JP5563905B2 - リサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形してなるパイプ成形品、及びポリエチレン系樹脂リサイクル方法 - Google Patents

リサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形してなるパイプ成形品、及びポリエチレン系樹脂リサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、押出成形品の製造に用いられるリサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形してなるパイプ成形品、及びポリエチレン系樹脂リサイクル方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂を押出成形して各種形状の押出成形品を製造する場合、成形状態が悪かった成形不良部分、押出成形品を加工して製品とする際の切り屑や切り粉、打ち抜き屑などの種々の工程で廃材(スクラップ樹脂)が発生する。
従来、ポリオレフィン系樹脂成形品を製造する際に生じた廃材を再利用するための技術として、例えば、特許文献1に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、(A)高密度ポリエチレン樹脂からなる管材の廃材より得られたリサイクル樹脂100〜40質量%とメルトフローレートが0.08〜1.5g/10分の範囲にある高密度ポリエチレン樹脂0〜60質量%とからなるリサイクル樹脂混合物100〜50質量%とオレフィン系熱可塑性エラストマー0〜50質量%とからなる基体ポリマー成分100質量部に(B)有機リン酸エステル化合物又は有機亜リン酸エステル化合物0.05〜0.5質量部と(C)アルミニウム−カルシウム複合酸化物0.2〜1.0質量部とを配合してなる樹脂組成物からなるフィルムが開示されている。
特開2001−234003号公報
ポリオレフィン系樹脂は、樹脂の構造、設計によりその性能が規定される。例えば、ポリエチレンについては、PE100(JWWA K144)、水道用ポリチレン管1種(JIS K 6762)、水道用ポリチレン管2種(JIS K 6762)などの短期性能及び長期性能による分類がなされている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂に過度な熱履歴がかかると、分子鎖の切断、カルボニル基の増加、架橋などの劣化反応を生じ、その性能が変化してしまう。
前述したような特定の性能を有するポリオレフィン系樹脂押出成形品の廃材を樹脂材料として押出成形品を製造した場合、廃材樹脂に過度な熱履歴がかかって劣化し、得られる廃材再利用品は前記性能を満たさなくなるおそれがある。このような理由から、これまで押出成形品から得られた廃材は、同じ押出成形品を製造するための材料として再利用することは困難であった。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂押出成形品の製造時に得られた廃材を用いて、該廃材樹脂を劣化させることなく前記押出成形品の製造用樹脂組成物に用いることが可能なリサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物の提供を課題とする。
本発明は、前記課題を達成するために、以下の手段を提供している。
第1の発明は、(A)ポリエチレン系樹脂製押出成形品の廃材から得られたリサイクル樹脂とポリエチレン系樹脂バージン材とを含み、前記リサイクル樹脂の混合比率が50質量%以下であるポリエチレン系樹脂と、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、(C)リン系熱安定剤とを含み、前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して500〜1500質量ppmの範囲であり、前記(C)リン系熱安定剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して200〜800質量ppmの範囲であり、前記リサイクル樹脂が、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上であることを特徴とするリサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形してなるパイプ成形品である。
第2の発明は、ポリエチレン系樹脂からなる押出成形品の廃材から得られたリサイクル樹脂を荒粉砕し、次いで得られたリサイクル樹脂荒粉砕物とポリエチレン系樹脂バージン材とを混合し、前記リサイクル樹脂の混合比率が50質量%以下である(A)ポリエチレン系樹脂とし、該(A)ポリエチレン系樹脂と、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、(C)リン系熱安定剤とを含むリサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物とし、該リサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して押出成形品を製造するリサイクル方法であって、前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して500〜1500質量ppmの範囲であり、前記(C)リン系熱安定剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して200〜800質量ppmの範囲であり、前記リサイクル樹脂が、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上であることを特徴とするポリエチレン系樹脂リサイクル方法である。
第3の発明は、前記リサイクル樹脂荒粉砕物が、JIS規格8メッシュの篩を通過する大きさであることを特徴とする前記第2の発明のポリエチレン系樹脂リサイクル方法である。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂押出成形品の製造時に得られた廃材を用いて、該廃材を劣化させることなく前記押出成形品の製造用樹脂組成物に用いることができ、前記廃材の再利用率を高めることができる。
本発明で使用されるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の低級オレフィンの単独重合又は共重合してなる、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロックもしくはランダム共重合体、上記低級オレフィンと酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等の極性基を有するモノマーを共重合してなる、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
これらのポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.01〜100g/10分である。
本発明で使用されるリサイクル樹脂は、ポリオレフィン系樹脂からなる押出成形品の製造において、良品と分けられた成形不良部分、成形品のカット工程で生じた端材、押出成形品の加工工程で生じた切り屑や切り粉、打ち抜き屑等の廃材を荒粉砕したものである。
本発明で使用されるリサイクル樹脂は、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上であり、100分以上であることが好ましい。酸化誘導時間が50分以上のリサイクル樹脂を用いることで、リサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物を押出成形した際に、メヤニの発生や樹脂の架橋に起因するブツの発生を防ぐことができる。なお、前記メヤニとは、ポリオレフィン系樹脂を各種形状に押出成形する際に、成形時間の経過と共にダイ吐出口端に付着する樹脂カス等のことである。このメヤニは、時間の経過とともに炭化が進行して押出される成形品の表面に付着して成形品の外観性能を悪化させたり、成形品の各種機能を低下させる。
本発明で使用されるポリオレフィン系樹脂バージン材は、ポリオレフィン系樹脂押出成形品の製造に用いられる未使用のポリオレフィン系樹脂である。このポリオレフィン系樹脂バージン材は、1種以上のモノマーを触媒の存在下で重合して得ることができ、或いは各種の市販品の中から適宜選択した1種又は複数種を混合して用いることができる。
本発明で使用される(A)ポリオレフィン系樹脂は、前記リサイクル樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂バージン材とを混合したものである。このリサイクル樹脂の混合比率は、(A)ポリオレフィン系樹脂の全量に対し、56質量%以下であり、1〜56質量%の範囲が好ましい。このリサイクル樹脂の混合比率を56質量%以下とすることによって、リサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物を押出成形した際に、得られる押出成形品の寸法変動が生じ難くなる。
前記押出成形品の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系樹脂の押出成形によって製造し得る各種の製品、例えば、フィルム、シート、板状物品、管状物品、積層体、被覆成形物品等が挙げられる。
本発明で使用される(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox3114)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox565)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1035FF)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1076)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1098)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1222)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1330)、オクチル化ジフェニルアミン(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox5057)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1135)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種を使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量は、(A)ポリオレフィン系樹脂に対して500〜1500質量ppm(以下、単にppmと記す)の範囲が好ましい。
本発明で使用される(C)リン系熱安定剤は、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos38)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos12)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]4,4’−ジイルビスホスフォナイト(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos P−EPQ)、等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのリン系熱安定剤は、1種を使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(C)リン系熱安定剤の添加量は、(A)ポリオレフィン系樹脂に対して200〜800質量ppm(以下、単にppmと記す)の範囲が好ましい。
本発明のリサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物には、前記(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び(C)リン系熱安定剤以外の成分として、必要に応じて、成形性を向上させるための可塑剤、成形性を向上させるための滑剤、耐候性等の耐久性を向上させるための紫外線吸収剤、紫外線劣化防止剤、顔料、難燃性等を付与する難燃剤、充填材などの添加剤を添加することができる。前記充填材は特に限定されないが、好ましくは木粉、石炭灰、ガラス繊維、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、バライト、セリサイト、石膏、セメントコンクリート粉砕物、岩石粉粒体、ガラス粉粒体、珪酸カルシウム、珪砂、シリカ、アルミナ、バーミキュライト、パーライト、膨張頁岩等が挙げられる。
本発明のリサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物は、前記(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(C)リン系熱安定剤、及び必要に応じて添加される添加剤を混合してなるものである。
このリサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂としてポリオレフィン系樹脂バージン材100質量%を用いたポリオレフィン系樹脂組成物(以下、バージン組成物と記す)と同様に押出成形し、バージン組成物を用いて得られた押出成形品と同等の性能を持った押出成形品を製造することができる。
本発明のリサイクル方法は、前記(A)ポリオレフィン系樹脂、前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び前記(C)リン系熱安定剤を含むリサイクル樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物を製造し、これを押出成形して押出成形品を製造することを特徴とする。
このリサイクル方法では、ポリオレフィン系樹脂からなる押出成形品の廃材から得られたリサイクル樹脂を荒粉砕し、次いで得られたリサイクル樹脂荒粉砕物とポリオレフィン系樹脂バージン材とを混合し、前記リサイクル樹脂の混合比率が56質量%以下である(A)ポリオレフィン系樹脂とする。このリサイクル樹脂は、前述した通り、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上である。
前記リサイクル方法に用いるリサイクル樹脂は、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び(C)リン系熱安定剤を予め含んでいることが好ましい。(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び(C)リン系熱安定剤を含むポリオレフィン系樹脂組成物は、熱履歴に起因する樹脂分子鎖の切断、カルボニル基の増加、架橋などの劣化反応を生じにくくなる。このため該樹脂組成物の押出成形品から得られたリサイクル樹脂を、同じ押出成形品の製造用樹脂組成物に加えて再利用することが可能になる。
前記リサイクル樹脂荒粉砕物は、ポリオレフィン系樹脂からなる押出成形品の製造において、良品と分けられた成形不良部分、成形品のカット工程で生じた端材、押出成形品の加工工程で生じた切り屑や切り粉、打ち抜き屑等を回収し、必要により混入している異物を除去した後、荒粉砕して得られたものである。このリサイクル樹脂荒粉砕物の大きさは、JIS規格8メッシュの篩を通過する大きさであることが好ましい。なお、前記荒粉砕は、リサイクル樹脂の劣化を防ぐため、ポリオレフィン系樹脂の溶融温度以下で行うことが好ましい。また廃材を過度に細かく粉砕する必要はない。
[実施例1]
ポリオレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製、B780、密度0.950g/cm、MFR0.4(5Kgf×190℃))を用い、押出成形によってパイプ成形品を製造するラインにおいて発生する廃材の再利用を実証した。
前記製造ラインにおいて回収した種々の形状や大きさの廃材を、粉砕機に投入して荒粉砕した。得られた荒粉砕物をJIS規格8メッシュの篩に入れてふるい分け、この篩を通過した分をリサイクル樹脂荒粉砕物として使用した。
次に、リサイクル樹脂荒粉砕物が40質量%(以下、単に%と記す)、前記高密度ポリエチレン(バージン材)が60%となるように配合した。
この樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてチバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010を500ppmとなるように添加した。さらに、リン系熱安定剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168を800ppmとなるように添加し、リサイクル樹脂の混合比率が40%であるリサイクル樹脂含有ポリエチレン樹脂組成物を調製した。
次に、このリサイクル樹脂含有ポリエチレン樹脂組成物を前記製造ラインの押出機に投入し、バージン組成物の製造条件と同一の製造条件で押出成形を行い、パイプ成形品を製造した。
このリサイクル樹脂含有ポリエチレン樹脂組成物を用いたパイプ成形品の製造において、(1)リサイクル樹脂の酸化誘導時間、(2)成形ロングラン性、(3)成形品の引張試験、(4)リサイクル樹脂の質量平均分子量を下記の方法で測定した。その結果を表1に記す。
(1)リサイクル樹脂の酸化誘導時間
リサイクル樹脂荒粉砕物を使用し、JIS K 6774に準拠して、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業社製、商品名DSC:220C)を用いて酸化誘導時間を測定した。
(2)成形ロングラン性
メヤニ:パイプ成形品の押出成形を継続して行い、押出成形の開始から24時間後、金型先端にメヤニが発生するか否かを目視にて観察した。メヤニが発生したものについては「メヤニ」と記す。
寸法変動:押出成形して得られたパイプ成形品を24時間保管した後、肉厚変動の大きさ(パイプ内面の凹凸の発生の有無)を調べた。肉厚変動があったものについては「寸法変動」と記す。
変化なし:前記メヤニ及び寸法変動が無いものについては「変化無し」と記す。
(3)成形品の引張試験
JWWA K144に準拠して、パイプ成形品の引張破断伸びを測定し、伸び率(%)を求めた。
(4)リサイクル樹脂の質量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)によりリサイクル樹脂の質量平均分子量(Mw)を測定した。
[実施例2]
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を800ppmとし、リン系熱安定剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos38を800ppmとなるように添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例3]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1000ppmとし、リン系熱安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168)の添加量を500ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例4]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1000ppmとし、リン系熱安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168)の添加量を200ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例5]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1500ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例6]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、その混合比率を1%とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1500ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例7]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、その混合比率を50%とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1500ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[実施例8]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、その混合比率を50%とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてチバスペシャルティケミカルズ製の商品名Irganox3114を800ppm添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表1に記す。
[比較例1]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1000ppmとし、熱安定剤としてイオウ系熱安定剤(シプロ化成社製、商品名SEENOX412S)を2000ppm添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表2に記す。
[比較例2]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を100%用い、バージン剤を使用せず、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を1500ppmとし、リン系熱安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168)の添加量を800ppmとした、混合比率100%のリサイクル樹脂組成物を調製した。このリサイクル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表2に記す。
[比較例3]
比較例2で調製したリサイクル樹脂組成物をペレット製造用の2軸押出機に投入し、再ペレット化した。得られたリサイクル樹脂ペレットは直径3mmの円柱状であった。
得られたリサイクル樹脂ペレットについて、樹脂の質量平均分子量を測定した結果、質量平均分子量が18万と低下していた。このリサイクル樹脂ペレットは、樹脂が劣化していたためにパイプ成形品の製造用に不適であった。
[比較例4]
酸化誘導時間100分以上のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、その混合比率を60%とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてチバスペシャルティケミカルズ製の商品名Irganox1010を1500ppm添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表2に記す。
[比較例
酸化誘導時間38分のリサイクル樹脂荒粉砕物を用い、その混合比率を50%とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ製、商品名Irganox1010)の添加量を400ppmとし、リン系熱安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名Irgafos168)の添加量を400ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパイプ成形品を製造した。その結果を表2に記す。
Figure 0005563905
Figure 0005563905
表1,2の結果から、実施例1〜8では押出成形時にメヤニの発生がなく、製造したパイプ成形品は寸法変化がなく、伸び率が700%以上のパイプ成形品を製造することができた。
一方、比較例1は、リン系熱安定剤に代えてイオウ系熱安定剤を添加した結果、押出成形時にメヤニが発生した。
比較例2は、リサイクル樹脂の混合比率を100%とした結果、押出成形時にメヤニが発生した。また、製造したパイプ成形品は、伸び率が550%であり、実施例1〜8で製造したパイプ成形品よりも低かった。
比較例3は、前述した通り、得られたリサイクル樹脂ペレットの樹脂の質量平均分子量が18万と低くなり、樹脂が劣化していたためにパイプ成形品の製造用に不適であった。 比較例4は、リサイクル樹脂の混合比率を60%とした結果、製造したパイプ成形品が寸法変化を生じた。
比較例5は、酸化誘導時間38分のリサイクル樹脂荒粉砕物を用いた結果、製造したパイプ成形品の伸び率が550%となり実施例1〜8で製造したパイプ成形品よりも低かった。

Claims (3)

  1. (A)ポリエチレン系樹脂製押出成形品の廃材から得られたリサイクル樹脂とポリエチレン系樹脂バージン材とを含み、前記リサイクル樹脂の混合比率が50質量%以下であるポリエチレン系樹脂と、
    (B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、
    (C)リン系熱安定剤とを含み、
    前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して500〜1500質量ppmの範囲であり、
    前記(C)リン系熱安定剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して200〜800質量ppmの範囲であり、
    前記リサイクル樹脂が、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上であることを特徴とするリサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形してなるパイプ成形品
  2. ポリエチレン系樹脂からなる押出成形品の廃材から得られたリサイクル樹脂を荒粉砕し、次いで得られたリサイクル樹脂荒粉砕物とポリエチレン系樹脂バージン材とを混合し、前記リサイクル樹脂の混合比率が50質量%以下である(A)ポリエチレン系樹脂とし、該(A)ポリエチレン系樹脂と、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、(C)リン系熱安定剤とを含むリサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物とし、該リサイクル樹脂含有ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して押出成形品を製造するリサイクル方法であって、
    前記(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して500〜1500質量ppmの範囲であり、
    前記(C)リン系熱安定剤の添加量が、前記(A)ポリエチレン系樹脂に対して200〜800質量ppmの範囲であり、
    前記リサイクル樹脂が、JIS K 6774に準拠して示差走査熱量計を用いて測定された酸化誘導時間が50分以上であることを特徴とするポリエチレン系樹脂リサイクル方法。
  3. 前記リサイクル樹脂荒粉砕物が、JIS規格8メッシュの篩を通過する大きさであることを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン系樹脂リサイクル方法。
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