JP5562647B2 - 均質な糖タンパク質の生産のための遺伝的に修飾された酵母 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、最適かつ均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を生産するための遺伝的に修飾された酵母に関する。これらの酵母は、Och1遺伝子の不活性化;第一のプロモーターと、α−1−2マンノシダーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレーム(phase ouverte de lecture)とを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込み;ならびに第一のプロモーターとは異なる第二のプロモーターと、外因性糖タンパク質をコードする配列とを含んでなるカセットの組込みを含む。これらの酵母は、最適かつ98%均質なグリコシル化を有するEPOの生産を可能とする。
製薬業界において、複合体型、すなわち、ヒトにおいて翻訳後修飾の際に付加されるオリゴ糖と同一の構造のグリカンを有する糖タンパク質または糖ペプチドの生産が探求目標となったのは、ここ数年のことである。実際、多くの研究で、治療用糖タンパク質の活性を最適化するため、またはさらにひと度投与されれば、それらの半減期を改良するためのオリゴ糖の重要性が示されている。
例えば、ヒトエリスロポエチン(HuEPO)は、Asn−24、Asn−38およびAsn−83番に3つのN−グリコシル化部位、ならびにSer−126番にムチン型のO−グリコシル化部位を含むアミノ酸166個の糖タンパク質である。EPOは、その分子量の40%に相当するグリコシル化構造のために、N−グリコシル化の研究に特に関連するモデルである。天然型と考えられるEPO分子は尿型(uHuEPO)である(Takeuchi et al., 1988, Tusda 1988, Rahbeck-nielsen 1997)。組換え型EPO(rHuEPO)は、現在、CHO細胞(Sasaki H et al., Takeuchi et al., 1988)またはBHK細胞(Nimtz et al., 1993)で生産されている。細胞系統で発現されるrHuEPOは、uHuEPOで見られる構造とは異なるN−グリカン構造を有する。これらの違いはin vitroでは間接的な影響を持ち得る(Higuchi et al, 1992; Takeuehi et al., 1990)が、in vivoにおいては、その脱グリコシル化型に対する活性の大幅な欠如により、また、この構造上に存在するシアル酸の数に相関した活性の増強により、より感受性が高いものと思われる(Higuchi M et al., 1992)。
最適なN−またはO−グリコシル化を有する糖タンパク質を生産するために、技術策が提案されている。種々のグリコシルトランスフェラーゼによりガラクトース、グルコース、フコースまたはさらにはシアル酸などの糖を付加すること、またはマンノースなどのある種の糖をマンノシダーゼで抑制することによるグリカン構造のin vitro修飾が挙げられる。この技術はWO03/031464(Neose)に記載されている。しかしながら、このような技術は、同じ糖タンパク質上に存在するいくつかの所与のオリゴ糖の一連の修飾のための多くの工程を含むので、どのようにすればこれを大規模に適用することができるのか疑うことができる。各工程で、反応の厳密な制御を行わなければならないし、均質なグリカン構造の生産も確保しなければならない。現在では、糖タンパク質上で多くのオリゴ糖を修飾しなければならない場合には、一連の反応が望ましくない、不均質な修飾をもたらす可能性がある。従って、この技術は生物薬剤の生産には適合しない。さらに、工業規模での生産に精製酵素を用いるのは、実行可能な経済的選択肢とは思えない。
文献WO2006/106348およびWO2005/000862に記載されているものなどの化学カップリング技術で同様の適用がある。これらの化学カップリング技術は、冗長な反応、保護/脱保護工程、複数の確認作業を含む。所与の糖タンパク質上で多くのオリゴ糖を修飾しなければならない場合には、一連の反応が望ましくない、不均質な修飾をもたらす可能性がある。
WO01/77181(LFB)に記載されているYB2/0などの哺乳類細胞系統またはさらにWO03/055993(Kyowa)で遺伝的に修飾されているCHO系統を用いた他の技術では、抗体のFc領域のわずかなフコシル化がADCC活性を100倍向上させることが示されている。しかしながら、これらの技術は具体的には、抗体の生産に関するものである。
最後に、酵母または繊維状真菌における糖タンパク質の生産では、これらの微生物を、マンノシダーゼおよび種々のグリコシルトランスフェラーゼの発現を可能とするプラスミドで形質転換することによるものが提案されている。このアプローチはWO02/00879(Glycofi)に記載されている。しかしながら、これまでに、これらの微生物は、臨床バッチを生産するための高容量発光槽で時間が経っても安定であるということは証明されていない。また、この形質転換が望ましい、均質なグリカンを含む糖タンパク質の生産が可能であることは示されていない。
本発明者らは、in vivoで最適な活性が得られるN−グリカン構造を有するrHuEPOを生産する目的で、遺伝的に修飾されたS.セレビシエ(S. cerevisiae)およびS.ポンベ(S. pombe)酵母でrHuEPOを発現させた。これらの酵母は、均質かつよく特徴付けられたN−グリコシル化単位を有するrHuEPOの強い発現を示した。第二段階で、本発明者らは、遺伝的に修飾された酵母から出発し、それらのシアリル化レベルに応じて、より複雑なN−グリカン単位を生産するために他の修飾を組み込んだ。この酵母系は大量のタンパク質を迅速に生産する能力が知られているが、以下に記載されるこれらの修飾酵母はまた、「ヒト化され」かつ均質な形態で生産されたタンパク質のN−グリコシル化が可能である。さらに、これらの酵母は、大規模生産条件下でも安定であることが分かっている。最後に、遺伝子型復帰をもたらす突然変異の場合、これらの酵母を、等しく復帰させ得るように構築する(臨床バッチの生産という範囲内で必要とされる)。
よって、本発明の全体で用いられている特定の遺伝子座における標的化された組込み法、分断および選択されたゲノム領域を一ヌクレオチド内に制御することを可能とし、よって一時的ゲノム復帰の場合にはその分断の回復を可能とする方法を示す最初の例である。この方法は、酵母株を配列バンクで形質転換し、その後、ゲノム同定を行わずに最良のクローンを選択することからなるWO02/00879に記載のものとは対照的と言える。
実際、WO02/00879では、組込みは無作為で、クローンはもっぱら生産されるタンパク質のN−グリカン構造の特性に基づいて選択され、突然変異の場合は、復帰または他のいずれかの遺伝子修飾、目的クローンの純然たる損失を含む。本発明の技術の利点は、遺伝子修飾の制御、追跡、および特に厳密に同じ能力を有するクローンの再構築の可能性を使用者に保証することにより、使用者に高い安全性を提供することである。
さらに、本発明者らは、後述するようなAmelie株からの「グリカン−オン−デマンド」技術を初めて提供する。これらの条件下では、この構造の均質性は、哺乳類などのグリコシル化するCHO系の場合よりも重要である。実際、得られた結果(EPOスペクトルを参照)は、Man5GlcNAc2型のグリカン構造がタンパク質上に存在するN−グリカンの約98%に相当することを示す。よって、この系は、所望の単位を極めて大きな割合で得るためにグリコシル化を課すように設計される。
Amelie株は、得たいヒト化、ハイブリッドまたは複合型グリカンの生産を意図する他の任意の株を精緻化するための基礎として用いられるクローンである。この株の利点は、98%のMan5GlcNAc2糖タンパク質を生産する安定かつ均質な系であることが証明された出発点を形成することであり、所望の最終構造に従い、必要があればすぐGlcNAcトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼ、ガラクトシルおよび/またはシアリルトランスフェラーゼの導入などの付加的修飾向けに再加工することができる。
発明の概要
発現カセットの構築は、ORFの5’位にプロモーター配列を、そして3’位に終結配列を挿入することにより行われる。他方、これらのカセットの酵母ゲノムへの組込みは、それらの末端に、相同組換えによる組込みのために標的遺伝子座と相同な配列を付加することにより制御される。
各株および各ORFについて、糖タンパク質の均質なグリコシル化を可能とする種々の酵素の安定かつ最適な発現を得るためのプロモーター配列ならびに組込み配列が決定されている。発現カセットの構築は、図2に示されているこの一般モデル(ORFの発現カセットの構築のためのアセンブリPCR)に従い、数回のPCR工程で達成される。
ある特定のORF配列は、その活性が最適化される(環境、ドナーの存在および基質の存在など)コンパートメントでタンパク質を発現させる(扱う)ために細胞下局在シグナルを組み込むことによって部分的に修飾されている。
よって、第1の態様において、本発明は、構造Man5GlcNAc2を有する均質なグリカンを有する糖タンパク質を産生することができる遺伝的に修飾された酵母であって、前記酵母が下記の修飾:
a)抗生物質(カナマイシン)耐性遺伝子をコードする異種配列の相同組換えによる挿入によるα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼをコードするOch1遺伝子の不活性化(Δ−Och1株)、
b)pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、α−1−2−マンノシダーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込み、
c)pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーター(該c)のプロモーターはb)のプロモーターとは異なる)と、生産される外因性糖タンパク質をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込み
を含んでなる酵母に関する。
好ましくは、上記の酵母には、C.エレガンス(C. Elegans)のα−1−2マンノシダーゼI、特に、配列番号1を含んでなる配列が組み込まれている。これらの酵母は98%のMan5GlcNac2グリカン:
を有する糖タンパク質を産生することができることが分かっている。
有利には、α−1−2マンノシダーゼIはプロモーターpGAPの制御下で発現され、外因性タンパク質である糖タンパク質はプロモーターpGAL1の制御下で発現される。
下記では、Man=マンノース、GlcNac=N−アセチル−グルコサミン、Gal=ガラクトース、Fuc=フコース、およびシアル酸またはさらにはN−アセチル−ノイラミン酸を表すNANAとして略号が用いられる。
第2の態様において、本発明の酵母は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超えるGlcNacMan5GlcNAc2構造:
を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この目的で、上記の株は、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、ヒトN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みをさらに含む。好ましくは、ヒトN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIは、この酵素の細胞質部分を欠き、このタンパク質のゴルジ局在のためにMnn9の細胞質部分に置換されている配列番号2の配列を含む。この株は「Arielle」と呼ばれる。Arielleは、この種のグリカンを合成するためのGlcNAc UDP輸送体カセット(下記)もまた含むことができる。有利には、プロモーターpGAPが使用される。
Mnn9
Atgtcactttctcttgtatcgtaccgcctaagaaagaacccgtgggttaac:細胞質部分(配列番号13)
上記Amelie株は、プロモーターpGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)と、ヒトUDP−GlcNAc輸送体のカセットをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みをさらに含むことができる。好ましくは、ヒトUDP−GlcNAc輸送体は配列番号3の配列を含んでなる。好ましくは、このプロモーターはPGKである。この株は「Agathe」と呼ばれる。
第3の態様において、本発明の酵母は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超えるGlcNacMan3GlcNAc2構造:
を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
上述のArielle酵母はそれ自体、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、マンノシダーゼIIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含む。好ましくは、マンノシダーゼIIはマウスのものであり、特に、配列番号4を含んでなる配列である。好ましくは、プロモーターはTEFである。この株は以下、「Anais」と呼ばれる。
第4の態様において、本発明の酵母は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超えるGlcNac2Man3GlcNAc2構造:
を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この場合、上述のAnais酵母は、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる。好ましくは、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIはヒトのものであり、特に、配列番号5を含んでなる配列である。好ましくは、プロモーターはPMA1であり、この株は以下、「Alice」と呼ばれる。
もう1つの実施形態では、本発明のAlice酵母は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超えるGal2GlcNac2Man3GlcNAc2構造:
を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この場合、上述のAlice酵母は、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーター、好ましくは、プロモーターCaMVと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、ガラクトシルトランスフェラーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる。好ましくは、ガラクトシルトランスフェラーゼIはヒトのものであり、特に、ヒトターゲティング配列を欠いた配列番号6を含んでなる配列である。この株は「Athena」と呼ばれる。
有利には、上述の発現カセットの組込みは、URA3、ADE2、LYS2、LEU2、TRP1、CAN1、ADO1、HIS5、HIS3、ARG3、MET17、LEM3、Mnn1、Mnn9、gma12から選択される組込みマーカー(栄養要求性マーカー)中で行われる。いっそうより有利には、α−1−2マンノシダーゼIの発現カセットはURA3遺伝子に組み込まれ、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIの発現カセットはADE1またはADE2遺伝子に組み込まれ、UDP−GlcNAc輸送体の発現カセットはLYS2遺伝子に組み込まれ、α−マンノシダーゼIIの発現カセットはLEU2遺伝子に組み込まれ、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIの発現カセットはLEM3またはTRP1遺伝子に組み込まれる。β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼIの発現カセットはTRP1またはMET17に組み込まれる。
さらに、これらの構築物においては、配列番号14の配列を含んでなるMnt1遺伝子の局在配列および配列番号15を含んでなるターミネーターCYC1に由来する、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列が好ましく用いられる。
もう1つの実施形態では、本発明の上記の酵母AliceおよびAthenaは、75%、または80%またはさらには95%または98%を超える、
GlcNac2Man3GlcNAc2、
Gal2GlcNac2Man3GlcNAc2、および
GlcNac2Man3(Fuc)GlcNAc2、Ashley株
Gal2GlcNac2Man3(Fuc)GlcNAc2、Aurel株
から選択される構造を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この場合、上述の酵母は、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターまたはnmt1遺伝子のプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼFUT8をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーター、特に、CYC1遺伝子に由来するターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる。これらの株は有利には、下記のGDP−フコース輸送体に相当するカセットを含む。このカセットはCAN1またはHIS5に組み込むことができる。
好ましくは、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼFUT8はヒトのものであり、特に、配列番号7を含んでなる配列である。
さらに、この株は、プロモーターSV40と、GDP−フコース輸送体をコードする配列、特に、配列番号8を含んでなる配列を含んでなるオープンリーディングフレームとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなることができる。このカセットはTRP1、ARG3またはgma12に組込むことができる。
もう1つの実施形態では、本発明の上記の酵母GlcNac2Man3GlcNAc2(Athena)およびGal2GlcNac2Man3(Fuc)GlcNAc2(Aurel)は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超える、
NANA2Gal2GlcNac2Man3GlcNAc2 Aeron株
NANA2Gal2GlcNac2Man3(Fuc)GlcNAc2 Avrel株
から選択される構造を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この実施形態では、上述の酵母は、上述の中のプロモーターまたは配列番号9の配列を含んでなるヘルペスウイルスのチミジンキナーゼのプロモーターを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる。
オープンリーディングフレームはα−2,3−シアリルトランスフェラーゼをコードする配列(ST3GAL4遺伝子)を含んでなる、転写ターミネーター、特に、CYC1遺伝子に由来するターミネーターは配列番号15の配列を含んでなる。好ましくは、シアリルトランスフェラーゼはヒトのものであり(NM_006278)、特に、配列番号10の配列を含んでなる。
もう1つの実施形態では、本発明の上記の酵母Gal2GlcNac2Man3GlcNAc2(Athena)およびNANA2Gal2GlcNac2MAN3GLCNAc2(Aeron)は、75%、または80%またはさらには95%または98%を超える、
Gal2GlcNac3Man3GlcNAc2 Azalee株
NANA2Gal2GlcNac3Man3GlcNAc2 A株
から選択される構造を有する糖タンパク質を生産するための付加的修飾を含む。
この実施形態では、上述の酵母は、上述のものからのプロモーターを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる。
オープンリーディングフレームはβ−1,4−n−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIIをコードする配列を含んでなる、転写ターミネーター、特に、CYC1遺伝子に由来するターミネーターは配列番号15の配列を含んでなる。好ましくは、GNTIIIはネズミのものであり、特に、配列番号27の配列を含んでなる。
上記で示したように、本発明の酵母は、外因性糖タンパク質または糖ペプチドを発現させるためのカセットに組み込まれる。糖タンパク質は、サイトカイン、インターロイキン、成長ホルモン、増殖因子、酵素、およびモノクローナル抗体、ワクチンタンパク質、可溶性受容体およびあらゆる種類の組換えタンパク質などの、治療用糖タンパク質から選択することができる。これはEPO、特に、エピトープV5と精製のためのN末端ポリ−HIS単位を含んでなる配列番号12とともに、EPOをコードする配列番号11を含むカセットであり得る。
本発明はまた、75%、90%、95%またはさらには98%を超える構造:
の均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を含んでなる医薬組成物に関する。
本発明はまた、有効成分としてEPOを含んでなる、該EPOが75%、90%、95%またはさらには98%を超える構造:
NANA2Gal2GlcNac2Man3GlcNAc2、または
NANA2Gal2GlcNac2Man3(Fuc)GlcNAc2
を有する、医薬組成物に関する。
本発明はまた、酵母用培養培地の基本培養培地を含んでなる発酵槽内の培養物および上記の酵母に関する。
さらに別の実施形態では、本発明は、75%、90%、95%またはさらには98%を超える構造:
を有する均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を生産するための方法であって、発酵槽での上述の酵母の培養および該糖タンパク質の培養培地からの抽出を含んでなる方法に関する。この方法は精製工程を含むことができる。
最後に、本発明はまた、75%、90%、95%またはさらには98%を超える構造:
を有する均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を発酵槽で生産するための、上記の酵母の使用に関する。
実施例1:α−1,6−マンノシルトランスフェラーゼをコードするOch1遺伝子に対する突然変異株(Δ−Och1株)の作出
カナマイシン耐性遺伝子をPCRにより増幅し、これらの両末端に、S.セレビシエまたはS.ポンベ酵母の各株に特異的な領域である遺伝子Och1に対する相同フランキング領域を付加した(図1)。Och1遺伝子は、この抗生物質カナマイシン耐性遺伝子の挿入により非機能的となる。この遺伝子の酵母ゲノムへの組み込みは、エレクトロポレーションおよび目的遺伝子を相同組換えにより組み込むことにより達成される。これらのフランキング領域は約40塩基を有し、酵母ゲノムのOch1遺伝子内にカナマイシン遺伝子の組込みを可能とする。
カナマイシン耐性遺伝子が組み込まれた株は、50μg/mLのカナマイシンを含有する培地上で選択する。本発明者らは、次に、Och1遺伝子におけるカナマイシン耐性遺伝子の組込みをPCRによって確認した。この培地中でカナマイシンの存在に対して耐性を有するクローンのゲノムDNAを抽出した。一方でカナマイシン耐性遺伝子が存在すること、他方でこの遺伝子がOch1遺伝子に実際に組み込まれていることを確認するためにオリゴヌクレオチドを選択した。野生株のゲノムDNAも調べ、これらの株のOch1遺伝子を増幅した。この遺伝子は1,100bpである。カナマイシンカセットが組み込まれている株では、見られたOch1遺伝子の増幅は長かった(1,500bp)。
実施例2:活性の試験
2.1 突然変異酵母株に対するOch1マンノシルトランスフェラーゼ活性
別の検証レベル:酵母株のゲノムに組込まれている各遺伝子について、ほとんどの場合で自然突然変異による活性レベルにおけるあり得る変動を絶えず追跡するために酵素活性の体系的確認を行い、次に、新たなクローンの選択が必要になる。
Och1酵素の活性は、in vitroアッセイによって検出することができる。これまでの研究で、Och1酵素によるマンノース転移の最良のアクセプターはManGlcNAcであることが示されている。酵母のミクロソーム画分(100μgタンパク質)または全タンパク質の溶解液(200μg)から、ManGlcNAc構造上のα−1,6位におけるマンノースの転移活性を測定する。このため、アミノ−ピリジン基に結合されたManGlcNAc(MGN−AP)をアクセプターとして用い、[14C]−マンノースで標識されたGDP−マンノースを放射性マンノースのドナー分子として用いる。ミクロソームまたはタンパク質を、pHが制御された緩衝培地中、ドナー(放射性GDP−マンノース)、アクセプター(ManGlcN−AP)およびデオキシマンノジリマイシン(マンノシダーゼIの阻害剤)とともにインキュベートする。30℃で30分インキュベートした後、CHCl/MeOH/HO 3:2:1(v/v/v)となるようにクロロホルムおよびメタノールを反応媒体に加える。水相に相当する上相はManGlcNAc−AP、放射性ManGlcNAc−APおよびGDP−[14C]−マンノースを含有する。乾燥したところで、これらのサンプルを100μLのHO/1%酢酸に取り、生じた放射性ManGlcNAc−APからGDP−マンノースを分離するために予め条件付けたSep−Pak C18(Waters)カラムに通す(AP基はこの化合物をC18カラム上に保持させる)。HO/1%酢酸(20mL)、次いで20%メタノール/1%酢酸(4mL)で溶出することにより、種々の画分を回収し、シンチレーションカウンターで計数する。
2.2 マンノシダーゼ活性
マンノシダーゼ活性は、37℃で4時間、4mMのp−ニトロフェニル−α−D−マンノピラノシドを、0.1MのPBS、pH6.5+/−120μM DMJ(α−1,2−マンノシダーゼI阻害剤)+/−12μM SW(マンノシダーゼIIの特異的阻害剤)中、100〜200μのタンパク質(全タンパク質または細胞下画分からのもの)とともにインキュベートすることにより測定する。405nmで吸光度を測定する。
2.3 N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性
GlcNAcトランスフェラーゼ活性を酵母のミクロソーム画分で測定する。50μgのミクロソーム(BCAアッセイ)を最終50μLで、50mM HEPES、10mM MnCl、0.1%TritonX−100を含む媒体中、30℃で25分0.01μCiのドナー(放射性UDP−GlcNAc)、その後、0.5mMのアクセプター(3−O−α−D−マンノピラノシル−D−マンノピラノシド)とともにインキュベートする。この反応を400μLの10mM EDTAで停止させた後、サンプルをDowex AG−1X2カラムに通す。その後、放射性アクセプターを3Mギ酸を用いてカラムから溶出させ、放射能をシンチレーションカウンターで測定する。
実施例3:C.エレガンスのα−1−2マンノシダーゼIの発現カセット
発現カセット構築の説明図:図2
3.1 工程1:ORFの取得
α−マンノシダーゼI:プラスミドpDONR201(Open Biosystem)を有する細菌クローンからのPCR
プログラム: 94℃8分
35サイクル:94℃20秒
65℃30秒
72℃2分
72℃10分
1,644bp断片の増幅
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからSBIOgeneキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(プラスミドpGLY02.001)。
3.2 工程2:発現カセットのアセンブリング:
マンノシダーゼI発現カセットの組込みは、両株とも、栄養要求性マーカーURA3内に局在される。この遺伝子の無効化は、有毒薬5−フルオロウラシルに対する耐性を誘発する。このカセットにより修飾された酵母はその後この薬剤に対して耐性となるだけでなく、ウラシル栄養要求性ともなる。
S.セレビシエ用発現カセット:
・野生型S.セレビシエのゲノムDNAからのプロモーターpGAPの増幅
BS16(フォワード)およびBS17’(リバース)
・プロモーターpGAP(PCR産物)およびORF(pGLY02.001)のアセンブリング
BS16(フォワード)およびBS19’(リバース)
・プラスミドpYES2.1からのターミネーターCYC1の増幅
BS40b(フォワード)およびBS41(リバース)
・ORF(プラスミドpGLY02.001)およびターミネーターCYC1(PCR産物)のアセンブリング
BS18(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY02.002)。
・プロモーター−ORF(PCR産物)およびORF−ターミネーター(pGLY02.002)とURA3と相同な領域(プライマーから)とのアセンブリング
BS42(フォワード)
BS43(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(プラスミドpGLY02.004)。
S.ポンベ用発現カセット:
・野生型S.ポンベのゲノムDNAからのプロモーターadh1の増幅
BS25およびBS26’(リバース)
・プロモーターadh1(PCR産物)およびORF(pGLY02.001)のアセンブリング
BS25(フォワード)およびBS20(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY02.009)。
・産物プロモーター−ORF(pGLY02.009)とORF−CYC1(PCR産物)とのアセンブリング
BS25(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY02.011)。
・カセット(pGLY02.011)とURA3に相同なフランキング領域とのアセンブリング
BS76(フォワード)およびBS77(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した。
3.3 工程3:酵母の形質転換
・コンピテント酵母の調製
S.セレビシエAdele:
手順:500mlの酵母をOD=0.1で植え込み、5.5<OD<6.5まで30℃でインキュベートする。細胞を4℃にて1500gで5分遠心分離し、500mLの冷無菌水に再懸濁させる。細胞を遠心分離し、250mLの冷無菌水に再懸濁させる。細胞を遠心分離し、20mLの1Mソルビトールに再懸濁させる。細胞を遠心分離し、1mLの1Mソルビトールに再懸濁させる。80μLアリコートとし、−80℃で保存する。
S.ポンベEdgar:
手順:200mLの酵母をOD=0.1で植え込み、OD=1.5まで30℃でインキュベートする。20℃にて3,000rpmで5分遠心分離する。細胞を冷無菌水で洗浄し、遠心分離し、1mソルビトールで2回洗浄する。DTTを加えて最終25mMとするように(エレクトロコンピテンスを高めるため)15分間インキュベートする。最終懸濁液として冷1Mソルビトールに再び取る(密度1〜5.10細胞/mL:約5mL)。40μLアリコートとし、約10個のバイアルを−80℃で保存する。
・エレクトロポレーションによる酵母の形質転換:
各発現カセットについて、酵母の形質転換に用いるDNAは、示されたプラスミドを選択された制限酵素で消化したものからのものか、または直接的に、完全なアセンブリングの後に精製された、得られたPCR産物からのものである。
S.セレビシエカセット:pGLY02.004を制限酵素BamHIおよびSmaIで消化する。
コンピテント酵母を1μgのDNAで形質転換し、氷中で5分インキュベートする。V=1,500Vのパルスをかける。すぐに1mLの氷冷無菌1Mソルビトールを加え、細胞をパスツールピペットでエッペンドルフ管に移した後、30℃、Inforsデバイス内で少なくとも1時間弛緩させる。選択培地(10mM 5−フルオロウラシル、5−FUを含有するYPD)のディッシュ上に酵母を拡げる。4〜6以内に形質転換体が現れる。
S.ポンベカセット:コンピテント酵母を100ngのDNA(PCR産物)で形質転換し、氷中で5分間インキュベートする。細胞およびDNAをエレクトロポレーションタンクに移す。V=1,500Vのパルスをかけ、すぐに0.9mLの冷1Mソルビトールを加える。細胞をできる限り手早く好適な培地(10mM 5−FUを含有するYPD)に拡げる。4〜6以内に形質転換体が現れる。
実施例4:AmelieおよびEmma株+ヒトN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIの発現カセット
4.1 工程1:ORFの取得
市販のプラスミドBiovalley(ヒトORFクローンV1.1)からのPCR
プログラム:
94℃5分
30サイクル:94℃60秒
56℃60秒
72℃2分
72℃5分
酵素の細胞質部分を欠いた1,327bp断片の増幅。それはタンパク質のゴルジ体局在のためにMnn9の細胞質部分に置換される。
Mnn9細胞質領域:野生型S.セレビシエのゲノムDNAからのPCR
95℃8分
30サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃1分
72℃10分
51bp断片(mnn9の細胞質部分)の増幅
これら2つのPCR増幅から:
単一の断片を取得
このアセンブリングPCRの増幅産物をアガロースゲルからQIAGENキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.001)。
4.2 工程2:発現カセットのアセンブリング
S.セレビシエ用発現カセット
酵母S.セレビシエ用GlcNAcトランスフェラーゼI発現カセットの組込みは栄養要求性マーカーADE2内に局在する。この遺伝子の無効化は酵母の色に変化をもたらし、赤くなり、また、アデニン栄養要求性となる。
・S.セレビシエのゲノムDNAからのプロモーターadh1の増幅
BS29(フォワード)およびBS30(リバース)
・プロモーターadh1(PCR産物)およびORF(pGLY03.001)のアセンブリング:
BS29(フォワード)およびBS59
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.002)。
・ORF(pGLY03.001)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング:
CA005(フォワード)
BS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.011)。
・プロモーター−ORF(pGLY03.002)およびORF−ターミネーター(PCR産物)を、ADE2に相同な延長部とともにアセンブリング
BS67(フォワード)およびBS68(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.010)。
S.ポンベ用発現カセット
酵母S.ポンベ用GlcNAcトランスフェラーゼI発現カセットの組込みは、栄養要求性マーカーADE1内に局在する。この遺伝子の無効化は酵母の色に変化をもたらし、赤くなり、また、アデニン栄養要求性となる。
・プラスミドpCDNA3.1からのプロモーターhCMVの増幅
BS62(フォワード)およびBS58(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.004)。
・hCMV−ORF(pGLY03.004)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング
BS62(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.005)。
・発現カセット(pGLY03.005)とADE1に相同な延長部とのアセンブリング:
BS69(フォワード)およびBS70(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY03.007)。
4.3 工程3:酵母の形質転換
・コンピテント酵母の調製:
AmelieおよびEmma株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
・酵母S.セレビシエおよびS.ポンベのエレクトロポレーション
手順:
S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母AmelieおよびEmmaに導入した。これらの酵母を必要なアミノ酸を含有するYNB培地で選択する。
実施例5:AgatheおよびEgee株+UDP−GlcNAc輸送体用発現カセット
5.1 工程1:ORFの取得
プログラム:
94℃3分
30サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃2分
72℃10分
916bp断片の増幅
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY04.001)。
5.2 工程2:発現カセットのアセンブリング:
S.セレビシエおよびS:ポンベ用カセット
UDP−GlcNAc輸送体発現カセットの組込みは、S.セレビシエおよびS.ポンベの両株とも、栄養要求性マーカーLYS2内に局在する。この遺伝子の無効化は有毒薬α−アミノアジピン酸に対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となるだけでなく、リシン栄養要求性ともなる。
・プラスミドpFL61からのプロモーターPGKの増幅
BS95(フォワード)およびBS96(リバース)
・ORF(pGLY04.001)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング
CA017(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY04.002)。
・プロモーターPGK(PCR産物)とORF−ターミネーターCYC1断片(pGLY04.002)とのアセンブリング
BS95(フォワード)およびBS41(リバース)
・発現カセットとLYS2に相同な延長部とのアセンブリング
S.セレビシエ:
BS97(フォワード)およびBS98(リバース)
S.ポンベ
BS99(フォワード)
BS100(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(S.セレビシエカセットではpGLY04.006、S.ポンベカセットではpGLy04.005)。
5.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
AgatheおよびEgee株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
・酵母のエレクトロポレーション
S.セレビシエ、S.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母AgatheおよびEgeeに導入した。これらの酵母を必要なアミノ酸とα−アミノアジピン酸を含有するYNB培地で選択する。
実施例6:ArielleおよびErika株+α−マンノシダーゼII用発現カセット
6.1 工程1:ORFの取得
マウス肝臓のcDNAからのPCR
プログラム:
94℃3分
35サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃4分
72℃10分
3,453bp断片の増幅
このORFの増幅は、マウス肝臓のcDNAに対するネストPCR(3,453bp)により得た後、フェノール/クロロホルム法により精製した。このPCR産物をベクターTOPO−XLに導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY05.001)。
6.2 工程2:発現カセットのアセンブリング
S.セレビシエおよびS.ポンベカセット:
マンノシダーゼII発現カセットの組込みは、両株とも、栄養要求性マーカーLEU2内に局在する。この遺伝子の無効化は有毒薬トリフルオロロイシンに対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となるだけでなく、ロイシン栄養要求性ともなる。
・S.セレビシエのゲノムDNAからのプロモーターTEFの増幅
BS83(フォワード)およびBS84(リバース)
・ORF(PCR産物)を含有するプロモーターTEF(PCR産物)およびターミネーター(PCR産物)のアセンブリング
S.セレビシエマーカーLEU2については、BS111(フォワード)およびBS112(リバース)
S.ポンベマーカーLEU2については、BS113(フォワード)およびBS114(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(S.セレビシエカセットではpGLy05.008、S.ポンベカセットではpGly05.009)。
6.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
ArielleおよびErika株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
酵母のエレクトロポレーション
手順:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母ArielleおよびErikaに導入した。これらの酵母を必要なアミノ酸ならびにS.セレビシエおよびS.ポンベのトリフルオロロイシン(TFL)を含有するYNB培地で選択する。
実施例7:AnaisおよびEnrique株+N−アセチ−グルコサミニルトランスフェラーゼII発現カセット
6.1 工程1:ORFの取得:
ヒト繊維芽細胞の相補的DNAからのPCR−TaqポリメラーゼIsis(商標)(Q-Biogene)の使用
プログラム:
94℃3分
30サイクル:94℃30秒
58℃30秒
68℃1.30分
1,344bp断片の増幅
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY08.002)。
mmn9の細胞質領域:野生型S.セレビシエのゲノムDNAからのPCR
94℃8分
30サイクル:94℃20秒
65℃30秒
72℃1分
72℃10分
51bp断片(mmn9の細胞質部分)の増幅+GNTIIとの相同性
Taq Platiniumを用いたMnn9(PCR産物)およびORF(pGLY08.002)のアセンブリング
CA005(フォワード)およびCD005(リバース)
プログラム:
95℃2分
30サイクル:95℃45秒
54℃45秒
72℃2分
72℃10分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY08.007)。
7.2 工程2:S.セレビシエおよびS.ポンベ株用発現カセットのアセンブリング
GlcNAc−トランスフェラーゼII発現カセットの組込みは、S.セレビシエではLem3マーカー内に、S.ポンベではTRP1マーカー内に挿入される。遺伝子Lem3の無効化は有毒薬ミルテホシンに対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となる。遺伝子TRP1の無効化は有毒薬5−フルオロ−アントラニル酸に対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となるだけでなく、トリプトファン栄養要求性ともなる。
・プロモーターPMA1の増幅
CD001(フォワード)aagcttcctgaaacggag
CD008(リバース)acgatacaagagaaagtgacatattgatattgtttgataattaaat
S.セレビシエのゲノムDNAからのPCR
プログラム:
95℃2分
30サイクル:95℃45秒
54℃45秒
72℃2分
72℃5分
プロモーターPMA1(PCR産物)とMnn9−相同性ORF(pGLY08.007)とのTaqエクスパンド(Roche)を用いたアセンブリング
CD007 cgtttgtagatgcggaacctgttaacccacgggttcttt
CD001 aagcttcctgaaacggag
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
55℃45秒
68℃1.15分
68℃5分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターTOPO2.1(Invitrogen)に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY08.005)。
・Mnn9−ORF(pGLY08.007)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのTaqポリメラーゼPhusion(商標)(Ozyme)を用いたアセンブリング
プログラム
98℃2分
30サイクル:98℃10秒
52℃30秒
72℃40秒
プライマーを添加した後
30サイクル:98℃10秒
61℃30秒
72℃40秒
72℃5分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY08.04)。
・プロモーターPMA1−Mnn9(pGLY08.009)とMnn9−ORF−ターミネーターCYC1(PCR産物)(S.セレビシエではマーカーLem3と相同な末端を有する)との、TaqポリメラーゼPhusion(商標)(Ozyme)を用いたアセンブリング
CB053:Atggtaaatttcgatttgggccaagttggtgaagtattccaagcttcctgaaacggag(フォワード)
CB070:Ttctaccgccgaagagccaaaacgttaataatatcaatggcagcttgcaaattaaagc(リバース)
プログラム
98℃2分
30サイクル:98℃10秒
52℃30秒
72℃4分
プライマーを添加した後
30サイクル:98℃10秒
61℃30秒
72℃1分
72℃5分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY08)。
・pGLY08.012からのS.ポンベ用マーカーTRP1に相同な末端のアセンブリング
CD009(フォワード)taaagttgattccgctggtgaaatcatacatggaaaagtttaagcttcctgaaacggag
CD010(リバース)atgtgaaatttccttggccacggacaagtccacttttcgtttggcagcttgcaaattaaagc
7.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
AnaisおよびEnrique株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
酵母のエレクトロポレーション
手順:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母AnaisおよびEnriqueに導入した。次に、これらの酵母を必要な選択薬を含有するゲロースYNB培地に拡げる。
実施例8:AliceおよびElga株+ガラクトシルトランスフェラーゼI発現カセット
8.1 工程1:ヒト局在配列を欠いたORFの取得
ヒトリンパ芽細胞のcDNAからのPCR
CD025(フォワード)CD026(リバース)
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
58℃45秒
72℃1.15分
72℃5分
1,047bp断片の増幅
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY11.003)。
Mntl局在:S.セレビシエのgDNAからのPCR
94℃3分
30サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃45秒
72℃10分
246bp断片の増幅−配列番号14
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した。
8.2:工程2:S.セレビシエおよびS.ポンベ株用発現カセットのアセンブリング
ガラクトシルトランスフェラーゼI発現カセットの組込みは、S.セレビシエAliceでは、マーカーTRP1内に局在する。この遺伝子の無効化は有毒薬フルオロアントラニル酸に対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となる。ガラクトシルトランスフェラーゼI発現カセットの組込みは、S.セレビシエAshleyでは、マーカーMet17内に局在する。
・プラスミドpMDCからのプロモーターCaMVの増幅
CD035(フォワード)
CD037(リバース)
プログラム
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
65℃45秒
72℃2分30秒
72℃5分
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY11.001)。
・プロモーターCaMV(pGLY11.001)とMnt1局在配列(PCR産物)とのアセンブリング:
CD035(フォワード)およびCD028(リバース)
プログラム:
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
59℃45秒
72℃1分15秒
72℃3分
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY11.002)。
・プロモーターCaMV−Mnt1局在(pGLY011.002)とORF(PCR産物)とのアセンブリング
CD035(フォワード)
CD029(リバース)
プログラム:
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
56℃45秒
72℃2分30秒
72℃3分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY011.004)。
・プロモーターCaMV−局在Mnt1−ORF(pGLY011.004)とターミネーターCYC1(PCR産物)との、Taqエクスパンド(Roche)を用いたアセンブリング
CD035(フォワード)BS41(リバース)
プログラム:
95℃3分
30サイクル:95℃30秒
57℃30秒
68℃2分30秒
68℃10分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターpTarget(Promega)に導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY011.005)。
・S.セレビシエ用組込みカセットの、Taqエクスパンド(Roche)を用いたアセンブリング
CD063(フォワード)agatgccagaaacaaagcttgttgcaggtggtgctgctcatgcctgcaggtcaacatggt
CD064(リバース)gtgtcgacgatcttagaagagtccaaaggtttgactggatgcagcttgcaaattaaagcc
プログラム
95℃3分
30サイクル:95℃30秒
57℃30秒
68℃2分30秒
68℃10分
このPCR増幅物をフェノール/クロロホルム法により精製し、ベクターTOPO2.1(Invitrogen)に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY011.008)。
S.ポンベの場合の配列PET6への組込み
Taqエクスパンド(Roche)の使用
CD038(フォワード)およびCD039(リバース)
このPCR産物をベクターTOPO−XLに導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(S.ポンベではpGLY11.006、S.セレビシエではpGLY11.007)。
8.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
AliceおよびElga株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
酵母のエレクトロポレーション
手順:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素KpnIおよびXhoIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母AliceおよびElgaに導入した。次に、これらの酵母を必要な選択薬を含有するゲロースYNB培地に拡げる。
実施例9:AnaisおよびEnrique株+フコシル化用発現カセット(α1,6−フコシルトランスフェラーゼFUT8およびGDP−フコース輸送体):
9.1 FUT8の発現カセット
9.1.1 工程1:ORFの取得
ヒト膵臓および肺のcDNAからのPCR
プログラム:
94℃3分
35サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃2分
72℃10分
1,801bp断片の増幅
このPCR増幅物(ヒト肺および膵臓のcDNAからの1,801bp)を抽出し、アガロースゲルからQBIOgeneキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した。
9.1.2 工程2:S.セレビシエ用発現カセットのアセンブリング
・S.ポンベのゲノムDNAからのプロモーターmnt1の増幅
BS86(フォワード)およびBS84(リバース)
・プロモーターmnt1(PCR産物)とORF(pGLY06.001)とのアセンブリング
BS86(フォワード)およびBS88(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY06.003)。
・ORF(pGLY06.001)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング
CA011(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY06.002)。
・nmt1−ORF(pGLY06.003)とORF−ターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング
BS86(フォワード)およびBS41(リバース)
・酵母の栄養要求性マーカーへの組込みのための末端のアセンブリング
9.1.2.1 S.セレビシエ
FUT8発現カセットの組込みは、S.セレビシエ株では、マーカーCAN1内に局在する。この遺伝子CAN1の無効化はカナバニン栄養要求性を誘発する。
BS147(フォワード)およびBS148(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY06.005)。
9.1.2.2 S.ポンベ
フコシルトランスフェラーゼ8用発現カセットを、抗生物質フレオマイシン耐性用のカセットと縦列生産した。この二重カセットを単純な栄養要求性マーカーHIS5内に挿入する。このカセットのこの遺伝子座への挿入はフレオマイシン耐性ならびにヒスチジン栄養要求性を誘発する。
従前に得られたFUT8発現カセットを、SV40のプロモーターとフレオマイシン耐性のORFとターミネーターTEFとを含んでなるフレオマイシン発現カセットとともにアセンブリングする。これらの縦列カセット(tandem cassettes)をマーカーHIS5に挿入する。
9.1.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
AnaisおよびEnrique株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
酵母のエレクトロポレーション
手順:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母AnaisおよびEnriqueに導入した。これらの酵母をゲロースYPD培地上に、制限希釈を用いて拡げられ、マーカーを欠くものは薬剤耐性が付与されない。クローンが遊離されたら、必要なアミノ酸無しではもはや増殖できないクローンを選択するために、最小培地上で複製を確立する。
9.2 GDP−フコース輸送体の発現カセット
9.2.1 ORFの取得:
ヒト肺のcDNAからのPCR
プログラム:
94℃3分
35サイクル:94℃20秒
58℃30秒
72℃2分
72℃10分
1,136bp断片の増幅
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQIAGENキットで精製し、ベクターTOPO2.1に導入した。コンピテント細菌(TOP10、Invitrogen)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY07.001)。
9.2.2 工程2:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットのアセンブリング
pTargetからのプロモーターSV40の増幅
BS109(フォワード)およびBS110(リバース)
・ORF(pGLY07.001)とターミネーターCYC1(PCR産物)とのアセンブリング
CA013(フォワード)およびBS41(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY07.002)。
9.2.2.1 S.セレビシエ
GDP−フコース輸送体発現カセットの組込みは、S.セレビシエ株では、栄養要求性マーカーTRP1内に局在する。遺伝子TRP1の無効化は有毒薬5−フルオロ−アントラニル酸に対する耐性を誘発する。従って、このカセットにより修飾された酵母はこの薬剤に対して耐性となるだけでなく、トリプトファン栄養要求性ともなる。
・プロモーターSV40カセット(PCR産物)、ORF(PCR産物)およびターミネーターCYC1(PCR産物)のアセンブリング
BS136(フォワード)およびBS137(リバース)
このPCR増幅物を抽出し、アガロースゲルからQiagenキットで精製し、ベクターpTargetに導入した。コンピテント細菌(JM109、Promega)をこのベクターで形質転換した。形質転換をPCRにより確認し、このベクターにPCR増幅物が挿入されていることを配列決定により確認した(pGLY07.003)。
9.2.2.2 S.ポンベ
GDP−フコース輸送体用発現カセットを、抗生物質ハイグロマイシン耐性用のカセットと縦列生産した。この二重カセットを、S.ポンベのN−グリカンの成熟に関与するタンパク質をコードする遺伝子GMA12内に挿入する。このカセットのこの遺伝子座への挿入はハイグロマイシン耐性だけでなく、遺伝子gma12の欠失を誘発する。
従前に得られたGDP−フコース輸送体発現カセットを、SV40のプロモーター、ハイグロマイシン耐性のORFならびにターミネーターTEFを含んでなるハイグロマイシン耐性の発現カセットとともにアセンブリングする。これらの縦列カセットをマーカーgma12に挿入する。
9.2.3 工程3:酵母の修飾
・コンピテント酵母の調製:
ApollineおよびEpiphanie株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
酵母のエレクトロポレーション
手順:S.セレビシエおよびS.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素EcoRIで消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母ApollineおよびEpiphanieに導入した。これらのS.セレビシエ酵母を、5−フルオロ−アントラニル酸を含有するYPD培地上に拡げる。S.ポンベ酵母はゲロースYPD培地上に制限希釈を用いて拡げ、マーカーを欠くものは薬剤耐性が付与されない。クローンが遊離されたら、必要なアミノ酸無しではもはや増殖できないクローンを選択するために、最小培地上で複製を確立する。
実施例10:AthenaおよびEtienne株+N−アセチルグリコサミニルトランスフェラーゼIII発現カセット
10.1 ORFの取得
ネズミ脳の相補的DNAからのPCR
CB007(フォワード)Atgaagatgagacgctacaa
CB036(リバース)ctagccctccactgtatc
プログラム:
94℃2分
30サイクル:94℃45秒
56℃45秒
72℃2分
72℃5分
酵素の細胞質部分を欠いたbp断片の増幅:それはタンパク質のゴルジ体局在のためにMnt1の細胞質部分に置換される。
10.2 S.セレビシエおよびS.ポンベ株用発現カセットのアセンブリング
10.2.1 S.セレビシエ用のアセンブリング
プロモーターnmt1の増幅
CB013:tatagtcgctttgttaaatcatatggccctctttctcagtaa
CB014:agcgaagactccgaagcccacttctttaagaccttatcc
ターミネーターCYC1の増幅
末端CAN1を有する発現カセットの増幅
CB030(フォワード):cagaaaatccgttccaagag
CB031(リバース):tgccacggtatttcaaagct
10.2.2 S.ポンベ用のアセンブリング
ハイグロマイシン耐性用カセットと縦列されたGNTIIIの発現カセット。
GMA12に挿入。
10.3 酵母の形質転換
実施例11:S.セレビシエおよびS.ポンベにおける過剰マンノシル化に関与する遺伝子の欠失
11.1 工程1:酵母Amelie、Arielle、Anais、Alice、Abel、Ashley、Athena、AzaleeおよびAurelの欠失
11.1.1 ハイグロマイシン耐性遺伝子を含むカセットの構築およびMnn1遺伝子への挿入
11.1.1.1 発現カセットの構築
Mnn1 5’末端を有するプロモーターCaMVの増幅
プロモーターCaMVおよびMnn1 3’末端と相同性を有するハイグロマイシン−ターミネーターTEF増幅
S.セレビシエにおけるMnn1遺伝子の欠失のための挿入カセットのアセンブリング
11.1.1.2 酵母の形質転換
・コンピテント酵母の調製
これらの株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
・S.セレビシエ酵母のエレクトロポレーション
手順:
S.セレビシエ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素で消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母に導入した。これらの酵母をハイグロマイシンを含有するYPD培地で選択する。
11.1.2 酵母Amelie、Arielle、Anais、Alice、Abel、Ashley、Athena、AzaleeおよびAurelにおけるMnn9遺伝子の欠失
11.1.2.1 フレオマイシン耐性遺伝子を含むMnn9への組込みのためのカセットの構築
Mnn9 5’末端を有するプロモーターSV40の増幅
プロモーターSV40と相同性を有するフレオマイシン−ターミネーターTEFの増幅
11.1.2.2 酵母の形質転換
・コンピテント酵母の調製:
これらの酵母を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
・S.セレビシエ酵母のエレクトロポレーション
手順:
S.セレビシエ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素で消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより酵母に導入した。これらの酵母をフレオマイシンを含有するYPD培地で選択する。
11.2 工程2:酵母S.ポンベ、Emma、Erika、Enrique、Elga、EtienneにおけるGMA12遺伝子の欠失
11.2.1 ハイグロマイシン耐性遺伝子を含む組込みカセットの構築
ext−gma12/prom−CaMV/hph/Tef−term/ext−gma12
11.2.2 酵母の形質転換
・コンピテント酵母の調製:
これらの株を、コンピテントとするために上記で示されたように調製した。
・S.セレビシエ酵母のエレクトロポレーション
手順:
S.ポンベ用発現カセットを含むプラスミド20μgを制限酵素で消化した。この線状化カセットをエレクトロポレーションにより導入した。これらの酵母をハイグロマイシンを含有するYPD培地で選択する。
実施例12:株+S.セレビシエおよびS.ポンベのN−グリカンのシアリル化のための発現カセット
S.セレビシエおよびS.ポンベにおいて産生されたタンパク質のN−グリカンの有効なシアリル化を得るためには、まず、同じ酵母にシアル酸生合成経路を導入しなければならない。これを行うため、本発明者らは酵母のゲノムに、髄膜炎菌(N. meningitidis)のCMP−シアル酸生合成経路である、サイトゾルに局在する酵素を導入した。
シアリル化のための縦列カセットの調製(Athena、AurelおよびAzalee株から):
12.1 カセットS1:
プロモーターPET56、シアル酸シンターゼのORF、ターミネーターCYC1、そしてプロモーターPET565、CMP−シアル酸シンターゼのORFおよびターミネーターCYC1からなる縦列カセットの構築
・ORFの取得:
シアル酸シンターゼ(1,050bp)
CMP−シアル酸シンターゼ(687bp):
・発現カセット:
プロモーターPET56
12.2 カセットS2:
CMP−シアル酸輸送体発現カセットは、抗生物質ハイグロマイシン耐性のためのカセットと縦列生産した。この二重カセットをmnn1遺伝子に挿入する。このカセットのこの遺伝子座への挿入はハイグロマイシン耐性だけでなく、mnn1遺伝子の欠失も誘発する。
・ORFの取得
マウス(mus musculus)由来CMP−シアル酸輸送体(1,011bp)
・発現カセットの構築:
CMP−シアル酸輸送体(プロモーターCaMV、ORF、ターミネーターCYC1)の発現カセットを、CaMVのプロモーター、ハイグロマイシン耐性ORFならびにターミネーターTEFを含んでなるハイグロマイシン耐性発現カセットとともにアセンブリングする。これらの縦列カセットをマーカーmnn1に挿入する。
12.3 カセットS3:
シアリルトランスフェラーゼST3GAL4のための発現カセットを、抗生物質フレオマイシン耐性のためのカセットと縦列生産した。この二重カセットをmnn9遺伝子に挿入する。このカセットのこの遺伝子座への挿入はハイグロマイシン耐性だけでなく、mnn9遺伝子の欠失も誘発する。
・ORFの取得
ヒトシアリルトランスフェラーゼST3GAL4(990bp)
ネズミシアリルトランスフェラーゼST3GAL4(1,002bp)
CMP−シアル酸輸送体発現カセット(プロモーターCaMV、ORF、ターミネーターCYC1)を、CaMVのプロモーター、ハイグロマイシン耐性のORFならびにターミネーターTEFを含んでなるハイグロマイシン耐性発現カセットとともにアセンブリングする。これらの縦列カセットをマーカーmnn1に挿入する。
実施例13:均質にグリコシル化されたEPOの生産
13.1 ヒトエリスロポエチン(EPO)のヌクレオチド配列の増幅
ヒトEPOのヌクレオチド配列の増幅は、ヒト腎臓の相補的DNAから、好適なプライマーを用いて得た。
13.2 S.セレビシエの発現ベクターにおけるEPOの配列のクローニング
その停止コドンの末端切断型ヒトhuEPOのヌクレオチド配列(585塩基対)を酵母S.セレビシエの発現ベクターに組み込む。導入配列とプラスミドpSCの配列の間のリーディングフレームの連続性(エピトープV5およびポリヒスチジンタグ)は、得られたプラスミド(PSC−EPO)の配列決定により確認された。タンパク質EPOの発現は、S.セレビシエ株のガラクトースにより誘導可能なプロモーターpGAL1の制御下で見られる。このプラスミドを有する酵母の選択は、好ましくは、ウラシル栄養要求性の回復(プラスミドにおけるURA3配列の存在)により行う。
発現プラスミドにおいて得られた配列:
発現プラスミドにおいて配列決定されたEPOのタンパク質配列(配列番号12)
エピトープV5 ポリ−HTS
13.3 RNAの抽出:
酵母を16000gで5分間遠心分離する。上清を除去し、ペレットを500μLのTESバッファー(10mM Tris HCl pH7.5 10mM EDTA、0.5%SDS)に再懸濁させる。200μLのフェノールおよび200μLのクロロホルムを加えた後、65℃で20分、5分おきにボルテックスにかけることによりインキュベートし、−80℃で1時間インキュベートする。13,200rpmで20分遠心分離した後、水相を回収し、335μLのフェノールおよび67μLのクロロホルムを加える。ボルテックスにかけ、11,000rpmで5分遠心分離する。水相を回収し、300μLのクロロホルムを加える。ブルテックスにかけ、13,200rpmで2分遠心分離する。水相を回収し、30μLの3M酢酸ナトリウムpH5.2および600μLの無水エタノールを加える。−20℃で1時間インキュベートする。13,200rpmで15分遠心分離する。ペレットに注意しながら上清を除去する。それらを乾燥させ、100μLのEDPC水に取った後、バイオレット・ヌクレオスピン(Nucleospin RVAII)濾過ユニットの入った試験管に入れる。11,000gで1分遠心分離する。フィルターを取り出し、350μLの70%エタノールを加える。Nucleospin RNAIIカラムを加える。8000gで30秒遠心分離する。このカラムを新しい試験管に入れ、350μLの膜脱塩バッファーを加える。11,000gで1分遠心分離する。95μLのDNアーゼ溶液をカラムの中心に置いた後、室温で15分インキュベートする。200μLのRA2溶液を加え(DNアーゼを不活性化する)、8,000gで30秒遠心分離する。600μLのRA3溶液をカラムの中心に置く。8,000gで30秒遠心分離する。このカラムを新しい試験管に入れ、250μLのRA3溶液を加える。カラムを駆動するため、11,000gで2分遠心分離する。このカラムを1.5nL試験管に入れ、50μLのDEPC水を加える。11,000gで1分遠心分離する。これらのサンプルを−80℃で保存する。
13.4 逆転写:RT−PCRのためのスーパースクリプトIII第一鎖合成系
5μgのRNA 8μLまで
ランダムヘキサマー 50ng/μL 1μL
dNTPミックス 10mM 1μL
DEPC水 加えて10μLとする
65℃で5分インキュベート
10μLの転写混合物添加:RTバッファー 10倍 2μL
MgCl 25mM 4μL
DTT 0.1M 2μL
RNアーゼアウト 40U/μL 1μL
スーパースクリプト 200U/μL 1μL
インキュベート 25℃で10分
50℃で50分
85℃で5分
氷中に回収、1μLのRNアーゼHを加える。37℃で20分インキュベートした後、cDNAを−20℃で保存する。
13.5 タンパク質の抽出
4℃、1,500gで5分遠心分離した後、細胞ペレットを500μLの無菌HOに取り、その後、4℃で30秒、最大速度で遠心分離する。このペレットをリン酸ナトリウム50mM溶解バッファーpH7.4、5%グリセロール、1mM PMSF 500μLに取り、4℃にて1,500gで10分遠心分離する。次に、このペレットを50〜100の間のODを得るのに必要な用量の溶解バッファーに取る。その後、これらのサンプルをガラスビーズとともに30秒4回ボルテックスにかけ、ビーズおよび細胞残渣をタンパク質上清から分離するために最大速度で10分遠心分離を行う。この上清に対してBCAアッセイを行う。
13.6 EPOの精製:
まず、これらの全タンパク質を10mM Tris HClバッファー、pH6.0に対して透析する。陽イオン交換SP Sephadex C50カラムを10mM Tris−HCl pH6.0で平衡化した後、透析された全タンパク質をこのカラムにのせる。カラムを10mM Tris HClバッファーpH6.0ですすぎ、タンパク質を10mM Tris HClバッファー pH6.0、250mM NaClで溶出させる。各画分の吸光度を280nmで測定するとともに、溶出したタンパク質の量をBradfordアッセイで測定する。その後、これらのタンパク質を12%アクリルアミドゲルでのSDS PAGE電気により分析する。
13.7 EPOタンパク質の検出−ウエスタンブロット
抗EPO抗体(R&D Systems)による検出を用いて処理するために、全タンパク質をニトロセルロース膜に転写する。転写後、膜をブロッキング溶液(TBS、1%ブロッキング溶液(Roche))で1時間飽和させる。次に、膜を抗EPO抗体溶液(1:500希釈)と1時間接触させる。0.1%Tween 20−TBSで3回すすいだ後、化学発光(Roche検出溶液)による検出を用いて処理するために、膜を二次抗マウス−HRP抗体と接触させる。
141.結果:
14.1:Och1遺伝子にカナマイシンカセットが組み込まれたクローンの検証
Och1活性の抑制に関し、酵母ゲノムにおいて影響を受けたゲノム領域をマッピングするため、導入カセットを、その組み込みの後に全配列決定した。そして、酵素活性の不在が達せられ、これまでの結果が補強され、その後、グリカンの構造を質量分析により決定する。
培養培地におけるカナマイシンの存在に対して耐性を示したS.セレビシエクローンのゲノムDNAから、PCR反応の1%アガロース−TBEゲルに対する分析を行ったところ、カナマイシンカセットの特異的オリゴヌクレオチド対を有する2kb断片の増幅が示された。この断片の大きさはカナマイシンカセットの理論的大きさに相当する。カナマイシンカセット内部のオリゴヌクレオチドおよびOch1遺伝子とハイブリダイズするカセットの外部のオリゴヌクレオチドによって第二の断片を増幅した。予想された断片の理論的大きさは1.5kbであり、これは得られた断片の大きさに相当する。よって、本発明者らは、クローン1、2、3および4は実際にカナマイシンカセットが組み込まれており、これらはOch1遺伝子に組み込まれていると結論付けた(図3参照)。
培養培地におけるカナマイシンの存在に対して耐性を示したS.ポンベ株についても同じタイプのPCR反応を行った。そして、各株の2つの突然変異クローンを単離し、α1,6−マンノシルトランスフェラーゼ酵素活性の欠損を調べた。
突然変異酵母株に対するマンノシルトランスフェラーゼOch1活性の試験
S.セレビシエおよびS.ポンベ酵母における相同組換えにより得られた突然変異体Δoch1におけるOch1活性の欠損の検証:
野生型S.セレビシエおよび野生型S.ポンベ酵母におけるカナマイシン発現カセットの挿入のPCRによる検証の後、この挿入に関して陽性のクローンをマンノシルトランスフェラーゼOch1活性の欠損に関して調べた。S.セレビシエおよびS.ポンベ酵母のミクロソームに対してOch1活性を調べた。図4は、a−S.セレビシエの野生株および選択クローンのミクロソーム画分、b−S.ポンベの野生株および選択クローンのミクロソーム画分に対するOch1活性試験を示す。図4によれば、S.セレビシエ(a)およびS.ポンベ(b)の選択クローンにおけるOch1酵素活性の欠損が見られる。
N−グリカンの分析による株の検証:
両修飾株からの全タンパク質を還元およびアルキル化した後、トリプシンで消化した。SepPak C18を通すことで遊離の多糖類を除去する。回収されたペプチドおよび糖ペプチドにPNGアーゼ処理を施す。SepPak C18でグリカンを精製し、その後、メチル化した後にMaldi−Tof様式での質量分析により分析する。図5は、AdeleおよびEdgar株からのN−グリカンに対して行った質量スペクトルを示す。
酵母の呼称:
S.セレビシエΔOch1=Adele
S.ポンベΔOch1=Edgar
両株とも、Man7〜Man10のオリゴマンノシド形態を有するN−グリカンを含み、サッカロミセス・セレビシエ野生株のものよりも短い形態であり、野生型ポリマンノシル化形態の欠損を示す。
Edgar株(Δoch1)の主要構造はManおよびManであり、これは哺乳類において新生タンパク質が小胞体に移行した後に通常見られる構造である。これは、酵素Och1がα1,6位で結合したマンノースをグラフトしたグリカンにだけマンノースをグラフトするゴルジ体マンノシルトランスフェラーゼの作用が不能であるためにグリコシル化を遮断することを示唆する。
14.2:URA3遺伝子にマンノシダーゼIカセットが組み込まれたクローンの検証
遺伝子URA3におけるマンノシダーゼIの発現カセットの挿入に関して陽性であるAdeleおよびEdgar酵母のマンノシダーゼI生化学活性を調べる。図6は、S.セレビシエおよびS.ポンベ酵母のミクロソームにおけるマンノシダーゼ活性のアッセイを示す。野生型S.セレビシエおよびS.ポンベ株では、マンノシダーゼ活性はDMJにより阻害されないことが認められる。これに対して、選択株では、DMJ処置の際にマンノシダーゼ活性の有意な阻害が測定された。さらに、測定されるマンノシダーゼI活性が酵母のミクロソームに存在することから、この酵素が分泌経路のシス−ゴルジ/小胞体で発現することが推論され、このタンパク質のC末端に組み込まれたHDEL保持シグナルが細胞系により十分認識されることを示唆する。
酵母の呼称:
S.セレビシエAdele+マンノシダーゼI=Amelie
S.ポンベEdgar+マンノシダーゼI=Emma
14.3 修飾酵母においてN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GlcNAcトランスフェラーゼI)カセットが組み込まれたクローンの検証
図7は、野生型および修飾酵母のミクロソームにおけるGlcNAcトランスフェラーゼI活性を示す。
Amelie−GlcNacTIおよびEmma−GlcNacTI酵母のミクロソームまたは画分において、対照酵母(野生型および/またはΔoch1−MdseI酵母)で見られる標識と比較して、放射性GlcNAc基の転移によるアクセプターの標識に増加が見られる。この転移はGlcNAcTIの発現により修飾された酵母におけるN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性の存在を含む。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエAmelie+GlcNAcTI=Agathe
S.ポンベEmma+GlcNAcTI=Egee
14.4 修飾酵母においてUDP−GlcNAc輸送体のカセットが組み込まれたクローンの検証
UDP−GlcNAc輸送体の発現は、親酵母または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。全抽出RNAに対する逆転写工程の後、UDP−GlcNAc輸送体の特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、UDP−GlcNAc輸送体発現カセットによって修飾された酵母では、この輸送体のmRNAの発現が見られる(図8)。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエAgathe+UDP−GlcNAc輸送体=Arielle
S.ポンベEgee+UDP−GlcNAc輸送体=Erika
14.5 修飾酵母におけるマンノシダーゼIIカセットが組み込まれたクローンの検証
a−PCR増幅による検証
酵母ゲノムにおいてマンノシダーゼIIの発現カセットの存在を確認するために、S.セレビシエおよびS.ポンベの選択クローンをPCRにより調べた。
b−マンノシダーゼIIの発現
マンノシダーゼIIの発現は、親酵母または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。抽出RNAに対する逆転写工程の後、マンノシダーゼIIの特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、マンノシダーゼII発現カセットにより修飾された酵母では、このタンパク質のmRNAの発現が見られる。
c−マンノシダーゼIIの活性の測定
マンノシダーゼIIの発現カセットの挿入に関して陽性のAdeleおよびEdgar酵母をそれらのマンノシダーゼII生化学活性に関して調べる。
図9によれば、親S.セレビシエおよびS.ポンベ株では、スウェインソニン(swainsonine)の阻害作用に非感受性のマンノシダーゼ活性が見られる。これに対し、選択株はスウェインソニンで処理した際に有意なマンノシダーゼII活性阻害が測定された。さらに、ゴルジ体酵母画分でも測定マンノシダーゼ活性が検出されるので、この酵素は分泌経路のゴルジ体系で適切に発現されると推測できる。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエArielle+マンノシダーゼII=Anais
S.ポンベErika+マンノシダーゼII=Enrique
14.6 修飾酵母におけるN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIカセット(GlcNAcトランスフェラーゼII)が組込まれたクローンの検証
a−PCR増幅による検証
酵母ゲノムにおいてGlcNAcトランスフェラーゼIIの発現カセットの存在を確認するために、S.セレビシエおよびS.ポンベの選択クローンをPCRにより調べた(結果は示さず)。
b−GlcNAcトランスフェラーゼIIの発現
GlcNAcトランスフェラーゼIIの発現は、親酵母または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。抽出RNAに対する逆転写工程の後、GlcNAcトランスフェラーゼIIの特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、GlcNAcトランスフェラーゼII発現カセットにより修飾された酵母では、転写されたmRNAの発現が見られる(結果は示さず)。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエAnais+GlcNAcトランスフェラーゼII=Alice
S.ポンベEnrique+GlcNAcトランスフェラーゼII=Elga
14.7 ガラクトシルトランスフェラーゼIカセットが組込まれたクローンの検証
a−PCR増幅による検証
酵母ゲノムにおいてGalTIの発現カセットの存在を確認するために、S.セレビシエおよびS.ポンベの選択クローンをPCRにより調べた(結果は示さず)。
b−ガラクトシルトランスフェラーゼIの発現
GalTIの発現は、親酵母または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。抽出RNAに対する逆転写工程の後、GalTIの特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、GalTI発現カセットにより修飾された酵母では、転写されたmRNAの発現が見られる(結果は示さず)。
c−GalTIの活性
修飾酵母の全タンパク質の抽出後、2μgのタンパク質をニトロセルロース膜にのせる。次に、この膜をビオチンと結合されたエリスリナ・クリスタガリー(erythrina cristagalli)レクチン(糖タンパク質のグリカン上に存在するGal−β−1,4−GlcNAc単位のガラクトースを特異的に認識するレシチン)とともにインキュベートする。化学発光による検出(Roche検出溶液)を用いて進行させるために、この膜をホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合されたストレプトアビジンと接触させる。
14.8 GDP−フコース輸送体のカセットが組み込まれたクローンの検証
a−PCR増幅による検証
酵母ゲノムにおいてGDP−フコース輸送体の発現カセットの存在を確認するために、S.セレビシエおよびS.ポンベの選択クローンをPCRにより調べた。
b−GDP−フコース輸送体の発現
GDP−フコース輸送体の発現は、親または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。抽出RNAに対する逆転写工程の後、GDP−フコース輸送体の特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、GDP−フコース輸送体発現カセットにより修飾された酵母では、転写されたmRNAの発現が見られる(図10)。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエAnais+GDP−フコース輸送体=Apolline
S.ポンベEnrique+GDP−フコース輸送体=Epiphanie
14.9 フコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)のカセットが組み込まれたクローンの検証
a−PCR増幅による検証
酵母ゲノムにおいてFUT8の発現カセットの存在を確認するために、S.セレビシエおよびS.ポンベの選択クローンをPCRにより調べた。
b−FUT8の発現
FUT8の発現は、親酵母または修飾酵母培養物に対するRT−PCRにより分析した。抽出RNAに対する逆転写工程の後、FUT8の特異的プライマーを用いることによるPCR(ネストPCR)によってこれらのcDNAを分析した。よって、FUT8発現カセットにより修飾された酵母では、転写されたmRNAの発現が見られる(結果は示ず)。
修飾酵母の呼称:
S.セレビシエApolline+FUT8=Ashley
S.ポンベEpiphanie+FUT8=Esther
14.10 Amelie株におけるEPO発現の特定の場合
Amelie株は、哺乳類に見られる、単純型のグリカンと言われている構造N−グリカンManGlcNAc(図11)を排他的に産生する能力を有し、ガラクトース、フコースまたはシアル酸を有するより複雑なグリカンを構成する基礎として用いられる。この株における各ゲノム修飾の存在は上記されている。これらの各ステップは、最良の生産クローンを選択することと利用可能なクローンを得るために変異率(%)を最大化することからなる「一括の(package)」確認作業に入る。使用される方法はゲノム修飾手順の完全な制御を可能とし、組み込まれる配列は、将来の組み込みの標的ゲノム領域と同様、完全に既知である。この部位についてさらに可能性のある破断の影響に関して詳細な検討を行うのであるが、これはなぜその標的全体が最終的にそれらの破断後に得られた表現型への影響の不在に関して選択されるかという理由である。
生産クローンのゲノム安定性を追跡する全手順を行い、各生産の後、これらのクローンをそれらの選択に最初に用いた強力な培地上に定期的に移植し、検証手順を再開する。総ての発現カセットをクローニングし、ある株のゲノム再配列の場合には、その生物の遺伝的改良で進めることができるようにする。カセットを組み込む手順は標準化せず、使用者が指示した通りの特定のグリコシル化を達成するために、「オンデマンド」株の生産を推測することができる。
Amelie株は、ヒト化ハイブリッドまたは複合体グリカンを生産することを意図した他の任意の株を生産するための基礎として使用すべきクローンである。
修飾酵母におけるEPOの発現に用いられるプラスミドは、プロモーターGal1を含む。このプロモーターはS.セレビシエにおいて知られている最も強力なプロモーターの1つであり、現在、組換えタンパク質を生産するために用いられている。このプロモーターはガラクトースにより誘導され、グルコースにより抑制される。実際、グリセロール中でのS.セレビシエ酵母の培養では、ガラクトースを添加すると、GAL遺伝子が約1,000倍誘導される。ガラクトースの存在下でこの培養物にグルコースを添加すれば、GAL遺伝子はもはや誘導されず、ガラクトース単独で得られるレベルの1%のみとなる(Johnston, M. (1987) Microbiol. Rev.)。本発明者らのプラスミドではヒトEPOの組込み配列は、5’において、エピトープV5ならびに産生されたタンパク質の検出および精製を容易にするためのポリヒスチジンタグを付加することによって修飾された。
ヒトEPOを生産するために用いられる酵母は、まず、ウラシルを除いたYNB培地、2%グルコース中で、OD>12となるまで培養する。培養24〜48時間後、本発明者らの目的タンパク質の生産を誘発するため、培養物に2%ガラクトースを加える。誘導0、6、24および48時間後にサンプルを採取する。
修飾酵母におけるEPOのmRNAの発現
全抽出RNAのRT−PCR分析は、ガラクトースによる誘導を欠いた修飾酵母において見られるもの(図12のバンド2および4)とは異なり、ガラクトースによる誘導後に形質転換した酵母のクローンでは、メッセンジャーRNAまたはEPOの発現を示す(図12のバンド1および3)。よって、ガラクトースの存在はEPO遺伝子の転写を誘発する。この増幅断片の配列決定により、適正なmRNAの産生が確認される。
修飾酵母において発現されたEPOタンパク質の精製
次に、ガラクトースによるrhuEPOタンパク質の発現の誘導の後に得られた全タンパク質を、pH6に平衡化したSephadex C50樹脂にのせる。カラムの出口において280nmの吸光度を測定する(図13)。カラムから溶出したタンパク質を12%アクリルアミドゲル上のSDS−PAGE電気泳動により分析する。SDS−PAGEゲルの泳動後、クーマシーブルー染色(図14)かウエスタンブロットによりタンパク質の分析を行う。この場合、抗EPO抗体(R&D Systems)による検出を行うために、タンパク質をニトロセルロース膜に転写する。
図15は、約35kDaにタンパク質が存在することを示している。このタンパク質はクーマシーブルー染色の主要タンパク質であり、ウエスタンブロット分析における抗EPO抗体によっても明らかである(カラム出口での試験管29)。
よって、これら総ての結果は遺伝的に修飾された酵母によるEPOタンパク質の生産を示す。

Claims (27)

  1. Man5GlcNac2構造を含んでなる均質なグリカンを有する糖タンパク質を産生することができる遺伝的に修飾された酵母であって、
    前記酵母が下記の修飾:
    a)抗生物質耐性遺伝子をコードする異種配列の相同組換えによる挿入による、α1,6−マンノシルトランスフェラーゼをコードするOch1遺伝子の不活性化(Δ−Och1株)、
    b)pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなるα−1−2−マンノシダーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込み、
    c)pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)から選択されるプロモーター(該c)のプロモーターはb)のプロモーターとは異なる)と、生産される外因性糖タンパク質をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込み
    を含んでなり、
    前記酵母が、S.セレビシエまたはS.ポンベである、酵母。
  2. α−1−2マンノシダーゼIが、C.エレガンスのα−1−2マンノシダーゼIであり、該α−1−2マンノシダーゼIが、配列番号1の配列を含んでなる、請求項1に記載の酵母。
  3. 75%を超えるグリカンがGlcNacMan5GlcNac2構造を有する糖タンパク質を産生することができ、さらに、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体もしくはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなるヒトN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、または転写ターミネーターを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる、請求項1または2に記載の酵母。
  4. ヒトN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIが、該酵素の細胞質部分を欠き、該タンパク質のゴルジ局在のためにmmn9(配列番号13)の細胞質部分に置換されている配列番号2の配列を含んでなる、請求項3に記載の酵母。
  5. プロモーターpGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26の配列を有する)と、ヒトUDP−GlcNAc輸送体をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みをさらに含んでなる、請求項4に記載の酵母。
  6. ヒトUDP−GlcNAc輸送体が配列番号3の配列を含んでなる、請求項5に記載の酵母。
  7. 75%を超えるグリカンがGlcNacMan3GlcNac2構造を有する糖タンパク質を産生することができ、さらに、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなるマンノシダーゼIIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の酵母。
  8. マンノシダーゼIIがネズミマンノシダーゼIIであり、配列番号4の配列を含んでなる、請求項7に記載の酵母。
  9. 75%を超えるグリカンがGlcNacMan3GlcNac2構造を有する糖タンパク質を産生することができ、さらに、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt
    1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなるN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる、請求項7または8に記載の酵母。
  10. N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIがヒトのものであり、配列番号5の配列を含んでなる、請求項9に記載の酵母。
  11. 75%を超えるグリカンがGalGlcNacMan3GlcNac2構造を有する糖タンパク質を産生することができ、さらに、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエまたはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなるガラクトシルトランスフェラーゼIをコードする配列を含むオープンリーディングフレームと、転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含む、請求項9または10に記載の酵母。
  12. ガラクトシルトランスフェラーゼIがヒトのものであり、ヒトターゲティング配列を欠いた配列番号6の配列を含んでなる、請求項11に記載の酵母。
  13. 組込みマーカーが、URA3、ADE2、LYS2、LEU2、TRP1、CAN1、ADO1、HIS5、HIS3、ARG3、MET17、LEM3、Mnn1、Mnn9、gma12から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の酵母。
  14. α−1−2マンノシダーゼIの発現カセットがURA3遺伝子に組み込まれ、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIの発現カセットがADE1またはADE2遺伝子に組み込まれ、UDP−GlcNAc輸送体の発現カセットがLYS2遺伝子に組み込まれ、α−マンノシダーゼIIの発現カセットがLEU2遺伝子に組み込まれ、N−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼIIの発現カセットがCYH1またはTRP1遺伝子に組み込まれる、請求項13に記載の酵母。
  15. 小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列が遺伝子Mnt1の局在配列に由来し、配列番号14の配列を含んでなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の酵母。
  16. ターミネーターがCYC1遺伝子に由来し、配列番号15の配列を含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の酵母。
  17. 75%を超えるグリカンが
    から選択される構造を有する糖タンパク質を産生することができ、さらに、pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエもしくはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーターまたはMnt1遺伝子のプロモーターと、小胞体またはゴルジ体におけるターゲティング配列を含んでなる、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼFUT8をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、配列番号15の配列を含んでなる遺伝子CYC1に由来する転写ターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる、請求項3〜10のいずれか一項に記載の酵母。
  18. α−1,6−フコシルトランスフェラーゼFUT8がヒトのものであり、配列番号7の配列を含んでなる、請求項17に記載の酵母。
  19. pGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエもしくはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーター、またはプロモーターSV40と、配列番号8の配列を含んでなるGDP−フコース輸送体をコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みをさらに含んでなる、請求項17または18のいずれか一項に記載の酵母。
  20. α−1−2マンノシダーゼIがプロモーターpGAPの制御下で発現され、外因性タンパク質である糖タンパク質がプロモーターpGAL1の制御下で発現される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の酵母。
  21. 75%を超えるグリカンがNANAGalGlcNacMan3GlcNAc2およびNANAGalGlcNac(Fuc)Man3GlcNAc2から選択される構造を有する糖タンパク質を産生することができ、それがさらにpGAP、pGAL1、PGK、TEF、adh1、nmt 1、SV40、PMA1、CaMV、S.セレビシエもしくはS.ポンベのpet56、およびADH2(それぞれ配列番号16〜26を有する)から選択されるプロモーター、または配列番号9の配列を含んでなるヘルペスウイルスのチミジンキナーゼのプロモーターと、α−2,3シアリルトランスフェラーゼをコードする配列を含んでなるオープンリーディングフレームと、配列番号15の配列を含んでなるCYC1遺伝子に由来するターミネーターとを含んでなる発現カセットの、相同組換えによる栄養要求性マーカーへの組込みを含んでなる、請求項11〜20のいずれか一項に記載の酵母。
  22. シアリルトランスフェラーゼがヒトST4GAL4遺伝子であり、該遺伝子が、配列番号10の配列を含んでなる、請求項21に記載の酵母。
  23. 糖タンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、成長ホルモン、増殖因子、酵素、およびにモノクローナル抗体、ワクチンタンパク質、可溶性受容体並びにあらゆる種類の組換えタンパク質などの、治療用糖タンパク質から選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の酵母。
  24. 糖タンパク質が、EPOであり、該EPOが、エピトープV5と精製のためのN末端ポリ−HIS単位を含んでなる配列番号12の配列を有する、請求項23に記載の酵母。
  25. 酵母用培養培地の基本培養培地および請求項1〜24のいずれか一項に記載の酵母を含んでなる発酵槽内の培養物。
  26. 75%を超えるグリカンが
    Gal2GlcNac3Man3GlcNAc2
    NANA2Gal2GlcNac3Man3GlcNAc2
    から選択される構造を有する均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を生産するための方法であって、発酵槽での請求項1〜24のいずれか一項に記載の酵母の培養および前記糖タンパク質の培養培地からの抽出を含んでなる、方法。
  27. 75%を超えるグリカンが
    Gal2GlcNac3Man3(Fuc)GlcNAc2
    NANA2Gal2GlcNac3Man3(Fuc)GlcNAc2
    から選択される構造を有する均質なグリカン構造を有する糖タンパク質を発酵槽で生産するための、請求項1〜24のいずれか一項に記載の酵母の使用。
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