JP5558835B2 - 変形可能な基板を有するフラットパネルoledデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、フラットパネルOLEDデバイスに関し、より具体的にはそのようなデバイスに剛性を提供するための、およびそれらを湿損(moisture damage)から防護するための構造に関する。
有機発光ダイオード(OLED)デバイスは、初期から比較的小さいディスプレイデバイスとして受け入れられていた。概してOLDEデバイスは、有機発光層の両辺に配置した正孔輸送層および電子輸送層を有する。間隔を空けられた電極がOLEDを通過する電流を起こし、そしてこの有機発光層における正孔と電子の組み合わせが光を生じる。これらのOLEDデバイスは、概して、パッシブマトリックスまたはアクティブマトリックス駆動形式のいずれかを有する。フラットパネルデバイス、例えばテレビディスプレイ、プレゼンテーションディスプレイ、または発光パネルは、よりポピュラーになりつつある。フラットパネルOLEDデバイスは、これらの用途に関する多数の利点を提供する。しかしながら、フラットパネルOLEDデバイスに関連する問題が存在する。質量を減らすために、OLEDデバイスは概して薄型の変形可能な基板を使用するが、これは曲がったり、砕けたり、または破損することがあり、このため光出力を歪曲する。別の難点は、この基板が薄型の場合に、そのOLEDが基板を歪曲するのに十分な熱を生じ得ることである。
OLED用の支持体を提供するために、様々な方法が使用されてきた。Guentherは、米国特許6,660,547号において、電界発光デバイス用の支持体リムを開示している。Heimgartherは、米国特許6,688,933号において、電界発光デバイス用の構造的フレームの使用を教示している。Guentherらは、米国特許7,026,758号において、電界発光デバイス用の堅い強化リッドを開示し、ここでそのリッドはそのデバイスを支持するのに役立つ。しかしながら、これらの事例では、熱除去のための対策が全くされていない。
Kikuchiらは、米国特許第7,063,902号において、伝熱性の充填層を伴って封じ込められたOLEDを教示している。しかしながら、支持体を伴うそのような伝熱層をどのように提供するかについては示唆がない。特開平10―275681号では、高熱伝導性を提供するために、金属充填剤および炭素粉末を伴う保護層が示されている。
このように、電界発光デバイスに対する構造的支持体および熱散逸の両方を提供することは、解決されるべき問題である。
従って、本発明の目的は、透明で変形可能な基板に剛性を提供し、且つフラットパネルデバイスにおけるOLEDに水分および熱保護も提供する、フラットパネルOLEDデバイスを提供することである。
この目的は、以下を含んでなるフラットパネルOLEDデバイス達成される:
(a)第一および第二の辺を有し、且つ予め定められた照明領域および非照明領域を画定する、透明で変形可能な基板;
(b)該透明な基板の第一の辺の上で該照明領域に配置された水分感受性OLED、および該OLEDに電気信号を適用するための手段であって、該OLEDが光と熱を生じることを引き起こす手段;
(c)該OLEDの上に配置された保護層;
(d)該保護層の上に配置されているが、そこに付着はしていない、柔軟性のある封じ込めフォイル;および
(e)該熱を散逸させるためおよび該透明で変形可能な基板に剛性を提供するために、該透明で変形可能な基板と動作可能なように組み合わされた、剛性の筐体構造。
本発明の利点は、熱分配をもたらし、且つOLEDデバイスの熱による歪曲および過熱の危険性を減らし、および画像の焼き付きの危険性を大幅に減らすことである。本発明のさらなる利点は、OLEDデバイス用の構造的な支持体ももたらし、OLEDガラスの大きなピースに優れた剛性をもたらし、および頑丈な取り付け構造をもたらすことである。
本発明による、剛性の筐体構造を伴うフラットパネルOLEDデバイスの第一の実施態様の断面図である。 図1の剛性の筐体構造の上面図である。 本発明を伴って有用となる先行技術OLEDの構造を表す断面図である。
“OLEDデバイス”または“有機発光ディスプレイ”という用語は、画素として有機発光ダイオードを備えるディスプレイ装置というこの分野で知られている意味で用いる。“OLEDデバイス”という用語は、有機発光ダイオードを含む発光デバイスを指すが、ディスプレイデバイスに限定されず、例えば“OLEDデバイス”は照明パネルを含むことがある。“マルチカラー”という用語は、異なる領域では異なる色相の光を出すことのできるディスプレイ・パネルを記述するのに用いる。この用語は、特に、いろいろな色からなる画像を表示することのできるディスプレイ・パネルを記述するのに用いる。領域は、必ずしも互いに連続している必要はない。“フル・カラー”という用語は、一般に、可視スペクトルの少なくとも赤色領域と緑色領域と青色領域で光を出すことができて、任意の色相の組み合わせを表示できるマルチカラー・ディスプレイ・パネルを記述するのに用いる。所定のディスプレイによって生じ得る色の一式は、通常そのディスプレイの色域(color gamut)と呼ばれる。赤、緑、青は三原色を構成し、その三原色を適切に混合することによって他のあらゆる色を作り出すことができる。しかし追加のいろいろな色を使用してデバイスの色域を広げることまたはデバイスの色域の範囲内にすることも可能である。“色相”という用語は、可視スペクトルの範囲での発光の強度プロファイルを意味する。色相が異なると、目で見て色の違いを識別することができる。“画素”という用語は、この分野で知られている意味で用いられ、ディスプレイ・パネル内で刺激を与えることによって他の領域とは独立に光を出させることのできる領域を指す。
図1を参照すると、本発明による、剛性の筐体構造を伴うフラットパネルOLEDデバイス10の第一の実施態様の断面図が示される。OLEDデバイス10は、基板20を含み、これは透明で変形可能な基板であって、そこを通って光が発せられる。このように、OLEDデバイス10は底面発光型OLEDとして一般に知られるタイプのものである。OLEDデバイス10は、フラットパネルOLEDディスプレイであってもよく、例えば一以上の色で画像を表示することができるOLEDデバイスであって、フルカラーディスプレイを含む。そのようなディスプレイは、当該技術分野で周知のアドレス可能なOLED画素でできたアレイを含むことができる。この画素でできたアレイは、パッシブマトリックスアレイまたはアクティブマトリックスアレイであってもよい。アクティブマトリックスアレイの場合、電子制御素子のアレイ、例えば薄膜トランジスタ(TFT)は、個々の画素の発光強度を制御するために基板20にパターニングされ得る。あるいは、OLEDデバイス10は、照明デバイスであってもよく、例えば照明パネルである。水分感受性OLED30は、当該技術分野で周知の、透明な基板20の第一の辺の上に配置される。OLEDデバイス10がOLEDディスプレイである、この実施態様では、OLED30が、水分感受性でアドレス可能な当該技術分野で周知のOLED画素のアレイを含む。OLEDデバイス10は、照明領域および非照明領域を含む。ほとんどの基本的な実施態様では、その照明領域はOLED30またはその一部によって画定され、一方OLED30を取り囲む基板20の上の領域が非照明領域を画定する。他の実施態様が可能であることも理解されるであろう;例えば、OLEDデバイスが、非照明領域によって分離された非連続複数の照明領域を有してもよい。OLEDデバイス10がOLEDディスプレイである、実施態様では、照明および非照明領域は、それぞれディスプレイおよび非ディスプレイ領域として一般に知られている。OLEDデバイス10は、OLED30に電気信号を適用するための電源に接続された導電体も含み、これがOLEDに光を生じさせ、またそれによって望ましくない熱を発する。
保護層40は、望ましく絶縁がされており、OLED30の上に配置されている。保護層40は、OLED30を電気短絡、および接触(例えば以下で記載される、保護層40の上に配置された導電性フォイル層による摩擦)による物理的損傷から保護する。保護層40のための材料のいくつかの例は、ポリマー、および酸化物層例えばSiOxを含む。保護層40は、0.5〜25マイクロメートルの厚みであってもよい。保護層40は、OLED30のカソードを完全にカバーするように、通常の製造許容範囲に基づいて、OLED30の端を超えて延びている。
OLEDデバイス10は、柔軟性のある封じ込めフォイル50をさらに含む。フォイル50は、保護層40の上に配置されるが、そこに付着はしていない。フォイル50は、フォイル50の端部でまたはその近くで接着剤95を用いて基板20の非照明領域に封止的に接続され、このようにしてOLED30を封止的に取り囲んでいる。接着剤95は、水分に対する低い浸透性を有し、および概して0.5〜15mmの幅と5〜50μmの厚みを備えている。さらに、乾燥剤層70が、保護層40の周辺部の上で、且つ保護層40とフォイル50の間に配置されてもよい。乾燥剤のいくつかの非限定的な例は、アルミナ、ボーキサイト、硫酸カルシウム、粘土、シリカゲル、ゼオライト、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、および過塩素酸塩を含む。フォイル50は通常、アルミニウムフォイルのような金属フォイルである。
さらに、OLEDデバイス10は剛性の筐体構造60を含み、これは基板20の非照明領域での構造接着剤90を用いた接続を介して基板20と動作可能なように組み合わされる。接着剤90は、構造的発泡性テープまたは非必須接着剤であってもよい。筐体構造60の全周囲に接着剤90を有することが望ましいが、ワイヤーアクセス等のために必要なギャップが残されていてもよい。筐体構造60は、クローズドフレーム構造であり、これが基板20に剛性と支持体を提供し、且つOLED30から熱を散逸させる。剛性の筐体構造60が、ディスプレイをできるだけ薄く、例えば5mmのギャップに、保ちながら、フォイル50に接しないように、筐体構造60は照明領域におけるフォイル50から隔てられている。筐体構造60は、剛性を提供し、軽量であり、且つOLED30からの熱の良好な伝導体である材料、例えばアルミニウムのような金属、から形成される。筐体構造60のクローズド構造によって、筐体構造60の表面の大半がOLED30からの熱を散逸することが可能となる。筐体構造60の上部に形成された追加的なたすき65が、追加的な剛性をもたらすだけでなく、熱散逸を増進させるフィン付きヒートシンクとしても機能する。この構造は、外部ファン冷却と組み合わせて、さらに熱散逸を増進させることが可能である。筐体構造60は、このような構造を作製するための周知の様々な任意の方法を用いて形成可能であり、結果として、筐体構造60は例えばアルミニウム鋳物構造であってもよい。
OLEDデバイス10は、例えば基板20の非照明領域に付着させることによって、基板20の第二の辺に封止的に付着される透明なプラスチックシート80も含んでもよい。このようなシート80は光学的な機能のもの、例えば偏光シートであってもよい。このシート80は基板20への損傷に対する追加的な保護も提供することができる。
図2を参照すると、図1の剛性の筐体構造60上面図が示されている。図2は、筐体構造60のクローズドフレーム構造60を示す。筐体構造の本体に形成されたたすき65が、追加的な支持体および剛性をこの筐体構造に提供するだけでなく、熱を散逸させるための追加された表面も提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、Tang等の米国特許第4,769,292号、およびVanSlyke等の米国特許第5,061,569号に開示されるような(しかし、これらに限定されない)低分子または重合体OLEDから構成される有機発光ダイオード(OLED)を含むディスプレイで使用される。有機発光ディスプレイの多数の組み合わせおよび変形は、このようなディスプレイを製造するために用いられ得る。
一般的なディスプレイの基本設計概念
本発明は大半の底面発光OLEDディスプレイ機器構成で使用され得る。これらは、発光要素を形成するためにアノードおよびカソードの直交配列から成るパッシブ・マトリクス・ディスプレイ、ならびに個々の発光要素が例えば薄膜トランジスタ(TFT)を用いて独立的に制御されるアクティブ−マトリクス・ディスプレイなど、より複雑なディスプレイに一つのアノードおよびカソードを含む非常に単純な構造を含む。
本発明が首尾よく実行できる多数の有機層の機器構成が存在する。本発明を用いると有益な、典型的な先行技術の構造の断面図が、図3に示されるOLED30であり、OLED30は、基板20の上にアノード103、正孔注入層105、正孔輸送層107、発光層109、電子輸送層111、およびカソード113を含む。これらの層は以下詳細に記載される。カソード113は代替的に基板20に近接して配置され得ること、または基板20は実際にアノード103もしくはカソード113を構成し得ることに留意すべきである。アノード103とカソード113の間の有機層は便宜上有機EL要素と称される。有機層の合わせた全厚みは500nm未満が好ましい。
OLED30のアノード103およびカソード113は、光を発するためのOLED30への電気信号を適用するために、導電体260を介して電源250に接続される。OLEDはアノード103がカソード113より陽電位であるようにアノード103とカソード113の間に電位をかけることにより作動する。正孔はアノード103から有機EL要素内に注入され、電子はカソード113で有機EL要素内に注入される。ディスプレイ安定性の強化は、ACモードにおいて当該サイクルの一定期間電位デバイスを逆にして電流を流さないことで、時折達成され得る。AC駆動OLEDの例は米国特許第5,552,678号に記載されている。
基板
本発明のOLEDディスプレイは通常支持基板上に提供され、カソードまたはアノードのいずれかが該基板と接触し得る。該基板と接触する電極は便宜上底電極と呼ばれる。従来、底電極はアノードであるが、本発明はその機器構成に限定されない。該基板は任意の透明な材料であってよく、ガラスおよびプラスチックを含むが、これらに限定はされない。または不透明であり得る。この基板は変形可能であり、このためこの基板は剛性ではなく、および構造的な利点を提供せず、例えば1mm未満の厚さのガラスであることが意味される。
アノード
アノード103は目的の放出に透過性または実質的に透過性であるべきである。本発明で使用される共通の透明アノード物質は、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)および酸化スズであるが、アルミニウムまたはインジウムをドープした酸化亜鉛、マグネシウム−インジウム酸化物、およびニッケル−タングステン酸化物を含むが、これらに限定されない他の酸化金属が機能し得る。これらの酸化物に加えて、窒化ガリウムなどの窒化金属、セレン化亜鉛などのセレン化金属、硫化亜鉛などの硫化金属がアノードとして使用できる。通常のアノード物質は、4.1 eV以上の仕事関数を有する。望ましいアノード物質は、通常、蒸発、スパッタリング、化学蒸着、または電気化学的手段などの任意の適切な手段により蒸着される。アノードは周知の写真平版工程を用いてパターン化され得る。随意で、アノードは、ショートを最小にするように又は反射性を増強するように表面粗度を低減するために、他層の適用前に研磨され得る。
正孔注入層(HIL)
必ずしも必要ではないが、アノード103と正孔輸送層107との間に正孔注入層105を提供することはしばしば有用である。正孔注入物質は、後の有機層の膜形成性質を改善し正孔輸送層への正孔の注入を促進するのに役立ち得る。正孔注入層での使用に適した物質は、米国特許第4,720,432号に記載されるポルフィリン化合物、米国特許第6,208,075号に記載される過フッ化炭化水素重合体、および幾つかの芳香族アミン、例えばm−MTDATA(4,4’,4’’−トリス[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン)を含むが、これらに限定されない。有機ELディスプレイに有用であると報告されている代替の正孔注入物質は欧州特許第0 891 121 A1号および欧州特許第1 029 909 A1号に記載されている。
正孔輸送層(HTL)
正孔輸送層107は芳香族第三級アミンなどの少なくとも一つの正孔輸送化合物を含み、後者は炭素原子にのみ結合する少なくとも一つの三価窒素原子を含み、且つ該炭素原子の少なくとも一つは芳香族環の一員である化合物と理解されている。一つの形態において、芳香族第三級アミンは、モノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、または重合体アリールアミンなどのアリールアミンであり得る。典型的な単量体トリアリールアミンは米国特許第3,180,730号でKlupfel等により説明されている。一つ以上のビニル基で置換された及び/または少なくとも一つの活性水素含有基を含む、他の適切なトリアリールアミンは米国特許第3,567,450号および第3,658,520号でBrantley等により開示される。
芳香族第三級アミンのより好ましい部類は、米国特許第4,720,432号および第5,061,569号に記載されている少なくとも二つの芳香族第三級アミン部分を含むものである。正孔輸送層は単一又は混合の芳香族第三級アミン化合物で形成され得る。役立つ芳香族第三級アミンの実例は下記の通りである。
1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン
1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン
4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)4(quadri)フェニル
ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−フェニルメタン
N,N,N−トリ(p−トリル)アミン
4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)−スチリル]スチルベン
N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル
N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル
N,N,N’,N’−テトラ−1−ナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル
N,N,N’,N’−テトラ−2−ナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル
N−フェニルカルバゾール
4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ビフェニル
4,4’’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]p−テルフェニル
4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(3−アセナフテニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
1,5−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ナフタレン
4,4’−ビス[N−(9−アントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’’−ビス[N−(1−アントリル)−N−フェニルアミノ]−p−テルフェニル
4,4’−ビス[N−(2−フェナントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(8−フルオランテニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(2−ピレニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(2−ナフタセニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(2−ペリレニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
4,4’−ビス[N−(1−コロネニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
2,6−ビス(ジ−p−トリルアミノ)ナフタレン
2,6−ビス[ジ−(1−ナフチル)アミノ]ナフタレン
2,6−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ナフタレン
N,N,N’,N’−テトラ(2−ナフチル)−4,4’’−ジアミノ−p−テルフェニル
4,4’−ビス{N−フェニル−N−[4−(1−ナフチル)−フェニル]アミノ}ビフェニル
4,4’−ビス[N−フェニル−N−(2−ピレニル)アミノ]ビフェニル
2,6−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)アミン]フルオレン
1,5−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ナフタレン
4,4’,4’’−トリス[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン
有用な正孔輸送物質の他の部類は、欧州特許第1 009 041号に記載されている多環式芳香族化合物を含む。オリゴマー物質を含む二つより多いアミン基をもつ第三級芳香族アミンが用いられ得る。更に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびPEDOT/PSSとも呼ばれるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)等の共重合体など、重合体正孔輸送物質が用いられ得る。
発光層(LEL)
米国特許第4,769,292号および第5,935,721号でより詳しく記載されているように、有機EL要素の発光層(LEL)109は発光物質または蛍光物質を含み、電界発光はこの領域における電子正孔対の組み合わせの結果として生じる。発光層は単独の物質を含み得るが、より一般的には、単数または複数のゲスト化合物をドープされたホスト物質から成り、発光は、主としてドーパントによってもたらされ、任意の色であり得る。発光層のホスト物質は、以下に定義する電子輸送物質、上記に定義した正孔輸送物質、または他の物質もしくは正孔−電子の再結合を支持する物質の組み合わせであり得る。ドーパントは、通常、強い蛍光を発する色素から選択されるが、リン光を発する化合物、例えばWO98/55561、WO00/18851、WO00/57676、およびWO00/70655に記載される遷移金属錯体も有用である。ドーパントは通常ホスト物質に0.01から10重量%として被覆される。ポリフルオレンおよびポリビニルアリーレン(例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)、PPV)などの重合体物質はホスト物質としても使用され得る。この場合、小分子ドーパントは重合体ホストに分子拡散され得る。または該ドーパントは微量成分をホスト重合体に共重合させることにより添加され得る。
ドーパントとして色素を選択するための重要な関係はバンドギャップ電位の比較であり、該電位は最高被占分子軌道と分子の最低非占有分子軌道のエネルギー差異として定義される。ホストからドーパント分子への効率的なエネルギー転移については、必要条件はドーパントのバンドギャップがホスト物質のそれより小さいことである。リン光放出体では、ホストの三重項エネルギー・レベルがホストからドーパントへエネルギー転移できる十分な高さであることも重要である。
使用が知られているホストおよび放出分子は、米国特許第4,768,292号;第5,141,671号;第5,150,006号;第5,151,629号;第5,405,709号;第5,484,922号;第5,593,788号;第5,645,948号;第5,683,823号;第5,755,999号;第5,928,802号;第5,935,720号;第5,935,721号;および第6,020,078号を含むが、これらに限定されない。
8−ヒドロキシキノリン(オキシン)の金属錯体および類似誘導体は電界発光を支持できる有用なホスト化合物の一つの部類を構成する。有用なキレート・オキシノイド化合物の実例は下記の通りである。
CO−1:アルミニウム・トリスオキシン[別名、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)]
CO−2:マグネシウム・ビスオキシン(bisoxine)[別名、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム(II)]
CO−3:ビス[ベンゾ{f}−8−キノリノラト]亜鉛(II)
CO−4:ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)
CO−5:インジウム・トリスオキシン[別名、トリス(8−キノリノラト)インジウム]
CO−6:アルミニウム・トリス(5−メチルオキシン)[別名、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)]
CO−7:リチウム・オキシン[別名、(8−キノリノラト)リチウム(I)]
CO−8:ガリウム・オキシン[別名、トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III)]
CO−9:ジルコニウム・オキシン[別名、テトラ(8−キノリノラト)ジルコニウム(IV)]
有用なホスト物質の他の部類は、アントラセンの誘導体、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセンなど、米国特許第5,935,721号に記載されているそれらの誘導体、米国特許第5,121,029号に記載されているジスチリルアリーレン誘導体、およびベンザゾール誘導体、例えば2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]を含むが、これらに限定されない。カルバゾール誘導体はリン光放出体の特に有用なホストである。
有用な蛍光ドーパントは、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンの誘導体、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウムおよびチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミン・ホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、およびカルボスチリル化合物を含むが、これらに限定されない。
電子輸送層(ETL)
本発明の有機EL要素の電子輸送層111を形成する際に用いる好ましい薄膜形成物質は、オキシン自体(一般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリンとも呼ばれる)のキレートを含む金属キレート・オキシノイド化合物である。電子の注入および輸送に役立つ該化合物は、高レベルの性能を示し、薄膜の形態で容易に製造される。実例のオキシノイド化合物は上に列挙した。
他の電子輸送物質は、米国特許第4,356,429号に開示される種々のブタジエン誘導体および米国特許第4,539,507号に記載される種々の複素環蛍光増白剤を含む。ベンザゾールおよびトリアジンも有用な電子輸送物質である。
カソード
発光がアノード103および基板20を通して見られるので、カソード113はほぼ任意の導電材料から構成され得る。所望の材料は、優れた膜形成性質を有し、基底の有機層と良好な接触を保証し、低電圧で電子注入を促進し、ならびに良好な安定性を有する。有用なカソード物質はしばしば低仕事関数の金属(<4.0 eV)または合金を含む。一つの好ましいカソード物質はMg:Ag合金から構成され、銀の割合は、米国特許第4,885,221号に記載されるように、1から20%の範囲である。カソード物質の他の適切な部類は、より厚い導電金属層でキャップされた有機層(例えば、ETL)と接触する薄い電子注入層(EIL)を含む二層を含む。ここで、EILは低仕事関数の金属または金属塩を含むことが好ましく、その場合、より厚いキャップ層は低仕事関数を有する必要はない。このような一つのカソードは、LiFの薄層、続いて米国特許第5,677,572号に記載されるAlの厚層から構成される。他の有用なカソード物質一式は、米国特許第5,059,861号、第5,059,862号、および第6,140,763号を含むが、これらに限定されない。
カソード物質は、通常、蒸発、スパッタリング、または化学蒸着により蒸着される。必要な場合、スルー・マスク蒸着、インテグラル・シャドー・マスキング、例えば米国特許第5,276,380号および欧州特許第0 732 868号に記載されるように、レーザー切断、および選択的化学蒸着を含むが、これらに限定されない多数の周知方法により、パターニングが実施され得る。
他の一般的な有機層およびディスプレイ機器構成
幾つかの事例において、層109および111は、任意で、発光と電子輸送の両方を支持する機能を果たす単一層に崩壊され得る。光放出ドーパントがホストとして役立ち得る正孔輸送層に添加され得ることも当分野で知られている。複数のドーパントは、例えば青色および黄色を放つ物質、シアン色および赤色を放つ物質、または赤色、緑色、および青色を放つ物質を組み合わせることにより、白色を発つOLEDを創出するために一つ以上の層に添加され得る。白色を放つディスプレイは、例えば、欧州特許第号1 187 235、米国特許出願公開第2002/0025419号、欧州特許第1 182 244号、米国特許第5,683,823号、米国特許第5,503,910号、米国特許第5,405,709号、および米国特許第5,283,182号に記載されている。
当分野で教示される電子または正孔を遮断する層などの追加層が本発明のディスプレイで使用され得る。正孔遮断層は、一般に、例えば米国特許出願公開第2002/0015859号のように、リン光を発するディスプレイの効率を改善するために用いられる。
本発明は、例えば米国特許第5,703,436号および米国特許第6,337,492号で教示されるように、いわゆる積層ディスプレイ機器構成で使用され得る。
有機層の蒸着
上記の有機物質は、昇華などの気相方法により適切に蒸着されるが、随意の結合剤を用いて、流体から、例えば溶媒から蒸着され膜形成を改善し得る。該物質が重合体である場合、溶媒蒸着は有用であるが、スパッタリングまたはドナー・シートからの熱転写などの他の方法も用いられ得る。昇華により蒸着される物質は、例えば米国特許第6,237,529号に記載されるように、しばしばタンタル物質から構成される昇華剤(sublimator)「ボート」から蒸発し得る。または、まずドナー・シート上に被覆された後、該基板に密接して昇華し得る。物質の混合物を含む層は個別の昇華剤ボートを利用し得る。または該物質は予め混合され、単独のボートまたはドナー・シートから被覆され得る。パターン化された蒸着は、シャドー・マスク、一体シャドー・マスク(米国特許第5,294,870号)、ドナー・シートからの空間的に定義された熱色素転写(米国特許第5,688,551号、第5,851,709号、および第6,066,357号)およびインクジェット法(米国特許第6,066,357号)を用いて達成され得る。
光学的最適化
本発明のOLEDディスプレイは、所望ならば、その性質を強化するために様々な周知の光学的効果を利用し得る。これは最大の光透過率を得るために層の厚さを最適化すること、誘電性鏡構造を提供すること、反射電極を吸光電極と交換すること、ディスプレイ上にグレア防止もしくは反射防止の被覆を提供すること、ディスプレイ上に偏光媒体を提供すること、またはディスプレイ上に有色フィルター、減光フィルターもしくは色温度変換フィルターを提供することを含む。
部品リスト
10 OLEDデバイス
20 基板
30 OLED
40 保護層
50 フォイル
60 筐体構造
65 たすき
70 乾燥剤層
80 プラスチックシート
90 接着剤
95 接着剤
103 アノード
105 正孔注入層
107 正孔輸送層
109 発光層
111 電子−輸送層
113 カソード
250 電源
260 導電体

Claims (3)

  1. (a)第一および第二の辺を有し、且つ予め定められた照明領域および非照明領域を画定する、透明で変形可能な基板;
    (b)該透明な基板の第一の辺の上で該照明領域に配置されたOLED、および該OLEDに電気信号を適用するための手段であって、該OLEDが光と熱を生じることを引き起こす手段;
    (c)該OLEDの上に配置された保護層;
    (d)該保護層の上に配置されているが、該保護層に付着はしていない、柔軟性のある封じ込めフォイル;および
    (e)該熱を散逸させるためおよび該透明で変形可能な基板に剛性を提供するために、該柔軟性のある封じ込めフォイルの上に配置され、かつ、該照明領域上で該透明で変形可能な基板と動作可能なように組み合わされた、剛性のクローズド筐体構造、
    を含んでなるフラットパネルOLEDデバイス。
  2. 該保護層がポリマー材料を含んでなる、請求項1に記載のフラットパネルOLEDデバイス。
  3. (a)第一および第二の辺を有し、且つ予め定められたディスプレイ領域および非ディスプレイ領域を画定する、透明で変形可能な基板;
    (b)該透明な基板の第一の辺の上で該ディスプレイ領域に配置されたアドレス可能なOLED画素のアレイ、および光と熱を生じさせるために該ディスプレイ画素に電気信号を適用するための手段;
    (c)該OLED画素のアレイの上に配置された保護層;
    (d)該保護層の上に配置されているが、該保護層に付着はしておらず、および該非ディスプレイ領域において該基板に封止的に接続された、柔軟性のある封じ込めフォイル;および
    (e)該熱を散逸させるためおよび該透明で変形可能な基板に剛性を提供するために該非ディスプレイ領域において該基板に接続され、且つ、該ディスプレイ領域において該フォイルから隔てられている、剛性のクローズド筐体構造、
    を含んでなるフラットパネルOLEDディスプレイ。
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