JP5558263B2 - タップ付き分配器 - Google Patents
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Description
図8に示すタップ付き分配器100は、入力端子に入力されたテレビ信号を2分配して、2分配されたテレビ信号の一方をテレビ受像器に入力し、他方のテレビ信号をレコーダ等に入力する。そして、テレビ受像器に電源を供給する電源コンセントとレコーダ等に電源を供給する電源コンセントとを備えている。
電源側においては、電源プラグ110から商用交流が供給される2本の電源ライン間には、並列に第1電源コンセント111と第2電源コンセント112との2つが接続されている。例えば、第1電源コンセント111にはテレビ受像器の電源プラグが接続され、第2電源コンセント112にはレコーダの電源プラグが接続される。
また、第1出力端子OUT1から供給された衛星放送受信用アンテナへの直流電源は、チョークコイルCH101、ダイオードD101およびチョークコイルCH103を介して入力端子INから出力される。さらに、第2出力端子OUT2から供給された衛星放送受信用アンテナへの直流電源は、チョークコイルCH102、ダイオードD102およびチョークコイルCH103を介して入力端子INから出力される。入力端子INから出力された直流電源は、入力端子INに接続されている通信線を介して衛星放送受信用アンテナに供給される。
図9に示すタップ付きプロテクタ200は、テレビ受像器に電源を供給する電源コンセントとレコーダ等に電源を供給する電源コンセントとを備えている。
図9に示すタップ付きプロテクタ200の回路図において、INはテレビ信号が入力される入力端子であり、入力端子INにはテレビ信号が伝播される信号線が接続される。入力端子INに入力されたテレビ信号は、出力端子OUTから出力される。出力端子OUTからのテレビ信号は、例えばテレビ受像器に供給される。入力端子INおよび出力端子OUTのホット側は3端子アレスタArrの第1端子に接続され、3端子アレスタArrの第3端子は電源側のアースに接続されている。入力端子INおよび出力端子OUTにおけるコールド側はアースされている。
しかしながら、従来のタップ付きプロテクタ200や従来提案されているタップ付き分配器100において、3端子アレスタArrは3つの電極が絶縁されて対向しているため、3つの電極間に静電容量が生じている。このため、高周波信号に対する入力端子INのホット側と電源側のアースが低インピーダンスを呈するようになる。すると、電源ラインから混入した信号やノイズが入力端子や出力端子OUT側に回り込んで、テレビ受像器等に対し混信障害を引き起こす要因となる。また、テレビ信号も電源ラインに回り込んで、TV信号を不要放射するようになり、他の電子機器に影響を及ぼす恐れがあるという問題点があった。
これらの図に示す本発明の実施例にかかるタップ付き分配器1は、細長い形状に形成され横幅より厚みが薄くされた略長方形状とされた樹脂製の筐体10を備えている。筐体10は裏側筐体と表側筐体とに半截されており、両者は裏側筐体の背面から挿入したネジを表側筐体にねじ込むことにより一体とされている。筐体10からは電源コード14が導出されており、電源コード14の先端に電源コンセントに差し込む電源プラグ15が装着されている。筐体10の正面には、同軸端子とされた第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2と入力端子INとが突出するよう設けられていると共に、第1電源コンセント12と第2電源コンセント13の2つの電源コンセントが設けられている。また、筐体10には電源が供給されている際に点灯するパイロットランプPLが設けられている。さらに、筐体10の一側面には大地アースのリード線を接続するアース端子11が設けられている。
図4に示すように、筐体10内には分配器基板20と避雷回路基板21との2つの基板が収納されていると共に、第1電源コンセント12および第2電源コンセント13のコンセント金具23が収納されている。筐体10から導出されている電源コード14の2本の電源ラインは、それぞれコンセント金具23に接続されると共に、コンセント金具23を介して避雷回路基板21に接続されている。避雷回路基板21のアースはアース端子11に接続されると共に、ジャンパー線22を介して分配器基板20のアースに接続されている。
図5において、分配器回路30は分配器基板20に組み込まれた回路であり、避雷回路31は避雷回路基板21に組み込まれた回路である。図5に示す本発明にかかるタップ付き分配器1における分配器回路30において、INはテレビ信号が入力される入力端子であり、入力端子INにはテレビ信号が伝播される同軸ケーブルが接続される。入力端子INに入力されたテレビ信号はコンデンサC1を介して2分配器を構成する第1トランスT1の一端に入力され、第1トランスT1の中点タップは第2トランスT2の中点タップに接続されている。第1トランスT1の他端はアースに接続されており、その中点タップに他端がアースに接続されたコンデンサC7の一端が接続されている。
また、第1出力端子OUT1のホット側にはチョークコイルCH1の一端が接続され、その他端はダイオードD1のアノードに接続されている。また、第2出力端子OUT2のホット側にはチョークコイルCH3の一端が接続され、その他端はダイオードD2のアノードに接続されている。そして、ダイオードD1とダイオードD2のカソードは互いに接続されて、チョークコイルCH2の一端に接続され、その他端は入力端子INのホット側に接続されている。チョークコイルCH1とダイオードD1との接続点には一端がアースに接続されたコンデンサC5の他端が接続され、チョークコイルCH3とダイオードD2との接続点には一端がアースに接続されたコンデンサC6の他端が接続されている。さらに、ダイオードD1,D2とチョークコイルCH2との接続点には一端がアースに接続されたコンデンサC2の他端が接続されている。
避雷回路31においては、電源プラグ15から商用交流が供給される2本の電源ラインの一方に電流ヒューズF1の一端が接続され、その他方に温度ヒューズF3の一端が接続されている。電流ヒューズF1の他端には温度ヒューズF2の一端が接続され、温度ヒューズF2の他端にはダイオードD3のアノードとバリスタZNR1の一端とコンデンサC8の一端とバリスタZNR2の一端が接続されている。さらに、温度ヒューズF3の他端には抵抗R1の他端とコンデンサC8の他端とバリスタZNR1の他端とバリスタZNR3の一端が接続されている。ダイオードD3のカソードは発光ダイオードLEDのカソードに接続され、発光ダイオードLEDのアノードは抵抗R1の一端に接続されている。さらに、バリスタZNR2の他端とバリスタZNR3の他端は避雷回路基板21のアースに接続されている。発光ダイオードLEDは、電源プラグ15が電源コンセントに装着されてタップ付き分配器1に商用電源が供給された際に点灯するようになり、発光ダイオードLEDがパイロットランプPLとされている。
なお、避雷回路基板21のアースと分配器基板20のアース間を第2の2端子アレスタArr2を介して接続することにより、耐雷効果が向上すると共に、避雷回路31において減衰しきれなかった妨害波やノイズが2端子アレスタArr2で減衰するようになる。
Eo[V/m]=7√(P[W])/L[m] (1)
で表される。例えば、Pが0.01[W]でLが3[m]の時は、(1)式からEoは約0.23[V/m]と求められる。この電界強度をデシベル値で表すと、
Eo[dBμV/m]=20log(Eo[V/m]×106)
=20log(0.23×106)≒107.2[dBμV/m]
となる。すなわち、供試器における妨害波の電界強度が約107.2[dBμV/m]となる。そして、供試器の出力端子にスペクトラムアナライザ等を接続して、出力端子から出力される妨害波のレベルを測定する。例えば、出力端子において測定した妨害波のレベルが37.2dBμであった場合は、イミュニティの値は107.2−37.2=70dBとなる。
このように、本発明にかかるタップ付き分配器1のイミュニティ特性は、従来のタップ付き分配器100のイミュニティ特性より、少なくとも約12dB以上で平均的に約22dBものイミュニティ特性が向上されていることが分かる。
このように、本発明にかかるタップ付き分配器1は従来のタップ付き分配器100の不要放射特性より、少なくとも約3.3dB以上で平均的に約15dBもの不要放射特性が良好になっていることが分かる。
Claims (1)
- 電源コンセントが設けられていると共に、入力端子と分配された信号を出力する複数の出力端子が設けられている筐体と、
前記入力端子から入力された信号を分配して前記複数の出力端子からそれぞれ出力する分配器の回路が組み込まれており、前記筐体に収納されている分配器基板と、
電源から侵入した雷サージに対する避雷回路が組み込まれており、前記筐体に収納されている避雷回路基板と、
前記入力端子のホット側と前記分配器基板のアースとの間に接続されている第1の2端子避雷素子と、
前記分配器基板のアースと前記避雷回路基板のアースとの間に接続されている第2の2端子避雷素子とを備え、
前記避雷回路基板における前記避雷回路は、2本の各電源ラインと前記避雷回路基板のアースとの間に接続されている第3の避雷素子を有しており、前記入力端子に侵入した雷サージが前記第1の2端子避雷素子および前記第2の2端子避雷素子から前記分配器基板のアースと前記避雷回路基板のアースを介して前記第3の避雷素子から電源へ流れることにより、前記入力端子に接続された電子機器に対して雷サージがバイパスされることを特徴とするタップ付き分配器。
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