JP5551879B2 - 圧延機 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金等からなる金属製板材の圧延材を圧延した際に、ワークロールのロール表面に付着するロールコーティング(酸化皮膜)を除去するブラシロールを備えた圧延機に関する。
従来から、圧延材を冷間圧延や熱間圧延を行った場合には、圧延材の磨耗粉が発生し、その磨耗粉がワークロールのロール表面に付着してロールコーティングされる。ロールコーティングは、圧延加工した際に、そのコーティングの一部が脱落して圧延材の被圧延面に付着したり、ワークロールのロール表面に不均一な状態に付着したりして、その不均一な形状が圧延材の被圧延面に転写される。このため、ロールコーティングは、圧延材の被圧延面に表面欠陥を発生させたり、その被圧延面に光沢むらを発生させたりして、圧延板の被圧延面の表面品質を悪化させるという問題点がある。
このようなロールコーティングを除去する手段としては、従来から、ワークロールをブラシロールに接触させながら回転させることによって除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特に、アルミニウム製の圧延製品は、キャン材及び箔等の包装材料や、それらに印刷する印刷版支持体用材料や、自動車のパネル材や、各種のパネル材等に多く使用されている。そのため、圧延加工されたアルミニウム製の圧延製品は、被圧延面の美麗さが要求され、ロールコーティングを除去したり、均一に切削したりすることが不可欠となっている。
図9は、従来のブラシロールを備えた圧延機の構造を示す概略図である。
図9に示すように、従来の圧延機100は、圧延材800を圧延する一対のワークロール200と、このワークロール200をそれぞれ支持する一対のバックアップロール300と、一対のワークロール200のロール表面のロールコーティングを除去する4つのブラシロール400と、を備えている。ワークロール200及びブラシロール400の両端部は、圧延機100のハウジング600に設置された軸受箱500によって回転自在に軸支されている。ブラシロール400は、ハウジング600に設置された二段式シリンダ700のピストンロッド710によって押圧され、ブラシロール400をワークロール200に押し付けてロールコーティングを除去するときの押圧力を調整できるようになっている。
その二段式シリンダ700は、ハウジング600に設置されているので、二段式シリンダ700からブラシロール400までの距離が長くなっている。このため、圧延機100には、2つのピストンを連設してピストンのストロークを長くした二段式シリンダ700が使用されている。
特開平9−57313号公報(図1)
しかしながら、特許文献1等に記載された従来の圧延機100では、ブラシロール400がワークロール200を押圧する押圧力を調整するのに、二段式シリンダ700等のストロークが長い装置が使用されているため、これに伴ってピストンロッド710の長さL1が長く、シリンダ全体が大型化するという問題点があった。
さらに、二段式シリンダ700は、そのピストンロッド710が長くなったことによって、ピストンロッド710の曲げモーメントが大きくなっている。このため、二段式シリンダ700は、圧延加工時にピストンロッド710が振れたり、曲がったり、不安定な動きになったりして、ピストンロッド710がブラシロール400を押圧するポイントがずれたり、さらには、ピストンロッド710が破損したり、二段式シリンダ700が壊れ易い等の多くの問題点があった。
このような二段式シリンダ700を備えた圧延機100は、ブラシロール400がワークロール200のロール表面のロールコーティングを除去する厚さが不均一になるため、美麗な被圧延面を得ることができなかった。
また、二段式シリンダ700は、曲げモーメントが大きくなる全ストロークのときに、前記ピストンロッド710の変形や不安定な動きが惹起して、ピストンロッド710とシリンダケースとの隙間からピストンを作動させる作動油が漏れ(いわゆるボタ落ち)するという問題点があった。さらに、二段式シリンダ700は、2つのピストンを有していることに伴って、作動油を供給する配管900、バルブ等の部品点数及び組付工数が多く、構造が複雑であるという問題点があった。
前記作動油が油漏れした際には、漏れた作動油がワークロール200及び圧延材800を冷却したり、潤滑させたりするロールクーラントに混入して鹸化され、ロールクーラントの潤滑性能を上昇させるが、冷却性能が低下する。すると、ロールクーラントは、性質が変化して、圧延加工時に焼き付きを惹起させて、圧延材の被圧延面の品質を悪化させるという問題点があった。
また、油漏れした作動油が被圧延板の表面に落ちて圧延されると、その部分は、過潤滑圧延部となり、ボタ落ちと称される表面欠陥となるという問題点があった。
前記したようにロール表面に不均一なロールコーティングが形成されたワークロール200は、圧延材800の被圧延面に悪影響を及ぼすので、圧延設備全体を休止させてワークロール200を交換しければならないという問題点もあった。
このように、作動油がロールクーラントに混入した場合や、ワークロール200のロール表面に不均一なロールコーティングが形成された場合には、ロールクーラント等の入れ替えや、ワークロール200の交換が余儀なく行われ、圧延機の生産性を悪化させるという問題点があった。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、圧延材の被圧延面を美麗に圧延加工することが可能な圧延機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の圧延機は、金属製板材からなる圧延材を圧延するワークロールと、前記ワークロールを支持するバックアップロールと、前記ワークロールのロール表面に付着したロールコーティングを除去するブラシロールと、を支持するハウジングを含む圧延機において、前記ワークロールまたは前記バックアップロールのどちらかを軸支する前記ハウジングに設けられた軸受部に、前記ブラシロールを前記ワークロール側へ移動させることが可能なブラシロール位置調整手段を配置し、前記ブラシロール位置調整手段は、前記ブラシロールを前記ワークロール側へ押圧するピストンロッドを有する制御シリンダと、前記ブラシロールを元の位置側へ戻すためのブラシロール戻しばねと、を備え、前記ブラシロールの両端部は、それぞれ前記軸受部に軸支されたブラシロール軸受箱を軸通して、前記ワークロールを軸支するワークロールチョック、または、前記バックアップロールを軸支するバックアップロールチョックに対して回動可能に配置され、前記ブラシロールの軸部の一端部には、前記ブラシロールを回転駆動させるブラシロール駆動モータの駆動軸が、自在継手を介在し、円弧状に回動可能に軸支される円弧状軸受部を軸通して連結され、前記ブラシロールの軸部の他端部には、前記ブラシロールを軸方向に進退させて軸方向の位置を調整するブラシロール用オシレート装置の駆動軸が自在継手を介在して連結され、前記制御シリンダは、前記ワークロールチョック、または、前記バックアップロールチョックに設置され、前記ピストンロッドによって前記ブラシロール軸受箱に形成された押圧部を押圧することにより、前記ブラシロールを前記円弧状軸受部に沿って回動させて前記ワークロールのロール表面に押し付け、前記制御シリンダがOFF動作の状態になると、前記ブラシロール戻しばねのばね力によって前記ブラシロールを前記円弧状軸受部に沿って回動させて前記ワークロールから離間させて待機位置に復帰させることを特徴とする。
かかる構成によれば、圧延機は、圧延材をワークロールで圧延することによって、圧延材の磨耗粉がワークロールのロール表面に付着して薄膜状のロールコーティングが形成される。その圧延機は、ワークロールの軸受部に、ブラシロール位置調整手段が配置されていることにより、ブラシロール位置調整手段をハウジングに設置した場合と比較して、ブラシロール位置調整手段をブラシロールに対して近寄った位置に配置することができる。このため、ブラシロール位置調整手段にかかる曲げモーメントが低減される。なお、前記ブラシロール位置調整手段は、バックアップロールの軸受部に配置した場合であっても同様な作用効果を得ることが可能である。このようにブラシロール位置調整手段は、ブラシロールをワークロール側へ移動させることにより、ロールコーティングが付着したワークロールのロール表面にブラシロールを安定した適宜な押圧力(ブラシ圧)で押し付けることができる。そのワークロールをブラシロールに適宜な押圧力で接触させながら回転させることにより、ワークロールに付着したロールコーティング全体がブラシロールのブラシによって均一な状態に掻き落とされる。
また、かかる構成によれば、ブラシロール位置調整手段は、制御シリンダによってブラシロールをワークロール側へ移動させることにより、ブラシロールがワークロールを押圧する押圧力を適宜に調整することが可能となる。また、圧延加工をしない場合やブラシロールを交換する場合には、ブラシロール戻しばねのばね力によってブラシロールを元の待機位置側へ戻すことにより、ロール交換作業が容易に行えるようになる。また、ピストンロッドに対する曲げモーメントを小さくすることができるので、ピストンロッドの変形を抑制して作動油の漏れを防止することができる。
また、かかる構成によれば、ブラシロールは、その両端部がブラシロール軸受箱を介在してワークロールチョック、または、バックアップロールチョックに対して回動可能に配置されているので、ブラシロールをワークロールに対して移動させることにより、ロール間の距離を調整できる。制御シリンダは、ピストンロッドによってブラシロール軸受箱の押圧部を押圧することにより、ブラシロール軸受箱をワークロールチョック、または、バックアップロールチョックに対して回動させて、ブラシロール軸受箱に軸支したブラシロールの位置を調整することが可能である。ピストンロッドは、ワークロールチョックまたはバックアップロールチョックに設置されていることにより、ブラシロールの近傍に配置されて、全体の長さが短く、曲げモーメントが小さくなる。
請求項2に記載の圧延機は、請求項1に記載の圧延機であって、前記ブラシロール軸受箱は、前記ブラシロールを回転自在に軸支する軸孔と、前記ワークロールチョック、または、前記バックアップロールチョックに回動可能に軸支される支点部と、前記ブラシロール戻しばねによって待機位置側に付勢される付勢部と、を備え、当該ブラシロール軸受箱及び前記ブラシロールは、前記押圧部を押圧する前記ピストンロッドの押圧力、及び、前記付勢部を引っ張る前記ブラシロール戻しばねの引張力によって、前記支点部を中心として前記ワークロールに当接、及び、離間する方向に回動するように配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ブラシロール軸受箱及びブラシロールは、押圧部を押圧するピストンロッドの押圧力によって、支点部を中心としてワークロールに当接する方向に回動する。また、ブラシロール軸受箱及びブラシロールは、付勢部を引っ張るブラシロール戻しばねの引張力によって待機位置側に付勢されると、支点部を中心としてワークロールに離間する方向に回動する。
このように、ブラシロール軸受箱は、制御シリンダとブラシロール戻しばねとによって、ブラシロールと共にワークロール側に移動して、当接したり、離間したりしてブラシロールのブラシが、ワークロールのロール表面に付着したロールコーティングを押圧する押圧力を調整することができる。
請求項3に記載の圧延機は、請求項1または請求項2に記載の圧延機であって、前記ブラシロール戻しばねは、前記ブラシロールを待機位置側へ戻すためのコイルばねと、基端に前記コイルばねを受け止めるためのばね受け部が形成され、先端に前記付勢部を連結するための付勢部連結部が形成されたロッドと、前記コイルばね及び前記ロッドの前記ばね受け部を進退自在に内設して支持するばねケースと、前記ばねケースを前記ワークロールチョックに回動可能に取り付けるためのばね用ブラケットと、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ブラシロール戻しばねは、ブラシロールを待機位置側へ戻すコイルばねと、基端にコイルばねのばね受け部が形成され、先端にブラシロール軸受箱の付勢部が連結されたロッドとを備えているので、制御シリンダがOFF状態になれば、ばねケースに設けたロッドが連結されたブラシロール軸受箱とブラシロールをばね力で元の待機位置側に戻す。
請求項4に記載の圧延機は、請求項請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧延機であって、前記制御シリンダは、先端側に前記押圧部を押圧するロッドエンドが設けられた前記ピストンロッドに一体形成されたピストンと、前記ピストンが進退自在に挿入されるシリンダケースと、前記ピストンを作動させる油圧を供給する油圧供給配管と、前記シリンダケース内のエアを排出したり、取り込んだりするドレン抜き配管と、を備え、前記油圧供給配管は、ワンタッチ継手を介在して分離可能に前記制御シリンダに接続されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、圧延機は、ロール交換をする際に、各制御シリンダに接続されている油圧供給配管がワンタッチ継手によって適宜に分離したり、接続したりすることが可能である。
請求項5に記載の圧延機は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の圧延機であって、前記圧延材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記ワークロールは、前記圧延材を熱間圧延することを特徴とする。
かかる構成によれば、圧延機は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる圧延材を熱間圧延する際に、ワークロールの外周面にロールコーティングが形成される。そのロールコーティングは、ブラシロール軸受箱が制御シリンダによって設定された所望の押圧力に押圧されることにより、ブラシロールのロールコーティングが適宜なブラシ圧で押圧されて均一な厚さに掻き落とされる。
本発明の請求項1に係る圧延機によれば、ワークロールまたはバックアップロールの軸受部に配置したブラシロール位置調整手段によって、作動油の漏れを防止すると共に、ブラシロールをワークロール側へ移動させて押し付けることにより、ブラシロールがワークロールの外周面を押圧する押圧力を適宜なブラシ圧(当たり具合)に容易に調整できる。このため、ワークロールは、ブラシロールを押し付けた状態で回転させれば、ブラシロールがワークロールにロールコーティングが過剰に付着したコーティングを除去して均一な厚さの状態にブラッシングし、常に、ロール表面全体を光沢むらのない綺麗な状態に安定化させることができる。
その結果、圧延機は、圧延材の被圧延面の摩擦抵抗を削減して、圧延加工面の焼付けを防止することができると共に、ワークロールを組み替えるロール交換等のメンテナンスの頻度を大幅に削減して生産性を向上させることができる。
また、本発明の請求項1に係る圧延機によれば、ブラシロール位置調整手段は、ワークロールまたはバックアップロールの軸受部に配置した制御シリンダ及びブラシロール戻しばねによってブラシロールをワークロール側へ移動させて押圧し、また、ブラシロールを元の位置側に復帰させるので、制御シリンダ及びブラシロール戻しばねを前記軸受部やブラシロールの近傍に配置することができる。このため、制御シリンダは、この制御シリンダによって作動するピストンロッドの長さ及びストロークを短くして、ピストンロッドに大きな曲げモーメントがかかるのを低減させることができる。
その結果、ピストンロッドが大きな曲げモーメントや外力を受けて振動したり、曲がったり、破損したりするのを解消してその動きを安定化させ、ブラシロール位置調整手段を壊れ難い構造にすることができる。
さらに、ピストンロッドが振動、折曲または破損することによって起きる作動油の油漏れや、その油漏れした作動油がロールクーラントに混入して、ロールクーラントの潤滑性及び冷却性を悪化させ、圧延材の被加工面に焼き付けが発生するのを防止することができる。
また、前記ピストンロッドは、ストロークを小さくすることができるのに伴って、制御シリンダ、ピストンロッド及び油圧タンクを小型化することができると共に、必要な作動油の油量を減少させて、装置全体をコンパクトにすることができる。
また、本発明の請求項1に係る圧延機によれば、制御シリンダは、ブラシロール軸受箱の押圧部を押圧することによって、ブラシロール軸受箱に軸支したブラシロールをワークロールチョック、または、バックアップロールチョックに対して移動させて、ブラシロールがワークロールを押圧する押圧力を適宜に調整することができる。このため、制御シリンダは、圧延材を圧延加工している最中に、常に、ブラシロールをワークロールに所望のブラシ圧で押圧させて、ワークロールにロールコーティングが過剰に付着したコーティングを除去することによって、ロールコーティングが不均一な厚さになるのを防止することができる。その結果、圧延材の表面品質が良好な圧延製品を製造することができる。
本発明の請求項2に係る圧延機によれば、ブラシロールを軸支したブラシロール軸受箱は、制御シリンダとブラシロール戻しばねとによって、所望時に、ブラシロールをワークロール側に当接させたり、離間させたりして、ワークロールのロール表面に付着したロールコーティングを適宜な押圧力(ブラシ圧)で押圧するようにさせることができる。
本発明の請求項3に係る圧延機によれば、ブラシロール戻しばねは、ブラシロールを待機位置側へ戻すコイルばねと、コイルばねのばね受け部を有しブラシロール軸受箱の付勢部が連結されたロッドとを備えているので、制御シリンダがOFF状態になれば、ばねケースに設けたロッドが連結されたブラシロール軸受箱とブラシロールをばね力で元の待機位置側に戻すため、ブラシロールをワークロールから離間させてロール交換作業を容易に行えるようにすることができる。
本発明の請求項4に係る圧延機によれば、圧延機は、ロール交換をする際に、各制御シリンダに接続されている油圧供給配管がワンタッチ継手によって適宜に分離可能であるので、油圧供給配管の取り外しを容易に行えるため、メンテナンス性に優れている。
本発明の請求項5に係る圧延機によれば、圧延機は、ロールコーティングが形成され易いアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる圧延材を熱間圧延する際に、ワークロールのロール表面に適宜な押圧力でブラシロールを押し付けて、ワークロールにロールコーティングが過剰に付着したコーティングを除去して、ロールコーティングを均一な厚さにすることによって、常に、圧延材を表面欠陥や異常な箇所がなく品質のよい綺麗な圧延面に仕上げることができる。
本発明の実施形態に係る圧延機に設けたブラシロール位置調整手段を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る圧延機の上側のブラシロールの設置状態を示す拡大概略図である。 本発明の実施形態に係る圧延機の制御シリンダを作動させる油圧回路を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る圧延機の上側のブラシロール軸受箱の設置状態を示す拡大概略図である。 図4のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る圧延機の下側のブラシロール軸受箱の設置状態を示す拡大概略図である。 図6のB−B断面図である。 本発明の実施形態に係る圧延機のワークロールチョックの示す要部概略斜視図である。 従来のブラシロールを備えた圧延機の構造を示す概略図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態を説明する。
なお、圧延機1は、スチール等の各種の金属製板材からなる圧延材Wを冷間圧延することも可能であるが、その一例として、アルミニウム合金からなる平板状の展伸材を熱間圧延する場合を例に挙げて説明する。また、後記するブラシロール位置調整手段7は、バックアップロール3A,3Bを軸支する軸受部5,5に配置することも可能であるが、その一例として、ワークロール2A,2Bを軸支する軸受部5,5(ワークロールチョック2Aa,2Ba)に配置した場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る圧延機に設けたブラシロール位置調整手段の主要構成を示す概略図である。なお、図1において、ブラシロール戻しばねSA,SA,SB,SBは、水平に配置されるものであるが、便宜上、その向きを地面に対して垂直な方向に記載してある。
≪圧延機の構成≫
図1に示すように、圧延機1は、前記圧延材Wを圧延加工する多段式圧延機である。この圧延機1は、それぞれ後記する上下一対のワークロール2A,2Bと、上下一対のバックアップロール3A,3Bと、上下前後の4つのブラシロール4A,4A,4B,4Bと、左右一対のハウジング6,6(図3参照)と、このハウジング6,6に設置された軸受部5,5と、この軸受部5,5に設けた上下前後左右の8つのブラシロール位置調整手段7,…と、軸受部5,5に回動可能に設けた上下前後左右の8つのブラシロール軸受箱8A,8A,8B,8B(図2、図4〜図8参照)と、上下左右の4つのワークロールチョック2Aa,2Ba(図3参照)と、上下左右の4つのバックアップロールチョック3Aa,3Ba(図3参照)と、を備えている。圧延機1において、前記した各ロール材は、それぞれ略円柱形状に形成されて、ハウジング6,6に対して圧延材Wを中心として略上下対称な状態に水平に、かつ、平行に配置されている。
さらに、圧延機1には、圧延材Wの被圧延面の光沢等の表面品質を調整するためのロールクーラント(冷却液)を供給するクーラント供給装置(図示省略)が設けられている。
≪ワークロールの構成≫
図1に示すように、ワークロール2A,2Bは、このロール間に通す圧延材Wを挟み込むよう押圧して圧縮塑性変形させるための作業ロールであり、上下に対向して配置されている。そのワークロール2A,2Bは、ハウジング6の左右内壁に嵌装された軸受部5であるワークロールチョック2Aa,2Baに、両端部の軸部2Ab,2Bb(図2、図4、図6参照)が軸装されて回転自在に軸支されている。
図2、図4及び図6に示すように、ワークロール2A,2Bの軸部2Ab,2Bbの一端部は、それぞれワークロール駆動モータ11の駆動軸11aが連結されて、各ワークロール駆動モータ11によって回転駆動されるようになっている。ワークロール2A,2Bは、圧延材Wを挟み込みながら回転駆動して圧延加工すると、圧延材Wの磨耗粉や酸化皮膜等がロール表面2Ac,2Bcに付着(ロールコーティング(図示省略))する。
図2に示すように、各ワークロール駆動モータ11及び後記するブラシロール駆動モータ14は、それぞれ制御装置12を介して電源13に接続されている。
≪バックアップロールの構成≫
図1に示すように、バックアップロール3A,3Bは、上下方向からそれぞれ圧延材Wを押圧するワークロール2A,2Bをその上側及び下側から支持する補強ロールである。バックアップロール3A,3Bは、ワークロール2A,2Bに対向してその上下に水平(平行)に配置されている。そのバックアップロール3A,3Bは、軸受部5である前記バックアップロールチョック3Aa,3Baに、その両端部の軸部3Ab,3Bbが軸装されて回転自在に軸支されている。
≪ブラシロールの構成≫
上下左右の4つのブラシロール4A,4A,4B,4Bは、同じ構成であるため、上下のブラシロール4A,4Bを代表して説明する。
図1に示すように、ブラシロール4A,4Bは、上下のワークロール2A,2Bのロール表面2Ac,2Bcにロールコーティングが過剰に付着したコーティングを除去して、ロールコーティングを均一な厚さの状態に安定化させるためのブラシ4Aa,4Baを外周面に有するロール材である。
図2、図4、図6及び図8に示すように、ブラシロール4A,4Bは、それぞれの両端部がブラシロール軸受箱8A,8Bを介在して、上下左右のワークロールチョック2Aa,2Baに、その両側先端の軸部4Ab,4Bbがブラシロール軸受箱8A,8Bの支点部8Ad,8Bdを中心として前後方向へ円弧状に回動可能に、かつ、回転自在に軸装されている。
各ブラシロール4A,4Bの軸部4Ab,4Bbの一端部は、それぞれブラシロール駆動モータ14の駆動軸14aが自在継手14bを介在して連結されて、各ブラシロール駆動モータ14によって回転駆動されるようになっている。ブラシロール4A,4Bは、後記する制御シリンダ7A,7Bによってワークロール2A,2Bに押し付けられながらブラシロール駆動モータ14によりワークロール2A,2Bに対して反転することで、ワークロール2A,2Bのロール表面2Ac,2Bcのロールコーティングを除去する。また、各ブラシロール4A,4Bは、圧延機1で圧延材Wを加工しないとき、ワークロール2A,2Bにロールコーティングが形成されていないとき、あるいは、ロールコーティングの除去作業を行わないときには、作業者の操作等や制御装置12によって制御シリンダ7A,7BがOFFになっていることにより、後記するブラシロール戻しばねSA,SBによって元の待機位置に自動復帰されている。
図2に示すように、各ブラシロール4A,4Bの軸部4Ab,4Bbの他端部には、それぞれブラシロール4A,4Bを軸方向に進退させてその軸方向の位置を調整するためのブラシロール用オシレート装置15の駆動軸15aが自在継手15bを介在して連結されている。ブラシロール用オシレート装置15は、例えば、油圧によって作動する油圧シリンダ式の装置からなる。
図2、図4、図6及び図8に示すように、前記ブラシ4Aa,4Baは、例えば、ブラシロール4A,4Bのロール表面2Ac,2Bc全体に突出した状態に植設された多数のナイロン製のものからなる。
≪ハウジング及び軸受部の構成≫
図1に示すハウジング6は、各ロール材の左右端部をそれぞれ支持する左右一対の枠状のフレーム部材であり、圧延機本体を形成している。左右のハウジング6,6の内側側壁には、各ロール材を回転自在に軸支する軸受部5,5が嵌入されている(図3参照)。
軸受部5,5は、ワークロール2A,2Bと、バックアップロール3A,3Bと、ブラシロール4A,4Bとからなる各ロール材を軸支する軸受体であり、ハウジング6に着脱可能な状態に取り付けられている(図3及び図8参照)。軸受部5,5は、例えば、ハウジング6の略中央部に配置された後記する一対のワークロールチョック2Aa,2Baと、このワークロールチョック2Aa,2Baの上下に配置された後記する一対のバックアップロールチョック3Aa,3Baと、から構成されている(図3参照)。
≪ブラシロール位置調整手段の構成≫
図1に示すように、ブラシロール位置調整手段7は、上下前後のブラシロール4A,4Bを上下のワークロール2A,2B側へ移動させて予め設定された所望の押圧力(ブラシ圧)で押し付けたり、離間させて元の待機位置に戻したりする装置である。このブラシロール位置調整手段7は、例えば、ワークロール2A,2Bを軸支する軸受部5,5に設けられている。ブラシロール位置調整手段7は、ブラシロール4A,4Bをワークロール2A,2B側へそれぞれ押圧して移動させる制御シリンダ7A…,7B…と、ブラシロール4A,4Bを元の位置側へそれぞれ戻すためのブラシロール戻しばねSA,SBと、を備えて構成されている。
<制御シリンダの構成>
上下前後左右の8つの制御シリンダ7A…,7B…は、同じ構成であるため、上下の制御シリンダ7A,7B及びブラシロール4A,4Bを代表して説明する。
図4〜図8に示すように、制御シリンダ7A,7Bは、各ブラシロール4A,4Bをワークロール2Aに押し付ける押圧力を調整することが可能な装置からなり、ワークロールチョック2Aa,2Baにシリンダ用ブラケット7Ad,7Bdを介在して設置されている。制御シリンダ7A,7Bは、それぞれ後記するシリンダケース7Ab,7Bbと、ピストン7Ac,7Bcと、ピストンロッド7Aa,7Baと、油圧供給配管71と、ドレン抜き配管72と、を備えて構成されている。
前記シリンダケース7Ab,7Bbは、このシリンダケース7Ab,7Bb内に配置したピストン7Ac,7Bcを駆動させるための油圧が供給されるケース体であり、油圧供給配管71と、ドレン抜き配管72が接続されている。
ピストン7Ac,7Bcは、そのシリンダケース7Ab,7Bb内に進退自在に挿入された部材であり、ピストンロッド7Aa,7Baが一体形成されている。
ピストンロッド7Aa,7Baは、基端側に前記ピストン7Ac,7Bcが設置され、先端側にブラシロール軸受箱8A,8Bの押圧部8Aa,8Baを押圧するロッドエンドが設置されている。
油圧供給配管71は、各制御シリンダ7A,7Bのピストン7Ac,7Bcを作動させる油圧を供給する配管であり、金属製配管及びホース等からなる。
ドレン抜き配管72は、ピストン7Ac,7Bcが動くことによってシリンダケース7Ab,7Bb内のエアを排出したり、取り込んだりするための配管である。
図3は、制御シリンダ7A,7Bに供給される作動油の油圧経路を示す油圧回路である。図3に示すように、前記油圧供給配管71は、一端が制御シリンダ7A,7Bに接続され、他端がワンタッチ継手73及び電磁バルブ74を介在して作動油制御装置75に接続されている。油圧供給配管71には、ワークロール2A,2Bやブラシロール4A,4B等のロール材を交換する際に、ロール材と共にハウジング6に容易に着脱できるようにするために、ワークロールチョック2Aa,2Baの軸受部分等の適宜な箇所にカプラ状のワンタッチ継手73が配置されている。その他、圧延機1には、圧延加工する箇所にロールクーラントを供給するためのクーラント油供給回路装置(図示省略)が備えられている。
<ブラシロール戻しばねの構成>
上下前後左右の8つのブラシロール戻しばねSA…,SB…は、同じ構成であるため、上下のブラシロール戻しばねSA,SBを代表して説明する。
図2、図4、図7及び図8に示すように、ブラシロール戻しばねSA,SBは、ブラシロール4A,4Bを元の待機位置に復帰させるための装置である。このブラシロール戻しばねSA,SBは、それぞれ後記するロッドSAa,SBaと、コイルばねSAb,SBbと、ばねケースSAc,SBcと、ばね用ブラケットSAd,SBdと、を備えて構成されている。
前記ロッドSAa,SBaは、基端にコイルばねSAb,SBbを受け止めるためのばね受け部が一体形成され、先端にブラシロール軸受箱8A,8Bの付勢部8Ae,8Beを連結するための筒状部が一体形成されている。
コイルばねSAb,SBbは、ロッドSAa,SBa及びブラシロール4A,4Bを元の待機位置側へ戻すための圧縮ばね部材であり、ばねケースSAc,SBc内に圧縮した状態で伸縮自在に配置されている。
ばねケースSAc,SBcは、そのコイルばねSAb,SBb及びロッドSAa,SBbのばね受け部を進退自在に内設して支持するケース体である。
ばね用ブラケットSAd,SBdは、ばねケースSAc,SBcをワークロールチョック2Aa,2Baに取り付けるための部材である。ばね用ブラケットSAd,SBdは、基端部側がワークロールチョック2Aa,2Baの連結部2Ad,2Bdに連結され、先端部側がばねケースSAc,SBcの外側端部に一体形成されている(図4参照)。
≪ブラシロール軸受箱の構成≫
上下前後左右の8つのブラシロール軸受箱8A…,8B…は、前後左右が同じ構成であるため、相違する上下のブラシロール戻しばねSA,SBを代表して説明する。
図2、図4、図7及び図8に示すように、ブラシロール軸受箱8A,8Bは、ブラシロール4A,4Bの両端部を支点部8Ad,8Bdを中心として回動可能に軸通するための支持部材であり、各ブラシロール4A,4Bの両端部にそれぞれ配置されている。ブラシロール軸受箱8A,8Bは、基端部8Ab,8Bbに配置した支点部8Ad,8Bdが、ワークロールチョック2Aa,2Ba(軸受部5,5)に設けた軸受箱用ブラケット2Ag,2Bgの連結孔に軸ピン2Ae,2Beを軸通することによって、ワークロールチョック2Aa,2Baに対して回動可能に連結されている。このブラシロール軸受箱8A,8Bは、押圧部8Aa,8Baと、支点部8Ad,8Bdと、付勢部8Ae,8Beと、軸孔8Af,8Bfと、を有している。
なお、図2〜図5に示す上側のブラシロール軸受箱8A…と、図6、図7及び図8に示す下側のブラシロール軸受箱8B…は、制御シリンダ7A,7Bのピストンロッド7Aa,7Baに押圧される押圧部8Aa,8Baの設置位置と、押圧された際に回動する回動角度と、が異なっている。
つまり、上側のブラシロール軸受箱8Aは、図5に示すように、押圧部8Aaが支点部8Adを中心として回動する先端部8Acに設置されている。下側のブラシロール軸受箱8Bは、図7及び図8に示すように、押圧部8Baがブラシロール軸受箱8Bの中央部外面に配置されている。このため、下側のブラシロール軸受箱8Bは、制御シリンダ7Bのピストンロッド7Baによって押圧された際に、上側のブラシロール軸受箱8Aと比較して、ピストンロッド7Baのストロークが小さくても、支点部8Bdを中心として、上側のブラシロール軸受箱8Aよりも大きく回動して下側のブラシロール4Bを大きく移動させる。
圧延機1において、上側のピストンロッド7Aaのストロークは、例えば、約5cmであり、下側のピストンロッド7Baのストロークは約3cmとなっている。
図4〜図8に示すように、押圧部8Aa,8Baは、ピストンロッド7Aa,7Baの先端によって押圧される部位であり、ブラシロール軸受箱8A,8Bの外側側面に固定されている。上側のブラシロール軸受箱8Aの押圧部8Aaは、図2、図4及び図5に示すように、断面L字状の平板部材からなり、ブラシロール軸受箱8Aの回動する側に設置されている。下側のブラシロール軸受箱8Bの押圧部8Baは、図6、図7及び図8に示すように、断面コ字状の平板部材からなり、ブラシロール軸受箱8Aの中央側面に取り付けられている。
図4〜図8に示すように、支点部8Ad,8Bdは、ブラシロール軸受箱8A,8Bの回動中心となる部位であり、例えば、基端側のワークロールチョック2Aa,2Baに固定した軸ピン2Ae,2Beと、この軸ピン2Ae,2Beが軸支される軸穴と、から構成されている。支点部8Ad,8Bdは、ブラシロール軸受箱8A,8Bの基端部8Ab,8Bb側に配置されている。
付勢部8Ae,8Beは、ブラシロール戻しばねSA,SBによって待機位置側に付勢される部位であり、例えば、ロッドSAa,SBaの先端に形成された筒部に挿入されてブラシロール軸受箱8A,8Bに設置された連結ピンからなる。付勢部8Ae,8Beは、ブラシロール軸受箱8A,8Bの先端部8Ac,8Bc側に配置され、ブラシロール戻しばねSA,SBによって常時待機位置側に付勢されている。
軸孔8Af,8Bfは、ブラシロール4A,4Bを回転自在に軸支する貫通孔であり、ブラシロール軸受箱8A,8Bの略中央部に左右方向に形成されている。
≪ワークロールチョックの構成≫
図1に示すように、ワークロールチョック2Aa,2Baは、ワークロール2A,2Bとブラシロール4A,4Bとを回転自在に軸支すると共に、制御シリンダ7A,7Bとブラシ戻しばねSA,SBとが設置される軸受本体である(図8参照)。図4〜図8に示すように、ワークロールチョック2Aa,2Baには、ワークロール2A,2Bの両端の軸部2Ab,2Bbを軸支する軸受ブロック(図示省略)と、ブラシロール4A,4Bの両端の軸部4Ab,4Bbを軸支する円弧状軸受部2Afを有する軸受ブロック(図示省略)と、ブラシロール戻しばねSA,SBを取り付けるための連結部2Ad,2Bdと、ブラシロール軸受箱8A,8Bを回動自在に軸支する軸ピン2Ae,2Beと、この軸ピン2Ae,2Beの両端部を支持する軸受箱用ブラケット2Ag,2Bgと、がそれぞれ設けられている。
連結部2Ad,2Bdは、ブラシロール戻しばねSA,SBのばねケースSAc,SBcに設けたばね用ブラケットSAd,SBdを回動可能に連結する部位である。
軸ピン2Ae,2Beは、ブラシロール軸受箱8A,8Bの支点部8Ad,8Bdの軸孔を軸通して、ブラシロール軸受箱8A,8Bをワークロールチョック2Aa,2Baに回動自在に連結する連結具であり、ワークロールチョック2Aa,2Baに設けられた軸受箱用ブラケット2Ag,2Bgに固定されている。
軸受箱用ブラケット2Ag,2Bgは、その軸ピン2Ae,2Beで軸支したブラシロール軸受箱8A,8Bをワークロールチョック2Aa,2Baに回動自在に連結するための連結具であり、例えば、ワークロールチョック2Aa,2Baに溶接等によって固定されている。
前記円弧状軸受部2Af,2Bfは、ブラシロール4A,4Bを軸ピン2Ae,2Beを中心として円弧状に回動可能にするための軸穴兼ガイド穴であり、ブラシロール4A,4Bに連結された駆動軸14aを円弧状に回動可能に軸支する円弧形状の軸孔からなる。
≪バックアップロールチョックの構成≫
図1に示すように、バックアップロールチョック3Aa,3Baは、バックアップロール3A,3Bをハウジング6に対して着脱可能に、かつ、回転自在に軸支するための軸受体であり、ハウジング6の内側側面に取り付けられている。このバックアップロールチョック3Aa,3Baには、バックアップロール3A,3Bの両端の軸部3Ab,3Bbを軸支する軸受ブロック(図示省略)が装着されている。
≪圧延機の作用≫
次に、本発明の実施形態に係る圧延機1の作用を説明する。
圧延材Wを圧延加工するときは、図2に示すように、電源13をONしてワークロール駆動モータ11,11を駆動させて、ワークロール2A,2Bを回転駆動させる。その回転しているワークロール2A,2B間に、圧延材Wを通すことによって、圧延材Wがワークロール2A,2Bに押圧されて圧縮塑性変形され、圧延製品が完成される。
圧延機1は、このように圧延材Wをワークロール2A,2Bで圧延加工することによって、圧延材Wの磨耗粉がワークロール2A,2Bのロール表面2Ac,2Bcに付着してロールコーティングされる。
例えば、圧延材Wの品種毎に予め設定した数の圧延材Wを圧延加工すると、制御装置12は、ブラシロール駆動モータ14を回転駆動させて、各ワークロール2A,2Bを回転させる。さらに、図3に示す作動油制御装置75は、油圧供給配管71から電磁バルブ74、ワンタッチ継手73を介在して各制御シリンダ7A,7Bに作動油を供給する。
図5、図7及び図8に示すように、各制御シリンダ7A,7Bは、作動油が供給されることによって油圧でピストン7Ac,7Bcを押圧して移動させる。すると、ピストンロッド7Aa,7Baの先端は、ブラシロール軸受箱8A,8Bの押圧部8Aa,8Baを押圧して、支点部8Ad,8Bdを中心としてワークロール2A,2B側へ回動させる。これにより、そのブラシロール軸受箱8A,8Bに軸支されたブラシロール4A,4Bは、支点部8Ad,8Bdを中心としてワークロール2A,2B側へ円弧状の回動軌跡を描くように回動されて、ブラシ4Aa,4Baがワークロール2A,2Bのロール表面2Ac,2Bcに押し付けられる。
ブラシ4Aa,4Baがワークロール2A,2Bのロール表面2Ac,2Bcを押し付ける押圧力は、前記作動油制御装置75から制御シリンダ7A,7Bに供給される作動油の油圧を調整することによって、ワークロール2A,2Bに過剰に付着したロールコーティングを除去して均一の厚さにするのに適した押圧力(ブラシ圧)に調整することができる。そのワークロール2A,2Bをブラシロール4A,4Bに適宜な押圧力で接触させながら回転させることにより、ワークロール2A,2Bに付着したロールコーティングをブラシロール4A,4Bのブラシ4Aa,4Baによって均一な厚さの状態に掻き落とすことができる。
その結果、圧延機1は、圧延材Wの被圧延面の摩擦抵抗を削減して焼付けを防止して、圧延材Wの表面品質が良好な圧延製品を製造することができる。
また、圧延材Wを圧延機1で圧延加工している最中は、適宜なタイミングでブラシロール4A,4Bをワークロール2A,2Bに所望の押圧力で押し付けてロールコーティングを除去できるので、ロール表面2Ac,2Bcが不均一になるのを長期間にわたって防止することができる。このため、ワークロール2A,2B等のロール材を組み替えるロール交換等のメンテナンスの頻度を大幅に削減して生産性を向上させることができる。
また、図5及び図7に示すように、制御シリンダ7A,7Bは、ワークロール2A,2B及びブラシロール4A,4Bが軸支されているワークロールチョック2Aa,2Baに設置されていることによって、ブラシロール4A,4Bの押圧部8Aa,8Baに対して近寄った位置に配置することができる。このため、ピストンロッド7Aa,7Baがシリンダケース7Ab,7Bbから突出する長さLA,LBを10としたときに5以下に短くしてピストンロッド7Aa,7Baにかかる曲げモーメントを低減させることができる。
その結果、ピストンロッド7Aa,7Baが曲げモーメントや外力を受けて振動したり、曲がったり、破損したりするのを解消して、制御シリンダ7A,7Bを壊れ難い構造にすることができる。
さらに、ピストンロッド7Aa,7Baが振動、折曲または破損することによって起きる作動油の油漏れや、その油漏れした作動油がロールクーラントに混入して、ロールクーラントの潤滑性及び冷却性を悪化させて、圧延材Wの被加工面に焼き付けが発生するのを防止することができる。
また、ロールコーティングを除去しない場合、圧延加工をしない場合及びワークロール2A,2B等のロール材を交換する場合は、作動油制御装置75をOFFの状態とする。すると、制御シリンダ7A,7B内の作動油の油圧が低下して、ブラシロール戻しばねSA,SBのばね力が、付勢部8Ae,8Beを押圧するピストンロッド7Aa,7Baの押圧力に打ち勝って引き戻し、そのばね力によってブラシロール軸受箱8A,8B及びブラシロール4A,4Bを元の待機位置側に回動させて復帰させる。これにより、ブラシロール4A,4Bは、ワークロール2A,2Bから離間するので、ロール交換作業が容易に行えるようになる。
図3に示すように、ロール交換をする際には、各制御シリンダ7A,7Bに接続されている油圧供給配管71がワンタッチ継手73によって適宜に分離可能で、かつ、油圧供給配管71の本数が図9に示す圧延機100の配管900の数より少ないので、ロール交換や、油圧供給配管71の取り外しを容易に行える。このため、圧延機1は、構造が簡素で、メンテナンス性に優れている。
≪変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
前記ブラシロール位置調整手段7は、制御シリンダ7A,7Bと、ブラシロール戻しばねSA,SBとから構成された装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ブラシロール位置調整手段7は、例えば、ブラシロール4A,4Bをワークロール2A,2B側へ押圧して移動させるための装置と、ブラシロール4A,4Bを元の位置側へ戻すための装置と、を1つの流体シリンダ装置、あるいは、歯車モータ駆動装置で行うように構成したものでもよい。
また、制御シリンダ7A,7Bは、ワークロールチョック2Aa,2Bbに配置した場合を説明したが、ブラシロール4A,4Bの近傍に配置されてあればよく、例えば、バックアップロールチョック3Aa,3Baをブラシロール4A,4Bの軸部4Ab,4Bb側まで延在してバックアップロールチョック3Aa,3Baに回動可能に設置しても構わない。
これと同様に、ブラシロール軸受箱8A,8B及びブラシロール戻しばねSA,SBも、バックアップロールチョック3Aa,3Baに設置してもよい。この場合、ブラシロール軸受箱8A,8Bは、バックアップロールチョック3Aa,3Baに、支点部8Ad,8Bdを中心として回動可能に軸支させればよい。
また、本発明の圧延機1は、図1に示すようにロール材を配置したいわゆる4段圧延機(4Hi MILL)に限定されるものではなく、例えば、バックアップロール3A,3Bとワークロール2A,2Bとの間に、さらに、一対の中間ロールを設けた6段圧延機(6Hi MILL)等の多段圧延機に適用してもよい。この場合には、中間ロールについても、中間ロールの軸受部に本発明のブラシロールを制御するブラシロール位置調整手段7を設けてもよい。
1 圧延機
2A,2B ワークロール
2Aa,2Ba ワークロールチョック
3A,3B バックアップロール
3Aa,3Ba バックアップロールチョック
4A,4B ブラシロール
5 軸受部
6 ハウジング
7 ブラシロール位置調整手段
7A,7B 制御シリンダ
7Aa,7Ba ピストンロッド
8A,8B ブラシロール軸受箱
8Aa,8Ba 押圧部
8Ad,8Bd 支点部
8Ae,8Be 付勢部
8Af,8Bf 軸孔
SA,SB ブラシロール戻しばね
W 圧延材

Claims (5)

  1. 金属製板材からなる圧延材を圧延するワークロールと、
    前記ワークロールを支持するバックアップロールと、
    前記ワークロールのロール表面に付着したロールコーティングを除去するブラシロールと、を支持するハウジングを含む圧延機において、
    前記ワークロールまたは前記バックアップロールのどちらかを軸支する前記ハウジングに設けられた軸受部に、前記ブラシロールを前記ワークロール側へ移動させることが可能なブラシロール位置調整手段を配置し、
    前記ブラシロール位置調整手段は、前記ブラシロールを前記ワークロール側へ押圧するピストンロッドを有する制御シリンダと、
    前記ブラシロールを元の位置側へ戻すためのブラシロール戻しばねと、を備え、
    前記ブラシロールの両端部は、それぞれ前記軸受部に軸支されたブラシロール軸受箱を軸通して、前記ワークロールを軸支するワークロールチョック、または、前記バックアップロールを軸支するバックアップロールチョックに対して回動可能に配置され、
    前記ブラシロールの軸部の一端部には、前記ブラシロールを回転駆動させるブラシロール駆動モータの駆動軸が、自在継手を介在し、円弧状に回動可能に軸支される円弧状軸受部を軸通して連結され、
    前記ブラシロールの軸部の他端部には、前記ブラシロールを軸方向に進退させて軸方向の位置を調整するブラシロール用オシレート装置の駆動軸が自在継手を介在して連結され、
    前記制御シリンダは、前記ワークロールチョック、または、前記バックアップロールチョックに設置され、前記ピストンロッドによって前記ブラシロール軸受箱に形成された押圧部を押圧することにより、前記ブラシロールを前記円弧状軸受部に沿って回動させて前記ワークロールのロール表面に押し付け、
    前記制御シリンダがOFF動作の状態になると、前記ブラシロール戻しばねのばね力によって前記ブラシロールを前記円弧状軸受部に沿って回動させて前記ワークロールから離間させて待機位置に復帰させることを特徴とする圧延機。
  2. 前記ブラシロール軸受箱は、前記ブラシロールを回転自在に軸支する軸孔と、
    前記ワークロールチョック、または、前記バックアップロールチョックに回動可能に軸支される支点部と、
    前記ブラシロール戻しばねによって待機位置側に付勢される付勢部と、を備え、
    当該ブラシロール軸受箱及び前記ブラシロールは、前記押圧部を押圧する前記ピストンロッドの押圧力、及び、前記付勢部を引っ張る前記ブラシロール戻しばねの引張力によって、前記支点部を中心として前記ワークロールに当接、及び、離間する方向に回動するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の圧延機。
  3. 前記ブラシロール戻しばねは、前記ブラシロールを待機位置側へ戻すためのコイルばねと、
    基端に前記コイルばねを受け止めるためのばね受け部が形成され、先端に前記付勢部を連結するための付勢部連結部が形成されたロッドと、
    前記コイルばね及び前記ロッドの前記ばね受け部を進退自在に内設して支持するばねケースと、
    前記ばねケースを前記ワークロールチョックに回動可能に取り付けるためのばね用ブラケットと、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧延機。
  4. 前記制御シリンダは、先端側に前記押圧部を押圧するロッドエンドが設けられた前記ピストンロッドに一体形成されたピストンと、
    前記ピストンが進退自在に挿入されるシリンダケースと、
    前記ピストンを作動させる油圧を供給する油圧供給配管と、
    前記シリンダケース内のエアを排出したり、取り込んだりするドレン抜き配管と、を備え、
    前記油圧供給配管は、ワンタッチ継手を介在して分離可能に前記制御シリンダに接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧延機。
  5. 前記圧延材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
    前記ワークロールは、前記圧延材を熱間圧延することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の圧延機。
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