (Vpp1+Vpp2)及び(Vpp1−Vpp2)の特性を示す図。 (Vpp1+Vpp2)と、(Vpp1−Vpp2)と、の比の特性を示す図。 Va及びVbの一例を示す図。 相対変位の検出処理に利用するリサージュ図形の一例を示す図。 物理量検出回路の一構成例を示す図。 絶対変位の検出処理に利用するリサージュ図形の一例を示す図。 本発明の第1変形例に係る光学式変位検出装置に特有の変調コードパターンの一構成例を示す斜視図。 本発明の第2変形例に係る光学式変位検出装置に特有の変調コードパターンの一構成例を示す斜視図。 第3変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第3変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第4変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第4変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第5変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第5変形例における変調コードパターンが設けられたスケールの一構成例を示す断面図。 第6変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図。 第7変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第7変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第8変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第8変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第9変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第9変形例におけるスケールの一構成例を示す断面図。 第10変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図。 本発明の第2実施形態に係る光学式変位検出装置のスケールの一構成例を示す図。 第11変形例に係る光学式変位検出装置の一構成例を示す図。 第12変形例のスケールを、外周面における変調コードパターンが設けられている位置で切断した場合の断面図。 第13変形例のスケールを、外周面における変調コードパターンが設けられている位置で切断した場合の断面図。 第14変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図。 本発明の第3実施形態に係る光学式変位検出装置のスケールの一構成例を示す図。 第15変形例に係る光学式変位検出装置のスケールの一構成例を示す図。 第1の光検出器及び第2の光検出器から得られる信号の特性を示す図。 第16変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す図。 特許文献1に開示されている光電式検出装置の断面図。 特許文献1に開示されている光電式検出装置のスケールの平面図。 特許文献1に開示されている光電式検出装置の出力信号を示す図。 特許文献1に開示されている光電式検出装置の出力信号の特性を示す図。 特許文献1に開示されている光電式検出装置の出力信号の特性を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置のセンサヘッド及びスケールを上面側から見た投射図である。図2は、図1に示す線分A−A’線の位置における断面図である。図3は、第1の光検出器21に搭載された受光素子アレイ及び第2の光検出器22に搭載された受光素子アレイと、これらの受光素子アレイで構成される受光面上に形成される光学イメージと、の関係の一例を示す図である。
ここで、本第1実施形態においては、後述するスケールに形成された各種パターンを次のように定義する。
<グレースケールパターン>
所定方向の所定区間において、実効反射率または実効透過率が漸増または漸減する光学パターンを、“グレースケールパターン”と称する。
<エンコードパターン>
所定方向への推移に従って、反射率、透過率、及び回折特性のうち何れかが周期的に変化する光学パターンを、“エンコードパターン”と称する。
<変調コードパターン>
前記エンコードパターンと前記グレースケールパターンとを重畳した光学特性を有するパターンを、“変調コードパターン”と称する。
<グレートラック>
前記グレースケールパターン又は前記変調コードパターンによって構成されるトラックを、“グレートラック”と称する。
ところで、図1に示すように、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置は、スケール4と、センサヘッド30と、物理量検出回路210と、を具備する。
前記スケール4には、例えば変調コードパターンにより構成されるグレートラック51と、グレートラック52と、が当該スケール4の面上に並行して2列配設されている。
前記センサヘッド30には、光源1と、第1の光検出器21と、第2の光検出器22と、が設けられている。
光源1から出射した光ビーム(図2に示す光ビーム10)は、スケール4上に配設された2列のトラック(グレートラック51、グレートラック52)に照射され、各々のトラック上の変調コードパターンで反射された後、センサヘッド30に搭載された第1の光検出器21及び第2の光検出器22の各々の受光面に入射する。そして、この受光面上において、例えば図3に示すように各々の変調コードパターンに対応する光学イメージ80を形成する。
ここで、センサヘッド30の受光面(第1の光検出器21及び第2の光検出器22が設けられている面)と、スケール4のうち変調コードパターンが形成された面(グレートラック51,52が設けられている面)と、は互いに対向するように且つ平行に配置されている。
ところで、スケール4またはセンサヘッド30のうち何れか一方は、変位を測定する対象物に連結され、この対象物に連結されていない方は、基準面に連結されている。
変位検出対象物の変位を検出する方向を図1に示すx方向とすると、前記“所定方向”はx方向に相当する。そして、反射率、透過率、回折特性の何れかが周期的に変化する光学パターン53の空間ピッチは、図1に示すpsに相当する。
また、本第1実施形態では、エンコードパターンの周期模様を、所定本数だけまとめてグループ化し(例えば図1に示すグループ61,62,63,64,65)、各グループ毎に実効反射率または実効透過率が漸増または漸減する構成としている。
さらに、図2においては、光源1の上面上に、x方向について周期poのスリット11を設ける例を示しているが、この構成は、3重格子構成による光学イメージの結像原理を利用するケースを想定した場合の構成である。従って、他の結像原理を利用する場合には、スリット11は必ずしも必須の構成要件ではない。
そして、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置では、光源1と、第1の光検出器21と、第2の光検出器22と、グレートラック51上の変調コードパターンと、グレートラック52上の変調コードパターンと、は次のように配置されている。すなわち、変位検出対象物がx方向に変位したときに、第1の光検出器21,第2の光検出器22により検出される変調コードパターンの実効反射率または実効透過率が、逆相で検出されるように、各構成部材が配置・構成されている。以下、この配置・構成の一例について具体的に説明する。
すなわち、例えば光源1の光出射部と、第1の光検出器21,第2の光検出器22の中心と、を共に図1、図3に示す線分A−A’(第1の光検出器21、第2の光検出器22をx方向において垂直に2等分する線分)上に配置し、且つ、図1に示す所定区間Lgray(実効反射率または実効透過率が漸増または漸減する所定区間)を垂直に2等分する線分である線分B−B’に対して、前記2列の変調コードパターンの実効反射率または実効透過率のみが鏡面反転した構成となるように、各々のグレートラック51,52における変調コードパターンを作成・配置する。
なお、スケール4上の光学パターンの実効反射率や実効透過率を逆相で検出するような、グレートラック51,52の構成、第1の光検出器21及び第2の光検出器22とグレートラック51,52との配置状態を、“グレースケールパターンの実効反射率または実効透過率を逆相で検出するように配置・構成”と称する。
なお、「グレースケールパターンは、実効反射率または実効透過率が逆相で検出されるように配置・構成されている」とは、より詳しくは「前記グレースケールパターンの実効反射率、実効透過率または回折効率のいずれかが前記所定方向の所定区間に対して漸増または漸減する特性で検出されるように前記スケール4と前記第1の光検出器21が配置されると共に、前記グレースケールパターンの実効反射率、実効透過率または回折効率のいずれかが前記所定方向の所定区間に対して前記第1の光検出器21とは逆に漸減または漸増する特性で検出されるように前記スケール4と前記第2の光検出器22が配置される」ことを意味する。
ここで、スケール4上に形成されたエンコードパターン或いは変調コードパターンにおけるエンコードパターンの光学特性を利用した処理について説明する。
なお、本第1実施形態には種々の光学イメージの生成原理を適用することが可能であるが、ここでは典型的な例として3重格子構成による検出原理を利用する例を説明する。
図2に示すように、光源1とスケール4上のエンコードパターンとの距離をz1とし、スケール4上のエンコードパターンと第1の光検出器21の受光面及び第2の光検出器22の受光面との距離をz2とし、光源1上のスリットのx方向におけるピッチをpoとし、スケール4上のエンコードパターンのピッチをpsとする。
光源1から、周期poのスリットを経て、周期psのエンコードパターンに光ビームが照射されると、この光ビームはエンコードパターンによって反射されて第1の光検出器21及び第2の光検出器22に入射し、第1の光検出器21及び第2の光検出器22の受光面上には空間周期piの周期的な光学パターンが形成される。
ここで、piと,poと、psと,z1と,z2と、は次の関係を満たす。
pi=ps・(z1+z2)/z1 …(式1)
po=ps・(z1+z2)/z2 …(式2)
である。
なお、第1の光検出器21,第2の光検出器22の受光面上に、空間周期piの周期的な光学パターンが明瞭に形成される為に、pi,ps,po,z1,z2及び光源1の光波長λが、3重格子構成による光学イメージの形成条件に合致するように構成する。
しかしながら、本第1実施形態においては、上述したように光学イメージの生成原理は3重格子構成による光学イメージの結像原理に限定されず、他の結像原理を用いる場合には、前記形成条件への合致は不要である。
ここで、第1の光検出器21,第2の光検出器22には、受光素子アレイが、光学パターンの空間周期piに相当するピッチで4群形成されており、各群は、空間周期方向に互いにpi/4だけずらせられて配置されている。
図4Aは、第1の光検出器21に搭載された4群の受光素子アレイから出力される信号の一例を示す図である。図4Bは、第2の光検出器22に搭載された4群の受光素子アレイから出力される信号の一例を示す図である。
ところで、図3に示すように、第1の光検出器21に搭載された受光素子アレイからの出力は、光学イメージに対して1/4周期ずれている。ここで、第1の光検出器21に搭載された受光素子アレイの出力端子をVA1,VB1,VAB1,VBB1とすると、変位検出対象物がx方向に変位した場合には、これら出力端子からは互いに90度(すなわち1/4周期)ずれた周期信号が出力される。この点については、第2の光検出器22に搭載された受光素子アレイの出力端子から出力される周期信号についても同様である。
ところで、変調コードパターンはエンコードパターンとは異なり、実効反射率または実効透過率が漸増または漸減する特性が重畳されている。従って、変調コードパターンを適用した場合には、上述した各々の受光素子アレイの出力端子からは、変位量psに相当するピッチで互いに90度(すなわち1/4周期)ずれた周期信号であって、且つ、変位検出対象物がx方向に変位すると、DCレベル又は/及び振幅が、漸増または漸減する信号が出力される。
グレートラック51及びグレートラック52においては、2つの光検出器(第1の光検出器21,第2の光検出器22)の各々の受光素子アレイの出力端子から、各々のグレートラック51,52に配置された変調コードパターンの実効反射率または実効透過率が互いに逆相で検出されるように、変調コードパターンが配置されている。
従って、例えば図4A、図4Bに示すように、第1の光検出器21の受光素子アレイの出力端子及び第2の光検出器22の受光素子アレイの出力端子からは、DCレベルまたは振幅が漸増(図4A参照)或いは漸減(図4B参照)する特性が逆相として出力される。
このため、第1の光検出器21の各群の受光素子アレイの出力は、図4AにおいてVA1,VB1,VAB1,VBB1で示される特性になり、DCレベルはVDC1で示される特性になる。他方、第2の光検出器22の各群の受光素子アレイの出力は、図4BにおいてVA2,VB2,VAB2,VBB2で示され特性になり、DCレベルはVDC2で示される特性になる。
図5は、上述した信号処理を実行する物理量検出回路の一構成例を示す図である。
以下、まず物理量検出回路の構成例、及び物理量検出回路による信号処理の流れを説明した後、当該信号処理について具体的に説明する。
前記物理量検出回路210は、所定の前処理を行う前処理回路225と、周期内位相情報を出力する相対位置出力回路228と、振幅情報を出力する振幅成分演算回路229と、を有する。ここで、前記前処理回路225は、同相合成部223と、振幅成分差動演算部224と、を備える。
ところで、第1の光検出器21及び第2の光検出器22からの出力信号は、物理量検出回路210へ入力される前に、同相ノイズ除去手段201により、同相ノイズ成分が除去処理されている。すなわち、第1の光検出器21及び第2の光検出器22からの出力信号は、同相ノイズ除去手段201により、1/2周期(180度)位相の異なる出力端子からの出力が互いに減算処理され、図6A、図6Bに示すように90度(すなわち1/4周期)の位相差を有する2組の信号が生成されて、物理量検出回路210に入力される。
つまり、第1の光検出器21及び第2の光検出器22が、それぞれグレートラック51,52からの反射光を受光して受光量を電圧値として出力した信号は、同相ノイズ除去手段201により同相ノイズ成分が除去処理される。
以上説明したように、前記第1の光検出器21から出力された信号は、同相ノイズ除去手段201による処理を経て、90度位相差を有する2相の振幅変調信号S1A,S1B(後述するVa1,Vb1に対応)として所定周期にて出力される。同様にして、図6Bに示すように第2の光検出器22から出力された信号は、同相ノイズ除去手段201による処理を経て、90度位相差を有する2相の振幅変調信号S2A,S2B(後述するVa2,Vb2に対応)として所定周期にて出力される。
なお、第1の光検出器21及び第2の光検出器22からそれぞれ出力される2相の振幅変調信号は必ずしも90°の位相差を有していなくともよい。
ところで、振幅変調信号S1A,S1B,S2A,S2Bは、それぞれ、前処理回路225における同相合成部223、及び振幅成分差動演算部224の両方に入力される。
次に、対象の絶対変位と相対変位とを、それぞれ安定して且つ高精度に検出する処理方法について説明する。
《絶対変位の検出処理について》
まず、対象の絶対変位を検出する処理方法について説明する。
前記振幅成分差動演算部224は、S1Aの振幅成分A1A,S2Aの振幅成分A2Aに基づいて、振幅成分の演算処理(減算結果:AC1,和算結果:AC2)を実行する。
すなわち、前記振幅成分差動演算部224は、
AC1=A1A−A2A …(式3)
AC2=A1A+A2A …(式4)
を演算する。
前記振幅成分演算回路229は、絶対位置を算出して出力するデジタル演算部227を備える。このデジタル演算部227は、(式3)、(式4)による演算結果に基づいて、
AC1/AC2 …(式5)
を演算して絶対位置を求めて出力する。
より詳細には、絶対位置Xは、(式5)による演算結果を利用した次の演算により算出される。すなわち、
X=α・AC1/AC2+β …(式6)
により算出される。ただし、α(≠0)、βは係数である。
なお、絶対位置Xを算出する為の(式5)から(式6)への変換は極めて容易である為、必ずしもデジタル演算部227内で演算しなくてもよい。その場合には、後段のホストコンピュータ等で、(式6)による変換を実行すれば良い。
また、上述の例では絶対変位の検出方法として振幅成分A1A、A2Aを用いた方法について説明したが、本質的には逆相で差動検出される信号であればよい。例えば、図4A,図4BにおけるDCレベル信号であるVDC1,VDC2をA1A,A2Aの代わりに活用して(式3)乃至(式6)の処理を行ってもよい。
以下、より詳細に、絶対変位xの算出処理について説明する。
図6Aに示す出力信号Va1,Vb1の振幅を演算すると、図7に示すように単調増加する信号104を得ることができる。この信号出力をVpp1とする。図6Bに示す出力信号Va2,Vb2の振幅を演算すると、図7に示すように単調減少する信号105を得ることができる。この信号出力をVpp2とする。
Vpp1とVpp2は、
Vpp1=a・x …(式7)
Vpp2=−a・(x−Lgray) …(式8)
として表される。
なお、Lgrayとは、スケール4の反射率または透過率が漸増する所定区間の長さである。ここで、Lgray区間における最大振幅をVppmaxとすると、比例係数である傾きaは絶対変位xに対して振幅が増加する傾きを示す。そして、この傾きaは、一般には変位xに依存するが、上述のグレースケールパターンの実効反射率または実効透過率が変位xに対して直線的に変化するように構成されている場合は定数となり、
a=Vppmax/Lgray …(式9)
として表される。
更に、Vpp1とVpp2との和及び差を演算すると以下のようになる。
Vpp1+Vpp2=a・Lgray …(式10)
Vpp1−Vpp2= 2a・x−a・Lgray …(式11)
図8は、これら(式10)及び(式11)を示す図である。
これらVpp1及びVpp2を求めた後、Vpp1+Vpp2と、Vpp1−Vpp2と、比を演算する。この演算により、図8に示す特性を得ることができる。
すなわち、
(Vpp1−Vpp2)/(Vpp1+Vpp2)=2/Lgray・x−1
…(式12)
をxについて解けば、
x=Lgray・((Vpp1−Vpp2)/(Vpp1+ Vpp2)+1)/2
…(式13)
となる。
ここで、(Vpp1−Vpp2)/(Vpp1+Vpp2)は最大振幅Vppmaxや傾きaに依存しない。従って、予め最大振幅Vppmaxや傾きaの値を求める必要はなく、また、最大振幅Vppmaxや傾きaの値が変動しても、安定して絶対変位xを検出することができる。
ここで、上述の絶対変位の算出においては、(式7)、(式8)で記載した比例係数aは一定値であることが望ましい。このためには、「所定変位区間に対して前記第1の光検出器21と前記第2の光検出器22が検出する前記グレースケールパターンの実効反射率、実効透過率または回折効率の何れかの増減が互いに逆方向に略直線的に変化し、さらに、前記第1の光検出器21が検出する前記グレースケールパターンの実効反射率、実効透過率または回折効率の何れかと前記第2の光検出器が検出する前記グレースケールパターンの実効反射率、実効透過率または回折効率の何れかとの和が略一定であるように、前記グレースケールパターンが形成されている」ことが望ましい。
以下、上述した一連の処理について、その有効性を述べる。
通常、センサの経時変化、周辺の環境温度の変化が生じると、光源からの出力や光検出器の感度特性等が変化する。また、光源からの出力や光検出器の感度特性が変化しなくとも、センサヘッド及びスケールのがたつき等の要因により、光検出器で検出される光量が変化してしまう。
一般的には、このように多様な変動要因により、センサヘッドからの出力振幅やその和・差成分は、例えば図7及び図8に示すように、実線104で示す特性から破線104´で示す特性へ、実線105で示す特性から破線105´で示す特性へ、実線106で示す特性から破線106´で示す特性、実線107で示す特性から破線107´で示す特性へ、というように大きく変動してしまう。従って、図7、図8に示す特性を利用して絶対位置を正確に検出することはできない。
更に言えば、最大振幅Vppmaxや傾きaの値を一度は求めておかなければ位置情報を演算することができない。このことは、数式の上では、上述の(式7)乃至(式11)において、傾きa或いは最大振幅Vppmaxが多様な変動要因により変化すること、及び、そもそも傾きa或いは最大振幅Vppmaxを求めていなければ絶対変位を算出できないことを意味している。
本第1実施形態においては、このような事情を鑑みて、Vpp1とVpp2との和・差を演算した上で、更にこれらの比を演算することで、(式12)及び(式13)に示すように、変動する成分である傾きa、最大振幅Vppmaxをキャンセルした特性を得る。この処理により、非常に安定且つ高精度で絶対変位xを検出することができる。
すなわち、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置では、図7、図8に示す信号処理段階では、上述したように変動要因に起因して生じる特性の変動が見られるが、Vpp1とVpp2との和・差の比を演算することにより、図9に示すように変動要因がキャンセルされて安定なセンサ特性を得ることができる。
また、図9に示す特性は、傾きa、最大振幅Vppmaxに依存しない為、そもそも傾きa及び最大振幅Vppmaxを求める必要がない。従って、センサの初期設定を必要とせず、この点も大きなメリットである。
《相対変位の検出処理について》
本第1実施形態に係る光学式変位検出装置によれば、相対変位についても、以下説明する処理方法により高精度に検出することができる。
前記同相合成部223は、第1の光検出器21及び第2の光検出器22から出力された振幅変調信号の周期成分を抽出し、各同位相の信号ごとに合成する。
すなわち、前記同相合成部223は、
S3A=S1A+S2A=Va1+Va2 …(式14)
S3B=S1B+S2B=Vb1+Vb2 …(式15)
を演算する。
前記相対位置出力回路228は、相対位置を算出して出力する逓倍処理結果出力部226を備える。この逓倍処理結果出力部226は、同相合成部223により抽出された周期成分の位相角に基づいて、変位を角度情報へ変換し、一つ前の演算処理結果との比較を行うことで、分解能に応じた変位量を算出する。
この逓倍処理を行う際には、逓倍処理結果出力部226は、直接的に振幅値を演算し、角度情報へ変換する処理手法を採ってもよいし、所謂ROMテーブル参照方式による処理方法を採ってもよい。
なお、振幅変調信号から生成されるリサージュ図形に基づいて、相対変位を検出することも可能である。以下、詳細に説明する。
<リサージュ図形に基づく相対変位の検出処理>
まず、図6A及び図6Bに示す互いに1/4周期の位相差を有する2組の信号を、それぞれ同相信号ごとに加算する。ここで、上述したようにグレートラック51,52においては、変調コードパターンはその実効反射率または実効透過率が逆相で検出されるように配置されている為、図10においてVa,Vbで示すように変位Xに対してほぼ一定の振幅を有する1/4周期位相差の信号を得ることができる。この信号を、通常のエンコードパターンを有するエンコーダの信号処理方法を利用して、非常に高精度な相対位置信号に変換することができる。
例えば、図10に示す信号をリサージュ図形として表示すると、図11に示すように一定の半径で描かれる円表示となる。この円周上の位相角θが周期ps内での変位に相当する。
ここで、周期ps内の相対変位をxpとすると、
xp=ps・θ/2π …(式16)
となる。
従って、上記の位相角θを細かく演算することで、周期psより非常に細かい変位量を検出することが可能となる。
なお、相対変位xpと組み合わせて、リサージュ図形の回転数を記録するカウンタ情報を利用することで、高精度な相対位置検出を行うことができる。
ところで、(式16)に示す相対変位xpの算出は、図6A、図6Bに示すような第1の光検出器21及び第2の光検出器22から出力された振幅変調信号を利用しても演算可能である。しかしながら、この場合には相対変位xpに応じて振幅が変動してしまう(リサージュ図形の半径が変動してしまう)。従って、振幅の小さな領域においては検出誤差が大きくなってしまい、前記所定区間の全域に渡って安定且つ高精度に相対位置を検出することができない。
他方、本第1実施形態においては、“第1の光検出器21及び第2の光検出器22が出力される2組の振幅変調信号を、それぞれ同相信号ごとに加算した上で、リサージュ図形上の位相角を検出する”ことにより、前記所定区間の場所に寄らず、安定に高精度な位置検出をすることを可能とする。
なお、振幅変調信号から生成されるリサージュ図形に基づいて、絶対変位を検出することも可能である。以下、詳細に説明する。
<リサージュ図形に基づく絶対変位の検出処理例>
図12は、本例における物理量検出回路の一構成例を示す図である。
物理量検出回路412は、図12に示すように、周期成分信号及び振幅成分信号を生成するリサージュ生成回路443と、相対変位を出力する周期成分演算回路444と、絶対変位を出力する振幅成分演算回路411と、を有する。
前記リサージュ生成回路443は、第1の光検出器21から入力される振幅変調信号S1A,S1Bに基づいて周期成分信号Sw1を生成し、第2の光検出器22から入力される振幅変調信号S2A,S2Bに基づいて周期成分信号Sw2を生成する。さらに、前記リサージュ生成回路443は、第1の光検出器21から入力される振幅変調信号S1A,S1Bに基づいて振幅成分信号Sa1を生成し、第2の光検出器22から入力される振幅変調信号S2A,S2Bに基づいて振幅成分信号Sa2を生成する。
ここで、第1の光検出器21からの振幅変調信号S1A(cos成分)、S1B(sin成分)、及び第2の光検出器22からの振幅変調信号S1A(cos成分)、S1B(sin成分)は、一定位相差を有する周期pの周期信号である。そして、それぞれの振幅変調信号に基づいて描画したリサージュ図形は、図13に示すように螺旋状の軌跡を描く。
図13において、太線で示すリサージュ図形L1は、第1の光検出器21からの振幅変調信号S1A(cos成分)、S1B(sin成分)に基づくリサージュ図形である。細線で示すリサージュ図形L2は、第2の光検出器22からの振幅変調信号S2A(cos成分)、S2B(sin成分)に基づくリサージュ図形である。
前記周期成分演算回路444は、第1内挿回路445と、第2内挿回路446と、インクリメンタル信号演算回路447と、を備える。
前記第1内挿回路445及び前記第2内挿回路446は、入力された周期成分信号Sw1、Sw2を、角度情報に変換する。
具体的には、前記第1内挿回路445及び前記第2内挿回路446は、例えばリサージュ生成回路443から出力された2相のcos,sinの値からarctanを直接演算することで、角度情報を取得することができる。また、リサージュ生成回路443から出力された信号をアナログ-デジタル変換してアドレスデータを生成し、予め記憶領域に記録されている角度情報をアドレスデータに基づいて参照することで、内挿処理を行っても勿論よい。さらには、分解能によっては、直接アナログ値を用いて、コンパレータなどの簡易な回路素子により、信号を検出して変位を求めても勿論よい。
前記インクリメンタル信号演算回路447は、前記第1内挿回路445及び前記第2内挿回路446から入力された角度情報を演算処理して誤差成分を排除すると共に、一つ前のタイミングで取得された角度情報との差を演算し、変化量を算出して出力する。
ここで、「誤差成分を排除する」とは、単に内挿回路445,446から出力される角度情報の平均値をとるだけでなく、次のような処理を行い、原信号S1A,S1B,S2A,S2Bの振幅変動による角度情報の誤差を低減させることを意味する。誤差成分の除去処理方法としては、例えば次の3つの例を挙げることができる。
(例1) 原信号の振幅の大きい方に相当する内挿回路445,446からの角度情報のみ出力する(リサージュ生成回路443による処理で振幅変動がある場合又は無くさない場合に適用可能)。
(例2) 原信号の振幅の大きさに応じて、内挿回路445,446からの角度情報を重み付けして平均化処理する。
(例3) 処理開始時に、誤差分を除去する。
前記振幅成分演算回路411は、基準値に対する絶対変位を演算して出力するデジタル演算部410を備える。
デジタル演算部410は、リサージュ生成回路443から出力されたリサージュ図形の半径r1、r2について、次の演算を実行することで、絶対変位を算出する。
すなわち、
(r1−r2)/(r1+r2) …(式17)
を演算することで、絶対変位を算出する。
なお、半径の減算を、出力信号の最大値で除算しても絶対変位が求まる。
すなわち、
(r1−r2)/rmax …(式18)
を算出することで、絶対変位を算出してもよい。
なお、絶対位置の算出においては、振幅成分演算回路411によってラフな絶対位置を求めた後、該絶対位置と、周期成分演算回路444で出力される相対位置と、の両者を併せた情報とすることで、高精度な絶対位置を求めることができる。
また、例えばコンパレータなどの簡易な回路素子により信号を検出して比較判定することも可能であり、直接アナログ値に基づいて絶対位置を算出しても勿論よい。
なお、本第1実施形態において、“実効反射率または実効透過率が、漸増または漸減する光学パターン”とは、単にパターンの反射率や透過率が漸増または漸減することに限定されない。すなわち、ここで言う光学パターンとは、スケールに照射された光ビームが当該スケール上の光学パターンにて反射、透過、回折されて、光検出器の受光面上に形成される光学イメージの空間振幅または総光量が変調される光学パターンを全て含むものである。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、絶対位置検出及び相対位置検出の何れにおいても分解能及び安定性を高いレベルで維持しつつ、絶対位置の検出感度の向上及び検出範囲の拡大を実現する光学式変位検出装置を提供することができる。
更には、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置によれば、複数の光検出器と、光源と、を1つのセンサヘッドに集積した構成とし、並列するグレートラック同士の間隔を狭く取ることを可能とし、センサヘッドを全体として小型化し、更にはセンサヘッドとスケールとの位置合わせが容易となる。
なお、光源1の個数は1個に限られない。すなわち、複数の光源を設けても勿論よい。また、センサヘッドの個数も1個に限られない。すなわち、複数のセンサヘッドを設けても勿論よい。
例えば、2つのグレートラックの各々に対して、別々に光源とセンサヘッドとを設ける構成としても勿論よい。このように構成する場合、各々のグレートラック及びセンサヘッドに対して別々の光源を利用できるので、グレートラック間の距離配置に自由度が増す。なお、2つの光源の光量に差がある場合であって、高精度検出が要求される場合には、当該光量の差を補正することが望ましい。
以上、第1実施形態を説明したが、上述した例に限定されるものではなく、本第1実施形態の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
以下、本第1実施形態に係る光学式変位検出装置についての変形例を説明する。
〔第1変形例〕
本第1変形例は、スケール4上に形成する光学パターンの構成に関する変形例である。図14は、本第1変形例に係る光学式変位検出装置に特有の変調コードパターンの一構成例を示す斜視図である。
図14に示すように、変調コードパターン150は、光ビームエリア111よりも細かいパターンで所定方向(変位を検出する方向である前記X方向)に対するエンコードパターン157と、楔形状のパターン155と、が合成されて構成されている。この構成を採ることで、実効反射率を直線的に漸増或いは漸減するパターンを容易に作成することができる。
〔第2変形例〕
本第2変形例は、スケール4上に形成する光学パターンの構成に関する変形例である。図15は、本第2変形例に係る光学式変位検出装置に特有の変調コードパターンの一構成例を示す斜視図である。
図15に示すように、変調コードパターン150は、光ビームエリア111よりも細かいパターンで所定方向(変位を検出する方向である前記X方向)にエンコードパターン157が形成された部材と、楔形状のパターン155が形成された部材と、が重ね合わせられて構成されている。この構成を採ることで、実効反射率を直線的に漸増或いは漸減するパターンを容易に作成できる。
〔第3変形例〕
本第3変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の幾何学的距離の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
図16A及び図16Bは、変調グレースケールパターンが設けられたスケール4の一構成例を示す断面図である。詳細には、図16Aは図1に示すB−B´における断面図であり、図16Bは図1に示すC−C´における断面図である。
図16A及び図16Bに示すように、スケール4のうちセンサヘッド30に対向する面に、光学パターン53が所定方向(変位を検出する方向である前記x方向)において所定間隔で設けられて変調グレースケールパターン150´が形成されている。
ここで、スケール4は、B−B´断面においてはその厚みがX方向に向かって漸増し、C−C´断面においてはその厚みがX方向に向かって漸減するように構成されている。また、スケール4は、B−B´断面における厚みとC−C´断面における厚みとの和が一定値を取るように構成されている。
上述した構成により、スケール4とセンサヘッド30との間の幾何学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第4変形例〕
本第4変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の光学的距離の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
図17A及び図22Bは、変調グレースケールパターンが設けられたスケール4の一構成例を示す断面図である。詳細には、図17Aは図1に示すB−B´における断面図であり、図17Bは図1に示すC−C´における断面図である。
図17A及び図17Bに示すように、透明部材であるスケール4のうちセンサヘッド30に対向する面とは逆の面に、光学パターン53が所定方向(変位を検出する方向である前記x方向)において所定間隔で設けられて変調グレースケールパターン150´が形成されている。
ここで、スケール4は、B−B´断面においてはその厚みがX方向に向かって漸増し、C−C´断面においてはその厚みがx方向に向かって漸減するように構成されている。また、スケール4は、B−B´断面における厚みとC−C´断面における厚みとの和が一定値を取るように構成されている。
ところで、透明部材であるスケール4中における光学的距離と、空気中における光学的距離とは当然ながら異なる。つまり、光源1と、変調グレースケールパターン150´を構成する各々の光学パターン53との幾何学的距離は同じであっても、光学的距離は異なる(上述した構成により、x方向において漸増/漸減する)。
従って、上述した構成により、スケール4とセンサヘッド30との間の光学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第5変形例〕
本第5変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール上にグレートラックを設ける代わりに、後述する構成によりグレートラックと同様の機能を発揮する変調グレースケールパターンをスケール上に設ける。
図18A及び図18Bは、変調グレースケールパターンが設けられたスケール4の一構成例を示す断面図である。詳細には、図18Aは図1に示すB−B´における断面図であり、図18Bは図1に示すC−C´における断面図である。
図18A及び図18Bに示すように、所定の透過率を有するスケール4のうちセンサヘッド30に対向する面とは逆の面に、光学パターン53がスケール4の長手方向において所定間隔で設けられて変調グレースケールパターン150´が形成されている。
ここで、スケール4は、B−B´断面においてはその厚みがx方向において漸増し、C−C´断面においてはその厚みがx方向において漸減するように構成されている。また、スケール4は、B−B´断面における厚みとC−C´断面における厚みとの和が一定値を取るように構成されている。
従って、上述した構成により、光学パターン53とセンサヘッド30との間の透過率が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第6変形例〕
本第6変形例は、スケール4の構成(形状)に関する変形例である。図19は、本第6変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図である。
図19に示すように、本第6変形例に係る光学式変位検出装置においては、スケール4は円筒形状に構成されている。この円筒形状のスケール4における外周面には、グレートラック51とグレートラック52とが互いに並行に設けられている。
一方、センサヘッド30は、スケール4におけるグレートラック51が設けられた位置に対応して第1の光検出器21が設けられ、グレートラック52が設けられた位置に対応して第2の光検出器22が設けられている。そして、これら第1の光検出器21と第2の光検出器22との間には光源1が設けられている。
なお、グレートラック51とグレートラック52は、第1の光検出器21と第2の光検出器22により、実効反射率が逆相で検出されるように配置・構成されている。
上述した構成により、2つの変調コードパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
本第6変形例によれば、円筒形状のスケール4上にグレートラックが形成される為、測定対象の相対的な回転角度と、絶対的な角度と、を共に高精度に検出することができる。
〔第7変形例〕
本第7変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の幾何学的距離の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
ここで、第6変形例に係る光学式変位検出装置においてはスケール4を断面が円形である円筒形状に構成しているが、本第7変形例においてはスケール4を、断面が円形ではない筒形状に構成する。
図20Aは、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている外周面の位置でスケール4を切断した場合の断面図である。図20Bは、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている外周面の位置でスケール4を切断した場合の断面図である。
図20A及び図20Bに示すようにスケール4の断面は、第6変形例のスケール4のような半径が一定値の円形形状ではなく、当該スケール4の回転に伴って当該スケール4と前記センサヘッド30との幾何学的距離が変化していくような形状、すなわち半径が漸次大きくなる/小さくなるような略円形形状に構成されている。
具体的には、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って、当該スケール4と前記センサヘッド30との幾何学的距離が近くなるように、半径が漸次大きくなる断面形状に構成されている(図20A参照)。
一方、第2の光検出器212よる光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って、当該スケール4と前記センサヘッド30との幾何学的距離が遠くなるように、半径が漸次小さくなる断面形状に構成されている(図20B参照)。
また、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位の断面半径と、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位の断面半径と、の和が一定値を取るように構成されている。
上述した構成により、スケール4とセンサヘッド30との間の幾何学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第8変形例〕
本第8変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の光学的距離の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
また、本第8変形例においては、第6変形例に係る光学式変位検出装置におけるスケール4(断面が円形である円筒形状)の外周面に対して、図21A及び図21Bに示すように透明部材93を設ける。
図21Aは、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている外周面の位置でスケール4を切断した場合の断面図である。図21Bは、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている外周面の位置でスケール4を切断した場合の断面図である。なお、光学パターンは、図21A、図21Bにおいて破線97で示す円周面(楕円形状を呈している円周面)に設けられている。
具体的には、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って光学パターンと前記センサヘッド30との光学的距離が近くなるように、半径が漸次小さくなる断面形状となるように透明部材93が設けられている(図21A参照)。一方、第2の光検出器22よる光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って、光学パターンと前記センサヘッド30との光学的距離が遠くなるように、半径が漸次大きくなる断面形状となるように透明部材93が設けられている(図21B参照)。
また、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位の断面半径と、第2の光検出器22による光検出対象の変調コードパターンが設けられている部位の断面半径と、の和が一定値を取るように構成されている。
ところで、透明部材であるスケール4中における光学的距離は、空気中における光学的距離とは当然ながら異なる。つまり、光源1と各々の光学パターンとの幾何学的距離は同じであっても、光学的距離は異なる(上述した構成により、漸増/漸減する)。
上述した構成により、変調グレースケールパターンとセンサヘッド30との間の光学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第9変形例〕
本第9変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の光透過率の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
また、本第9変形例においては、第6変形例に係る光学式変位検出装置におけるスケール4を、所定の透過率を有する部材91で構成する。なお、変調グレースケールパターンは、図22A、図22Bにおいて破線97で示す円周面(楕円形状を呈している円周面)に設けられている。
図22Aは、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位でスケール4を切断した場合の断面図である。図22Bは、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位でスケール4を切断した場合の断面図である。
具体的には、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って光源1からの光の透過率が漸次大きくなるように、半径が漸次小さくなる断面形状となるように形成されている(図22A参照)。
一方、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位においては、当該スケール4の回転に伴って光源1からの光の透過率が漸次小さくなるように、半径が漸次大きくなる断面形状となるように形成されている(図22B参照)。
また、スケール4は、第1の光検出器21による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位の断面半径と、第2の光検出器22による光検出対象の変調グレースケールパターンが設けられている部位の断面半径と、の和が一定値を取るように構成されている。
ところで、所定の透過率を有する部材であるスケール4中における光学的距離は、空気中における光学的距離とは当然ながら異なる。つまり、光源1と各々の光学パターンとの幾何学的距離は同じであっても、光学的距離は異なる(上述した構成により、漸増/漸減する)。
上述した構成により、変調グレースケールパターンとセンサヘッド30との間の光の透過率と光学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第10変形例〕
本第10変形例は、スケール4の構成(形状)に関する変形例である。図23は、本第6変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図である。
図23に示すように、本第10変形例に係る光学式変位検出装置においては、スケール4は円盤形状に構成されている。
具体的には、この円盤形状のスケール4における円板面には、当該円板面の外周に沿って帯状にグレートラック51とグレートラック52とが、実効反射率を互いに逆相で検出することが可能に設けられている。
一方、センサヘッド30は、スケール4におけるグレートラック51が設けられた位置に対応して第1の光検出器21が設けられ、グレートラック52が設けられた位置に対応して第2の光検出器22が設けられている。そして、これら第1の光検出器21と第2の光検出器22との間には光源1が設けられている。
本第10変形例によれば、円盤形状のスケール4上にグレートラックが形成される為、変位検出対象物の相対的な回転角度と、絶対的な角度と、を共に高精度で検出することができる。
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態に係る光学式変位検出装置について説明する。なお、説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る光学式変位検出装置との相違点のみを説明する。
第1実施形態に係る光学式変位検出装置との主な相違点の1つは、グレートラックの配置構成である。図24は、本発明の第2実施形態に係る光学式変位検出装置のスケールの一構成例を示す図である。
具体的には、上述した第1実施形態に係る光学式変位検出装置においては、スケール4上に2つの変調コードパターンがそれぞれ並行して個別のグレートラック上に形成されているが、本第2実施形態に係る光学式変位検出装置においては、図24に示すように1つのグレートラック50上に2つの変調コードパターン53a,53bが直列的に配置されて形成されている。
換言すれば、本第2実施形態に係る光学式変位検出装置においては、第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとが直列的に連結されて1つのグレートラック50上に形成されている。
詳細には、変位を検出する方向であるx方向における所定区間Lgrayにおいて、実効反射率または実効透過率がx方向において漸増或いは漸減する第1の変調コードパターン53aと、実効反射率または実効透過率が前記第1の変調コードパターン53aとはx方向に関して鏡面反転するように構成された第2の変調コードパターン53bと、が同一のグレートラック50上に直列的に形成されている。
このような構成のスケール4に対応して、第1の変調コードパターン53aからの反射光を検出する為の第1のセンサヘッド30aと、第2の変調コードパターン53bからの反射光を検出する為の第2のセンサヘッド30bと、がx方向における所定区間Lgrayに対応した間隔で設けられている。
上述した構成により、第1の変調コードパターン53a,第2の変調コードパターン53bからの反射光を、それぞれ第1の光検出器21と第2の光検出器22とにより逆相で検出することができる。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、第1実施形態に係る光学式変位検出装置と同様の効果を奏する上に、上述した変調コードパターンの配置構成により、スケール4の更なる小型化を実現した光学式変位検出装置を提供することができる。
以下、本第2実施形態に係る光学式変位検出装置についての変形例を説明する。
〔第11変形例〕
本第11変形例は、スケール4の構成(形状)に関する変形例である。図25は、本第11変形例に係る光学式変位検出装置の一構成例を示す図である。
本第11変形例に係る光学式変位検出装置においては、第2実施形態に係る光学式変位検出装置におけるスケール4を、図25に示すように円筒形状に構成している。この円筒形状のスケール4における外周面には、当該外周面を帯状に一周するように、第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとが直列的に連結されて1つのトラック上に形成されている。
一方、第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとの反射率を逆相で検出する為に、スケール4に対して互いに逆側に配置された第1のセンサヘッド30a及び第2のセンサヘッド30bに、それぞれ第1の光検出器21と第2の光検出器22とが設けられている。
そして、〔第10変形例〕と同様に、変位を検出する方向であるx方向における所定区間Lgrayにおいて、実効反射率または実効透過率がx方向において漸増或いは漸減する第1の変調コードパターン53aと、実効反射率または実効透過率が前記第1の変調コードパターン53aとはx方向に対して鏡面反転するように構成された第2の変調コードパターン53bと、が同一のグレートラック50上に直列的に形成されている。
上述した構成により、2つの変調コードパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
本第11変形例によれば、円筒形状のスケール4上にグレートラックが形成される為、測定対象の相対的な回転角度と、絶対的な角度と、を共に高精度に検出することができる。
〔第12変形例〕
本第12変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の幾何学的距離の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
ここで、第11変形例に係る光学式変位検出装置においてはスケール4を断面が円形である円筒形状に構成しているが、本第12変形例においては、スケール4を断面が円形ではない筒形状に構成する。
図26は、外周面における変調グレースケールパターンが設けられている位置でスケール4を切断した場合の断面図である。図26に示すようにスケール4の断面形状は、第11変形例のスケール4のような半径が一定値の円形形状ではなく、楕円形状に構成されている。
換言すれば、断面半径が周期的に漸増/漸減する楕円形状のスケール4の外周面上に変調グレースケールパターンを設けることにより、上述した変調コードパターンと同様の作用効果、すなわち実効反射率または実効透過率がスケール4の回転と共に漸増または漸減するという作用・効果を得ることができる。
上述した構成により、変調グレースケールパターンとセンサヘッド30との間の幾何学的距離が漸次変化する構成となり、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第13変形例〕
本第13変形例に係る光学式変位検出装置では、スケール4上に変調コードパターンを設ける代わりに、各光検出器21,22との間の光学的距離や光透過率の変化により変調コードパターンと同様の機能を発揮する“変調グレースケールパターン”を、スケール4と一体的に構成して設ける。
すなわち、本第13変形例においては、第11変形例に係る光学式変位検出装置におけるスケール4(断面が円形である円筒形状)の外周面97に対して、図27に示すように所定の透過率を有する部材91を設ける。
図27は、変調グレースケールパターンが設けられている部位でスケール4を切断した場合の断面図である。図27に示すように、所定の透過率を有する部材91を外周面97上に設けることで、スケール4の断面形状を楕円形状としている。
ところで、所定の透過率を有する部材91中における光学的距離は、空気中における光学的距離とは当然ながら異なる。つまり、光源1と各々の変調グレースケールパターンとの幾何学的距離は同じであっても、光学的距離は異なる(上述した構成により、漸増/漸減する)。
上述した構成により、変調グレースケールパターンとセンサヘッド30との間の光学的距離が漸次変化する効果と、所定の透過率の部材の厚さが漸増/漸減して光の透過率が変化する効果と、が合算されて、スケールパターンの実効的反射率が漸増/漸減することにより、2つの変調グレースケールパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
〔第14変形例〕
本第14変形例は、スケール4の構成(形状)に関する変形例である。図28は、本第14変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す斜視図である。
図28に示すように、本第14変形例に係る光学式変位検出装置においては、スケール4は円盤形状に構成されている。この円盤形状のスケール4における円板面には、当該円板面の円周に沿って帯状に第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとが連結されて設けられている。換言すれば、第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとによって、当該円板面を円周に沿って一周するように構成されている。
詳細には、第1の変調コードパターン53aと第2の変調コードパターン53bとは、回転方向において漸増/漸減する実効反射率または実効透過率が、図28に示す線分C−C’に対して互いに鏡面反転した構成となるように形成されている。
これに対応してセンサヘッドとしては、変調コードパターンの反射率を逆相で検出する為に、第1のセンサヘッド30aと第2のセンサヘッド30bとが、円盤形状のスケール4の回転中心に対して互いに反対側に位置するように配置されている。
[第3実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第3実施形態に係る光学式変位検出装置について説明する。なお、説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る光学式変位検出装置との相違点のみを説明する。
第1実施形態に係る光学式変位検出装置との主な相違点の1つは、スケールの構成である。図29は、本発明の第3実施形態に係る光学式変位検出装置のスケールの一構成例を示す図である。
具体的には、本第3実施形態に係る光学式変位検出装置においては、図29に示すように、第1のグレースケールパターン551と、第2のグレースケールパターン552と、エンコードパターン553と、がスケール4上に並行して配置されている。
そして、第1のグレースケールパターン551に対応する光検出器として第1の光検出器521、第2のグレースケールパターン552に対応する光検出器として第2の光検出器522、及び、エンコードパターン553に対応する光検出器として第3の光検出器523がセンサヘッド530上に設けられている。
なお、第1の光検出器521、第2の光検出器522には単一の受光素子が設けられているが、第3の光検出器523は、第1実施形態に係る光学式変位検出装置が具備する光検出器と同様に、4群の受光素子アレイを有し、変位検出対象物が変位すると、4群の受光素子アレイからは1/4周期づつ位相がずれた4相の周期信号が出力される。そして、第1実施形態で説明した処理を行うことで、対象の相対変位を安定且つ細かく検出することができる。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、第1実施形態に係る光学式変位検出装置と同様の効果を奏する上に、エンコーダ信号について振幅成分と周期成分とを分離する処理が不要である為、処理回路を簡略化することが可能な光学式変位検出装置を提供することができる。
以下、本第3実施形態に係る光学式変位検出装置の変形例について説明する。
〔第15変形例〕
本第15変形例は、スケール4の構成に関する変形例である。図30は、本第15変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す図である。
本第15変形例に係る光学式変位検出装置においては、第1のグレースケールパターン551と、第2のグレースケールパターン552と、が並行してスケール4上に形成されている。
そして、センサヘッド530は、第1のグレースケールパターン551が設けられグレートラック及び第2のグレースケールパターン552が設けられたグレートラックに光を照射する光源1と、第1のグレースケールパターン551に対応する第1の光検出器525と、第2のグレースケールパターン552に対応する第2の光検出器526と、を有している。
ここで、本第15変形例に係る光学式変位検出装置では、第1の光検出器525及び第2の光検出器526は、複数の受光素子アレーではなく、単一の受光素子により形成されている。
光源1から出射した光ビームは、スケール4上の第1のグレースケールパターン551及び第2のグレースケールパターン552で反射され、それぞれ第1の光検出器525、第2の光検出器526により光量を検出される。
ここで、第1の光検出器525及び第2の光検出器526からは、例えば図7に示すような1組の信号が得られ、図31に示すように変位xに対して単調に増加する特性105´と、変位xに対して単調に減少する特性105と、を得ることができる。このようにして得た信号に対して、図8、図9を参照して説明した演算を実行することにより、変位xを安定且つ高精度に検出することができる。
本第15変形例によれば、予め所定区間を変位させることで出力特性を把握することなく、絶対変位を高精度に検出することができる。
〔第16変形例〕
本第16変形例は、スケール4の構成に関する変形例である。図32は、本第16変形例に係る光学式変位検出装置に特有のスケール及びセンサヘッドの一構成例を示す図である。
本第16変形例においては、第15変形例で示したグレースケールパターンのようにパターン表面の反射率自体を変化させるのではなく、パターンの幅を変化させることによって実効的に反射率を変化させる。
具体的には、図32に示すように、第1のパターン561と第2のパターン562とを楔形形状に形成し、且つ、変位方向(x方向)に関して互いに逆向きとなるように配置する。
なお、センサヘッド30とスケール4との位置ずれの影響を小さくする為に、第1のパターン561の最大幅はスケール4上における光ビームの直径よりも小さくなるように構成することが好ましい。
本第16変形例に係る光学式変位検出装置においては、上述した構成を採ることにより、容易にパターン表面の実効反射率を直線的に変化させることができる。これにより、反射率の変化を利用した絶対変位の高精度な検出を可能とする。
上述した構成により、2つのパターンの変化する実効反射率を互いに逆相で検出することが可能となる。
以上、第1実施形態乃至第3実施形態に基づいて本発明を説明したが、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
4…スケール、 11…スリット、 21…第1の光検出器、 22…第2の光検出器、 30…センサヘッド、 30a…第1のセンサヘッド、 30b…第2のセンサヘッド、 51,52…グレートラック、 51´…第1の変調コードパターン、 52…グレートラック、 52´…第2の変調コードパターン、 53…光学パターン、 53a…第1の変調コードパターン、 53b…第2の変調コードパターン、 80…光学イメージ、 93…透明部材、 102…DC成分、 111…光ビームエリア、 150…変調コードパターン、 150´…変調グレースケールパターン、 155…パターン、 157…エンコードパターン、 210…物理量検出回路、 212…第2の光検出器、 223…同相合成部、 224…振幅成分差動演算部、 225…前処理回路、 226…逓倍処理結果出力部、 227…デジタル演算部、 228…相対位置出力回路、 229…振幅成分演算回路、 410…デジタル演算部、 411…振幅成分演算回路、 412…物理量検出回路、 443…リサージュ生成回路、 444…周期成分演算回路、 445…内挿回路、 446…内挿回路、 447…インクリメンタル信号演算回路、 521…第1の光検出器、 522…第2の光検出器、 523…第3の光検出器、 525…第1の光検出器、 526…第2の光検出器、 530…センサヘッド、 551…第1のグレースケールパターン、 552…第2のグレースケールパターン、 553…エンコードパターン、 561…第1のパターン、 562…第2のパターン。

Claims (6)

  1. 変位検出対象物の所定方向における変位を検出する光学式変位検出装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    第1のトラックパターンと、第2のトラックパターンと、が前記所定方向を長手方向として形成されたスケールと、
    前記光源から射出された光ビームを、前記第1のトラックパターンを介して検出して第1の信号を生成する第1の光検出器と、前記光源から射出された光ビームを、前記第2のトラックパターンを介して検出して第2の信号を生成する第2の光検出器と、を有するセンサヘッドと、
    前記第1の信号と、前記第2の信号と、に基づいて前記変位を算出する信号処理部と、
    を具備し、
    前記第1のトラックパターン及び前記第2のトラックパターンは、
    実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れか1つが前記所定方向において互いに逆向きに略直線的に増減し、且つ、前記第1の光検出器により検出される前記第1のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、前記第2の光検出器により検出される前記第2のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、の和の値が略一定となる光学パターンであり、
    前記スケール又は前記センサヘッドは、前記変位検出対象物に連結され、
    前記第1の信号及び前記第2の信号は、少なくとも、前記第1の信号と前記第2の信号とを所定演算することにより相殺される第1成分と、前記所定演算後にも残存する任意の位置に特有の第2成分と、を含み、
    前記第1のトラックパターン、前記第2のトラックパターン、前記第1の光検出器、前記第2の検出器、及び前記光源は、前記第1の検出器による検出と、前記第2の検出器による検出と、が関連付けて実行されるように配置されており、
    前記第1のトラックパターンと前記第2のトラックパターンとは、前記スケール上に直列に形成され、
    前記光源は、前記第1のトラックパターンに対して光ビームを照射する第1の光源と、前記第2のトラックパターンに対して光ビームを照射する第2の光源と、から成る
    ことを特徴とする光学式変位検出装置。
  2. 変位検出対象物の所定方向における変位を検出する光学式変位検出装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    第1のトラックパターンと、第2のトラックパターンと、が前記所定方向を長手方向として形成されたスケールと、
    前記光源から射出された光ビームを、前記第1のトラックパターンを介して検出して第1の信号を生成する第1の光検出器と、前記光源から射出された光ビームを、前記第2のトラックパターンを介して検出して第2の信号を生成する第2の光検出器と、を有するセンサヘッドと、
    前記第1の信号と、前記第2の信号と、に基づいて前記変位を算出する信号処理部と、
    を具備し、
    前記第1のトラックパターン及び前記第2のトラックパターンは、
    実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れか1つが前記所定方向において互いに逆向きに略直線的に増減し、且つ、前記第1の光検出器により検出される前記第1のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、前記第2の光検出器により検出される前記第2のトラックパターンの実効反射率、実効透過率、及び回折効率のうち何れかの値と、の和の値が略一定となる光学パターンであり、
    前記スケール又は前記センサヘッドは、前記変位検出対象物に連結され、
    前記第1の信号及び前記第2の信号は、少なくとも、前記第1の信号と前記第2の信号とを所定演算することにより相殺される第1成分と、前記所定演算後にも残存する任意の位置に特有の第2成分と、を含み、
    前記第1のトラックパターン、前記第2のトラックパターン、前記第1の光検出器、前記第2の検出器、及び前記光源は、前記第1の検出器による検出と、前記第2の検出器による検出と、が関連付けて実行されるように配置されており、
    前記第1のトラックパターンと前記第2のトラックパターンとは、前記スケール上に並列して形成され
    前記所定方向の所定区間において実効反射率、実効透過率または回折効率が漸増または漸減する光学パターンを、グレースケールパターンと定義し、
    前記所定方向に対して実効反射率、実効透過率または回折効率の何れかが所定の空間周期で変化する光学パターンを、エンコードパターンと定義し、
    前記エンコードパターンと前記グレースケールパターンを重畳した光学特性を有するパターンを、変調コードパターンと定義した場合に、
    前記スケールの第1のトラックパターンは第1の変調コードパターンであり、前記第2のトラックパターンは第2の変調コードパターンであり、
    前記第1の変調コードパターンと前記第2の変調コードパターンは、前記所定区間を前記所定方向に対して垂直に2等分する線分に対して実効的反射率、実効的透過率または回折効率の何れかが前記所定方向において鏡面反転した構成となっている
    ことを特徴とする光学式変位検出装置。
  3. 前記光源から出射した光が、前記第1の変調コードパターン及び前記第2の変調コードパターンにて透過、反射、または回折され、前記第1の光検出器及び前記第2の光検出器の受光面上において空間周期piの回折模様を形成するように、前記センサヘッドと前記スケールとが配置されており、
    前記第1の光検出器及び前記第2の光検出器の受光面上には、前記空間周期piの回折模様と同一または前記空間周期piの整数倍の空間周期を有する受光素子アレイが複数形成されており、
    前記複数の受光素子アレイは、互いに異なる空間位相差で前記回折模様を検出するように、前記所定方向にずらせて配置構成されており、
    前記第1の光検出器及び前記第2の光検出器における複数の受光素子アレイのうち、前記回折模様の同相部分を受光する受光素子アレイからの出力同士を加算する複数チャンネルの加算演算部と、
    前記加算演算部の複数チャンネルからの出力を組み合わせて、相対変位を演算する相対位置演算部と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の光学式変位検出装置。
  4. 前記信号処理部は、
    前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、各々の信号における直流成分に係る信号または振幅に係る信号を抽出する抽出処理手段と、
    前記抽出処理手段により抽出された直流成分または振幅を互いに減算処理することにより、所定区間における前記スケールの絶対変位を算出する絶対変位算出手段と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学式変位検出装置。
  5. 前記絶対変位算出手段は、当該光学式変位検出装置の起動時または所定のタイミングにおいて、前記抽出処理手段により抽出された一組の信号を互いに加算し、該加算結果を参照値として保持または更新する記憶手段を含み、
    前記絶対変位算出手段は、前記抽出処理手段により抽出された一組の信号を互いに減算した値と、前記参照値と、の比を演算することにより、絶対変位を検出する
    こと特徴とする請求項4に記載の光学式変位検出装置。
  6. 前記第1のトラックパターン及び前記第2のトラックパターンは共に前記スケールの同一面上において前記所定方向を長手方向として形成され、
    前記第1の光検出器は、前記光源から射出され、前記第1のトラックパターンにより反射された光ビームを検出して第1の信号を生成し、前記第2の光検出器は、前記光源から射出され、前記第2のトラックパターンにより反射された光ビームを検出して第2の信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光学式変位検出装置。
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