以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電子機器の概略構成を示す正面図であり、図2は、図1に示す携帯電子機器の側面図である。図1、図2に示す携帯電子機器10は、無線通信機能と、出力手段と、音声取得手段とを有する携帯電話機である。携帯電子機器10は、筺体10Cが複数の筐体で構成される。具体的には、筺体10Cは、第1筺体10CAと第2筺体10CBとで開閉可能に構成される。すなわち、携帯電子機器10は、折り畳み式の筐体を有する。なお、携帯電子機器10の筐体は、このような構造に限定されるものではない。例えば、携帯電子機器10の筐体は、両方の筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の筐体であってもよいし、重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に、一方の筐体を回転させるようにした回転式や、2軸ヒンジを介して両方の筐体を連結したものでもよい。
第1筺体10CAと第2筺体10CBとは、連結部であるヒンジ機構18で連結されている。ヒンジ機構18で第1筺体10CAと第2筺体10CBとを連結することにより、第1筺体10CA及び第2筺体10CBは、ヒンジ機構18を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向(図2の矢印Rで示す方向)に回動できるように構成される。第1筺体10CAと第2筺体10CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器10が開き、第1筺体10CAと第2筺体10CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器10が閉じて、折り畳まれた状態となる(図2の点線で示す状態)。
第1筺体10CAには、表示部として、図1に示す透過型スクリーン(以下、単に「スクリーン」ともいう。)12が設けられる。第1筐体10CAには、画像投影部であるプロジェクタ30が設けられており、このプロジェクタ30により、スクリーン12に、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像が投影表示されたり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像が投影表示されたりする。また、第1筐体10CAには、出射窓42が設けられており、プロジェクタ30により出力された光が出射窓42から第1筐体10CAの外部に出力され、投影領域に画像が投影される。また、第1筺体10CAには、携帯電子機器10の通話時に音声を出力する出力手段であるレシーバ16が設けられる。
第2筺体10CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13Aが複数設けられ、また、スクリーン12に投影表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向キー及び決定キー(方向及び決定キー)13Bが設けられる。操作キー13A及び方向キー及び決定キー13Bは、携帯電子機器10の操作部13を構成する。また、第2筺体10CBには、携帯電子機器10の通話時に音声を受け取る音声取得手段であるマイク15が設けられる。操作部13は、図2に示す、第2筺体10CBの操作面10PCに設けられる。操作面10PCとは反対側の面が、携帯電子機器10の背面10PBである。
第2筺体10CBの内部には、アンテナが設けられている。アンテナは、無線通信に用いる送受信アンテナであり、携帯電子機器10と基地局との間で通話や電子メール等に係る電波(電磁波)の送受信に用いられる。また、第2筺体10CBには、マイク15が設けられる。マイク15は、図2に示す、携帯電子機器10の操作面10PC側に配置される。
第1筺体10CAのヒンジ機構18とは反対側には、画像投影部であるプロジェクタ30が設けられる。なお、プロジェクタ30の光出射部は、第1筺体10CAの外部に露出している。このような構成により、プロジェクタ30によって画像を投影対象物に投影することができる。
図3は、図1、図2に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、携帯電子機器10は、処理部22と、記憶部24と、送受信部26と、操作部13と、音声処理部29と、プロジェクタ30と、を有する。処理部22は、携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する機能を有する。すなわち、処理部22は、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部13の操作や携帯電子機器10の記憶部24に記憶されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26、音声処理部29、プロジェクタ30等の動作を制御する。
携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部29、プロジェクタ30等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部29による音声の入出力、プロジェクタ30による画像の投影表示等がある。
処理部22は、記憶部24に記憶されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。処理部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、処理部22は、記憶部24に記憶されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
処理部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。処理部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、プロジェクタ30の駆動を制御するアプリケーションプログラムや、各種の画像ファイル(画像情報)を記憶部24から読み出してデコードするアプリケーションプログラム、及びデコードして得られる画像をプロジェクタ30に投影させたりするアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
本実施形態において、処理部22は、プロジェクタ30の動作を制御するプロジェクタ制御部22a、プロジェクタ30に表示させる画像を加工し、生成する画像処理部22bを有する。プロジェクタ制御部22a、画像処理部22bがそれぞれ有する機能は、処理部22及び記憶部24で構成されるハードウェア資源が、処理部22の制御部が割り当てるタスクを実行することにより実現される。ここで、タスクとは、アプリケーションソフトウェアが行っている処理全体、又は同じアプリケーションソフトウェアが行っている処理のうち、同時に実行できない処理単位である。
記憶部24には、処理部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが記憶されており、上述した、プロジェクタ30の駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、画像処理用プログラムを作動させるタスクが記憶されている。また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に処理部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等が記述されて管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶されている。
なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、処理部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に記憶される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。操作部13は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等、各種の機能が割り当てられた操作キー13Aと、方向キー及び決定キー13Bとで構成される。そして、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として処理部22へ入力される。
音声処理部29は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16やスピーカ17から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部29は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して処理部22へ出力する。また、処理部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16やスピーカ17へ出力する。ここで、スピーカ17は、携帯電子機器10の筺体10C内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。
次に図3及び図4を用いて、プロジェクタ30について説明する。図4は、プロジェクタ30の概略構成を示す説明図である。プロジェクタ30は、スクリーン12及び出射窓42から筺体10Cの外部に出力し投影領域の少なくとも一方に画像を投影する画像投影部である。プロジェクタ30は、画像を光として照射する照射装置32と、照射装置32から出力された画像をスクリーン12に投影するか出射窓42から筺体10Cの外部に出力し投影領域に投影するかを切り換える光学機構40と、を有する。
照射装置32は、光源と、画像データに基づいて前記光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。本実施形態において、照射装置32は、図3及び図4に示すように、光源である可視光照射装置(可視光照射手段)31と、光学系である、描画装置35と、焦点調整装置39とを含んで構成される。可視光照射装置31は、可視光のレーザー光を照射する。可視光領域の光は、短波長側が360nm以上400nm以下、長波長側が760nm以上830nm以下の光であり、本実施形態において、可視光照射装置31は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色の光を照射する。
描画装置35は、可視光照射装置31から照射される3色の光を合成するとともに、画像投影対象に照射する。描画装置35は、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子、及び当該切り換え素子を通過した光をラスター走査させる投影角度調整ミラー35aを含んで構成される。そして、描画装置35は、投影角度調整ミラー35aによって可視光照射装置31から射出されたレーザー光の角度を変えて、画像投影対象にレーザー光を走査させることで、画像投影対象に画像を投影させる。
投影角度調整ミラー35aとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーが用いられる。MEMSミラーは、圧電素子を利用してミラーを駆動して、可視光照射装置31から照射される可視光を走査し、可視画像や不可視画像を生成する。この場合は、ミラーによって光源から照射された光の角度を変えて、画像投影対象の全面に光源から照射された光を走査させることで、画像投影対象に可視画像や不可視画像を投影させることができる。このように、プロジェクタ30は、スキャン方式のプロジェクタである。なお、プロジェクタ30の構成は、上述したレーザーを光源とするものに限定されるものではない。例えば、プロジェクタ30は、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Display)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系に備える構成のプロジェクタを用いてもよい。
焦点調整装置39は、プロジェクタ制御部22aからの指令により、描画装置35から投影される可視画像が画像投影対象上で結像させる機能(焦点調整機能)を有する。焦点調整装置39は、例えば、可動するレンズ等で構成される焦点調整機構を備えており、レンズを動かすことで前記焦点調整機能を実現する。また、焦点調整装置39は、プロジェクタ30が投影する画像のデータに対して画像処理部22bによって所定の画像処理を施すことにより、前記焦点調整機能を実現するものであってもよい。さらに、焦点調整装置39は、焦点調整機能及び画像処理によって前記焦点調整機能を実現するものであってもよい。
次に、光学機構40は、支点45を軸として図中時計方向及び反時計方向に回動可能な表示切り替えミラー(可動式全反射ミラー)44と、全反射ミラー46と、レンズ47と、を含んでいる。表示切り替えミラー44は、プロジェクタ制御部22aからの制御信号に基づいて、支点45を軸として図中時計方向及び反時計方向に回動することで、投影角度調整ミラー35aからの光を図中上方向に反射させる第1の姿勢と、投影角度調整ミラー35aからの光を反射しない(遮らない)第2の姿勢と、を取り得る。また、全反射ミラー46は、表示切り替えミラー44が第1の姿勢である場合、表示切り替えミラー44が反射させた光の経路上に配置されており、反射した光をスクリーン12に向けて反射する。レンズ47は、表示切り替えミラー44が第2の姿勢である場合、照射装置32から出力された光が到達する位置、本実施形態では、出射窓42に配置された光学素子である。レンズ47は、照射装置32から出力された画像を、拡大または縮小させる。なお、レンズ47として、画像を拡大する光学素子を用いるか、画像を縮小する光学素子を用いるかは、使用用途によって選択すればよい。また、レンズ47としては、倍率を変化できる光学系を用いてもよい。
光学機構40は、以上のような構成であり、表示切り替えミラー44が第1の姿勢である場合、照射装置32から出力された光を表示切り替えミラー44によって図中上方向に反射させる。表示切り替えミラー44によって図中上方向に反射された光は、全反射ミラー46によって更に図中右方向に反射され、スクリーン12に入射する。これにより、照射装置32から出力された光はスクリーン12に到達し、スクリーン12に画像が投影される。一方、光学機構40は、表示切り替えミラー44が第2の姿勢である場合、照射装置32から出力された光を、レンズ47を通過させて筐体10CAの外部に出射する。これにより、照射装置32から出力された光は、筺体外部の壁面、スクリーン等に到達し、壁面、スクリーン等に画像を投影させる。
図5は、携帯電子機器10のプロジェクタ30で画像を投影(表示)させている状態を示す説明図である。携帯電子機器10は、表示切り替えミラー44を第1の姿勢とし、プロジェクタ30から画像を投影することで、図5に示すように、スクリーン12に画像を投影させることができる。また、携帯電子機器10は、表示切り替えミラー44を第2の姿勢とし、プロジェクタ30から画像を投影することで、図5に示すように、プロジェクタ30の画像投影面と対向する位置の画像投影対象(例えば、壁面やスクリーン等)のうち、所定の領域(投影領域)PAに画像を投影させることができる。なお、プロジェクタ30は、処理部22により動作が制御され、処理部22から送られる種々の映像、例えば静止画や動画等を投影し、投影領域PAやスクリーン12に表示させる。携帯電子機器10は、基本的に以上のような構成である。
次に、図6−1及び図6−2を用いて、携帯電子機器の動作を説明する。図6−1は、スクリーン12に画像を投影する場合の携帯電子機器を示す模式図である。図6−2は、携帯電子機器の外部の壁、スクリーン等に画像を投影する場合の携帯電子機器を示す模式図である。
図6−1に示すように、スクリーン12に画像を投影する場合、可動式全反射ミラー44は、プロジェクタ制御部22aからの制御信号に基づいて第1の姿勢となり、照射装置32から図中左方向に照射される光を図中上方向に反射する。表示切り替えミラー44によって図中上方向に反射された光は、全反射ミラー46によって更に図中右方向に反射され、筐体10CAに取り付けられたスクリーン12に入射し、スクリーン12にスクリーン表示画像101が投影される。
図6−2に示すように、携帯電子機器10外部の壁面等に画像を投影する場合、可動式全反射ミラー44は、プロジェクタ制御部22aからの制御信号に基づいて第2の姿勢となり、照射装置32から図中左方向に照射される光は筐体10CAに取り付けられたレンズ47を透過して、壁面等に投影表示画像102が投影される。
図6−1及び図6−2に示すように、表示切り替えミラー44を用いた場合、光のロスを少なくすることができる。また、スクリーン表示画像101、投影表示画像102の一方だけを表示させる場合に、シャッター等の部材を必要としない。
図7は、スクリーン表示画像101及び投影表示画像102を時系列に並べた説明図である。本実施形態では、スクリーン表示時(図6−1参照)と投影表示時(図6−2)とで別々の画像データ(別々のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを異なる画像とすることができる。また、スクリーン表示時(図6−1参照)と投影表示時(図6−2)とで同一の画像データ(同一のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを同一の画像とすることもできる。
図8〜図10は、スクリーン表示画像101及び投影表示画像102の表示順序の例を示す説明図である。図8に示すように、スクリーン表示画像101のフレーム全体を表示し、その後で投影表示画像102のフレーム全体を表示するようにしても良い。この場合、表示切り替えミラー44の姿勢変化回数を少なくすることができ、表示切り替えミラー44の負荷を低減することができる。また、スクリーン表示画像101を投影してから投影表示画像102を投影するまでにタイムラグを設けることができるので、ユーザがスクリーン表示画像101の内容を確認した後に操作部13を操作したら投影表示画像102を投影するようにすることで、投影表示画像102の投影の可否を決定することができる。
また、図9に示すように、スクリーン表示画像101のフレームを構成する各行と投影表示画像102のフレームを構成する各行とを、行単位で交互に表示するようにしても良い。この場合、スクリーン表示画像101の表示と投影表示画像102の表示との間のタイムラグを少なくすることができる。なお、スクリーン表示画像101のフレームを構成する各列と投影表示画像102のフレームを構成する各列とを、列単位で交互に表示するようにしても良い。
また、図10に示すように、スクリーン表示画像101のフレームを構成する各画素と投影表示画像102のフレームを構成する各画素とを、画素単位で交互に表示するようにしても良い。この場合、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とが同一であれば、投影角度調整ミラー35a(図4参照)の駆動回数を少なくすることができ、投影角度調整ミラー35aの負荷を低減することができる。
図11−1〜図11−4は、表示画像101、102の各々の表示の際に、各表示画像101、102を構成する複数の画素を表示する順序の例を示す説明図である。図11−1に示すように、各表示画像101、102を構成する複数の行を一方向(図11−1では、図中左から右への方向)に表示するようにしてもよい。この場合、テレビジョンのラスタスキャンと同様であるので、プロジェクタ制御部22a又は画像処理部22bを実現するプログラムの作成が容易となる。
また、図11−2に示すように、各表示画像101、102を構成する複数の行を双方向(図11−2では、図中左から右への方向と図中右から左への方向)に往復するように表示してもよい。この場合、投影角度調整ミラー35aの駆動(動き)の無駄を少なくすることができ、投影角度調整ミラー35aの負荷を低減することができる。
また、図11−3に示すように、各表示画像101、102を構成する複数の画素を中央部から外周部に向かって螺旋状に表示するようにしてもよい。この場合、投影角度調整ミラー35aの駆動(動き)の無駄を少なくすることができ、投影角度調整ミラー35aの負荷を低減することができる。また、表示画像101、102の中央部が先に表示されるので、ユーザが表示画像101、102の中央部を見て画像の内容の判断を行い、操作部13を操作することで、表示画像101、102の表示をスキップさせることができる。
また、図11−4に示すように、各表示画像101、102を構成する複数の画素を外周部から中央部に向かって螺旋状に表示するようにしてもよい。この場合、投影角度調整ミラー35aの駆動(動き)の無駄を少なくすることができ、投影角度調整ミラー35aの負荷を低減することができる。
本実施形態に係る携帯電子機器10によれば、LCD、有機EL(Organic Electro Luminescence)等の表示デバイスを備える必要がないので、コストを低減することができる。また、LCD、有機EL等の表示デバイスは外部から力が加わると割れやすいので、信頼性等の課題が多い。一方、携帯電子機器10によれば、筐体10Cの内部にプロジェクタ30が内蔵されているので、外部からの力がプロジェクタ30に加わり難く、取り扱い、信頼性等の面で優れている。また、1つのプロジェクタ30でスクリーン表示画像及び投影表示画像を表示できるので、プロジェクタ30の利用効率を高くすることができる。また、携帯電子機器10のスクリーン12に画像を表示するとともに、スクリーン12に表示される画像と同じ画像を壁面等に投影できるので、携帯電子機器10の操作者だけではなく、周りの人も操作者と同じ画像を見ることができる。また、投影角度調整ミラー35aとしてMEMSを利用することで、携帯電子機器10と壁面等との距離が変わっても画像をきれいに投影することができる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の全体構成は、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器(図1〜図3参照)と同様である。本実施形態に係る携帯電子機器では、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器の表示切り替えミラー(可動式全反射ミラー)44に代えて、固定式の半透明ミラー48を備えている。
図12に示すように、照射装置32から図中左方向に照射される光の一部は、半透明ミラー48によって図中上方向に反射される。半透明ミラー48によって図中上方向に反射された光は、全反射ミラー46によって更に図中右方向に反射され、スクリーン12に入射し、スクリーン12にスクリーン表示画像101が投影される。また、照射装置32から図中左方向に照射される光の他部は、半透明ミラー48を透過し、更にレンズ47を透過して、壁面等に投影表示画像102が投影される。
本実施形態に係る携帯電子機器のように半透明ミラー48を用いた場合、照射装置32からの一度の光出射でスクリーン12側及び壁面側の両方に画像を投影することができる。また、スクリーン表示画像101の表示と投影表示画像102の表示との間の時間的ロスを少なくすることができる。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の全体構成は、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器(図1〜図3参照)と同様である。本実施形態に係る携帯電子機器では、先に説明した第2の実施形態に係る携帯電子機器の全反射ミラー46と透過型スクリーン12との間に、図中左右方向に凸状且つ紙面に垂直な方向に柱状のレンズ50を備えている。なお、レンズ50は、図中左方向又は図中右方向の少なくとも一方に凸状であれば良い。
図13に示すように、照射装置32から図中左方向に照射される光の一部は、半透明ミラー48によって図中上方向に反射される。半透明ミラー48によって図中上方向に反射された光は、全反射ミラー46によって更に図中右方向に反射され、レンズ50によって図中上下方向に反転屈折され、スクリーン12に入射し、スクリーン12にスクリーン表示画像101が投影される。また、照射装置32から図中左方向に照射される光の他部は、半透明ミラー48を透過し、更にレンズ47を透過して、壁面等に投影表示画像102が投影される。
先に説明した第2の実施形態に係る携帯電子機器では、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とが、図中上下方向に反転して表示される。一方、本実施形態に係る携帯電子機器のように、全反射ミラー46と透過型スクリーン12との間にレンズ50を配置すれば、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とが図中上下方向に反転して表示されることを防止することができる。なお、レンズ50の形状を図中左右方向に凸状且つ紙面に垂直な方向に柱状としたのは、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とは、紙面に垂直な方向には反転しないためである。
また、本実施形態に係る携帯電子機器のように半透明ミラー48を用いた場合、照射装置32からの一度の光出射でスクリーン12側及び壁面側の両方に画像を投影することができる。また、スクリーン表示画像101の表示と投影表示画像102の表示との間の時間的ロスを少なくすることができる。
図14は、本発明の第4の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の全体構成は、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器(図1〜図3参照)と同様である。本実施形態に係る携帯電子機器では、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器の表示切り替えミラー44に代えて、固定式の半透明ミラー48を備えている。また、半透明ミラー48の図中上方には、全反射ミラー49が、その反射面が図中水平方向になるように配置されている。
図14に示すように、照射装置32から図中上方向に照射される光の一部は、半透明ミラー48を透過する。半透明ミラー48を透過して図中上方向に進んだ光は、全反射ミラー49によって図中下方向に反射され、更に半透明ミラー48によって図中右方向に反射され、スクリーン12に入射し、スクリーン12にスクリーン表示画像101が投影される。また、照射装置32から図中上方向に照射される光の他部は、半透明ミラー48によって図中左方向に反射され、レンズ47を透過して、壁面等に投影表示画像102が投影される。
先に説明した第2の実施形態に係る携帯電子機器では、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とが、図中上下方向に反転して表示される。一方、本実施形態に係る携帯電子機器では、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とが図中上下方向に反転して表示されることを防止することができる。また、本実施形態に係る携帯電子機器のように半透明ミラー48を用いた場合、照射装置32からの一度の光出射でスクリーン12側及び壁面側の両方に画像を投影することができる。また、スクリーン表示画像101の表示と投影表示画像102の表示との間の時間的ロスを少なくすることができる。
なお、本実施形態に係る携帯電子機器では、スクリーン表示画像101の光が弱くなる(画像が暗くなる)可能性があるが、壁面等に投影される投影表示画像102の光が強い(画像が明るい)ニーズが大きい場合が多いと考えられるので、問題はないと考えられる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る携帯電子機器について説明する。図15は、本実施形態に係る携帯電子機器の概略構成を示す斜視図である。携帯電子機器60は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器60は、1つの箱型形状の筐体61の内部に各部が収納されたストレート形状の携帯電話機である。
筐体61には、表示部として、図15に示すスクリーン12が設けられる。スクリーン12には、所定の画像として、携帯電子機器60が受信を待機している状態のときに待ち受け画像が表示されたり、携帯電子機器60の操作を補助するために用いられるメニュー画像が表示される。
筐体61には、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13Aが複数設けられている。また、筐体61には、携帯電子機器60の通話時に音声を受け取るマイク15、携帯電子機器60の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられる。
また、筐体61の上面(一辺が、操作キー13Aが設けられる面の短い方の辺と接している面)には、画像を投影するプロジェクタ30の光射出部34aが設けられている。
なお、携帯電子機器60の内部機能構成は、先に説明した第1の実施形態に係る携帯電子機器10(図3参照)と同様である。
図16は、スクリーン12及び携帯電子機器が外部の壁面、スクリーン等に画像を投影する場合の携帯電子機器を示す模式図である。図16に示すように、スクリーン12は、筐体61の図中右側部に取り付けられており、壁面は、図中上側に配置されている。ここで、照射装置32内の発光源31aの光出射方向を図中時計回り及び図中反時計回りに回動可能とし、発光源31aの光出射方向を図中右方向にすればスクリーン12にスクリーン表示画像101を表示させることができ、発光源31aの光出射方向を図中上方向にすれば壁面に投影表示画像102を表示させることができる。この場合、スクリーン表示時と投影表示時とで別々の画像データ(別々のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを異なる画像とすることができる。また、スクリーン表示時と投影表示時とで同一の画像データ(同一のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを同一の画像とすることもできる。
図17は、本発明の第6の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の構成は、先に説明した第5の実施形態に係る携帯電子機器(図15〜図16参照)と同様である。図17に示すように、照射装置32を図中時計回り及び図中反時計回りに回動可能とし、照射装置32の光出射方向を図中右方向にすればスクリーン12にスクリーン表示画像101を表示させることができ、照射装置32の光出射方向を図中上方向にすれば壁面に投影表示画像102を表示させることができる。この場合、スクリーン表示時と投影表示時とで別々の画像データ(別々のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを異なる画像とすることができる。また、スクリーン表示時と投影表示時とで同一の画像データ(同一のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを同一の画像とすることもできる。
図18は、本発明の第7の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の構成は、先に説明した第5の実施形態に係る携帯電子機器(図15〜図16参照)と同様である。図18に示すように、照射装置32の光出射方向を図中上方向とし、その光路上に半透明ミラー48を配置すれば、スクリーン12にスクリーン表示画像101を表示させるとともに、壁面に投影表示画像102を表示させることができる。この場合、照射装置32を回動させる必要をなくすことができる。
図19は、本発明の第8の実施形態に係る携帯電子機器を示す模式図である。なお、本実施形態に係る携帯電子機器の構成は、先に説明した第5の実施形態に係る携帯電子機器(図15〜図16参照)と同様である。図19に示すように、照射装置32の光出射方向を図中上方向とし、支点45を軸として図中時計方向及び反時計方向に回動可能な表示切り替えミラー44を備えるようにしてもよい。可動式全反射ミラー44は、プロジェクタ制御部22aからの制御信号に基づいて、支点45を軸として図中時計方向及び反時計方向に回動することで、照射装置32からの光を図中右方向に反射させる第1の姿勢と、照射装置32からの光を反射しない(遮らない)第2の姿勢と、を取り得る。可動式全反射ミラー44が第1の姿勢である場合、可動式全反射ミラー44によって図中右方向に反射された光は、スクリーン12に入射し、スクリーン12にスクリーン表示画像101が表示される。一方、可動式全反射ミラー44が第2の姿勢である場合、照射装置32からの光は、筐体61の外部に出射し、壁面、スクリーン等に投影表示画像102が表示される。
このように可動式全反射ミラー44を用いる場合、半透明ミラー48を用いる場合(図18参照)よりも、光がスクリーン12や壁面等に伝わる率を高くすることができ、画像を明るくすることができる。また、スクリーン表示画像101、投影表示画像102の一方だけを表示させる場合に、シャッター等の部材を必要としない。また、スクリーン表示時と投影表示時とで別々の画像データ(別々のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを異なる画像とすることができる。また、スクリーン表示時と投影表示時とで同一の画像データ(同一のフレームメモリ)を参照することにより、スクリーン表示画像101と投影表示画像102とを同一の画像とすることもできる。
なお、上記実施形態では、照射装置として光を走査させ、1画素ずつ描画することで1フレームの画像を描画する走査型画像投影機構を用いたがこれに限定されない。例えば、照射装置としては、1フレーム分の画像を描画した液晶パネルに光を投影させて出力することで、1フレーム分の画像を投影する画像投影機構も用いることができる。
また、上記実施形態では、筺体外部の投影領域に出力する画像をレンズにより拡大縮小するようにしたが、スクリーンに投影する画像も同様にレンズにより拡大縮小するようにしてもよい。装置が小型化すると照射装置からスクリーンまでの距離が短くなるため、レンズにより画像を拡大することでスクリーンにより大きな画像を投影することができる。