以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態によるネットワーク配信システム1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態におけるネットワーク配信システム1は、ビデオオンデマンド(Video on Demand;VoD)のサービスを提供し、複数のVoDクライアント装置(コンテンツ視聴装置)10と、VoDサーバー装置(コンテンツ配信装置)30とを備える。これらVoDクライアント装置10と、VoDサーバー装置30とは、例えばインターネット20などの通信網により互いに通信可能に接続されている。
VoDサーバー装置20は、インターネット20を介して当該装置に接続されたVoDクライアント装置10からのリクエスト(要求)を受信して、リクエストに従って、指定のコンテンツのコンテンツデータを配信することで、VoDサービスを提供する。VoDクライアント装置10の各々は、ユーザーによるコンテンツの指定に従い、VoDサーバー装置20に、指定されたコンテンツの配信を要求し、要求したコンテンツと、そのコンテンツとともに配信されたサブコンテンツとを、再生する。さらに、VoDクライアント装置10は、VoDサーバー装置20から、コンテンツとともに配信される広告のデータ量を示す通知を受信し、受信した通知が示す広告のデータ量を、ユーザーに通知する。VoDクライアント装置10は、インターネット接続通信機能を持つテレビジョン受像機であってもよいし、接続されたテレビジョン受像機に映像および音声を出力するセットトップボックス(Set Top Box;STB)であってもよいし、パーソナルコンピュータと該パーソナルコンピュータをVoD視聴サービスを受信可能にするソフトウェアとからなる装置であってもよい。
図2は、本実施形態におけるVoDサーバー装置20の構成を示す概略ブロック図である。VoDサーバー装置20は、要求送受信部201、データ配信部202、広告挿入情報配信部203、セッション管理部204、ユーザー認証部205、ユーザー管理部206、視聴管理部207、視聴予約管理部208、配信データ生成部209、広告挿入量決定部210、挿入広告決定部211、広告挿入量予測部212、広告管理部213、コンテンツ管理部214、広告挿入位置決定部215、ユーザーDB(データベース;Data Base)221、視聴履歴DB222、視聴予約DB223、広告DB224、コンテンツDB225を備える。
要求送受信部201は、VoDクライアント装置10より、インターネット回線を介した通信によりリクエストを受信する。要求送受信部201は、ユーザー認証要求、ビデオ視聴要求、視聴予約要求などのリクエストを識別する。要求送受信部201は、受信したリクエストがユーザー認証要求であるときは、ユーザー認証部205に該リクエストの内容を通知する。また、要求送受信部201は、受信したリクエストがビデオ視聴要求であるときは、視聴管理部207に、該リクエストの内容を通知する。また、要求送受信部201は、受信したリクエストが視聴予約要求であるときは、視聴予約管理部208に、該リクエスト内容を通知する。
ユーザー認証部205は、ユーザー認証要求中に含まれるユーザー情報(ユーザーIDとパスワード)をユーザー管理部206に照会し、本サービスの登録ユーザーであるか否かを判定する。本サービスの登録ユーザーであった場合は、要求送受信部201を介して、ユーザー認証要求の送信元のVoDクライアント装置10との間でセッションIDを設定するなどしてセッションを確立し、以後、要求送受信部201は、この確立したセッションを用いて送信されたサービス利用に関するリクエストを受け付ける。このユーザー認証されたセッションは、クライアント側からか、サーバー側からのセッション切断要求があった場合、もしくは所定の時間、通信が行なわれなかった場合に切断される。
このようなVoDクライアント装置10とVoDサーバー装置20との間のユーザー認証に基づくセッションの管理は、セッション管理部204が行う。セッション管理部204は、確立されたセッションに基づき、VoDクライアント装置10とVoDサーバー装置20との間での、要求送受信部201、データ配信部202、広告挿入情報配信部203での通信を管理する。例えば、セッション管理部204は、ユーザー認証時に各セッションに設定したセッションIDとユーザーIDとの対応付けを記憶しており、要求送受信部201が受信したリクエスト中のセッションIDを参照して、該リクエストを送信したユーザーを識別する。
ユーザー管理部206は、本サービスの登録ユーザーのユーザー情報を蓄積するユーザー情報DB221を管理する。データベース管理モジュールである。ユーザー管理部206は、VoDサーバー装置20の外部とのインタラクションによるユーザー情報DB221のデータ更新を可能にし、新規ユーザーの登録、ユーザー削除、ユーザー情報の追加、変更を可能にする。ユーザー情報には、ユーザー認証に用いるユーザーIDとパスワードの他に、ユーザーの属性情報も含む。例えば、ユーザーが登録する好みのジャンルをユーザー情報としてユーザー情報DB221に保存する。
ユーザー情報DB221が記憶する情報は、本サービスを提供する提供者による編集の他に、パスワードやユーザー属性情報の一部のユーザー登録情報はユーザーからのリクエストによる変更も可能である。セッションが確立されている間に、該当ユーザーからの登録情報変更のリクエストを受信すると、ユーザー管理部206に問い合わせられ、ユーザー情報DB221が更新される。登録ユーザーのVoDクライアント装置10との認証セッションが確立されている間、要求送受信部201はVoDクライアント装置10からビデオ視聴、もしくはビデオ視聴予約のリクエストを受け付ける。
視聴管理部207は、要求送受信部201からビデオ視聴要求のリクエストの内容を受けると、受けたリクエスト内容に基づいて、視聴のためのデータ配信を制御するとともに、視聴履歴DB(視聴履歴記憶部)222にコンテンツデータの配信の履歴を示す視聴履歴情報を保存する。視聴履歴情報は、視聴者のユーザーID、視聴コンテンツID、リクエスト内容、リクエスト時刻で構成される。視聴管理部207が受けるリクエスト内容と、そのときに行う制御の内容を以下に示す。これらの制御も視聴履歴情報として保存される。
<視聴開始要求>
コンテンツ視聴の開始を要求するものである。視聴履歴DB222を参照し、以前に同じコンテンツを視聴している場合は、要求送受信部201を介してVoDクライアント装置10に問い合わせ、コンテンツの最初から開始するか、前回の視聴終了位置から開始するかを決定する。
<視聴制御要求>
コンテンツ視聴中の視聴に関する制御を要求するものである。一時停止、再生再開、早送り再生、巻き戻し再生、スロー再生といった特殊再生を指定する要求であり、それに従って配信するコンテンツのデータを制御する。
<視聴終了要求>
コンテンツ視聴中にコンテンツ視聴の終了を要求するものである。データの配信を終了する。視聴履歴DB222に終了位置を含む終了の記録を残すので、同じユーザーが同一コンテンツの視聴開始要求を行なった場合には、レジューム再生が可能である。
視聴管理部207は、VoDクライアント装置10からの視聴開始要求を受けると、その視聴開始要求に従ったコンテンツのデータとそのコンテンツとともに再生される広告データとのデータ構成を配信データ生成部209に決定させ、そのデータ構成に従い、データ配信部202に配信させる。
配信データ生成部209は、視聴管理部207から配信データ生成を指示されると、コンテンツに挿入する広告の時間数である広告挿入量を、広告挿入量決定部210に問い合わせる。次に、配信データ生成部209は、この問い合わせ結果の広告挿入量を元に、挿入広告決定部211に、挿入する広告に関する情報である広告データ情報(広告数と広告毎の情報(広告データID、広告動画時間数))を問い合わせる。さらに、配信するコンテンツの情報を、コンテンツ管理部214に問い合わせる。さらに、広告の挿入箇所を、広告挿入位置決定部215に問い合わせて、データ構成を決定する。本サービスのコンテンツには、コンテンツの情報として、広告挿入可能箇所があらかじめ設定されているので、広告挿入位置決定部215は、コンテンツの広告挿入可能箇所数をもとに、各広告データの挿入箇所を決定する。
たとえば、広告挿入量決定部210がコンテンツID=1のコンテンツに挿入する広告挿入量を60秒と決定し、挿入広告決定部211が挿入する広告として広告動画1から4の4つを選択し、かつ、該コンテンツの広告挿入可能箇所が3カ所である場合は、広告挿入位置決定部215は、1つ目の広告挿入可能箇所に広告動画1と広告動画2、2つ目の広告挿入可能箇所に広告動画3、3つ目の広告挿入可能箇所に広告動画4を挿入することを決定する。配信データ生成部209は、広告挿入位置決定部215が決定したような形でコンテンツと広告の動画の配信を切り替え制御する情報を生成し、配信データの一部とする。
セッション管理部204は、要求送受信部201が受信した要求に対する応答(例えば、配信データ)を、要求の送信に用いられたセッションを用いて送信するように、要求送受信部201、データ配信部202、広告挿入情報配信部203を制御する。例えば、セッション管理部204は、セッションに関連づけられた要求に基づいて、配信データ生成部209から指定された配信データを接続されたセッションを用いて配信するように、データ配信部202を制御する。
広告挿入量決定部(サブコンテンツデータ量決定部)210は、配信データ生成部209からの指示を受けて、VoDサーバー装置10のコンテンツ配信時の負荷状態を示す負荷状態情報に基づき、コンテンツに挿入されて、コンテンツとともに配信される広告の量である広告挿入量を決定する。ビデオ視聴のリクエストであり、オンデマンドで配信する場合は、広告挿入量決定部210は、視聴管理部207に問い合わせ、現在、このVoDサーバー装置20が配信している視聴者数を確認する。さらに、視聴予約管理部208に、今回のリクエストに基づく配信中に発生する可能性のあるコンテンツ配信の予約数を確認する。その両方の数を足し合わせた数値を混雑度とし、本実施形態では、この混雑度を負荷状態情報として用いる。広告挿入量決定部210は、混雑度が高いほど、すなわち負荷状態情報が示す負荷が思いほど、挿入する広告のデータ量が多くなるように予め設定され記憶している混雑度−広告量テーブルを引くことで挿入する広告のデータ量(広告挿入量)を決定する。なお、本実施形態では、混雑度として、視聴数と視聴予約数の和を用いているが、視聴数のみにしたり、視聴予約数に重みを付けたりなどしてもよい。また、ここではリクエスト数を混雑度として用いたが、混雑度とはVoDサーバー装置30の負荷を表す値であり、上述のような算出方法によらず、その他の方法により算出された値であってもよい。例えば、コンテンツによってビットレートが異なったり、符号化方式が異なり、配信する際の制御方法が異なったりして、リクエストされたコンテンツによって配信の際の負荷が異なる場合は、これらのパラメータに応じた重みを各リクエストに乗じて和をとることで、コンテンツによる負荷の違いが反映された混雑度を算出して用いるようにしてもよい。
ビデオ視聴予約のリクエストであり、予約時刻に配信する場合は、広告挿入量決定部210は、視聴管理部207に問い合わせ、現在、このVoDサーバー装置20が配信している視聴者数のうち、予約時刻まで配信し続ける視聴者数を確認する。さらに、視聴予約管理部208に、今回のリクエストに基づく配信中に発生する可能性のあるコンテンツ配信の予約数を確認する。その両方の数を足し合わせた数値を混雑度とし、オンデマンドで配信する場合と同様にして、挿入する広告量を決定する。また、ビデオ視聴予約のリクエストである場合は、この混雑度を、例えば、同じ曜日の同じ時間帯の視聴者数の平均値とするなど、視聴履歴DB222が記憶する視聴履歴情報に基づき決定してもよい。
挿入広告決定部211は、決定された広告挿入量の広告を広告DB224から選択する。挿入広告決定部211は、選択する広告を、ユーザー管理部206に問い合わせて取得するユーザーの登録した属性情報(年齢、性別、趣味など)や、視聴管理部207に問い合わせて取得可能な過去の同一ユーザーの視聴履歴を元に、関連する広告から選別する。そのため、広告DB224には、配信ターゲットとする層を示す属性情報が、各広告データに対応付けて登録されている。それはユーザーの属性情報(年齢、性別、趣味など)や、コンテンツ属性(ドラマ、スポーツ(サッカー、野球、)、映画などコンテンツのカテゴリー情報や出演者(アーティストや役者名、チーム名)などの情報が付加されており、挿入広告決定部211は、マッチング度合いの大きいものを優先して選択するとともに、広告挿入量に合わせるようにする。また、上述のようなユーザーの属性情報のほかに、コンテンツを配信する日時、配信するコンテンツの属性情報に基づき、広告を選択してもよい。コンテンツを配信する日時に基づく場合は、例えば、各広告に設定された配信期間や配信時間帯が、コンテンツを配信する日時と一致するか否かに基づき選択してもよい。配信するコンテンツの属性情報に基づき場合は、各広告に設定されたジャンルやキーワードが、配信するコンテンツのジャンルや内容に応じたキーワードと一致するか否かに基づき選択してもよい。
なお、本実施形態においては、サブコンテンツとして広告の実施を示しているが、サブコンテンツは広告に限られるものではなく、コンテンツに関連する情報以外にも、ユーザー毎に登録された嗜好情報やそれに類する情報としての視聴履歴情報に関連してサブコンテンツが決定されても良い。
また、コンテンツ配信日時をもとに配信するサブコンテンツが決定されても良い。たとえば、深夜なら大人向けサブコンテンツ、昼間なら主婦向けコンテンツを配信するようにしてもよい。また、視聴者はVoDサービスの契約者とは限らない。たとえば、契約者はお父さんでも、お母さんや子供も視聴するので、このように時刻で配信するサブコンテンツを決めることも有効な場合がある。
広告挿入位置決定部215は、コンテンツにおいて、あらかじめ設定されている広告挿入可能位置を、コンテンツ管理部214を介して取得し、挿入広告決定部211が決定した広告データ各々の挿入位置を決定する。本実施形態では、なるべく均等になるように、広告挿入位置決定部215は、挿入可能箇所に順番に広告データを割り当てる。なお、コンテンツデータの挿入可能位置の各々に、優先して挿入すべき広告属性を予め設定しておき、広告データの各々にも広告属性を予め設定しておき、広告挿入位置決定部215は、これらの広告属性のマッチングをとって、広告挿入位置を選択することで、コンテンツの内容に連動した広告挿入を実施することもできる。
広告挿入情報配信部(サブコンテンツ情報配信部)203は、広告挿入量決定部210の決定を受け、現在の広告挿入量を登録ユーザーのVoDクライアント装置10に対して配信する。なお、広告挿入量の配信については、VoDサーバー装置30が、登録されているVoDクライアント装置10に対して定期的に配信したり、VoDクライアント装置10からの配信要求に応じて配信したりしてもよい。また、VoDクライアント装置10が、VoDサーバー装置30に対して、定期的に広告挿入量の配信要求を送信するようにしてもよい。VoDクライアント装置10が定期的に要求する場合は、VoDサーバー装置30に認証されている状態のときのみ、配信要求を送信するようにしてもよいし、認証されていないときは、配信要求を送信する際に認証要求を送信して認証を得るようにしてもよい。また、広告挿入量に替えて、挿入される広告を示す情報あるいは挿入される広告の種類を示す情報を配信するようにしてもよい。
本発明は、広告データの挿入量情報の配信に限定されるものではないので、サブコンテンツ情報配信部は様々なサブコンテンツに関する情報を配信部分として実施されるものであり。別の実施形態としては、たとえば、動的に付加が決定される「おまけ」のコンテンツ(サブコンテンツの一例)で行なうこともありうる。プレゼント応募要領や応募に必要なキーワード情報などを含む映像の有無などの情報を配信し、ユーザーに通知することによって、ユーザーのそのコンテンツを視聴するか否かの決定に影響を与えることができる。また、サブコンテンツを合わせて配信することと連動して、ペイパービューのサービスでの視聴料金が動的に変動するような実施も考えられる。その料金情報も通知情報の一種と考えることができる。これらいずれも、視聴時刻を分散、平準化できるという本発明の主旨に沿った情報配信であり、サブコンテンツ情報配信部の別の実施形態である。
視聴予約管理部208は、確立されたセッションの元で、要求送受信部201が受信した視聴予約要求、すなわちコンテンツデータを配信する視聴予約時刻を示す情報を含み、コンテンツ視聴を予約する視聴予約情報を、視聴予約DB223に記録する。また、視聴予約DB223の記録を参照し、要求送受信部201を介して、視聴予約時刻になるとVoDクライアント装置10に視聴予約実行要求のメッセージを送信する。メッセージを受信したVoDクライアント装置10は、視聴予約をキャンセルする場合を除き、ユーザー認証要求をVoDサーバー装置20に送信し、セッションを確立して、視聴予約要求をVoDサーバー装置20に対して送信する。
広告挿入量予測部212は、定期的に、将来の時刻の広告挿入量を予測して、広告挿入情報配信部203を介して、各VoDクライアント装置10に配信する。広告挿入予測部212は、時刻を指定して、この先、24時間の1時間毎の各時刻の広告挿入量を予測する。予測方法は、視聴予約管理部208に問い合わせて、予約登録されている予約数を取得するとともに、視聴管理部207に問い合わせ、中断などされない限り、現在視聴中のもので視聴が継続される視聴数を確定させる。さらに、昨日の各時刻の予約なしの視聴数を取得し、今日の各時刻の視聴数を推定する。本実施形態では、上記のように昨日の各時刻の予約なしの視聴数を用いて予測したが、これに変えて、曜日の情報を加味するために、先週の同曜日の視聴数の履歴を用いて予測するようにしてもよい。
また、本実施形態では、説明を簡易にするために、VoDサーバー装置20を、1台のサーバー装置で実現する単純な構成で、実施形態を記載しているが、大規模なサーバーの場合など、本実施形態におけるVoDサーバー装置20の処理を、複数のサーバーで分散処理するような形態であってもよい。その際、コンテンツ毎に配信するサーバーを分散している形態であれば、担当するコンテンツ毎の視聴数をもとに各サーバー毎で広告挿入量が異なるように実施してもよい。その場合は、VoDクライアント装置10において、コンテンツ毎に広告挿入量をユーザーに提示できるように、コンテンツ毎の広告挿入予測情報を受信する。
図3は、ビデオオンデマンドで視聴を行なう際のネットワーク配信システム1の動作を説明するシーケンス図である。まず、ユーザーが入力したユーザーIDとパスワードとを含むユーザー認証要求を、VoDクライアント装置10が送信する(ma1)。VoDサーバー装置20の要求送受信部201は、そのユーザー認証要求を受信し、受信したユーザー認証要求を、セッション管理部204を介して(ma2)、ユーザー認証部205に通知する(ma3)。ユーザー認証部205は、通知されたユーザー認証要求中のユーザーID、パスワードを、ユーザー管理部206に紹介し、本装置が提供するサービスの登録ユーザーであるか否かを判定する(ma4)。ここで、登録ユーザーであると判定されると、ユーザー認証部205は、認証され、ログインしたことを示す認証応答を、セッション管理部204、要求送受信部201を介して、VoDクライアント装置10に送信する(ma3、ma5、ma6)。この認証応答の送信とあわせて、ユーザー認証部205は、VoDクライアント装置10との間でセッションを確立し、セッションIDをセッション管理部204に登録する。
次に、セッション管理部204は、ユーザーがログインしたことを広告挿入情報配信部203に通知する(ma7)。この通知を受けると、広告挿入情報配信部203は、広告挿入量予測部212に、挿入する広告のデータ量の予測値を問い合わせる(ma8a)広告挿入量予測部212は、視聴予約数、コンテンツの視聴履歴数や曜日、時間帯などの情報に基づき、将来の各時間帯におけるVoDサーバー装置20の処理負荷を算出し、これらの処理負荷に応じた各時間帯における広告のデータ量の予測値を、算出する。広告挿入情報配信部203は、現在配信しているコンテンツに挿入している広告のデータ量に加えて、この算出された予測値を広告量情報として、VoDクライアント装置10に配信する(ma8)。配信された広告情報量を受けると、VoDクライアント装置10は、その広告情報量を表示する。ユーザーが、この広告情報量を確認したうえでオンデマンドでの視聴要求をVoDクライアント装置10に指示すると、VoDクライアント装置10は、視聴要求を送信する(ma9)。
要求送受信部201は、この視聴要求を受けると、セッション管理部204を介して(ma10)、視聴管理部207に通知する(ma11)。セッション管理部204は、視聴要求を受け付けたことを示す要求受付応答を、要求送受信部201を介して(ma10a)、VoDクライアント装置10に送信する(ma10b)。視聴管理部207は、シーケンスma11にて視聴要求を通知されると、その視聴要求に基づき、視聴のための配信データを生成するように、配信データ生成部209を制御する(ma12)。配信データ生成部209は、視聴管理部207の制御に従い、広告挿入量決定部210に挿入する広告量を問い合わせて取得する(ma13、ma14)。配信データ生成部209は、取得した広告挿入量を、広告挿入情報配信部203を介して、VoDクライアント装置10に送信し(ma15、ma16)、VoDクライアント装置10に表示させる。
また、配信データ生成部209は、取得した広告挿入量を元に挿入広告決定部211に挿入する広告を問い合わせて、該広告を示す情報を取得する(ma17、ma18)。さらに、配信データ生成部209は、配信するコンテンツ中に広告を挿入可能な箇所を、コンテンツ管理部214に問い合わせて取得する(ma19、ma20)。さらに、配信データ生成部209は、先に取得したコンテンツ中に広告を挿入可能な箇所のうち、広告を挿入する箇所を、広告挿入位置決定部215に問い合わせて取得する(ma20a、ma20b)。配信データ生成部209は、挿入する広告および広告の挿入箇所が決定したことと、その決定結果を、視聴管理部207に通知する(ma21)。次に、視聴管理部207は、セッション管理部204(ma22)、要求送受信部201を介して(ma23)、VoDクライアント装置10に、視聴要求したコンテンツ中のどの位置から視聴を開始するかを問い合わせる(ma24)。
VoDクライアント装置10は、視聴開始位置の問い合わせを受信すると、問い合わせ内容を画面に表示して、ユーザーに問い合わせる。VoDクライアント装置10は、問い合わせを受けて、ユーザーが指示した視聴開始位置を示す情報を、問い合わせに対する回答として送信する(ma25)。視聴管理部207は、要求送受信部201およびセッション管理部204を介して、VoDクライアント装置10が送信した視聴開始位置を示す情報を受信する(ma26、ma27)。視聴管理部207は、配信するコンテンツを指定する情報とともに、受信した視聴開始位置を示す情報をコンテンツ管理部214に通知する(ma28)。コンテンツ管理部214は、コンテンツを確認した後、指定された視聴開始位置からのコンテンツを、コンテンツDB225から取得し、データ配信部202を介して(ma29)、VoDクライアント装置10へのコンテンツデータの配信を開始する(ma39)。
VoDサーバー装置20の視聴管理部207は、シーケンスma21にて決定結果として受けた広告挿入位置、すなわち配信しているコンテンツの広告挿入位置になると、広告管理部213に広告データの配信を指示し(ma31)、ストリーミング送信するデータを広告データに切り替える。広告管理部213は、指示された広告データを、データ配信部202を介して(ma32)、VoDクライアント装置10に配信する(ma33)。
VoDサーバー装置20が、コンテンツデータまたは広告データを配信している間、VoDクライアント装置10は、早送り、スキップ、一時停止、再開など、視聴制御要求の操作入力をユーザーから受けると、VoDサーバー装置20に、リクエスト(早送り要求、スキップ要求、一時停止要求、再開要求など)として送信する(ma34)。このリクエストを受信したVoDサーバー装置20の要求送受信部201は、受信したリクエストを、セッション管理部204を介して(ma35)、視聴管理部207に通知する(ma36)。視聴管理部207は、通知されたリクエストに従って、データ配信部202を制御する(ma37)。
データ配信部202は、視聴管理部207の制御に従い、データ配信の早送り、スキップ、一時停止、再開などを行うとともに、制御結果(成功/失敗)を、視聴管理部207に応答する(ma38)。視聴管理部207は、セッション管理部204、要求送受信部201を介して(ma39、ma40)、この制御結果をma34のリクエストに対する応答として、VoDクライアント装置10に送信する(ma41)。
なお、視聴管理部207は、視聴位置のスキップや早送りはコンテンツデータの配信中は可能だが、広告データの配信中は不能にするなど、サービスに応じて、配信制御することができる。
また、VoDサーバー装置20が、コンテンツデータまたは広告データを配信している間、VoDクライアント装置10は、視聴終了要求の操作入力をユーザーから受けると、VoDサーバー装置20に、視聴終了要求を送信する(ma42)。この視聴終了要求を受信したVoDサーバー装置20の要求送受信部201は、受信した視聴終了要求を、セッション管理部204を介して(ma43)、視聴管理部207に通知する(ma44)。視聴管理部207は、通知された視聴終了要求に従って、データ配信部202に配信終了を通知する(ma45)。
データ配信部202は、視聴管理部207の制御に従い、データ配信を終了するとともに、制御結果(成功/失敗)を、視聴管理部207に応答する(ma46)。視聴管理部207は、データ配信部202から制御結果を受けると、視聴履歴DB222に制御結果を記録するとともに、セッション管理部204、要求送受信部201を介して(ma47、ma48)、この制御結果をma42の視聴終了要求に対する応答として、VoDクライアント装置10に送信する(ma49)。VoDクライアント装置10は、成功の制御結果を受けると、セッション切断要求をVoDサーバー装置20に送信する(ma50)。VoDサーバー装置20の要求送受信部201は、セッション切断要求を受信すると、これをセッション管理部204に通知する(ma51)。セッション管理部204は、セッション切断要求を通知されると、登録されていたセッションを削除するとともに、セッションの切断を行ったことを示すセッション切断応答を、要求送受信部201を介して(ma52)、VoDクライアント装置10に送信する(ma53)。
図4は、視聴予約を行う際のネットワーク配信システム1の動作を説明するシーケンス図である。同図において図3の各部に対応する部分には同一の符号(ma1〜ma8)を付け、その説明を省略する。シーケンスma8にて配信された広告情報量を受けると、VoDクライアント装置10は、その広告情報量を表示する。ユーザーが、この広告情報量を確認したうえで、コンテンツおよびその配信日時を指定する視聴予約の要求をVoDクライアント装置10に指示すると、VoDクライアント装置10は、その要求に従った視聴予約要求を送信する(mb9)。要求送受信部201は、この視聴予約要求を受けると、セッション管理部204を介して、視聴予約管理部208に通知する(mb10、mb11)。視聴予約管理部208は、視聴予約要求を通知されると、その視聴予約要求にて配信を要求された日時における広告挿入量を、広告挿入量決定部210に問い合わせる(mb12)。
広告挿入量決定部210は、この問い合わせを受けると、問い合わせで指定された日時における広告挿入量を算出し、算出した広告挿入量を、配信データ生成部209を介して(mb13)、視聴予約管理部208に応答する(mb14)。視聴予約管理部208は、応答として受けた広告挿入量を、視聴予約DB223に格納するとともに、広告挿入情報配信部203を介して(mb15)、VoDクライアント装置10に送信する(mb16)。また、視聴予約管理部208は、視聴予約が完了したことを示す予約完了通知を、要求送受信部201を介して(mb17)、VoDクライアント装置10に送信する(mb18)。
VoDクライアント装置10は、予約完了通知を受けると、セッション切断要求をVoDサーバー装置20に送信する(mb19)。VoDサーバー装置20の要求送受信部201は、セッション切断要求を受信すると、これをセッション管理部204に通知する(mb20)。セッション管理部204は、セッション切断要求を通知されると、登録されていたセッションを削除するとともに、セッションの切断を行ったことを示すセッション切断応答を、要求送受信部201を介して(mb21)、VoDクライアント装置10に送信する(mb22)。
図5は、視聴予約されたコンテンツの視聴を行う際のネットワーク配信システム1の動作を説明するシーケンス図である。視聴予約管理部208は、視聴予約DB223に登録されている視聴予約の予約時刻が近づくと、視聴を行なうか否かをユーザーに確認するための予約確認のメッセージを、要求送受信部201を介して(mc1)、VoDクライアント装置10に通知する(mc2)。このメッセージを受けたVoDクライアント装置10は、予約確認のメッセージを表示して、視聴予約したコンテンツの視聴を行うか否かをユーザーに確認する。ここでは、ユーザーは視聴を行うために、ユーザーID、パスワードを、VoDクライアント装置10に入力して、図3のシーケンスma1〜ma6と同様にして、サービスにログインする(mc3〜mc8)。
続いて、図3のシーケンスma7、ma8a、ma8と同様にして、VoDサーバー装置20は、広告量情報をVoDクライアント装置10に配信する(mc9、mc9a、mc10)。このとき、通知する広告挿入量として、図4のシーケンスmb14を受けて格納された広告挿入量を、視聴予約管理部208を介して、視聴予約DB223から読み出して用いてもよい。VoDクライアント装置10が、受信した広告情報量を表示するので、ユーザーは、この表示を確認した上で、視聴予約したコンテンツの視聴を要求する視聴予約実行要求をVoDサーバー装置20に送信する(mc11)。VoDサーバー装置20の要求送受信部201は、この視聴予約実行要求を受信すると、セッション管理部204を介して(mc12)、その視聴予約実行要求を視聴予約管理部208に通知する(mc15)。視聴予約管理部208は、視聴予約実行要求を通知されると、その視聴予約実行要求に基づき、視聴予約DB223から視聴予約時に決定した広告挿入量を取得し、その広告挿入量の広告データを挿入した配信データを、視聴のために生成するように、配信データ生成部209を制御する(mc16)。
配信データ生成部209は、視聴予約管理部208の制御に従い、挿入広告決定部211に挿入する広告を問い合わせて、該広告を示す情報を取得する(mc17、mc18)。さらに、配信データ生成部209は、配信するコンテンツ中に広告を挿入可能な箇所を、コンテンツ管理部214に問い合わせて取得する(mc19、mc20)。さらに、配信データ生成部209は、先に取得したコンテンツ中に広告を挿入可能な箇所のうち、広告を挿入する箇所を、広告挿入位置決定部215に問い合わせて取得する(mc20a、mc20b)。配信データ生成部209は、挿入する広告および広告の挿入箇所が決定したことと、その決定結果を、視聴予約管理部208に通知する(mc21)。次に、視聴予約管理部視聴管理部207は、セッション管理部204(mc22)、要求送受信部201を介して(mc23)、VoDクライアント装置10に、視聴要求したコンテンツ中のどの位置から視聴を開始するかを問い合わせる(mc24)。以降(mc25〜mc54)は、図3のシーケンスma25以降と同様である。
なお、本実施形態の視聴予約の実行では、視聴予約時に算出した広告挿入量を、実行時に用いているが、予約後も状況にあわせて広告挿入量を変更するようしてもよい。予約後に変更する場合は、変更した広告挿入量をVoDクライアント装置10に通知し、表示するようにしてもよい。通知するようにすることで、変更した広告挿入量を確認したユーザーが、例えば、変更後の広告挿入量が、希望する広告挿入量より多いときなどに、希望する広告挿入量の時間帯に、視聴予約の内容を変更することができる。また、広告挿入量を変更したときに、変更前の広告挿入量の時間帯を、ユーザーに薦める通知を行なうようにしてもよい。
図6は、要求送受信部201のリクエストの受信処理を説明するフローチャートである。要求送受信部201は、VoDクライアント装置10からリクエストを受信すると(Sa1)、このリクエストの種別を判定する(Sa2)。この種別の判定は、例えば、リスエスト中に、そのリクエストの種別を識別する情報が格納されており、その格納されている情報に基づき行う。リクエストの種別が、視聴開始要求のときは、要求送受信部201は、セッション管理部204を介して、その視聴開始要求にて指定されたコンテンツの送信を、視聴管理部207に指示して(Sa3)、受信処理を終了する。
リクエストの種別が、視聴制御要求あるいは視聴終了要求のときは、要求送受信部201は、セッション管理部204を介して、その視聴要求にて指定された制御を、視聴管理部207に指示して(Sa4)、受信処理を終了する。リクエストの種別が、視聴予約要求のときは、要求送受信部201は、セッション管理部204を介して、その視聴予約要求にて指定された時間帯、コンテンツの視聴予約を、視聴予約管理部208に指示して(Sa5)、受信処理を終了する。
リクエストの種別が、視聴予約実行要求のときは、要求送受信部201は、セッション管理部204を介して、その視聴予約実行要求にて指定された視聴予約のコンテンツの配信を、視聴予約管理部208に指示して(Sa6)、受信処理を終了する。リクエストの種別が、認証要求のときは、要求送受信部201は、セッション管理部204を介して、その認証要求にて指定されたユーザーID、パスワードでの認証を、ユーザー認証部205に指示して(Sa7)、受信処理を終了する。リクエストの種別が、セッション切断要求のときは、要求送受信部201は、そのセッション切断要求にて指定されたセッションの切断を、セッション管理部204に指示して(Sa8)、受信処理を終了する。
図7は、VoDサーバー装置20の視聴開始要求によるコンテンツ配信処理を説明するフローチャートである。図6のステップSa3にてコンテンツ送信指示を受けると、視聴管理部207は、配信データ生成部209に配信データの生成を指示する。この指示を受けると、配信データ生成部209は、広告挿入量決定部210に、広告挿入量を問い合わせる。この問い合わせを受けて、広告挿入量決定部210は、広告挿入量を決定する処理を行う(Sb1)。広告挿入量を決定する処理の詳細については後述する。ここでは、概要のみを示す。まず、広告挿入量決定部210は、視聴履歴DB222を参照して、現在配信しているコンテンツの数を取得し、視聴予約DB223を参照して、当該コンテンツを配信中に配信を開始するコンテンツの数を取得する。次に、広告挿入量決定部210は、これらの数に基づき算出した視聴量(負荷状態情報)と予め対応付けて記憶しているテーブルから広告挿入量を取得することで、広告挿入量を決定する。
決定された広告挿入量を受けると、配信データ生成部209は、この広告挿入量に応じた広告データの決定を、挿入広告決定部211に依頼する。挿入広告決定部211は、広告DB224に格納されている広告データから、決定した広告挿入量に応じた広告データを選択し(Sb2)、選択結果の広告データを示す識別情報と、その広告データの時間長とを配信データ生成部209に通知する。なお、広告DB224には広告データとともに、この広告を流すに適したコンテンツ、コンテンツのカテゴリ、ユーザーの情報(年齢、性別、嗜好などの登録情報)が記録されており、挿入広告決定部211は、配信するコンテンツや配信先ユーザーの情報にマッチする広告データがあれば、その広告データを優先して選択する。
配信データ生成部209は、挿入広告決定部211から選択結果の通知を受けると、コンテンツ管理部214にコンテンツの広告挿入可能位置を問い合わせて取得する。さらに、配信データ生成部209は、この広告挿入可能位置の中から各広告データの挿入位置を決定するように、広告挿入位置決定部215に依頼する。広告挿入位置決定部215は、の広告挿入可能位置ごとに挿入する広告データを決定し、各広告挿入位置と、その広告挿入位置に挿入する広告データの識別情報とを対応付けて、配信データ生成部209に通知する(Sb3)。
この本実施形態ではコンテンツのチャプターの切れ目が広告挿入可能位置として予め設定され、コンテンツDB225にコンテンツのデータとともに格納されており、これらに広告データを挿入して配信する。なお、広告挿入可能位置は予め設定されておらず、コンテンツ管理部214がコンテンツのデータ中からチャプターの切れ目を検出して広告挿入可能位置としてもよいし、挿入する広告データの数に応じて、コンテンツデータを等分して広告挿入可能位置としてもよい。さらに、チャプターの切れ目のうち、挿入不可位置が予め設定されており、該当箇所をチャプターの切れ目から除いたものを広告挿入可能位置としてもよい。また、広告挿入可能位置に均等に広告データを入れるのではなく、コンテンツの最初と最後を多くするなど、挿入する箇所に偏りを付けるようにしてもよい。この場合、最初と最後には上限値をあらかじめ設定しておき、その範囲で、最初、最後に優先的に広告データを挿入する。
広告挿入位置と挿入する広告データの識別情報とを受けた配信データ生成部209は、これら受けた情報に従った配信をするための制御情報を生成し、視聴管理部207に通知する。次に、視聴管理部207は、視聴履歴DB222に、視聴開始の履歴とともに、挿入される広告データの識別情報もあわせて登録する(Sb4)。これにより、同じ広告ばかり偏らずに広告を配信することも可能にできる。
視聴管理部207は、配信データ生成部209から受けた制御情報に従い、以下の処理を行う。まず、視聴管理部207は、コンテンツ管理部214に対し、コンテンツDB225からのコンテンツのデータの読み出しを指示し、データ配信部202に対し、コンテンツ管理部214が読み出したデータの送信を指示する(Sb5)。配信しているコンテンツの広告挿入位置になるまで(Sb6−No)、かつ、コンテンツの送信が終了するまで(Sb7−No)は、コンテンツのデータの送信を継続する(Sb11)。
配信しているコンテンツの広告挿入位置になると(Sb6−Yes)、視聴管理部2047は、いったんコンテンツのデータの送信を停止させ(Sb8)、制御情報に従い、広告管理部213に対し、その広告挿入位置に対応する広告の広告データの広告DB224からの読み出しを指示し、データ配信部202に対し、広告管理部213が読み出したデータの送信を指示する(Sb9)。このとき、制御情報中に、その広告挿入位置に対応する広告が複数あるときは、それらの広告を順に読み出して送信するように指示する。広告データの送信が終了すると(Sb10−Yes)、さきに送信を停止した位置から、コンテンツのデータの送信を継続する(Sb11)。
また、コンテンツのデータの送信が終了すると(Sb7−Yes)、コンテンツ配信処理を終了する。
図8は、VoDサーバー装置20の視聴予約実行要求によるコンテンツ配信処理を説明するフローチャートである。同図において、図7の各部に対応する部分には同一の符号(Sb2〜Sb11)を付け、その説明を省略する。図8に示す視聴予約実行要求によるコンテンツ配信処理は、図7におけるステップSb1に替えて、ステップSc1を有する点のみが異なる。ステップSc1では、図6のステップSa9にて視聴予約実行指示を受けると、視聴予約管理部208は、視聴予約DB223から視聴予約情報(コンテンツの識別情報、広告挿入量)を読み出す。以降、視聴予約実行要求によるコンテンツ配信処理では、この視聴予約情報を用いて、図7における視聴開始要求によるコンテンツ配信処理のステップSb2〜Sb11と同様に処理を行う。
図9は、広告挿入量決定部210による視聴数に基づく広告挿入量決定処理を説明するフローチャートである。要求送受信部201が視聴開始要求、もしくは視聴予約要求を受信し、配信データ生成部209から広告挿入量の問い合わせを受けると、広告挿入量決定部210は、要求された視聴時刻の視聴数を、視聴履歴DB222から取得する(Sd1)。ここで、要求された視聴時刻は、要求送受信部201が受信したリクエストが視聴開始要求の場合は現在時刻であり、視聴予約要求の場合は予約時刻(予約したコンテンツを視聴する時刻)である。なお、ここでは、視聴時刻を、視聴を開始する時刻としたが、例えば、視聴を開始する時刻にコンテンツの長さの半分を加えた時刻であってもよいし、視聴を開始する時刻からコンテンツの長さにわたる時間帯であってもよい。また、視聴数とは、現在コンテンツを配信中であり、かつ、その時刻までに終了しない視聴者の数である。
次に、広告挿入量決定部210は、要求された視聴時刻の視聴予定数を、視聴予約DB223から取得する(Sd2)。なお、視聴予約数とは、その時刻に配信を予定している視聴予約の数である。次に、広告挿入量決定部210は、視聴数と視聴予定数とを足して混雑度を算出する。さらに、広告挿入量決定部210は、混雑度が高いほど広告量が多くなるように予め設定され広告挿入量決定部210が記憶している混雑度−広告量テーブルを参照し、算出した混雑度に対応付けられた広告挿入量を読み出し、これを広告挿入量とする。
なお、決定された広告挿入量は、リクエストに対する応答とともに、VoDクライアント装置10に送信される。また、視聴予約要求に基づき、広告挿入量決定部210が決定した広告挿入量は、視聴予約管理部208により、視聴予約の内容(ユーザーID、コンテンツの識別情報、視聴時刻など)とともに、視聴予約DB223に格納される。
図10は、広告挿入量決定の別の例を示すフローチャートである。この例では、視聴予約時に算出した広告挿入量が用いられるとは限らない。広告挿入量決定部210は、定期的に、更新時刻を検出すると、各視聴予約について広告挿入量の更新処理を開始する(Se1)。まず、広告挿入量決定部210は、視聴予約DB223から、時間帯毎の視聴予約数を取得する(Se2)。次に、広告挿入量決定部210は、さらに視聴履歴DB222から過去、たとえば、昨日、(もしくは、1週間前)の同時間帯、同カテゴリーの視聴数履歴を取得する(Se3)。広告挿入量決定部223は、取得した視聴履歴数よりも視聴予約数の方が小さければ視聴履歴数を混雑度とし、逆のときは視聴予約数を混雑度とし(Se4)、混雑度−広告挿入量テーブルを参照して、広告挿入量の予測を行なう(Se5)。
なお、予測した広告挿入量は、例えば広告挿入情報配信部203が、視聴予約をしているユーザーのVoDクライアント装置10に通知する。ユーザーはそれを見て、希望に沿わなければ、予約を取り消したり、修正したりすることが可能になる。
図11は、VoDクライアント装置10による混雑度を表示する画面の例を示す図である。図11に例示する画面G1は、例えば、図3、図4のシーケンスma8により広告挿入量が通知されたときに、VoDクライアント装置10が備えるディスプレイに表示される。画面G1では、上半分L1はコンテンツを選択するためのリスト表示であり、下半分C1は混雑度として各時間帯における広告挿入量を、少ない方から順に「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階に分けて表示している。これにより、広告挿入量の少ない時間帯の視聴予約を薦めるような表示を行なっている。
図12は、VoDクライアント装置10によるコンテンツの視聴時刻を設定する画面の例を示す図である。図12に例示する画面G2は、図11に示すリスト表示中のコンテンツが選択されると、VoDクライアント装置10が表示する画面である。画面G2は、入力領域A1、OKボタンB1、広告挿入量通知領域P1、推薦時間通知領域P2を有する。VoDクライアント装置10が備えるキーボードなどの入力デバイスを用いて入力領域A1に、視聴時刻を入力することができる。さらに、VoDクライアント装置10が備えるマウスなどの入力デバイスを用いてOKボタンB1を選択することで、リクエストの送信を、VoDクライアント装置10に指示することができる。なお、VoDクライアント装置10は、入力領域A1に、視聴時刻を入力されていないときは、リクエストとして視聴開始要求を送信し、入力されているときは、入力されている時刻を視聴時刻とする視聴予約要求を送信する。また、画面G2の下部には、推薦時間通知領域P2にお奨めの視聴時刻と、そのときの広告挿入量を提示している。
図13は、混雑度−広告挿入量テーブルに設定される情報例を示す図である。混雑度「〜1000」と広告挿入量「5分」、混雑度「1001〜10000」と広告挿入量「10分」、混雑度「1001〜20000」と広告挿入量「15分」・・・というように、混雑度と広告挿入量とが対応付けられており、混雑度が増すほど、広告挿入量が多くなっている。なお、ここでは広告挿入量の「5分」は、1時間のコンテンツに対して5分間の広告を挿入することを示す。
また、本実施形態では、コンテンツとともに配信するサブコンテンツとして広告を配信するため、混雑度が増すほど挿入量が多くなっているが、サブコンテンツとして広告ではなく特典映像のように、コンテンツに関連する情報や、懸賞付き広告など、ユーザーに提供する価値が増加するものを挿入するようにして、逆に、混雑度が増すほど、挿入量は減るようにしてもよい。ユーザーに提供する価値が増加するものとしては、たとえば、ドラマコンテンツに対して、メイキング映像やおまけの映像を本編終了後に挿入したり、映画コンテンツに対して、出演者のインタビューや解説映像を挿入したりするものがある。
図14は、混雑度−広告挿入量テーブルに設定される情報の変形例を示す図である。混雑度−広告挿入量テーブルに設定される情報の変形例として、サブコンテンツを、広告と特典映像との組み合わせ、あるいは切り替えにしてもよい。すなわち、混雑度が増すほど、広告の挿入量が増え、特典映像が減るようにしてもよいし、混雑度が増すと、サブコンテンツを特典映像から広告に切り替えるようにしてもよい。図14に示す例では、混雑度「〜1000」と挿入量「10分」とサブコンテンツ「特典映像」とを対応付け、混雑度「1001〜10000」と挿入量「5分」とサブコンテンツ「特典映像」とを対応付け、混雑度「10001〜20000」と挿入量「15分」とサブコンテンツ「広告」とを対応付け、混雑度「20001〜30000」と挿入量「20分」とサブコンテンツ「広告」とを対応付け、混雑度「30001〜」と挿入量「30分」とサブコンテンツ「広告」とを対応付けている。
このようにコンテンツデータに挿入して配信するサブコンテンツの情報を動的に変更することが可能にするとともに、その情報をユーザーに通知することと、サービス利用の混雑度合、もしくはその予想を連動させることによって、サービスへのアクセスを平滑化することができ、ユーザーも所望の時間帯、付加情報量を選択して視聴することを可能にすることができる。
また、サブコンテンツのデータ量を、コンテンツ配信装置の負荷状態を示す負荷状態情報に基づき決定するので、例えば、ある特定の時間帯にのみ、コンテンツに関連する情報としてプレゼント広告を挿入することでその時間帯に誘導することができる。また、余裕のある時間帯には、広告なし、もしくはプレゼント付広告を挿入することで、視聴時間にあまりこだわらないユーザーを空いている時間帯に誘導することができる。このように、ユーザが視聴可能な時間帯を制限せずに、負荷の重い時間帯の視聴を避けるように誘導して、負荷のピークを下げるので、ユーザーは所望の時間にサービスを受けることができ、かつ、ネットワーク配信サービスの運営を容易にすることができる。
また、図2における要求送受信部201、データ配信部202、広告挿入部203、セッション管理部204、ユーザー認証部205、ユーザー管理部206、視聴管理部207、視聴予約管理部208、配信データ生成部209、広告挿入量決定部210、挿入広告決定部211、広告挿入量予測部212、広告管理部213、コンテンツ管理部214、広告挿入位置決定部215の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。