JP5561793B2 - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、ブラシレスモータの駆動制御装置に関し、詳しくは、外部の上位制御装置との間で通信を行うブラシレスモータの駆動制御装置に関する。
ブラシレスモータを外部の上位制御装置からの指示信号に基づいて駆動するブラシレスモータの駆動制御装置として、特許文献1に記載されるように、ブラシレスモータの回転速度情報や、ブラシレスモータ及びその駆動制御装置の異常情報を駆動制御装置から外部の上位制御装置へ送信するものが提案されている。この送信は、回転速度情報と異常情報とで異なる周波数帯を使用したパルス幅変調(PWM)信号により行われている。
特開2010−183787号公報
しかしながら、送信する異常情報の種類を増加させる必要が生じてくると、既定の周波数帯域では回転速度情報に割り当て可能な周波数帯が制限されてしまい、外部の上位制御装置へ送信される回転速度情報の認識精度が低下するおそれがある。
この場合、周波数帯域を高周波数側に拡大することや、周波数認識の分解能を上げることで対応することも考えられるが、高周波数となるほど外部の上位制御装置における認識精度が低下するとともに、ブラシレスモータの駆動制御装置と外部の上位制御装置との間の通信線における高周波ノイズの発生を抑制する対策回路が必要となってしまう。
そこで、本願発明は以上のような問題点に鑑み、外部の上位制御装置へ送信する異常情報の種類の増加に対応しつつ回転速度情報の認識精度を維持できるブラシレスモータの駆動装置を提供することを目的とする。
このため、本願発明は、ブラシレスモータを外部の上位制御装置からの制御指令に基づいて駆動制御するブラシレスモータの駆動制御装置において、前記ブラシレスモータの回転速度情報、又は前記ブラシレスモータ及び前記ブラシレスモータの駆動制御装置に発生した異常の内容を表す異常情報を、PWM信号により前記外部の上位制御装置に送信するときに、前記PWM信号の周波数及びデューティ比のうち、一方を、前記回転速度情報又は前記異常情報に応じて設定し、他方を、前記異常が発生したときと発生していないときとで異なる値に設定するようにしている。そして、前記一方の値を前記回転速度情報に応じて設定した場合、前記一方の値は、前記回転速度情報の回転速度が所定値未満のとき、前記回転速度と第1係数との乗算値に基づく値とし、前記回転速度が前記所定値以上のとき、前記回転速度と前記所定値との差分に前記第1係数よりも小さい第2係数を乗じた値と、前記所定値に前記第1係数を乗じた値と、を加えた加算値に基づく値であるものとしている
本願発明のブラシレスモータの駆動制御装置によれば、外部の上位制御装置へ送信する異常情報の種類の増加に対応しつつ回転速度情報の認識精度を維持できる。
車両駆動系における潤滑冷却システムの構成を示すブロック図。 モータ駆動制御装置の構成を示すブロック図。 自動変速機制御装置の構成を示すブロック図。 制御器による制御処理を示すフローチャート。 異常情報マップを説明する説明図。 図4におけるモータ情報信号送信処理の第1実施形態を示すフローチャート。 (A)正常時又は回転可能異常時、及び(B)回転不能異常時のモータ情報信号の内容を説明する説明図。 別の回転速度−周波数変換の内容を示す説明図。 自動変速機制御装置による制御処理の第1実施形態を示すフローチャート。 図5における正常時の処理内容を示すフローチャート。 図5における回転可能異常時の処理内容を示すフローチャート。 図5における回転不能異常時の処理内容を示すフローチャート。 図4におけるモータ情報信号送信処理の第2実施形態を示すフローチャート。 図4におけるモータ情報信号送信処理の第3実施形態を示すフローチャート。 (A)正常時、及び(B)異常時のモータ情報信号の内容を説明する説明図。 図4におけるモータ情報信号送信処理の第4実施形態を示すフローチャート。
以下、添付された図面を参照して本願発明を詳述する。
図1は、車両駆動系における潤滑冷却システムの一例を示す。
動力源としてのエンジン10の出力は、トルクコンバータ12を介して自動変速機14に伝達され、その出力軸16を通して、車両の駆動輪18を回転駆動する。
自動変速機14には、トルクコンバータ12からのエンジン10の出力を入力として、減速した出力を出力軸16に伝達するために、複数の減速比を有する歯車の組み合わせを備えた歯車機構(例えば、遊星歯車機構)20が内蔵される。また、自動変速機14には、歯車機構20の歯車の組み合わせを変更するために、クラッチ22が設けられている。
潤滑冷却システムは、歯車機構20などの潤滑に加え、クラッチ22による発熱を除去するために、自動変速機14にオイルを供給するオイルポンプとして、エンジン10の出力により駆動される機械式オイルポンプ24と、モータで駆動される電動オイルポンプ26とを備えている。
機械式オイルポンプ24は、小型化されて、その吐出流量が低減することで、通常、エンジン10に対する負荷が軽減されて燃料消費率が向上する。
しかし、その吐出流量を潤滑冷却システムが要求する最大流量未満に低減した場合、例えば、車両の全開走行時における変速などでクラッチ22が大トルクを受け過熱する状況では、機械式ポンプ24のみでクラッチ22を冷却するには冷却能力が不足し、クラッチ22が焼損するおそれがある。
このため、機械式オイルポンプ24による自動変速機14へのオイル供給流量が不足する状況では、電動オイルポンプ26を駆動させて不足流量を補う。
電動オイルポンプ26は、直結したブラシレスモータ(3相同期電動機)28により駆動される。ブラシレスモータ28は、モータ駆動制御装置(以下、「MDCU」という)30により、外部の上位制御装置である自動変速機制御装置(以下、「ATCU」という)32からの制御指令に基づいて駆動制御される。
ATCU32は、クラッチ22を駆動制御して、歯車機構20の歯車の組み合わせを変更するととともに、潤滑冷却システム内(例えば、自動変速機14内など)のオイルの油温を検出する油温センサ34からの検出値、及びMDCU30から送信されたブラシレスモータ28の回転速度情報に基づいて、ブラシレスモータ28の制御量を算出し、制御指令としてMDCU30へ送る。MDCU30は、この制御指令に基づきブラシレスモータ28を駆動制御して電動オイルポンプ26を駆動する。
エンジン10の運転中は、通常、エンジン10駆動の機械式オイルポンプ24により、自動変速機14にオイル配管36を介してオイルパン38のオイルが供給される。自動変速機14を通ったオイルは、クラッチ22などによる発熱を吸収し、大気との間で熱交換を行う熱交換器(オイルクーラー)40で冷却された後、オイルパン38に戻る。このとき、ブラシレスモータ28はオフ状態(停止状態)であり、電動オイルポンプ26から自動変速機14にオイルは供給されない。
エンジン10の運転中、ATCU32は、車速、アクセル開度、油温などの情報から機械式オイルポンプ24によるオイル供給流量が不足する状況を推定し、オイル供給流量が不足していると判定した場合には、電動オイルポンプ26を駆動させるため、モータ起動の指令をMDCU30に送信する。
起動指令を受けたMDCU30は、ブラシレスモータ28を起動させて電動オイルポンプ26を回転させ、オイルの供給を開始させる。オイルは、オイル配管42、電動オイルポンプ26、自動変速機14、オイルクーラー40、オイルパン38の経路を通って循環するようになる。
さらに、クラッチ22が締結されて発熱量が低下し、機械式オイルポンプ24のみの駆動によるオイル供給流量で冷却能力が足りると判定された場合、ATCU32は、モータ停止の指令をMDCU30に送信する。停止指令を受けたMDCU30は、ブラシレスモータ28を停止させる。
なお、本実施形態では、ブラシレスモータ28が、自動変速機14に付随する潤滑冷却システムの電動オイルポンプ26を駆動するが、この他、ハイブリッド車両などにおいて、発進クラッチに対してオイル供給を行う電動オイルポンプや、エンジン10の冷却水の循環に用いる電動ウォータポンプを駆動するブラシレスモータ28などであってもよく、ブラシレスモータ28が駆動する対象機器を本実施形態のオイルポンプに限定するものではない。
図2は、MDCU30の内部構成を示す。
MDCU30は、目標回転速度演算部100と、モータ回転速度演算部102と、モータ操作量演算部104と、駆動回路106と、異常診断部108と、モータ情報送信部110と、を含んで構成される。
目標回転速度演算部100は、ATCU32から送信された制御指令信号を受信して、この制御指令信号に基づいて、ブラシレスモータ28の目標回転速度を算出する。
モータ回転速度演算部102は、ブラシレスモータ28の回転速度を検出対象とした図示省略の公知の検出手段(例えば、回転速度センサや誘起電圧のサンプリングなど)により検出された検出値に基づいて、ブラシレスモータ28の実際の回転速度を算出する。そして、算出された実際の回転速度を、モータ操作量演算部104、異常診断部108及びモータ情報送信部110へ送出する。
モータ操作量演算部104は、目標回転速度演算部100で算出された目標回転速度とモータ回転速度演算部102で算出された実際の回転速度とに基づいて、ブラシレスモータ28の操作量を算出する。操作量は、PWM信号として駆動回路106へ出力される。
駆動回路106は、6つのスイッチング素子(例えばFETなどの電力変換素子)を3相ブリッジ接続した回路を備えてなる。スイッチング素子の制御端子(例えば、ゲート端子)は、モータ操作量演算部104に接続され、スイッチング素子群のオン/オフは、モータ操作量演算部104から出力されたPWM信号で制御される。そして、スイッチング素子群のオン/オフを切り替えることにより、車両電源114からブラシレスモータ28の各相に流れる電流の方向や位相を制御して、ブラシレスモータ28を回転駆動させる。
異常診断部108は、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常が発生したか否かを公知の方法により診断する。異常が発生していれば異常の内容を示す異常情報をモータ情報送信部110へ送出し、また、異常の区分に応じて目標回転速度演算部100及びモータ操作量演算部104へ後述の指示を行う。異常の内容によって異常診断の方法も異なるが、例えば、モータ回転速度演算部102で算出された実際の回転速度情報などに基づいて行われる。異常情報は、例えば、後述の制御器に内蔵されたRAM(Random Access Memory)などに一旦記憶される。
モータ情報送信部110は、モータ回転速度演算部102から送出された実際の回転速度情報、又は異常診断部108から送出された異常情報と、この異常情報に基づいて設定された、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態を示すステータス情報と、を含むモータ情報を、PWM信号によりATCU32へ送信する情報送信手段をなす。なお、このPWM信号は、モータ情報送信部110内で生成されるものであり、モータ操作量演算部104で生成されて駆動回路106に出力されるPWM信号とは異なるものである。以下、モータ情報送信部110で生成されるPWM信号をモータ情報信号という。
なお、目標回転速度演算部100、モータ回転速度演算部102、モータ操作量演算部104、異常診断部108及びモータ情報送信部110は、マイクロコンピュータを備えた制御器112を構成する。
図3は、ATCU32の内部構成を示す。
ATCU32は、マイクロコンピュータを備え、モータ情報受信部200と、信号解析部202と、車両走行制限部204と、ポンプ作動司令部206と、回転速度演算部208と、ポンプ流量演算部210と、ポンプ冷却量演算部212と、自動変速機発熱量演算部214と、要求回転速度演算部216と、要求回転速度送信部218と、を含んで構成される。
モータ情報受信部200は、MDCU30のモータ情報送信部110からモータ情報信号を受信し、これを信号解析部202へ送出する。
信号解析部202は、モータ情報受信部200から送出されたモータ情報信号よりステータス情報及び異常情報を取得する。そして、ステータス情報の内容に応じて、車両走行制限部204及びポンプ作動司令部206に後述する処理を行わせたり、回転速度演算部208に対してモータ情報信号の送出を行う。また、取得した異常情報を、ATCU32に内蔵されたフラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリに記憶させる。
車両走行制限部204は、信号解析部202で取得したステータス情報に応じて、自動変速機14における変速負担を低減するように、図示省略のエンジン制御装置を介して車両の走行を制限する。
ポンプ作動司令部206は、信号解析部202で取得したステータス情報に応じて、要求回転速度演算部216に対して、演算処理の内容を強制的に変更するように指令する。
回転速度演算部208は、信号解析部202から送出されたモータ情報信号に基づいて、ブラシレスモータ28の実際の回転速度を算出する。
ポンプ流量演算部210は、回転速度演算部208で算出されたブラシレスモータ28の回転速度に基づいて、電動オイルポンプ26により自動変速機14へ供給されるオイルの供給量を算出する。
ポンプ冷却量演算部212は、ポンプ流量演算部210で算出されたオイルの供給量に基づいて、自動変速機14内から奪うことが可能な熱量(冷却量)を算出する。
自動変速機発熱量演算部214は、油温センサ34で検出された油温に基づいて、自動変速機14内で発生した発熱量を算出する。なお、この熱量は、自動変速機14の変速時のクラッチ22におけるクラッチトルク及び回転速度差に基づいて算出してもよい。
要求回転速度演算部216は、ポンプ冷却量演算部212で算出された冷却量と自動変速機発熱量演算部214で算出された発熱量とに基づいて、ブラシレスモータ28に要求する回転速度を算出する。
要求回転速度送信部218は、要求回転速度演算部216で算出された要求回転速度を制御指令信号としてMDCU30へ送信する。
次に、図4は、MDCU30の制御器112においてATCU32よりMDCU30へ起動指令が送信されてから停止指令が送信されるまでの間、繰り返し実行される第1実施形態に係る制御処理の内容を示す。
ステップ301(図では「S301」と略記する。以下同様)では、目標回転速度演算部100において、ATCU32から送信されたブラシレスモータ28の要求回転速度に関する制御指令信号を受信して、ブラシレスモータ28の目標回転速度を算出する。制御指令信号は、例えば、要求回転速度に応じた周波数のパルス信号であり、この場合、目標回転速度演算部100において、制御指令信号に対して周波数−電圧変換を行い、目標回転速度を電圧値として算出する。
ステップ302では、モータ回転速度演算部102において、ブラシレスモータ28の実際の回転速度を算出する。
ステップ303では、異常診断部108において、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常が発生したか否かの診断を公知の方法により実施する。
診断される異常の内容としては、図5に示されるように、例えば、(1)過電流、(2)車両電源114から印加される電圧の異常、(3)ブラシレスモータ28をセンサレス駆動させる場合の脱調、(4)ATCU32とMDCU30との間の通信線に生じる通信線異常、(5)異常時に車両電源114からブラシレスモータ28への通電を遮断するためのリレーに生じるオフ固着などのリレー異常、(6)ブラシレスモータ28の起動不良、(7)回転ハンチングなどのサーボ系異常、(8)ブラシレスモータ28をセンサレス駆動させる場合にロータ位置検出が不可能になる各相の電圧検出回路異常、(9)相通電のロジックを記憶したROM(Read Only Memory)や異常情報を記憶したRAMの異常、(10)回転速度の検出値などをAD(Analog to Digital)変換するためのAD変換器の異常、(11)制御器112におけるCPU(Central Processing Unit)のタイマー異常、(12)制御器112において四則演算を行うためのALU(Arithmetic Logic Unit:演算論理装置)の異常、(13)ブラシレスモータ28の回転速度と電流値に基づいて検出される電動オイルポンプ26の空回り異常、(14)ブラシレスモータ28及びMDCU30の過熱検知、(15)イグニッションがオンされてから前記リレーがオンされるまでの間に、前記リレーの電源114側とブラシレスモータ28側の電位差を縮小するためのプリチャージ回路に生じる異常、及び(16)電流検出回路異常などがある。
前記異常をブラシレスモータ28が回転可能な状態であるか否かにより区分すると、(1)〜(13)は、ブラシレスモータ28を駆動することができない回転不能状態の異常(回転不能異常)であるが、(14)〜(16)は、ブラシレスモータ28の駆動には影響を与えない回転可能な異常(回転可能異常)である。ただし、(14)〜(16)は、潤滑冷却システムを破損させるおそれがある場合、回転不能異常として区分してもよい。これら回転不能異常及び回転可能異常の区分は、各異常の内容と関連付けされて異常情報マップとしてMDCU30のROMなどに予め記憶されている。
ステップ304では、異常診断部108において、前記ステップ303の異常診断の実施により、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常があるか否かを判定する。異常がないと判定された場合には、ブラシレスモータ28及びMDCU30は正常であるとして通常のモータ駆動制御を行うべくステップ306に進む(Yes)。一方、異常があると判定された場合には、ステップ305へ進む(No)。
ステップ305では、異常診断部108において、ブラシレスモータ28が回転可能であるか否かを判定する。具体的には、図5の異常情報マップを参照して、前記ステップ303の異常診断により判明した異常が回転可能異常であるか否かを判定する。回転可能異常であれば、ブラシレスモータ28の停止よりも自動変速機14の潤滑・冷却を優先して通常のモータ駆動制御を行うべくステップ306へ進み(Yes)、回転不能異常であれば、ステップ307へ進む(No)。
なお、回転可能異常の場合においても、自動変速機14の温度が、自動変速機14の機能や耐久性に影響を及ぼすような温度まで上昇しないように電動オイルポンプ26を駆動させる必要があるが、電動オイルポンプ26の出力を最大にして駆動することも考えられる。しかし、このような駆動を行うと電動オイルポンプ26の耐熱性が悪化するため、ATCU30と協調しながら、なるべく長時間駆動させることが望ましい。このため、回転可能異常の場合には、ATCU32からの制御指令を受けて通常のモータ駆動制御を行う。
ステップ306では、モータ操作量演算部104において、目標回転速度演算部100で算出された目標回転速度とモータ回転速度演算部102で算出された実際の回転速度との回転速度偏差に応じたPWM信号のデューティ比を算出し、このPWM信号を駆動回路106へ出力してブラシレスモータ28の駆動制御を行う。
ステップ307では、ブラシレスモータ28の駆動を停止させる。具体的には、異常診断部108が、モータ操作量演算部104に対して、例えば、PWM信号のデューティ比などの操作量を0とするように指示する。これに加えて、ブラシレスモータ28の停止を確実にすべく、目標回転速度演算部100に対して、ATCU32からの制御指令信号の内容にかかわらず、目標回転速度を強制的に0とするように指示してもよい。
ステップ308では、モータ情報送信部110において、前記ステップ302で算出されたブラシレスモータ28の回転速度の情報、又は前記ステップ303の異常診断により判明した異常情報と、この異常情報に基づいて設定された、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態を示すステータス情報と、を含むモータ情報を、ATCU32へ送信する制御を行う。
図6は、前記ステップ308におけるモータ情報送信の制御処理の詳細を示す。
ステップ401では、前記ステップ303で実施された診断の結果に基づき、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常があるか否かを判定する。異常がないと判定された場合にはステップ403に進み(Yes)、異常があると判定された場合にはステップ402へと進む(No)。
ステップ402では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、図5の異常情報マップを参照して、異常の区分が回転可能異常であるか否かを判定する。回転可能異常であると判定された場合にはステップ404に進み(Yes)、回転不能異常であると判定された場合には、ステップ405に進む(No)。
ステップ403では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が正常である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号のデューティ比をD1(例えば、50%)と設定し、ステップ406に進む。
ステップ404では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が回転可能異常である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号のデューティ比をD2(例えば、80%)と設定し、ステップ406に進む。
ステップ405では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が回転不能状態である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号のデューティ比をD3(例えば、30%)と設定し、ステップ407に進む。
ステップ406では、前記ステップ302で算出されたブラシレスモータ28の回転速度に基づいて、モータ情報信号の周波数を算出する回転速度−周波数変換を行う。具体的には、図7(A)に示されるように、ブラシレスモータ28の回転速度に比例する周波数が設定され、MDCU30のROMなどに記憶された回転速度−周波数マップを参照して、モータ情報信号の周波数を算出する。ただし、算出されるモータ情報信号の周波数の帯域は、ATCU32において、モータ情報信号の周波数を精度良く、かつ、迅速に認識できる周波数認識可能範囲である。なお、回転速度−周波数変換には、回転速度−周波数マップを用いずに、回転速度と周波数の関係式に回転速度を代入して周波数を算出してもよい。
従来は、ブラシレスモータ28が回転している場合であっても、周波数認識可能範囲内の一部の周波数帯を異常情報の送信のために割り当てる必要があり、その分、回転速度情報を送信するための周波数帯が制限されていた。このため、周波数分解能を変えずにATCU32の周波数認識精度を向上させるためには、周波数認識可能範囲を超えた高周波数帯に、回転速度情報の送信に割り当てる周波数帯を追加して設定することも考えられる。
しかし、高周波数帯においては、スイッチング素子の応答性の限界によりATCU32における周波数の認識精度が低下するとともに、MDCU30とATCU32との間の通信線における高周波ノイズの発生を抑制する対策回路が必要となる。
本実施形態のMDCU30によれば、ブラシレスモータ28が回転している場合には、周波数認識可能範囲をほぼ全て回転速度情報の送信のために使用できるので、送信のための周波数帯域を高周波数側に拡大する必要がない。したがって、ATCU32において、ブラシレスモータ28の回転速度情報を精度良く認識できるので、電動オイルポンプ26による自動変速機14へのオイルの供給量の演算精度が向上し、自動変速機14を潤滑・冷却するオイルを過不足なく供給する要求回転速度を算出することが可能となる。また、ブラシレスモータ28が必要以上に駆動されなくなるので、電力消費量を低減でき、ひいては燃費の向上にも資することとなる。
なお、ブラシレスモータ28を低速センサレス駆動させるときには、低速域から回転速度を検出できるので、回転速度を周波数に変換する場合、図7(A)で示される回転速度と周波数との関係を、低速域と中高速域で異なるようにして、低速域における回転速度の認識精度を向上させてもよい。すなわち、図8に示すように、周波数認識可能範囲において、低速域の回転速度に割り当てる周波数帯を広げる一方、中高速域の回転速度に割り当てる周波数帯を狭くする。これにより、例えば、極低温における低回転時に詳細な回転速度情報を取得することができる。
ステップ407では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、モータ情報信号の周波数を算出する異常情報−周波数変換を行う。具体的には、図7(B)に示されるように、異常情報(例えば、図5の異常(1)〜(16))に応じたモータ情報信号の周波数(例えば、周波数1〜16)が予め設定され、MDCU30のROMなどに記憶された異常情報−周波数マップを参照して、モータ情報信号の周波数を算出する。ただし、算出されるモータ情報信号の周波数の帯域は、ATCU32において、モータ情報信号の周波数を精度良く認識できる周波数認識可能範囲である。
ステップ408では、モータ情報信号を送信する。なお、前記ステップ404で回転可能異常と判定された場合には、MDCU30の制御器112における制御処理が終了した後、ATCU32からの指令に基づき、回転可能異常と判定される原因となった異常情報を、MDCU30のRAMなどから呼び出してATCU32へ送信してもよい。
次に、図9は、ATCU32において、ATCU32よりMDCU30へ起動指令が送信されてから停止指令が送信されるまでの間、繰り返し実行される制御処理の内容を示す。
ステップ501では、モータ情報受信部200において、MDCU30から送信されたモータ情報信号を受信する。
ステップ502では、信号解析部202において、前記ステップ501で受信したモータ情報信号よりデューティ比を読み込んでステータス情報を取得する。
ステップ503では、信号解析部202において、前記ステップ502で取得したステータス情報より、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常があるか否かを判定する。異常がない場合にはステップ505に進み(Yes)、異常がある場合にはステップ504に進む(No)。
ステップ504では、信号解析部202において、前記ステップ502で取得したステータス情報により、回転可能異常であるか否かを判定する。回転可能異常と判定された場合にはステップ506に進み(Yes)、回転不能異常であると判定された場合には、ステップ507に進む。
ステップ505では、正常時処理を行い、ステップ506では、回転可能異常時の処理を行い、ステップ507では、回転不能異常時の処理を行う。
図10は、図9における正常時処理の詳細を示す。
ステップ601では、回転速度演算部208において、信号解析部202から送出されたモータ情報信号より周波数を読み込む。そして、この周波数に基づき、ATCU32のROMなどにも記憶された図7(A)の回転速度−周波数マップを参照してブラシレスモータ28の回転速度を算出する。
ステップ602では、ポンプ流量演算部210において、前記ステップ601で算出されたブラシレスモータ28の回転速度に基づいて、電動オイルポンプ26により自動変速機14へ供給されるオイルの供給量を算出する。
ステップ603では、ポンプ冷却量演算部212において、前記ステップ602で算出されたオイルの供給量に基づいて自動変速機14の冷却量を算出する。
ステップ604では、自動変速機発熱量演算部214において、自動変速機14内で発生した発熱量を算出する。
ステップ605では、要求回転速度演算部216において、前記ステップ603で算出された冷却量と前記ステップ604で算出された発熱量に基づいて、ブラシレスモータ28に要求する回転速度を算出する。
ステップ606では、要求回転速度送信部218において、前記ステップ605で算出された回転速度を制御指令信号としてMDCU30へ送信する。
図11は、図9における回転可能異常時処理の詳細を示す。
ステップ701では、信号解析部202において、回転可能異常状態を示す第1の異常フラグをオンにする。また、この第1の異常フラグのオンに伴い、車両走行制限部204に対して、自動変速機14における変速負担を低減するように車両の走行を制限する指令を送出する。このとき、車両運転者に対して計器盤に設けられた警告表示灯などにより警告を発するなどの処理を行ってもよい。
ステップ702〜ステップ707では、図10の正常時処理におけるステップ601〜ステップ606と同様の処理を行う。
図12は、図9における回転不能異常時処理の詳細を示す。
ステップ801では、信号解析部202において、回転不能異常状態を示す第2の異常フラグをオンにする。この第2の異常フラグのオンに伴い、車両走行制限部204に対して、回転可能異常時処理における車両の走行制限よりも厳しい走行制限を行うよう指令を送出する。このとき、正常時処理におけるステップ701と同様の警告処理を行ってもよい。
ステップ802では、第2の異常フラグがオンされたことを契機に、ポンプ作動司令部206が、要求回転速度演算部216に対して演算内容を変更するように要求する。
ステップ803では、要求回転速度演算部216において、要求回転速度を強制的に0とする。
ステップ804では、要求回転速度を0とする制御指令をMDCU30に送信する。
次に、図13は、図4におけるモータ情報信号送信処理の別例を含む第2実施形態を示す。なお、以下の実施形態では、第1実施形態と同一構成について、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
第2実施形態に係るモータ情報信号送信処理は、ステータス情報を周波数で設定し、回転速度情報又は異常情報をデューティ比で設定したモータ情報信号をMDCU30からATCU28へ送信している点で、第1実施形態と異なる。このようにしても、ブラシレスモータ28が回転している場合には、デューティ比認識可能範囲をほぼ全て回転速度情報の送信のために使用できるので、第1実施形態と同様の機能を発揮して、同様の効果を奏することが可能である。
以下、図13のうち、第1実施形態に係るモータ情報信号送信処理と異なるステップについて説明する。
ステップ903では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が正常である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号の周波数をF1(例えば、100Hz)と設定する。
ステップ904では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が回転可能異常である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号の周波数をF2(例えば、200Hz)と設定し、ステップ906に進む。
ステップ905では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が回転不能状態である旨のステータス情報として、MDCU30からATCU32へ送信するモータ情報信号の周波数をF3(例えば、50Hz)と設定する。
ステップ906では、前記ステップ302で算出されたブラシレスモータ28の回転速度に基づいて、モータ情報信号のデューティ比を算出する回転速度−デューティ比変換を行う。具体的には、デューティ比認識可能範囲においてブラシレスモータ28の回転速度に比例するデューティ比が設定されたマップを参照して、モータ情報信号のデューティ比を算出する。
ステップ907では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、モータ情報信号のデューティ比を算出する異常情報−デューティ比変換を行う。具体的には、デューティ比認識可能範囲において異常情報に応じたモータ情報信号のデューティ比が予め設定されたマップを参照して、モータ情報信号のデューティ比を算出する。
次に、図14は、図4におけるモータ情報信号送信処理の別例を含む第3実施形態を示す。
ステップ1001では、前記ステップ303で実施された異常診断の結果に基づき、ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常があるか否かを判定する。異常がないと判定された場合にはステップ1002に進み(Yes)、異常があると判定された場合にはステップ1003へと進む(No)。
ステップ1002では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が正常である旨のステータス情報として、モータ情報信号のデューティ比をD1(例えば、80%)と設定し、ステップ1003では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が異常である旨のステータス情報として、モータ情報信号のデューティ比をD2(例えば、30%)と設定する。このように、ステータス情報が、正常であるか異常であるかの2つだけであり、回転可能異常であるか回転不能異常であるかにより異ならないので、第1実施形態及び第2実施形態と比べてATCU32におけるステータス情報の認識精度が向上し、異常であるか否かを正確にATCU32へ伝達することができる。なお、D1及びD2以外の他のデューティ比を用いることにより、ATCU32からの要求に応じて異常情報などを送信する場合には、異常情報に割り当てられる周波数帯が実質的に拡大するので、ATCU32における異常情報の認識精度を向上させることもできる。
ステップ1004では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、図5の異常情報マップを参照して、異常の区分が回転可能異常であるか否かを判定する。回転可能異常であると判定された場合にはステップ1005に進み(Yes)、回転不能異常であると判定された場合には、ステップ1006に進む(No)。
ステップ1005では、前記ステップ302で算出されたブラシレスモータ28の回転速度に基づいて、モータ情報信号の周波数を算出する回転速度−周波数変換を行う。
ブラシレスモータ28及びMDCU30に異常がない正常時(デューティ比=D1)には、図15(A)に示されるように、周波数認識可能範囲においてブラシレスモータ28の回転速度に比例する周波数が設定された回転速度−周波数マップを参照して、モータ情報信号の周波数を算出する。このようにモータ情報信号の周波数を算出することにより、周波数認識範囲をほぼ全て回転速度情報の送信のために使用できるので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
ブラシレスモータ28及びMDCU30が異常である異常時(デューティ=D2)には、図15(B)に示されるように、周波数認識可能範囲の一部においてブラシレスモータ28の回転速度に比例する周波数が設定された別のマップを参照して、モータ情報信号の周波数を算出する。なお、このマップにおいて、周波数認識可能範囲の他の部分には、異常情報に応じたモータ情報信号の周波数が設定されている。
回転速度の送信に割り当てられるモータ情報信号の周波数帯は、図15(A)と比較して狭くなっている。このため、ATCU32での周波数認識精度は、図15(A)を参照して算出される周波数のモータ情報信号をMDCU30から送信した場合と比べて低下し、自動変速機14を潤滑・冷却するための要求回転速度の演算精度が低下する。
しかし、異常時であっても、ブラシレスモータ28を停止させずに電動オイルポンプ26を駆動させるので、自動変速機14の潤滑・冷却が可能となる点で有意義である。
ステップ1006では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、モータ情報信号の周波数を算出する異常情報−周波数変換を行う。具体的には、図15(B)に示されるように、前記周波数認識可能範囲の他の部分において異常情報に応じたモータ情報信号の周波数が予め設定された前記別のマップを参照して、異常情報に応じたモータ情報信号の周波数を算出する。
ステップ1007では、モータ情報信号を送信する。回転可能異常時の異常の内容については、第1実施形態におけるステップ408と同様の処理を行ってもよい。
なお、第3実施形態において周波数−回転速度変換を行う場合にも、第1実施形態のように、周波数認識可能範囲において、低速域の回転速度に割り当てる周波数帯を広げる一方、中高速域の回転速度に割り当てる周波数帯を狭くしてもよい。
次に、図16は、図4におけるモータ情報信号送信処理の別例を含む第4実施形態を示す。
第4実施形態に係るモータ情報信号送信処理は、ステータス情報を周波数で設定し、回転速度情報又は異常情報をデューティ比で設定したモータ情報信号をMDCU30からATCU28へ送信している点で、第3実施形態と異なる。このようにしても、ブラシレスモータ28及びMDCU30が正常である場合には、デューティ比認識可能範囲をほぼ全て回転速度情報の送信のために使用できるので、第1実施形態と同様の機能を発揮して、同様の効果を奏することが可能である。また、ステータス情報の種類を減少させても、回転可能異常状態時にはブラシレスモータ28を停止させずに電動オイルポンプ26を駆動させるので、第3実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
以下、図16のうち、第3実施形態に係るモータ情報信号送信処理と異なるステップについて説明する。
ステップ1102では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が正常である旨のステータス情報として、モータ情報信号の周波数をF1(例えば、200Hz)と設定し、ステップ1103では、ブラシレスモータ28及びMDCU30の状態が異常である旨のステータス情報として、モータ情報信号の周波数をF2(例えば、50Hz)と設定する。
ステップ1104では、前記ステップ303の異常診断の実施により判明した異常情報に基づいて、図5の異常情報マップを参照して、異常の区分が回転可能異常であるか否かを判定する。回転可能異常であると判定された場合にはステップ1105に進み(Yes)、回転不能異常であると判定された場合には、ステップ1106に進む(No)。
ステップ1105では、正常時(周波数=F1)には、デューティ比認識可能範囲において回転速度に比例するデューティ比が設定されたマップを参照して、モータ情報信号のデューティ比を算出し、異常時(周波数=F2)には、デューティ比認識可能範囲の一部において回転速度に比例するデューティ比が設定された別のマップを参照して、モータ情報信号のデューティ比を算出する。
ステップ1106では、前記デューティ比認識可能範囲の他の部分において異常情報に応じたモータ情報信号のデューティ比が設定された前記別のマップを参照して、モータ情報信号のデューティ比を算出する。
なお、第1実施形態〜第4実施形態において、インバータとして機能するMDCU30による駆動制御対象をブラシレスモータ28としたが、これに限られず、MDCU30をPWM信号による速度制御回路を備えた駆動制御装置として、ブラシを備えた直流モータを駆動制御対象としてもよい。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項1又は請求項3に記載のブラシレスモータの駆動制御装置において、
前記情報送信手段は、ブラシレスモータが回転可能である場合、外部の上位制御装置がパルス幅変調信号の周波数又はデューティ比を認識できる認識可能範囲にわたって、パルス幅変調信号の周波数又はデューティ比を回転速度情報に応じて設定するブラシレスモータの駆動制御装置。
上記構成によると、ブラシレスモータが回転可能である場合には、認識可能範囲にわたって回転速度情報を送信することができるので、外部の上位制御装置において、回転速度情報の認識精度を最大限向上させことが可能となる。
(ロ)前記(イ)又は請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のブラシレスモータの駆動制御装置において、
前記情報送信手段は、前記パルス幅変調信号の周波数及びデューティ比のうち、一方の値を、回転速度に比例して変化するように設定するブラシレスモータの駆動制御装置。
上記構成によると、回転速度と周波数又はデューティ比との間に比例関係があるので、回転速度に所定の係数を乗ずることにより、直ちに周波数又はデューティ比を算出することができる。
(ハ)前記(イ)又は請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のブラシレスモータの駆動制御装置において、
前記情報送信手段は、前記回転速度が所定値以下の場合には、前記パルス幅変調信号の周波数及びデューティ比のうち一方の値を、前記回転速度に第1係数を乗じて設定し、前記回転速度が前記所定値より大きい場合には、前記一方の値を、前記回転速度に前記第1係数よりも大きい第2係数を乗じた値と、前記所定値に前記第1係数を乗じた値と、を加えて設定するブラシレスモータの駆動制御装置。
上記構成によると、外部の上位制御装置において、ブラシレスモータの低回転側の回転速度域における回転速度の認識精度を向上させることができる。
28…ブラシレスモータ、30…MDCU、32…ATCU、102…モータ回転速度演算部、108…異常診断部、110…モータ情報送信部、112…制御器

Claims (3)

  1. ブラシレスモータを外部の上位制御装置からの制御指令に基づいて駆動制御するブラシレスモータの駆動制御装置であって、
    前記ブラシレスモータの回転速度情報、又は前記ブラシレスモータ及び前記ブラシレスモータの駆動制御装置に発生した異常の内容を表す異常情報をパルス幅変調信号により前記外部の上位制御装置に送信する情報送信手段を含んで構成され、
    前記情報送信手段は、前記回転速度情報又は前記異常情報を前記外部の上位制御装置に送信するときに、前記パルス幅変調信号の周波数及びデューティ比のうち、一方の値を、前記回転速度情報又は前記異常情報に応じて設定し、他方の値を、前記異常が発生したときと発生していないときとで異なる値に設定し、
    前記一方の値を前記回転速度情報に応じて設定した場合、前記一方の値は、前記回転速度情報の回転速度が所定値未満のとき、前記回転速度と第1係数との乗算値に基づく値であり、前記回転速度が前記所定値以上のとき、前記回転速度と前記所定値との差分に前記第1係数よりも小さい第2係数を乗じた値と、前記所定値に前記第1係数を乗じた値と、を加えた加算値に基づく値であることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  2. 前記情報送信手段は、前記異常が発生した場合、前記ブラシレスモータが回転可能であるときには、前記一方の値を前記回転速度情報に応じて設定し、前記ブラシレスモータが回転不能であるときには、前記回転速度情報に応じて設定した前記一方の値とは別の値となるように、前記一方の値を前記異常情報に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの駆動制御装置。
  3. 前記情報送信手段は、前記異常が発生した場合、前記ブラシレスモータが回転可能であるときには、前記他方の値をさらに異なる値に設定して、前記一方の値を回転速度情報に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの駆動制御装置。
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