JP5550490B2 - 放電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した電子写真装置に用いられる放電装置に関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成装置では、電子写真感光体(感光体)の表面を帯電させた後に、画像情報に応じて露光することにより、感光体の表面に静電潜像を形成する。感光体の表面を帯電させる方法として、放電装置であるコロナ帯電器を用いる方法が広く用いられている。
コロナ帯電器は、一面が開放された支持筐体であるシールド(シールドケース)の両端部に配設された保持部材であるブロック間に、放電線(放電電極)が展張された構成を有する。シールドは、代表的にはステンレス鋼(以下「SUS」ともいう。)で構成される。又、放電線は、タングステンなどの線材で構成される。コロナ帯電器を用いて感光体などの被帯電部材の被帯電面を帯電させる場合、シールドの開口部を被帯電面に近接させた状態で対向させ、放電線に放電電流を供給してコロナ放電を発生させ、被帯電面の表面に電荷を付与する。
被帯電面の帯電電位は、放電線と被帯電面との間にグリッド(グリッド電極)を設け、そのグリッドに印加するグリッドバイアスによって被帯電面に付与する電荷量を調整することで制御される。グリッドとしては、主に、放電線と同種の材料又はSUSなどにより形成されたワイヤ形状のグリッドや、エッチングなどにより多数の孔が形成された多孔性の板状のグリッドが知られている。
ところで、電子写真方式を用いた画像形成装置では、像担持体の表面を帯電させるためのコロナ帯電器の放電線、グリッド及びシールドが、トナー、外添剤又は紙粉などの飛散物で汚れる。そして、特に、コロナ放電時にシールドに付着した飛散物が帯電することにより、コロナ帯電器内において電界異常が発生することがある。そして、この状態のままグリッドにより整流効果が機能してしまうため、像担持体上に電位斑を発生させてしまうことがある。高品質の画像形成を維持するためには、これらの放電斑を改善して、画像不良を防止することが望まれる。
上記飛散物に対しては、コロナ帯電器内に清掃部材を配設して、これを清掃することが提案されている。特許文献1には、放電線に付着した飛散物を清掃部材で清掃することが開示されている。又、特許文献2には、板状のグリッドに付着した飛散物を清掃部材で清掃することが開示されている。又、特許文献3には、シールドに付着した飛散物を清掃部材で清掃することが開示されている。
特開2004−085814号公報 特開2005−338797号公報 特開2003−295585号公報
しかしながら、上述のような清掃部材を用いる従来の対策では、飛散物をリアルタイムで清掃できないため、画像形成中に生じた飛散物の付着に対応できない。そのため、高品質の画像形成を維持するためには、常に飛散物が付着しにくい構成とすることが望まれる。
ここで、従来、撥水性の高い材料、即ち、表面自由エネルギーの低い材料を用いることにより、これに対する付着物の付着性を低下させる手法がある。例えば、部材の表面をフッ素の多いCF3で被覆した場合、高い撥水性が得られることが知られている。実際に部材の表層にCF3を設けたモデルを作って測定すると、水に対する接触角は120°、表面自由エネルギーは6.7mJ/m2である。この値は、あらゆる材料を通じて得られる化学的撥水性の限界値であり、室温において化学的に作り出した表面自由エネルギーの最低値となる。
上記物質は、通常環境下では、付着物の付着性を低下させる効果を発揮する。しかし、電子写真方式の画像形成装置内では、コロナ放電生成物の曝露による親水化や、高濃度オゾン環境下による材料の化学的構造の変化が生じることにより、その撥水性が低下して、付着性を低下させる効果を維持することができない。
そのため、電子写真方式の画像形成装置において、特に画像形成時にシールドに飛散物が付着するのを長期にわたり防止するためには、化学的構造による手法以外の手法により、シールドの撥水性を維持することが望まれる。
又、上述のような清掃部材は、使用による経時変化に伴って機能劣化が生じ、クリーニング性が低下することがある。そのため、パーツ交換などによる画像形成装置の稼働率の低下を抑制し、サービスに要する費用の低下を図るためにも、清掃部材で清掃されるべき飛散物がシールドに付着し難いことが望まれる。
従って、本発明の目的は、放電装置の筐体へのトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物の付着性が低下した放電装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る放電装置にて達成される。要約すれば、本発明は、処理対象に対して放電を行い該処理対象を帯電又は除電処理する放電装置において、放電電極と、前記放電電極に対向する面を有する筐体を有し、前記筐体の前記面の少なくとも一部の表層は、水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°の微細凹凸構造を有し、前記微細凹凸構造はフラクタル構造を有し、該微細凹凸構造は、前記微細凹凸構造の断面の稜線のある基準点からの長さlにおける接線の偏角をθ(l)、標本化間隔をΔlとしたとき、前記稜線上の基準点からの長さtにおける位置情報(x、y)が標本化された偏角関数によって、次式、
Figure 0005550490
により表現可能であり、且つ、0≦Δl≦3μmを満たすことを特徴とする放電装置である。
本発明によれば、放電装置の筐体へのトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物の付着性が低下する。
本発明の一実施例に係る画像形成装置の要部の概略断面図である。 本発明の一実施例に係る放電装置の近傍の拡大斜視図である。 本発明の一実施例に係る放電装置の近傍の拡大斜視図である。 フラクタル構造の一例を示す説明図である。 フラクタル構造における表層の拡大模式図である。 水に対する接触角の異なる材料で形成されたシールドの表層における当該材料自体が示す割合とCassieの接触角との関係を示すグラフ図である。 近似的なフラクタル構造の標本化間隔Δlに対する接触角の関係を示すグラフ図である。 近似的なフラクタル構造の標本化間隔Δlを変化させた時のシールドの表層の構造の変化を示す説明図である。 付着性試験においてトナーに対する付着力を比較した結果を示すグラフ図である。 付着性試験において標準粒子1に対する付着力を比較した結果を示すグラフ図である。 付着性試験において標準粒子2に対する付着力を比較した結果を示すグラフ図である。 耐久試験においてトナーに対する付着力を比較した結果を示すグラフ図である。 帯電能試験において耐久前後の感光ドラムの長手方向の電位斑を測定した結果を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る放電装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置
先ず、本発明に係る放電装置を備える電子写真方式の画像形成装置の一実施例の全体構成及び動作について説明する。
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略構成を示す。画像形成装置100は、矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周囲には、次の各手段が配置されている。先ず、帯電手段としての放電装置である帯電器(コロナ帯電器)2である。次に、露光手段(情報書き込み手段)としての露光装置(レーザービームスキャナ)3である。次に、現像手段としての現像装置4である。次に、転写手段としての転写装置5である。次に、クリーニング手段としてのクリーニング装置7である。
画像形成時には、回転する感光ドラム1の表面は、帯電器2によって一定の電位に帯電させられる。その後、帯電した感光ドラム1の表面は露光装置3によって画像情報に応じて露光される。これにより、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって現像剤のトナーが付着させられて、トナー像(現像剤像)として現像される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置5において、1次転写部材としての1次転写ローラ5aにより、被転写体としての中間転写ベルト5b上に1次転写される。
その後、中間転写ベルト5b上のトナー像は、2次転写部材としての2次転写ローラ(図示せず)により、記録用紙などの転写材に2次転写される。その後、転写材は定着手段としての加熱及び加圧式の定着器(図示せず)により加熱及び加圧され、その上にトナー像が定着される。
一方、中間転写ベルト5bに転写されずに感光ドラム1の表面に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置7によって感光ドラム1の表面から除去されて、回収される。クリーニング装置7は、感光ドラム1に当接して配置されたクリーニングブレード7a及びファーブラシ7bによって感光ドラム1の表面からトナーを掻き落とし、回収容器7cに回収する。又、感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の表面に残存している電位を除電するための除電手段として、第1の前露光手段である帯電前露光器8と、第2の前露光手段であるクリーニング前露光器9とが設けられている。
2.感光ドラム
画像形成装置100は、像担持体として回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、帯電器2による処理対象としての被帯電部材である。この感光ドラム1は、負帯電特性のOPC(有機光半導体)で形成された感光層を有する。感光ドラム1は、直径が84mmであり、中心支軸を中心に285mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印R1方向に回転駆動される。
3.帯電器
画像形成装置100は、帯電手段として放電装置である帯電器(コロナ帯電器)2を有する。図2及び図3は、帯電器2の構成をより詳しく示す。帯電器2は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って感光ドラム1に対向配置され、放電により感光ドラム1の表面を帯電させる。帯電器2は、電気的なシールド作用(遮断作用)をなす支持筐体であるシールド(シールドケース)12を有する。シールド12は、電気的に接地されている。シールド12は、感光ドラム1の長手方向に沿って互いに略平行に対向して延在する2個の側板12b、12bと、両側板12b、12bの上端間を連結する天板12cと、を有する。これにより、シールド12は、感光ドラム1に対向する一面が開放された、長手方向に見た断面が略コの字形状とされている。尚、図2及び図3においては、シールド12の図中手前側(図1中左側)の側板12bは省いて示している。所望により、天板12cは設けられていなくてもよい。シールド12の長手方向の両端部には、上記側板12b、12b、天板12cなどを保持する保持部材であるブロック17、17が結合されて、シールド12と一体化されている。尚、図2及び図3には、シールド12の長手方向の一方の端部のブロック17のみ示されている。シールド12の側板12b、12b、天板12cはアルミニウムやステンレス鋼(SUS)などの金属で形成され、ブロック17、17は樹脂などの電気絶縁性の材料で形成されている。又、帯電器2は、シールド12の内部に放電線(放電電極)である放電ワイヤ10を有する。放電ワイヤ10は、帯電器2の長手方向に沿って、2個のブロック17間に張架されている。更に、帯電器2は、シールド12の感光ドラム1と対向する開口部12aに位置して、制御電極である板状のグリッド(グリッド電極)11を有する。放電ワイヤ10には第1の帯電電源(図示せず)が接続されており、感光ドラム1の帯電処理を行う際には直流電圧が印加される。第1の帯電電源が放電ワイヤ10に電圧を印加することにより、放電ワイヤ10でコロナ放電が発生する。又、グリッド11には第2の帯電電源(図示せず)が接続されており、感光ドラム1の帯電処理を行う際には直流電圧が印加される。これは、放電ワイヤ10から感光ドラム1に向かうイオンの量を安定化させるためのものであり、その結果、感光ドラム1を所望の電位に帯電することが可能となる。
更に説明すると、放電ワイヤ10には、外部電源である第1の帯電電源が接続されている。この第1の帯電電源から放電ワイヤ10に所定の極性(本実施例では負極性)・値の直流電圧を印加し、コロナ放電を発生させて、感光ドラム1の表面を帯電させる。放電ワイヤ10の材料としては、金属、例えば、ステンレススチール、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを好適に用いることができる。本実施例では、放電ワイヤ10の材料として、金属の中で非常に安定性の高いタングステンを使用した。放電ワイヤ10の材料としてタングステンを使用することで、苛酷な条件下でも安定したコロナ放電を行うことができる。又、放電ワイヤ10の材料としてタングステンを使用することで、帯電器2を長期間にわたり安定して使用することが可能となる。放電ワイヤ10は、シールド12と一体化されたブロック17、17によって一定の張力で保持される。電気絶縁性の材料で形成されたブロック17、17によって、放電ワイヤ10とシールド12との間の電気的な絶縁が保たれている。放電ワイヤ10の直径は、40μm〜100μmであることが好ましい。放電ワイヤ10の直径が小さすぎると、放電によるイオンの衝突で切断されてしまうことがある。逆に、放電ワイヤ10の直径が大きすぎると、安定したコロナ放電を得るために必要な、放電ワイヤ10に印加する電圧が高くなってしまう。放電ワイヤ10に印加する電圧が高いと、オゾンが発生しやすくなり、又電源のコストが上昇しやすい。本実施例では、放電ワイヤ10の直径は60μmとした。
又、板状のグリッド11には、外部電源である第2の帯電電源として定電圧電源が接続されている。この第2の帯電電源からグリッド11に印加するバイアスの制御により、帯電ワイヤ10におけるコロナ放電により発生し感光ドラム1に付与される電荷量を調整して、感光ドラム1の表面の帯電電位を制御する。本実施例では、板状のグリッド11は、感光ドラム1に面する側と、放電ワイヤ10に面する側とを貫通する複数の孔が形成された多孔質形状を有する。即ち、本実施例では、板状のグリッド11は、メッシュ状に当該板状のグリッド11を貫通する複数の孔が形成されている。このような板状のグリッド11は、例えば、ステンレス鋼の薄板にエッチング処理により多数の開口部を形成することで作製することができる。グリッド11は、シールド12の開口部12aに位置するようにしてシールド12に取り付けられ、感光ドラム1の外周面に近接して配置される。尚、本実施例では、板状のグリッド11を用いたが、これに限定されるものではなく、例えばワイヤ形状のグリッドを用いてもよい。
本実施例では、帯電器2は、放電ワイヤ10、グリッド11及びシールド12に付着したトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物をそれぞれ清掃する清掃部材を有する。これらの清掃部材については後述する。尚、本発明において、帯電器2にこれらの清掃部材を設けることは必須ではない。
4.露光装置
画像形成装置100は、帯電処理された感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する露光手段(情報書き込み手段)として露光装置(レーザービームスキャナ)3を有する。本実施例では、露光装置3としては、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばLEDによる露光方式を採用してもよい。
5.現像装置
画像形成装置100は、現像手段として現像装置4を有する。現像装置4は、感光ドラム1上の静電潜像に現像剤のトナーを供給し、トナー像として可視化する。本実施例では、現像装置4として、2成分磁気ブラシ現像方式のものを用いた。又、本実施例では、現像装置4は、一様に帯電処理された感光ドラム1における、露光により電荷が減衰した露光部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーを付着させる反転現像方式により、静電潜像を現像する。
更に説明すると、現像装置4は、現像容器4aと、現像容器4aに回転可能に取り付けられた現像剤担持体としての現像スリーブ4bとを有する。現像容器4a内には、現像剤として主に非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とが混合された2成分現像剤が収容されている。トナーには、斯界にて一般に行われているように、トナーの流動性や帯電性の調整などのために、無機微粉体などとされる外添剤が添加されていてよい。本実施例では、キャリアの体積抵抗率は約5×108Ω・cm、平均粒径は35μmであった。トナーは、キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dギャップ)を約250μmに保持した状態で、感光ドラム1に対向して配置されている。感光ドラム1と現像スリーブ4bとの対向部が現像部となる。現像スリーブ4bは、現像部における感光ドラム1と現像スリーブ4bの表面の移動方向が互いに逆方向になるように回転駆動される。つまり、現像スリーブ4bは、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に対して、順方向に回転駆動される。現像スリーブ4bの内側には、磁界発生手段としてのマグネットローラが設けられており、その磁力により、現像スリーブ4bの回転に伴って2成分現像剤が現像部に搬送される。現像部において、2成分現像剤は、現像スリーブ4bの表面から穂立ちした磁気ブラシの層を形成する。磁気ブラシの層は、現像剤コーティングブレード(図示せず)により所定の厚さの薄層として整えられる。又、現像スリーブ4bには、現像電源から所定の現像バイアスが印加される。本実施例では、現像スリーブ4bに印加される現像バイアスは、直流電流(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧であり、直流電圧は−650V、交流電圧はVpp1800Vとした。この現像バイアスによって感光ドラム1と現像スリーブ4bとの間に形成される電界によって、感光ドラム1上の静電潜像に対応して、2成分現像剤中のトナーが感光ドラム1上に選択的に付着される。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。本実施例では、感光ドラム1上に形成されたトナー像のトナーの帯電量は、約−30μC/gであった。現像部を通過した現像スリーブ4b上の2成分現像剤は、現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
6.転写装置
画像形成装置100は、中間転写ユニットとされる転写手段5を有する。転写装置5は、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト5bを有する。1次転写部材としての1次転写ローラ5aは、中間転写ベルト5bの内周面側に配置されており、中間転写ベルト5bを介して、感光ドラム1の表面に対し所定の押圧力で圧接されている。感光ドラム1と中間転写ベルト5bとのニップ部(接触領域)が、感光ドラム1から中間転写ベルト5bへのトナー像の転写が行われる転写部Tとなる。中間転写ベルト5bは、感光ドラム1と1次転写ローラ5aとの間に挟持されて搬送される。1次転写ローラ5aには、1次転写電源から、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写バイアスが印加される。本実施例では、特に、+2.0kVの1次転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像は、中間転写ベルト5bの表面に静電的に転写される。
尚、本明細書では詳しい説明は省略するが、当業者には周知のように、中間転写ベルト5b上に転写されたトナー像は、次に2次転写部(図示せず)において、別途搬送されてきた転写材に転写される。
7.クリーニング装置
画像形成装置100は、1次転写工程後の感光ドラム1の表面をクリーニングするクリーニング手段として、クリーニング装置7を有する。クリーニング装置7は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード7a及びファーブラシ7bと、クリーニングブレード7a及びファーブラシ7bにより感光ドラム1から除去されたトナーを収容する回収トナー容器7cとを有する。本実施例では、クリーニングブレード7aは、弾性体材料であるウレタンゴムで形成された板状部材であり、感光ドラム1の長手方向に沿って延在し、感光ドラム1の表面に所定の押圧力で圧接されている。又、本実施例では、ファーブラシ7bは、感光ドラム1の長手方向に沿って延びる回転軸に複数本植設されたブラシ部を有し、該ブラシ部が感光ドラム1の表面に接触するようにして回転駆動される。1次転写工程後に感光ドラム1上に残留したトナーは、先ず、ファーブラシ7bにより感光ドラム1の表面から除去されて回収トナー容器7cに回収される。そして、ファーブラシ7bで回収されなかったトナーが、クリーニングブレード7aにより感光ドラム1の表面から除去されて、回収トナー容器7cに回収される。
8.除電手段
画像形成装置100は、除電手段として、第1の前露光手段である帯電前露光器(前露光ランプ)8と、第2の前露光手段であるクリーニング前露光器(クリーニング前露光ランプ)9とを有する。これら2つの前露光手段により、1次転写工程後の感光ドラム1の表面の電位をリセットすることにより、ゴーストの発生を防止する。本実施例では、帯電前露光器8及びクリーニング前露光器9として、中心波長660nmのスタンレー社製のLEDチップ(発光部)をアレイ状に加工したものを使用した。帯電前露光器8及びクリーニング前露光器9は、感光ドラム1の表面電位の少なくとも一部を除電(リセット)する除電手段(表面電位リセット手段)を構成する。帯電前露光器8及びクリーニング前露光器9は、それぞれの駆動制御部としての帯電前露光器駆動回路、クリーニング前露光器駆動回路に接続されている。帯電前露光器駆動回路及びクリーニング前露光器駆動回路はそれぞれ、制御手段としての情報集積回路によって、光照射のON/OFFタイミング、出力値(光量)などの条件が制御される。
9.定着器
画像形成装置100は、2次転写部(図示せず)にて転写材に転写されたトナー像を転写材に定着させる定着手段として加熱及び加圧式の定着器(図示せず)を有する。本実施例では、定着器は熱ローラ式のものであり、加熱ローラとこれに圧接する加圧ローラとで形成されるニップ部(接触領域)において転写材を加熱及び加圧しながら搬送することで、トナー像を転写材に定着させる。トナー像の定着処理を受けた転写材は、画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置100から出力される。
10.放電ワイヤ用清掃部材
図2及び図3に示すように、帯電器2は、放電ワイヤ10に付着したトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物を清掃するための放電ワイヤ用清掃部材14を有する。放電ワイヤ用清掃部材14は、支持体13に保持されている。本実施例では、放電ワイヤ用清掃部材14は、支持体13に保持された状態で互いに圧接すると共にその間に放電ワイヤ10を挟持する、2個の矩形形状のパッドで構成されている。放電ワイヤ用清掃部材14は放電ワイヤ10に圧接した状態で移動して放電ワイヤ10を清掃する。但し、放電ワイヤ用清掃部材14の形状はこれに限定されるものではない。本実施例では、放電ワイヤ用清掃部材14の各パッドには、スポンジを基材として、放電ワイヤ10に接触するその表層にゴム層を設けて、その表層に研磨粒子であるアルミナを塗布し、樹脂結着させたものを用いた。
放電ワイヤ用清掃部材14は、支持体13が移動機構(図示せず)によって帯電器2の長手方向に移動させられることによって、放電ワイヤ10を摺擦して、それに付着していた飛散物を拭き取る。放電ワイヤ用清掃部材14の移動による放電ワイヤ10の清掃動作は、画像形成装置100の電源ON時又は一定枚数の画像形成を行う毎に行われる。
11.グリッド用清掃部材
図3に示すように、帯電器2は、グリッド11、より詳細には、その放電ワイヤ10に対向する側の側面に付着したトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物を清掃するためのグリッド用清掃部材15を有する。グリッド用清掃部材15は、支持体13に保持されている。本実施例では、グリッド用清掃部材15は、支持体13とグリッド11とで挟持されて圧縮された状態で支持体13に保持された、矩形形状のパッドで構成されている。グリッド用清掃部材15はグリッド11に圧接した状態で移動してグリッド11を清掃する。本実施例では、グリッド用清掃部材15には、アクリル系ブラシを難燃化処理して基布に織り込んだ部材を使用した。但し、グリッド用清掃部材15を構成する材料はこれに限定されるものではなく、ナイロン、PVC、PPSなどを使用してもよい。又、グリッド用清掃部材15は、植毛系の部材に限らず、フェルト、スポンジのような弾性部材や、アルミナ、炭化珪素などの研磨剤を塗布したシートなどを利用してもよい。グリッド11への接触時の力学的な抵抗が、グリッド11の清掃に不都合を生じなければ、任意の清掃部材を用いることができる。
グリッド用清掃部材15は、支持体13が移動機構(図示せず)によって帯電器2の長手方向に移動させられることによって、グリッド11の放電ワイヤ10に対向する面を摺擦して、それに付着していた飛散物を拭き取る。グリッド用清掃部材15の移動によるグリッド11の清掃動作は、画像形成装置100の電源ON時又は一定枚数の画像形成を行う毎に行われる。
12.シールド用清掃部材
図3に示すように、帯電器2は、シールド12、より詳細には、その側板12b、12bの放電ワイヤ10に対向する内面に付着したトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物を清掃するためのシールド用清掃部材16を有する。シールド用清掃部材16は、支持体13に保持されている。本実施例では、シールド用清掃部材16は、支持体13とシールド12とで挟持されて圧縮された状態で支持体13に保持された、矩形形状のパッドで構成されている。シールド用清掃部材16はシールド12に圧接した状態で移動してシールド12を清掃する。本実施例では、シールド用清掃部材16には、アクリル系ブラシを基布に織り込んだ部材を使用した。但し、シールド用清掃部材16を構成する材料はこれに限定されるものではなく、ナイロン、PVC、PPSなどを使用してもよい。又、シールド用清掃部材16は、植毛系の部材に限らず、フェルト、スポンジのような弾性部材や、アルミナ、炭化珪素などの研磨剤を塗布したシートなどを利用してもよい。シールド12への接触時の力学的な抵抗が、シールド12の清掃に不都合を生じなければ、任意の清掃部材を用いることができる。
シールド用清掃部材16は、支持体13が移動機構(図示せず)によって帯電器2の長手方向に移動させられることによって、シールド12の側板12b、12bの放電ワイヤ10に対向する内面を摺擦して、それに付着していた飛散物を拭き取る。シールド用清掃部材16の移動によるシールド12の清掃動作は、画像形成装置100の電源ON時又は一定枚数の画像形成を行う毎に行われる。
シールド用清掃部材16を配設することにより、シールド12の表層の清掃により飛散物を物理的に清掃可能となり、詳しくは後述する本発明の効果を発揮する上でロバスト性を向上することができる。
13.シールドの表層の構造
(1)シールドの表層の構造の概要
本実施例の目的の1つは、特に画像形成時に帯電器2のシールド12にトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物が付着するのを長期にわたり防止することである。又、それにより、帯電器2のシールド12に飛散物が付着することで帯電器2内において電界異常が発生するのを長期にわたり防止することも本実施例の目的の1つである。又、それにより、感光ドラム1を均一に帯電させる能力を長期にわたり維持することも本実施例の目的の1つである。
そこで、本実施例では、放電装置である帯電器2は、支持筐体であるシールド12の少なくとも一部の表層が、水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°である微細凹凸構造を有する構成とする。即ち、本実施例では、帯電又は除電が行われる処理対象に対して放電を行う放電装置は、被帯電体としての感光ドラム1を帯電させる帯電器2とされる。この帯電器2は、放電を行うための放電線である放電ワイヤ10を有する。又、帯電器2は、電気的な遮断作用をなす支持筐体として、少なくとも放電ワイヤ10を挟んだ両側に配置された側板12b、12bを有し、感光ドラム1との対向位置に開口部12bが形成されたシールド12を有する。又、帯電器2は、シールド12の開口部12bに位置して、感光ドラム1上の電位を制御するための制御電極であるグリッド11を有する。そして、この帯電器2は、シールド12の少なくとも一部の表層の水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°であり、その表層の構造が自己相似性を近似的又は統計的に満足するフラクタル構造を有する構成とする。特に、本実施例では、シールド12の少なくとも一部の表層として、シールド12の側板12b、12bの放電ワイヤ10に対向する内面(以下、便宜上、シールド12における位置を特定せずに、単に「シールドの表層」などともいう。)の表層に上記微細凹凸構造を設ける。以下、更に詳しく説明する。
(2)フラクタル構造
シールド12の表層の構造について説明する。本実施例の特徴の一つは、狭義には、シールド12の表層の構造が、位相次元とハウスドルフ次元が一致しない構造、即ち、一般にフラクタル構造と呼ばれる構造となっていることである。
文言「フラクタル構造」とは、次第に微細となる構造において自己相似形の性質と非整数次元の特徴を有する幾何学的な図形の構造を指し、具体的な形状、大きさなどは特に限定されるものではない。但し、本実施例では、大きさは、飛散物の付着を防止するうえで、主な飛散物であるトナーの直径の半分以下が望ましく、ピッチ間隔、最大山高さなどは、この条件を満たすことが望ましい。形状は、鱗片状、角柱状、円柱状、角錐状、円錐状、針状などのいずれか、又はこれらの形状が複雑に組み合わさってできた構造を挙げることができる。
上記次元について、本実施例に従うシールド12の表層の構造の一例を表すコッホ曲線(図4(a)、(b))を用いて説明する。コッホ曲線における位相次元は、一見複雑な凹凸構造を示しているが、曲線で構成されており、1次元として表現できる。今、N次元で図形をP倍に拡大したら、長さか面積か体積はQ倍になると考えれば、下記(1)式が成立する。
Figure 0005550490
これをNについて解くと、下記(2)式のようになる。
Figure 0005550490
上記(2)式にて定義された次元を、ハウスドルフ次元と呼ぶ。図4(b)に示す構造Aを基本構造とした場合、構造Aを3倍に拡大するとP=3となる。すると全体は図4(b)に示す構造A+B+C+Dと一致する。このとき曲線の長さは4倍となる。従って、Q=4となり、上記(2)式よりハウスドルフ次元Nを求めると、下記(3)式のようになり、非整数の次元数を有し、位相次元と一致しない関係性を持つ。
Figure 0005550490
シールド12の表層にこの関係性を有する微細な凹凸構造を形成することにより、水に対する接触角がほぼ180°、接触角ヒステリシスが5°以下という、超撥水又は超撥油効果を有するシールド12の表層となる。
又、本実施例に従うシールド12の表層の構造は、偏角関数によっても表現可能である。ある段階nにおける、本実施例に従うシールド12の表層の構造を表す曲線の偏角関数は、数列tn kによって、下記式(4)のように表現可能である。
Figure 0005550490
これは図4に示す構造を定義したものであり、初期条件tk 1={n1,n2・・・nk}を再定義することにより、広義のフラクタル構造を表現可能となる。
しかしながら、シールド12の表層を完全なフラクタル構造として成形することは難しい。従って、シールド12の表層の構造を、自己相似性を近似的又は統計的に満足するフラクタル構造にすることで、本発明による所期の効果を発揮することが望ましい。そのために、上記偏角関数を標本化することにより、近似的表現が可能となり、本実施例に従うシールド12の構造を、更に広義にした説明が可能となる。
近似的なフラクタル構造において、ある構造の断面の稜線(曲線)の基準点からの長さlでの接線の偏角(rad)をθ(l)とした場合、元の曲線は下記式(5)で表現できる。ここで、曲線の長さをLとすると、L=L1+L2となる。又、閉曲線の場合は、L1+L2=∞となる。
Figure 0005550490
上記(5)式は、代数的な処理を施すと原始関数で表現できない部分があるため、標本化する。文言「標本化」とは、数学的には連続関数の値からある点の値だけを標本として取り出して離散関数に変換する手法のことである。本実施例では、ある構造の断面の稜線上における、基準点からある長さにおける位置情報(x,y)を標本化するとき、基準点からの長さをtとし、標本化間隔をΔlとすると、次式(6)のようになる。
Figure 0005550490
上記関数は、元の曲線の構造を完全に復元するものではなく、標本化間隔Δlの線分の集合で近似したものに等しくなる。標本化間隔Δlを大きくとることにより、復元できる曲線は粗くなり、本実施例に従うシールド12の表層の構造が崩れていき、超撥水効果が小さくなり、それに伴い飛散物との接触率が増えて、飛散物は当該シールド12の表層に付着しやすくなる。
(3)好ましい表層の構造
ここで、標本化間隔Δl、及び表面自由エネルギーの評価における水の接触角によって、本実施例に従うシールド12の表層として好ましい構造の条件を表すと次のようになる。即ち、当該表層の水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°であり、又その表層の上記(6)式における標本化間隔Δlが0≦Δl≦3μmである、という条件を満たすことが好ましい。
シールド12の表層がフラクタル構造を呈している場合、当該表層における水に対する接触角は、そのシールド12の表層の材料自体が持つ水に対する接触角と、当該表層のフラクタル構造による水に対する接触角とにより決定される。
先ず、前者(材料自体が持つ水に対する接触角)について説明する。撥水性の高い材料、即ち、表面自由エネルギーの低い材料は、当該接触角が大きい。例えば、フッ素系含有物質は、撥水性が高い傾向がある。例えば、エチレン(CH2)系のポリエチレンの表面自由エネルギーは36mJ/m2、メチル(CH3)系のポリプロピレンの表面自由エネルギーは24mJ/m2である。これに対して、CF2で覆われたPTFE(ポリテロラフルオロエチレン)(テフロン(デュポン社の登録商標)として知られる)の表面自由エネルギーは18mJ/m2である。このように、PTFEの表面自由エネルギーは小さく、撥水性も高くなる。部材の表面をフッ素の多いCF3で被覆した場合、PTFEよりも高い撥水性が得られる。実際に部材の表層にCF3を設けたモデルを作って測定すると、水に対する接触角は120°、表面自由エネルギーは6.7mJ/m2である。この値は、あらゆる材料を通じて得られる化学的撥水性の限界値であり、室温において化学的に作り出した表面自由エネルギーの最低値となる。このCF3は、シールド12の表層に最小限必要な水に対する接触角の条件を満たす材料として適用可能と考えられる。
又、ポリメチルメタクリレート、所謂、アクリル樹脂は、そのモノマー85%に、フッ素成分15〜16%を混ぜて、共重合体を作ることができる。これにより、シールド12の表層に最小限必要な水に対する接触角の条件を満たす材料として適用可能な材料を生成できると考えられる。その水に対する接触角はほぼ120°、表面自由エネルギーは7.8mJ/m2である。即ち、その値は、化学的撥水性の限界近くまで到達する。但し、この数値を達成するには、表面にフッ素分子がきれいに並ぶようにフッ素成分を規則的に配向する必要がある。アクリル成分は、いろいろな溶媒に可溶だが、フッ素成分に対しては溶けにくい。そのため、溶媒と混合させたときに、フッ素成分を内側にして、アクリル成分を外側にした、ミセル(コロイド粒子)構造になってしまう。その結果、フッ素成分が外に出ないために、表面自由エネルギーが下がらないことがある。又、フィルムの作り方、熱処理方法の違いで、水に対する接触角、表面自由エネルギーの数値は変わるが、化学的撥水性の限界値である接触角120°を越えることはできない。
通常環境、例えば非画像形成時においては、上記物質をシールド12の表層の材料として適用することにより、撥水性を発揮して、飛散物に対するシールド12の付着力を低減できると考えられる。しかし、上記物質を、電子写真方式の画像形成装置内、特に、帯電器2内に配設した場合、上記物質は、画像形成中におけるコロナ放電生成物の曝露で高分子鎖が破壊されることによる表層改質や放電生成物の堆積により、親水化してしまう。そのため、上記物質は、電子写真方式の画像形成装置内、特に、帯電器2のシールド12の表層の材料として適用した場合には、その効果を長期にわたって十分に得ることができない。
そこで、本実施例では、もう1つのパラメータとして、上述の後者(フラクタル構造による水に対する接触角)によって、コロナ放電環境下においても化学的撥水性の限界値以上の接触角、即ち、超撥水又は撥油(以下、単に「撥水」という。)性を発揮するようにする。ここでは、サブミクロンオーダーによる微細凹凸加工による超撥水性効果をより良好に発揮するために、上記偏角関数における標本化間隔Δlの条件を規定する。そして、好ましくはこの条件を満たすことにより、シールド12の表層の材料及び変質に依存せずに、所望の水に対する接触角をより良好に維持できるようにする。
次に、後者(フラクタル構造による水に対する接触角)について説明する。シールド12の表層を上記微細凹凸構造とすると、飛散物が複合面にてシールド12に接触する形となる。即ち、図5のモデル図に示すように、シールド12の表層を拡大すると、当該表層は、空気で形成された面とシールド12の材料自体で形成された面との2つの面(複合面)により構成されている。
図6は、水に対する接触角が異なる材料でシールド12の表層を形成した場合の、シールド12の材料自体が占める割合とCassieの接触角との関係の違いを示す。ここで、Cassieの接触角は、空隙を多く含む固体表面のぬれを対象として、ぬれ性の異なる領域が混在する複合表面の水に対する接触角を与えるCassie理論による理論値である。
図6から、シールド12の表層の材料に関わらず、空気面が50%以上を占めていることにより、撥水性が保たれることが分かる。空気面が50%以上を占めていることにより、例えシールド12の材料自体における水に対する接触角θ1が0°である状況下でも、シールド12の表層(空気と材料の複合面)において、理論上、水に対する接触角θ1が90°以上を保つことになるからである。尚、シールド12の材料自体における水に対する接触角θ1が0°の状況とは、材料表面が完全にぬれてしまっている状況である。
又、図6から、上述の材料自体が持つ水に対する接触角による撥水性における課題を解決するためには、空気面が75%以上を占めていることが好ましいことが分かる。空気面が75%以上を占めていることで、例えシールド12の材料自体における水に対する接触角θ1が0°である状況下でも、シールド12の表層(空気と材料の複合面)において、理論上、水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°を満たすからである。シールド12の表層(空気と材料の複合面)の水に対する接触角θ1について120°≦θ1<180°が成立することにより、超撥水性を維持できる。
更に、飛散物の大きさを考慮すると、本実施例において主な飛散物はトナーであり、該飛散物の大きさは約6μmと微小である。そのため、シールド12の表層における微細凹凸構造は、飛散物により埋没せず且つ飛散物が付着し難い水に対する接触角を有することが好ましい。
このような構造とするためには、上記近似的なフラクタル構造の上記(6)式における標本化間隔Δlが、0≦Δl≦3μm、望ましくは、0≦Δl≦0.5μmを満たすようにする。詳しくは後述するように、0≦Δl≦3μmを満たすことにより、新品時においてシールド12の表層の水に対する接触角θ1は、超撥水性を有する条件である120°≦θ1<180°を満たす。又、0≦Δl≦3μmを満たすことにより、コロナ放電に曝露した後にも、シールド12の表層の水に対する接触角θ1は、撥水性を有する条件である90°以上を保持することが可能である。そして、望ましくは、0≦Δl≦0.5μmを満たすことにより、コロナ放電に曝露した後にも、シールド12の表層の水に対する接触角θ1は、新品時と同等の超撥水性を保持することが可能となる。
図7は、Δlに対するCassieの接触角の変化を示す。詳しくは後述するように、本実施例では、シールド12の材料としてSUS304を使用した。そして、多段凹凸構造のフラクタル構造からエポキシ樹脂などで金型を形成し、その金型から各Δlのフラクタル構造をそのシールド12の表層に形成したものを作製した。本実施例では、金型におけるフラクタル構造には、図4に示す構造を適用した。
図7に示すように、新品においては、Δlが0≦Δl≦3μmの範囲内にあるとき、超撥水性を有し、飛散物が付着することはない。尚、新品とは、コロナ放電に晒されていないものを言うものとする。そして、放電ワイヤ10に供給する放電電流を−1000μAとして、60分間コロナ放電に曝露した後は、0≦Δl≦3μmの範囲において許容できる撥水性を示し、更に0≦Δl≦0.5μmにおいては新品と同等の撥水性を維持している。又、0≦Δl≦0.5μmを満たすことにより、シールド12の表層は、新品時もコロナ放電に曝露した後も、典型的には、水に対する接触角θ1が150°≦θ1<180°という優れた超撥水性を保持する。このように、Δlが上記規定範囲にあることが、十分に本発明の効果を発揮する上で好ましい条件であることが分かる。
上述のようにΔlによって撥水性が異なるのは、次のような理由によるものと考えられる。シールド12の表層の構造が理想的なフラクタル構造(Δl=0)から標本化間隔Δlにより近似化されることにより、フラクタル構造が持つ自己相似性を満足できない領域が存在する。この領域においては、シールド12の表層の材料に対する水の接触角が支配的となる。そのため、この領域においてコロナ放電生成物の曝露などにより表面自由エネルギーが上昇した部分では、水に対する接触角が小さくなる。その結果、シールド12の表層を全体的に見ても、撥水性が低下したものと考えられる。これに対して、Δlの上記規定範囲内においては、シールド12の表層の構造が飛散物の大きさに対して十分小さいフラクタル構造を呈しており、シールド12の表層の材料の水に対する接触角が非支配的となる。このため、シールド12は、その撥水性を維持できるものと考えられる。
図8は、Δlによるシールド12の表層の表面形状の変化を示す。即ち、シールド12の表層のフラクタル構造の一例として、ある一部のフラクタル構造をモデルに、稜線の長さLにおける表層の構造を上記偏角関数により表現する。そのように表現できた場合において、Δl=limit0→Lにて代数処理を実行したときの表層構造の変化を示したものが図8である。
図8に示すように、Δlを増やすことにより表面形状が粗くなっている。表面形状が粗くなるに従い、シールド12の表層は、シールド12の材料自体が占める割合が増加し、最終的には平面形状になる。これは、上述の材料自体が持つ水に対する接触角による撥水性のみを発揮するシールド12の表層の状態と同じであり、長期にわたる良好な撥水性を発揮できなくなる。
以上の考察より、シールド12の少なくとも一部の表層は、当該表層の水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°であり、更に当該表層の上記(6)式における標本化間隔が0≦Δl≦3μmであるという条件を満たす微細凹凸構造を有することが好ましい。
(4)製造方法
シールド12の表層の微細凹凸構造の形成方法(又は材料)は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。斯かる方法は、特開2006−181486号公報、特開2003−144868号公報、A. W. Adamson著、「Physical Chemistry of Surfaces(John Wiley & Sons, New York)」、Tsujii, et al., J. Phys. Chem., 100, 19512 (1996)、Tujiii, et al., Angew. Chem. int. Ed., 36, 1011(1997)に記載されている。
例えば、切削加工又は研削加工により形成することができる。他の方法としては、集積回路製作に用いられている真空蒸着、リソグラフィー、イオンビーム加工、プラズマ加工などにより形成することが可能である。又、温度や温度勾配、化学物質の濃度や濃度勾配、電磁場などの外部因子を制御することにより自然発生させるものとして、例えば、次のようなものがある。
電気分解、化学反応、微生物反応などにより固体表面を溶解又は腐食させる方法である。又、電気分解や拡散律速凝集などにより固体表面に物質を析出させる方法である。又、微粒子凝集体を固体表面に付着させる方法である。又、互いに非相溶な2種類の物質を混合し相分離を進行させて2つの相が互いに入り組んだ相分離パターンができたときに、どちらか片方の物質のみを溶出させる方法である。又、アルキルケテンダイマーやジアルキルケトンなどのように融液又は溶液からの固化時に自己組織化によるフラクタル構造化するものを利用する方法である。
更に、前述の各方法で形成した多段凹凸構造のフラクタル構造を形成してもよい。或いは、蓮の葉の表面などの自然界に既に存在している多段凹凸構造のフラクタル構造から金属やエポキシ樹脂などで金型を形成し、金型そのもの、あるいはその金型から形成した凹凸構造表面のレプリカを用いても、フラクタル構造を形成することができる。
本実施例では、シールド12の材料としてSUS304を使用した。そして、多段凹凸構造のフラクタル構造からエポキシ樹脂などで金型を形成し、その金型を用いてSUS304によりシールド12を鋳造、形成した。
図7に示す結果における、各標本化間隔Δlに対する表層構造は、金型であるエポキシ樹脂をフォトリソグラフィにて形成することで得た。Δlの変更に伴う形状変更は、エポキシ樹脂に対して感光性の物質を塗布した物質の表面を、図8に基づいて本実施例の形状に電子線を露光することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成することで行った。Δlを制御することにより生成させたフラクタル構造の確認は、電子顕微鏡にて同倍率をスキャニングし、形状を比較することで行った。
フラクタル構造は、特には、帯電器2のシールド12の側板12b、12bの内面に設けることによって、本発明の効果を発揮できる。
しかし、更に帯電器2への飛散物の付着を防止するなどのために、フラクタル構造をシールド12の側板12b、12の外面にも設けてもよい。即ち、フラクタル構造は、側板12b、12bの両面に設けてもよい。更に、帯電器2に天板12cが設けられている場合には、フラクタル構造は、天板12cの放電ワイヤ10に対向する内面に設けることが好ましく、上記同様、外面にも設けることができる。又、放電機能を阻害しない限り、放電装置内において飛散物の堆積又は付着が発生しやすい、制御電極や放電電極などの表層にもフラクタル構造を設けてもよい。尚、フラクタル構造の作製方法は、本実施例のものに限定されるものではなく、例えば、ナノエッチング加工など上述した作製方法で作製してもよい。
本実施例におけるシールド12の表層のフラクタル構造には、図4に示す構造を適用した。又、本実施例では、基層面(図4中一点鎖線)からの最大山高さ(JIS B 0601)は3μmであった。又、最終的に本実施例のシールド12の側板12b、12bの内面の表層の新品時における水に対する接触角は160°であり、水に対する接触角ヒステリシスはΔθ1=7±2°であった。
(5)測定方法等
シールド12の表層の水に対する接触角の測定方法について説明する。本明細書において、シールド12の表層の水に対する接触角は、協和界面化学株式会社製、FAMAS(商標)を使用して測定したものである。測定方法は、次の通りである。23℃50%の環境下において、水平に保持したシールド12の表層に、細針管により約10μlの液滴を作成して着滴させ、一定時間後の接触角を測定した。着滴した液滴の接触角は、接線法により算出した。接線法では、液滴端点近辺を球の一部とみなし、円弧上の点から円の中心を求めることにより、ある点における円の接線を求めることができる。算出した円の接線と直線でなす角度が、液滴左側の接触角となる。同様に円弧上の点から、液滴右側の接触角を求める。そして、各々左右の平均値を算出したものが求める接触角となる。
次に、シールド12の表層の水に対する接触角ヒステリシスの測定方法について説明する。本明細書において、接触角ヒステリシスは、上述の接触角の測定と同様の測定器を用いて、前進接触角と後退接触角を算出しその接触角の差を算出したものである。前進接触角は、上述の接触角の測定の場合と同じようにしてシールド12の表層に液滴を着滴させ、一度針を液滴から離間し、5秒間安定させた後、再度液滴を5μl注入した時の接触角を指す。又、後退接触角は、再度液滴を5μl吸い取った時の接触角を指す。両者の差を測定することにより、微細構造上の液体が固体表面上をぬらしながら広がる際の挙動を掴むことができる。
次に、シールド12の表層の表面自由エネルギーについて説明する。表面自由エネルギーは、水のぬれの進行のしやすさを示し、上述のようにして測定された接触角θ1により算出可能である。
即ち、表面自由エネルギーをWと仮定すると、次式、
W=γw(1+cosθ1
となる。ここで、γwは水の表面自由エネルギーであり、72.75mJ/m2である。
尚、シールド12の表層のCassieの接触角は上記水に対する接触角の測定と同様にして測定することができる。
(6)付着性試験
本発明に従って構成された本実施例のシールド12の飛散物に対する付着力を比較例と比較した。以下に、比較試験における諸条件を記載する。
・付着対象
本実施例:本実施例のフラクタル構造を施したシールド
比較例1:本実施例の加工を施さないシールド
比較例2:同基材に対して表層に防食加工(KN鍍金)を施したシールド
・付着物
トナー:キヤノン社製 平均粒径5.5±0.3μmの粉砕系トナー
標準粒子1:Duke Scientific Corporation社製
Dry Soda Lime Glass Microspheres 9050 52.6±3.2μm
標準粒子2:Duke Scientific Corporation社製
Polystyrene DVB Microspheres DC-50 50.3±2.0μm
上記標準粒子1、2に関しては、粒径が小さすぎると粒同士の凝集力、静電気力、ファンデルワールス力により付着力が正確に測定できないことから、計測結果のばらつきが大きくなるため、より再現性のある条件として採用した。
付着力の測定には、株式会社ナノシーズ社製衝撃式付着力測定装置NS−F100型を使用した。これは、粒子に衝撃を与えることにより、その衝撃加速度から対象の平面から粒子が分離する時の付着力を測定するものである。評価条件は、次の通りとした。即ち、約0.5gのトナーなどの付着物を、付着対象のシールド12の表層に対して、振幅a=6×10-6m、周波数f=3.95×104Hzにて超音波により転写することで付着させた。
ここで、超音波により転写する方法は、通常は電界にて飛ばされて付着するところを、電界の代わりに超音波振動を利用して加速度を与えることで付着させる方法である。この方法によれば、静電気力を極力抑制した形で、付着物を付着対象に薄層状に付着させることができる。
尚、上記トナーに関しては、上記測定装置では計数不可能なため、次のようにして付着力を測定した。衝撃前後の画像を高速度カメラにより撮影し、この画像を画像処理にてグレースケール化し、トナー部におけるヒストグラム領域の比率を算出し、前後の比率の差から落下率D(%)を算出した。上記測定装置で計数可能な上記標準粒子1、2に関しては、初期粒子数Mを同じにしてある衝撃力に対する落下数mから落下率D(%)を算出した。算出式は、下記(7)により定義した。
Figure 0005550490
図9は、トナーに対する付着力を比較した結果を示す。図10は、標準粒子1に対する付着力を比較した結果を示す。図11は、標準粒子2に対する付着力を比較した結果を示す。
図9〜図11の結果に示すように、本実施例では、少ない衝撃加速度にて落下しやすい傾向となった。これは、本実施例におけるシールド12の表層の構造がフラクタル構造を有していることから、トナーと付着対象との接触面が少なく、付着物との表面自由エネルギーが比較例に比べ小さくなり、付着物が付着し難くいためと考えられる。又、このことは、付着対象に対する接触角からも説明できる。即ち、新品時のシールド12の表層の水に対する接触角は、本実施例に従う付着対象では、約160°であるのに対して、比較例1では約80°、比較例2では約60°であり、本実施例ではシールド12の表面のぬれ性は、比較例に比べて顕著に高い。このことから、付着物と付着対象との付着エネルギーの点から見ても、本実施例は有効であると言える。
(6)耐久試験
次に、付着対象をコロナ放電に晒した後の付着性を比較する耐久試験を行った。上記付着性試験と同じ付着対象を、放電ワイヤ10に供給する放電電流を−1000μAとして、60分間コロナ放電に曝露した後に、上記付着性試験と同じ方法により落下率Dを求めた。
図12は、代表例として、付着対象をコロナ放電に晒した後におけるトナーに対する付着力を比較した結果を示す。
図12に示すように、付着対象を上記条件のコロナ放電に曝露した後においては、更に顕著に、少ない衝撃加速度にて落下しやすいという本実施例の効果が現れた。又、上記条件のコロナ放電に曝露した後のシールド12の表層の水に対する接触角は、本実施例に従う付着対象では約130°、比較例1では約30°、比較例2では約10°となった。これは、コロナ放電により発生した放電生成物により、シールド12の表層の表面性が変化し、水に対する接触角に影響を及ぼしたためと考えられる。しかし、本実施例では、トナーと付着対象との接触面積が少なく、表面性の変化に対する影響が小さいため、長期の耐久後においても、新品同様の効果を得ることができたものと考えられる。
(7)帯電能試験
上記付着性試験、耐久試験における本実施例と比較例1、2と同じシールド12を備えた帯電器2を用いて、耐久後の感光ドラム1に対する帯電能比較を行った。本実施例及び比較例1、2のシールド12を備えた帯電器2は、本実施例の画像形成装置100と基本的な構成が同じであるimagePRESSC7000VP(キヤノン社製)に組み込んだ。そして、一定環境(温度23℃、湿度5%)下で、A3用紙に2色(MC)のベタ画像を連続して10,000枚形成した。その後、帯電器2のシールド12はそのままにして、放電ワイヤ10、板状グリッド11を新品に交換した。このようにして、放電ワイヤ10、板状グリッド11による電位への影響を除いた上で、表面電位計(TREK社製Model344)にて感光ドラム1上の暗電位(帯電電位)を測定することで、耐久前後の感光ドラム1の長手方向における表面の電位斑を計測した。
図13は、感光ドラム1の長手方向における位置と感光ドラム1の表面電位との計測した結果、即ち、帯電器2の耐久前後の感光ドラム1の長手方向における電位斑を示す。尚、図13は、感光ドラム1の長手におけるある特定の部位を抽出したものである。
図13の結果より、本実施例では、耐久後においても感光ドラム1の表面電位に突出した斑が発生しておらず、画像不良も発生しておらず、シールド12の表面においてもトナーなどの飛散物の付着が見られなかった。これに対して、比較例1、2においては、グラフ上で下方に凸の感光ドラム1の表面電位の突出部分が生じた。シールド12を観察すると、シールド12にトナーなどの飛散物が付着している箇所と、上記グラフ中に現れた突出部分とが一致し、飛散物による感光ドラム1の電位制御の不具合が生じていることが分かった。
以上説明したように、本実施例によれば、特に画像形成時に帯電器2の筐体であるシールド12にトナー、外添剤又は紙粉などの飛散物が付着するのを長期にわたり防止する防汚効果を発揮することができる。又、これにより、帯電器2のシールド12に飛散物が付着することで帯電器2内において電界異常が発生するのを長期にわたり防止することができる。又、これにより、感光ドラム1を均一に帯電させる能力を長期にわたり維持することができる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施例では、本発明を、放電装置である感光体を帯電処理する帯電器に適用した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。電子写真方式の画像形成装置では、感光体を帯電処理するための帯電器以外にも、処理対象を帯電又は除電処理する放電装置が用いられている。例えば、感光体上の帯電したトナー像(トナー)の電荷極性を強めるための、転写前帯電手段としてのコロナ放電器がある。又、感光体上のトナー像を転写材に転写させるための転写手段としてのコロナ放電器がある。又、トナー像が転写された転写材を除電して感光体の表面から分離させるための分離手段としてのコロナ放電器がある。又、転写工程後の感光体の表面を除電するための除電手段としてのコロナ放電器がある。これらの他の放電装置においても、本発明を同様に適用することにより、その放電装置のシールドへの飛散物の付着を長期にわたり防止して、長期にわたり安定した帯電又は除電処理を行うことができる。
2 帯電器
10 放電ワイヤ
11 グリッド
12 シールド(支持筐体)

Claims (3)

  1. 処理対象に対して放電を行い該処理対象を帯電又は除電処理する放電装置において、
    放電電極と、前記放電電極に対向する面を有する筐体を有し、前記筐体の前記面の少なくとも一部の表層は、水に対する接触角θ1が120°≦θ1<180°の微細凹凸構造を有し、前記微細凹凸構造はフラクタル構造を有し、該微細凹凸構造は、前記微細凹凸構造の断面の稜線のある基準点からの長さlにおける接線の偏角をθ(l)、標本化間隔をΔlとしたとき、前記稜線上の基準点からの長さtにおける位置情報(x、y)が標本化された偏角関数によって、次式、
    Figure 0005550490
    により表現可能であり、且つ、0≦Δl≦3μmを満たすことを特徴とする放電装置。
  2. 移動しながら前記筐体の前記面に圧接して該面を清掃する清掃部材を有することを特徴とする請求項に記載の放電装置。
  3. 前記筐体はステンレス鋼で作製されることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電装置。
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