JP5559119B2 - ホイールローダ - Google Patents
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Description
[実施の形態1]
(駆動システム構成)
図1は、ハイブリッドホイールローダの駆動システム構成図である。
ホイールローダ1は駆動システムとして、走行部(ホイール部分)2と、フロント油圧作業部3と、駆動源4とを備えている。
なお、この実施の形態では、前輪用電動機MFと後輪用電動機MRには同一種類、同一容量のモータが使用される。
エンジン41の出力軸にモータ/ジェネレータ42が連結され、モータ/ジェネレータ42はインバータ63により制御される。モータ/ジェネレータ42は、発電機として動作するモードと、蓄電装置65から電力を供給されて電動機として動作するモードとの間で切換え駆動される。また、走行部2の前輪用電動機MFはインバータ61により、後輪用電動機MRはインバータ62により制御される。インバータ61〜63は、直流電流を交流電流に、また、交流電流を直流電流に変換する。インバータ61〜63は、DC/DCコンバータ64を介して蓄電装置65に接続されている。DC/DCコンバータ64は、蓄電装置65から供給される直流電圧を昇圧または降圧する。
制御装置50は、図1に示した駆動システム全体の制御を行う。制御装置50は、コントロールバルブ(C/V)制御装置51と、メインポンプ制御装置52と、エンジン制御装置53と、前輪用のインバータ制御装置54と、後輪用のインバータ制御装置55と、M/G用のインバータ制御装置56と、DC/DCコンバータ制御装置57と、クラッチ制御装置58の各制御装置の上位に位置し、システム全体の制御を行っており、システム全体が最高のパフォーマンスを発揮するように各制御装置51〜58に具体的動作の指令を与える。
/V)31を制御する。メインポンプ制御装置52は、図1に示したメインポンプ43を
制御する。エンジン制御装置53は、図1に示したエンジン41を制御する。前輪用のインバータ制御装置54は、図1に示したインバータ61を、後輪用のインバータ制御装置55は、図1に示したインバータ62を、また、M/G用のインバータ制御装置56は、図1に示したインバータ63を制御する。DC/DCコンバータ(チョッパ)制御装置57は、図1に示したDC/DCコンバータ64を制御して、直流と交流との変換を制御する。クラッチ制御装置58は、図1に示したクラッチCLのオン・オフを制御する。
駆動制御装置50と各制御装置51〜58間は、一般的にCANを用いて通信が行われる。
図3および図4、ホイールローダ1の走行動作を説明するための図である。
図3は、ハンドル(図示せず)を操作する前の状態を示す模式的な平面図である。ハンドルが操作されない状態では、ステアリング(操舵)駆動用の右側と左側の油圧シリンダ34R、34Lのロッドは、同一の長さに引き出されており、前輪側プロペラシャフト25Fと後輪側プロペラシャフト25Rとは、連結部26を介して直線状に連結されている。この状態では、前輪用電動機MFにより駆動される前輪WFA、WFBおよび後輪用電動機MRにより駆動される後輪WRA、WRBは、すべて、同一の回転数で回転する。この実施の形態では、連結部26と前輪側アクスル22Fとの距離LFと、連結部26と後輪側アクスル22Rとの距離LRとは等しく設定されている。
なお、この距離LFとLFが異なる場合は、換向時の前輪側の内外輪回転数と後輪側の内外輪回転数がそれぞれ異なるので、スリップ判定の閾値を上記距離に応じて設定する。
換向が完了すると、図4に図示されるように、外周側の前輪WFAと外周側の後輪WRAとは外側の半径Routの軌道上を、また、内周側の前輪WFBと内周側の後輪WRBとは内側の半径Rinの軌道上を旋回走行するように、内外輪回転差が付く回転数で回転される。
ここで、土砂等を運搬する運搬走行時においては、前輪WFA、WFBと後輪WRA、WRBにかかる負荷の大きさの差異に起因して、前輪WFA、WFBと後輪WRA、WRBとのタイヤ沈み量に差異が生じ、前輪WFA、WFBと後輪WRA、WRBとの間に転がり半径差が生じる。
そこでこの実施の形態では、後輪WRのスリップを検出してクラッチCLをオンすることにより、前輪側プロペラシャフト25Fを後輪側プロペラシャフト25Rに連結する。このとき、後輪プロペラシャフト25Rには前輪側プロペラシャフト25Fに作用している負荷が付与されるので、後輪用電動機MRの負荷が大きくなり、後輪WRA、WRBのスリップを抑制できる。
なお、走行中の転がり半径差は、通常、走行速度(車輪の回転数)の10%程度が最大である。
図5は、ホイールローダ1の掘削作業を説明するための図である。
ホイールローダ1では、Vシェープローディングといわれる積み込み作業を行うことが多い。Vシェープローディングは、図5に点線で図示された位置からホイールローダ1を前進させ、図5に実線で図示される位置で、リフトアーム、バケットを駆動して土砂M等をすくい込むすくい込み作業を行う。その後、ホイールローダ1を一旦後退させ、図示はしないが、ダンプトラックに向けてホイールローダ1を前進させて、すくい込んだ土砂M等をダンプトラックに積み込む。
なお、所定回転数差ΔNRefは、走行中の後輪のスリップと掘削作業中の後輪のスリップを識別できる程度の値を予め実験で設定する。上記15%は一例である。すなわち、回転数差は、走行時における前輪と後輪の回転数差の最大値よりも大きい値に設定されている。
以下、図6に示す処理フローを参照して、ホイールローダにおけるクラッチの切換え動作を説明する。
図6に図示された各ステップの処理は、制御装置50内のCPUの制御プログラムを実行して行われる。
クラッチの切換え処理では、先ず、ステップS1において、制御装置50からの指令によりクラッチ制御装置58を駆動し、クラッチCLをオフにする。これにより、前輪側プロペラシャフト25Fと後輪側プロペラシャフト25Rとは分離され、前輪WFA、WFBは前輪用電動機MFにより、後輪WRA、WRBは後輪用電動機MRにより独立して駆動される。
ステップS9またはステップS10の後は、ステップS6にリターンする。
(1)掘削作業中であって、前輪WFA、WFBと後輪WRA、WRBの回転数差ΔN(=回転数NRー回転数NF)が所定の回転数差ΔNRefを超えた場合には、クラッチCLをオンし、前輪側プロペラシャフト25Fと後輪側プロペラシャフト25Rとを連結する。クラッチCLをオンすることにより、前輪WFA、WFBの負荷が後輪側プロペラシャフト25Rを介して後輪用電動機MFに伝達されるため、後輪WRA、WRBにおけるスリップの発生を抑えることができる。その結果、すくい込み作業の駆動力を大きくすることができる。
(4)走行中も前輪と後輪の回転数を検出し、前輪がスリップしているときは前輪用電動機MFに対するトルク指令値を低減し、後輪がスリップしているときは後輪用電動機MRに対するトルク指令値を低減するようにした。したがって、掘削作業中だけでなく、走行時のスリップも抑制され、車輪(タイヤ)の摩耗も抑制される。
(5)前輪側アクスル22Fと連結部26との距離LFと、後輪側アクスル22Rと連結部26との距離LRを等しく設定したので、旋回走行時に前後輪回転数差が等しくなり(コロガリ半径が等しくなり)、制御時の演算処理が簡易となるという利点がある。
図7は、実施の形態2におけるホイールローダの駆動システム構成図を示す。
図7に図示されたホイールローダ1の駆動システムが図1に図示されたホイールローダの駆動システムと相違する点は、前輪用電動機MFおよび後輪用電動機MRとして、トルク(T)−回転数(N)特性(以下、T−N特性)が異なるものを搭載した点である。
以下は、この相違点について説明することとし、実施の形態1と同一の構成について、対応する部材に同一の図面参照番号を付し、その説明は省略する。
前輪用電動機MFとしては、図8に実線で示すように、低速域でのトルクは小さいが、高速駆動が可能で、かつ、低速域から高速域までの広範囲にわたりある程度のトルク出力が得られるN―T特性を有するものを用いる。このような前輪用電動機MFでは、比較的高速の領域において、ある程度のトルク出力が得られる領域が高効率領域である。
後輪用電動機MRの最大定格出力トルクは前輪用電動機MFの最大定格出力トルクよりも大きく、後輪用電動機MRの最大定格回転数は前輪用電動機MFの最大定格回転数よりも小さい。
まず、制御装置50において、オペレータの操作指令に対応するアクセル信号、ブレーキ信号、前後進状態信号および走行速度等に基づいて、ホイールローダ1の走行に要求される走行出力指令が演算される。さらに、走行出力指令を満足するために前輪用電動機MFおよび後輪用電動機MRそれぞれに対して要求するトルクを演算する。制御装置50は、前輪用電動機MFおよび後輪用電動機MRそれぞれの効率データテーブルを有するトルク演算部を含んでおり、この効率データテーブルに基づいて、走行出力指令に対し適切な電動機効率となるようにトルクの分配を決定する。そして、各インバータ制御装置54、55にトルク指令を与え、前輪用電動機MFおよび後輪用電動機MRを駆動する。
前輪用電動機MFと後輪用電動機MRとの両方が誘導機の場合、クラッチCLをオンのままホイールローダ1を高速で走行すると、後輪用電動機MRは、その定格最高回転数が前輪用電動機MFの定格最高回転数よりも低いので、後輪用電動機MRは前輪用電動機MFに対し連れ回り動作となり、損失が発生する。しかし、本実施の形態では、走行時は、クラッチCLがオフとなっているためこのような後輪用電動機MRの損失は生じない。
このため、実施の形態1と同様に、走行部3を大型化することなく、ホイールローダ1の掘削作業時の走行駆動力を大きくすることができる。
さらに、後輪用電動機MRに、前輪用電動機MFよりもトルクが大きいものを用いたので、後輪WRA、WRB側の重量が大きくなり、後輪WRA、WRBのスリップが生じ難くなる、という効果を奏する。
以上説明した実施の形態以外の構成を有するハイブリッドホイールローダや電動ホイールローダにも本発明を適用できる。
2 走行部
3 フロント油圧作業部
4 駆動源
22F 前輪側アクスル
22R 後輪側アクスル
25F 前輪側プロペラシャフト
25R 後輪側プロペラシャフト
26 連結部
43 メインポンプ
50 制御装置
CL クラッチ
MF 前輪用電動機(フロントモータ)
MR 後輪用電動機(リアモータ)
WFA、WFB 前輪
WRA、WRB 後輪
Claims (6)
- 一対の前輪に前輪側アクスルを介して連結された前輪側プロペラシャフトと、
一対の後輪に後輪側アクスルを介して連結され、連結部で前記前輪側プロペラシャフトと連結されている後輪側プロペラシャフトと、
前記前輪を回転駆動する前輪用電動機と、
前記後輪を回転駆動する後輪用電動機と、
前記前輪側プロペラシャフトと前記後輪側プロペラシャフトを連結および分離するクラッチ装置と、
掘削作業中であるか否かを判断する判断手段と、
前記後輪と前記前輪の回転数差を算出し、前記後輪の回転数が前記前輪の回転数よりも所定値以上大きいことを検出する検出手段と、
前記判断手段により掘削作業中と判断され、かつ、前記検出手段により前記後輪の回転数が前記前輪の回転数よりも所定値以上大きいことが検出された場合は、前記クラッチ装置に前記前輪側プロペラシャフトと前記後輪側プロペラシャフトとを連結する指令を行う制御手段とを備えることを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記検出手段における所定値は、走行時における前記前輪と前記後輪の回転数差の最大値よりも大きい値に設定されていることを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1または2のいずれかに記載のホイールローダにおいて、
前記前輪用電動機と前記後輪用電動機とは回転数―トルク特性が実質的に同一であることを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1または2のいずれかに記載のホイールローダにおいて、
前記後輪用電動機の最大定格出力トルクは前記前輪用電動機の最大定格出力トルクよりも大きいことを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホイールローダにおいて、
前記クラッチ装置は前記後輪側プロペラシャフトの軸上に設けられていることを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のホイールローダにおいて、
前記前輪側アクスルと前記連結部との距離と、前記後輪側アクスルと前記連結部との距離を等しく設定したことを特徴とするホイールローダ。
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