JP5551914B2 - エレクトレット及びその製造方法並びにエレクトレットを備える静電誘導型変換素子 - Google Patents

エレクトレット及びその製造方法並びにエレクトレットを備える静電誘導型変換素子 Download PDF

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本発明は、エレクトレット及びその製造方法並びにエレクトレットを備える静電誘導型変換素子の改良に関する。
従来より、絶縁材料に電荷を注入したエレクトレットを使用した発電装置、マイクロフォン等の静電誘導型変換素子が提案されている。このような、エレクトレットを使用した装置においては、電気エネルギと運動エネルギとの変換効率が高いことが知られている。例えば、下記特許文献1にも、エレクトレットを使用した静電アクチュエータの例が開示されている。
また、図9(a),(b)には、上記従来のエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の製造方法の例が示される。図9(a)において、基材10の一方の面に樹脂等で絶縁材料層12を形成し、この絶縁材料層12にコロナ放電、電子ビーム等により発生した電荷を注入することによりエレクトレットを形成する。次に、図9(b)に示されるように、一定の間隙を介して金属板26を絶縁材料層12に対向配置し、発電装置、マイクロフォン等の静電誘導型変換素子を形成する。この際、素子の効率を高めるには、間隙を狭くする必要がある。
特開2005−229707号公報
上記従来の技術においては、コロナ放電、電子ビーム等により絶縁材料層12に電荷を注入する際に、コロナ放電等により発生した電荷を、直接上記絶縁材料層12に当てる必要があった。これは、例えば微少な間隙の開口から電荷を絶縁材料層に注入することが困難だからである。このため、図9(a),(b)に示されるように、素子を分離した状態で電荷の注入を行った後に素子を組み立てるという工程となっていた。
しかし、上記の組立工程は高い精度が要求されるとともにコストがかかるため、図10に示すように、単一の基材10を加工して素子を形成することにより、素子の組立を不要とすることが望ましい。図10では、単一の基材10から、フォトリソグラフィー、深堀り反応性イオンエッチング等により加工された、櫛状の電極部分10a,10bを有する素子の例が示されている。ここで、絶縁材料層は、例えば上記櫛状の電極部分10a,10bの表面に形成する必要がある。しかし、この場合、絶縁材料層は、櫛状の電極部分10a,10bの垂直面に形成されるので、コロナ放電、電子ビーム等により電荷を絶縁材料層に注入することは不可能である。また、一旦分解して電荷を注入した後に微小な間隙を保ったまま組み立てることは極めて困難である。このため、上記従来の方法ではエレクトレット及びこれを使用した静電誘導型変換素子を形成することができないという問題があった。
本発明の目的は、基材表面に対して垂直に形成され,微少な間隙を介して対向配置されたエレクトレット及びその製造方法並びにエレクトレットを備える静電誘導型変換素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のエレクトレットの発明は、単一の基材に形成され、所定の間隔以内の間隙を介して対向する、前記基材の表面に垂直な対向面と、前記対向面に形成された絶縁材料層と、前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射することで、前記絶縁材料層の表面付近に注入された電荷と、を備え、前記間隙の深さをh、前記間隙の間隔をg、前記対向する面に直交する方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とする。
請求項2記載のエレクトレットの発明は、単一の基材に形成された前記基材の表面に垂直な対向面の各々に、相互に所定の間隔以内の間隙を保って設けられ、自身が設けられた対向面に対向する他の対向面と所定の間隙を保ちながら交互に配置されてかみ合った板状突起部と、前記板状突起部の表面に形成された絶縁材料層と、前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射することで、前記絶縁材料層の表面付近に注入された電荷と、を備え、前記間隙の深さをh、前記間隙の間隔をg、前記基材の対向面に直交する方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とする。
請求項3記載のエレクトレットの製造方法の発明は、単一の基材に間隙を形成し、前記間隙を介して対向する面に絶縁材料層を形成し、前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射し、前記絶縁材料層の表面付近に電荷を注入する、工程を有し、前記間隙部の深さをh、前記間隙部の間隔をg、前記軟X線の照射方向とは異なる方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とする。
請求項4記載の静電誘導型変換素子の発明は、請求項1または請求項2に記載のエレクトレットを備えることを特徴とする。
本発明によれば、単一の基材表面に対して垂直に形成され,微少な間隙を介して対向配置されたエレクトレットを提供できる。
実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の構成例を示す図である。 実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の形成方法の説明図である。 図2に示されたエレクトレットにおいて、軟X線を照射した間隙の開口からの距離と、絶縁材料層に注入された電荷量との関係を示す図である。 実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の他の構成例を示す図である。 図4に示された静電誘導型変換素子の製造工程の例を示す図である。 絶縁材料層に電荷を注入する工程の説明図である。 図4に示された静電誘導型変換素子の出力電圧の測定結果を示す図である。 静電誘導型変換素子の振動の振幅を変更した場合における出力電圧の電圧振幅の測定結果を示す図である。 従来のエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の製造方法の例を示す図である。 単一の基材から加工した素子の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の構成例が示される。ここで、静電誘導型変換素子は、電気エネルギと運動エネルギとの変換を行う素子であり、例えば加速度計等の計測装置、発電装置、マイクロフォン、リニアアクチュエータ等に使用することができる。
図1において、静電誘導型変換素子は、板状の単一の基材10に間隔gの間隙が溝加工により形成されており、基材10の表面に垂直な加工面同士が対向配置されている。また、基材10の互いに対向する垂直な加工面には樹脂材料、酸化物等で構成された絶縁材料層12が形成されている。また、二つの基材10は、保持部材14により絶縁材料層12が形成された面に略平行に移動可能に保持されている。なお、図1に示された保持部材14は、バネの形状となっているが、これは概念図であり、二つの基材10を絶縁材料層12が形成された面に略平行に移動可能に保持できる部材であれば限定されない。
また、上記絶縁材料層12には、その表面付近に電荷が注入されており、エレクトレットが形成されている。ここで、上記間隙の間隔(絶縁材料層12の互いに対向する表面の間隔)がgであり、間隙の深さをh、基材10の互いに対向する垂直な加工面に直交する方向における各基材10の幅(絶縁材料層12の厚さを含む)をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧hとなっている。なお、間隙の深さhは、間隙の開口からの長さであり、図1に示された例の他、これに直交する方向における間隙の開口からの長さであってもよい。上記間隙の間隔gが200μm以下となっているのは、この値より広い間隔では、エレクトレットにより発生する静電誘導起電力が小さくなり、エレクトレットを使用した静電誘導型変換素子として動作させることが困難だからである。
ここで、上記間隙の間隔gは、200μm以下の微少な間隔であり、保持部材14等とともに、フォトリソグラフィー、深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)等の微細加工可能な方法により形成される。このため、二つの基材10を別々に形成し、各基材10の面上に絶縁材料層12を形成してコロナ放電等により電荷を注入し、その後、上記絶縁材料層12を対向配置して上記エレクトレットを形成することは困難である。そこで、本実施形態では、間隙の開口から軟X線を照射して、間隙内部の絶縁材料層12に電荷を注入する方法によりエレクトレットを形成した。
図2には、実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の形成方法の説明図が示される。なお、図2では、保持部材14は省略している。
図2において、シリコン等の材料で構成された基材10をフォトリソグラフィー、深堀り反応性イオンエッチング等の微細加工可能な方法により加工して、基材10に間隔(g+2α)の間隙を形成する、次に、この間隙を介して対向する面に絶縁材料層12を厚さαで形成する。この結果、間隙の間隔はgとなる。絶縁材料層12としては、ポリパラキシリレン等の樹脂またはSiO等の酸化膜を使用することができるが、これらに限定されるものではない。絶縁材料層12を樹脂で形成する場合には、パラキシリレン等の樹脂モノマーをガス状で基材10の間隙内に供給し、これを基材10の表面で重合する。また、絶縁材料層12を酸化膜で形成する場合には、基材10を加熱する等の方法により基材10の表面を酸化する。図2の例では、ポリパラキシリレン層を2μm形成して絶縁材料層12とした。なお、図2の例では、絶縁材料層12が、上記間隙を介して対向する面の両方に形成されているが、少なくとも一方の面に形成されればよい。
次に、軟X線照射装置16により、上記間隙の一つの開口から軟X線を照射する。ここで、軟X線は、10keV以下のエネルギーのX線をいう。本実施形態では、9.5keVのX線を使用した。また、軟X線の照射時間は10分間としたが、必要な表面電位等に応じて適宜決定することができる。軟X線を照射する際には、対向配置された基材10の間にバイアス電圧源18からバイアス電圧を印加した。本実施形態では、バイアス電圧を100Vとした。
軟X線は、エネルギーが低いX線であるので、酸素、窒素等の空気中の成分に吸収され、これらの成分をイオン化する。このため、軟X線が上記間隙の開口から間隙中に進入すると、間隙中の空気成分をイオン化することになる。このときに発生する正イオンと負イオンとは、上記基材10の間に印加したバイアス電圧により、それぞれ基材10の表面に形成された絶縁材料層12に引き寄せられ、絶縁材料層12の表面付近に注入されて蓄積される。これにより、絶縁材料層12がエレクトレットとなる。
なお、上述したように、基材10の幅Wが間隙の深さhに対してW≧hとなっており、軟X線が基材10の幅を透過することが困難であるので、基材10の幅方向から軟X線を照射して絶縁材料層12に電荷を注入することはできない。従って、本実施形態のように、基材10の厚さ方向(間隙の深さ方向)から間隙の開口を通して軟X線を間隙中に進入させる必要がある。
図3には、図2のエレクトレットにおいて、軟X線を照射した間隙の開口からの距離と、絶縁材料層12に注入された電荷量との関係が示される。図3では、横軸が開口からの距離(mm)であり、縦軸が絶縁材料層12の表面電位(V)である。また、間隙の間隔gは、300μm、150μm、70μmの3種類で電荷注入の測定を行った。なお、上記開口からの距離は、図2にlとして示される。また、表面電位は、基材10を間隙で分解し、各絶縁材料層12の表面電位を静電電圧計により測定した。
図3に示されるように、開口から一定の距離の範囲では、表面電位がバイアス電圧とほぼ同等の値となり、その後開口からの距離が長くなるにしたがって表面電位が減衰する。ここで、上記開口から一定の距離の範囲は、間隙の間隔gの値毎に異なっている(gが小さいほど上記一定の距離も小さくなる)が、間隙の間隔gのおよそ20倍程度となっている。従って、エレクトレットの使用目的に応じて適切なバイアス電圧を選択するとともに、間隙の深さ(図2の距離l)も適宜設定することにより、表面電位がほぼ一定のエレクトレットが形成された間隙を構成することができる。例えば、間隙の間隔gが2〜3μmの素子の場合、間隙の深さ40〜60μmまで表面電位が一定のエレクトレットを形成することができる。
図4(a),(b)には、実施形態にかかるエレクトレットを使用した静電誘導型変換素子の他の構成例が示される。図4(a)では、単一の基材10の一部に、H形状に加工されたH形状素子20が形成されている。このH形状素子20は、周囲の基材10と切り離され、バネとして機能する保持部材14により周囲の基材10と接続され、保持されている。また、H形状素子20の両端面とこれに対向配置される基材10の面とが対向面を構成し、この対向面の各々に、所定の間隙を保ちながら交互に配置されてかみ合った板状突起部22が形成されている。
図4(b)には、上記板状突起部22の部分拡大図が示されている。図4(b)に示されるように、板状突起部22は、H形状素子20(基材10)の表面に垂直な対向面24の双方から交互に伸びており、板状突起部22間に一定の間隔の間隙が維持されている。この板状突起部22は、自身が形成された対向面に対向する他の対向面、すなわちH形状素子20に形成された板状突起部22は基材10の対向面と、基材10に形成された板状突起部22はH形状素子20の対向面ともそれぞれ所定の間隙を保って形成されている。また、板状突起部22の相互に一定の間隔で対向する面もH形状素子20の表面に垂直となっている。なお、板状突起部22は対向面24に直交する方向だけではなく、斜め方向であってもよい。
図4(a),(b)に示された静電誘導型変換素子は、シリコン等の材料で構成された基材10を、フォトリソグラフィー、深堀り反応性イオンエッチング等により微細加工して製造する。また、板状突起部22の表面には、ポリパラキシリレンまたはSiO等の絶縁材料層12が形成されている。この絶縁材料層12の表面付近には電荷が注入され、エレクトレットが形成されている。なお、本実施形態においては、板状突起22間の間隙の間隙をg、H形状素子20と対向配置され、板状突起部22が形成された基材10の対向面24に直交する方向における基材10の幅をW、上記間隙の深さ(H形状素子20のH形状の面に直交する方向におけるH形状素子20の厚さ)をhとすると、g≦200μm、h>2g、W≧hの関係なっている。
ここで、図4(a)に示された静電誘導型変換素子は、保持部材14の機能により矢印Aの方向に、板状突起部22と上記他の対向面との間隙より小さい振幅で振動することができ、エレクトレットにより発生した誘導起電力を外部に取り出すことができる。これにより、加速度計等の計測装置、発電装置、マイクロフォン等として動作することができる。
以下に、本実施形態の具体例を実施例として説明する。本実施例は、図4に示された静電誘導型変換素子の製造及び評価に関するものであるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図5(a)〜(f)には、図4に示された静電誘導型変換素子の製造工程の例が示される。図5(a)において、シリコン層100、酸化シリコン(SiO)層102、シリコン層100の順で積層された単一の基板(図4の基材10に相当する)の上面に、銅、金またはクロム等の金属層104を蒸着等により積層する。このとき、図5(a)の基板は500μmの厚さであり、基板上段のシリコン層100は80μmの厚さである。なお、上記金属層104は、エレクトレットで発生した誘導起電力を取り出す電極として使用される。
次に、図5(b)に示されるように、フォトレジスト106をパターニングし、フォトリソグラフィーにより金属層104をフォトレジスト106のパターンに従ってエッチングする。その後、図5(c)に示されるように、深堀り反応性イオンエッチングによりシリコン層100を上記フォトレジスト106のパターンに従って80μmエッチングする。これにより、図4に示された保持部材14、H形状素子20、板状突起部22が形成される。また、この後、上記フォトレジスト106は除去する。
次に、図5(d)において、基板の下段側(酸化シリコン層102に対して金属層104を形成した面と反対側)の面にフォトレジスト106をパターニングし、深堀り反応性イオンエッチングにより上記フォトレジスト106のパターンに従って下段側シリコン層100をエッチングする。その後、図5(e)に示されるように、フッ化水素(HF)ガス等により、上記フォトレジスト106のパターンに従って酸化シリコン層102をエッチングする。また、この後、上記フォトレジスト106は除去する。これにより、H形状素子20と板状突起部22とが基板から独立し、保持部材14に保持されつつ所定の運動が可能となる。なお、保持部材14は、図示しない部分で基板に接続されている。
次に、図5(f)において、1.5μmの厚さでポリパラキシリレン(製品名パリレン−C)層を絶縁材料層12として形成する。形成したポリパラキシリレン層には、軟X線を基板に形成された間隙の開口から照射して電荷を注入し、エレクトレットを形成する。
図6には、図5(f)における絶縁材料層12に電荷を注入する工程の説明図が示される。図6では、図4に示された静電誘導型変換素子の板状突起部22が部分的に示されている。
図6において、部分的に示されたH形状素子20と基材10とには、図5(a)〜(e)の工程により板状突起部22が形成されている。また、板状突起部22の表面には、図5(f)の工程により絶縁材料層12が形成されている。
上記H形状素子20に形成された板状突起部22と基材10に形成された板状突起部22との間には、バイアス電圧源18からバイアス電圧100Vが印加されている。この状態で、軟X線照射装置16により上記板状突起部22の間隙に9.5keVのエネルギーの軟X線を照射する。このときの軟X線の照射方向は、図4(a)に示された板状突起部22が形成された間隙の開口から間隙の内部に向かう方向である。これにより、板状突起部22の間隙に存在する酸素、窒素等の空気の成分がイオン化し、発生したイオン(電荷)が上記バイアス電圧に引かれて絶縁材料層12の表面付近に注入される。
図7には、図4に示された静電誘導型変換素子の出力電圧の測定結果が示される。図7の例では、横軸が経過時間、縦軸が出力電圧であり、静電誘導型変換素子全体を、振幅18.7μm、振動数500Hzで振動させ、絶縁材料層12に形成されたエレクトレットで発生する誘導起電力を、10MΩの抵抗の両端電圧として測定した結果が示されている。図7に示されるように、出力電圧は、静電誘導型変換素子の振動にあわせて正弦波状となっている。また、このときの電圧振幅は、およそ30mVであり、外部電源なしに比較的大きな電圧出力が得られている。
図8には、図7における静電誘導型変換素子の振動の振幅を変更した場合における出力電圧の電圧振幅の測定結果が示される。図8において、横軸が静電誘導型変換素子の振動の振幅であり、縦軸が電圧振幅である。また、静電誘導型変換素子を振動させる振動数は500Hzとした。図8では、実線が予め算出した静電誘導型変換素子の振動の振幅に対する電圧振幅を示し、黒丸が実測値を示している。図8に示されるように、実測値は計算値とよく一致した。これにより、本実施例で作製したエレクトレットが正常に動作していることがわかった。
10 基材、10a,10b 櫛状の電極部分、12 絶縁材料層、14 保持部材、16 軟X線照射装置、18 バイアス電圧源、20 H形状素子、22 板状突起部、24 対向面、26 金属板、100 シリコン層、102 酸化シリコン層、104 金属層、106 フォトレジスト。

Claims (4)

  1. 単一の基材に形成され、所定の間隔以内の間隙を介して対向する、前記基材の表面に垂直な対向面と、
    前記対向面に形成された絶縁材料層と、
    前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射することで、前記絶縁材料層の表面付近に注入された電荷と、
    を備え、
    前記間隙の深さをh、前記間隙の間隔をg、前記対向する面に直交する方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とするエレクトレット。
  2. 単一の基材に形成された前記基材の表面に垂直な対向面の各々に、相互に所定の間隔以内の間隙を保って設けられ、自身が設けられた対向面に対向する他の対向面と所定の間隙を保ちながら交互に配置されてかみ合った板状突起部と、
    前記板状突起部の表面に形成された絶縁材料層と、
    前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射することで、前記絶縁材料層の表面付近に注入された電荷と、
    を備え、
    前記間隙の深さをh、前記間隙の間隔をg、前記基材の対向面に直交する方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とするエレクトレット。
  3. 単一の基材に間隙を形成し、
    前記間隙を介して対向する面に絶縁材料層を形成し、
    前記対向する面の間に所定の電位差を印加しつつ前記間隙の一つの開口から軟X線を照射し、前記絶縁材料層の表面付近に電荷を注入する、工程を有し、
    前記間隙部の深さをh、前記間隙部の間隔をg、前記軟X線の照射方向とは異なる方向における前記基材の幅をWとすると、g≦200μm、h>2g、W≧h、であることを特徴とするエレクトレットの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のエレクトレットを備えることを特徴とする静電誘導型変換素子。
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