JP5556559B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
このような干渉波に対し、特許文献1では、無線通信チャネルでの周囲のノイズレベルを測定し、他の無線通信装置が測定して送信してきたノイズレベルと、自装置で測定したノイズレベルとに基づいて、他の無線通信装置との間で無線通信を行うための通信パラメータを制御することにより、無線通信装置の間での通信品質を向上しようとしている。
また、干渉波300のレベルの平均値306または中間値308に基づいて送信電力を設定する場合も、最大レベル302による干渉を適切に低減できない。
[第1実施形態]
第1実施形態の無線通信装置の構成を図1のブロック図で示す。
第1実施形態の無線通信装置2は、例えば、車両または道路周辺の路側器に設置され、車両同士の車車間通信、あるいは車両と路側器との間の路車間通信を行うものであり、送受信切替部6を介してアンテナ4に接続された送信部10と受信部30とを備えている。
送信パケット生成部12は、送信データが設定された送信パケットを生成し、変調部14は、送信パケットに設定された送信データにより所定の送信信号を生成する。周波数変換器16は、変調部14において送信データにより生成した送信信号を予め設定された無線通信チャネルの周波数帯に周波数変換し、高周波増幅器18は、周波数変換器16にて周波数変換された送信信号を増幅する。高周波増幅器18にて増幅された送信信号を方向性結合器等からなる送受信切替部6を介してアンテナ4に出力することで、送信信号はアンテナ4から無線送信される。
高周波増幅器32は、アンテナ4にて受信され、送受信切替部6を介して入力される受信信号を増幅し、周波数変換器34は、高周波増幅器32で増幅された受信信号を中間周波数帯またはベースバンドの受信信号に周波数変換する。
また、復調部36では、受信信号の信号レベルが予め設定されたキャリアセンス(CS)レベルに達しているか否かを判断することにより、現在、他の無線通信装置2からの送信電波が届いているか否か、つまり無線通信チャンネルが空いているか否かを判断する。
次に、周期的に発生する干渉波について説明する。例えば、車両に搭載されたエアコン等の駆動力となるブラシ付きモータでは、モータの回転によりブラシと整流子とが摺動すると、干渉波として周期的なインパルスノイズが発生する。
P2=P1×Tp/Ts ・・・(2)
式(1)、(2)から、P2(PER)=Tp/Tinpである。つまり、送信パケット100とインパルスノイズ200とが干渉しエラーとなる確率は、送信パケット100の送信周期に関わらず、パケットの1回の送信時間とインパルスノイズ200の周期とで決定される。
(1)パケットに設定されるデータフィールドのデータ長。データ長が短くなればパケット送信時間は短くなる。
(2)変調方式。例えば、振幅または周波数または位相について多値変調を行う場合の波形種類が多くなれば、同じデータ量に対してパケット送信時間は短くなる。
(3)符号化率。符号化率が向上すれば、同じデータ量に対してパケット送信時間は短くなる。
ここで、PERを算出するときに、インパルスノイズのように周期毎に干渉波が継続して発生する継続時間が無視できる程度に小さい干渉波もあれば、継続時間を無視できないものもある。例えば、車車間通信、路車間通信で使用する無線通信チャネルに、周期的に発生する干渉波として他の通信システムで使用する電波が隣接する通信チャネルから作用する場合、周期毎に継続する干渉波の継続時間を考慮してPERを算出しなければならないことがある。
Pu=Tu/Tinp ・・・(4)
PER=Pi+Pu=(Tp+Tu)/Tinp ・・・(5)
したがって、干渉波が周期毎の継続時間を無視できるインパルスノイズの場合と同様に、PERが所定値以下となるように1回のパケット送信時間Tpを設定すれば、通信システムに要求される通信品質を満たすことができる。
次に、干渉波の周期、あるいは干渉波の周期および周期毎の干渉波の継続時間を干渉波データとして採用した、無線通信装置2における通信処理について図6に基づいて説明する。
干渉波データの所定の測定期間ではないときに(S400:No)、他の無線通信装置2からパケットを受信している場合(S408:Yes)、復調部36は、周波数変換器34にて周波数変換された受信信号から、他の無線通信装置2が送信してきた受信データを復元する(S410)。パケットの受信判定は、受信信号に含まれるプリアンブルを復調部36が検出したか否かにより行われる。
このように、各無線通信装置2において干渉波データとして干渉波の周期、あるいは干渉波の周期および周期毎の干渉波の継続時間を測定し、送信データの一部として送信することにより、干渉波データを受信した無線通信装置2は、送信元の無線通信装置2において、受信データと干渉波とが干渉する確率が所定値以下になるように、送信パケットの1回当たりの送信時間を調整できる。
このように、送信パケットの1回当たりの送信時間を調整することにより、送信電力を増加させることなく、送信元の無線通信装置2における受信データに対する干渉波による干渉を極力低減できる。したがって、干渉波による干渉を低減するために、送信電力が不適切に増加することを防止できる。
第2実施形態の通信処理で採用する干渉波データを設定したパケットを図7の(A)に示す。第2実施形態では、干渉波データとして、干渉波の周期および継続時間に加え、干渉波の周期のいずれかの開始タイミングを測定し、干渉開始データとして送信パケット104に設定する。尚、第2実施形態の無線通信装置の構成は、図1に示す第1実施形態の無線通信装置2と実質的に同一である。
図7の(A)に示す干渉開始データを採用した場合の通信処理について、図8に基づいて説明する。図8において、図6に示すフローチャートと実質的に同一処理を行うステップには同一のステップ番号を付している。図8では、図6のフローチャートに対してS430の処理が追加されている。
そして、制御部20は、自装置に対して送信要求があっても(S416:Yes)、送信先の無線通信装置2から干渉波データとして受信した干渉波の周期、継続時間、および周期のいずれかの開始タイミングに基づいて、送信パケット104が送信先の無線通信装置2の干渉波と干渉するタイミングであると判断すると(S430:No)、送信パケット生成部12に送信パケット104の生成を待機させる。
また、図8のS430の処理が本発明の送信手段を構成する制御手段としての制御部20が実行する機能に相当する。
図9に、第3実施形態による無線通信装置8を示す。第3実施形態では、図10の(A)に示すように、干渉波データ測定部40は、干渉波データとして、干渉波の周期、継続時間、干渉波の周期のいずれかの開始タイミング、および干渉波の信号レベルを測定し、干渉レベルルデータとして送信パケット106に設定する。そして、制御部20は、他の無線通信装置8から受信した干渉波の信号レベルに基づいて、必要に応じて高周波増幅器18の増幅率を設定し、送信データの送信電力を調整する。
図10の(A)に示す干渉波データを採用した場合の通信処理ついて、図11に基づいて説明する。図11において、図6に示すフローチャートと実質的に同一処理を行うステップには同一のステップ番号を付している。図11では、図6のフローチャートに対してS430およびS440の処理が追加されている。
このように、送信データを送信するときに常に送信電力を上昇させるのではなく、干渉レベルデータを送信してきた無線通信装置8に送信する送信データの送信電力を受信データと干渉波とが干渉するときだけ増加するので、送信電力が不適切に増加することを防止できる。
また、図11のS440の処理が本発明の送信手段を構成する制御手段としての制御部20が実行する機能に相当する。
上記実施形態では、自装置で測定した干渉波に関する干渉波データを送信データの一部として送信するとともに、他の無線通信装置が送信してきた受信データから他の無線通信装置で測定した干渉波データを抽出し、抽出した干渉波データに基づいて、干渉波データを送信してきた無線通信装置に送信する送信データを調整した。
Claims (5)
- 他の無線通信装置からの送信電波を受信し、受信データを復元する受信手段と、
周期的に発生し前記受信手段により受信される干渉波に関する干渉波データとして、前記干渉波の周期と前記周期のいずれかの開始タイミングと前記干渉波の信号レベルとを含む干渉レベルデータを測定する干渉波測定手段と、
前記干渉波測定手段により測定された前記干渉レベルデータを送信データの一部として他の無線通信装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記受信手段は、前記受信データから前記干渉レベルデータを抽出し、
前記送信手段は、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波との干渉を避ける場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉レベルデータから前記信号レベルを除いたデータに基づいて、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置に送信データを送信するときの1回当たりの送信時間および送信データの送信タイミングを調整し、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置において前記受信データと前記干渉波とが干渉するときにその干渉を避けない場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉レベルデータのうち前記信号レベルに基づいて、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置に送信する送信データの送信電力を前記受信データと前記干渉波とが干渉するときだけ調整する、
ことを特徴とする無線通信装置。 - 前記干渉波測定手段は、前記干渉波データとして、前記周期毎に発生する前記干渉波の継続時間をさらに含む干渉継続データを測定し、
前記送信手段は、前記干渉波測定手段が測定した前記干渉継続データを送信データの一部として他の無線通信装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記受信手段は、前記受信データから前記干渉継続データを抽出し、
前記送信手段は、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波との干渉を避ける場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉継続データから前記信号レベルを除いたデータに基づいて、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置に送信データを送信するときの1回当たりの送信時間および送信データの送信タイミングを調整し、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置において前記受信データと前記干渉波とが干渉するときにその干渉を避けない場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉継続データのうち前記信号レベルに基づいて、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置に送信する送信データの送信電力を前記受信データと前記干渉波とが干渉するときだけ調整する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。 - 他の無線通信装置からの送信電波を受信して受信データを復元するとともに、他の無線通信装置が受信して測定し送信データの一部として送信してきた、周期的に発生する干渉波に関する干渉波データとして、前記干渉波の周期と前記周期のいずれかの開始タイミングと前記干渉波の信号レベルとを含む干渉レベルデータを前記受信データから抽出する受信手段と、
前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波との干渉を避ける場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉レベルデータから前記信号レベルを除いたデータに基づいて、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置に送信データを送信するときの1回当たりの送信時間および送信データの送信タイミングを調整し、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波とが干渉するときにその干渉を避けない場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉レベルデータのうち前記信号レベルに基づいて、前記干渉レベルデータを送信してきた他の無線通信装置に送信する送信データの送信電力を前記受信データと前記干渉波とが干渉するときだけ調整する送信手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。 - 前記受信手段は、前記干渉波データとして他の無線通信装置が測定した、前記周期毎に発生する前記干渉波の継続時間をさらに含む干渉継続データを前記受信データから抽出し、
前記送信手段は、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波との干渉を避ける場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉継続データから前記信号レベルを除いたデータに基づいて、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置に送信データを送信するときの1回当たりの送信時間および送信データの送信タイミングを調整し、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置における前記受信データと前記干渉波とが干渉するときにその干渉を避けない場合には、前記受信手段が抽出した前記干渉継続データのうち前記信号レベルに基づいて、前記干渉継続データを送信してきた他の無線通信装置に送信する送信データの送信電力を前記受信データと前記干渉波とが干渉するときだけ調整する、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
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